JP2010174372A - 樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材及びその製造方法 - Google Patents

樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面性状を極力複雑化することによって、複合化する樹脂部材との接合性を高めたアルミニウム合金部品を提供する。
【解決手段】Al‐Si系合金鋳物部材の表面に酸系液による化学エッチング処理を施し、内面に共晶Si結晶からなる凸部を複数有する平均開口幅が0.1μm以上30μm以下の凹状部を、表面の一部又は全面に複数有するAl合金部材であって、前記共晶Si結晶からなる凸部が球相当粒子径で0.1μm以上10μm以下のサイズを有し、蛍光X線のマッピング分析によりSi元素及びAl元素分析を行ったときに共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が5%以上80%以下を占めるような部品を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、高強度の熱可塑性樹脂組成物と一体化した構造物を製造するための、樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材とその製造方法に関する。
異種材質であるアルミニウム部材と合成樹脂を一体化したアルミ‐樹脂複合材は、自動車、家庭電化製品、産業機器等の広い分野で用いられている。従来、このようなアルミ‐樹脂複合材としては、アルミニウム部材と樹脂部材を接着剤の介在のもとで圧着させたものが用いられていた。
しかしながら、昨今、接着剤の介在なしで高強度のエンジニアリング樹脂を一体化する方法が提案されている。例えば特許文献1では、アルミニウム薄板の少なくとも片面に樹脂層を射出成形法により形成するアルミ‐樹脂複合体を製造する方法であって、樹脂層を形成する側のアルミニウム薄板の表面に、予めエッチング法により微細な粗面層を設け、次いで該アルミニウム薄板を金型の可動金型にセットし、固定金型側に上記粗面層を押し付けて密着して型締めし、当該粗面層と押し付けた固定金型とによって形成されるキャビティー内に、樹脂を射出してアルミニウム薄板の少なくとも片面に樹脂層を成形することを特徴とする前記製造方法が提案されている。
上記の製造方法も、アルミニウム部材と樹脂部材とが一体的に接合された複合材を得るという観点では有用な技術ではあるが、このような複合材を、強力な接着力(固着力)や剛性が要求される機械的な構造物に適用しようとすると十分ではない。
そこで、樹脂部材として強度の高いものを強力な接着力で接着させたアルミ‐樹脂複合体が求められている。
例えば、特許文献2、3で、前記要望をかなえたアルミ‐樹脂複合体の製造方法が提案されている。
特開2000−176962号公報 WO2004/041533号公報 特開2007−182071号公報
例えば、上記特許文献3では、アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する工程を経て電子顕微鏡観察で数平均内径10〜80nmの凹部で表面が覆われたアルミニウム合金部品と、前記アルミニウム合金部品の前記表面に射出成形で固着され、主成分がポリアミド樹脂で従成分が耐衝撃性改良材である樹脂分組成の熱可塑性合成樹脂組成物部品とからなる金属樹脂複合体が提案されている。
この複合体は、アルミニウム合金部品表面を超微細な凹部や孔の開口部で覆う形状にしたことにより、ポリアミド系樹脂組成物を強固に接着しようとするものである。
しかしながら、上記特許文献2、3で提案される複合体も、機械的な構造物としての使用に耐えられるほどの強い接着力は発揮できていない。
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、特定の合金系のアルミニウム合金部品を用い、その表面性状を複雑化することによって、複合化する樹脂部材との接合性を高めたアルミニウム合金部品を提供することを目的とする。
本発明の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材は、その目的を達成するため、内面に共晶シリコン結晶からなる凸部を複数有する凹状部を、表面の一部又は全面に複数有するAl−Si系アルミニウム合金部材であって、前記共晶シリコン結晶からなる凸部が球相当粒子径で0.1μm以上10μm以下のサイズを有するとともに、蛍光X線のマッピング分析によりシリコン元素及びアルミニウム元素分析を行ったときに共晶部分に存在するシリコンのみが分布する部位が5%以上80%以下を占めることを特徴とする。
また、本発明の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材の表面には前記共晶シリコン結晶からなる凸部を複数有する平均開口幅が0.1μm以上30μm以下の凹状部が形成されていると共に、これらの凹状部の他に初晶α−Al部分について、アルミニウム合金部材の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される平均開口幅が0.1μm以上30μm以下の大きさであって、深さが0.1μm以上30μm以下の大きさである複数の凹状部が形成されていることを特徴とする。
前記共晶シリコン結晶からなる凸部は、前記凹状部内面に0.001g/m2以上1g/m2以下の量で突出・析出していることが好ましい。
前記樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材を構成するアルミニウム合金としては、Si:5.0質量%以上18質量%以下、Fe:1.3質量%以下、Cu:5.0質量%以下、Mg:1.5質量%以下、Ni:1.5質量%以下を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる成分組成を有するアルミニウム合金が好ましい。
そして、本発明の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材は、前記成分組成を有するアルミニウム合金溶湯を鋳造してアルミニウム合金部材を製造する際、鋳造時の共晶Si凝固温度が755℃以上780℃以下である領域において冷却速度が0.1℃/秒以上100℃/秒以下とすることにより得られる。
鋳造した鋳物体を所定形状、サイズに整えた後、表面に酸系液による化学エッチング処理を施すことにより、前記表面特性を有するアルミニウム合金部材が得られる。
また、本発明の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材は、表面に酸系液による化学エッチング処理に先駆けて、アルミナ微粒子または金属微粒子からなる微粒子を用いたブラスト処理を実施し、予め凹凸形状を表面に形成しておくことで、より接合強度の高いアルミ‐樹脂複合体が得られる。
表面に形成する凹凸形状としては、表面粗さとしてのRz値で1〜100μmなる大きさが好ましい。
本発明によれば、複合体の製造に用いられるアルミニウム合金部材表面に、複雑化された凹凸形状が付与されている。このため、例えば射出成形法等でその表面に樹脂部材を接合したとき、前記複雑化された凹凸形状によりアンカー効果が有効に作用し、接合強度の高いアルミ‐樹脂複合体が容易に得られる。
しかも、アルミニウム合金素材として、Al−Si系の鋳造合金が使用できるため、形状的に自由度の高い複合体が安価で製造できるようになる。また、このように製造されたアルミ‐樹脂複合体はアルミニウム合金部材と樹脂成形体との間の界面(アルミ‐樹脂界面)の密着強度や気密性が極めて高く、かつ過酷な環境に曝されてもその優れた密着強度及び気密性を保持することができ、長期に亘って高い信頼性を維持し得るものである。
したがって、本発明のアルミ‐樹脂複合体は、例えば、自動車用の各種センサー部品、家電機器用各種スイッチ部品、各種産業機器用コンデンサー部品等を始めとして、幅広い分野における金属‐樹脂一体成形部品に好適に使用することができ、特にアルミニウム合金部材の一部の表面から樹脂成形体が突合せ状態に突出して高い結合強度が要求される金属‐樹脂一体成形部品に好適に使用される。
