JP2006027018A - 金属と樹脂の複合体およびその製造方法 - Google Patents

金属と樹脂の複合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属と樹脂を一体化接合し、結合が強固で、量産性があり、形状、構造の設計が自由にできる金属と樹脂の複合体とその製造技術の提供。
【解決手段】所定の形状に加工された金属形状物1の接合面5に微細凹凸層を有する多孔質の表面層を形成する。例えば、アルミニウム合金形状物、マグネシウム合金形状物を微細エッチング又は陽極酸化し、表面に微細凹凸層を有する多孔質の層を得る。これらを、水溶性アルコール溶液に浸漬し、アルコールを微細な多孔質の孔内に吸蔵させる。これらを射出成形金型にインサートし、ポリアルキレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂組成物2を射出すると金属形状物と樹脂成形部は強力に接合し一体化した複合体4となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品等に用いられる金属またはその合金と高強度樹脂の複合体およびその製造方法に関する。更に詳しくは、各種機械加工で作られた金属合金形状物と熱可塑性樹脂を一体化した構造物に関し、モバイル用の各種電子機器、家電製品、医療機器、車両用構造部品、車両搭載用品、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等に用いられる金属合金と樹脂の複合体およびその製造方法に関する。
金属と樹脂を一体化する技術は、自動車、家庭電化製品、産業機器等の部品製造等の広い分野から求められており、このために多くの接着剤が開発されている。 この中には非常に優れた接着剤がある。例えば常温、又は加熱により機能を発揮する接着剤は、金属と合成樹脂を一体化する接合に有効的に使用され、現在ではこの方法が一般的な接着技術である。
しかしながら、接着剤を使用しない、より合理的な接合方法も従来から研究されてきた。マグネシウム、アルミニウムやその合金である軽金属類、比較的軽量で高強度のチタン合金、又、ステンレスなど鉄合金類に対し、接着剤の介在なしで高強度のエンジニアリング樹脂を一体化する方法がその一例である。例えば、金属側に樹脂成分を射出等の方法で成形と同時に接合する方法(略称、射出接合法)は、本発明の同一出願人が開発した結合方法で、他に実用化された例はない。
即ち、本発明者らは既にアルミニウム合金に適用した技術として、水溶性アミン系化合物の水溶液にアルミニウム合金形状物を浸漬してからポリブチレンテレフタレート樹脂(以下「PBT」という)やポリフェニレンサルファイド樹脂(以下「PPS」という)を主成分とする熱可塑性樹脂組成物と高温高圧下で接触させると特異的に強い力で接合する新しい方法を創案し提案している(特許文献1参照)。
この射出接合の原理は以下に示すようになっている。即ち、アルミニウム合金を水溶性アミン系化合物の希薄水溶液に浸漬するとアルミニウム合金は水溶液の弱い塩基性によって微細にエッチングされる。高性能電子顕微鏡で観察すると数十〜百nm径で深さ高さも同レベルとみられる凹凸が観察された。このアルミニウム合金表面をXPS(X線を照射し発生する光電子を観察して表面からの深さ1〜2nmまでに存在する元素を検出できる高度な分析機)で観察すると窒素が確認された。窒素はアミン系化合物から来ている。
即ち、浸漬時に使用した水溶性アミン系化合物がその後の水洗や乾燥や加熱に耐えて表面に残っていることになる。このことにより、本発明者らは水溶性アミン系化合物の水溶液にアルミニウム合金を浸漬したとき、微細エッチングが為されると同時に使用したアミン系化合物がアルミニウム原子に反応し化学吸着するものと考えている。このアルミニウム合金表面に溶融PBT樹脂、即ちポリエステルでありエステルを高温で接触させると、エステルとアミンが高温で接触することになる。
このことはアンモノリシス(アミン分解反応)、即ち、エステルとアミンが反応して酸アミドとアルコールが生じる発熱反応が進むということになる。通常購入したままのアルミニウム合金を射出成形金型内にインサートして樹脂を射出させても、樹脂はアルミニウム合金の表面で凍結固化してしまいアルミニウム合金と接合することはない。しかし、前述の処置を施したアルミニウム合金であると、樹脂が接触して冷やされ凍結しようとするときにアンモノリシスによる発熱があり凍結固化が遅れる。
その結果、樹脂は、アルミニウム合金表面の微細な凹凸の隙間に入り込むことが可能になる。このため、樹脂はアルミニウム合金表面から剥がれることなく強固に接合が加工となる。無数の数十〜百nmレベルの凹部に樹脂が入り込んで凍結するとアンカー効果で樹脂と合金は強固に接合することができる。通常の射出成形では数μm以下の穴や深い凹部に樹脂が入り込もうとする時点で凍結固化してしまうので、それより例えば十分の1以上小さい凹部に樹脂が入り込み凍結することはなかった。
