JP2010150513A - 二色性色素組成物、光吸収異方性膜及び偏光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二色性色素の少なくとも一種、及び、ラジカル重合性基を有する多官能モノマーの少なくとも一種を含有し、液晶性を有する、二色性色素組成物と、これを用いた光吸収異方性膜及び偏光素子。
【選択図】なし
Description
例えば、LCD(液晶素子)では表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLED(有機エレクトロルミネッセンス素子)においても外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。従来、これらの偏光板(偏光素子)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために偏光素子に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。また、その消光色が深い青になり、全可視スペクトル領域にわたって理想的な無彩色偏光素子とは言えなかった。
そこで、最近では他の方法が着目されるようになってきた。かかる方法として、非特許文献1に記載されるガラスや透明フィルムなどの基板上に有機色素分子の分子間相互作用などを利用して二色性色素を配向させ、偏光膜(異方性色素膜)を形成する方法がある。しかしながら、当該文献に記載の方法では、耐熱性について問題があることが知られていた。
<1>ネマチック液晶性を有する二色性色素の少なくとも一種、及び、非液晶性のラジカル重合性基を有する多官能モノマーの少なくとも一種を含有し、液晶性の非着色性化合物を含まない、二色性色素組成物。
<2>前記二色性色素のうち少なくとも一種が下記一般式(I)で表されるアゾ色素であることを特徴とする、<1>記載の二色性色素組成物。
<3>前記一般式(I)で表されるアゾ色素において、A1、R5、R6の少なくとも一つがラジカル重合性基を有する基であることを特徴とする、<2>に記載の二色性色素組成物。
<4><1>〜<3>のいずれか1項に記載の二色性色素組成物から形成された光吸収異方性膜。
<5>支持体上に、配向膜と<1>〜<3>のいずれか一項に記載の二色性色素組成物から形成された光吸収異方性層を有する偏光素子。
<6>透明支持体上に、<1>〜<3>のいずれか一項に記載の二色性色素組成物から形成された光吸収異方性層、透明樹脂硬化層がこの順に積層されていることを特徴とする偏光素子。
<7>前記透明樹脂硬化層が層厚1μm〜30μmであることを特徴とする、<6>に記載の偏光素子。
<8>前記透明樹脂硬化層が、光学的に負の屈折率異方性を持ち、可視光に対して面内のレターデ−ション値(Re)が10nm以下で、厚さ方向のレターデーション値(Rth)が100〜300nmであることを特徴とする、<6>または<7>に記載の偏光素子。
<9>前記透明樹脂硬化層が、円盤状液晶性化合物を含んでなる組成物から形成されていることを特徴とする、<8>に記載の偏光素子。
<10>前記光吸収異方性層と透明樹脂硬化層の間に、ポリビニルアルコールを主成分とする組成物から形成された酸素遮断層を有することを特徴とする、<6>〜<9>のいずれか一項に記載の偏光素子。
<11><4>に記載の光吸収異方性膜、または<5>〜<10>のいずれか一項に記載の偏光素子を有する液晶表示装置。
<12>(1)支持体、または該支持体上に形成された配向膜をラビング処理又は光照射処理する工程と、(2)ラビング又は光照射処理した支持体または配向膜上に、有機溶媒に溶解した前記二色性色素組成物を塗布する工程と、(3)前記有機溶媒を蒸発させることにより前記二色性色素組成物を配向させ光吸収異方性層とする工程を含む<5>〜<10>のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
<13>さらに、(4)光又は熱により前記二色性色素組成物中の重合性基を重合することにより配向固定化する工程を含む<12>に記載の偏光素子の製造方法。
<14>さらに、(5)前記光吸収異方性層上に、ポリビニルアルコールを主成分とする組成物を塗布乾燥することにより酸素遮断層とする工程を含む<12>又は<13>に記載の偏光素子の製造方法。
<15>さらに、(6)前記光吸収異方性層又は前記酸素遮断層上に、硬化性透明樹脂組成物を塗布し硬化させる工程を含む<12>〜<14>のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。測定波長λnmは可視光領域の範囲、具体的には、400〜800nmの範囲であれば、いずれの波長でもよいが、400〜750nmの範囲内であることが好ましく、400nm〜700nmの範囲内であることがさらに好ましい。本明細書においては特に断わらない限り、Re、Rthは、530〜600nmで測定した値(またはこの値をもとに算出される値)を意味するものとする。面内のレターデーション(Re)はKOBRA 21ADHまたはWR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される値である。測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRthは算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値(d)を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
式(2) Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRthは算出される。Rthは前記Reを、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値をもとにKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx-nz)/(nx-ny)が更に算出される。なお、本明細書において、特に断らない限り、測定波長は590nmであり、25℃、60%RHにおける測定値とする。
(二色性色素)