Al−Si系合金鋳物の凝固組織を説明する模式図 Al−Si系合金鋳物のエッチング後の断面組織を説明する模式図 Al−Si系合金鋳物のエッチング表面を走査電子顕微鏡で観察した画面 アルミ‐樹脂複合体のせん断強度を測定するための試験片形状を説明する図 アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験方法を説明する図
本発明者等は、アルミ‐樹脂複合体を製造する際、複合化する樹脂部材との接合性を高めるべく、アルミニウム合金部品の表面性状の改善策について鋭意検討を重ねてきた。
樹脂部材との接合性を高めるためには、アルミニウム合金部品表面にアンカー効果の高い凹凸を形成することが有効である。しかしながら、金属組成範囲が広く金属組織が複雑であるAl鋳造用合金に対してアンカー効果の高い凹凸を形成することには困難を伴う。
そこで、本発明は、Al−Si系鋳造用合金において、特定組成の生成と、その後のエッチング処理とを組み合わせることにより、その表面にアンカー効果の高い凹凸を形成することができることを見出したものである。
以下にその詳細を説明する。
まず、Al−Si系合金部材表面に複雑化された凹凸が形成されやすいことに関する基本的な原理を説明する。
実用的に多用される亜共晶−共晶近傍組成を有するAl−Si系合金の溶湯を鋳型内で凝固させたとき、図1に見られるように、初晶α−Al(1)の間をラメラー状のAl−Si共晶部(2)が埋める形態となっている。そして、Al−Si共晶部(2)は共晶α−Al(3)と共晶Si(4)から構成される形態となる。
このような金属組織を有するAl−Si系合金部材を、塩酸等の酸液で化学的にエッチング処理すると、Al−Si共晶部の共晶α−Al(3)が選択的に溶解される。共晶α−Alが他の部分よりもAl純度が低いからである。
その結果、初晶α−Al(1)の間を埋めているラメラー状の共晶部から共晶Si(4)のみが残存することとなり、凹部となった初晶α−Alの間の空隙部(5)に残存Siが前記凹部壁に突出した形態となる(図2参照)。
図3は、後述の実施例で用いた試料の表面を走査電子顕微鏡で観察した結果を示すものである。初晶α−Alの間に形成された凹状部の内部にSi結晶が突出し、凸部を形成していることがわかる。
本発明は、初晶α−Alの間の、残存Siが壁面に突出した凹状部に、樹脂部材を接合するときのアンカー機能を果たさせようとするものである。
上記アンカー効果を有効に発現させるためには、形成される凹状部を細かく、突出したSi結晶が形作る凸部を細かくかつ多くすることが有効である。突出したSi結晶が形作る凸部を細かくかつ多くするには、素材Al−Si系合金のSi含有量にも依存するが、製造条件、殊に凝固時の冷却速度と化学エッチング条件を調整することが必要となる。
好ましい製造条件については後述するとして、アンカー機能を効果的に発揮する凸部のサイズ、分布状態について説明する。
アルミニウム合金部材の表面構造を走査型電子顕微鏡(日立製FE-SEM、S-4500形)で観察した際、共晶Si結晶からなる凸部のサイズは球相当粒子径で0.1μm以上10μm以下とする必要がある。Si結晶サイズが0.1μm以下の大きさに満たないと共晶Si結晶からなる凸部そのものが折れやすく、アンカー作用を発揮できない。一方、Si結晶サイズが10μmを超える大きさの場合においてもサイズが大き過ぎてアンカー作用を発揮できない。
また、残存Siが壁面に突出した凹状部は、アルミニウム合金部材の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される平均開口幅が0.1μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下、より好ましくは1μm以上10μm以下の大きさであって、深さが0.1μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下の大きさであるのがよい。
この凹状部の平均開口幅が0.1μmより狭いと、射出成形時に溶融樹脂が進入し難くなってアルミニウム合金部材と樹脂成形体との界面に微小な空隙が発生して優れた密着強度や気密性が得られ難くなり、反対に、30μmより広くしようとすると、アルミ成形体の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が過剰に進行し、材料表面の欠落あるいは材料の板厚減少量の増大という問題が生じ、材料強度不足の製品が発生して生産性低下の原因になる。また、深さについても、0.1μmより浅いと、十分な樹脂成形体の嵌入部が得られ難くなり、反対に、30μmより深くしようとすると、アルミ成形体の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が過剰に進行し、材料表面の欠落あるいは材料の板厚減少量の増大という問題が生じる。
本発明において、残存Siが壁面に突出した複数の凹状部の密度については、0.1mm四方当り平均開口幅0.5μm以上20μm以下及び深さ0.5μm以上20μm以下の範囲内の1種又は2種以上の大きさのものが5個以上200個以下程度の範囲で存在するのがよい。
また、残存Siが壁面に突出した複数の凹状部は、その一部又は全部において、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部凹状部が形成された二重凹状部構造を有していてもよく、また、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部突起部が形成された内部凹凸構造を有していてもよく、更に、これら二重凹状部構造や内部凹凸構造が並存していてもよい。残存Siが壁面に突出した複数の凹状部の一部又は全部において、このような二重凹状部構造や内部凹凸構造が存在することにより、アルミニウム合金部材の凹状部と樹脂成形体の嵌入部とは互いにより強固に結合し、アルミニウム合金部材と樹脂成形体との間のより優れた密着強度や気密性が発揮される。
さらに、上記アルミニウム合金部材の表面構造をエネルギー分散型X線分析装置(堀場製作所製 EMAX-7000)のマッピング分析によりシリコン元素及びアルミニウム元素分析を行った際、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が5%以上80%以下を占めるようにする必要がある。Si分布部位が5%未満では有効なアンカー効果は発現しない。逆に80%を超えると凹状部壁面を形成する初晶α−Alの溶解も無視できず、前記壁面が溶解し、Si結晶が凹状部内に堆積する状態となり、樹脂成分に対してアンカー効果が作用しなくなる。
共晶Si結晶からなる凸部の突出量は、前記凹状部内面に0.001以上1g/m2以下の量で突出・析出していることが好ましい。0.001g/m2に満たないと有効なアンカー効果が発現し難くなる。逆に1g/m2を超えると凹状部壁面を形成する初晶α−Alの溶解も無視できず、前記壁面が溶解し、Si結晶が凹状部内に堆積する状態となり、樹脂成分に対してアンカー効果が作用しなくなる。
なお、凸部の突出量は、アルミニウム部材表面に形成されたSi結晶を、ブラシを使用して削り落とした後、0.1μmPCメンブランフィルターを用いて採取した結晶粒子を重量法により測定したものである。
ここでは、前記共晶α−Alの選択的溶解により形成された共晶Si結晶の突出部を有する凹状部と併せてアンカー機能を効果的に発揮する初晶α−Alに形成される凹状部について説明する。アルミニウム部材の表面の凹凸部に起因して形成される複数の凹状部は、アルミニウム合金部材の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される平均開口幅が0.1μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下、より好ましくは1μm以上10μm以下の大きさであって、深さが0.1μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下の大きさであるのがよい。