前述の発明はこの凍結固化を発熱により抑制するようにしたことで接着効果を高めるようにしたものである。即ち、微細な凹凸を作り強いアンカー効果を生むようにし、その表面にアミン系化合物を安定して存在させるようにしたことである。後者は溶融したPBTやPPSとの接触で発熱反応を生じるもととなっている。
この前述した発明によるアルミニウム合金と樹脂の複合体は広い分野での利用が進んでおり、本発明者らの実用化利用への努力により、既にモバイル電子機器ケースで実用化が行なわれている。その適用範囲は、自転車や自動車などの移動機械にも応用でき、その実用化の研究も継続してなされている。しかし、前述の複合体とその製造方法は、アミン系化合物を適用したものであった。アミン系化合物以外でも適用されると、その接着技術の適用範囲は広くなる。又アルミニウム合金以外の他の金属にも適用できることも強く要望されている。
特開2002−07267号公報
本発明者らは、前述の技術を他の金属にも適用すべく研究努力を重ねた。アルミニウム合金に為された処理は次の点にある。一つは微細な凹凸を作ったことである。これが強いアンカー効果を生むもとになっている。他はその表面にアミン系化合物を安定して存在させられたことである。アルミニウム合金は、水溶性アミン系化合物の水溶液に浸漬するのみで、前述の接着条件を満たす処理を一挙に行える金属種である。
しかし、この処理は順次に行って接着条件を満たす処理を行なえば、アルミニウム合金以外の金属でも、アルミニウム合金同様に接着のための性質を生じさせることが可能である。端的にいうと、金属表面を微細凹凸面である多孔質にし、この微細穴にアミン類を吸蔵させると、前述の条件を満足させることができる。アルミニウム合金の場合は、アミン類がアルミニウムに化学吸着していると想定されるが、アルミニウム以外の金属の場合は、アルミニウム合金と全く同じ条件で行ってもアミン分子類が同様にほぼ安定的には付着しないのである。
この点については、本発明者等はあらゆる金属類をエッチングして水溶性アミン系化合物の水溶液に浸漬し、この結果が、安定して吸着されるか否か、又、PBTやPPSと射出接合能があるか否かを調査してみたが効果がないことを確認している。しかし、本発明者等はこれを解決するための一つの方法としてアルマイト構造を適用することが可能であることを見出している。例えば、アルミニウム合金を陽極酸化すると、アルミニウム酸化物層が表面を覆うが、その微細構造は、中心に0.01〜0.5μm径の孔が最奥部まで空いた外径数μmで高さ10μm〜25μmの六角柱状結晶が密着し、詰まった状態の層になることが知られている。
このアルミニウム合金形状物を水溶性アミン系化合物の水溶液に浸漬すれば無数の孔の中にアミン系化合物が吸蔵され、水洗や乾燥の工程を経ても多くが安定して残存する可能性があるということは、エッチング等の技術で前述のように、既に本発明者は提案している。
即ち、エッチング処理にしろ陽極酸化処理にしろ、これらには必ず前述したようにその微細構造に無数の孔があるという特徴を持つ。穴の底は極薄い金属酸化物層になっているが、陽極酸化の場合は、この孔と底部の極薄い金属酸化物層を通して電気が流れ、孔を深めながら陽極酸化反応が進むのである。そのような性質を有する金属としてアルミニウム以外に、チタンやマグネシウムやタンタルが既に知られている。即ち、陽極酸化で厚膜ができる金属種として既にこれらの金属が知られている。
次にアミン系化合物の浸漬以外の方法について検討した。即ち、微細凹凸の表面への吸着性がよいことが条件になる。本発明者は水溶性アルコールに注目した。即ち、金属形状物の表面にアルコールが多量に吸着してもポリエステルの加アルコール分解反応が生じ、ポリエステルが低分子化して流動性を増す可能性を見出していた。高温下でのポリエステルは加水分解しやすい。
従ってアルコールと高温で一緒になると加アルコール分解反応が起こりやすいことが想定されるのである。金属形状物の表面から脱離しにくい不揮発性のアルコールの適用はその可能性を有するものである。従って、前述と同様な条件のもとにアルコールを用いて射出接合は可能であり、ポリエステル系樹脂であれば、アルミニウム合金以外の金属であってもアミン系化合物同様の効果をもたらすことが可能であることになる。
