JP2015020364A - 複合体およびその製造方法、ならびに塗装金属素形材およびその製造方法 - Google Patents

複合体およびその製造方法、ならびに塗装金属素形材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属素形材に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体が十分に高い強度で一体化している複合体を提供すること。【解決手段】本発明に係る複合体は、金属素形材、および前記金属素形材の上に配置され、酸変性ポリプロピレン層を含む有機樹脂層を有する塗装金属素形材と、前記塗装金属素形材の表面にホットプレス成形または加熱圧着によって接合された繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と、を有する。本発明によれば、金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体とが有機樹脂層を介して十分に高い強度で一体化している複合体を提供することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体とが接合された複合体およびその製造方法に関する。
金属板やそのプレス成形品、あるいは、鋳造、鍛造、切削、粉末冶金などにより成形されたいわゆる「金属素形材」は、自動車をはじめとするあらゆる工業製品を製造する上で欠かせない部材である。これら金属素形材と樹脂組成物の成形体とが接合された複合体は、金属のみからなる部品よりも軽量である一方、樹脂のみからなる部品よりも強度が高く、携帯電話機やパーソナルコンピューターなどの電子機器に使用されている。従来、このような複合体は、金属素形材と樹脂組成物の成形体を嵌合させることにより製造されていた。しかしながら、嵌合による複合体の製造方法は、作業工程数が多く、生産性が低かった。そこで、近年は、インサート成形により金属素形材と樹脂組成物の成形体とを接合して、複合体を製造するのが一般的である。
インサート成形により複合体を製造する場合、金属素形材と樹脂組成物の成形体との密着性を向上させることが重要である。金属素形材と樹脂組成物の成形体との密着性を高める方法としては、例えば、インサート成形を行う前に、金属素形材の表面を粗面化処理することが提案されている(特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3の方法では、アルミニウム合金の表面を粗面化処理することで、アルミニウム合金と樹脂組成物の成形体との密着性を向上させている。
一方、高強度の樹脂組成物の成形体を得る方法としては、シート状に加工された繊維強化熱可塑性樹脂組成物(いわゆる、スタンパブルシート)をホットプレス成形する方法が提案されている(特許文献4参照)。特許文献4には、金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体とを組み合わせるのではなく、複数の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体同士を組み合わせて、さらに高強度な複合体を得る方法も提案されている。
特開2006−027018号公報 特開2004−050488号公報 特開2005−342895号公報 特開2013−000933号公報
特許文献1〜3に記載の複合体では、アンカー効果を利用するために、金属素形材の表面を粗面化している。このように、アンカー効果を目的として微細な凹凸を金属素形材の表面に形成すると、金属素形材と樹脂組成物の成形体との間に微細な隙間が形成されやすい。このため、特許文献1〜3に記載の複合体では、金属素形材に対して樹脂組成物が十分な接合強度で接合しないことがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、金属素形材に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体が十分に高い強度で一体化している複合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、有機樹脂層を介して金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物とを接合し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の複合体に関する。
[1]金属素形材、および前記金属素形材の上に配置され、酸変性ポリプロピレンを含む有機樹脂層を有する塗装金属素形材と、前記塗装金属素形材の表面にホットプレス成形または加熱圧着によって接合された繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と、を有する、複合体。
[2]前記有機樹脂層は、前記有機樹脂層中の全樹脂の質量に対して40質量%以上の酸変性ポリプロピレンを含み、前記有機樹脂層の厚さは、0.2μm以上である、[1]に記載の複合体。
また、本発明は、以下の複合体の製造方法に関する。
[3]金属素形材、および前記金属素形材の上に配置され、酸変性ポリプロピレンを含む有機樹脂層を有する塗装金属素形材を準備する工程と、前記有機樹脂層の表面に、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体をホットプレス成形または加熱圧着によって接合する工程と、を含む、複合体の製造方法。
[4]前記有機樹脂層は、前記有機樹脂層中の全樹脂の質量に対して40質量%以上の酸変性ポリプロピレンを含み、前記有機樹脂層の厚さは、0.2μm以上である、[3]に記載の複合体の製造方法。
本発明によれば、金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体とが有機樹脂層を介して十分に高い強度で一体化している複合体を提供することができる。
ホットプレス成形に用いた金型の模式図である。 ホットプレス成形で作製した複合体と、その複合体の作製に用いた金型の模式図である。 加熱圧着で作製した複合体と、その複合体の作製に用いた金型の模式図である。
1.複合体
本発明に係る複合体は、塗装金属素形材と、その表面に接合された繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体とを有する。以下、本発明に係る複合体の各構成要素について説明する。
(1)塗装金属素形材
塗装金属素形材は、金属素形材と、金属素形材の表面に配置された有機樹脂層とを有する。以下、塗装金属素形材の各構成要素について説明する。
(金属素形材)
金属素形材を構成する金属の種類は、特に限定されない。たとえば、金属の種類は、鉄であってもよいし、鉄以外の金属であってもよいし、合金であってもよい。金属素形材の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板などの金属板や、そのプレス加工品、あるいは、アルミダイカスト、亜鉛ダイカストなどの鋳造・鍛造物や、切削加工、粉末冶金などにより成形された各種金属部材などが含まれる。金属素形材は、必要に応じて、脱脂、酸洗などの公知の塗装前処理が施されていてもよい。
