JP2004216425A - アルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒドラジン水溶液等で浸漬処理したアルミニウム合金パイプ8を射出成形金型にインサートする。PBT又はPPS系樹脂10をキャビティに射出し、アルミニウム合金の表面に射出、押出し、又は加圧し、連結継手7を成形する。PBT又はPPS系樹脂10はアルミニウム合金パイプ8と接着して一体化される。PBT又はPPS系樹脂10で構成される連結継手7は、リブ形状にもボス形状にもできるので、複数のパイプを結合したフレーム等の構造物が一挙に完成する
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品等に用いられるアルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法に関する。更に詳しくは、各種機械加工で作られたアルミニウム合金パイプと熱可塑性樹脂を一体化した構造物に関し、特に自転車で代表される二輪車のフレームを中心とするパイプ構造部品、モバイル用の各種電子機器、家電製品、医療機器、車両用構造部品、車両搭載用品、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等に用いられるアルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属と樹脂を一体化する技術は、自動車、家庭電化製品、産業機器等の部品製造等の広い分野から求められており、このために多くの接着剤が開発されている。この中には非常に優れた接着剤がある。常温、又は加熱により機能を発揮する接着剤は、金属と合成樹脂を一体化する接合に使われ、この接合方法は現在では一般的な技術である。
【0003】
しかしながら、接着剤を使用しない、より合理的な接合方法がないか従来から研究されてきた。マグネシューム、アルミニウムやその合金である軽金属類、ステンレスなど鉄合金類に対して、接着剤の介在なしで高強度のエンジニアリング樹脂を一体化する方法、例えば、金属側に樹脂成分を射出等の方法で接着する方法、略して「射出接着法」は、本発明の発明者の知る限りにおいて現在のところ実用化されていない。
【0004】
本発明者らは鋭意研究開発を進め、アンモニアやヒドラジンや水溶性アミン系化合物の水溶液に金属形状物を浸漬してからポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、「PBT」という。)を主成分とする熱可塑性樹脂組成物と通常の射出成形温度と射出成形圧力下で接触させると特異的に接着力が上がることを発見した。これを特許文献1等として提案した。
【0005】
また、従来から金属製品をインサート成形して金属と樹脂の複合製品を作ることは知られている(例えば、特許文献1ないし6参照)。しかしながら、これらの従来の複合体の製造方法は、電気的な接点、アルミニウム箔等を製造する方法であり、強力な接着力(固着量)、剛性が要求される機械的な構造物に適用できるものではない。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−400986号
【特許文献2】
特開2001−225352号公報
【特許文献3】
特開昭54−13588号公報
【特許文献4】
特開昭54−13587号公報
【特許文献5】
特開昭58−217679号公報
【特許文献6】
特開昭50−158539号公報
【特許文献7】
特開平5−70969号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、その他の樹脂でも同様なことが起こりうるかに着目し更に研究を進めた。提案した前記発明でアンモニア、ヒドラジン、又は水溶性アミン系化合物の水溶液に浸漬処理したアルミニウム合金を電子顕微鏡で観察すると30〜300nm径の微細な凹部が生じており、又、X線電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy)で観察すると多量の窒素原子が観察される。
【0008】
これらはアルミニウム合金表面が極微細にエッチングされ、更にその表面にアンモニア、ヒドラジン、又は水溶性アミン系化合物に起因する窒素化合物が存在していることを示す。本発明者らの推測では、アンモニア、ヒドラジン、又は水溶性アミン化合物がアルミニウム原子に化学吸着しているというものである。もし、熱可塑性樹脂組成物がこれらの化学吸着物質に接触したときに発熱反応が生じれば急速に冷却固化することなくアルミ表面に出来た微細凹部にまで浸入することがあり得ることであろう。
【0009】
PBTはカルボン酸エステルの集合体であり、カルボン酸エステルはアミン系化合物と発熱反応を起こしてカルボン酸アミドとアルコールになることが分かっており、この推定が妥当であることを示している。そこで、同様にアンモニア、ヒドラジン、アミン系化合物と発熱反応を起こしうる他の高分子を考えた。一つはポリフェニレンスルフィド樹脂(以下「PPS」という。)である。