本発明は、前述のような技術背景のもとに開発されたものであり、下記の目的を達成する。アルミニウム合金以外の金属形状物であっても熱可組成樹脂を強固に射出接着させ一体化できる金属と樹脂の複合体およびその製造技術の提供にある。本発明の他の目的は、微細凹凸層を形成した金属形状物をアルコール等に浸漬することで熱可塑性樹脂との射出接着性を向上させた金属と樹脂の複合体およびその製造技術の提供にある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の金属と樹脂の複合体の製造方法は、所定形状に加工された金属形状物に微細凹凸層を形成する微細凹凸層形成工程と、前記微細凹凸層を形成した金属形状物を水溶性アルコール溶液に浸漬する浸漬工程と、前記工程で浸漬された前記金属形状物を射出成形金型にインサートするインサート工程と、前記インサートされた金属形状物と一体化させるために前記射出成形金型にポリアルキレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂組成物を射出する射出工程とからなり、前記金属形状物と前記熱可塑性樹脂組成物を一体化させることを特徴とする。
本発明2の金属と樹脂の複合体の製造方法は、本発明1において、前記微細凹凸層形成工程は、前記金属形状物を酸性及び/又は塩基性水溶液で微細エッチングする工程であることを特徴とする。
本発明3の金属と樹脂の複合体の製造方法は、本発明1において、前記微細凹凸層形成工程は、前記金属形状物を陽極酸化し表面に所定厚さの多孔質層を形成する工程であることを特徴とする。
本発明4の金属と樹脂の複合体の製造方法は、本発明1から3において、前記金属形状物は、アルミニウム又はその合金の形状物であることを特徴とする。
本発明5の金属と樹脂の複合体の製造方法は、本発明3において、前記金属形状物は、マグネシュウム又はその合金の形状物であることを特徴とする。
本発明6の金属と樹脂の複合体の製造方法は、本発明1において、前記ポリアルキレンテレフタレートを主成分とする前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートを主成分とするものであることを特徴とする。
本発明7の金属と樹脂の複合体は、所定形状に加工され表面に微細凹凸層を形成した後、水溶性アルコール溶液に浸漬した金属形状物と、前記金属形状物がインサートされた射出成形金型に射出されるポリアルキレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂組成物とからなり、前記金属形状物と前記熱可塑性樹脂組成物が前記射出成形により一体化形成されたものであることを特徴とする。
本発明8の金属と樹脂の複合体は、本発明7において、前記微細凹凸層は、表面に酸性及び/又は塩基性水溶液で微細エッチングを施して形成されたものであることを特徴とする。
本発明9の金属と樹脂の複合体は、本発明7において、前記微細凹凸層は、表面を陽極酸化し所定厚さの多孔質層が形成されたものであることを特徴とする。
本発明10の金属と樹脂の複合体は、本発明7から10において、前記金属形状物は、アルミニウム又はその合金の形状物であることを特徴とする。
本発明11の金属と樹脂の複合体は、本発明10において、前記金属形状物は、マグネシュウム又はその合金の形状物であることを特徴とする。
本発明12の金属と樹脂の複合体は、本発明7において、前記ポリアルキレンテレフタレートを主成分とする前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートを主成分とするものであることを特徴とする。
本発明は、前述のように、金属形状物を、酸性及び/又は塩基性水溶液で微細エッチングし、水溶性アルコール溶液に浸漬する工程を経た後、これを成形金型にインサートし、ポリアルキレンテレフタレートを主成分として含む熱可塑性樹脂組成物を射出することにより、金属と樹脂成形物が一体化することと、又、金属形状物を、陽極酸化して表面に数μm以上の厚さの多孔質層を形成させた後、これを水溶性アルコール溶液に浸漬する工程を経て、これを成形金型にインサートし、ポリアルキレンテレフタレートを主成分として含む熱可塑性樹脂組成物を射出することにより、金属と樹脂成形物が一体化することを大きな特徴としている。
以下、製造工程に沿って詳細に説明する
〔金属形状物〕
金属形状物は、アルミニウム合金やその他の金属を切断、切削、放電加工、研磨等によって所定の形状に加工されたものである。又、板材等の展伸材として供給される金属は、プレス加工等により所定の形状にすることができる。本発明の主な対象の金属形状物は多岐にわたっていて、樹脂接着の対象の金属で、以下記載する処理を可能とする金属形状物である。
〔脱脂工程とエッチング工程〕
所定の形状に加工された金属形状物は、通常、加工油剤や手で取り扱ったときの指脂が表面に付着している。本発明の処理を施しその効果を発揮するためには、従って先ずこれらの油分を取り除くことが望ましい。各金属用の市販脱脂剤を水に溶解し、これに金属形状物を浸漬し水洗することで脱脂することができるが、実際は脱脂剤の効果に違いがある。これは脱脂工程後の金属表面に界面活性剤が吸着して後工程に影響を与えていると考えているからである。
