JP2000024899A - ハ―フトロイダルcvtディスクのトラクション面研削方法 - Google Patents

ハ―フトロイダルcvtディスクのトラクション面研削方法

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JP2000024899A
JP2000024899A JP11011676A JP1167699A JP2000024899A JP 2000024899 A JP2000024899 A JP 2000024899A JP 11011676 A JP11011676 A JP 11011676A JP 1167699 A JP1167699 A JP 1167699A JP 2000024899 A JP2000024899 A JP 2000024899A
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grinding
grindstone
angle
cutting
toroidal cvt
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Arihiro Kamamura
有宏 鎌村
Hiroyuki Ikeda
裕之 池田
Masami Tanaka
正美 田中
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NSK Ltd
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な主軸振り角の範囲内で研削加工を行
い、かつ砥石径が所定の大きさ以上に形成されたハーフ
トロイダルCVTディスクの研削方法を提供すること。 【解決手段】 所定の取代が存するハーフトロイダルC
VTディスク28を保持する保持機構22と、ツール2
6を具備した加工機構21とを具備し、ハーフトロイダ
ルCVTディスク28若しくはツール26のいずれか一
方を他方に対して傾斜可能とした研削盤20により研削
加工を行うハーフトロイダルCVTディスク28のトラ
クション面研削方法において、ハーフトロイダルCVT
ディスク28の軸線に対するツール26の振り角を略1
5度乃至40度の範囲内とすると共に、該ハーフトロイ
ダルCVTディスク28の砥石干渉径を振り角0度の場
合の略60%以上とすることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハーフトロイダル
式CVTディスクのトラクション面研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の無段変速装置として用い
られるハーフトロイダルCVTディスクのトラクション
面は、研削盤により研削加工されている。
【0003】この研削盤で加工される研削は、プレーン
タイプの円筒研削盤やアンギュラー研削盤タイプ夫々で
は、プレーンタイプの研削盤では振り角90度、アンギ
ュラータイプの研削盤では振り角60度とされており、
研削盤の回転軸に取り付けられた砥石は、この砥石の回
転軸に垂直な方向(θ=90度)に切込むか又は角度
(θ=60度)に切込むスライドが可能に設けられてい
る。
【0004】研削盤においては、研削加工されるワーク
がXYテーブル上に保持される。XYテーブルは、X方
向へワークをスライドさせるXテーブル、Y方向へワー
クをスライドさせるYテーブルの機能を有している。X
方向は、ワークの径方向へのスライド方向であり、また
Y方向は、ワークの回転軸方向のスライドである。
【0005】これらXテーブル、Yテーブルの機能は、
XYテーブルの上面に対して両方作用させるために、夫
々の機能を奏するための構成要件が2層に積層された構
成となっており、夫々XYテーブル側のスピンドルに重
ねられている。
【0006】また、ワークを保持するためのテーブルと
しては、XYテーブル以外の構成として、砥石の切込み
方向に対して垂直を為す方向にスライド可能とした旋回
テーブルを有する研削盤が、本出願人によりなされてい
る(特願平10−32982号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の研削
盤においては、実際の取代の寸法と見かけの取代の寸法
とが一致しないという問題が発生している。更に、砥石
干渉径の問題が生じる。すなわち、図2に示すように、
砥石26がワーク28の研削加工面と外当たりの状態と
なっている場合には、実際の取代寸法をtとすると、見
かけの取代寸法t′(取代の外側から完成時のトラクシ
ョン面までの間を砥石26が進行する寸法)との間に
は、外当たり時には、 t=t′×cos(θ+ω1 )…式1 ここで、θ:主軸振り角(砥石26の切込み方向に沿う
方向とワーク28の取付面と平行な方向とが為す角度) ω1 :Arcsin((ψ−pcd)/(r−t))…式2 という関係が成り立つ。
【0008】ここで、pcdはCVTディスクの完成時
のトラクション面の曲面の中心からワーク28の中心ま
での径の大きさ、ψはワーク28の外周径、rはCVT
ディスクの完成時のトラクション面の曲面半径を示す。
【0009】また、図3に示す内当たり時には、 t=t′×cos(π/2−θ−ω2 )…式3 ω2 :Arcsin((h1 −h2 )/(r−t))…式4 という関係が成り立つ。
【0010】ここで、h1 はワーク28の底面からC
VTディスクの完成時のトラクション面の曲面の中心ま
での高さを示し、h2 はワーク28の高さの寸法を示
す。
【0011】上記式より、外当たり及び内当たりのいず
れの場合でも、切込み倍率t′/tは1よりも大きな値
となり、それにより見かけの取代寸法が実際の取代寸法
よりも大きくなることで切込み時間が長くなるといった
不具合を有している。
【0012】また、振り角を大きくするに従って、砥石
干渉径を小さくしないと、ディスク外周部での砥石との
干渉が生じ、外周部で線接触状での研削ではなくワーク