【0010】
この樹脂は米国のフィリップスペトロリウム社で開発されたエンジニアリングプラスチックであり、p−ジクロルベンゼンと硫化水素ナトリュームと苛性ソーダの脱食塩の重縮合反応から作られる。このPPSの組成は、製法上、分子量の高いポリフェニレンスルフィドだけではなくフェニレン基が数個、十数個、数十個の低分子量のオリゴマーを3〜10%含むものである。
【0011】
しかもこれらオリゴマーやポリマーには分子末端が塩素であるものが多く含まれる。本発明者らは、この塩素末端は塩基性であるアミン類と高温下で発熱しつつ反応して塩を作るのではないかと推定した。実験の結果、PPSも同様な処理をしたアルミニウム合金について射出接着をすることが分かった。前記推論の正しさについては追試験が必要であるが、本発明の水平展開での考え方には良い指針になるであろう。
【0012】
一方、金属製品として、例えば自転車等のフレーム結合は、機械的にパイプをホーク肩等を介してボルト等のネジで止め、分解出来るように構成する方法、あるいはダイカスト法によりパイプを接合固定しフレームを構成する方法が行われている。このフレーム等は、安全に関わるものであり、強固に固定されたものでなけばならない。特にアルミニウムのフレームは鉄パイプ等に比し強度がないので、一層強固に固定する必要がある。
【0013】
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、特に本発明の技術をパイプ構造体の継手に適用したものであり、下記目的を達成する。
本発明の目的は、アルミニウム合金の表面を処理して、熱可塑性樹脂組成物とアルミニウム合金パイプとは容易に剥がれることのないアルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法を得ることにある。
本発明の他の目的は、形状、構造上も機械的強度の上でも問題がない各種機器の筐体や部品、構造物等を作ることができる、アルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法を得ることにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、二輪車の構造体、電子機器等の筐体、部品、構造物等の軽量化や機器製造工程の簡素化に役立つ、アルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法を得ることにある。
本発明の更に他の目的は、二輪車の構造体、電子機器等の筐体、部品、構造物等の意匠の自由度を高めることができる、アルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法を得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため次の手段を採る。
本発明1のアルミニウム合金パイプの連結継手は、アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程を経たアルミニウム合金パイプと、前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分の表面に一体に付着されたポリブチレンテレフタート樹脂(以下、「PBT」という。)及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、「PPS」という。)を成分として含む熱可塑性樹脂組成物とからなることを特徴とする。
【0016】
本発明2のアルミニウム合金パイプの連結継手は、前処理のために塩基水溶液、及び/又は酸水溶液に浸漬した後、アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程を経たアルミニウム合金パイプと、前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分の表面に一体に付着されたPBT及び/又はPPSを成分として含む熱可塑性樹脂組成物とからなることを特徴とする。
【0017】
本発明3のアルミニウム合金パイプの連結継手は、本発明1又は2において、前記熱可塑性樹脂組成物が、機械的性質の改善のための繊維フィラー及び/又は粉末型フィラーを加えたものであることを特徴とする。
本発明4のアルミニウム合金パイプの連結継手は、本発明3において、前記繊維フィラーが、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維から選択される1種以上であり、前記粉末型フィラーは、炭酸カルシューム、炭酸マグネシューム、シリカ、タルク、ガラス、及び粘土から選択される1種以上であることを特徴とする。
【0018】
本発明5のアルミニウム合金パイプの連結継手は、本発明1ないし4において、前記アルミニウム合金パイプの連結継手が、二輪車のフレームの連結部材であることを特徴とする。特に自転車のフレームに適用すると効果的である。
【0019】