(化成処理皮膜)
金属素形材と有機樹脂層との間には、化成処理皮膜が配置されていてもよい。化成処理皮膜は、金属素形材の表面に配置され、金属素形材と有機樹脂層の間の密着性および塗装金属素形材の耐食性を向上させる。化成処理皮膜は、金属素形材の表面のうち、少なくとも繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と接合する領域(接合面)に配置されていればよいが、通常は金属素形材の表面全体に配置されている。
化成処理皮膜を形成する化成処理の種類は、特に限定されない。化成処理の例には、クロメート処理、クロムフリー処理、リン酸塩処理などが含まれる。化成処理によって形成された化成処理皮膜の付着量は、塗膜密着性および耐食性の向上に有効な範囲内であれば特に限定されない。たとえば、クロメート皮膜の場合、全Cr換算付着量が5〜100mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリー皮膜の場合、Ti−Mo複合皮膜では10〜500mg/m、フルオロアシッド系皮膜ではフッ素換算付着量または総金属元素換算付着量が3〜100mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、リン酸塩皮膜の場合、0.1〜5g/mとなるように、各化成処理皮膜の付着量を調整すればよい。
(有機樹脂層)
有機樹脂層は、金属素形材(または化成処理皮膜)の表面に配置されている。有機樹脂層は、金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性を向上させる。
有機樹脂層は、酸変性ポリプロピレンを含む。酸変性ポリプロピレンは、ポリプロピレンの構成単位中にカルボキシル基またはその無水物基が導入されたポリプロピレンである。酸変性ポリプロピレンは、カルボキシル基などの、金属素形材と水素結合する官能基を有することから、金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との両方に十分な接着性を有する。酸変性ポリプロピレンは、カルボキシル基以外の、金属素形材と水素結合する他の官能基をさらに有していてもよい。
酸変性ポリプロピレンの含有量は、有機樹脂層中の全樹脂に対して40質量%以上であることが、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性を向上させる観点から好ましい。有機樹脂層の酸変性ポリプロピレン含有量が40質量%未満の場合、有機樹脂層と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との相溶性が低下してしまうことがある。これにより、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合力が得られないおそれがある。酸変性ポリプロピレンの含有量の上限値は、特に限定されない。
酸変性ポリプロピレンの酸価は、1〜500mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。酸変性ポリプロピレンの酸価が上記の範囲内であれば、後述のエマルジョンを作製する際に酸変性ポリプロピレンを中和することで、酸変性ポリプロピレン自体が界面活性剤として働く。
酸変性ポリプロピレンは、融点が60〜120℃の範囲内であり、かつ結晶化度が5〜20%の範囲内であることが好ましい。融点および結晶化度が上記範囲内の酸変性ポリプロピレンは、金属素形材の表面に対する濡れ性が高いため、金属素形材の表面の凹凸に隙間なく密着した有機樹脂層を形成する。酸変性ポリプロピレンの融点が60℃未満または結晶化度が5%未満の場合、比較的低温で有機樹脂層が軟化してしまうため、保管時などの塗装金属素形材の耐ブロッキング性が劣るおそれがある。一方、酸変性ポリプロピレンの融点が120℃超または結晶化度が20%超の場合、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合性が低下するおそれがある。なお、酸変性ポリプロピレンの融点および結晶化度は、塗料に含まれる状態(焼き付け前)と有機樹脂層の状態(焼き付けた後)とでほとんど変化しない。したがって、有機樹脂層中の酸変性ポリプロピレンの結晶化度は、酸変性ポリプロピレンを含む後述の塗料を、Ruland法によるX線回折により測定することで調べることができる。
酸変性ポリプロピレンは、例えば、酸変性ポリプロピレンを分散質とする酸変性ポリプロピレン系エマルジョンとして調製されうる。酸変性ポリプロピレン系エマルジョンは、酸変性ポリプロピレンを調製した後、酸変性ポリプロピレンを水に配合して分散することで調製されうる。また、酸変性ポリプロピレン系エマルジョンには、乳化剤として各種界面活性剤を添加してもよい。
ポリプロピレンには、アイソタクティク、アタクティク、シンジオタクティク、ヘミアイソタクティクおよびステレオタクティクの立体規則性が知られている。ポリプロピレンの立体規則性は、成形後に要求される剛性や衝撃強さなどの力学特性または耐久性の観点から、アイソタクティクであることが好ましい。
ポリプロピレンの重量平均分子量は、1000〜300000の範囲内であることが好ましく、5000〜100000の範囲内であることがさらに好ましい。ポリプロピレンの重量平均分子量が1000未満の場合、有機樹脂層の強度が低下するおそれがある。一方、ポリプロピレンの重量平均分子量が300000超の場合、後述の変性工程において、粘度が増大してしまうため、作業が困難になるおそれがある。
ポリプロピレンの酸変性は、ポリプロピレンをトルエンまたはキシレンに溶解させ、ラジカル発生剤の存在下で、α,β−不飽和カルボン酸および/またはα,β−不飽和カルボン酸の酸無水物および/または1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物を用いて行うことができる。または、ポリプロピレンの軟化温度あるいは融点以上まで昇温させることができる機器を使用し、ラジカル発生剤の存在下または非存在下で、α,β−不飽和カルボン酸および/またはα,β−不飽和カルボン酸の酸無水物および/または1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物を用いて行うことができる。ポリプロピレンの変性反応をトルエンおよび/またはキシレンなどの有機溶剤中で溶液状態として行う場合、または水系などでの非溶媒中で行う不均一分散系での反応の場合には、窒素置換を充分に行う必要がある。このようにして、酸変性ポリプロピレンが調製されうる。
