JP2010221338A - 加工皿の作製装置及び修正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ高精度で研磨皿その他の加工皿を作製することができ、高い再現性で加工皿を迅速に作製等することができる加工皿の作製装置及び修正方法を提供すること。
【解決手段】カーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置30が、第1ホルダ37と第2ホルダ38とを相対的に3次元的に変位させることによって、加工皿10の形状を砥石部材20によって修正するので、砥石部材20を利用して簡易かつ高精度で加工皿10を作製することができ、加工皿10の作製が迅速で再現性の高いものとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子の研磨又は研削に用いられる加工皿の作製装置及び修正方法に関し、特にダイヤモンドペレットやウレタンパッド等を貼り付けた加工皿の加工面を簡易かつ高精度で修正可能な加工皿の作製装置及び修正方法に関する。
レンズの研磨装置として、先端に研磨皿を固定したスピンドルを回転させつつ揺動させるとともに、ホルダシャフト下端に揺動可能に取り付けられたレンズ材を研磨皿に対して押し付けるものがある(特許文献1参照)。
ここで、研磨皿の表面には、例えばポリウレタンパッド等が貼り付けられる(特許文献2)。また、研磨皿の表面には、ダイヤモンドペレット等が貼り付けられる場合もある(特許文献3)。なお、研磨皿が使用とともに劣化した場合、例えば修正皿を用いて工具面を研磨して曲率半径を修正することが行われる(特許文献4)。
なお、上記のような研磨皿を用いないでカーブジェネレータでレンズ材を直接研削加工する方法として、筒状のカップ砥石を用いるもの(特許文献5参照)、球面に加工した研削砥石を用いるもの(特許文献6,7参照)がある。
特開昭59−93262号公報 特開2006−136959号公報 特開2002−144205号公報 特開2001−47351号公報 特開2006−297511号公報 特開平7−186032号公報 特開2002−254280号公報
上記のような研磨皿の形状精度は、加工後のレンズの形状精度に直接影響するため、研磨皿の形状精度を向上させることが極めて重要となる。
しかしながら、研磨皿の作製は、専用の設備や熟練した技能を要し、経験や勘に頼る手作業に依存するものとなっている。なお、研磨皿の作製は、例えば(1)研磨面に対応する基準面を有する基準皿の作製工程、(2)基準皿の基準面を転写した修正用皿の作製工程、及び(3)修正用皿を利用した研磨皿の研磨面の修正工程からなり、複雑なものとなっている。
そこで、本発明は、簡易かつ高精度で研磨皿その他の加工皿を作製することができ、高い再現性で加工皿を迅速に作製等することができる加工皿の作製装置及び修正方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る加工皿の作製装置は、光学素子の研磨又は研削に用いられる球面状の加工面を有する加工皿を支持可能な第1ホルダと、加工皿に対向して砥石部材を支持可能な第2ホルダと、第1ホルダと第2ホルダとを相対的に3次元的に変位させることによって、加工皿の形状を砥石部材によって修正するカーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置と、駆動装置の動作を制御する制御装置と、を備える。
上記作製装置によれば、カーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置が、第1ホルダと第2ホルダとを相対的に3次元的に変位させることによって、加工皿の形状を砥石部材によって修正するので、砥石部材を利用して簡易かつ高精度で加工皿を作製することができ、加工皿の作製が迅速で再現性の高いものとなる。
本発明の具体的な態様又は側面では、上記加工皿の作製装置において、砥石部材が球面状の砥面を有する。この場合、加工皿の加工面の形状精度を高めることができる。なお、球面状の砥面には、全体に亘って球面としたものに限らず、多数の小径のペレットを集めて配置することによって略球面としたものが含まれる。なお、砥石部材の砥面は、球面状に限らず、カップ状とすることもできる。
本発明の別の側面では、駆動装置が、第1ホルダに加工皿に代えて切削工具を支持させた状態で切削工具を砥石部材に対して相対的に変位させることにより、砥石部材の砥面を調製又は創成する。この場合、切削工具を利用して簡易かつ高精度で砥石部材の砥面を加工・創成することができる。