脱脂工程を単独で行う場合、即ち、前述のように脱脂剤水溶液に金属形状物を浸漬けし水洗して後工程に移す場合、金属に対し腐食性のないものを使用するのが好ましい。又、市販の脱脂剤を使用する場合は、使用後に金属形状物を酸性あるいは塩基性の水溶液に浸漬し、金属を化学エッチングして表層に付着している脱脂剤を完全に除くのが好ましい。
エッチングする方法は、金属の種類により異なる。基本的にはその金属を溶解し腐食させるものが適しており、多くの金属に対するエッチング剤としては、酸性水溶液、例えば希塩酸や弗化水素誘導体などのハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸等の希薄水溶液が適している。又、アルミニウムは両性金属であり、酸でも塩基でもエッチング可能である。塩基性でのエッチングであれば、苛性ソーダ希薄水溶液が適している。
このエッチングにより、脱脂工程とその水洗を施しても金属形状物の表面に付着したままの状態の脱脂剤を完全に取り除くことができる。このエッチングに苛性ソーダ水溶液等の強塩基水溶液を使用した場合は、その後に希塩酸で中和しておくのが好ましい。これは、水洗によっても強塩基は洗い落とすことが難しく、後の工程に悪影響を残し易いからである。
〔微細エッチングとアルコール吸着吸蔵工程〕
前述のエッチング工程において、金属形状物の表面は錆びや汚れが除かれ、綺麗な地肌が露出することになる。続いて行うのは、酸塩基水溶液を使用したエッチングであるが、このエッチングの目的は金属表面に微細凹凸面を形成することにある。微細凹凸面の仕上がり状態は電子顕微鏡で観察し確認するが、最終目的としては射出接合において強い接合力を得ることにある。通常は常に電子顕微鏡で観察するわけにはいかないので、射出接合後の引っ張り破断試験の結果がよければ、微細エッチングの施しはよいということになる。
具体的には、対象の酸塩基水溶液は、酸としてその金属が腐食され難いと判断されるほどの弱酸性水溶液、塩基性水溶液も同様に極弱い塩基性水溶液が望ましい。例えば、マグネシウム合金は酸に溶解し易いので、炭酸水や0.01%程度の濃度の塩化アンモニウム水溶液等が使用できる。又、アルミニウム合金は、塩基水溶液に溶解し易いので、水酸化マグネシウムの懸濁水溶液程度の弱塩基性液が使用できる。
各種金属に対し使用する薬液として何が適しているかは実験を介して最適なものを選定する。このように金属形状物を腐食液に浸漬し腐食すると、必ず腐食され易い箇所と腐食が遅い箇所があり表面に凹凸が生じる。PHと浸漬時間を適切にすれば、少なくとも金属結晶の粒界単位で凹凸作成が可能となる。微細エッチングで生じた金属形状物の微細凹部に水溶性アルコールを吸着吸蔵させるのが、次の水溶性アルコール浸漬工程である。
水溶性アルコールとしては、揮発性が高いアルコールは適さない。射出接合では金型温度は低くとも120℃である。アルコールが金属に吸着や吸蔵されている程度であれば、揮発性の高いアルコールは射出に至る前に揮発脱離してしまうからである。難揮発性で且つ水溶性のアルコールがよいが、具体的には、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(ポリエチレンオキサイドの両端アルコール物)、ポリプロピレングリコール(ポリプロピレンオキサイドの両端アルコール物)、グリセリン等の多価アルコールやこれらと炭素数1〜20のアルコールの付加物(付加してエーテルとなる)が使用できる。
その中でも多価アルコールの水酸基がアルコール付加によってエーテル化され全体としてモノアルコールになったものが好ましく使用できる。これらを0.01〜数%濃度の水溶液とし、微細エッチングを行った金属形状物を1〜100分浸漬する。微細エッチング用の水溶液と水溶性アルコール水溶液への浸漬は順次水洗を行うことを加えて行うが、実験結果によると、逆の順番で双方の混合水溶液に浸漬して行っても同様な射出接合力を示す場合があった。いずれが高い効果を生むかは射出接合力の結果で決めるのがよく、浸漬順は実験結果で決めればよい。金属形状物は浸漬が終わると最後に水洗し、温風乾燥機で乾燥する。
〔陽極酸化と水溶性アルコール吸蔵工程〕
アルミニウム、マグネシウム、チタン、タンタルなどの金属やその合金は陽極酸化法により、微細凹凸層である微細孔を無数に有する酸化金属層を表面に形成できる。次にアルミニウムの陽極酸化法について説明すると、アルマイト化処理は、アルミニウム合金形状物を順次以下の7工程により通常行なわれており、その製品はアルマイトと称される。即ち、ブラスト、脱脂、アルカリエッチング、化学研磨、陽極酸化、染色、封孔の7工程である。