本発明6のアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法は、アルミニウム合金パイプをアンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程と、前記アルミニウム合金パイプを金型に挿入し、前記金型内で前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分にPBTと、又はPPSを含む前記熱可塑性樹脂組成物を付着させ一体化することを特徴とする。
【0020】
本発明7のアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法は、アルミニウム合金パイプを塩基性水溶液、及び/又は酸水溶液に浸漬する前処理工程と、前記前処理工程後の前記アルミニウム合金パイプをアンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程と、前記アルミニウム合金パイプを金型に挿入し、前記金型内で前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分にPBT及び/又はPPSを含む前記熱可塑性樹脂組成物を付着させ一体化することを特徴とする。
【0021】
本発明8のアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法は、本発明6又は7において、前記付着させ一体化することは、前記金型内で前記熱可塑性樹脂組成物を射出成形、熱プレス、又は共押し出されるものであることを特徴とする。
【0022】
本発明9のアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法は、本発明6ないし8において、前記アルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法は、自転車のフレームの連結継手の製造に適用されるものであることを特徴とする。
【0023】
以下、前述した本発明のアルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法について、詳細に説明する。
〔アルミニウム合金パイプ〕
アルミニウム合金パイプの素材として使用されるアルミニウム合金は、日本工業規格(JIS)で規格化されている1000〜7000番系の物、またダイキャスト用の各種のアルミニウム合金が使用できる。1000番系は高純度アルミ系の合金であるが、その他はアルミニウム以外にマグネシューム、珪素、銅、マンガン、その他が含まれた多種の目的に合わせた合金系である。この表面の前処理工程は、アルミニウム以外の金属が比較的多く含まれる合金種では、後述する「前処理法/処理法II」が好ましい方法であるが、必ずしもこの前処理工程は必要なものではない。何れにせよ、高純度アルミニウム合金のみならず現在実際に各種機器の筐体等に使用されているアルミニウム合金の多くが使用可能である。
【0024】
射出成形による樹脂の接着を行う場合、アルミニウム合金パイプは、アルミニウム合金の塊、板材、棒材などから塑性加工、鋸加工、旋削加工、放電加工、ドリル加工、プレス加工、研削加工、研磨加工等を単独、又はこれらの加工を組み合わせて所望のパイプにする。又、複数の部品を組立て、例えば自転車フレーム等のパイプ構造物とする。この加工等により、射出成形加工のインサート用として必要な形状、構造のアルミニウム合金パイプができる。このアルミニウム合金パイプは、接着される表面が酸化や水酸化された錆等の厚い被膜がないことが必要であり、長期間の自然放置で表面に錆の存在が明らかなものは研磨して取り除くことが必要である。
【0025】
(i)表面加工
研磨と兼ねてもよいが、以下に述べる水溶液を使った前処理工程の直前にサンドブラスト加工、ショットブラスト加工、旋削加工、研削加工、バレル加工等で表面の錆等の被膜層を機械加工により除去する表面加工を行うことが好ましい。後述する熱可塑性樹脂組成物と接着(固着)する面がこれらの表面加工によって表面が粗い面、即ち表面粗さを大きくして、この表面と熱可塑性樹脂組成物との接着効果を高めることが好ましい。
【0026】
加えて、この表面加工は、金属加工工程で残った表面の油脂層の除去と、機械加工後にアルミニウム合金パイプの保存保管期間中に、その表面に生じた酸化物層、腐食物層等を剥ぎ取ってアルミニウム合金表面を更新する等、の重要な役目がある。これで、次工程の処置を更新された表面全体に均一に作用させることにおいて、効果的である。また、本発明者等の実験によれば、ブラスト処理をしたアルミニウム合金パイプは、乾燥空気下での1週間程度の保管であれば、即日、次工程で処理したものとその表面状態は大差ないことを確認した。
【0027】
(ii)洗浄工程
この洗浄工程は、前述した表面加工を行うので、本発明では必ずしも必要な工程ではない。しかしながら、アルミニウム合金パイプの表面には、油脂類や微細な塵、塗装等が付着している。特に、機械加工された表面には、機械加工時に用いられるクーラント液、切粉等が付いておりこれらを洗浄することが好ましい。
【0028】