28が面当たり状で研削され、その形状がだれてしま
う。
【0013】これにより、ワーク28の研削加工を行う
と、それに伴って砥石26の外形寸法が小さくなる。そ
のため、使用できる砥石径が小さいと、砥石周速を稼ぐ
ために砥石26を取り付けているスピンドルを高速で回
転させなければならない。この場合、スピンドル軸の径
がそれに合わせて細くなるので、剛性が低下してしま
う。そのため、加工の能率を上げるために砥石26を高
速回転させると、剛性面で不安が生じてしまう。これ
は、使用するにつれて砥石径が小さくなった場合のみな
らず、予め砥石径が小さい場合にも同様の不具合が生じ
る。
【0014】また、砥石径が予め小さい場合には、砥石
26の使用可能な範囲が小さいので、砥石26を交換す
る頻度が多くなる。このため、その交換に時間を要して
研削盤の稼働時間が短くなり、生産性が向上せず加工サ
イクル上不利となる。
【0015】更に、使用する砥石径が小さいと、加工に
作用する砥石表面の砥粒数が少なくなる。このため、砥
石の目詰まり等によりドレスを行うインターバルが短く
なり、加工サイクル上不利となる。
【0016】また、使用する砥石径がある一定以上小さ
い場合には、研削盤の構成が難しくなる。すなわち、ス
ピンドルを抱えるブラケット、それを搭載する砥石台は
砥石径に拘わらずある一定以上のマスや大きさが必要で
あり、そのため砥石径だけが小さい研削盤を構成するこ
とは困難である。
【0017】本発明は上記の事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、適切な主軸振り角の範
囲内で研削加工を行い、かつ砥石径が所定の大きさ以上
に形成されたハーフトロイダルCVTディスクのトラク
ション面研削方法を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、所定の取代が存するハーフ
トロイダルCVTディスクを保持する保持機構と、該ハ
ーフトロイダルCVTディスクを研削加工するツールを
具備した加工機構と、を具備し、上記ハーフトロイダル
CVTディスク若しくはツールのいずれか一方を他方に
対して一定角度傾斜(所望の角度傾斜しても又可変に傾
斜できる場合でも良い)した研削盤により研削加工を行
うハーフトロイダルCVTディスクのトラクション面研
削方法において、上記ハーフトロイダルCVTディスク
の軸線に対するツールの振り角を略15度乃至40度の
範囲内とすることを特徴とするハーフトロイダルCVT
ディスクのトラクション面研削方法である。
【0019】請求項2記載の発明は、所定の取代が存す
るハーフトロイダルCVTディスクを保持する保持機構
と、該ハーフトロイダルCVTディスクを研削加工する
ツールを具備した加工機構と、を具備し、上記ハーフト
ロイダルCVTディスク若しくはツールのいずれか一方
を他方に対して一定の角度傾斜した研削盤により研削加
工を行うハーフトロイダルCVTディスクのトラクショ
ン面研削方法において、上記ハーフトロイダルCVTデ
ィスクの軸線に対するツールの切り込み方向の為す角度
である切り込み角度を、所定の取代寸法に対する見かけ
の取代寸法の比率である切込倍率を最小とする角度に対
し±15度の範囲とすると共に、上記ハーフトロイダル
CVTディスクの軸線に垂直な面に対しツールの回転軸
線が為す角度である振り角度と、上記切り込み角度の角
度差を15度以下の範囲とし、かつ上記ツールの最大径
を上記ハーフトロイダルCVTディスクのトラクション
面の曲面の径中心とこのハーフトロイダルCVTディス
クの回転中心との間の寸法、及びトラクション面の曲率
半径寸法、トラクション面の外周径の寸法、及び振り角
度から計算される干渉砥石径の0.9倍乃至0.5倍の
範囲内としたことを特徴とするハーフトロイダルCVT
ディスクのトラクション面研削方法である。
【0020】請求項1の発明によると、ハーフトロイダ
ルCVTディスクの軸線に対するツールの振り角を略1
5度乃至40度の範囲内とすることにより、該ハーフト
ロイダルCVTディスクの砥石干渉径は振り角0度の場
合の略60%以上を確保する。更に、見かけの取代寸法
を実際の取代寸法の2倍以下と低く抑えることが可能と
なり、よって加工時間を短縮することが可能となる。ま
た、砥石干渉径を振り角0度の場合の略60%以上を確
保するので、砥石を高速で回転させる必要性が低減され
る。更に、砥石干渉径を確保することで、砥石の使用可
能な範囲を十分確保することができ、砥石の交換頻度を
減らすことが可能となり、加工サイクル上有利となる。
【0021】また、砥石干渉径を確保したので、加工に
作用する砥石表面の砥粒数も少なくせずに所定だけ確保
でき、そのため砥石のドレスを行う必要性が少なくな
る。よって、加工サイクル上有利なものとなる。
【0022】請求項2の発明によると、ツールの切り込
み角度を、切込倍率を最小とする角度に対して±15度
の範囲内に設定することにより、見かけの切込倍率がさ
ほど大きくならず小さな範囲に押え込むことが可能とな
る。
【0023】これに加え、ツールの振り角度と切り込み
角度の角度差を15度以下の範囲内で個別に設定するの
で、砥石干渉径が大きくなるツールの振り角度を選択す
ることが可能であり、かつ前記角度差は15度以下なの
で、ツールのスラスト方向に加わる荷重が大きくなら
ず、よってツールにスラスト荷重が付加し、これが破損
するまたは加工精度が悪化するといった不具合を防止す
ることが可能となる。
【0024】この場合、適宜の切り込み角度と振り角度
に設定すれば、切込倍率及びツール径の両立を図れる。
それにより、ワークの研削加工能力が総合的に優れたも
のとすることができる。
【0025】また、ツールが干渉を生じないように、そ
の径を設定するので、母線形状のだれや研削戻りなどの
表面品質の不良となる原因を除去して研削加工を行え
る。
【0026】さらに、ツールの干渉径を振り角度とワー
クの寸法から求め、その砥石干渉径の0.9倍から0.