本発明の二色性色素組成物における二色性色素は、ネマチック液晶性を有する限り二色性色素としては特に制限はなく、例えば、アゾ系色素、シアニン系色素、アゾ金属錯体、フタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、キノン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びトリアリルメタン系色素等を挙げることができる。好ましくは、アゾ系色素またはアゾ金属錯体である。本発明において、「二色性色素」とは、入射光が色素分子に対して入射する方向によって吸収波長が異なる色素を意味する。
また、「二色比」は、二色性色素組成物を光吸収異方性膜としたときの、偏光軸方向の偏光の吸光度に対する、吸収軸方向の偏光の吸光度の比で計算される。
本発明における二色性色素組成物は、下記一般式(I)で表されるアゾ色素の少なくとも一種を含有することが特に好ましい。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
該フェニル基又は該ナフチル基が有していてもよい置換基としては、アゾ化合物の溶解性やネマチック液晶性を高めるために導入される基、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基、又は配向を固定化するために導入される重合性基を有する基が好ましく、具体的には、前記R1〜R4で表される置換基と同義である。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R1〜R4で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
該芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、及びエチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;無置換あるいはメチルアミノ基等のアミノ基;アセチルアミノ基、アシルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R1〜R4で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
重合性基は分子末端に位置するのが好ましく、即ち、式(I)中では、R5及び/又はR6の置換基として、並びにA1の置換基として、存在するのが好ましい。
このようにして、本発明において、上記(I)表されるアゾ色素の少なくとも一種と、ラジカル重合性基を有する多官能モノマーの少なくとも一種を含有する二色性色素組成物は、液晶性を有するものとできる。
さらに、前記一般式(I)で表されるアゾ色素は、分子の平面性が高いため強い分子間相互作用が働き、分子同士が会合状態を形成しやすい性質も有している。
本発明の二色性色素組成物は、後述する実施例に記載の方法で算出した二色比(D)を7以上に高めることができ、好ましい(D)は10〜100、より好ましくは20〜100である。
本発明の一般式(Ia)で表わされるアゾ色素は、マゼンタのアゾ色素であり、一般式(Ib)で表わされるアゾ色素は、イエロー又はマゼンタのアゾ色素であり、一般式(Ic)で表わされるアゾ色素は、シアンのアゾ色素である。
前記組成物が含有する2種以上の一般式(I)で表されるアゾ色素のうち、少なくとも1種は、一般式(Ia)で表されるアゾ色素であることが好ましい。
また、前記組成物が含有する2種以上の一般式(I)で表されるアゾ色素のうち、少なくとも1種は、一般式(Ib)又は(Ic)で表されるアゾ色素であることが好ましい。
また、前記組成物は、少なくとも1種の一般式(Ia)で表されるアゾ色素、及び少なくとも1種の一般式(Ib)又は(Ic)で表されるアゾ色素を含有することが好ましい。
また、前記組成物は、少なくとも1種の一般式(Ib)で表されるアゾ色素、及び少なくとも1種の(Ic)で表されるアゾ色素を含有することが好ましい。
また、前記偏光子形成用組成物は、少なくとも1種の一般式(Ia)で表されるアゾ色素、少なくとも1種の一般式(Ib)で表される化合物、及び少なくとも1種の(Ic)で表されるアゾ色素を含有しているのがさらに好ましい。
なお、前記組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(I)で表されるアゾ色素以外の色素等である着色材料をさらに含有していてもよい。一般式(I)で表されるアゾ色素以外の色素も、液晶性を示す化合物から選択されるのが好ましい。併用可能な2色性色素としては、例えば、「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)に記載のものを用いることができる。
なお、上記したGHタイプの偏光子では、形成に用いる組成物は、通常、ホストとなる液晶化合物を、全固形分中90質量%以上含有し、ゲストの色素の含有量は1〜5質量%程度である。
本発明においては、上記した特定の二色性色素の少なくとも一種に対し、少なくとも非液晶性の重合性基を有する多官能モノマーの少なくとも一種を配合した、二色性色素組成物とすることを特徴とする。
本発明の二色性色素組成物に含まれる重合性多官能モノマーとしては、二色性色素と相溶性を有し、二色性色素の配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。
また、前記記載の二色性色素は、上記例示した具体例から明かなように、重合性基を有することもできる。
重合性基を有する場合においては、重合性多官能モノマーと二色性色素とが互いに重合反応を起こし共有結合を生じる重合性基を有していてもよいし、重合性多官能モノマーならびに二色性色素とが、互いに重合を起こさない重合性基を有していてもよい。この場合、重合性多官能性モノマーはその多官能性モノマー同士で重合反応を起こし、重合性二色性色素は二色性色素同士で重合反応を起こすことになる。