汚れの種類によるが、市販のアルミ脱脂洗剤で洗浄するか、又は水溶性有機溶剤に浸漬するなどの方法で汚れを除去した後、水洗するのが好ましい。水溶性の有機溶剤としては、例えば、アセトン、メタノール、エタノール等がある。もし強く油性物が付着している状況であれば、ケロシン、ベンジン、キシレンなどの有機溶剤で洗浄する工程をその前に入れることも好ましい。
水洗浄後の保存期間も可能な限り短くする。出来れば、洗浄工程と次に示す工程(前処理工程)は時間を置かずに連続的に処理されるのが好ましい。連続的に処理する場合は、洗浄工程の後に乾燥する必要はない。
【0029】
〔前処理工程〕
後述する処理工程の前処理として、次に説明する前処理工程Iを行うと、アルミニウム合金パイプと熱可塑性樹脂組成物との接着がより効果的である。特に1000番系アルミニウム合金(純アルミニウム合金系)以外のアルミニウム合金では有効である。要するに、前工程で得たアルミニウム合金が次の必須工程での効果が十分出るように予め加工するのがこの工程の目的である。
【0030】
アルミニウム合金表面に微細なエッチング面を形成するための前処理である。
アルミニウム合金形状物をまず塩基性水溶液(pH>7)に浸漬し、その後にアルミニウム合金パイプを水洗する。塩基性水溶液に使う塩基としては、水酸化ナトリューム(NaOH)、水酸化カリューム(KOH)等の水酸化アルカリ金属類の水酸化物、又はこれらが含まれた安価な材料であるソーダ灰(Na2CO3、無水炭酸ナトリウム)、アンモニア等が使用できる。
【0031】
また、水酸化アルカリ土類金属(Ca,Sr,Ba,Ra)類も使用できるが、実用上は安価で効能のよい前者の群から選べばよい。水酸化ナトリューム使用の場合は0.1〜数%濃度の水溶液、ソーダ灰使用の場合も0.1〜数%が好ましく、浸漬時間は常温かやや高い温度、例えば20〜50℃で数十秒〜数分浸漬し、アルミニウム合金の表面を溶かして更新する役目を行う。塩基性水溶液に浸漬することにより、アルミニウム合金の表面は水素を放ちつつアルミン酸イオンになって溶解しアルミニウム合金表面は削られて新しい面が出る。この浸漬処理後、水洗する。
【0032】
アルカリエッチング以外の前処理としては、酸エッチングがあり、数〜数十%濃度の酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、弗酸等の水溶液に常温かやや高い温度、例えば20〜50℃、で数十秒〜数分浸漬し、同じくアルミニウム合金表面を溶かして更新する役目を行う。又、上記のアルカリエッチングを行い水洗し、上記の酸エッチングを行い水洗するという複合化した方法、更には、酸エッチングを行い水洗し、アルカリエッチングを行い水洗し、酸エッチングを行い水洗する、等の更に複合化した方法を取ることなど応用ができる。
【0033】
要するに、これらの前処理は、固体(アルミニウム合金)、液体(水溶液)に気体(発生する水素ガス)の3相が絡んだ不均一系の反応であるから、投入されるアルミニウム合金の組成や構造、特に微細な部分の組成や構造に支配される非常に複雑な反応とみられ、試行錯誤して出来るだけ安定的な結果がでる方法を探る必要がある。
【0034】
〔処理工程〕
この処理工程は本発明にとっては必須の処理工程である。アルミニウム合金をアンモニア、ヒドラジン、水溶性アミン化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する工程である。アルミニウム合金表面を微妙に侵して微細凹凸を生ぜしめるとともにこれら窒素含有化合物を吸着させるのがこの工程の目的である。上記の水溶性アミン系化合物としては、特にメチルアミン(CH3NH2)、ジメチルアミン((CH3)2NH)、トリメチルアミン((CH3)3N)、エチルアミン(C2H5NH2)、ジエチルアミン((C2H5)2NH)、トリエチルアミン((C2H5)3N)、エチレンジアミン(H2NCH2CH2NH2)、エタノールアミン(モノエタノールアミン(HOCH2CH2NH2)、アリルアミン(CH2CHCH2NH2)、ジエタノールアミン((HOCH2CH2)2NH)、アニリン(C6H7N)、トリエタノールアミン((HOCH2CH2)3N)等が好ましい。
【0035】
悪臭がなく扱いが容易な方法として、3〜10%のヒドラジン一水和物水溶液を40〜50℃とし、アルミニウム合金を数分浸漬し水洗する方法がある。同様な効果は、15〜25℃の濃度15〜25%アンモニア水に10〜30分浸漬し水洗することでも得られるが、臭気が酷い。他の水溶性アミンを使用する場合も温度と濃度、及び浸漬時間を試行錯誤で探る必要があるが、何れも臭気が酷いので臭気が少ないという点で評価するとヒドラジン水溶液が好ましい。
【0036】
〔前処理後のアルミニウム合金パイプの保管〕
前工程で水洗されたアルミニウム合金は、室温〜80℃程度の比較的低温の空気で強制乾燥するのが好ましい。そしてこのアルミニウム合金パイプは乾燥空気下で保管する。この保管時間は短時間ほどよいが、常温で1週間以内であれば実用上は問題はない。
【0037】