5倍の範囲内にその径を設定するので、実際に使用する
ツールの径を可能な範囲内で最大化することが可能とな
る。それにより、研削加工時間の短縮化を図ることがで
きる。
【0027】よって、これらより加工サイクル時間の短
縮化を図ることが可能となる。
【0028】また、ツールの使用可能範囲を十分に確保
することができるので、ツールのドレス頻度や交換頻度
を減らすことが可能となる。それによって、研削加工の
実加工に当てる時間比率を大きくすることができ、よっ
て研削能力の向上を図ることが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図1ないし図7に基づいて説明する。
【0030】なお、図7は、振り角をある一定角度とし
た(θ;15〜40度範囲)研削盤を示す。
【0031】図1に示す研削盤20は、研削機構21と
駆動機構22とを有している。研削機構21は切込テー
ブル23を備えており、この切込テーブル23はボール
ネジ24を介して第1の駆動手段としてのサーボモータ
25と連動する構成である。このサーボモータ25は、
固定部位に設けられている。
【0032】このため、サーボモータ25が回転駆動す
ると、切込テーブル23がこれに伴って上下方向(以
下、この方向をX方向とする)に駆動される構成となっ
ている。
【0033】切込テーブル23の内部には砥石26を回
転駆動させるための不図示の駆動モータを備えており、
この駆動モータにより発生する駆動力が砥石スピンドル
27を介して砥石26の回転駆動に供せられる。尚、砥
石スピンドル27の先端には、砥石26を保持するため
のツール保持台27aが設けられている。
【0034】砥石26は、外周側の研削面の形状が研削
加工が終了して完成したハーフトロイダルCVTディス
ク28(以下、これをワーク28とする。)のトラクシ
ョン面に対応した半径を有する曲面形状に形成されてい
る。そのため、研削加工を行う前の状態ではワーク28
に取代が存しているので、このワーク28の被研削加工
面の半径は砥石26の外周側の研削面の径よりも小さく
形成されている。
【0035】研削対象たるワーク28をクロススライド
29にチャッキングにより固定し、この後に研削に伴っ
てワーク28を移動させる必要があるが、そのための装
置として駆動機構22がある。この駆動機構22は、ワ
ークスピンドルテーブルたるベース30を有し、そのベ
ース30には旋回テーブル31が備えられている。この
ため、ベース30に対し、旋回テーブル31のクロスス
ライド29の傾斜角度を調整可能としている。
【0036】また、旋回テーブル31内部には、規則的
な旋回動作を行うための旋回案内32が備えられてい
る。旋回案内32は、例えば溝状に形成されており、旋
回テーブル31の旋回駆動をガイドして砥石26の切り
込み軸に対する傾斜角度調整動作を規制する機能を有す
る。
【0037】なお、旋回テーブル31内部には、不図示
のワークスピンドルが設けられており、このワークスピ
ンドルによって回転軸を中心として回転駆動される構成
となっている。
【0038】クロススライド29に固定されたワーク2
8は、切り込み軸に対して回転軸Aが適宜回動して所定
の角度に設定でき、また回転軸Bの傾斜に対応させるた
め、ワークの中心軸は回転軸Bに一致するように取り付
けられている。
【0039】上述の旋回テーブル31を備えるベース3
0は、第2の駆動手段であるサーボモータ33に連結さ
れている。このサーボモータ33は、その駆動が切り込
み軸Aに対して直交する方向であって且つ砥石スピンド
ル27に平行な方向(以下、これをY方向とする)にベ
ース30を駆動可能としている。
【0040】上記サーボモータ25,33は夫々駆動回
路40,41に接続され、更にこの駆動回路40,41
は共に数値制御装置42に接続されている。この数値制
御装置42には、例えばワーク28の加工終了後の形状
であるマスタデータや、ワーク28の実際の寸法を入力
し、この入力された値に応じてワーク28の加工量を決
定する。
【0041】なお、これら駆動回路40,41と数値制
御装置42とで位置制御・補正手段を為している。
【0042】このため、数値制御装置42で算出された
ワーク28の加工量に応じて駆動回路に制御指令を与
え、この制御指令に応じて駆動回路40,41でサーボ
モータ25,33に導通される電流の制御を行う。これ
により、切込テーブル23のX方向及びベース30のY
方向への移動を所望の位置に設定可能となる。
【0043】また、数値制御装置42には、数値入力を
行うためのキーボード43が取付けられており、更に表
示CRT44によってX方向及びY方向の位置を表示で
きる構成である。
【0044】以上のような構成を有する研削盤20を用
いた研削方法について、以下に説明する。
【0045】まず、上述の発明が解決しようとする課題
で述べた式1によると、見かけの取代寸法t′の方が、
実際の取代寸法tよりも大きくなる。ここで、t′/t
を切込倍率とし、外当たりのときの切込倍率を切込倍率
1、内当たりのときの切込倍率を切込倍率2とすると、
図2、図3より、 切込倍率1:t′/t=1/cos(θ+ω1 )…式5 切込倍率2:t′/t=1/cos(π/2−θ−ω2 )…式6 となっている。この場合、切込倍率1、切込倍率2がな