ラジカル発生剤の種類には、ジ−tert−ブチルパーフタレート、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシエチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイドや、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリルなどのアゾニトリルが含まれる。ラジカル発生剤の配合量は、ポリプロピレン100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲内であることが好ましい。また、特に好ましくは、0.5〜30質量部の範囲内である。
α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物の種類には、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸が含まれる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。2種以上の化合物を組み合わせて使用すると有機樹脂層の物性が良好になる場合が多い。
1分子当り1個以上の二重結合を有する化合物には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、ジ(メタ)アクリル酸(ジ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸系モノマーや、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン系モノマーが含まれる。さらに、上記化合物に加えて、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、バーサチック酸のビニルエステルなどのビニル系モノマーを併用することができる。
これらの二重結合を有する化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの二重結合を有する化合物の配合量は、ポリプロピレン100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲内であることが好ましい。特に好ましくは、0.5〜30質量部の範囲内である。
また、酸変性ポリプロピレンは、市販品として入手することが可能である。有機樹脂層中の酸変性ポリプロピレンの存在は、NMR、IR、GC−MSなどの通常の分析機器によって確認することが可能である。
酸変性ポリプロピレンは、架橋されていてもよい。酸変性ポリプロピレンの架橋は、例えば、酸変性ポリプロピレン中の、金属素形材と水素結合する官能基(カルボキシル基など)と反応する二以上の基を有する架橋剤によって行うことができる。酸変性ポリプロピレンを架橋することは、有機樹脂層の強度を向上させる観点から好ましい。架橋剤には、酸変性ポリプロピレンの架橋に用いられる公知の架橋剤を用いることができる。架橋剤の例には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤、または金属塩を有する架橋剤が含まれる。架橋剤の使用量は、金属素形材に対する有機樹脂層の接着性と、酸変性ポリプロピレンにおける架橋による効果との両方が得られる範囲で適宜に決められる。
有機樹脂層は、本発明の効果が得られる範囲において、酸変性ポリプロピレン以外に他の樹脂をさらに含有していてもよい。有機樹脂層が他の樹脂をさらに含有すると、塗装金属素形材に対して繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体をホットプレス成形または加熱圧着するときに、有機樹脂層中の樹脂成分が繊維強化熱可塑性樹脂組成物とより相溶しやすく、有機樹脂層と繊維強化熱可塑性樹脂組成物とがより強固に結合する。したがって、有機樹脂層が他の樹脂をさらに含有することは、有機樹脂層に対する繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の密着性を向上させる観点から好ましい。他の樹脂は、公知の樹脂から適宜に選ばれる。他の樹脂の例には、ポリプロピレン、ポリウレタン、アクリル系樹脂、アクリル・スチレン系樹脂、酢酸ビニル、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、フッ素系樹脂、エステル系樹脂、ポリプロピレン以外のオレフィン系樹脂、およびこれらの組み合わせが含まれる。有機樹脂層における他の樹脂の含有量は、他の樹脂の配合による効果が得られる範囲であればよく、例えば酸変性ポリプロピレン100質量部に対して0〜150質量部である。
また、有機樹脂層は、防錆剤を含有していてもよい。防錆剤は、塗装金属素形材および本発明に係る複合体の耐食性を向上させる。防錆剤の種類は、特に限定されない。防錆剤の例には、Ti、Zr、V、MoおよびWからなる群から選択される金属(バルブメタル)の酸化物、水酸化物またはフッ化物、あるいはこれらの組み合わせを含むことが好ましい。これらの金属化合物を化成処理皮膜中に分散させることで、塗装金属素形材の耐食性をより向上させることができる。特に、これらの金属のフッ化物は、自己修復作用により、皮膜欠陥部における腐食を抑制することも期待できる。
有機樹脂層は、さらに、可溶性または難溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩を含んでいてもよい。可溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩は、金属のフッ化物の自己修復作用を補完することにより、金属素形材の耐食性をより向上させる。また、難溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩は、有機樹脂層中に分散してその強度を向上させる。たとえば、可溶性または難溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩は、Al、Ti、Zr、Hf、Znなどの塩である。
また、有機樹脂層は、潤滑剤を含有していてもよい。潤滑剤は、塗装金属素形材の表面におけるカジリの発生を抑制することができる。潤滑剤の種類は、特に限定されない。潤滑剤の例には、フッ素系やポリエチレン系、スチレン系、ポリプロピレン系などの有機ワックス、二硫化モリブデンやタルクなどの無機潤滑剤が含まれる。有機樹脂層中の潤滑剤の配合量は、有機樹脂層中の樹脂の合計質量100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。潤滑剤が1質量部未満の場合、カジリの発生を十分に抑制することができないおそれがある。一方、潤滑剤が20質量部超の場合、カジリの発生を抑制する効果に著しい向上は認められず、潤滑性が高すぎて取り扱い性が劣るおそれがある。
また、有機樹脂層は、消泡剤を含有していてもよい。消泡剤は、有機樹脂層用の塗料の調製時に気泡を発生させにくくする。消泡剤の種類は、特に限定されないが、既知のシリコーン系などの消泡剤を必要に応じて適量添加すればよい。