本発明のさらに別の側面では、駆動装置が、第1ホルダに支持された加工皿を中心軸のまわりに回転させる第1回転機構と、第2ホルダに支持された砥石部材を中心軸に対して揺動させる揺動機構とを備える。この場合、中心軸のまわりに回転する加工皿に砥石部材を押し当てつつ、砥石部材を中心軸に対して揺動させる加工が可能になり、加工皿の加工面の球面の精度を高めることができる。
本発明のさらに別の側面では、駆動装置が、第2ホルダに支持された砥石部材を対称軸のまわりに回転させる第2回転機構と、砥石部材を対称軸に沿って先端側に移動させる送込機構とを備える。この場合、砥石部材を対称軸のまわりに回転させつつ、砥石部材を対称軸に沿って先端側に送り込む加工が可能になる。この際、砥石部材の送り込み量の調整によって加工皿の表面すなわち加工面を所望の曲率半径の球面に形成することができる。
本発明のさらに別の側面では、制御装置が、砥石部材の摩耗量に応じて送込機構によって砥石部材を先端側に送り込む際の送り込み量を補正する。すなわち、砥石部材の送り込み量を砥石部材の摩耗度に応じて微調整することにより、砥石部材の磨耗を考慮したより精密な加工が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、制御装置が、駆動装置にかかる負荷を監視するとともに負荷の監視結果に基づいて第2ホルダの動作速度を調整することにより、砥石部材による加工皿の加工速度(具体的には切り込み速度)を調整する。この場合、加工皿の加工面の面粗さの一様性等を高めることができる。
本発明のさらに別の側面では、制御装置は、駆動装置にかかる負荷を監視するとともに負荷の監視結果に基づいて第2ホルダの動作速度を調整することにより、切削工具による砥石部材の加工速度を調整する。この場合、砥石部材の砥面の面粗さの一様性等を高めることができる。
本発明に係る加工皿の修正方法は、光学素子の研磨又は研削に用いられる球面状の加工面を有する加工皿を第1ホルダに支持させるとともに、砥石部材を第2ホルダに加工皿に対向するように支持させ、第1ホルダと第2ホルダとを相対的に3次元的に変位させるカーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置によって、加工皿の形状を砥石部材によって修正する。
上記修正方法によれば、カーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置によって加工皿の形状を砥石部材によって修正するので、砥石部材を利用して簡易かつ高精度で加工皿を作製することができ、加工皿の作製が迅速で再現性の高いものとなる。
実施形態に係る加工皿の作製装置の構造と、これを用いた加工皿の修正とを概念的に説明するブロック図である。 図1の作製装置を用いた加工皿の作製を概念的に説明するフローチャートである。 図1の作製装置を用いて砥石部材を修正等する方法を説明する図である。 図3の作製装置を用いた砥石部材の修正等を概念的に説明するフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る加工皿の作製装置及び修正方法の図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、加工皿の作製装置100は、カーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置30と、駆動装置30の加工部に研削液を供給する研削液供給部40と、駆動装置30の動作を数値的に制御する制御装置70とを備える。
駆動装置30は、台座31上に第1ステージ32と第2ステージ33とを載置した構造を有する。ここで、第1ステージ32は、第1可動部35を支持しており、この第1可動部35は、第1ホルダ37を介してワークである加工皿10を間接的に支持している。この第1ステージ32は、加工皿10を支持する第1可動部35を、例えば水平なZ軸方向に沿った所望の位置に移動させることができる。また、第1ステージ32は、加工皿10を支持する第1可動部35を、Z軸方向に垂直なXY面に沿って変位させる微調整機構を有している。なお、第1可動部35は、第1回転機構として、加工皿10を第1ホルダ37とともにZ軸に平行な水平回転軸RA1のまわりに所望の速度で回転させることができる。一方、第2ステージ33は、第2可動部36を支持しており、この第2可動部36は、第2ホルダ38を介して砥石部材20を間接的に支持している。