この凹状部の平均開口幅が0.1μmより狭いと、射出成形時に溶融樹脂が進入し難くなってアルミニウム合金部材と樹脂成形体との界面に微小な空隙が発生して優れた密着強度や気密性が得られ難くなり、反対に、30μmより広くしようとすると、アルミ成形体の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が過剰に進行し、材料表面の欠落あるいは材料の板厚減少量の増大という問題が生じ、材料強度不足の製品が発生して生産性低下の原因になる。また、深さについても、0.1μmより浅いと、十分な樹脂成形体の嵌入部が得られ難くなり、反対に、30μmより深くしようとすると、アルミ成形体の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が過剰に進行し、材料表面の欠落あるいは材料の板厚減少量の増大という問題が生じる。
本発明において、アルミニウム合金部材の表面の凹凸部に起因して形成される複数の凹状部の密度については、0.1mm四方当り平均開口幅0.5μm以上20μm以下及び深さ0.5μm以上20μm以下の範囲内の1種又は2種以上の大きさのものが5個以上200個以下程度の範囲で存在するのがよい。
また、アルミニウム合金部材の複数の凹状部は、その一部又は全部において、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部凹状部が形成された二重凹状部構造を有していてもよく、また、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部突起部が形成された内部凹凸構造を有していてもよく、更に、これら二重凹状部構造や内部凹凸構造が並存していてもよい。アルミニウム合金部材の複数の凹状部の一部又は全部において、このような二重凹状部構造や内部凹凸構造が存在することにより、アルミニウム合金部材の凹状部と樹脂成形体の嵌入部とは互いにより強固に結合し、アルミニウム合金部材と樹脂成形体との間のより優れた密着強度や気密性が発揮される。
次に、本発明の対象となるAl−Si系合金の好ましい合金組成について説明する。
本発明は、Si:5.0質量%以上18質量%以下、好ましくは6.0質量%以上12.5質量%以下、Fe:1.3質量%以下、好ましくは0.9質量%以下、Cu:5.0質量%以下、好ましくは4.5質量%以下、Mg:1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下、Ni:1.5%以下、好ましくは1.1質量%以下を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる成分組成を有する合金を対象とすることが好ましい。以下にその理由について説明する。
Si:5.0質量%以上18質量%以下
Siは母材強度増加、熱膨張率の低下、鋳造性の向上などのために添加する。特に、本発明においては共晶組織内の共晶α−Alの選択的溶解に伴い形成される共晶Siによる突出部が樹脂接合性への寄与が最も重要となる。Siが5.0%未満では、Si量が少なすぎて、充分な共晶組織が得られず、有効なアンカー効果は発現しない。一方、18%を超えると、初晶Siの多量析出によりアンカー効果が阻害される。
Fe:1.3質量%以下
Feは金型への焼付防止のために添加する。ただし、Feが1.3質量%を超えると、急激な強度低下を引き起こすため、引いては樹脂接合後のアルミ‐樹脂複合体の強度低下が避けられなくなる。
Cu:5.0質量%以下
Cuは母材強度増加及び切削性向上のために添加する。ただし、Cuが5.0質量%を超えると、鋳造性の低下が生じ、また、樹脂接合後のアルミ‐樹脂複合体の耐食性を著しく低下させる。
Mg:1.5質量%以下
Mgは母材強度増加及び樹脂接合後のアルミ‐樹脂複合体の耐食性向上のために添加する。ただし、Mgが1.5質量%を超えると、溶湯酸化が発生し、多量のカスが生じる。
Ni:1.5質量%以下
Niは高温強度安定化のために添加する。ただし、Niが1.5質量%を超えると鋳造性及び時効硬化性が低下する。
不可避不純物 Mn:0.65%質量%以下,Zn:3.0%質量%以下
不可避不純物としてMn及びZnがあり、これらの混入は避けられない。Mnは0.65質量%を超えると、母材の切削性を低下させる。一方、Znは3.0質量%を超えると、樹脂接合後のアルミ‐樹脂複合体の耐食性が低下する。したがって、不可避不純物としてのMn、Znは、上記量以下に制限することが好ましい。
続いて、上記成分組成を有するAl−Si系アルミニウム合金を用いて、本発明の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材を製造する方法について説明する。
合金溶湯の調製方法には特に制限はない。通常の溶解を行えば足りる。
本発明に用いるAl−Si系合金はSi含有量が比較的多く、溶融温度が低いので鋳造法で目的の形状に形作ることが好ましい。精度が高く安定的な機械的特性を得るという観点からは、ダイカスト法を採用することが好ましい。鋳込み条件にも、特に制限はない。
上記した通り、複雑化された表面性状を得るには、凝固後の結晶組織を細かくすることが好ましい。この意味から、鋳造時の共晶Si凝固温度が755℃以上780℃以下である領域において冷却速度が0.1℃/秒以上100℃/秒以下とする必要がある。
冷却速度が0.1℃/秒未満では、結晶組織が大きくなって、その後の化学的なエッチング処理を施しても、共晶Si結晶からなる凸部のサイズ、分布状態に関して所望のものが得られなくなって樹脂接着性が高くならない。逆に、冷却速度が100℃/秒を超えると、急激な冷却により共晶Si結晶が細かくなり過ぎて、アンカー効果を発揮できない。
得られた鋳造品の形状、サイズを整えるために、湯道等、不用部分を切断除去した後、必要に応じて面削して樹脂接合面を整える。
樹脂接合面が整えられた鋳造品の樹脂接合面の表面に所望の凹凸部を有するアルミニウム合金部材を形成する方法としては、例えば、アルミニウム合金材を塩酸、リン酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、アスコルビン酸、安息香酸、酪酸、クエン酸、ぎ酸、乳酸、イソブチル酸、リンゴ酸、プロビオン酸、酒石酸等の酸溶液からなるエッチング液に浸漬し、このアルミニウム合金材の表面に所定の凹凸部を形成するエッチング処理の方法が挙げられる。
この目的で用いられるエッチング液としては、酸溶液として、酸濃度0.1重量%以上80重量%以下、好ましくは1重量%以上50重量%以下の塩酸溶液、リン酸溶液、希硫酸溶液、酢酸溶液等や、酸濃度5重量%以上30重量%以下、好ましくは10重量%以上20重量%以下のシュウ酸溶液等を挙げることができる。
また、共晶α−Alの溶解をより促進するという目的から、これらの酸溶液中にハロゲン化物を添加してもよい。ハロゲン化物としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の塩化物や、フッ化カルシウム等のフッ化物や、臭化カリウム等の臭化物等を挙げることができ、好ましくは安全性等を考慮して塩化物であり、更に、エッチング液中におけるハロゲンイオン濃度は、通常0.1グラム/リットル(g/L)以上300g/L以下、好ましくは1g/L以上150g/L以下であり、0.1g/L未満だとハロゲンイオンの効果が小さいため、共晶α−Alの溶解が起こり難く、Si結晶の突出部を有する凹状部が形成されないという問題が生じ、300g/Lを超えるような場合はアルミニウム成形体の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が急激に進行するため、共晶α−Alの選択溶解により形成される凹状部及びSi結晶の突出部の制御が困難になるという問題が生じる。
なお、本発明においては、アルミニウム合金部材の表面に所望の凹状部を形成するためのエッチング液として、硝酸や80重量%を超える濃度の濃硫酸等の酸化力の強い酸溶液や水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ溶液は適当でない。濃硫酸等の比較的酸化力の強い酸溶液は、アルミニウム合金に対して皮膜生成能力を有し、かえってアルミニウム合金部材の表面に強固な酸化皮膜を形成し、酸化皮膜の溶解が困難になる。また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ溶液のアルミニウム合金に対する溶解機構は、全面溶解型であって、所望の共晶α−Alの選択溶解により凹状部及びSi結晶の突出部を形成することが困難である。