るべく1に近い程、見かけの取代寸法t′が実際の取代
tに近づくが、外当たりの場合及び内当たりのいずれか
が生じると、砥石26とワーク28とが接触しているた
め切込倍率が大きければ大きい程、研削加工に時間を要
するものとなっている。
【0046】ここで、砥石26の干渉径Rwは、砥石2
6の振り角θによって変化する。このRwとθとの関係
について、図4、図5に基づいて以下に説明する。
【0047】まず、位置cを通る砥石26断面から砥石
中心までの距離をRc、ワーク28の半径をψ、ワーク
28の径の中心からワーク28のトラクション面中心ま
での距離をpcd、トラクション面中心から距離cの深
さをaとすると、 a=(r−c1/2 −(r−(ψ−pcd) 1/2…式7 また、図中において、b,dは、 b=a/sin(π/2−θ)…式8 d=bcos(π/2−θ)…式9 ここで、図5(a)において、 e=(ψ−(pcd+c+d)1/2 …式10 更に、図5(b)において、 (Rc−b)+e=Rc…式11 これを展開して、 Rc=(b+e)/2b…式12 これより、 Rc={b+(ψ−(pcd+c+d))}/2b…式 13 また、
【0048】
【数1】
【0049】そこで、 Rw=Rc ′+r(1−sinθ2 ) =Rc ′+r(1−sin[π/2−θ−Arcsin(c/ r)]) =Rc ′+r(1−cos[θ+Arcsin(c/r)]) …式14 この式より、θが大きくなれば、それに伴ってRwの値
も小さくなるといえる。すなわち、θを大きくすると、
見かけの切込量が増えると共に、砥石干渉径が小さくな
ってしまい、加工上問題が生じてしまう。
【0050】そこで、切込倍率1,2及び砥石干渉径と
θとの関係を図6に示す。
【0051】この図においては、主軸振り角が0度のと
きに干渉径がちょうど100%となっており、振り角が
大きくなるに従い、砥石干渉径が小さくなる関係を有し
ている。
【0052】また、θが0度から大きくなると、まずワ
ーク28と砥石26とで内当たりを生じるが、この場
合、−5度で内当たりを生じた場合の切込倍率2が最大
値を取っている。この角度からθが大きくなるにつれて
切込倍率2は低下し、そして、θ=15度の場合に切込
倍率2が略2となり、さらにθが大きくなると、θ=3
0度で両当たりを生じるようになる。なお、切込倍率1
は、θが大きくなるにつれて、徐々にその値を大きくし
ている。
【0053】両当たりを生じてなおθが大きくなると、
ワーク28と砥石26とで外当たりを生じ、切込倍率2
が増加する。そして、θ=40度で切込倍率1は略2と
なり、これよりθが大きくなると、更に切込倍率が大き
くなる。なお、この場合には、θが大きくなるにつれ
て、切込倍率2は1に近づいて小さくなる。
【0054】ここで、切込倍率1,2は共に小さい値の
方が研削加工に要する時間が短いため、効率が向上して
好ましいものとなるが、図6より切込倍率1と切込倍率
2とは、相関関係となっており、一方が増加すると他方
が減少する関係にある。そのため、切込倍率1及び切込
倍率2の値を所定の範囲内に抑える必要がある。具体的
には、θが15度から40度の範囲内では、切込倍率1
及び切込倍率2が共に2以下の値となり、加工効率の面
から好ましいものとなっている。θがこれ以外の値の場
合には、切込倍率1,2のいずれかが2よりも大きな値
となり、加工時間を要するものとなっている。
【0055】また、θが大きくなると砥石干渉径が小さ
くなり、図6よりθ=15度ではθ=0度のときの85
%、θ=40度では、θ=0度のときの60%となる。
しかしながら、θが40度よりも大きくなると、砥石干
渉径が更に小さくなり、加工上先に述べた様に問題が生
じる。
【0056】それ故、θを15〜45度の範囲に設定す
ることが、切込倍率1,2及び砥石干渉径の面から好ま
しいものとなっている。
【0057】なお、以下に示す表1及び表2は、夫々ハ
ーフトロイダルCVTディスクの試験片No.1及びN
o.2について、振り角θと砥石干渉径及び切込倍率
1,2との関係を示すものである。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】このような研削盤20を用いた研削方法に
よると、ワーク28の軸線に対し、砥石26の径方向に
対する傾斜角度を略15度乃至40度の範囲内としたの
で、見かけの取代寸法t′は実際の取代寸法tの2倍以
内に抑えることが可能となる。このため、加工距離を短
く抑えることができるので、加工時間の短縮化が図られ
る。
【0061】また、砥石干渉径が振り角0度のときの略
60%以上となるため、砥石26を高速で回転させる必
要性が低減される。
【0062】更に、砥石干渉径を確保できるので、研削
加工に作用する砥石表面の砥粒数も少なくすることなく
所定だけ確保することができ、そのため砥石26の目詰
まり等が生じて頻繁に砥石26のドレスを行う必要性が
少なくなる。このため、加工サイクル上有利なものとな
り、また砥石26の交換に要する時間が低減されるの
で、生産性が向上したものとなる。
【0063】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となってい