本発明における、非液晶性のラジカル重合性基を有する多官能モノマーとは、成長活性種がラジカル的に重合反応する多官能モノマーであって液晶性を示さないものをいう。この多官能モノマーは分子内に2個以上の二重結合を有する多官能モノマーであることが好ましく、エチレン性(脂肪族性)不飽和二重結合であることが特に好ましく、具体的には、アルケン、ジエン、アクリレート、メタクリレート、不飽和多価カルボン酸のジエステル、α,β−不飽和カルボン酸のアミド、不飽和ニトリル、スチレン及びその誘導体、ビニルエステル、ビニルエーテル等の官能基を有する多官能モノマーを挙げることができる。分子内の二重結合の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。多官能モノマーは、分子内に2個以上のヒドロキシルを有するポリオールと、不飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。不飽和脂肪酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびイタコン酸が含まれ、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。分子内に4個以上のヒドロキシルを有するポリオールは、四価以上のアルコールであるか、あるいは三価以上のアルコールのオリゴマーであることが好ましい。オリゴマーは、エーテル結合、エステル結合またはウレタン結合により多価アルコールを連結した分子構造を有する。多価アルコールをエーテル結合で連結した分子構造を有するオリゴマーが好ましい。
そのようなモノマーとしては、沸点が常圧で100度以上、好ましくは150〜400度の化合物を挙げることができる。
本発明のラジカル重合性多官能モノマーを含有する組成物においては、重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤の例、光重合開始剤の使用量、および重合のための光照射エネルギーの値の各々は特開2001−91741号広報の段落[0050]〜[0051]の記載も本発明に適用できる。
本発明の二色性色素組成物には、前記の二色性色素及び多官能モノマーの他に有機溶媒や、任意の添加剤を配合・併用することができる。添加剤の例としては、非液晶性のバインダーポリマー、風ムラ防止剤、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光吸収異方性膜/配向膜界面での二色性色素の傾斜角)を制御するための添加剤、空気界面のチルト角(光吸収異方性膜/空気界面での二色性色素の傾斜角)を制御するための添加剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、糖類、防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤等である。以下、各添加剤について説明する。
本発明の二色性色素組成物には、非液晶性バインダーポリマーを添加してもよい。非液晶性ポリマーの例として、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合、もしくは共重合体を用いることも可能である。
非液晶性のバインダーポリマーとしては、特にアクリル系ポリマー(アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする樹脂)が好ましく、有機溶剤に可溶であることが特に好ましい。
これらは、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の二色性色素及び多官能モノマーとともに使用して、当該二色性組成物からなる塗布液として塗布するときの塗布時の風ムラを防止するための材料としては、一般にフッ素系ポリマーを好適に用いることができる。使用するフッ素系ポリマーとしては、二色性色素のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。風ムラ防止剤として使用可能なフッ素ポリマーの例としては、特開2004−198511号公報、特開2004−333852号公報、特開2005−179636号公報、特開2005−206638号公報に記載がある。二色性色素とフッ素系ポリマーとを併用することによって、ムラを生じることなく表示品位の高い画像を表示することができる。さらに、ハジキなどの塗布性も改善される。二色性色素の配向を阻害しないように、風ムラ防止目的で使用されるフッ素系ポリマーの添加量は、二色性色素に対して一般に0.1〜2質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜1質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.4〜1質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
本発明の二色性色素組成物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、当該二色性色素と相溶性を有し、二色性色素のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ハジキ防止剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。二色性色素の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、二色性色素に対して一般に0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
本発明の二色性色素組成物には、配向膜のチルト角を制御する添加剤として、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物を添加することができる。分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物としては、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−NH−PO、PO−SH、PO−S−PO、PO−CO−PO、PO−COO−PO、PO−CONH−PO、PO−CONHCO−PO、PO−SO3H、PO−SO3−PO、PO−SO2NH−PO、PO−SO2NHSO2−PO、PO−C=N−PO、HO−P(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、P(−OPO)3、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3、PO−NO2およびPO−CNならびにこれらの有機塩が好ましい例として挙げられる。ここで、有機塩としては、上記化合物の有機塩(例えば、アンモニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等)の他、ピリジニウム塩等も好ましく採用することができる。前記分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物の中でも、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−SO3H、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3もしくはこれらの有機塩が好ましい。ここで、上記各POは非極性基を表し、POが複数ある場合は、それぞれのPOは同一でも異なっていてもよい。