本発明において、上記のエッチング液を用いてアルミニウム合金部材の表面をエッチング処理する際の処理条件については、使用するエッチング液の種類、酸濃度、ハロゲンイオン濃度等や、アルミニウム合金部材に形成すべき複数の凹状部の数や大きさ等によっても異なるが、通常、塩酸溶液の場合には浴温20℃以上80℃以下で浸漬時間1分間以上40分間以下、リン酸溶液の場合は浴温20℃以上60℃以下で浸漬時間1分間以上60分間以下、硫酸溶液の場合には浴温20℃以上70℃以下で浸漬時間1分間以上50分間以下、シュウ酸溶液の場合には浴温20℃以上50℃以下で浸漬時間1分間以上20分間以下、酢酸溶液の場合には浴温20℃以上80℃以下で浸漬時間1分間以上30分間以下の範囲であるのがよい。使用するエッチング液の酸濃度や浴温が高いほどエッチング処理の効果が顕著になり、短時間処理が可能になるが、浴温については、20℃未満では溶解速度が遅くて共晶α−Alの選択溶解に伴う凹状部及びSi突出部の生成に長時間を要し、また、80℃を超える浴温では溶解反応が急激に進行して凹状部及びSi突出部の制御が困難になり、浸漬時間については、1分未満では供晶α−Al選択溶解の制御が難しく、逆に60分を超える浸漬時間では生産性低下の原因となる。
また、本発明における酸性溶液によるエッチング処理においては、異なる溶液を用いて複数回エッチング処理を繰り返し所望の凹状部を形成することもできる。
上記の化学エッチング処理を行いアルミニウム合金部材の表面に凹状部を施す前に、均一なエッチング処理を可能にすること、あるいはアンカー効果をより高めることを目的として、アルミニウム合金部材の表面に、ブラスト処理による凹凸を形成することもできる。
金属組織が複雑であるアルミニウム鋳造用合金では、化学エッチング処理を行った際、アルミニウム合金部材表面のエッチングのムラが発生し、均一なエッチング処理が困難になる場合がある。ブラスト処理では、ショットメディアの衝突によりアルミニウム合金部材の最表面において局所的な塑性変形ならびに塑性変形に伴う急熱、急冷が繰り返され、表面組織が微細化、均一化される。したがって、ブラスト処理後に化学エッチング処理をすることで均一な凹状部形成が可能となる。
また、ブラスト処理後のアルミ表面は粗面化されるため、その後に化学エッチング処理を施すことで凹状部を形成させる二重粗面化処理により、樹脂接合性を向上することができる。
ブラスト処理には、インペラーと呼ばれる羽根車の遠心力を利用して投射材を投射するショットブラスト処理と、エアコンプレッサーを用い圧縮空気により投射材を投射するエアーブラスト処理があり、どちらもアルミニウム合金部材に表面凹凸を付与する事が可能である。
ブラストの方式としてはエアーノズル式のブラストが好ましい。ブラスト処理の方式として、エアーノズル式が特に好ましい理由としては、ショット式と比較し、メディアの噴射圧力が高いことが挙げられ、例えば噴射圧力が低いショット式ブラストと比較し、より強い圧力でメディアを表面に衝突させることが可能となり、結果として均一なエッチング処理に好ましい表面組織を形成することができるが、コストと効率の観点からショットブラスト処理を選定しても良い。
ブラスト処理によりアルミニウム合金部材表面に表面粗さRz(Rz:JIS B 0601-1994に準拠する十点平均粗さ)が1μm以上100μm以下好ましくは、5μm以上50μm以下の凹凸が形成される。
1μm未満では充分な表面凹凸と表面組織の均一化が得られず、100μmを超えると生産性の低下や内部応力の増加に伴い、材料が歪む等の問題が生じる。
また、投射材として、砂、アルミナ、鋳鉄のような金属微粒子や樹脂といった材料が挙げられるが、それぞれ目的に応じて使用が可能である。アルミニウム合金部材へ凹凸を付与するためには硬度が高いアルミナがよいが、コストや効率を重視して鋳鉄のような金属微粒子を利用してもよい。
ブラスト処理による凹凸部を形成することによりアルミニウム合金部材の表面積が大きくなり、Al−Si共晶部の共晶α−Alに対するエッチング処理液との反応性が高まるため、より多くの所望の凹状部形成がしやすくなるという効果がある。また、エッチング処理液の消費を低減することも可能となるほか、アルミニウム合金部材の表面の汚れ等除去も行うことができる。
また、本発明において、上記の如くアルミニウム合金材にエッチング処理を施して凹状部を有するアルミニウム合金部材を形成する際に、又は、ブラスト処理後にエッチング処理を施して凹状部を有するアルミニウム合金部材を形成する際に、必要により、このエッチング処理前又はブラスト処理前のアルミニウム合金材の表面に、脱脂や表面調整、表面付着物・汚染物等の除去を目的として、酸溶液による酸処理、及び/又は、アルカリ溶液によるアルカリ処理からなる前処理を施してもよい。
ここで、この前処理に用いる酸溶液としては、例えば、市販の酸性脱脂剤で調製したもの、硫酸、硝酸、フッ酸、リン酸等の鉱酸や酢酸、クエン酸等の有機酸や、これらの酸を混合して得られた混合酸等の酸試薬を用いて調製したもの等を用いることができ、また、アルカリ溶液としては、例えば、市販のアルカリ性脱脂剤により調製したもの、苛性ソーダ等のアルカリ試薬により調製したもの、又はこれらのものを混合して調製したもの等を用いることができる。
上記の酸溶液及び/又はアルカリ溶液を用いて行なう前処理の操作方法及び処理条件については、従来、この種の酸溶液又はアルカリ溶液を用いて行なわれている前処理の操作方法及び処理条件と同様でよく、例えば、浸漬法、スプレー法等の方法により行うことができる。
一方、化学エッチング処理の前にブラスト処理しない場合は、化学エッチング処理後に超音波処理をすることが好ましい。
上記記載の通り、ブラスト処理しない場合、ダイカストの成形工程上避けられない表面金属組織のバラツキが生じる。このため、エッチング処理した際、均一的な溶解とならず、エッチングムラが発生する場合がある。
これを防ぐためには、エッチング時の浴温を高くする、または、浸漬時間を長くすることでエッチング処理による溶解量を大きくする必要があるが、アルミ溶解量の増加に伴い共晶Si結晶が最表面に堆積するという問題が発生する。共晶Si結晶の堆積層はポーラス構造であるため、樹脂が入り込み易いが、一方で、Al合金との密着性は非常に小さく、高い接合強度を得ることは困難である。そこでエッチング処理後に超音波処理することで、最表層に存在する堆積した共晶Si結晶を選択的に除去し、樹脂接合性に寄与する表面凹部内の共晶Si結晶のみ残存させることが可能となる。
また、酸性溶液によるエッチング処理を必要以上に行ってしまい、所望の凸状Siが得られず堆積してしまった場合も、応急処置的措置として超音波水洗処理を行うことで堆積Si層のみを除去し、所望の凸状Siが突出したまま残存させる事が出来る。
一方でフッ化物イオンを含む溶液でSiを溶解除去させる方法も可能であるが、この場合は堆積Si層のみを除去し、所望の凸状Siのみを突出させたまま残存させることの制御が難しいため好ましくない。
そして、アルミニウム合金材の表面に上記の前処理を施した後や、凹状部を形成するためのエッチング処理を施した後に、必要により水洗処理してもよく、この水洗処理には工業用水、地下水、水道水、イオン交換水等を用いることができ、製造されるアルミニウム合金部材に応じて適宜選択される。更に、前処理やエッチング処理が施されたアルミニウム合金材については、必要により乾燥処理されるが、この乾燥処理についても、室温で放置する自然乾燥でよいほか、エアーブロー、ドライヤー、オーブン等を用いて行う強制乾燥でもよい。
最後に、本発明の樹脂部材との接合性を高めたアルミニウム合金部品の使用態様について簡単に説明する。
本発明アルミニウム合金部材は、上記した各特許文献に記載されているような射出成形法によりアルミ‐樹脂複合体を製造する際に、素材アルミニウム合金形状物として使用される。すなわち、射出成形金型を用意し、可動金型を開いてその一方に本発明アルミニウム合金部材を挿入し、可動金型を閉めた後、所望の熱可塑性合成樹脂組成物を射出し、その後に可動金型を開き離型すれば、所望のアルミ‐樹脂複合体を得ることができる。