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本発明で使用される熱可塑性樹脂組成物について以下述べる。アルミニウム合金パイプの表面に一体に付着する熱可塑性樹脂組成物の主成分は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下「PBT」という。)及び/又はポリフェニレンスフィド樹脂(以下[PPS]という。)が好ましく、線膨張率をアルミニウム合金に合わせる必要がある。
【0038】
また、フィラーの含有は、アルミニウム合金パイプと熱可塑性樹脂組成物との線膨張率を一致させるという観点から非常に重要である。フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、その他これらに類する高強度繊維がまず必要である。ただし繊維性フィラーのみでは射出成形時に方向性が強く出て形状によってはうまくいかない。それ故、炭酸カルシューム、炭酸マグネシューム、シリカ、タルク、ガラス、粘土、炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物、その他類する樹脂充填用無機フィラーを含有させたものが好ましい。
【0039】
更には、目的とする一体化品を得るのに生産性、コスト等の観点から射出成形を用いる場合が多いが、この場合は成形収縮率も重要になる。結論を言えば、成形収縮率は小さい方が好ましい。そのために、元々成形収縮率の大きいPBT、又はPPS単独よりPBT、又はPPSに非晶性ポリマーを含ませる方法がある。具体的には、ポリカーボネート樹脂(以下[PC]という。)、ABS樹脂(以下「ABS」という。)、ポリエチレンテレフタート樹脂(以下「PET」という。)、ポリスチレン樹脂(以下「PS」という。)を含有させることができる。
【0040】
最終的には、アルミニウム合金の線膨張率が2.2〜5.0×10−5℃−1であるので、熱可塑性樹脂組成物の平均縦横線膨張率(樹脂組成物の繊維が主に並んでいる方法での線膨張率は小さいが、その直角方向での線膨張率は大きく、指標としてその平均をとることとした)が2.0〜3.0×10−5℃−1であればほぼ一致し、2.0〜4.0×10−5℃−1であっても実用的に使用適当とみられる。
加えて成形収縮率が0.4〜0.5%であることが好ましい。
【0041】
〔成形/射出成形〕
PPSを含む熱可塑性樹脂組成物をアルミニウム合金パイプの表面に一体化する最も効果的な方法は、生産性、成形の容易性等の観点から言えば射出成形方法である。即ち、射出成形金型を用意し、金型を開いてその一方にアルミニウム合金パイプをインサートし、射出成形金型を閉め、前記の熱可塑性樹脂組成物をキャビティに射出し、射出成形金型を開き離型する方法である。形状の自由度、生産性など最も優れた成形法である。大量生産では、インサート用にロボットを用いればよい。
【0042】
射出成形条件について述べる。金型温度、射出温度は、前記の熱可塑性樹脂組成物を使う通常の射出成形とほぼ同様の条件で十分な接着効果が発揮できる。接着力(固着力)を上げるためには、むしろ金型のゲート構造において出来るだけピンゲートを使うことに留意した方がよい。ピンゲートでは樹脂通過時に生じるせん断摩擦で瞬時に樹脂温度が上がりこれが良効果を生むことが多い。要するに、円滑な成形を阻害しない範囲で出来るだけ接着面に高温の樹脂溶融物が接するように工夫するのが良いことが観察された。
【0043】
〔成形/射出成形以外の方法〕
金型にアルミニウム合金パイプと薄い熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂形状物の双方をインサートし、対金型で閉めて加熱しつつ押し付ける成形法、即ち加熱プレス成形でも一体化品を得ることができる。量産に適した方法とは思えないが、形状によっては使える可能性はある。接着(固着)の原理は、いわゆる前記した射出接着と同じである。
【0044】
その他に、パイプを含め軸状物、板状物などの一体化品が求められる場合に、押し出し成形という方法が使用されるが、この押し出し成形でも本発明は利用可能である。前述した熱可塑性樹脂組成物が加熱溶融状態の時に処理されたアルミニウム合金表面と接触することが重要であるだけで理論的には成形方法を選ばないはずである。ただ、押し出し成形では溶融樹脂と金属表面の間にかかる圧力が射出成形等と比較すると著しく低い。この点で最強の接着力を示すことは期待できないが実用性との関係で十分使用に耐える設計があるはずである。
【0045】
〔作用〕
本発明によれば、アルミニウム合金パイプとPBT及び/又はPPSを含む熱可塑性樹脂組成物を、インサートを使った射出成形、その他による手法で強固に接着することができる。実用的には、この熱可塑性樹脂組成物として、高濃度のフィラーを含むPBT又はPPSや、PBT又はPPSを主成分とするコンパウンドが好ましい。
【0046】