陽極酸化工程が本発明のポイントとなる工程であり、陽極酸化前の工程は表面を綺麗にする下化粧の工程である。陽極酸化によりアルミニウム合金の表層5〜30μmの厚さ分が酸化アルミニウムに変化し、しかもその層には無数の直径0.1〜1μmで深さ5〜30μmの孔が開いている。通常の染色アルマイトは、陽極酸化後のものを染色液に浸漬し染料をこれらの孔に吸蔵させ、その後に100℃前後の熱水で加熱して孔口を潰し封じたものである。
本発明ではこの工程を不要とするもので、染色と封孔は関係なく、いわば未封孔のアルマイトを使用する。マグネシウム、チタン、タンタル等も同様で既に工業的に実施されている陽極酸化法を使用するが、未封孔の金属形状物の陽極酸化物を使用するのが条件である。これらの陽極酸化法については広く知られており公知である。本発明の陽極酸化処理もこのような公知例に従う。
陽極酸化物には無数の孔が存在しており、本発明を適用する金属形状物の微細形状としては全く問題のない形状である。即ち、これらの形状は水溶性アルコールを吸蔵する形状として問題がないからである。陽極酸化工程が終わった金属形状物は十分に水洗する。例えば、イオン交換水に1時間程度浸漬する。その後に、数%濃度の水溶性アルコールの水溶液に1〜100分浸漬し、浸漬が終わったら水洗して温風乾燥機で乾燥する。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
次に射出成形に使用し、本発明の複合体の他方の構成体である熱可塑性樹脂組成物について述べる。
熱可塑性樹脂組成物としては、ポリアルキレンテレフタレートを主成分として含む樹脂組成物が使用でき、特にPBTを主成分として含む樹脂組成物が使用できる。樹脂分としてPBT以外にポリカーボネート(以下「PC」という。)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(以下「ABS」という。)、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)、ポリスチレン(以下「PS」という。)、及び/又は各種ポリオレフィン系ポリマー等を含んでいるものが好ましく使用できる。
また、フィラーを多く含有させることは、金属形状物と熱可塑性樹脂組成物の線膨張率を近づけることができ、一体化後の温度変化に耐えさせることができるので非常に重要である。フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、その他これらに類する繊維系フィラー、又、炭酸カルシューム、炭酸マグネシューム、シリカ、タルク、ガラス、粘土等の粉フィラー、又、炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物、その他類する樹脂充填用フィラーが使用できる。
フィラーを含まない場合でも強固に接合し、金属形状物に接合した樹脂成形物を取り去るには非常に強い力が必要であり、それなりに接合力はある。しかしながら成形された複合体を温度衝撃サイクル試験にかけると、フィラーを含まない樹脂の系での接合は両者の線膨張率の差が大きいので、温度変化のサイクル試験を重ねるに従って次第に接合強度が低下する。
線膨張率に関し具体例に述べると、アルミニウム、マグネシウム合金は2.5×10―5―1程度、チタン合金は0.8×10―5―1程度であり、純PBTのそれは9〜10×10―5―1とこれら合金の線膨張率に比較すると大きな差がある。それ故、樹脂成の線膨張率を下げるために混入させるフィラーの量はかなり多くする必要があり、少なくとも組成物中のフィラー含有率は30〜60%が好ましい。
〔成形/射出成形〕
射出成形金型を用意し、金型を開いてその一方の金型に前記微細多孔性層、即ち微細凹凸層を形成した金属形状物をインサートし、金型を閉め、前記の熱可塑性樹脂組成物を金属形状物の接合部分に射出する。射出した熱可塑性樹脂組成物が金属形状物に接合した後金型を開き離型する。このようにして金属形状物に熱可塑性樹脂組成物を射出して複合体を形成する。この複合体のための射出成形は、樹脂形状の自由度、生産性などを考慮すると最も優れた成形法であり、大量生産に適している。インサート用にロボットを使用すれば、より製造上の能率が向上する。
次に射出条件について述べる。樹脂組成物単独の射出成形であっても十分な接着効果が発揮できるが、次に接合力を上げるための条件について説明する。即ち、原理的には高温の溶融樹脂が高圧で金属形状物部分と接触することが必要である。それ故、金型にはまず十分なガス抜きを設けて溶融樹脂が円滑に金属形状物の面に達するようにすることである。そのために金型温度を高くし、射出圧力も高くする。