る。以下それについて述べる。
【0064】上記実施の形態において、研削加工時には
θを固定しても或いは変化させながら加工しても構わな
い。θを変化させる場合には、砥石26やワーク28の
位置制御等の制御を行う必要があるが、この制御を行っ
て適切なθに設定できれば、より加工時間の短縮化を図
ることができる。
【0065】(第二の実施の形態)以下、本発明の第二
の実施の形態について、図1、及び図8乃至図14に基
づいて説明する。
【0066】上述の実施の形態では、ハーフトロイダル
CVTディスク等のワーク28の軸線に対する砥石26
の振り角(切り込み角)を略15度乃至40度の範囲内
としているが、適正角度はワーク28の寸法により異な
り、15度以下の角度が好ましい寸法のワーク28に対
しても対応可能な研削加工に関するものである。
【0067】ここで、以下の説明において用いられる切
り込み角度θと振り角度θ′を図8に示す。
【0068】この図においては、砥石26を固定してい
る砥石スピンドル27が、図1における切込テーブル2
3に相当する不図示の砥石テーブル50に取り付けられ
ている。この砥石テーブル50には、送りネジ51が設
けられていて、その送り量を調整すれば、砥石テーブル
50に対する砥石26及び砥石スピンドル27の傾斜角
度の調整を可能としている。また、砥石26をワーク2
8に切込ませるために、砥石テーブル駆動モータ52が
設けられている。このため、砥石テーブル駆動モータ5
2を作動させれば、砥石テーブル50の所定の方向(切
り込み方向W)に向かわせて進行させることができる。
【0069】そして、この図において、ワーク28の中
心軸線Pと砥石テーブル50の切り込み方向Wが為す角
度をθとしており、また砥石26の中心軸線Mとワーク
28の中心軸線Pに直交する垂直線Sが為す角度を振り
角度θ′としている。
【0070】このため、切り込み方向Wと中心軸線Mと
が直交する場合は、切り込み角度θと振り角度θ′が等
しくなるが、両者が直交しない場合には等しくならな
い。
【0071】以下、これら切り込み角度θ、振り角度
θ′を用いて説明する。
【0072】上述の第一の実施の形態では、切込倍率1
と切込倍率2とを夫々外当たりと内当たりとで求めてい
たが、実際に切込倍率が最小となるように作用するの
は、砥石26が内当たりと外当たりを同時に為している
場合である。
【0073】すなわち、内当たりと外当たりとを同時に
為している場合は、図11に示すようにワーク28のト
ラクション面、および砥石26の研削面が一定の半径を
有する円弧状に設けられているので、内当たりと外当た
りの切込倍率は等しくなる。
【0074】この場合、上述の第一の実施の形態より、
切り込み角θを用いて、 切込倍率1:t′/t=1/cos(θ+ω1 )…式15 切込倍率2:t′/t=1/cos(π/2−θ−ω2 )…式16 であり、実際に作用する切込倍率が最小となるのは、砥
石26がワーク28のトラクション面の外周と内周で同
時に接触を始めるような切り込みを行う場合である。こ
の場合のイメージ図を図11に示す。
【0075】この時の切り込み角度θは、切込倍率1と
切込倍率2とが等しくなるときであり、その時のθを求
めると、 θ=(π/2−ω1 −ω2 )/2…式17 となる。
【0076】このように、切込倍率は所定の取り代tに
対する見かけの取り代t′の比であり、一定の切込速度
で加工を行う場合には、加工時間を短縮する観点から、
切込倍率を最小にするこの切込角度で加工を行うことが
望ましい。
【0077】この場合、図9及び図10より、ω1 と
ω2 とを算出してこれを代入すると、 θ=1/2{π/2−(arcsin(Φ−pcd)/r+arcs in(h1 −h2 )/r}…式18 となる。
【0078】このような関係をθが満たす場合に、切込
倍率が最小となり、それによって加工時間が最小とな
る。
【0079】ここで、ワーク28のトラクション面の研
削を行う場合、図11及び図12に示すワーク28のエ
ッジ部分Aまでのトラクション面全域で砥石26の母線
形状がワーク28のトラクション面へ転写されることが
要求される。以下、このエッジ部分A近傍で砥石26と
ワーク28が所定の研削領域以外で接触してしまうこと
を「干渉」と呼び、干渉が生じるとワーク28のトラク
ション面の母線形状がだれる等の不良が生じる。以下の
説明では、砥石26がワーク28と干渉を生じさせずに
研削加工を行える砥石26の最大径を求める。
【0080】まず、図11に示すように、ワーク28の
トラクション面の各点において砥石26とワーク28と
が干渉しないためには、夫々の点における法線Nとワー
ク28の回転軸の中心軸線Pとの交点Oを中心としてそ
の交点からトラクション面までの距離を半径とする仮想
した球面Qから砥石26がはみ出さないようにすること
が必要となる。
【0081】ここで、エッジ部分Aが干渉して研削され
ないためには、トラクション面の最も外周側の点Bにお
ける法線Nと、中心軸線Pとの交点Oを中心としてその
交点からトラクション面までの距離を半径とする仮想し
た球面Qから砥石26がはみ出さないように、収める必
要がある。
【0082】このような球面Q内部に砥石26が収めら
