JP2017116812A - マスクブランク用の基板、およびその製造方法 - Google Patents

マスクブランク用の基板、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アナモルフィック露光法において、ローカルスロープによって生じ得る、被加工基板の結像位置の位置ずれの影響を、比較的簡単に抑制することができる。【解決手段】アナモルフィック露光に適用されるマスクブランク用の基板の製造方法であって、前記アナモルフィック露光では、X軸方向の縮小倍率がMx(<1)となり、Y軸方向の縮小倍率がMy(<1)となり、ここでMx>Myであり、当該製造方法は、(1)第1の表面を有する基板において、前記第1の表面を研磨するステップを有し、前記(1)のステップ後には、前記基板の前記第1の表面において、第1の方向のローカルスロープ角度αの最大値をAとし、前記第1の方向と直交する第2の方向のローカルスロープ角度βの最大値をBとしたとき、Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4を満たす、製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、マスクブランク用の基板、およびその製造方法に関する。
近年、次世代のリソグラフィ技術として、EUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィ技術が注目されている。このEUVリソグラフィ技術では、反射型マスクとともに、波長が100nm未満のEUV露光光が使用される。
より具体的には、まず、マスクパターンを有する反射型マスクが被加工基板の上に配置される。次に、この反射型マスクに、EUV露光光を斜め方向から照射する。EUV露光光は、反射マスクで反射された後、各投影光学系を経て被加工基板に到達する。これにより、反射型マスクのマスクパターンを、所定の縮小倍率で、被加工基板に結像させることができる。なお、通常、この露光プロセスでは、マスクおよび被加工基板は、縮小倍率に応じた速度比で投影光学系に対して走査方向に走査される。
このようなEUVリソグラフィ技術では、反射型マスクの表面に存在する局所的な凹凸、および局所的な表面の傾斜(いわゆるローカルスロープ)により、EUV露光光の被加工基板上の結像位置が所望の位置からずれることがある。
そこで、このような位置ずれを予め把握してこれを補正することにより、結像の位置精度を高めることが提案されている(特許文献1)。
特開2005−274953号
近年、EUV露光のさらなる高開口数化を目的とし、アナモルフィック露光法と呼ばれる新たな露光技術が提案されている。アナモルフィック露光法では、従来のようなX軸方向およびY軸方向で同一の縮小倍率を選定する露光法の代わりに、両軸方向で異なる縮小倍率が採用される。なお、本願では、マスクブランク用基板の表面を構成する平面の中で、EUV光の進入方向を面内に投影した方向をY軸とし、それに直交する方向をX軸とする。
従来の露光方法では、X軸方向とY軸方向で縮小倍率が同じであったため、ローカルスロープに起因する位置ずれの影響を小さくするためには、X軸方向、Y軸方向双方のローカルスロープの値を同程度に考慮すれば良く、ローカルスロープの絶対値を単純に減少させることを考えればよかった。
これに対して、アナモルフィック露光法では、X軸方向とY軸方向とで縮小倍率が異なるため、マスク表面のローカルスロープに起因する位置ずれの度合いも、X軸方向とY軸方向とで変化してしまう。その結果、従来のような、単にローカルスロープを小さくするという対策のみでは、被加工基板の結像位置の位置ずれの影響を十分に抑制できなくなるおそれがある。
従って、アナモルフィック露光法に適した、ローカルスロープによる位置ずれの影響を抑制する方法を見出すことが必要となっている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、アナモルフィック露光法において、ローカルスロープによって生じ得る、被加工基板の結像位置の位置ずれの影響を、比較的簡単に抑制することが可能なマスクブランク用の基板の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明では、そのようなマスクブランク用の基板を提供することを目的とする。
本発明では、アナモルフィック露光に適用されるマスクブランク用の基板の製造方法であって、
前記アナモルフィック露光では、X軸方向の縮小倍率がMx(<1)となり、Y軸方向の縮小倍率がMy(<1)となり、ここでMx>Myであり、
当該製造方法は、
(1)第1の表面を有する基板において、前記第1の表面を研磨するステップ
を有し、
前記(1)のステップ後には、前記基板の前記第1の表面において、第1の方向のローカルスロープ角度αの最大値をAとし、前記第1の方向と直交する第2の方向のローカルスロープ角度βの最大値をBとしたとき、

Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4 (1)式

を満たす、製造方法が提供される。
ここで、前記角度αおよびβは、0〜π/2(rad)の範囲で表され、
Max(a,b)は、aとbのうちの大きい方を表し、Min(a,b)は、aとbのうちの小さい方を表す。
また、本発明では、アナモルフィック露光に適用されるマスクブランク用の基板であって、
前記アナモルフィック露光では、X軸方向の縮小倍率がMx(<1)となり、Y軸方向の縮小倍率がMy(<1)となり、ここで、Mx>Myであり、
当該基板の第1の表面において、第1の方向のローカルスロープ角度αの最大値をAとし、前記第1の方向と直交する第2の方向のローカルスロープ角度βの最大値をBとしたとき、

Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4 (1)式

を満たす、マスクブランク用の基板が提供される。
ここで、前記角度αおよびβは、0〜π/2(rad)の範囲で表され、
Max(a,b)は、aとbのうちの大きい方を表し、Min(a,b)は、aとbのうちの小さい方を表す。
本発明では、アナモルフィック露光法において、ローカルスロープによって生じ得る、被加工基板の結像位置の位置ずれの影響を、比較的簡単に抑制することが可能なマスクブランク用の基板の製造方法を提供することができる。また、本発明では、そのようなマスクブランク用の基板を提供することができる。
本発明の一実施形態によるマスクブランク用の基板の構成の一例を模式的に示した図である。 基板の表面におけるローカルスロープの概念を説明するための図である。 評価1において得られた、比RとΔの間の関係を示したグラフである。 評価2において得られた、比RとΔの間の関係を示したグラフである。 評価3において得られた、比RとΔの間の関係を示したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態によるマスクブランク用の基板)
図1には、本発明の一実施形態によるマスクブランク用の基板の構成の一例を模式的に示す。
図1に示すように、基板100は、第1の表面112および第2の表面114を有する。第1の表面112は、基板100がマスクブランクとして適用された際に、EUV露光光を反射する反射多層膜を有する側の表面に対応する。
第1の表面112および第2の表面114は、第1の方向(S方向)および第2の方向(T方向)に沿って延在する。なお、第1の方向と第2の方向は、相互に直交する方向であり、第1の方向は第1の表面を構成する4辺のいずれかの辺と平行な方向にとることが好ましい。
実際に基板100からマスクブランクを構成する場合、第1の表面112には、EUV光を反射する反射多層膜およびEUV光を吸収する吸収層などが設置され、第2の表面114には、静電チャックに用いるための導電層などが設置される。これらの層の構成は、当業者には明らかである。
また、基板100から構成されたマスクブランクは、アナモルフィック露光法で使用され得る。アナモルフィック露光法では、前述のように、X軸方向とY軸方向とで、異なる縮小倍率が採用される。例えば、X軸方向の縮小倍率をMx(<1)とし、Y軸方向の縮小倍率をMy(<1)とした場合、Mx≠Myとなる。
なお、本願では、混乱を避けるため、アナモルフィック露光法の縮小倍率を、Mx>Myと規定する。
これまでにアナモルフィック露光法の縮小倍率(X軸方向,Y軸方向)として、(1/4,1/8)、(1/4.8,1/7.5)、および(1/5.1,1/6.3)などが提案されている。
ここで、基板100は、第1の表面112において測定された第1の方向のローカルスロープ角度αの最大値をAとし、前記第1の方向と直交する第2の方向のローカルスロープ角度βの最大値をBとしたとき、

Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4 (1)式

を満たすという特徴を有する。
ここで、前記角度αおよびβは、0〜π/2(rad)の範囲で表される。また、Max(a,b)は、aとbのうちの大きい方を表し、Min(a,b)は、aとbのうちの小さい方を表す。
このような特徴を有する基板100では、後述するように、被加工基板の結像位置の位置ずれの影響を、比較的簡単に抑制することが可能になる。
(ローカルスロープについて)
「ローカルスロープ」とは、第1の表面112全体における最小二乗平面Fに対する、局所的な評価対象平面領域における最小二乗平面Qの傾斜を意味する。ただし、この傾斜は、基板表面形状を波長(または周波数)ごとに分解したとき、どこまでの短波長成分(以下、最低波長という)をノイズとして除去するか、またはどこまでの長波長成分(以下、最高波長)を基板のうねりとして除去するかによってさまざまな値を取りうる。ここで、最低波長、最高波長は規格によって異なるが、最低波長は概ね1〜30mmの間であり、最高波長は50mm〜152mmで規定される。
本願では、「ローカルスロープ」の波長λを、152mm≧λ≧30mmとする。
また、「ローカルスロープ角度」とは、第1の表面112全体における最小二乗平面Fと、局所的な評価対象平面領域における最小二乗平面Qとのなす角を意味する。このローカルスロープ角度は、第1の方向のローカルスロープ角度αと、第2の方向のローカルスロープ角度βとに分解することができる。ここで、第2の方向は、第1の方向と直交する方向である。
図2には、基板110の第1の表面112の断面の一例を模式的に示す。なお、この図2では、第1の表面112の第2の方向に垂直な断面、すなわち第1の方向に沿った第1の表面112の断面が示されているものと仮定する。
図2において、直線Fは、第1の表面112の最大高さレベルを表し、直線Fは、最小高さレベルを表している。また、直線Fは、第1の表面112の最小二乗平面を表している。
第1の表面112がこのような表面形態を有する場合、ローカルスロープは、局所的な最小二乗平面Qとして表される。通常、ローカルスロープ(Q)は、複数存在する。同様に、最小二乗平面Fとローカルスロープ(Q)のなす角度、すなわちローカルスロープ角度αは、複数存在する。
なお、本願では、ローカルスロープ角度αおよびβを、0〜π/2(rad)の範囲で規定する。従って、例えば、ローカルスロープが最小二乗平面Fの法線に対して、反時計回り方向に傾斜している場合も、そのようなローカルスロープと最小二乗平面Fとのなす角(すなわち、ローカルスロープ角度αおよびβ)は、0〜π/2(rad)の範囲で表される。実際のEUVマスクブランクス基板では、ローカルスロープ角度は、0〜100μradの間の数値をとることが多い。
また、図2では、ローカルスロープ(Q)として、3つの例しか明示されていない。しかしながら、図2中には、その他のローカルスロープも多数存在していることに留意する必要がある。
本願では、第1の方向におけるローカルスロープ角度αの最大値をAとし、第2の方向におけるローカルスロープ角度βの最大値をBで表すものとする。
そのようなローカルスロープ角度αおよびβは、例えば、干渉計を用いて基板表面の表面形状を求め、その結果から計算することができる。干渉計の測定では、基板の各座標に対する基板表面の高さを電子記録として得ることができる。その電子記録を基にして、基板の品質保証領域内(例えば、基板の外周から4mmの外縁部を除いた144mm角の範囲)で得られた全てのデータから最小二乗平面を計算したものがFとなる。また、このデータの内、基板各点の周辺の範囲(この範囲はローカルスロープを規定する波長から計算される)のデータから最小二乗平面を計算したものがQとなる。通常の測定データにおいては基板のチルト(傾き)成分が除去されており、Fが傾き0となっているため、Qの傾きをそのままローカルスロープ角度としてよい。このとき用いられる干渉計は、マスクブランクやマスクブランク基板用として販売されている装置、例えばCorningTropel社のUltraFlat、Zygo社のVerifire、富士フイルム社(旧フジノン社)のF310Sなどを用いることができる。
(基板100の特徴について)
次に、前述のような基板100の特徴について、より詳しく説明する。
通常、前述のようなローカルスロープを有するマスクを使用して、アナモルフィック露光法により、被加工基板にパターンを転写した場合、被加工基板に生じる像の位置ずれは、X方向およびY方向のそれぞれにおいて、以下のように表される:

X方向の位置ずれ量ΔX=K×Mx×θx (2)式
Y方向の位置ずれ量ΔY=K×My×θy (3)式

Kは比例定数であり、被加工基板上における露光光の焦点深度の値から計算される。なお、Kは、露光装置によって一義的に定まる。Mx、Myは、それぞれ、X方向およびY方向におけるアナモルフィック露光法における縮小倍率であり、Mx>Myと仮定する。また、θxは、マスクのX方向のローカルスロープ角度であり、θyは、マスクのY方向のローカルスロープ角度である。
ここで、前述のように、図1に示した基板100の第1の表面112において、第1の方向におけるローカルスロープ角度αの最大値(以下、「第1最大ローカルスロープ角度」という)がAであり、第1の方向と直交する第2の方向におけるローカルスロープ角度βの最大値(以下、「第2最大ローカルスロープ角度」という)がBであり、A≧Bである場合を考える。なお、第1の表面112において、第1最大ローカルスロープ角度Aが得られる点と、第2最大ローカルスロープ角度Bが得られる点は、異なっていてもよい。
この場合、基板100をアナモルフィック露光法用のマスクとして使用する際には、ローカルスロープ角度の最大値がより大きい第1の方向が、被加工基板のY方向となり、ローカルスロープ角度の最大値がより小さい第2の方向が、被加工基板のX方向となるようにして、基板100を使用することにより、被加工基板上の位置ずれ量を、全体としてより小さくすることができる。
例えば、X方向の縮小倍率Mx=1/4であり、Y方向の縮小倍率My=1/8であり、A=8μradであり、B=4μradであると仮定する。
この場合、第1の方向が被加工基板のY方向となり、第2の方向が被加工基板のX方向となるようにして、基板100が使用される。すなわち、第1最大ローカルスロープ角度Aが、被加工基板のY方向のローカルスロープ角度θyの最大値となり、第2最大ローカルスロープ角度Bが、被加工基板のX方向のローカルスロープ角度θxの最大値となるようにして、基板100が使用される。
この場合、X方向のずれ量ΔXの最大値は、(2)式から、