第2ステージ33は、揺動機構として、加工皿10を支持する第2可動部36を、例えば水平なY軸に平行な鉛直旋回軸PXのまわりに所望の角度範囲及び角速度で揺動させることができる。また、第2ステージ33は、砥石部材20を支持する第2可動部36等をZ軸方向に沿った所望の位置に移動させることができ、鉛直旋回軸PXまでの相対的な距離を調整することができる。なお、第2可動部36は、第2回転機構として、第2ホルダ38とともに砥石部材20をZ軸に平行に配置可能な水平回転軸RA2のまわりに所望の角速度で回転させることができる。さらに、第2可動部36は、送込機構として、第2ホルダ38とともに砥石部材20を水平回転軸RA2に沿って先端側に所望の速度で移動させる送り込みを実行することができる。
第1ホルダ37に保持される加工皿10は、軸10aを設けた凸又は凹の球状面を有する台座10bの表面上に、加工層10cを貼り付けた構造を有する。加工層10cは、加工皿10が研磨皿である場合、例えば硬質の発泡ポリウレタンのシートとすることができるが、加工層10cは、加工皿10がスムージング用の精研削皿である場合、例えばダイヤモンドペレットとすることができる。なお、ダイヤモンドペレットは、ダイヤモンド砥粒をボンドで焼結したペレット状の精研削砥石とすることができる。加工皿10の表面10sは、加工の対象であるガラスの光学面に対応する凸又は凹の球状面となっている。ただし、加工皿10の表面10sは、ポリウレタンのシート表面の場合、例えば花びら状に切ったシートを球状の加工皿に貼り付けるため、放射状に溝が形成され、ダイヤモンドペレット表面の場合、球状の加工皿に小径のペレットを貼り付けるため隙間が形成される場合と、ダイヤモンドペレットに目標曲率半径と同一のRを形成させる場合とがある。
第2ホルダ38に保持される砥石部材20は、軸状の台座20b上に、凹又は凸の球状面を有する砥石層20cを貼り付けた構造を有する。砥石層20cは、ダイヤモンド粒子をボンド材料で焼結したものである。砥石層20cの表面20sは、加工皿10の表面10sの仕上げ後の目標とする曲率半径に対してその正負を反転させた曲率半径の球面になっている。このように、砥石層20cの表面20sを加工皿10の仕上げ後の曲率半径に対応させることで、加工皿10の表面10sの加工精度を高めることができる。特に、砥石層20cの表面20sを球面状の砥面とすることで、加工皿10の加工の再現性や信頼性を高めることができる。
制御装置70は、高精度の数値制御を可能にするものであり、駆動装置30に内蔵されたモータや位置センサ等を駆動することによって、第1及び第2ステージ32,33や、第1及び第2可動部35,36を目的とする状態に適宜動作させる。例えば、第1ステージ32の第1可動部35によって、第1ホルダ37に保持された加工皿10をその中心軸と一致する水平回転軸RA1のまわりに比較的低速で回転させる。同時に、第2ステージ33の第2可動部36によって、第2ホルダ38に保持された砥石部材20をその対称軸と一致する水平回転軸RA2のまわりに比較的高速で回転させつつ、第2ステージ33によって第2可動部36すなわち砥石部材20を鉛直旋回軸PXのまわりに揺動させる。この際、第2ステージ33によって第2可動部36すなわち砥石部材20を水平回転軸RA2に沿って先端側に適宜移動させる送り込みを行うことで、砥石部材20をその表面20sに沿って表面20sの曲率中心のまわりに揺動させることができる。つまり、加工皿10の表面10sの形状を、砥石部材20の表面20sの先端から鉛直旋回軸PXまでの距離(目標曲率半径)に一致させる加工が可能になる。なお、砥石部材20をその表面20sの曲率中心のまわりに揺動させることで、球面型の砥石部材20による加工精度を高めることができる。つまり、球面型の砥石部材20を回転させた場合、その表面20sの移動速度は、中心と周辺とで大きく異なるため、加工に偏りが生じ易いが、球面型の砥石部材20の水平回転軸RA2を遥動させることで、一様な加工を達成でき、加工皿10の表面10sの仕上げ後における形状精度を高めることができる。
なお、砥石部材20を水平回転軸RA2に沿って先端側に移動させる送り込みは、砥石部材20を徐々に前進させることにより、その表面20sが目標の曲率半径を有するものとなるようにするため、上記曲率半径に対応する目標の送り込み量となるまで徐々に行われる。この際、第2可動部36に内蔵されたモータの負荷を監視し、その負荷が増大した場合、第2可動部36による切り込み動作の速度を遅くする。具体的には、例えば第2可動部36に内蔵されたモータの負荷が設定した1以上の閾値を超えた場合、送り込みの速度を2段階以上で又は連続的に低下させることができる。これにより、加工皿10の加工速度を調整することができ、加工皿10の表面10sの面粗さの一様性を高めることができる。