射出接合後の金属形状物と樹脂組成物の一体化した複合体は成形後アニール処理すると、成形収縮による内部歪を解消することができ、両者の接合をより安定的にすることができる。又、金型温度について具体的な最適温度は、110〜150℃がよく、好ましくは、130〜150℃がよい。金型温度が90℃以下で成形した金属形状物においては、微細凹凸表面に樹脂が接触した時点で凍結が進んでおり、微細凹凸の内部まで進むことができず強い接合は望めないのである。
〔作用〕
本発明によれば、特定の液処理をした金属形状物を射出成形金型にインサートし、PBT系樹脂組成物をその射出成形金型に射出することで両者を強固に接合することができる。実用的には、使用する樹脂組成物として高濃度のフィラー、及び、その他の熱可塑性樹脂を若干含むコンパウンドが好ましい。
化学エッチングで微細凹凸化され、更にその微細凹凸層に吸着吸蔵した水溶性アルコールを有する金属形状物を液浸漬処理で作成することができる。この処理が金属形状物をいわば親PBT面にする。ここで言う親PBT面とは、インサート射出成形でPBT系樹脂組成物を射出したときによく馴染み、金属形状物と樹脂成形物の間に強固な接合性を生じさせることをいう。
陽極酸化等によって得た多孔質層で覆われた金属やその合金の金属形状物を水溶性アルコールの水溶液に浸漬する液処理を行うと、多孔質層内にアルコール系化合物が吸蔵され親ポリアルキレンテレフタレート表面になる。インサート射出成形で、この親ポリアルキレンテレフタレート面を有する金属や合金にポリアルキレンテレフタレートを射出すると両者を強固に接合することができる。
本発明を使用することで、モバイル電子機器や家電機器の軽量化や、車載機器や部品の軽量化、ロボットの腕や足の軽量化ができる。その他多くの分野で、アルミニウム、マグネシウム、チタン合金、その他の使用ができ、軽量で堅固な種々の部品、筐体を製造するのに貢献する。
以上詳記したように、本発明の複合体は、熱可塑性樹脂組成物と金属形状物とが容易に剥がれることなく一体化されたものである。表面を微細エッチングし、水溶性アルコールを吸着吸蔵させた金属が使用でき、これを射出成形金型にインサートし、PBT系樹脂組成物を射出することで一体化品をえることができる。射出成形を利用するので、形状自由な樹脂部が接合でき接合強度も強い。各種電子機器筐体や部品、構造物等を作ることができる。本発明によって製造した筐体、部品、構造物は軽量で強固であるばかりでなく、機器製造工程の簡素化にも効果の有するものである。
以下、本発明の実施の形態を実施例に代えて説明する。尚、図1は、各実施例の共通の図として使用される。図1は所定形状に加工された金属形状物1を金型にインサートし、熱可塑性樹脂組成物2をピンポイントゲート3を介して射出し、接合面5により金属形状物1と一体化された複合体4を模式的に示した図である。以下の実施例は、本発明に関わり製造される種々の複合体の接合強度をせん断破断の試験結果の数値により本発明の有効性を確認したものである。
「実施例1」
市販の3mm厚のA5052アルミニウム合金板を購入し、25mm×100mmの長方形片に切断し、金属形状物1であるアルミニウム合金形状物とした。このアルミニウム合金形状物を市販のアルミニウム用脱脂剤「NE6(メルテックス社製)」15%を溶解した75℃の水溶液に5分浸漬し水洗した。次いで40℃にした1%濃度の塩酸水溶液に1分浸漬し水洗した。続いて40℃にした1%濃度の苛性ソーダ水溶液に1分浸漬し水洗した。
次いで40℃にした1%濃度の塩酸水溶液に1分浸漬し水洗した。この操作まででアルミニウム合金形状物表面はおおまかにエッチングされ、汚れや錆びが削られて綺麗にできたと判断した。次いで、微細エッチングすべく40℃の水酸化マグネシウム懸濁水溶液に10分浸漬し水洗した。次いで、40℃にしたアルコールとポリエチレンオキサイドの付加物(「50MB−5」日本油脂社製)の1%水溶液に30分浸漬し水洗し、温風乾燥機に入れて40℃で15分、次いで60℃で5分乾燥し、ポリ袋に入れて保管した。
翌日、アルミニウム合金形状物を取り出し油分が付着せぬように綺麗な軍手で摘んで140℃に保った射出成形金型にインサートした。金型を閉め、ガラス繊維20%、微粉ガラス20%含有のPBT/PET樹脂(PBT約85%とPET約15%、元樹脂は三菱レイヨン社製)を射出温度270℃で射出し、図1で示す複合体を得た。得られた複合体10個をアニ−ル処理し翌日に引っ張り試験機で破断したところ、1〜1.5kN(100〜150Kgf)の平均122Kgfで破断した。全ては、せん断破断であり、面積当たりの破断力は平均で6.6Mpa(67Kgf/cm)と高かった。
「実施例2」
市販の3mm厚のA5052アルミニウム合金板を購入し、25mm×100mmの長方形片に切断し、金属形状物1であるアルミニウム合金形状物とした。このアルミニウム合金形状物に通常の黒染色のアルマイト化を行った。このアルマイト化はライトウィン社に委託して行った。但し、このアルマイト化は陽極酸化までの工程にとどめ、水洗したものである。