本発明において、特に好ましい射出一体成形品は、アルミニウム合金部材の一部の表面に熱可塑性樹脂を射出成形して突合せ状態に結合された樹脂成形体を含むアルミ‐樹脂複合体である。
ここで、本発明のアルミ‐樹脂複合体を製造するための熱可塑性樹脂については、各種の熱可塑性樹脂を単独で用いることができるが、本発明のアルミ‐樹脂複合体に求められる物性、用途、使用環境等を考慮すると、熱可塑性樹脂としては、好ましくは、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリアセタール樹脂、液晶性樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリイミド樹脂、シンジオタクティックポリスチレン樹脂等やこれらの熱可塑性樹脂の2種以上の混合物が挙げられ、また、アルミニウム合金部材と樹脂成形体との間の密着性、機械的強度、耐熱性、寸法安定性(耐変形、反り等)、電気的性質等の性能をより改善するために、より好ましくは、これらの熱可塑性樹脂に繊維状、粉粒状、板状等の充填剤や、各種のエラストマー成分を添加するのがよい。
ここで、熱可塑性樹脂に添加される充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、アスベスト繊維、硼素繊維等の無機質繊維充填剤や、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機質繊維充填剤や、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、炭酸カルシウムを始めとする無機粉体類等の粉状充填剤や、ガラスフレーク、タルクやマイカ等の珪酸塩類等の板状充填剤等が例示され、熱可塑性樹脂100重量部に対して250重量部以下、好ましくは20重量部以上220重量部以下、より好ましくは30重量部以上100重量部以下の範囲で添加される。この充填剤の添加量が250重量部を超えると、流動性が低下しアルミニウム合金部材の凹部へ進入し難くなり良好な密着強度を得られなかったり、機械的特性の低下を招いたりするという問題が生じる。
また、熱可塑性樹脂に添加されるエラストマー成分としては、ウレタン系、コアシェル型、オレフィン系、ポリエステル系、アミド系、スチレン系等のエラストマーが例示され、射出成形時の熱可塑性樹脂の溶融温度等を考慮して選択され、また、熱可塑性樹脂100重量部に対して30重量部以下、好ましくは3重量部以上25重量部以下の範囲で使用される。このエラストマー成分の添加量が30重量部を超えると、更なる密着強度向上効果が見られず機械的特性の低下等の問題が生じる。このエラストマー成分の配合効果は、熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いた場合に特に顕著に現れる。
さらに、本発明のアルミ‐樹脂複合体を製造するための熱可塑性樹脂には、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の添加剤、すなわち難燃剤、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、可塑剤、潤滑剤、滑剤、離型剤、結晶化促進剤、結晶核剤等を、要求される性能に応じて適宜添加することができる。
本発明において、アルミニウム合金部材を射出成形用金型内にセットして行う熱可塑性樹脂の射出成形については、用いられる熱可塑性樹脂に求められる成形条件を採用し得るものであるが、射出成形時に溶融した熱可塑性樹脂がアルミニウム合金部材の凹状部内に確実に進入して固化することが重要であり、金型温度やシリンダー温度を熱可塑性樹脂の種類や物性、更には成形サイクルの許す範囲で比較的高めに設定するのが好ましく、特に金型温度については、下限温度を90℃以上、好ましくは130℃以上にする必要があるが、上限は、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、100℃から当該熱可塑性樹脂の融点又は軟化点(エラストマー成分が添加される場合にはどちらか高い方の融点又は軟化点)より20℃程度低い温度までの範囲であるのがよい。また、下限金型温度は、熱可塑性樹脂の融点から140℃以上低くならないように設定するのが好ましい。
また、本発明のアルミ‐樹脂複合体を製造するための手段については射出成形法に限らず、熱圧着法を採用してもよい。すなわち、前記アルミニウム合金部材を90℃〜300℃程度の範囲で加熱し、その表面に熱可塑性樹脂からなる樹脂部材を、圧力を付して押し当てることによっても、所望のアルミ‐樹脂複合体を得ることができる。
実施例1;
[Al合金試験片の調製]
Si:11質量%、Fe:0.71質量%、Cu:2.46質量%、Mn:0.36質量%、Mg:0.29質量%、Zn:0.79質量%、Ni:0.72質量%を含むAl合金溶湯を、180mm×150mm×3mmのサイズにダイカスト鋳込みを行った。なお、この際の設定条件は、金型温度;170℃、溶湯温度;720℃、射出速度;1.7m/s、製品充填時間;10ms、製品内平均流速;11m/sである。なお、鋳造時の冷却速度は40℃/秒である。
得られた鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片ついて、5wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
[アルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察]
得られたAl合金試験片の表面を、走査型電子顕微鏡(日立製FE-SEM、S-4500形)を用いて観察し、シリコン結晶のサイズを観察し、また、その析出量を重量法により測定した。
観察されたアルミニウム合金部材の表面は、例えば図3のSEM写真図に示す通りであり、アルミ表面に形成された凹状部の内部にシリコン結晶が突出析出し、形成された凸部が観察された。また、このような凸部の形状については、観察場所を変えても同様であった。また、Al合金試験片表面に形成されたシリコン結晶を、ブラシを使用して落とした後、採取した結晶粒子を、0.1μmPCメンブランフィルターを使用した重量法により測定した。
測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm
以下でかつ、上記アルミニウム合金部材の表面についてエネルギー分散型X線分析装置(堀場製作所製 EMAX-7000)のマッピング分析によりシリコン元素及びアルミニウム元素分析を行った結果、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が45%を占めていた。また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上、1g以下であった。この突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量についても、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
[せん断破壊荷重測定試験]
以上のようにして得られた実施例1のアルミニウム合金部材を射出成形機(NISSEI社製ST10R2V)の金型内にセットし、熱可塑性樹脂として、充填剤を含むポリフェニレンスルフィド樹脂(ポリプラスチックス社製PPS グレード名1140A6)を用い、射出時間(保圧時間を含む)5秒、射出速度60mm/秒、保圧力90MPa、成形温度310℃、及び金型温度180℃の成形条件で射出成形し、図4に示すように、37.5mm×37.5mm×2.4mmの大きさのアルミニウム合金部材(6)の表面に、長さ15mm×厚さ3mm×高さ6mmの大きさを有して上記Al合金試験片の表面に固着する樹脂成形体(7)が一体化されたせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製した。