れると、残りの全ての加工点も上述の球面Qの内部に収
めることが可能となり、それによってワーク28と砥石
26の間で干渉を生じさせることなく、ワーク28のト
ラクション面を研磨加工することが可能となる。
【0083】そこで、以下の式により、干渉なしで加工
可能な砥石26の最大径を求める。
【0084】図12に示すように、まず、ワーク28の
トラクション面の最外周部の法線と、ワーク28の回転
軸の為す角度をω3 とすると、 ω3 =arcsin{(Φ−pcd)/r}…式19 となる。そこで、砥石26のワーク28のトラクション
面の最外周部を加工する部分の半径Rcは、振り角度
θ′を用いて、 Rc=(Φ/sinω3 )・sin(π/2−ω3 −θ′)…式 20 となる。
【0085】さらに、この砥石26の最大半径Rwは、 Rw=Rc+r{1−sin(π/2−ω3 −θ′)}…式21 となる。
【0086】この砥石26の最大半径Rwの式より、ワ
ーク28の寸法(pcd,r,外径)と、砥石26の振
り角度θ′が定まれば、そのワーク28を加工可能な砥
石26の最大半径を求めることが可能となる。すなわ
ち、このような砥石26が、最も効率良くワーク28の
トラクション面の研削加工を行える砥石26となる。
【0087】以上のことから、砥石26がワーク28と
両当たりを生じるように、砥石26の振り角度を設定
し、また砥石26の外径を上述のRwに設定する場合
に、最も効率良くワーク28の研削を行えることとな
る。
【0088】ここで、以下の表3に、試験片No.3に
ついて、切り込み角度及びその切り込み角度のときの切
込倍率1、切込倍率2の上述の式により計算した結果を
示し、表4に振り角度とその振り角度のときの砥石干渉
径の上述の式により計算した結果を示す。またこのグラ
フを図13に示す。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】この表3より、試験片No.3のワーク2
8においては、切り込み角度が31.6度のときに切込
倍率1および切込倍率2共に1.46となる。この切り
込み角度以外の値を切り込み角度が取る場合は、切込倍
率1若しくは切込倍率2のいずれかが、これよりも大き
な値となってしまう。このため、切込倍率1、切込倍率
2共に、1.46の値を取る場合に、切込倍率が最小と
なる。
【0092】また、表3の結果より、切り込み角度を3
1.6度±15度の16.6度から46.6度の範囲内
に設定すれば、切込倍率は2.12以下に抑えることが
可能となる。また、表4より振り角度を切込倍率を最小
とする切り込み角度と同じ31.6度に設定すれば、そ
の時の砥石干渉径が424.1mmとなる。
【0093】しかし、砥石26の外径がこの値を取る場
合には、砥石26とワーク28のトラクション面とが面
当たりとなり、研削水が加工時に研磨面に入り込まな
く、そのため摩擦により研磨部位が焼けてしまうといっ
た問題が生じる。
【0094】このため、実際に研磨加工に用いる砥石2
6は、その0.9倍である381.7mmよりも小さい
径を有するものを用いる必要がある。なお、標準寸法の
砥石26では、355mmの径を有するものを使用して
いる。
【0095】ここで、振り角度を25度にした場合に
は、この角度での砥石干渉径は464mmとなり、実際
に研磨加工に用いる砥石26は、その0.9倍である4
17.6mmよりも小さい径を有するものを用いる必要
があるが、標準寸法でもこの場合は砥石26の径が40
5mmとなる。
【0096】研削能率と研削精度を考慮すると、355
mmの砥石径よりも405mmの砥石径の方が有利と考
えられる。また、切り込み角度を振り角度と同一の25
度に設定した場合には、切込倍率は1.68となり、上
述の切り込み角度が31.6度のときの切込倍率1.4
6の115%の切込倍率となってしまう。
【0097】しかしながら、研削能率等を鑑みると、こ
の振り角度25度の場合が総合的に研削能力が一番優れ
ていると思われ、よってこの振り角度25度の場合が総
合研削能力として最適値であると考えられる。
【0098】また、以下の表5に、試験片No.4につ
いて、切り込み角度及びその切り込み角度のときの切込
倍率1、切込倍率2の上述の式により計算した結果を示
し、表6に振り角度とその振り角度のときの砥石干渉径
の上述の式により計算した結果を示す。またこのグラフ
を図14に示す。
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】
【0101】この表5より、試験片No.4のワーク2
8においては、切り込み角度が22.6度のときに切込
倍率1および切込倍率2共に2.11となり、切込倍率
が最小の値となる。また、表6より振り角度が22.6
度のときの砥石干渉径は216.8mmであり、実際に
研磨加工に用いる砥石26は、その0.9倍である19
5.1mmよりも小さい径を有する砥石26を用いる必
要がある。この場合の標準寸法の砥石26は、180m
mとなり、実際にはこの標準寸法の砥石26を使用可能
となる。
【0102】これに対し、振り角度を0度とすれば、そ
の時の砥石干渉径は291.1mmとなり、実際に研磨
加工に用いる砥石26は、その0.9倍である262.