有機樹脂層を構成する樹脂組成物の融点は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の融点と同等以下が好ましく、例えば60〜160℃であることが好ましい。樹脂組成物の融点が60℃未満の場合、比較的低温で有機樹脂層が軟化してしまうため、塗装金属素形材の耐ブロッキング性が不十分となることがある。樹脂組成物の融点が160℃超の場合、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合性が不十分となることがある。
有機樹脂層の厚さは、0.2μm以上であることが好ましい。有機樹脂層の厚さが0.2μm未満の場合、金属素形材表面を均一に覆うことができないことがある。これにより、厚さが0.2μm未満の有機樹脂層を有する複合体は、金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との間に微細な隙間が生じるおそれがある。微細な空隙が生じると、複合体における封止性が低下するおそれがある。一方、有機樹脂層の厚さの上限値は特に制限されないが、10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。有機樹脂層の厚さを10μm超としても、著しい性能向上は認められず、また、生産性の観点およびコストの観点からも不利である。
(2)繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体
繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体は、塗装金属素形材の表面(金属素形材上の有機樹脂層の表面)に接合されている。繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、強化繊維(長繊維または連続繊維)に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料である。シート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、スタンパブルシートとして知られている。スタンパブルシートの製造方法は、例えば特開2003−080519号公報に開示されている。繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の形状は、塗装金属素形材の接合面に接する形状であれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択されうる。
熱可塑性樹脂の例には、PVC(ポリ塩化ビニル)系樹脂、PMMA(メタアクリル酸)系樹脂などの非結晶性樹脂、またはPE(ポリエチレン)系樹脂、PP(ポリプロピレン)系樹脂、POM(ポリアセタール)系樹脂などの結晶性樹脂、およびこれらの組み合わせが含まれる。
強化繊維の例には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、スチール繊維、アルミナ繊維、天然植物繊維(ケナフなど)などが含まれる。強化繊維の長さは特に限定されないが、強度および剛性の観点から、8mm以上の長繊維、または連続繊維であることが好ましい。強化繊維の含有量は、5〜90質量%の範囲内であることが好ましく、10〜80質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、熱可塑性樹脂および強化繊維以外の他の成分をさらに含有していてもよい。このような他の成分の例には、熱可塑性エラストマーやフィラーが含まれる。繊維強化熱可塑性樹脂組成物に熱可塑性エラストマーやフィラーを配合することによって、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率、熱膨張係数、剛性ならびに体衝撃性などの物性を調整することができる。
熱可塑性エラストマーを配合することにより、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の耐衝撃性を向上させることができる。熱可塑性エラストマーの種類は、特に限定されない。熱可塑性エラストマーの例には、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびこれらの組み合わせなどが含まれる。
フィラーを配合することによりは、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率と熱膨張係数を調整すること、および剛性を向上させることができる。フィラーの種類は、特に限定されず、既知の物質を使用することができる。フィラーの例には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維系フィラー;カーボンブラック、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、ガラス、粘土、リグニン、雲母、石英粉、ガラス球などの粉フィラー;炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物などが含まれる。フィラーの素材は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の強化繊維と同じであってもよい。フィラーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。強化繊維熱可塑性樹脂組成物における強化繊維およびフィラーの合計含有量は、5〜90質量%の範囲内が好ましく、10〜80質量%の範囲内がより好ましい。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率は、1.1%以下であることが好ましい。繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率は、公知の方法で調整することができる。たとえば、繊維強化熱可塑性樹脂組成物にフィラーなどを添加することで、成形収縮率を調整することができる。また、結晶性樹脂および非結晶性樹脂の混合割合を変化させることでも、成形収縮率を調整することができる。一般的に、結晶性樹脂の成形収縮率は、非結晶性樹脂の成形収縮率より大きい。よって、結晶性樹脂に対する非結晶性樹脂の混合比率を高くすれば、繊維強化熱可塑樹脂組成物の成形収縮率を低くすることができる。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率は、溶融状態の繊維強化熱可塑性樹脂組成物(例えばその中に含有する熱可塑性樹脂の融点以上の状態の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の寸法あるいはホットプレス金型のキャビティーの寸法)の体積をLa、当該溶融状態から冷却して固化した繊維強化熱可塑性樹脂組成物(例えば室温(20℃)の繊維強化熱可塑性樹脂組成物)の体積をLbとしたときに、下記式で求めることができる。
{(La−Lb)/La}×100