本発明の二色性色素組成物には、糖類を添加してもよい。糖類を添加することにより色素会合体の会合度を向上させ、その結果として色素の分子配向を高めることができる。
本発明の二色性色素組成物には、防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤を添加してもよい。これらの添加剤を添加することにより、当該組成物の保存安定性を向上させることができる。
また、下記化合物は、特に極微量で抗菌効果を示すことから特に好ましい。
No. 化合物名
1. 2−クロロメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
2. 2−シアノメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
3. 2−ヒドロキシメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
4. 2−(3−メチルシクロヘキシル)−3−イソチアゾロン
5. 2−(4−クロロフェニル)−4,5−ジクロロ−3−イソチアゾロン
6. 2−(4−エチルフェニル)−3−イソチアゾロン
7. 2−(4−ニトロフェニル)−5−クロロ−3−イソチアゾロン
8. 2−クロロメチル−3−イソチアゾロン
9. 2−メトキシフェニル−4−メチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
10. 2−モルフォリノメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
これらの化合物は、例えば特開平2−278号公報等を参考に合成することが可能であるが、商品名:トリバクトラン(ヘキスト社製)等の市販品を利用することも可能である。
上記の防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤の二色性色素組成物中の含有量は特に限定されないが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.001質量%以上であり、一方、通常0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下である。防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤の含有量が少なすぎると、二色性色素組成物が充分な防黴、抗菌または殺菌効果を有さず、含有量が多すぎると二色性色素組成物中で薬剤が析出したり、異方性色素膜を成膜した際に相分離が生じる恐れがあるため、点欠陥や光散乱などの光学的欠陥を生じさせる恐れがある。
本発明においては、上記した二色性色素組成物からなる塗布液を配向膜表面へ塗布して湿式な状態にある光吸収異方性膜を形成した後、当該異方性膜を例えば減圧処理することにより有機溶媒を蒸発させて乾燥させることにより最終的な光吸収異方性膜を形成することができる。これにより、高い二色比を持つ光吸収異方性膜を構成することができる。本発明における光吸収異方性膜(以下、偏光素子においては光吸収異方性層ともいう)は、上記二色性色素組成物より形成され、後述する透明樹脂硬化層の配向層としても機能する場合がある。光吸収異方性層へ後述する透明樹脂硬化層の棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を塗布することによって、該液晶性化合物は容易に配向する。
さらに、以下の工程(4)〜(6)のうちの1つ以上含むことも好ましい。
(4)光又は熱により二色性色素組成物中の重合性基を重合することにより配向固定化する工程
(5)前記光吸収異方性層上に、ポリビニルアルコールを主成分とする組成物を塗布乾燥することにより酸素遮断層とする工程
(6)前記光吸収異方性層又は前記酸素遮断層上に、硬化性透明樹脂組成物を塗布し硬化させる工程
(1)配向処理工程
(支持体、または当該支持体上に形成された配向膜をラビング処理又は光照射処理する工程)
上記した支持体または支持体上に配向膜をラビング又は光照射処理するが、ラビング処理とは、後記詳述するように、当該支持体等の表面を、綿布、脱脂綿等のバフにより一定方向に擦って、その方向に平行な微細な溝を形成する配向処理を行う操作であり、光照射処理とは、上記した支持体または支持体上に形成した光配向膜に、直線偏光又は非偏光照射を行う操作であり、ここに二色性色素を塗布することにより、最終的にその表面に配向状態で当該色素を吸着させる操作である。
上記偏光素子は、支持体上に形成することができる。使用する支持体は、偏光素子の用途に応じて選択されるであろう。例えば、液晶表示素子、OLED素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス;固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板;シリコン基板;プラスチック基板;並びに、これらに透明導電膜、カラーフィルタ膜、電極、TFT等の機能層を形成した基板が挙げられる。これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしていてもよい。プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることも好ましい。
本発明に使用する支持体は透明であっても、着色等により不透明化した支持体であってもよいが、透明な支持体(透明支持体)であるのが好ましく、光透過率が80%以上であるのが好ましい。ガラスまたは、光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002−22942号公報の段落番号[0013]の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開WO00/26705号公報に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