せん断強度測定試験機(島津製作所製:100kNオートグラフ)を用い、図5に示すように、その試験片固定用治具(8)に上記のせん断破壊加重測定試験用アルミ‐樹脂試験片をボルト(9)で固定し、接合部から0.1mm離れた位置で押しジグ(10)によりせん断荷重を加え、アルミニウム合金部材(6)と樹脂成形体(7)との間の接合部の剥離状態を調べた。剥離形態が、樹脂がアルミニウム合金部材(6)側に一部でも残る凝集破壊である場合を良好(○)とし、さらに、樹脂がアルミニウム合金部材(6)側に接合面積に対して70%以上残る凝集破壊である場合を最良好(◎)とし、また、樹脂がアルミニウム合金部材側に残らずに接合界面で発生した場合を不良(×)として評価したところ、結果は最良好(◎)であった。
結果を表1に示す。
実施例2;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、片面側のみ0.6mm面削し、片面に鋳肌面を有する大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。このAl合金試験片の鋳肌面に対して粒径125〜149μmの♯100のアルミナ微粒子(組成;Al23:96.6wt%、TiO2:2.4wt%、SiO2:0.6wt%、及びその他)を用いてエアーブラスト処理を実施し、表面粗さ値としてRz値を5μmとした後、2wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で15分間浸漬するエッチング処理を施した後、水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が55%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、それぞれ評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例3;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、片面側のみ0.6mm面削し、片面に鋳肌面を有する大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。このAl合金試験片の鋳肌面に対して、2wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に66℃で8分間浸漬するエッチング処理を施した後、水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が30%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)をそれぞれ作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例4;
樹脂射出成形時の金型温度を160℃に変更した以外は、上記実施例1と同様にして、アルミニウム合金部材を作製し、次いで、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片を作製し、せん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例5;
上記実施例1と同様にして、Al合金試験片を作製し、次いで、5wt%硫酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で8分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が35%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例6;
上記実施例1と同様にして、Al合金試験片を作製し、次いで、5wt%リン酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が40%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例7;
上記実施例1と同様にして、Al合金試験片を作製し、次いで、5wt%シュウ酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に50℃で20分間浸漬した後に水洗するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が30%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例8;
上記実施例1と同様にして、Al合金試験片を作製し、次いで、5wt%塩酸溶液中に66℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が40%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例9;
[Al合金試験片の調製]
Si:11質量%、Fe:0.71質量%、Cu:2.46質量%、Mn:0.36質量%、Mg:0.29質量%、Zn:0.79質量%、Ni:0.72質量%を含むAl合金溶湯を、180mm×150mm×1.6mmのサイズにダイカスト鋳込みを行った。なお、この際の設定条件は、金型温度;170℃、溶湯温度;720℃、射出速度;1.7m/s、製品充填時間;10ms、製品内平均流速;11m/sである。なお、鋳造時の冷却速度は90℃/秒である。
得られた鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×1.6mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×1mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片ついて、5wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で7分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が40%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例10;
[Al合金試験片の調製]
Si:6.9質量%、Fe:0.38質量%、Mg:0.29質量%、Cu:0.01質量%、Ni:0.01質量%を含むAl合金溶湯を、180mm×150mm×3.0mmのサイズにダイカスト鋳込みを行った。なお、この際の設定条件は、金型温度;170℃、溶湯温度;720℃、射出速度;1.7m/s、製品充填時間;10ms、製品内平均流速;11m/sである。なお、鋳造時の冷却速度は40℃/秒である。
得られた鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片ついて、5wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で7分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が35%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例11;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から大きさ37.5mm×37.5mm×3.0mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、2wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で35分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が75%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例12;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から大きさ37.5mm×37.5mm×3.0mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、5wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で2分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が10%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例13;