成形収縮率が1.1%よりも大きいと、塗装金属素形材に対して繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体が十分強固に接合しないことがある。成形収縮率は、塗装金属素形材に対する繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の接合力をより高める観点から、0.9%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることがより好ましい。たとえば、繊維強化熱可塑性樹脂組成物中のフィラーの含有量または非結晶性樹脂の含有量を多くすれば、成形収縮率は小さくなる。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物の線膨張係数をαpとしたときに、金属素形材の線膨張係数αmに対する繊維強化熱可塑性樹脂組成物の線膨張係数αpの比αp/αmは、2以上であって6以下であることが好ましい。比αp/αmが2未満または6超の場合、塗装金属素形材に対して繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体が十分強固に接合しないことがある。比αp/αmは、塗装金属素形材に対する繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の接合力をより高める観点からは、0.4以上であって4.5以下であることがさらに好ましい。αmおよびαpは、それぞれ、例えばTMA(Thermal Mechanical Analysis:熱機械分析法)により、材料の温度変化に伴う寸法変化量を測定することによって求められる。たとえば、繊維強化熱可塑性樹脂組成物中のフィラーの含有量を多くすれば、αpは小さくなる。
本発明に係る複合体の製造方法は、特に限定されない。たとえば、本発明に係る複合体は、次に説明する方法により製造されうる。
2.複合体の製造方法
本発明に係る複合体は、例えば、有機樹脂層の表面に、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体をホットプレス成形または加熱圧着によって接合する工程を含む方法によって製造されうる。以下、ホットプレス成形により複合体を製造する方法と、加熱圧着により複合体を製造する方法について、それぞれ説明する。
(1)ホットプレス成形により複合体を製造する方法
ホットプレス成形により複合体を製造する方法は、例えば、(1)塗装金属素形材を準備する第1工程と、(2)塗装金属素形材の表面に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体をホットプレス成形により接合する第2工程と、を有する。以下、各工程について説明する。
第1工程では、塗装金属素形材を準備する。塗装金属素形材の有機樹脂層を形成する前に、金属素形材には、化成処理皮膜を形成してもよい。化成処理皮膜は、金属素形材の表面に化成処理液を塗布し、乾燥させることで形成されうる。化成処理液の塗布方法は、特に限定されず、既知の方法から適宜選択すればよい。そのような塗布方法の例には、ロールコート法やカーテンフロー法、スピンコート法、スプレー法、浸漬引き上げ法などが含まれる。化成処理液の乾燥条件は、化成処理液の組成などに応じて適宜設定すればよい。たとえば、化成処理液を塗布した金属素形材を水洗することなく乾燥オーブン内に投入し、金属素形材の到達温度が80〜250℃となるように加熱することで、金属素形材の表面に均一な化成処理皮膜を形成することができる。
塗装金属素形材は、金属素形材の表面に有機樹脂層を形成することによって作製される。有機樹脂層は、有機樹脂層の材料を含有する、有機樹脂層用の塗料を金属素形材の表面に塗布し、塗布された当該塗料を加熱することによって作製される。
有機樹脂層用の塗料は、例えば、前述の酸変性ポリプロピレンを含有する。有機樹脂用の塗料は、必要に応じて、前述した架橋剤および他の樹脂をさらに含有してもよい。さらに、有機樹脂用の塗料は、必要に応じて溶媒を含有してもよい。溶媒の種類は、有機樹脂用の塗料中の各種成分を均一に溶解または分散しうる液体であり、有機樹脂層の形成過程で蒸発する液体であれば特に限定されず、好ましくは水である。たとえば、有機樹脂層用の塗料は、酸変性ポリプロピレン系水性エマルジョン、酸変性されていない水系樹脂エマルジョン、架橋剤、防錆剤、潤滑剤、安定化剤および消泡剤を含有する。有機樹脂層用の塗料中の固形分の含有量は、塗料の塗布性や形成される塗膜の厚さに応じて適宜に決めることができ、例えば5〜30質量%である。また、有機樹脂層用の塗料中の酸変性ポリプロピレンの含有量は、例えば、酸変性ポリプロピレン系エマルジョンと酸変性されていない水系樹脂エマルジョンとを配合することで、調製することができる。
有機樹脂層は、有機樹脂層用の塗料を金属素形材(または化成処理皮膜)の表面に塗布し、例えば加熱乾燥により、溶媒(水)を蒸発させることで形成される。有機樹脂層用の塗料の塗布方法は、特に限定されず、既知の方法から適宜選択すればよい。そのような塗布方法の例には、ロールコート法やカーテンフロー法、スピンコート法、スプレー法、浸漬引き上げ法などが含まれる。金属素形材に塗布された有機樹脂層用の塗料の加熱方法は、特に限定されない。加熱時の金属素形材の到達温度は、特に限定されないが、金属素形材(または化成処理皮膜)の表面に隙間なく密着した有機樹脂層を形成する観点から、例えば、有機樹脂層における樹脂組成物の融点以上250℃以下であることが好ましい。
また、塗装金属素形材は、有機樹脂層を形成した後に、さらに所望の形状に加工してもよい。加工する形状および加工方法は特に限定されない。加工方法の例には、穴あけ、切断、折り曲げ、重ね合わせ、造管、プレス成形、ロール成形、溶接、圧接などが含まれる。
第2工程では、予熱されたシート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物をホットプレス金型内でプレス成形すると同時に、塗装金属素形材の有機樹脂層の表面に繊維強化熱可塑性樹脂組成物を接触させたまま加圧して、塗装金属素形材の表面に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合する。
予め所定の形状に切断したシート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性樹脂が溶融する温度まで予熱する。繊維強化熱可塑性樹脂組成物を予熱する方法は、とくに限定されない。繊維強化熱可塑性樹脂組成物の余熱には、例えば、赤外線加熱炉を用いることができる。第1工程で準備した塗装金属素形材と、予熱されたシート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物をホットプレス金型内部に挿入し、型締めする。ホットプレス金型内部では熱可塑性樹脂の流動を伴いながら繊維強化熱可塑性樹脂組成物が変形し、同じく金型内部に投入された塗装金属素形材と接触する。このとき、金属素形材の表面に形成された有機樹脂層と繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂とは、加熱および加圧された状態で接触するため相溶する。このため、有機樹脂層と繊維強化熱可塑性樹脂組成物との間には、ナノオーダーの厚さを有する相溶層が形成される。その後、溶融した繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、金型内部の温度低下に伴い、金型内部で固化して成形体となる。