0mmよりも小さいものを用いる必要がある。なお、標
準寸法の砥石26では、255mmとなり、実際の砥石
26の径はこの寸法を用いている。このため、振り角度
を0度とした場合には、振り角度22.6度のときの1
46%の径を有する砥石26が使用可能となる。
【0103】ところが、切り込み角度を振り角度と同一
の0度とすると、切込倍率が10となってしまい、見か
けの取り代t′が著しく大きくなり加工時間がかかって
しまうという問題を生じる。
【0104】このため、切り込み角度および振り角度を
15度に設定すれば、切込倍率が2.82倍となり、こ
のとき試験片No.4における切込倍率の最小値である
2.11の134%に留めることが可能となる。
【0105】また、切り込み角度θと振り角度θ′とが
異なる場合には、砥石26の作用面が対称にはならず、
砥石26とワーク28に作用する研削力が、砥石26の
ラジアル方向のみならず砥石の回転軸の軸方向にも作用
する。ここで、砥石26はラジアル剛性よりも軸方向の
スラスト剛性の方が弱いので、軸方向に研削力が作用す
るのは望ましくない。このため、切り込み角度θと振り
角度θ′の差が小さい方が望ましいものとなる。
【0106】ここで、この切り込み角度θと振り角度
θ′の差が15度以上生じると、研削力の軸方向の分力
が大きくなりすぎるので、これら両者の差が15度以内
となることが望ましいものとなっている。
【0107】すなわち、 |θ′−θ|≦15° とすれば、砥石26に生じるスラスト荷重を低減するこ
とができる。
【0108】以上、試験片No.3および試験片No.
4における結果から、切り込み角度θを切込倍率を最小
とする角度に対して±15度の範囲内とし、振り角度と
切り込み角度の角度差を15度以内の範囲として砥石径
を砥石干渉径の0.9倍から0.5倍の範囲内に収めれ
ば、研削能率と研削精度を両立する適正な研削加工を行
うことが可能となる。
【0109】このようなハーフトロイダルCVTディス
クのトラクション面研削方法によると、ワーク28の軸
線に対する砥石26の切り込み方向Wの為す角度である
切り込み角度θを、所定の取代寸法に対する見かけの取
代寸法の比率である切込倍率を最小とする角度に対し
て、±15度の範囲内に収めるように設定することによ
り、見かけの切込倍率がさほど大きくならず小さな範囲
に押え込むことが可能となる。
【0110】これに加え、ワーク28の軸線に対する砥
石26の回転面方向の為す角度である振り角度θ′と、
切り込み角度θの角度差を15度以下の範囲内に設定し
ているので、砥石26のスラスト方向に加わる荷重が大
きくならず、よって砥石26にスラスト荷重が付加し、
これが破損するといった不具合を防止することが可能と
なる。
【0111】また、切り込み角度θを切込倍率を最小と
する角度に対して±15度の範囲内に設定するため、こ
の範囲内の切込倍率であれば切込倍率の最小値からさほ
ど大きくならずに済む。この場合、適宜の切り込み角度
θに設定することにより、切込倍率と砥石26の径の大
きさの両立を図ることが可能となる。
【0112】それにより、ワーク28の研削加工能力が
総合的に優れたものとすることができ、研削加工時間の
短縮を図ることが可能となっている。
【0113】また、砥石26が干渉を生じないように、
砥石26の径を設定するので、形状のだれや研削戻りな
どの表面品質の不良となる原因を除去して研削加工を行
うことが可能となる。
【0114】さらに、砥石26の砥石干渉径を振り角度
θ′から求め、その砥石干渉径の0.9倍から0.5倍
の範囲内に砥石26の径を設定するので、実際に使用す
る砥石26の径を可能な範囲内で最大化することが可能
となる。それにより、研削加工時間の短縮化を図ること
ができる。
【0115】また、これら複数の要素が相俟ることによ
り、砥石回転数を大きくすることなく砥石周速を高速化
でき、高剛性、高効率で研削加工可能な研削方法とな
る。また、これらの条件を満たす研削盤では、高剛性で
高効率で研削加工可能な研削盤とすることができる。
【0116】よって、これらより加工サイクル時間の短
縮化を図ることが可能となる。
【0117】また、砥石26の使用可能範囲を十分に確
保することができるので、砥石26のドレス頻度や交換
頻度を減らすことが可能となる。それによって、研削加
工の実加工に当てる時間比率を大きくすることができ、
よって研削能力の向上を図ることが可能となる。
【0118】以上、本発明の第二の実施の形態について
説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっ
ている。以下それについて述べる。
【0119】上記実施の形態では、研削加工において切
り込み角度θを切込倍率を最小とする角度に対し±15
度の範囲内に設定し(1)、切り込み角度θと振り角度
θ′の角度差を15度以下の範囲とし(2)、振り角度
から計算される砥石26の干渉径の0.9倍から0.5
倍となるように、砥石26の径を設定し(3)、研削加
工を行っているが、これら(1)〜(3)のいずれかの
条件を満たす研削加工を行う構成としても構わない。
【0120】その他、本発明の要旨を変更しない範囲に
おいて、種々変形可能となっている。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ハーフトロイダルCVTディスクの軸線に対するツール
の振り角を略15度乃至40度の範囲内とすることで、
該ハーフトロイダルCVTディスクの砥石干渉径を振り
角0度の場合の略60%以上となる。更に、見かけの取
代寸法を実際の取代寸法の2倍以下と低く抑えることが
可能となり、よって加工時間を短縮することが可能とな