[Al合金試験片の調製]
Si:9.0質量%、Fe:0.72質量%、Cu:2.54質量%、Mn:0.36質量%、Mg:0.29質量%、Zn:0.71質量%、Ni:0.69質量%を含むAl合金溶湯を、180mm×150mm×3.0mmのサイズにダイカスト鋳込みを行った。なお、この際の設定条件は、金型温度;170℃、溶湯温度;720℃、射出速度;1.7m/s、製品充填時間;10ms、製品内平均流速;11m/sである。なお、鋳造時の冷却速度は40℃/秒である。
得られた鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、5wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が40%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例14;
[Al合金試験片の調製]
Si:9.0質量%、Fe:0.71質量%、Cu:2.46質量%、Mn:0.34質量%、Mg:0.29質量%、Zn:0.69質量%、Ni:0.68質量%を含むAl合金溶湯を、銅製のJIS舟形金型にて鋳込んだ鋳物製品を作製した。なお、この際の設定条件は、金型温度;120℃、溶湯温度;720℃である。また、鋳造時の冷却速度は2.5℃/秒である。
得られた鋳物製品から、大きさ37.5mm×37.5mm×5mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、両面より2.6mm面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片ついて、5wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が40%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例15;
[Al合金試験片の調製]
Si:9.0質量%、Fe:0.71質量%、Cu:2.46質量%、Mn:0.34質量%、Mg:0.29質量%、Zn:0.69質量%、Ni:0.68質量%を含むAl合金溶湯を、銅製のJIS舟形金型にて鋳込んだ鋳物製品を作製した。なお、この際の設定条件は、金型温度;350℃、溶湯温度;720℃である。また、鋳造時の冷却速度は0.25℃/秒である。
得られた鋳物製品から、大きさ37.5mm×37.5mm×5mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、両面より2.6mm面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、5wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が45%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例16;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、片面側のみ0.6mm面削し、片面に鋳肌面を有する大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。このAl合金試験片の鋳肌面に対して粒径100〜120μmのステンレス微粒子(SUS304製)を用いてショットブラスト処理を実施し、表面粗さ値としてRz値を2μmとした後、2wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で15分間浸漬するエッチング処理を施した後、水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が50%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、それぞれ評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例17;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、片面側のみ0.6mm面削し、片面に鋳肌面を有する大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。このAl合金試験片の鋳肌面に対して粒径2000〜2378μmのアルミナ微粒子(組成;Al23:96.6wt%、TiO2:2.4wt%、SiO2:0.6wt%、及びその他)を用いてエアーブラスト処理を実施し、表面粗さ値としてRz値を50μmとした後、2wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で15分間浸漬するエッチング処理を施した後、水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm以上30μm以下で、さらに球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が55%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、それぞれ評価した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
比較例1;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、30wt%塩酸溶液のエッチング液中において90℃で20分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が30μmを超えており、球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が100%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり1gを超えており、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、表2に示す。
比較例2;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、片面側のみ0.6mm面削し、片面に鋳肌面を有する大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。このAl合金試験片の鋳肌面に対して粒径125〜149μmの♯100のアルミナ微粒子(組成;Al23:96.6wt%、TiO2:2.4wt%、SiO2:0.6wt%、及びその他)を用いてエアーブラスト処理後、上記Al合金片について、30wt%塩酸溶液のエッチング液中において90℃で6分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が30μmを超えており、球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が100%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり1gを超えており、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、比較例1の結果と共に、表2に示す。
比較例3;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、片面側のみ0.6mm面削し、片面に鋳肌面を有する大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。このAl合金試験片の鋳肌面に対して、30wt%塩酸溶液のエッチング液中において90℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が30μmを超えており、球相当粒子径が0.1μm以上10μm以下でかつ、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が100%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり1gを超えており、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、比較例1の結果と共に、表2に示す。