ΔX=K×Mx×B (4)式

となり、Y方向のずれ量ΔYの最大値は、(3)式から、

ΔY=K×My×A (5)式

となる。
その結果、ΔX=K、ΔY=Kとなる。すなわち、Max(ΔX,ΔY)=Kとなる。
これに対して、第1の方向が被加工基板のX方向となり、第2の方向が被加工基板のY方向となるようにして、基板100が使用されると、第1最大ローカルスロープ角度Aが被加工基板のX方向のローカルスロープ角度θxの最大値となり、第2最大ローカルスロープ角度Bが被加工基板のY方向のローカルスロープ角度θyの最大値となる。
この場合、ΔX=K×Mx×A=2K、ΔY=K×My×B=K/2となる。従って、この場合、Max(ΔX,ΔY)=2Kとなる。
このように、アナモルフィック露光の際に、大きい方の第1最大ローカルスロープ角度Aが、倍率の小さな軸(Y)方向のローカルスロープ角度θyとなり、小さい方の第2最大ローカルスロープ角度Bが、倍率の大きな軸(X)方向のローカルスロープ角度θxとなるようにして、基板110を使用した場合、全体として、位置ずれ量をより小さくすることができる。
また、このことから、結局、被加工基板上での像の位置ずれ量を全体として小さくするためには、縮小倍率のより小さなY方向における位置ずれΔYを小さくする対策よりも、縮小倍率のより大きなX方向における位置ずれΔXを小さくする対策を重視した方が効果的であると言える。縮小倍率のより小さなY方向における位置ずれ量ΔYは、Mxよりも小さなMyに比例するため、位置ずれ量ΔYが自ずと小さくなることは明確であるからである。
以上の考察の下、本願発明者らは、(2)式で表されるX方向の位置ずれ量ΔX、および(3)式で表されるY方向の位置ずれ量ΔYをともに小さくするためには、前述の(1)式を満たすようにして、基板100の第1の表面112を構成することが好適であることを見出した。
すなわち、

Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4 (1)式

となるように、基板100の第1の表面112を構成した場合、被加工基板の位置ずれ量ΔXおよびΔYをより抑制することができる。また、これにより、被加工基板上の全体的な位置ずれ量をより抑制することが可能になる。
特に、Max(A,B)/Min(A,B)は、1.5以上であり、1.6以上であることが好ましい。
(基板100のその他の特徴について)
前述のような特徴を有する基板100の材質は、EUVL用反射マスク等を製造するため、熱膨張係数が小さくかつそのばらつきの小さいガラスが好ましい。基板100の材質としては、例えば、SiOを主成分とする合成石英ガラス、またはSiOを主成分としTiOを含有する合成石英ガラスを用いることができる。
また、基板100の寸法は特に限られないが、例えば、縦横が152.0±0.2mm、厚みが6.35±0.10mmの範囲であってもよい。
(本発明の一実施形態によるマスクブランク用の基板の製造方法)
次に、本発明の一実施形態によるマスクブランク用の基板の製造方法について説明する。
本発明の一実施形態によるマスクブランク用の基板の製造方法(以下、「第1の製造方法」という)は、アナモルフィック露光に適用されるマスクブランク用の基板の製造方法に関し、
第1の表面を有する基板において、前記第1の表面を研磨するステップ(ステップS110)
を有する。
ここで、前記アナモルフィック露光では、X軸方向の縮小倍率がMx(<1)となり、Y軸方向の縮小倍率がMy(<1)となり、ここでMx>Myである。
また、第1の製造方法において、前記(1)のステップ後には、第1の方向のローカルスロープ角度αの最大値をAとし、前記第1の方向と直交する第2の方向のローカルスロープ角度βの最大値をBとしたとき、

Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4 (1)式

を満たす第1の表面が得られる。
以下、ステップS110について、詳しく説明する。
(ステップS110)
まず、第1の表面を有する基板が準備される。基板は、例えば、火炎加水分解法で製造された、TiO2を7%含む合成石英ガラス基板であっても良い。このガラスは、インゴットをワイヤーソーで切断した後、外形研削、面取り加工、そして両面研削加工が実施される。これらに関しては、公知の手法を用いればよい。研削後の基板の寸法は、特に限られないが、基板は、例えば、縦横が152.0mm、厚みが6.51mmとしてもよい。
次に、基板は、前記(1)式を満たす第1の表面が得られるように加工される。例えば、基板の第1の表面は、研磨処理され、これにより前記(1)式を満たす第1の表面が得られてもよい。
以下、そのような第1の表面を得るための基板の研磨方法について簡単に説明する。ただし、以下に示す研磨方法は、単なる一例であって、基板の第1の表面は、その他の方法で研磨されてもよいことに留意する必要がある。また、ここでは、基板がガラス基板である場合を例に、基板の研磨方法について説明する。
(研磨方法)
ガラス基板の研磨方法は、予備研磨工程、局所研磨工程、および仕上げ工程を含む。以下、各工程について、説明する。
(予備研磨工程)
まず、ガラス基板が予備研磨される。
この工程では、ガラス基板の第1および第2の表面の表面粗さと平坦度が所定の範囲内となるように、ガラス基板が粗研磨される。
予備研磨工程には、公知の方法が適用できる。例えば、複数の両面ラップ研磨装置を連続使用して、ガラス基板の第1および第2の表面を予備研磨してもよい。このとき、研磨布としては硬質ウレタンフォーム又はスウェードパッド、研磨剤としては粒径0.5μm〜2μmの酸化セリウムを用いても良い。
予備研磨工程において、ガラス基板の第1の表面は、平坦度(PV値)が1μm以下となるように研磨されることが好ましい。より好ましい平坦度(PV値)は、500nm以下である。
(局所研磨工程)
次に、ガラス基板の第1の表面が局所研磨処理される。
この局所研磨工程は、ガラス基板の第1の表面の面積よりも小さな局所加工ツールを、第1の表面上で走査させることにより、実施される。例えば、局所加工ツールは、回転型小型加工ツールであってもよい。
あるいは、局所研磨工程は、例えば、イオンビームエッチング法、ガスクラスターイオンビーム(GCIB)エッチング法、プラズマエッチング法、湿式エッチング法、および磁性流体(MRF(登録商標))研磨法などにより、実施されてもよい。
回転型小型加工ツールによる局所研磨法では、モーターで回転する研磨部を被加工部位に接触させて、研磨が実施される。
例えば、小型定盤をガラス基板の直上から垂直に押し付けて、ガラス基板の第1の表面に対して垂直な軸の周りで回転する方式、あるいは小型グラインダーに装着された回転加工ツールを、ガラス基板の第1の表面に対して斜め方向から押し付ける方式などがある。
一方、イオンビームエッチング法、ガスクラスターイオンビームエッチング法、およびプラズマエッチング法では、ガラス基板の第1の表面にビームが照射され、該ビームが第1の表面上で走査される。ビームを走査させる手法としては、ラスタスキャンおよびスパイラルスキャン等が挙げられる。これらのいずれの走査手法を用いてもよいが、矩形基板の加工の場合は、ラスタスキャンを用いることが好ましい。
磁性流体(MRF(登録商標))による研磨法は、研磨粒子を含む磁性流体を用い、対象物の被研磨部位を研磨する手法であり、例えば、特開2010−82746号公報、および特許第4761901号明細書に記載されている。MRF(登録商標)研磨法を用いた研磨装置、および該研磨装置におる研磨手順は、特開2010−82746号公報に例示されている。
通常、局所研磨工程は、研磨条件を同一に保ち、基板を保持したステージ速度を基板の位置ごとに変化させることにより、基板位置ごとの研磨量を変化させる。このため、基板位置によるステージ速度の分布は基板毎に異なっており、この分布はシミュレーションにより計算される。すなわち、局所研磨工程は、予め設定されたパラメータに基づいて計算されたステージの動きに基いて実施される。このとき、シミュレーションに用いられるパラメータは、例えば、ある一定時間同一箇所を研磨した際の研磨量、研磨形状およびステージ速度を計算する際の分割メッシュの数等を含む。
ここで、分割メッシュとは、ガラス基板の第1の表面を、第1の方向および第2の方向に沿って複数の領域に分割した際に得られる、最小矩形領域単位を表し、ラスタスキャンの際は、研磨ツールまたはビームは、加工の際に分割メッシュの中心位置を通ることになる。
この分割メッシュの数を多くする(これはラスタスキャンにおいてスキャンピッチを小さくすることに相当する)程、シミュレーションに使われる点が多くなり、また、研磨を行いたい各点の周辺をより多く研磨ツール又はビームが走査することになるため、より高精密な局所研磨を実施することが可能となる。ただし、分割メッシュ数が増加すると、上述の理由で同一箇所周辺を走査する回数が増大することに加え、ステージの最高速度には限度があるため、どうしても基板内の研磨量が増大してしまい、第1の表面の研磨に要する時間が顕著に増大する。分割メッシュに関しては、通常、局所研磨ツールの一度で研磨できるエリアより小さなエリアに分割する必要がある。例えば、研磨エリアはφ15mmの回転加工ツールを用いた場合、分割メッシュは0.3〜3mmの範囲とすることが好ましい。メッシュを小さくしすぎると、上述のように研磨時間が増大してしまい、メッシュを大きくしすぎると、φ15mmの中の研磨レートのばらつきの影響が出てしまい、基板上にメッシュに応じた凹凸が生じるためである。この中でも、通常は1.0mm程度(0.5〜1.5)の正方形のメッシュに分割することが好ましい。