[配向膜]
上記支持体上に形成する配向膜は、当該配向膜上に設けられる光吸収異方性膜の二色性色素に所望の配向を付与できるのであれば、どのような層でもよいが、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。なかでも本発明においては、配向膜のプレチルト角の制御し易さの点から特にポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましく、配向の均一性の点からは光照射により形成する光配向膜が好ましい。
ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法により行うことが好ましい。
配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。
配向膜のラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は、下記式(A)で定量化されている。
ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。
ラビング密度と配向膜のプレチルト角との間には、ラビング密度を高くするとプレチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとプレチルト角は大きくなる関係がある。
光照射により形成される配向膜に用いられる光配向材料としては、多数の文献等に記載がある。本発明の配向膜では、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミド及び/又はアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルが好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルである。
本明細書において、「直線偏光照射」とは、前記光配向材料に光反応を生じせしめるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。好ましくは、光照射に用いる光のピーク波長が200nm〜700nmであり、より好ましくは光のピーク波長が400nm以下の紫外光である。
非偏光を利用する場合には、斜めから非偏光を照射する。その入射角度は、10〜80°、好ましくは20〜60、特に好ましくは30〜50°である。
照射時間は好ましくは1分〜60分、さらに好ましくは1分〜10分である。
(配向処理した支持体または配向膜上に、有機溶媒に溶解した二色性色素組成物の塗布液を塗布する工程)
上記配向処理した支持体または配向膜上に、有機溶媒に溶解した二色性色素組成物(すなわち、二色性色素及び非液晶性の重合性多官能モノマーの有機溶媒溶液)の塗布液を塗布する工程である。
本発明の光吸収異方性膜は、本発明の二色性色素組成物の塗布液を用いて形成する。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
二色性色素組成物塗布液の配向膜表面への塗布は、通常の方法(例えば、スリットコーティング法、ワイヤバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、インクジェット法)により実施できる。また、二色性色素組成物塗布液における全固形分の含有量は1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
具体的に、湿式成膜法としては、原崎勇次著「コーティング工学」株式会社朝倉書店、1971年3月20日発行、253頁から277頁や市村國宏監修「分子協調材料の創製と応用」株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行、118頁から149頁などに記載の公知の方法や、例えば、あらかじめ配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、フリースパンコート法、ダイコート法、インクジェット法などで塗布することが挙げられる。
前記の、本発明の二色性色素組成物の好ましい塗布方法については、例えば、特開2007−127897等に記載されている。
(前記有機溶媒を蒸発させることにより前記二色性色素組成物を配向させる工程)
塗布に引き続いて行われる、前記有機溶媒溶液の塗膜から、当該有機溶を蒸発させることにより前記二色性色素組成物を配向させる工程である。この場合、乾燥温度としては、好ましくは室温において自然乾燥することであり、塗布により形成された当該色素の配向状態を乱さない(熱緩和等を避ける)ようにするが好ましい。なお、さらに好ましくは減圧処理において、溶媒を蒸発させ、より低温で乾燥することが好ましい。
塗布後、光吸収異方性膜の減圧処理を始めるまでの時間は、短ければ短いほどよく、好ましくは1秒以上30秒以内である。
減圧処理の方法としては、例えば以下の様な方法が挙げられる。塗布液を基材上に塗布し得られた光吸収異方性膜を、減圧処理装置に入れて減圧処理する。例えば特開2006−201759の図9や図10のような減圧処理装置を使用することができる。減圧処理装置の詳細については、特開2004−169975号公報に記載されている。
また、減圧処理時間は、好ましくは5秒以上180秒以内である。上限を上回ると配向緩和前に急速に色素膜を乾燥できず配向が乱れる恐れがあり、下限を下回ると乾燥できず配向が乱れる恐れがある。
前記塗膜を乾燥させて組成物を配向させるとき、配向を促進させるために基板を加温してもよい。このときの基板の温度は、好ましくは50℃以上200℃以下であり、特に好ましくは70℃以上180℃以下である。この配向温度を低下させるために、組成物に可塑剤等の添加剤を併用してもよい。
(光又は熱により二色性色素組成物中の重合性基を重合することにより配向固定化する工程)
溶媒除去・乾燥により、支持体上に配向・固定させられた二色性色素において、光又は熱により二色性色素組成物中の含有された多官能性モノマーの重合性基を重合し、色素を保持した状態にて重合体とすることにより色素の当該配向を固定化する工程である。すなわち、当該二色性色素含有乾燥塗膜に対し、赤外線照射による加熱、より好ましくは熱による配向の緩和を避けるため、紫外線照射により、当該多官能性モノマーを重合させることにより、配向した色素を当該重合体により確実に固定し、熱による配向の緩和や熱対流による配向の乱れが防止され、安定的に配向が固定化され、安定化異方性色素膜が形成される。