る。また、砥石干渉径が振り角0度の場合の略60%以
上となるため、砥石を高速で回転させる必要性が低減さ
れる。更に、砥石干渉径を確保することで、砥石の使用
可能な範囲を十分確保することができ、砥石の交換頻度
を減らすことが可能となり、加工サイクル上有利とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる研削盤の構成を
示す側面図。
【図2】同実施の形態に係わる砥石とハーフトロイダル
CVTディスクとが外当たりをしている状態を示す図で
あり、(a)は砥石とハーフトロイダルCVTディスク
とが外当たりしている場合のイメージ、(b)は砥石と
ハーフトロイダルCVTディスクとの外当たり部分の拡
大図。
【図3】同実施の形態に係わる砥石とハーフトロイダル
CVTディスクとが内当たりをしている状態を示す図で
あり、(a)は砥石とハーフトロイダルCVTディスク
とが内当たりしている場合のイメージ、(b)は砥石と
ハーフトロイダルCVTディスクとの内当たり部分の拡
大図。
【図4】同実施の形態に係わる位置cを通る砥石とワー
クとの間の寸法の関係を示す図であり、(a)は砥石と
ハーフトロイダルCVTディスクとが位置cで接触して
いる場合の全体を示す図、(b)は位置c付近における
拡大図。
【図5】同実施の形態に係わる位置cを通る砥石とワー
クとの間の寸法の関係を示す図であり、(a)は砥石の
平面図における位置cの付近の寸法関係を示す図、
(b)は砥石の位置cにおける接触状態を示す図。
【図6】同実施の形態に係わる切込倍率1,2及び砥石
干渉径とθとの関係を示す図。
【図7】本発明の一実施の形態を示す研削盤の構成を示
す側面図。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係わる砥石でワー
クを研削する場合における切り込み角度θと振り角度
θ′の関係を示す図。
【図9】同実施の形態に係わる砥石とワークが外当たり
している状態を示す図。
【図10】同実施の形態に係わる砥石とワークが内当た
りしている状態を示す図。
【図11】同実施の形態に係わる砥石とワークが両当た
りしている状態を示す図。
【図12】同実施の形態に係わる砥石とワークの干渉関
係を示す図。
【図13】同実施の形態に係わる試験片No.3におけ
る切り込み角度と切込倍率、及び振り角度と砥石干渉径
の関係を示すグラフ。
【図14】同実施の形態に係わる試験片No.4におけ
る切り込み角度と切込倍率、及び振り角度と砥石干渉径
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
20…研削盤 21…研削機構 22…駆動機構 23…切込テーブル 26…砥石 27…砥石スピンドル 28…ワーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の取代が存するハーフトロイダルC
    VTディスクを保持する保持機構と、該ハーフトロイダ
    ルCVTディスクを研削加工するツールを具備した加工
    機構と、を具備し、上記ハーフトロイダルCVTディス
    ク若しくはツールのいずれか一方を他方に対して一定の
    角度傾斜した研削盤により研削加工を行うハーフトロイ
    ダルCVTディスクのトラクション面研削方法におい
    て、 上記ハーフトロイダルCVTディスクの軸線に対するツ
    ールの振り角を略15度乃至40度の範囲内とすること
    を特徴とするハーフトロイダルCVTディスクのトラク
    ション面研削方法。
  2. 【請求項2】 所定の取代が存するハーフトロイダルC
    VTディスクを保持する保持機構と、該ハーフトロイダ
    ルCVTディスクを研削加工するツールを具備した加工
    機構と、を具備し、上記ハーフトロイダルCVTディス
    ク若しくはツールのいずれか一方を他方に対して一定の
    角度傾斜した研削盤により研削加工を行うハーフトロイ
    ダルCVTディスクのトラクション面研削方法におい
    て、 上記ハーフトロイダルCVTディスクの軸線に対するツ
    ールの切り込み方向の為す角度である切り込み角度を、
    所定の取代寸法に対する見かけの取代寸法の比率である
    切込倍率を最小とする角度に対し±15度の範囲とする
    と共に、 上記ハーフトロイダルCVTディスクの軸線に垂直な面
    に対しツールの回転軸線が為す角度である振り角度と、
    上記切り込み角度の角度差を15度以下の範囲とし、 かつ上記ツールの最大径を上記ハーフトロイダルCVT
    ディスクのトラクション面の曲面の径中心とこのハーフ
    トロイダルCVTディスクの回転中心との間の寸法、及
    びトラクション面の曲率半径寸法、トラクション面の外
    周径の寸法、及び振り角度から計算される干渉砥石径の
    0.9倍乃至0.5倍の範囲内としたことを特徴とする
    ハーフトロイダルCVTディスクのトラクション面研削
    方法。
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DE1999155818 DE19955818B4 (de) 1999-01-20 1999-11-19 Verfahren zum Schleifen der Zugoberfläche einer halbringförmigen Scheibe eines stufenlosen Getriebes
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