これに対して、第1の製造方法では、ある一つの方向(例えば第1の方向)における分割メッシュの幅を、例えば、0.3mm〜0.6mmの範囲に選定することで、第1の方向に対する加工精度を向上させることができる。また、別の方向(例えば第2の方向)における分割メッシュの幅を、例えば、1.5mm〜2mmの範囲に選定することで、一つの方向における分割メッシュの微細化による局所研磨工程の時間増大の影響を抑制できる。この場合、第2の方向の加工精度、及びローカルスロープの角度は従来の製法に比べて大きくなることもあり得るが、その方向をより縮小倍率の小さい方向に合わせることで、全体のローカルスロープの影響を低減することが可能となる。
このような分割メッシュ数を用いて研磨プログラムを実施することにより、前述のような(1)式を満たす第1の表面を調製することができる。
(仕上げ工程)
次に、ガラス基板の第1の表面の面積よりも大きい研磨パッドと、研磨スラリーとを用いて、ガラス基板の第1の表面が最終研磨される。大きな研磨パッドを使用するのは、ガラス基板の第1の表面全体を同時に研磨するためである。
この際の第1の表面の研磨量は、例えば、100nm〜2000nmの範囲である。第1の表面の研磨量は、100nm〜2000nmの範囲であることが好ましく、200nm〜1000nmの範囲であることがより好ましく、200nm〜500nmの範囲であることがさらに好ましい。
研磨パッドとしては、例えば、不織布などの基布にポリウレタン樹脂を含浸させることにより得られた、ポリウレタン樹脂発泡層を有する研磨パッドなどが使用できる。
なお、研磨パッドは、スウェード系研磨パッドであることが好ましい。スウェード系研磨パッドは、例えば、適度の圧縮弾性率を有する軟質の樹脂発泡体であってもよい。そのような樹脂発泡体としては、例えば、エーテル系、エステル系、およびカーボネート系などが挙げられる。
一方、研磨スラリーは、通常、研磨粒子と、その分散媒とから構成される。研磨スラリーは、コロイダルシリカまたは酸化セリウムを含んでもよい。コロイダルシリカは、精密にガラス基板を研磨することができるので、特に好ましい。
研磨粒子の分散媒としては、水および有機溶剤が挙げられる。
以上の工程により、前記(1)式を満たす第1の表面を調製することができる。
前述のように、(1)式を満たすように基板の第1の表面を構成した場合、そのような基板をマスクに用いてアナモルフィック露光を行う際に、被加工基板のX方向の位置ずれ量ΔX、およびY方向の位置ずれ量ΔYをより抑制することができる。その結果、第1の製造方法では、被加工基板上の全体的な位置ずれ量を、比較的容易に抑制することが可能になる。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
(事前準備)
TiOをドープしたマスクブランク用の基板を6枚準備し、予備研磨工程を行った。予備研磨の終了後では、6枚の基板は縦152mm×横152mmに外形加工され、厚みは6.448〜6.449mmの範囲にあった。また、平坦度はおのおのの基板で異なるものの、PV値は、基板の外周から4mmの外縁部を除いた144mm角内で、380〜460nmの範囲にあり、全てのPV値が500nm未満であった。
(実施例1)
事前準備されたガラス基板のうちの2枚について、第1の表面を研磨して、マスクブランク用の基板(以下、基板1および基板2と称する)を得た。
ガラス基板の第1の表面は、局所研磨工程として、回転型小型加工ツールを用いて実施した。
なお、局所研磨工程は、研磨ツールのエリアがφ15mmとなる小型研磨ツールを用いて加工を実施した。研磨ツールの加工条件は以下のとおりである。
研磨剤:酸化セリウム、平均粒子径(D50)2μm、
研磨パッド:軟質パッド(株式会社Filwel製 ベラトリクスN7512)、
研磨加工部の回転数:400rpm、
研磨圧力:2.5g重/mm2
シミュレーションにおいては、第1の方向における分割メッシュの幅を0.5mmとし、第2の方向における分割メッシュの幅を1.5mmとし、基板152mm角の中心部の144mm角内を平坦化するように加工した。すなわち、第1の方向において、より精密な研磨処理を実施した。
(比較例1)
実施例1と同様の条件で、事前準備された基板のうち残り4枚を局所研磨加工した(以下、基板3〜6と称する)。
ただし、この比較例1では、シミュレーションにおいて、第1の方向における分割メッシュの幅と第2の方向における分割メッシュの幅は同一の1.0mmとした。加工条件は、実施例1と同様である。
(仕上げ研磨)
実施例1で作成した基板2枚と、比較例1で作成した基板4枚について、以下の条件で仕上げ研磨し、マスクブランクス用ガラス基板の製品を得た。なお、研磨の安定性を向上させるため、板厚、外形が基板1〜6と同様の基板3枚をダミー基板として投入し、計9枚で研磨を実施した。
研磨試験機:浜井産業株式会社製 両面24B研磨機、
研磨パッド:株式会社Filwel製 ベラトリックスN7512、
研磨定盤回転数:10rpm、
研磨時間:30分、
研磨荷重:0.52g重/mm2
研磨量:0.06μm/面、
希釈水:純水(0.1μm以上異物濾過)、
スラリー流量:10リットル/min、
研磨スラリー:平均一次粒径20nm未満のコロイダルシリカを20質量%含有。
(測定)
前述の各基板1〜6に対して、以下の測定を行った:
・平坦度:基板の表面形状を、富士フイルム社のF310S干渉計を用いて測定した。この表面形状から基板の傾き成分を除去した後、第1の表面における144mm角内の最大高さと最小高さの差を、平坦度PV値として記録した。
・面内ローカルスロープ角度pの最大値P、第1の方向におけるローカルスロープ角度αの最大値A、および第2の方向におけるローカルスロープ角度βの最大値B:これら3つの値は、具体的には以下のように計算した。
平坦度の項で測定された基板の表面形状を、csv形式で電子媒体に保存した。なお、このcsvには、基板を一定のピッチで分割した各点における表面の高さが記録されている。このcsvファイルから、今回の最低波長である30mm角内の高さ情報を取得し、その高さ情報をZ=LX+MY+Nの平面で最小二乗近似した。このときのXは前記第1の方向を、Yは前記第2の方向をあらわし、Zは高さ方向とする。測定エリア全体はチルト補正(基板の傾き成分を除去する補正)がなされているため、Aは第1の方向の傾きの正接、Bは第2の方向の傾きの正接、(L+M(1/2)はこの平面と基準面のなす角の正接の値となる。これより、以下の値で計算されるものを、30mm角の中心座標における各ローカルスロープの値とした:
α=arctan(|L|)
β=arctan(|M|)
p=arctan{(L+M(1/2)}。
実際には、ローカルスロープ角はμradの領域の非常に小さな角であるので、
tanθ≒θ
arctanα≒α
で近似できる。このため、
α=|L|
β=|M|
p=(L+M(1/2)
とできる。
この値を基板内の各点に対し同様に計算し、αの面内での最大値をA、βの面内での最大値をB、pの面内での最大値をPとした。
以下の表1には、各基板1〜6において得られた測定結果をまとめて示した。
Figure 2017116812
(評価1)
次に、前述の測定結果から、以下の項目を評価した:
(位置ずれ量Δ
位置ずれ量Δは、各基板をマスクとして、従来の一般的な露光法を適用した際に生じる位置ずれ量の最大値を意味する。露光法における縮小倍率は、(1/4、1/4)と仮定した。位置ずれ量Δは、前述の面内ローカルスロープ角度の最大値Pと縮小倍率(1/4)、および(2)式〜(5)式にある比例係数Kの積として求めることができる。
(位置ずれ量Δ
位置ずれ量Δは、各基板をマスクとしてアナモルフィック露光法を適用した際に生じる位置ずれ量の最大値を意味する。ここで、アナモルフィック露光法の縮小倍率は、(1/4,1/8)と仮定した。
また、位置ずれ量Δは、以下の手順で評価した。
まず、基板の第1の表面上の各測定点において、前述のように測定された第1の方向および第2の方向におけるローカルスロープ角度αおよびβから、それぞれの測定点における縮小倍率(1/4,1/8)の影響を考慮した位置ずれ量を評価した。次に、その結果から、各点での位置ずれ量を計算し、その値の基板内における最大値を計算した。次に、それぞれの測定点における縮小倍率(1/8,1/4)の影響を考慮した位置ずれ量を評価し、同様に各点での位置ずれ量を計算し、その値の基板内における最大値を計算した。最後に、(1/4,1/8)倍で計算した時の最大値と、(1/8,1/4)倍で計算した時の最大値のうち、小さい方をΔとして採用した。
なお、実際にアナモルフィック露光を行う際には、最大値が小さくなる方向に基板を向けて露光が行われる。
(位置ずれ量の軽減度合Δ
位置ずれ量の軽減度合Δは、従来の一般的な露光法を適用した際に生じる位置ずれ量の最大値(すなわち位置ずれ量Δ)を1としたときの、アナモルフィック露光法を適用した際に生じる位置ずれ量の最大値(すなわち位置ずれ量Δ)の割合を意味する。すなわち、Δ=Δ/Δである。
従って、位置ずれ量の軽減度合Δが大きい基板ほど、アナモルフィック露光法における位置ずれ量が小さくなる。
以下の表2には、各基板において得られたΔ/K、Δ/K、およびΔの評価結果をまとめて示した。
Figure 2017116812
なお、表2には、各基板におけるMax(A,B)/Min(A,B)の値(以下、「比R」と称する)も合わせて示した。なお、この比Rは、表1の結果から算出することができる。
(結果1)
図3には、各基板において得られた評価結果をまとめて示す。ここで、図3において、横軸は、比R、すなわちMax(A,B)/Min(A,B)の値を表している。また、縦軸は、Δを表している。
この図から、比Rの増加に伴い、Δrが減少する傾向にあることがわかる。ここで、実施例1における、比Rが1.4を超える基板1および基板2では、Δは、いずれも、0.7を下回っている。これに対して、比較例における、比Rが1.4未満の基板3〜基板6では、Δは、いずれも0.7を超えている。
この結果から、基板1および基板2では、これらの基板をアナモルフィック露光法に適用した際に生じる位置ずれを、有意に抑制できることが確認された。
(評価2)
各基板1〜6に対して、前述の評価1と同様の手順により、位置ずれ量Δおよび位置ずれ量Δを評価した。ただし、この評価2では、位置ずれ量Δを評価する際に、アナモルフィック露光法の縮小倍率を(1/4.8,1/7.5)と仮定した。
得られた位置ずれ量Δおよび位置ずれ量Δから、位置ずれ量の軽減度合Δを算定した。
以下の表3には、各基板において得られたΔ、Δ、およびΔの評価結果をまとめて示した。
Figure 2017116812
なお、表3には、各基板におけるMax(A,B)/Min(A,B)の値、すなわち比Rも合わせて示した。
(結果2)
図4には、各基板において得られた評価結果をまとめて示す。ここで、図4において、横軸は、比R、すなわちMax(A,B)/Min(A,B)の値を表している。また、縦軸は、Δを表している。
ここで、比Rが1.4を超える基板1および基板2では、Δは、いずれも、0.6を下回っている。これに対して、比Rが1.4未満の基板3〜基板6では、いずれも、Δは、0.6を超えている。
この結果から、実施例1に係る基板1および基板2では、これらの基板をアナモルフィック露光法に適用した際に生じる位置ずれを、有意に抑制できることが確認された。
(評価3)
各基板1〜6に対して、前述の評価1と同様の手順により、位置ずれ量Δおよび位置ずれ量Δを評価した。ただし、この評価3では、位置ずれ量Δを評価する際に、アナモルフィック露光法の縮小倍率を(1/5.1,1/6.3)と仮定した。
得られた位置ずれ量Δおよび位置ずれ量Δから、位置ずれ量の軽減度合Δを算定した。
以下の表4には、各基板において得られたΔ、Δ、およびΔの評価結果をまとめて示した。
Figure 2017116812
なお、表4には、各基板におけるMax(A,B)/Min(A,B)の値、すなわち比Rも合わせて示した。
(結果3)
図5には、各基板において得られた評価結果をまとめて示す。ここで、図5において、横軸は、比R、すなわちMax(A,B)/Min(A,B)の値を表している。また、縦軸は、Δを表している。
ここで、比Rが1.4を超える基板1および基板2では、Δは、いずれも、0.64以下となっている。これに対して、比Rが1.4未満の基板3〜基板6では、いずれも、Δは、0.64を超えている。
この結果から、実施例1に係る基板1および基板2では、これらの基板をアナモルフィック露光法に適用した際に生じる位置ずれを、有意に抑制できることが確認された。
100 基板
112 第1の表面
114 第2の表面