なお、塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物が接触する部分の温度は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の融点近傍であることが好ましい。また、塗装金属素形材の板厚が厚く、熱容量が大きい場合には、塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物が接触する部分の温度が、熱可塑性樹脂の融点近傍温度まで上がりにくいことがある。その場合には、別の加熱装置を用いて塗装金属素形材を加熱してもよい。
また、第2工程では、シート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物に対して金型挿入前に予熱を行う代わりに、ホットプレス金型の温度を熱可塑性樹脂の融点近傍あるいは融点以上とした状態で、第1工程で準備した塗装金属素形材とシート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物をホットプレス金型の内部に挿入してもよい。
(2)加熱圧着により複合体を製造する方法
加熱圧着により複合体を製造する方法は、例えば、(1)塗装金属素形材を準備する第1工程と、(2)繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を作製する第3工程と(3)塗装金属素形材の表面に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を加熱圧着により接合する第4工程と、を有する。以下、各工程について説明する。第1工程は、ホットプレス成形による複合体の製造方法と同じである。
第3工程では、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を作製する。予め所定の形状に切断したシート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性樹脂が溶融する温度まで予熱する。この場合も予熱には、例えば赤外線加熱炉を用いることができる。予熱されたシート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物をホットプレス金型の内部に挿入し、型締めを行い、ホットプレス金型内部に圧力をかける。その後、金型内部の温度低下に伴い、繊維強化熱可塑性樹脂組成物は金型内部で固化して成形体となる。
第4工程では、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を接触させた状態で加熱および加圧して、塗装金属素形材の表面に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合する。第1工程で準備した塗装金属素形材と、第3工程で準備した繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体とをホットプレス金型に挿入する。次いで、塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物に熱および圧力を加える(加熱圧着)。このとき、加熱および加圧を、塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の全部に対して行ってもよいし、一部分に対して行ってもよい。少なくとも、塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の一方または両方の接合面に対して、加熱および加圧を行うことが必要である。このとき、金属素形材の表面に形成された有機樹脂層と繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂とは、加熱および加圧された状態で接触することで相溶する。このため、熱可塑性樹脂成形体と有機樹脂層との間には、ナノオーダーの厚さを有する相溶層が形成される。塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物が接触する部分の温度は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の融点近傍であることが好ましい。塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を加熱する方法および加圧する方法は、ホットプレス金型を用いる方法に限定されるものではない。加熱方法の例には、赤外線などの各種熱源によるヒーター加熱、電磁誘導加熱、超音波加熱が含まれる。加圧方法の例には、人力による加圧、バイスなどを用いた加圧が含まれる。
なお、前述した各製造方法は、本発明の効果が得られる範囲内において、第1工程〜第4工程以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。また、第1工程〜第4工程も本発明の効果が得られる範囲内において、他の工程をさらに含んでいてもよい。たとえば、第2工程において、シート状の繊維強化熱可塑性樹脂組成物をホットプレス成形する際のホットプレス金型の上下動を利用して、塗装金属素形材に対しても同時にプレス成形による加工を行ってもよい。このホットプレス金型の上下動を利用してプレス成形と同時に行うことができる加工には、塗装金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体に対するバリ取りや穴あけなどが含まれ、既知の方法を用いることができる。また、たとえば、前述した製造方法により製造された複合体は、さらにアニール処理をして、成形収縮による内部歪みを解消してもよい。
以上の手順により、塗装金属素形材の表面に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合させて、本発明に係る複合体を製造することができる。
前述したように、本発明では、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率は、1.1%以下と十分に小さいことが好ましい。また、金属素形材の線膨張係数αmと繊維強化熱可塑性樹脂組成物の線膨張係数αpの比αp/αmは、0.2以上であって6以下と十分に1に近い範囲内であることが好ましい。よって、繊維強化熱可塑性樹脂組成物を塗装金属素形材に熱によって接合するときに、冷却時における繊維強化熱可塑性樹脂組成物の収縮量と金属素形材の収縮量との差を小さくすることができる。このため、冷却時に接合面において繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と金属素形材とがずれたとしても、このずれは、両者の接合状態に影響を及ぼさない、と考えられる。
