JP5484172B2 - 研磨パッドのテーパ面形成方法 - Google Patents

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本発明は、ウエーハの表面を平坦に研磨する研磨装置で使用される研磨パッドのテーパ面形成方法に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程において、優れた平坦性を有する表面を形成することができる研磨方法として、化学的機械研磨、所謂CMP(Chemical Mechanical Polishing)が広く採用されている。
CMPは研磨パッドと被研磨物との間に研磨液を供給しつつ、研磨パッドと被研磨物とをそれぞれ回転させて相対的に摺動させることで遂行される(例えば、特開平3−248532号公報参照)。
従来の研磨装置では、回転される研磨プレートの下面に固定されたウエーハ等の被加工物を研磨定盤上に貼り付けられた研磨パッドに接触させ、遊離砥粒を含む研磨液を供給しながら研磨定盤と研磨プレートとを回転させることによって研磨を遂行していた(例えば、特開平9−85617号公報参照)。
このような従来の研磨装置においては、被加工物の研磨が研磨パッドを押圧する押圧力のみによって遂行されるため、加工時の押圧力を制御することが難しく、被加工物や装置を破損させてしまうという問題があった。
また、一定押圧力のみで研磨を行うため、粗研磨と仕上げ研磨を同一被加工物に施すには、それぞれ異なる押圧力を有する専用の装置で実施する必要があり、非効率的であるという問題があった。
このタイプの従来の研磨装置では、研磨パッドとしては不織布が使用され、遊離砥粒を含んだ研磨液を供給しながら研磨を行うことが一般的であるが、遊離砥粒を含んだ研磨液では排液処理が困難であり、また大部分の砥粒が研磨に寄与することなく廃棄されるため無駄が多いという問題がある。
これらの問題を解決するために、特開2003−53662号公報では、チャックテーブルで保持した被加工物に対して固定砥粒を有する研磨パッドを接近又は離反する方向に可動して、研磨時の押圧力を制御する研磨装置が提案されている。固定砥粒型パッドを使用する研磨装置では、研磨液としてアルカリ性水溶液を供給しながら研磨が遂行される。
このような研磨装置の中でも、研磨パッドの半径がウエーハの直径より小さいタイプの研磨パッドを備えた装置(例えば、特開2005−153090号公報参照)では、研磨ユニットが小さくなるので、装置自体のサイズを小さくできたり、研削装置中に研磨ユニットを組み込むことが可能であるという利点がある。
特開平3−248532号公報 特開平9−85617号公報 特開2003−53662号公報 特開2005−153090号公報
CMPで使用される研磨パッドはシーズニング等によってほぼ平坦に修正されるが、それは基本的にウエーハを均一な厚さに研磨するために研磨パッドも平坦で均一な圧力を維持する必要があるという考えである。
しかしながら、比較的小径の研磨パッドで発生し易い研磨パッド内での研磨レートの差を研磨パッドの押し付け圧力で解消したい場合や、ウエーハの任意の位置を任意の厚さに仕上げたい(例えば、外周部は薄く中央部は厚くしたい等)等の要求がある場合、それらの要求に対応するため、研磨パッドの任意の位置で圧力を変化させたいといった要求が潜在すると考えられる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な方法で研磨パッドの研磨面に円形又は環状のテーパ面を形成可能な研磨パッドのテーパ面形成方法を提供することである。
本発明によると、回転する研磨ヘッドの下面に装着された研磨パッドの研磨面をチャックテーブル上に保持されたウエーハの上面に押し付けてウエーハを研磨する研磨装置における研磨パッドのテーパ面形成方法であって、研磨ヘッドの下面に研磨パッドを装着する研磨パッド装着工程と、該研磨パッドの該研磨面を研削してテーパ面を形成する研削バイトを該チャックテーブル上に固定する研削バイト固定工程と、該研削バイトを該研磨パッドの該テーパ面を形成したい領域の一方の端部の直下に位置付ける研削バイト位置付け工程と、該チャックテーブル上の該研削バイト上端に該研磨パッドを接触させて所定量下降させる下降動作と、該研磨パッドを回転させながら該研削バイトを水平方向に該研磨パッドの前記テーパ面を形成したい領域の他方の端部まで移動させる前記下降動作と連動する水平移動動作とを実施して、該研磨ヘッドに装着された該研磨パッドを研削し、該研磨パッドの中心側から該研磨パッドの外周に向かって該研磨パッドが薄くなるように傾斜するテーパ面を該研磨パッドに形成するテーパ面形成工程と、を具備したことを特徴とする研磨パッドのテーパ面形成方法が提供される。
本発明によると、研磨パッドの研磨面に円形又は環状のテーパ面を任意の位置、幅、角度で形成できる。テーパ面の形成により研磨パッドの形状を変更することで、研磨ヘッドの押し付け圧力を一定の圧力にしたまま調整することなく、研磨パッドの任意の位置がウエーハに任意の圧力で押し付けられるよう調整することが可能となる。