Claims (6)

  1. アナモルフィック露光に適用されるマスクブランク用の基板の製造方法であって、
    前記アナモルフィック露光では、X軸方向の縮小倍率がMx(<1)となり、Y軸方向の縮小倍率がMy(<1)となり、ここでMx>Myであり、
    当該製造方法は、
    (1)第1の表面を有する基板において、前記第1の表面を研磨するステップ
    を有し、
    前記(1)のステップ後には、前記基板の前記第1の表面において、第1の方向のローカルスロープ角度αの最大値をAとし、前記第1の方向と直交する第2の方向のローカルスロープ角度βの最大値をBとしたとき、

    Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4 (1)式

    を満たす、製造方法:
    ここで、前記角度αおよびβは、0〜π/2(rad)の範囲で表され、
    Max(a,b)は、aとbのうちの大きい方を表し、Min(a,b)は、aとbのうちの小さい方を表す。
  2. Mx=1/4、My=1/8であるか、
    Mx=1/4.8、My=1/7.5であるか、
    Mx=1/5.1、My=1/6.3である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記基板は、TiOを含有する合成石英ガラス基板である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. アナモルフィック露光に適用されるマスクブランク用の基板であって、
    前記アナモルフィック露光では、X軸方向の縮小倍率がMx(<1)となり、Y軸方向の縮小倍率がMy(<1)となり、ここで、Mx>Myであり、
    当該基板の第1の表面において、第1の方向のローカルスロープ角度αの最大値をAとし、前記第1の方向と直交する第2の方向のローカルスロープ角度βの最大値をBとしたとき、

    Max(A,B)/Min(A,B)≧1.4 (1)式

    を満たす、マスクブランク用の基板:
    ここで、前記角度αおよびβは、0〜π/2(rad)の範囲で表され、
    Max(a,b)は、aとbのうちの大きい方を表し、Min(a,b)は、aとbのうちの小さい方を表す。
  5. Mx=1/4、My=1/8であるか、
    Mx=1/4.8、My=1/7.5であるか、
    Mx=1/5.1、My=1/6.3である、請求項4に記載の基板。
  6. 当該基板は、TiOを含有する合成石英ガラス基板である、請求項4または5に記載の基板。
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