この未封孔のアルマイトを40℃の1%塩酸水溶液に2分浸漬し、続いてイオン交換水中に1時間浸漬した後、実施例1で使用したと同じ40℃の水溶性アルコールの水溶液に30分浸漬し水洗し40℃の温風乾燥機に15分、60℃の温風乾燥機に5分入れて乾燥した。これを実施例1と同様に射出接合し引っ張り試験機で破断したところ、1.8〜2.5kN(180〜250Kgf)の平均2.2kN(220Kgf)でせん断破断した。面積当たりの破断力は平均で、12.0Mpa(122Kgf/cm)と非常に高かった。
「実施例3」
実施例2と同様にして未封孔のアルマイト化されたアルミニウム合金形状物を10個用意した。水溶性アルコールの水溶液として、アルコールとポリエチレンオキサイドの付加物の水溶液(実施例2で使用したもの)に代えて3%濃度の1,4ブタンジオール水溶液を使用した他は実施例2と全く同様に未封孔アルマイトを処理し、射出接合し破断試験を行った。複合体10個の引っ張り試験機での結果は、破断力1.3〜1.5kN(130〜155Kgf)の平均1.4kN(141Kgf)であり、接合面積当たりで言えば、7.6Mpa(78Kgf/cm)であった。全てせん断破断であり、数値は実施例2とほぼ同等であった。
「実施例4」
市販の1mm厚のAZ91Cマグネシウム合金板を入手し、25mm×100mmの長方形片に切断した。このマグネシウム合金片を市販の中性洗剤10%を溶解した50℃の水溶液に5分浸漬し水洗した。次いで、40℃にした酢酸0.1%を含む水溶液に1分浸漬し水洗した。次いで、40℃とした塩化アンモニウム0.05%、食塩1%含む水溶液に3分浸漬しイオン交換水で水洗した。
次いで、40℃にしたアルコールとポリエチレンオキサイドの付加物(「50MB−5」日本油脂社製)の1%水溶液に30分浸漬し水洗し、温風乾燥機に入れて40℃で15分、次いで、60℃で5分乾燥し、ポリ袋に入れて保管した。その後は実施例1と全く同様にして射出接合し、得られた複合体10個を引っ張り試験機で破断した。0.7〜0.8kN(70〜85Kgf)の平均0.8kN(77Kgf)で破断した。全てせん断破断であり、面積当たりの破断力は平均で12.0Mpa(122Kgf/cm)であった。
「実施例5」
市販の1mm厚のAZ91Cマグネシウム合金板を入手し、25mm×100mmの長方形片に切断した。このマグネシウム合金片をDOW9型法で陽極酸化処理をした。即ち、40℃にした中性洗剤水溶液に5分浸漬し水洗し、次いで、40℃にした0.1%酢酸水溶液に1分浸漬してエッチングした。製鉄容器に55℃にした硫酸アンモニウム3%、重クロム酸ナトリウム3%、濃アンモニア水0.3%含む水溶液を用意し、マグネシウムリボンの一端を前記マグネシウム合金片につないで浸漬した。
マグネシウムリボンの他の一端は抵抗器を介して鉄容器につないだ。電流が0.8A/dm2以下になるように抵抗を調節し30分陽極酸化し黒色物を得た。これをイオン交換水に3時間浸漬した。次いで、40℃にしたアルコールとポリエチレンオキサイドの付加物(「50MB−5」日本油脂社製)の3%水溶液に5分浸漬し水洗し、温風乾燥機に入れて40℃で15分、次いで、60℃で5分乾燥し、ポリ袋に入れて保管した。その後は実施例1と全く同様にして射出接合し、得られた複合体10個を引っ張り試験機で破断した。0.9〜1.1kN(90〜112Kgf)の平均1.0kN(98Kgf)で破断した。全て陽極酸化皮膜がマグネシウム合金から剥がれてのせん断破断であり、面積当たりの破断力は平均で5.3Mpa(54Kgf/cm)であった。
「実施例6」
市販の1mm厚純銅板を入手し、25mm×100mmの長方形片に切断した。この銅片を市販の中性洗剤10%を溶解した50℃の水溶液に5分浸漬し水洗した。次いで、40℃にした硫酸5%と過酸化水素5%を含む水溶液に3分浸漬しエッチングし、水洗した。次いで、40℃にした硫酸0.2%と過酸化水素1%を含む水溶液に1分浸漬し水洗した。
次いで、40℃にしたアルコールとポリエチレンオキサイドの付加物(「50MB−5」日本油脂社製)の1%水溶液に30分浸漬し水洗し、温風乾燥機に入れて40℃で15分、次いで、60℃で5分乾燥し、ポリ袋に入れて保管した。その後は実施例1と全く同様にして射出接合し、得られた複合体10個を引っ張り試験機で破断した。0.6〜0.8Mpa(60〜85Kgf)の平均0.7kN(68Kgf)で破断した。全て陽極酸化皮膜がマグネシウム合金から剥がれてのせん断破断であり、面積当たりの破断力は平均で3.7Mpa(38Kgf/cm)であった。
図1は、金属形状物と熱可塑性樹脂組成物との複合体を模式的に示す外観図である。
符号の説明
1:金属形状物
2:熱可塑性樹脂組成物