比較例4;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から大きさ37.5mm×37.5mm×3.0mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、評価した。
結果を、表2に示す。
比較例5;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、片面側のみ0.6mm面削し、片面に鋳肌面を有する大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。このAl合金試験片の鋳肌面に対して粒径125〜149μmの♯100のアルミナ微粒子(組成;Al23:96.6wt%、TiO2:2.4wt%、SiO2:0.6wt%、及びその他)を用いてエアーブラスト処理した。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、評価した。
結果を、比較例1の結果と共に、表2に示す。
比較例6;
実施例1で作製したAl合金ダイカスト鋳物から大きさ37.5mm×37.5mm×3.0mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、50℃の5wt%水酸化ナトリウム溶液で5分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、評価した。
結果を、表2に示す。
比較例7;
[Al合金試験片の調製]
Si:9.0質量%、Fe:0.71質量%、Cu:2.46質量%、Mn:0.34質量%、Mg:0.29質量%、Zn:0.69質量%、Ni:0.68質量%を含むAl合金溶湯を、シェル砂を用いた砂型鋳造にて鋳込んだ大きさ40mm×200mm×60mmの鋳物製品を作製した。なお、この際の設定条件は、溶湯温度;720℃である。また、鋳造時の冷却速度は0.045℃/秒である。
得られた鋳物製品から、大きさ37.5mm×37.5mm×5mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、両面より2.6mm面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、10wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が30μmを超えており、さらに球相当粒子径が10μmを超えており、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が50%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、表2に示す。
比較例8;
[Al合金試験片の調製]
Si:11質量%、Fe:0.71質量%、Cu:2.46質量%、Mn:0.36質量%、Mg:0.29質量%、Zn:0.79質量%、Ni:0.72質量%を含むAl合金溶湯について、アトマイズ法により合金粉末を作製後、冷間圧縮、焼結を行い、熱間押出により大きさ90φ、200mmの押出製品を作製した。なお、アトマイズ法による合金粉末作製時の冷却速度は300℃/秒である。
得られた押出製品から、大きさ37.5mm×37.5mm×3mmのAl合金片を切り出し、このAl合金片について、鋳肌面を両面から0.3mmずつ面削し、大きさ37.5mm×37.5mm×2.4mmのAl合金試験片を作製した。
次に、上記Al合金試験片について、10wt%塩酸溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物を添加して調製したエッチング液中に40℃で10分間浸漬するエッチング処理を施した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、アルミニウム合金部材を作製した。
実施例1と同様にアルミニウム合金部材のシリコン結晶の観察を行ったところ、測定されたアルミニウム合金部材のある領域の表面において観察された凹状部の平均開口幅及び内部に突出析出した共晶シリコン結晶のサイズ並びにその分布は、凹状部の平均開口幅が0.1μm未満であり、さらに球相当粒子径が0.1μm未満であり、共晶部分に存在するSiのみが分布する部位が40%を占めていた。
また、アルミニウム合金部材の表面に形成された共晶シリコン析出量は1m四方当たり0.001g以上,1g以下であり、突出析出したシリコン結晶のサイズ、分布並びに量について、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
続いて、上記実施例1と同様にして、樹脂を用いてせん断強度測定試験用のアルミ‐樹脂試験片(アルミ‐樹脂複合体)を作製し、上記アルミ‐樹脂試験片のせん断強度測定試験を実施し、評価した。
結果を、表2に示す。

Claims (9)

  1. 内面に共晶シリコン結晶からなる凸部を複数有する平均開口幅が0.1μm以上30μm以下の凹状部を表面の一部又は全面に複数有するAl−Si系アルミニウム合金部材であって、前記共晶シリコン結晶からなる凸部が球相当粒子径で0.1μm以上10μm以下のサイズを有することを特徴とする樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材。
  2. 請求項1に記載のアルミニウム合金部材であって、蛍光X線のマッピング分析によりシリコン元素及びアルミニウム元素分析を行ったときに共晶部分に存在するシリコンのみが分布する部位が5%以上80%以下を占めることを特徴とする樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材。
  3. 前記共晶シリコン結晶からなる凸部が、前記凹状部内面に0.001g/m2以上1g/m2以下の量で突出・析出している請求項1又は2に記載の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金形状体であって、前記共晶シリコン結晶の凸部を有しない平均開口幅が0.1μm以上30μm以下の凹状部も同時に複数存在することを特徴とする樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材を構成するアルミニウム合金であって、Si:5.0質量%以上18質量%以下、Fe:1.3質量%以下、Cu:5.0質量%以下、Mg:1.5質量%以下、Ni:1.5%以下を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とするアルミニウム合金。
  6. 請求項5に記載の成分組成を有するアルミニウム合金溶湯を鋳造してアルミニウム合金部材を製造する方法であって、鋳造時の共晶Si凝固温度が755℃以上780℃以下である領域において冷却速度が0.1℃/秒以上100℃/秒以下であることを特徴とする樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材の製造方法。
  7. 鋳造した鋳物体を所定形状、サイズに整えた後、表面に酸系液による化学エッチング処理を施す請求項6に記載の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材の製造方法。
  8. 表面に酸系液による化学エッチング処理を施す処理に先駆けて、表面粗さとしてのRz値で1〜100μmの凹凸が予め付与されている請求項7に記載の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材の製造方法。
  9. 表面粗さとしてRz値で1〜100μmの凹凸を持つ表面が、アルミナ微粒子または金属微粒子のいずれか又は両方の微粒子を用いたブラスト処理により形成されている請求項8に記載の樹脂接合性に優れたアルミニウム合金部材の製造方法。
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