本発明の偏光素子の作製において、塗布工程によって複数の層を形成する場合は、塗布時及び塗布後の保存時における層間の成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、偏光素子の光堅牢性が向上する。該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
酸素遮断層の層厚は0.1〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.5〜5μmであることが特に好ましい。
<透明樹脂硬化層>
本発明においては、偏光素子に物理強度、耐久性、または、光学特性を付与するために、光吸収異方性層の表面に透明樹脂硬化層を設けることができる。透明樹脂硬化層の層厚は1〜30μmの範囲にあることが好ましく、1〜10μmであることが特に好ましい。
透明樹脂硬化層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。本発明における透明樹脂硬化層は、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を光吸収異方性層の表面に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、無機微粒子を含有することもできる。
ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;
等を挙げることができる。
重合開始剤としては、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン類等が挙げられる。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,127,907、いずれも商品名)等が挙げられる。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサントンを挙げることができる。
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA、いずれも商品名)などが挙げられる。
光重合反応は、高屈折率層の塗布および乾燥後、紫外線照射により硬化反応させることが好ましい。
オリゴマー、ポリマーとしては、(メタ)アクリレート系、セルロース系、スチレン系の重合体や、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。好ましくは、側鎖に官能基を有するポリ(グリシジル(メタ)アクリレート)やポリ(アリル(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
透明樹脂硬化層の形成において、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成される場合、架橋反応、又は、重合反応は酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で形成することにより、物理強度や耐久性に優れた透明樹脂硬化層を形成することができ、好ましい。
好ましくは酸素濃度が6体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成することであり、更に好ましくは酸素濃度が4体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、最も好ましくは1体積%以下である。
透明樹脂硬化層は、光吸収異方性層の表面に、透明樹脂硬化層形成用の塗布組成物を塗布することで構築することが好ましい。
光学異方性の機能を有する透明樹脂硬化層の形成に用いられる組成物中に含まれる化合物としては、重合性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物が好ましい。特に重合性基を有する円盤状液晶性化合物が好ましい。
すなわち、光学異方性の機能を有する透明樹脂硬化層は、重合性基を有する円盤状液晶性化合物及び下記一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。また、負の屈折率異方性を持ち、可視光に対して面内レターデーションは0〜10nmであることが好ましく、0〜5nmであることがより好ましく、0〜3nmであることが特に好ましい。厚さ方向のレターデーションは100〜300nmであることが好ましく、120〜270nmであることがより好ましく、150から240nmであることが特に好ましい。このような光学異方性を有する透明樹脂硬化層は、VAモードの液晶セル用偏光素子として有用である。
透明樹脂硬化層は、例えば、円盤状液晶性化合物より構成することができる。透明樹脂硬化層は、円盤状液晶性化合物及び水平配向剤として後述する一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。
円盤状液晶性化合物は、後述する一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも一種を併用することによって、ポリマーフィルム面に対して実質的に水平(0〜10度の範囲の平均傾斜角)に配向させることができる。円盤状液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されているものを採用できる。円盤状液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載のものを採用できる。
一般式(4)
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
具体的には以下に示すTE−8が挙げられる。
円盤状液晶性化合物の具体例としては、WO01/88574A1号公報の58頁6行〜65頁8行に記載されているものも好ましい。