また、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と金属素形材との間に配置される有機樹脂層は、一方では金属素形材には水素結合などによって強く結合し、他方では繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との間に相溶層を形成し、この相溶層を介して繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と強く結合する。さらに、有機樹脂層は、金属素形材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体のいずれと比べても、分子の密度がより低いと考えられ、したがって、よりフレキシブルな構造を有していると考えられる。このため、有機樹脂層は、接合時の温度から室温まで複合体が冷却される間、金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との両者に密着し、両者のそれぞれに対する前述の強い結合が成形時から成形後まで維持されるものと考えられる。
以上のように、本発明に係る複合体は、有機樹脂層と金属素形材、および、有機樹脂層と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体、が強固に接合されているため、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性に優れている。
以下、本発明について、金属素形材として金属板を用いた場合の実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.複合体の作製
(1)塗装基材(金属素形材)
A.塗装基材1
板厚が0.8mmのSUS430の表面をNo.4仕上げして塗装基材1を準備した。TMAを用いて20〜100℃までの平均線膨張係数として塗装基材1の熱膨張係数(αm)を求めたところ、塗装基材1の線膨張係数(αm)は10×10−6/Kであった。
B.塗装基材2
板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)に、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板を塗装基材2として準備した。塗装基材2の線膨張係数(αm)は12×10−6/Kであった。
(2)塗料の調製
樹脂合計質量に対する酸変性ポリプロピレンの質量の割合が95質量%になるように、酸変性ポリプロピレン(PP)樹脂(A)、ポリエチレン(PE)ワックス(C)、エポキシ系架橋剤(D)を水に添加して、不揮発成分が20質量%のプレ塗料1を調製した。このプレ塗料1に、防錆剤としてモリブデン酸アンモニウム(キシダ化学株式会社):0.5質量%、炭酸ジルコニウムアンモニウム(ジルコゾールAC−7;第一稀元素化学工業株式会社):0.5質量%、シリコーン系消泡剤(KM−73;信越化学工業株式会社):0.05質量%をそれぞれ配合し、塗料1を調製した。なお、「ジルコゾール」は、第一稀元素化学工業株式会社の登録商標である。
同様に、酸変性PP樹脂(A)の上記含有量が40質量部であり、ポリウレタン(PU)系樹脂(B)の含有量が55質量%である塗料2、酸変性PP樹脂(A)の上記含有量が35質量%であり、ポリウレタン(PU)系樹脂(B)の含有量が60質量%である塗料3、および、ポリウレタン(PU)系樹脂(B)の含有量が95質量%である塗料4、をそれぞれ調製した。
A.酸変性ポリプロピレン樹脂
酸変性PP樹脂(A)には、酸価が2.0mgKOH/gである市販の酸変性ポリプロピレン(ハードレンEW−5303;東洋紡株式会社)を用いた。なお、「ハードレン」は、東洋紡株式会社の登録商標である。
B.ポリウレタン系樹脂
樹脂合計質量に対する酸変性PPの割合を調整するためのPU系樹脂(B)として、ポリウレタン樹脂エマルジョン(スーパーフレックス830;第一工業製薬株式会社)を使用した。なお、「スーパーフレックス」は、第一工業製薬株式会社の登録商標である。
C.ポリエチレンワックス
ポリエチレンワックス(HYTEC E−9015;東邦化学工業株式会社)を樹脂合計質量に対して、5.0質量%添加した。なお、「HYTEC」は、東邦化学工業株式会社の登録商標である。
D.エポキシ系架橋剤
市販のエポキシ系架橋剤(HUX−XW3;株式会社ADEKA)を樹脂合計質量に対して、3.0質量%添加した。
(3)有機樹脂層の形成
塗装基材1を液温40℃のアルカリ脱脂水溶液(サーフクリーナーSD−270;日本ペイント株式会社、pH=12)に1分間浸漬して、表面を脱脂した。次いで、脱脂した塗装基材1の表面に、乾燥膜厚が2.0μmとなるように、ロールコータ−で塗料2を塗布し、塗装基板1の到達板温が150℃となる温度で、塗布された塗料2を熱風乾燥機によって乾燥させて、有機樹脂層を形成した。この有機樹脂層を有する塗装金属素形材を基材Iとする。また、塗装基材および塗料を表1に示すように変えた以外は基材Iと同様にして塗装基材の表面に有機樹脂層を形成し、基材II〜VIIを作製した。さらに、塗料を塗布しない塗装基材2を基材VIIIとして用意した。基材I〜基材VIIIの材料およびその物性を表1に示す。なお、「サーフクリーナー」は、日本ペイント株式会社の登録商標である。
Figure 2015020364
(4)繊維強化熱可塑性樹脂組成物
繊維強化熱可塑性樹脂組成物として、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(PP)を含有し、強化繊維としてガラス繊維を20質量%含有する市販のスタンパブルシートであるGMTユニシート(クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン株式会社)を準備し、FRP1とした。また、同じく繊維強化熱可塑性樹脂組成物として、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(PP)を含有し、強化繊維としてガラス繊維を74質量%含有する市販のスタンパブルシートであるクイックフォームランダムシート(東洋紡績株式会社)を準備し、FRP2とした。なお、「クイックフォーム」は、東洋紡績株式会社の登録商標である。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率は、幅100mm×長さ100mm×深さ(厚さ)10mmのキャビティー形状を持つ凹型金型と、クリアランス0.05mmで作製した凸型金型からなるホットプレス金型を用い、ホットプレス成形後の厚さが3mmとなるように投入量を調整したシート状のFRP1およびFRP2を220℃に予熱した後に金型内に投入し、金型温度:120℃、保圧:10MPaでホットプレス成形を行い、取り出した後に20℃に冷却したときの長さ寸法を測定して求めた。また、FRP1およびFRP2の線膨張係数(αp)として、TMAを用いてFRP1およびFRP2の20℃〜100℃までの平均線膨張係数を求めた。繊維強化熱可塑性樹脂組成物FRP1およびFRP2の組成および物性を表2に示す。