更に、研磨パッドが研磨加工によって磨耗し、テーパ面の領域や角度が変わってしまったとしても、研磨ヘッドに装着したまま研磨パッドのテーパ面の再加工が可能なため、容易にテーパ面を使用前と同じ状態に再生することができる。
研磨装置の斜視図である。 研磨パッドの外径が相違した場合の研磨パッド内の位置による研磨レートの違いを示す説明図である。 研磨パッドのテーパ面形成工程を説明する側面図である。 図4(A)は本発明のテーパ面形成方法により円形テーパ面を形成した研磨パッドの側面図、図4(B)はその底面図である。 図5(A)は本発明のテーパ面形成方法により環状テーパ面を形成した研磨パッドの側面図、図5(B)はその底面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明の研磨パッドのテーパ面形成方法を実施するのに適した研磨装置2の斜視図が示されている。4は研磨装置2のベースであり、ベース4の後方にはコラム6が立設されている。コラム6には、上下方向に伸びる一対のガイドレール(一本のみ図示)8が固定されている。
この一対のガイドレール8に沿って研磨ユニット(研磨手段)10が上下方向に移動可能に装着されている。研磨ユニット10は、そのハウジング20が一対のガイドレール8に沿って上下方向に移動する移動基台12に取り付けられている。
研磨ユニット10は、ハウジング20と、ハウジング20中に回転可能に収容されたスピンドル21(図3参照)と、スピンドル21を回転駆動するサーボモータ22と、スピンドルの先端に固定されたヘッドマウント23と、ヘッドマウント23に着脱可能に装着される研磨ヘッド24と、研磨ヘッド24に貼着された研磨パッド26とを含んでいる。
研磨ユニット10は、研磨ユニット10を一対の案内レール8に沿って上下方向に移動するボールねじ14とパルスモータ16とから構成される研磨ユニット送り機構18を備えている。パルスモータ16をパルス駆動すると、ボールねじ14が回転し、移動基台12が上下方向に移動される。
ベース4の中間部分にはチャックテーブル機構28が配設されており、チャックテーブル機構28は図示しないチャックテーブル移動機構によりY軸方向に移動される。30はチャックテーブル機構28をカバーする蛇腹である。
チャックテーブル機構28は回転駆動されるチャックテーブル50を備えている。チャックテーブル50は、枠体52と、枠体52の上面とその保持面が面一に形成されたポーラスセラミックス等の吸引部54とから構成される。
ベース4の前側部分には、第1のウエーハカセット32と、第2のウエーハカセット34と、ウエーハ搬送ロボット36と、複数の位置決めピン40を有する位置決め機構38と、ウエーハ搬入機構(ローディングアーム)42と、ウエーハ搬出機構(アンローディングアーム)44と、スピンナ洗浄ユニット46が配設されている。
また、ベース4の概略中央部には、チャックテーブル50を洗浄する洗浄水噴射ノズル48が設けられている。この洗浄水噴射ノズル48は、チャックテーブル50が装置手前側のウエーハ搬入・搬出領域に位置づけられた状態において、チャックテーブル50に向かって洗浄水を噴射する。
次に、本発明の研磨パッドのテーパ面形成方法を説明する前に、図2を参照して、研磨パッドの外径が相違する場合の研磨パッド内の位置による研磨レートの違いを説明する。図2(A)は比較的小径の研磨パッド26Aを使用してウエーハWを研磨する様子の模式図、図2(B)は比較的大径の研磨パッド26Bを使用してウエーハWを研磨する様子の模式図を示している。
研磨パッド26A又は研磨パッド26Bを使用したウエーハWの研磨時には、研磨パッド26A、26BとウエーハWは異なる速度で同一方向、即ち矢印A方向に回転される。
図2(A)に示す小径研磨パッド26Aと図2(B)に示す大径研磨パッド26Bにおいて、同一の回転角度θ1の場合には、円周方向長さL1,L2,L3はL1<L2<L3となる。よって、小径研磨パッド26Aと大径研磨パッド26Bを同一速度で回転した場合には、大径研磨パッド26Bのほうが研磨レートは高くなる。
また、図2(A)に示す小径研磨パッド26Aの場合には、ウエーハWは小径研磨パッド26Aの回転中心C1を覆って研磨されることになる。研磨パッドの回転中心C1では研磨作用が殆ど無いため、ウエーハWを吸引保持したチャックテーブル50を定位置に静止して研磨すると、研磨パッド26Aの中心と外周部分とでは研磨レートが非常に異なるため、ウエーハW全面を均一に研磨できなくなる。
よって、小径研磨パッド26AでウエーハWの研磨を実施する場合には、チャックテーブル50を研磨パッド26Aの研磨面と平行方向(図1ではY軸方向)に移動させて、ウエーハWの全面を均一に研磨できるようにする必要がある。24A及び24Bは研磨ヘッドである。