この様なことが可能になった理由は、アルミニウム合金をアンモニア、ヒドラジン及び/又は水溶性アミン系化合物の水溶液で処理したことにある。この処理によりアルミニウム合金の表面が親PBT又は親PPS表面に変わる。更に、各種のアルミニウム合金に対して前記の熱可塑性樹脂組成物を強固に付けられるようにするため、上記水溶液処理の前に塩基/酸水溶液への浸漬処理による化学エッチングを加えた方法が使える。
【0047】
本発明を使用することで、モバイル電子機器や家電機器の軽量化や、車載機器や部品の軽量化、ロボットの腕や足の軽量化、その他多くの分野、例えば流通分野、玩具分野、建設・土木分野、医療分野等幅広い分野で部品、筐体の供給に役立つものとみている。特にPBT又はPPSは元々難燃性であるので用途的にも特異的な場面を作り得ると見られる。
【0048】
【発明の実施の形態】
図は、自転車のフレームにアルミニウム合金パイプを使用し、本発明の技術を適用した実施の形態を示している。自転車の構成は周知で、例えば図1のような構成になっている。自転車1は二輪車の代表的なものであり、サドル2に人が乗りペダル3で足踏みしながらハンドル4を操作し移動するものである。人が乗ってその重量を支えているのが、フレーム5である。フレーム5は車軸6に支持され、サドル2、ハンドル4等との間に位置し、基体となるフレームとして構成されるものである。
【0049】
図2は、フレーム5のみの構成を示した図である。このフレーム5は、強度を必要とし、又軽量であることが必要である。このため一般にはパイプ材が使用される。最近は、一層軽量化のためアルミニウム合金が使用されている。このフレーム5を構成するパイプ材は複数個必要とし、それぞれが結合してフレーム5を構成する。このフレーム5の結合部は、例えばホーク肩と称し、連結継手7が設けられている。この連結継手7は、力が作用するので強固なものでなければならない。
【0050】
図2はフレーム5の正面図で、連結継手7は3箇所設けられている。このフレーム5のA部の連結継手7aはハンドル4を支え、B部の連結継手7bはサドル2を支え、C部の連結継手7cはペダル軸3aを支える。このフレーム5の各連結継手7は従来から図3,図4のようにダイカスト等で接合された構成になっている。接合される相互のパイプ材は、前もって結合されることもある。例えば図3の場合は、ホークステム7dにホーク足7eが溶接され、ホーク肩Xをダイカスト成形した例である。又、図4の場合は、ホーク足7fの連結成形にホークステム7gをはめ込み、ホーク肩Yをダイカスト成形した例である。このように従来の結合方法は、溶接等により結合されたものであるが、コスト高の構成である。
【0051】
本発明は、アルミニウム合金を使用したパイプでフレームを簡素に且つ強固に結合して構成できる技術に特徴がある。前述のホーク肩X、Yが本発明の連結継手に相当する。図5は、パイプ結合の簡素な形態の例で、2つのアルミニウム合金パイプ8a,8bを直列状に突き合わせて結合する場合である。アルミニウム合金パイプ8a,8bは、予め熱可塑性樹脂組成物との接着性をよくするための処理がなされている。即ち、表面加工、洗浄、前処理、更にアンモニア、ヒドラジン及び/又は水溶性アミン化合物の水溶液に浸漬する処理がなされる。
【0052】
この処理方法は前述のとおりである。突き合わせ部に金属の丸棒状の結合部品9をそれぞれのアルミニウム合金パイプ8a,8bにはめ込み、この突き合わせした構成のものを射出成形金型(図示せず)にインサートする。射出成形金型を閉め、樹脂メーカーが指定している射出圧、射出温度、金型温度の範囲内でPBT又はPPSを主成分とする熱可塑性樹脂組成物である合成樹脂体10をキャビティに射出する。
【0053】
この射出の数十秒後に射出成形金型を開いて取り出すと、図に示すように、アルミニウム合金パイプ8と、PBT又はPPSを主成分とする合成樹脂体9aが連結継手7となって固着され、2つのアルミニウム合金パイプ8a,8bは一体化する。この一体化により2つのアルミニウム合金パイプ8a,8bは1つの強固なパイプとなる。これは、PBT又はPPSを主成分とする合成樹脂体10がアルミニウム合金パイプ8と強固に接合されるからである。図6は、変形例で、2つのアルミニウム合金パイプ8c,8dが直角に交錯して連結された構成を示している。この場合も図5と同様にパイプ端にL字形の結合部品9bを取り付けた後射出成形金型にインサートし、前述と同様に合成樹脂体10をキャビティに射出すると、アルミニウム合金パイプ8と合成樹脂体10が強固に結合され一体化することで、連結継手7がパイプ間に跨って製造される。
【0054】
図7は、自転車1のフレーム5の連結継手7、特にペダル軸部の連結継手7c(図2)に適用した例である。結合部分は、前述の処理がなされた3つのアルミニウム合金パイプ11a,11b,11cが交錯して連結継手7を構成する。この3つのアルミニウム合金パイプ11a,11b,11cを交錯した構成にし、この構成体を前述同様に予め加工された結合部品9cをそれぞれのパイプ端に差し込み射出成形金型(図示せず)にインサートする。
【0055】