なお、砥石部材20は、加工皿10の加工を繰り返すことで徐々に磨耗する。例えば、砥石部材20の表面20sの磨耗厚みが所定の閾値以下である場合、制御装置70は、砥石層20cが一様に磨耗しているとして、第2可動部36による送り込み量の値を磨耗厚み分だけ修正する。これにより、砥石部材20の磨耗を考慮した動作が可能になり、加工皿10の加工精度を高めることができる。砥石部材20の磨耗の程度は、加工皿10の処理枚数によって判定することができる。また、砥石部材20の磨耗は、加工皿10のR変化(曲率変化)や厚み等を計測することによっても判定することができ、砥石部材20を直接測定することによっても判定することができる。このようにして得られた砥石部材20の磨耗の程度に関する情報は、処理枚数の場合、制御装置70において摩耗量(寸法)に換算されて保管され、加工皿10等の計測結果の場合、オペレータが制御装置70に摩耗量を直接入力する。一方、砥石部材20の表面20sの磨耗厚みが所定の閾値を超えて非一様に磨耗している場合等、表面20sの曲率半径の変化が激しいときは、砥石部材20を廃棄することもできるが、後述する図3の方法を用いて砥石部材20の砥面形状の再調製を行うこともできる。
図2は、図1に示す加工皿の作製装置100を用いた加工の流れを説明するフローチャートである。
まず、制御装置70に基本データを入力する(ステップS11)。この基本データには、目標曲率半径、砥石部材20の直径及び長さ等が含まれる。なお、目標曲率半径は、加工皿10の表面10sの目標曲率半径を意味し、砥石部材20の砥面形状の曲率半径に相当するものとなっている。
次に、制御装置70に加工量データを入力する(ステップS12)。加工量データは、加工皿10の表面10sが砥石部材20の表面20sと接触して加工皿10の加工を開始した加工開始位置又は加工開始時から砥石部材20を送り込む量を意味し、加工皿10の表面層の切込量に相当するものとなっている。
次に、ワーク側の第1ホルダ37に加工皿10を固定し(ステップS13)、砥石軸側の第2ホルダ38に砥石部材20を固定する(ステップS14)。
次に、第1ステージ32等を利用して加工皿10と砥石部材20との位置決めすなわち位置調整を行う(ステップS15)。これにより、加工皿10の表面10sと砥石部材20の表面20sとを接触させる加工開始位置を設定することができる。この際の加工皿10や砥石部材20の座標情報は、制御装置70のメモリに保管され、後述する切削加工処理の際に利用される。
次に、第1可動部35によって加工皿10を適当な回転数で回転させるとともに、第2可動部36によって砥石部材20を適当な回転数で回転させる(ステップS16)。加工皿10や砥石部材20の回転数は、適宜増減調整することができる。
次に、研削液供給部40を動作させて、駆動装置30の加工部に加工液を供給する(ステップS17)。この加工液は、加工皿10等の表面の加熱を防止すること、加工面浄化を促進すること、加工面のダメージを防止しつつ良好な仕上げ面を得ること等を目的として使用される。
次に、第2ステージ33等を適宜動作させて、加工皿10に対する切削加工処理を行う(ステップS18)。この際、第2ステージ33を適宜動作させて砥石部材20を鉛直旋回軸PXのまわりに揺動させるとともに、第2可動部36を適宜動作させて砥石部材20を水平回転軸RA2に沿って先端側に移動させる送り込みを行う。
なお、以上のステップS13〜S18は、加工皿10が目標の球面に修正又は調製されるまで繰り返される。
以上の工程で得られた加工皿10は、レンズ等の光学素子の研磨に利用される。詳細な説明は省略するが、上端に加工皿10を固定したスピンドル(不図示)を回転させつつ揺動させるとともに、カンザシ(不図示)の下端に揺動可能に取り付けられたレンズ材の凹面又は凸面を、研磨液の供給下で加工皿10に対して適当な圧力で押し付けることにより、レンズ材の表面を研磨することができ、透明に近い面(最終目標の光学面に近い状態)又は透明な鏡面(最終目標の光学面)を得ることができる。
図3は、図1の加工皿の作製装置100を用いて、砥石部材20を加工する方法を説明する図である。この場合、第1ホルダ37に、加工皿10の代わりに切削工具である切削用バイト50を固定している。第1ホルダ37に保持される切削用バイト50は、軸50aの先端部50cに、ダイヤモンドチップを固定した構造を有する。