次に、研磨パッド26の研磨面(下面)にテーパ面を形成する本発明のテーパ面形成方法について図3乃至図5を参照して説明する。本発明の研磨パッドのテーパ面形成方法では、まず図3に示すように、研磨ヘッド24の下面に研磨パッド26を装着(貼着)する。
次いで、研磨装置2のチャックテーブル50で研磨パッド26の研磨面にテーパ面を形成する研削バイト56を有する研削治具58を吸引保持して、研削バイト56をチャックテーブル50上に固定する。そして、研削バイト56を研磨パッド26のテーパ面を形成したい領域の一方の端部の直下に位置づける。
例えば、図4(A)に示すような研磨ヘッド23の回転中心を頂点とする円形テーパ面26aを形成したい場合には、研削バイト56を研磨パッド26の中心C1の直下に位置づける。或いは、図5に示すような環状のテーパ面26a´を形成したい場合には、テーパ面26a´と水平面26bとの境界部60の直下に研削バイト56を位置づける。
次いで、チャックテーブル50上の研削バイト56上端に研磨パッド26を接触させて所定量下降させる下降動作と、研磨パッド26を回転させながら研削バイト56を水平方向に研磨パッド26のテーパ面を形成したい領域の他方の端部まで移動させる前記下降動作と連動する水平移動動作とを実施して、研磨ヘッド24に装着された研磨パッド26を研削する。これにより、研磨パッド26の中心C1側から研磨パッド26の外周に向かって研磨パッド26が薄くなる様に傾斜するテーパ面を研磨パッド26に形成する。
即ち、図4に示すような研磨パッド26の中心C1を頂点とする円形テーパ面26aを形成したい場合には、研削バイト56上端に研磨パッド26の中心C1を接触させて研磨パッド26を所定の速度で下降させる下降動作と、研磨パッド26を回転させながら研削バイト56を保持したチャックテーブル50をY軸方向に所定の速度で研磨パッド26の外周側端部まで移動させる下降動作と連動する水平移動動作とを実施して、研磨ヘッド24に装着された研磨パッド26を研削し、研磨パッド26の中心C1から研磨パッド26の外周側端部に向かって研磨パッド26が連続的に薄くなる様に傾斜するテーパ面26aを研磨パッド26に形成する。
図5に示すような環状テーパ面26a´を形成したい場合には、研削バイト56上端に研磨パッド26の形成したい環状テーパ面26a´と水平面26bとの境界部60を接触させて、研磨パッド26を所定の速度で下降させる下降動作と、研磨パッド26を回転させながら研削バイト56を保持したチャックテーブル50をY軸方向に所定の速度で研磨パッド26の外周側端部まで移動させる下降動作と連動する水平移動動作とを実施して、研磨ヘッド24に装着された研磨パッド26を研削し、研磨パッド26の水平面26bの外周側境界部60から研磨パッド26の外周に向かって研磨パッド26が薄くなる様に傾斜する環状テーパ面26a´を研磨パッド26に形成する。
図4に示すように研磨パッド26の中心C1から外周に向かって連続的に傾斜する円形テーパ面26a、又は図5に示すように水平面26bの外周側境界部60から研磨パッド26の外周側端部に向かって傾斜する環状テーパ面26a´を形成することにより、研磨パッドの中心部に比較して研磨レートの大きい外周側の研磨レートを低減して、研磨ヘッド24の押し付け圧力を一定の圧力にしたまま調整することなく、研磨パッド26のウエーハへの押し付け圧力を調整することで研磨パッド26の中心側と外周側で概略一様な研磨レートを達成することができる。
2 研磨装置
10 研磨ユニット
24 研磨ヘッド
26 研磨パッド
26a,26a´ テーパ面
26b 水平面
50 チャックテーブル
56 研削バイト
60 境界部

Claims (1)

  1. 回転する研磨ヘッドの下面に装着された研磨パッドの研磨面をチャックテーブル上に保持されたウエーハの上面に押し付けてウエーハを研磨する研磨装置における研磨パッドのテーパ面形成方法であって、
    研磨ヘッドの下面に研磨パッドを装着する研磨パッド装着工程と、
    該研磨パッドの該研磨面を研削してテーパ面を形成する研削バイトを該チャックテーブル上に固定する研削バイト固定工程と、
    該研削バイトを該研磨パッドの該テーパ面を形成したい領域の一方の端部の直下に位置付ける研削バイト位置付け工程と、
    該チャックテーブル上の該研削バイト上端に該研磨パッドを接触させて所定量下降させる下降動作と、該研磨パッドを回転させながら該研削バイトを水平方向に該研磨パッドの前記テーパ面を形成したい領域の他方の端部まで移動させる前記下降動作と連動する水平移動動作とを実施して、該研磨ヘッドに装着された該研磨パッドを研削し、該研磨パッドの中心側から該研磨パッドの外周に向かって該研磨パッドが薄くなるように傾斜するテーパ面を該研磨パッドに形成するテーパ面形成工程と、
    を具備したことを特徴とする研磨パッドのテーパ面形成方法。
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