Figure 2015020364
(5)塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合
A.ホットプレス成形による複合体の作製
ホットプレス成形により複合体1を以下の手順で作製した。基材Iについて、幅20mm×長さ30mm×厚さ0.8mmの形状のものを2枚準備し、それぞれ第1基材11、第2基材12とした。図1に示される下金型13に、下金型のキャビティー17とのオーバーラップ長さが5mmとなるように第1基板11および第2基材12を1枚ずつ挿入し、押さえ金型14,14で第1基材11および第2基材12を下金型13に固定した状態で、第1基材11、第2基材12および押さえ金型14,14を含む下金型全体を120℃に予熱した。下金型13のキャビティー17の形状は、幅20mm×長さ30mm×深さ3mmである。シート状のFRP2は、成形後の形状が20mm×30mm×6mmの直方体となるように、予めチャージ体積(寸法)を調整し、赤外線加熱炉で220℃に予熱した後に、下金型13のキャビティー17投入し、120℃に予熱した上金型15を下降させ、図2に示される形状のFRP2の成形体16をホットプレス成形で作製すると同時に、第1基材11または第2基材12と、FRP2の成形体とをそれぞれの接触部分で接合させた。成形圧力は8MPaとした。その後、ホットプレス金型が70℃となった時点で複合体1を金型から取り出した。基材および繊維強化熱可塑性樹脂組成物を表3に示すように変更し、複合体1と同様にして、複合体2〜8、10および11をそれぞれ作製した。
B.加熱圧着による複合体の作製
加熱圧着により複合体9を以下の手順で作製した。予め、FRP2を用いて、通常実施されるホットプレス成形の手順で、図3に示される20mm×30mm×3mmの直方体形状を有するFRP2の成形体26を2枚作製した。一方、基材IIIについて、幅20mm×長さ45mm×厚さ0.8mmの形状のものを2枚準備し、それぞれ第1基材21および第2基材22とした。図3に示される下金型23のキャビティー(キャビティーの形状:幅20mm×長さ30mm×深さ3mm)に、FRP2の成形体26を1枚挿入した後、FRP2の成形体とのオーバーラップ長さが5mmとなるように第1基材21および第2基材22を1枚ずつ挿入し、押さえ金型24,24で第1基材21および第2基材22を下金型23に固定した。さらに、図3に示すようにFRP2の成形体をさらに一枚挿入し、上金型25をセットした。基材21,22、押さえ金型24,24、FRP2の成形体を含む、金型全体を150℃に昇温し、圧力1MPaでホットプレスを行い、基材21,22とFRPの成形体の加熱圧着を行った。その後、ホットプレス金型が70℃となった時点で複合体9を金型から取り出した。
(6)複合体の接合力の評価
(5)で得られた複合体1〜11の両端をそれぞれチャックで掴み、基材の表面に平行かつ互いに逆向きの方向に100mm/分の速度で引っ張り、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と、第1基材または第2基材が破断したときの強さ(破断強度)を測定した。破断強度が2.0kN未満の場合を「×」と評価し、破断強度が2.0kN以上であって3.0kN未満の場合を「△」と評価し、剥離強度が3.0kN以上であって4.0kN未満の場合を「○」と評価し、破断強度が4.0kN以上の場合を「◎」と評価した。結果を表3に示す。複合体の接合力は、「△」、「○」または「◎」が合格である。
Figure 2015020364
表3から明らかなように、複合体1〜9では、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体が塗装金属素形材に十分強固に接合した。
一方、有機樹脂層に酸変性ポリプロピレンを含まない複合体10では、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と塗装金属素形材の接合力が劣っており、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体が塗装金属素形材に実質的に接合しなかった。また、有機樹脂層そのものが形成されていない複合体11では、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体が塗装金属素形材に接合しなかった。
本発明の塗装金属素形材を含む複合体は、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性が優れているため、例えば各種電子機器、家庭用電化製品、医療機器、自動車車体、車両搭載用品、建築資材などに好適に用いられる。
11,21 第1基材
12,22 第2基材
13,23 下金型
14,24 押さえ金型
15,25 上金型
16,26 繊維強化型熱可塑性樹脂組成物の成形体
17 キャビティー
本発明は、塗装金属素形材と繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体とが接合された複合体およびその製造方法、ならびに塗装金属素形材およびその製造方法に関する。

Claims (4)

  1. 金属素形材、および前記金属素形材の上に配置され、酸変性ポリプロピレンを含む有機樹脂層を有する塗装金属素形材と、
    前記塗装金属素形材の表面にホットプレス成形または加熱圧着によって接合された繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体と、を有する、
    複合体。
  2. 前記有機樹脂層は、前記有機樹脂層中の全樹脂の質量に対して40質量%以上の酸変性ポリプロピレンを含み、
    前記有機樹脂層の厚さは、0.2μm以上である、
    請求項1に記載の複合体。
  3. 金属素形材、および前記金属素形材の上に配置され、酸変性ポリプロピレンを含む有機樹脂層を有する塗装金属素形材を準備する工程と、
    前記有機樹脂層の表面に、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体をホットプレス成形または加熱圧着によって接合する工程と、
    を含む、複合体の製造方法。
  4. 前記有機樹脂層は、前記有機樹脂層中の全樹脂の質量に対して40質量%以上の酸変性ポリプロピレンを含み、
    前記有機樹脂層の厚さは、0.2μm以上である、
    請求項3に記載の複合体の製造方法。
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