この場合、図1の加工皿10の場合と異なり、第1可動部35によって切削用バイト50を回転させない。例えば、加工皿10の表面10sの頂点があった位置に切削用バイト50の先端部50cを一致させる。そして、第2ステージ33等を利用することにより、砥石部材20に対して、図1の作製装置100の場合と同様に回転、揺動、及び送り込みからなる加工動作を行わせることで、砥石部材20の表面20sを目標どおりの曲率半径に加工することができる。このように、加工皿10を切削用バイト50に取り替えて砥石部材20を研削時と同様に加工動作させるだけの簡単な手法の採用により、砥石部材20の加工精度を簡易に高めることができる。特に、加工皿10の表面10sの加工と、砥石部材20の表面20sの加工とを共通の作製装置100で行うことにより、砥石部材20の表面20sである砥面と、加工皿10の表面10sである加工面との曲率半径を一致させ易くなり、これら砥面や加工面の修正が極めて容易かつ高精度となる。
図4は、図3に示すように図1の加工皿の作製装置100を転用した装置での砥石部材の修正又は調製の流れを説明するフローチャートである。
まず、制御装置70に基本データを入力する(ステップS21)。この基本データには、目標曲率半径、砥石部材20の直径及び長さ等が含まれる。なお、目標曲率半径は、砥石部材20の表面20sの目標曲率半径を意味し、加工皿10の加工面形状の曲率半径に相当するものとなっている。
次に、制御装置70に加工量データを入力する(ステップS22)。加工量データは、砥石部材20の表面20sが切削用バイト50の先端部50cと接触して砥石部材20の加工を開始した加工開始位置又は加工開始時から砥石部材20を送り込む量を意味し、砥石部材20の表面層の切込量に相当するものとなっている。
次に、ワーク側の第1ホルダ37に切削用バイト50を固定し(ステップS23)、砥石軸側の第2ホルダ38に砥石部材20を固定する(ステップS24)。
次に、第1ステージ32等を利用して切削用バイト50と砥石部材20との位置決めを行う(ステップS25)。これにより、切削用バイト50の先端部50cと砥石部材20の表面20sとを接触させる加工開始位置を特定することができる。この際の切削用バイト50や砥石部材20の座標情報は、制御装置70のメモリに保管され、後述する切削加工処理の際に利用される。
次に、第2可動部36によって砥石部材20を適当な回転数で回転させる(ステップS26)。砥石部材20の回転数は、適宜増減調整することができる。
次に、研削液供給部40を動作させて、駆動装置30の加工部に加工液を供給する(ステップS27)。
次に、第2ステージ33等を適宜動作させて、砥石部材20に対する研削加工処理を行う(ステップS28)。この際、第2ステージ33を適宜動作させて砥石部材20を目標とする曲率中心のまわりに揺動させるとともに、第2可動部36を適宜動作させて砥石部材20を先端側に移動させる送り込みを行う。
なお、以上のステップS23〜S28は、砥石部材20が目標の球面に加工されるまで繰り返される。
以上説明した、本実施形態に係る加工皿の作製装置100によれば、カーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置30が、第1ホルダ37と第2ホルダ38とを相対的に3次元的に変位させることによって、加工皿10の形状を砥石部材20によって修正するので、砥石部材20を利用して簡易かつ高精度で加工皿10を作製することができ、加工皿10の作製が迅速で再現性の高いものとなる。
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、加工皿10が研磨又は精研削の研磨皿であるとしたが、粗研削用の研削皿の加工に図1に示す作製装置100を用いることもできる。
また、上記実施形態では、砥石部材20が全体に亘って凹又は凸の球面状の表面20sを有するとしたが、これに代えて、例えば多数の小径の焼結体ペレットを貼り付けた略球面のペレット層、或いはカップ状の砥石を用いることもできる。なお、カップ状砥石を用いる場合、予め先端面の形状を加工皿10の表面10sの形状に近づけておくこと、つまり、加工皿10の目標の曲率半径とカップ状砥石の先端面の曲率半径とを一致させておくことで、加工皿10の高精度な加工が当初から可能になる。
また、上記実施形態では、第2ステージ33や第2可動部36を適宜動作させることにより、砥石部材20を鉛直旋回軸PXのまわりに揺動させるとともに、砥石部材20を水平回転軸RA2に沿って先端側に送り込んでいるが、砥石部材20の加工に際しての移動方法はこれに限らない。すなわち、第2ステージ33や第2可動部36とは異なる駆動機構を用いて、砥石部材20を加工皿10に対して他の手法で3次元的に移動させることによっても、加工皿10の表面10sを所望の曲率半径の球面に加工することができる。