連結継手7の部分は、キャビティとなり空間を構成する。射出成形金型を閉め、前述同様にPBT又はPPSを主成分とする合成樹脂体10をこのキャビティに射出する。射出後、連結継手7が3つのアルミニウム合金パイプ11a,11b,11cに結合され一体化された状態で製造される。成形された後は、パイプと合成樹脂体の間が強固に接着結合された状態となるので、それぞれのパイプはこの連結継手7から外れることはない。
【0056】
そのため、仮にフレーム5にトラブルが生じて自転車の1部品として交換を要する場合は、継手は一体化され分解することが出来ないので、パイプの交換ではなくフレームの交換となる。この結合方法は他の部位の連結継手7a、7bにおいても同様に適用される。図8、図9は、強固に一体化する他の例を示すものである。
【0057】
図8は、予めアルミニウム合金棒13に前述の熱可塑性樹脂組成物である合成樹脂体14を付着させた結合部材12を挿入した図である。この結合部材12を図5と同様にアルミニウム合金パイプ8a、8b間に跨がせて挿入し、前述同様に合成樹脂体10を射出させ一体化するようにしたものである。この例は、アルミニウム合金パイプ8と合成樹脂体10との結合面積を大きくすることができるので、継手部分をより強固な結合にすることが可能である。
【0058】
更に図示するようにアルミニウム合金等の付着面を円周方向に沿って溝15を設けた構成にすると、一層付着力の強化された継手となる。図は、中央部分から8a側は溝15のない構成、8b側は溝のある構成とした説明用の図としている。溝15は、アルミニウム合金パイプ8,合成樹脂体14,アルミニウム合金棒13に適宜設ける。溝を設けることでアルミニウム合金と合成樹脂体との剥離を軽減できる。
【0059】
図9は、図7に相当する継手構成の他の実施例である。図8の場合と同様に、結合継手の芯部となる結合部材16を予めアルミニウム合金部材17に合成樹脂体18を付着結合させたものとし、図9で示すように、結合部材16をアルミニウム合金パイプ11a,11b,11cとともにインサートし、合成樹脂体10を射出させ一体化させた構成である。この場合もアルミニウム合金部材と合成樹脂体との結合面積が大きくなるので、継手の結合力は高められる。前述同様に、アルミニウム合金部材17およびアルミニウム合金パイプ11a,11b,11cに複数の溝19a,19b(部分的に表示)を設けた構成にすれば、尚、一層強化された継手となる。
【0060】
この構成は、図示していないが、図6に相当する継手構成に適用しても同じ効果を得ることができる。アルミニウム合金の種々の形状、あるいはPBS又はPPS部分を成形する射出成形金型のキャビィを種々変化させれば、多くの用途に適用できることは自明であり、本実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0061】
尚、パイプを二輪車のフレームに適用する実施例で説明したが、二輪車は原動機付きのものであってもよい。又二人乗りで車輪が3つ有る場合、後部の荷台に2つの車輪があるようなものであっても本発明の二輪車に含むものとする。その他、本発明の技術は、車両以外に土木・建設関係等の分野で使用されるパイプ材にも適用されることはいうまでもない。
【0062】
【発明の効果】
以上、詳記したように、本発明のアルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法は、接着性をよくする処理を行ったアルミニウム合金パイプに、PBT又はPPS系の熱可塑性樹脂組成物を射出成形して製造される連結継手に関するものである。この製造により、パイプは相互に容易に外れることなく、フレームは連結継手と一体になる構造体となり、その構造体を強固にする。従って、形状、構造上も機械的強度の上でも問題もなく各種機器の筐体や部品、構造物等、特に二輪車のパイプフレームの連結継手に適用し、強固なフレーム体を作ることができる。しかもPBT又はPPS系熱可塑性樹脂組成物は、難燃材を混入することで容易に難燃性にできている。本発明によって製造した筐体、部品、構造物は、軽量化、機器製造工程の簡素化ができ、しかもこれらの意匠の自由度を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、自転車の全体構成図である。
【図2】図2は、自転車のフレーム体の正面図である。
【図3】図3は、従来のパイプに対する連結継手の断面図である。
【図4】図4は、従来のパイプに対する他例を示す連結継手の断面図である。
【図5】図5は、2つのアルミニウム合金パイプを軸方向に突き合わせ合成樹脂体を成形した連結継手を示す説明図である。
【図6】図6は、2つのアルミニウム合金パイプを直角方向に突き合わせ合成樹脂を成型した連結継手を示す説明図である。
【図7】図7は、3つのアルミニウム合金パイプを結合し合成樹脂を成型した自転車の連結継手をす説明図である。
【図8】図8は、予め合成樹脂体を付着した結合部材を介して、2つのアルミニウム合金パイプを軸方向に突き合わせ合成樹脂体を成形した連結継手を示す説明図である。
【図9】図9は、予め合成樹脂体を付着した結合部材を介して、3つのアルミニウム合金パイプを結合し合成樹脂を成型した自転車の連結継手をす説明図である。
【符号の説明】