3:ピンポイントゲート
4:複合体
5:接合面

Claims (12)

  1. 所定形状に加工された金属形状物に微細凹凸層を形成する微細凹凸層形成工程と、
    前記微細凹凸層を形成した金属形状物を水溶性アルコール溶液に浸漬する浸漬工程と、
    前記工程で浸漬された前記金属形状物を射出成形金型にインサートするインサート工程と、
    前記インサートされた金属形状物と一体化させるために前記射出成形金型にポリアルキレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂組成物を射出する射出工程とからなり、
    前記金属形状物と前記熱可塑性樹脂組成物を一体化させることを特徴とする金属と樹脂の複合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の金属と樹脂の複合体の製造方法において、
    前記微細凹凸層形成工程は、前記金属形状物を酸性及び/又は塩基性水溶液で微細エッチングする工程であることを特徴とする金属と樹脂の複合体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の金属と樹脂の複合体の製造方法において、
    前記微細凹凸層形成工程は、前記金属形状物を陽極酸化し表面に所定厚さの多孔質層を形成する工程であることを特徴とする金属と樹脂の複合体の製造方法。
  4. 請求項1ないし3から選択される1項に記載の金属と樹脂の複合体の製造方法において、
    前記金属形状物は、アルミニウム又はその合金の形状物であることを特徴とする金属と樹脂の複合体の製造方法。
  5. 請求項3に記載の金属と樹脂の複合体の製造方法において、
    前記金属形状物は、マグネシュウム又はその合金の形状物であることを特徴とする金属と樹脂の複合体の製造方法。
  6. 請求項1に記載の金属と樹脂の複合体の製造方法において、
    前記ポリアルキレンテレフタレートを主成分とする前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートを主成分とするものであることを特徴とする金属と樹脂の複合体の製造方法。
  7. 所定形状に加工され表面に微細凹凸層を形成した後、水溶性アルコール溶液に浸漬した金属形状物と、
    前記金属形状物がインサートされた射出成形金型に射出されるポリアルキレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂組成物とからなり、
    前記金属形状物と前記熱可塑性樹脂組成物が前記射出成形により一体化形成されたものである
    ことを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  8. 請求項7に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記微細凹凸層は、表面に酸性及び/又は塩基性水溶液で微細エッチングを施して形成されたものであることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  9. 請求項7に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記微細凹凸層は、表面を陽極酸化し所定厚さの多孔質層が形成されたものであることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  10. 請求項7から9に記載の金属と樹脂の複合体で選択される1項において、
    前記金属形状物は、アルミニウム又はその合金の形状物であることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  11. 請求項10に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記金属形状物は、マグネシュウム又はその合金の形状物であることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  12. 請求項7に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記ポリアルキレンテレフタレートを主成分とする前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレートを主成分とするものであることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
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