また、切削用バイト50は、砥石部材20に球面を加工できる限り、他の種類の切削工具に置き換えることができる。
10…加工皿、 10a…軸(追加)、10b…台座、 10c…加工層、 10s…表面、 20…砥石部材、 20b…台座、 20c…砥石層、 20s…表面、 30…駆動装置、31…台座(追加) 32…第1ステージ、 33…第2ステージ、 35…第1可動部、 36…第2可動部、 37…第1ホルダ、 38…第2ホルダ、 40…研削液供給部、 50…切削用バイト、 50a…軸、 50c…先端部、 70…制御装置、 100…加工皿の作製装置、 PX…鉛直旋回軸、 RA1…水平回転軸、 RA2…水平回転軸

Claims (9)

  1. 光学素子の研磨又は研削に用いられる球面状の加工面を有する加工皿を支持可能な第1ホルダと、
    前記加工皿に対向して砥石部材を支持可能な第2ホルダと、
    前記第1ホルダと前記第2ホルダとを相対的に3次元的に変位させることによって、前記加工皿の形状を前記砥石部材によって修正するカーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置と、
    前記駆動装置の動作を制御する制御装置と、
    を備える加工皿の作製装置。
  2. 前記砥石部材は、球面状の砥面を有することを特徴とする請求項1に記載の加工皿の作製装置。
  3. 前記駆動装置は、前記第1ホルダに前記加工皿に代えて切削工具を支持させた状態で前記切削工具を前記砥石部材に対して相対的に変位させることにより、前記砥石部材の砥面を調製することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の加工皿の作製装置。
  4. 前記駆動装置は、前記第1ホルダに支持された前記加工皿を中心軸のまわりに回転させる第1回転機構と、前記第2ホルダに支持された前記砥石部材を前記中心軸に対して揺動させる揺動機構とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の加工皿の作製装置。
  5. 前記駆動装置は、前記第2ホルダに支持された前記砥石部材を対称軸のまわりに回転させる第2回転機構と、前記砥石部材を前記対称軸に沿って先端側に移動させる送込機構とを備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の加工皿の作製装置。
  6. 前記制御装置は、前記砥石部材の摩耗量に応じて前記送込機構によって前記砥石部材を先端側に送り込む際の送り込み量を補正することを特徴とする請求項5に記載の加工皿の作製装置。
  7. 前記制御装置は、前記駆動装置にかかる負荷を監視するとともに負荷の監視結果に基づいて前記第2ホルダの動作速度を調整することにより、前記砥石部材による前記加工皿の加工速度を調整することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の加工皿の作製装置。
  8. 前記制御装置は、前記駆動装置にかかる負荷を監視するとともに負荷の監視結果に基づいて前記第2ホルダの動作速度を調整することにより、前記切削工具による前記砥石部材の加工速度を調整することを特徴とする請求項3に記載の加工皿の作製装置。
  9. 光学素子の研磨又は研削に用いられる球面状の加工面を有する加工皿を第1ホルダに支持させるとともに、前記砥石部材を第2ホルダに前記加工皿に対向するように支持させ、
    前記第1ホルダと前記第2ホルダとを相対的に3次元的に変位させるカーブジェネレータ型の駆動機構を有する駆動装置によって、前記加工皿の形状を前記砥石部材によって修正することを特徴とする加工皿の修正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103317435A (zh) * 2013-06-25 2013-09-25 江苏中兴西田数控科技有限公司 一种球面副自动研磨装置
CN105269432A (zh) * 2015-10-19 2016-01-27 沃得精机(中国)有限公司 球头组件研磨机
CN113414717A (zh) * 2021-08-05 2021-09-21 燕山大学 一种复合杯形抛光轮及其抛光方法

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