1…自転車
5…フレーム
7…連結継手
8、11…アルミニウム合金パイプ
9…結合部品
10…合成樹脂体
Claims (9)
- アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程を経たアルミニウム合金パイプと、
前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分の表面に一体に付着されたポリブチレンテレフタート樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を成分として含む熱可塑性樹脂組成物とからなることを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手。 - 前処理のために塩基水溶液、及び/又は酸水溶液に浸漬した後、アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程を経たアルミニウム合金パイプと、
前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分の表面に一体に付着されたポリブチレンテレフタート樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を成分として含む熱可塑性樹脂組成物とからなることを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手。 - 請求項1又は2に記載のアルミニウム合金パイプの連結継手において、
前記熱可塑性樹脂組成物は、機械的性質の改善のための繊維フィラー及び/又は粉末型フィラーが加えられているものであることを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手。 - 請求項3に記載のアルミニウム合金パイプの連結継手において、前記繊維フィラーは、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミド繊維から選択される1種以上であり、
前記粉末型フィラーは、炭酸カルシューム、炭酸マグネシューム、シリカ、タルク、ガラス、及び粘土から選択される1種以上であることを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手。 - 請求項1から4に記載のアルミニウム合金パイプの連結継手から選択される1項において、
前記アルミニウム合金パイプの連結継手は、二輪車のフレームの連結部材であることを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手。 - アルミニウム合金パイプをアンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程と、
前記アルミニウム合金パイプを金型に挿入し、
前記金型内で前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分にポリブチレンテレフタート樹脂と、又はポリフェニレンスルフィド樹脂を含む前記熱可塑性樹脂組成物を付着させ一体化することを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法。 - アルミニウム合金パイプを塩基性水溶液、及び/又は酸水溶液に浸漬する前処理工程と、
前記前処理工程後の前記アルミニウム合金パイプをアンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程と、
前記アルミニウム合金パイプを金型に挿入し、
前記金型内で前記アルミニウム合金パイプの連結継手部分にポリブチレンテレフタート樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を含む前記熱可塑性樹脂組成物を付着させ一体化することを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法。 - 請求項6又は7に記載のアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法であって、
前記付着させ一体化することは、前記金型内で前記熱可塑性樹脂組成物を射出成形、熱プレス、又は共押し出されるものであることを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法。 - 請求項6ないし8から選択される1項に記載のアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法において、
前記アルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法は、自転車のフレームの連結継手の製造に適用されるものであることを特徴とするアルミニウム合金パイプの連結継手の製造方法。
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