透明樹脂硬化層を形成する円盤状液晶性化合物は、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも一種を併用することで、実質的に水平配向させることが出来る。なお、本発明で「水平配向」とは、液晶層の水平面(例えば液晶層が光学フィルム上に形成されている場合は光学フィルムの表面)に対して円盤状液晶性化合物の長軸方向(すなわち、コアの円盤面)が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、コアの円盤面と水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は5度以下が好ましく、3度以下がより好ましく、2度以下がさらに好ましく、1度以下が最も好ましい。
まず、一般式(1)にて表される化合物について説明する。
R111、R121及びR131で各々表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜40、より好ましくは炭素数0〜30、特に好ましくは炭素数0〜20のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
R22、R33及びR44で各々表される置換基は、前記一般式(1)におけるR111、R121及びR131と同義であり、その好ましい範囲も同一である。R22、R33及びR44で各々表される置換基としては、特に好ましくは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルコキシ基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数4〜20であり、さらに好ましくは炭素数4〜16であり、特に好ましくは6〜16である。前記末端にCF3基又はCF2H基を有するアルコキシ基は、アルコキシ基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルコキシ基である。アルコキシ基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上を置換されているのが特に好ましい。以下に、R22、R33及びR44で表される末端にCF3基又はCF2H基を有するアルコキシ基の例を示す。
R2:n−C6F13−O−
R3:n−C4F9−O−
R4:n−C8F17−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R5:n−C6F13−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R6:n−C4F9−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R7:n−C8F17−(CH2)3−O−
R8:n−C6F13−(CH2)3−O−
R9:n−C4F9−(CH2)3−O−
R10:H−(CF2)8−O−
R11:H−(CF2)6−O−
R12:H−(CF2)4−O−
R13:H−(CF2)8−(CH2)−O−
R14:H−(CF2)6−(CH2)−O−
R15:H−(CF2)4−(CH2)−O−
R16:H−(CF2)8−(CH2)−O−(CH2)2−O−
R17:H−(CF2)6−(CH2)−O−(CH2)2−O−
R18:H−(CF2)4−(CH2)−O−(CH2)2−O−
Rf1、Rf2及びRf3で表される末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基は、置換もしくは無置換のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数4〜20であり、さらに好ましくは炭素数4〜16であり、特に好ましくは6〜16である。前記末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上を置換されているのが特に好ましい。Rf1、Rf2及びRf3で表される末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基の例を以下に示す。
Rf2:n−C6F13−
Rf3:n−C4F9−
Rf4:n−C8F17−(CH2)2−
Rf5:n−C6F13−(CH2)2−
Rf6:n−C4F9−(CH2)2−
Rf7:H−(CF2)8−
Rf8:H−(CF2)6−
Rf9:H−(CF2)4−
Rf10:H−(CF2)8−(CH2)−
Rf11:H−(CF2)6−(CH2)−
Rf12:H−(CF2)4−(CH2)−
R201で表される置換基としては、一般式(1)におけるR111、R121及びR131で表される置換基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。m201は、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2又は3である。
R141、R151、R161、R171、R181及びR191でそれぞれ表される置換基としては、一般式(1)におけるR111、R121及びR131で表される置換基として挙げた置換基のうち、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換もしくは無置換のアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基、シリル基を表し、その好ましい範囲も同一である。
液晶性化合物を含む組成物から透明樹脂硬化層を形成する場合は、配向させた液晶性化合物を、配向状態を維持して固定化することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。
(前記光吸収異方性層上に、硬化性透明樹脂組成物を塗布し硬化させる工程)
上記光吸収異方性層上に、塗布溶媒を用いて硬化性透明樹脂組成物を塗布する。
塗布溶媒としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。具体的には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)等が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタノールおよびブタノールが好ましく、特に好ましい分散媒体は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタノールである。
上記溶媒の使用量は、硬化性透明樹脂組成物の固形分濃度が2〜50質量%となるように使用するのが好ましく、3〜40質量%となるように使用するのが更に好ましい。
液晶性化合物を含む組成物から透明樹脂硬化層を形成する場合は、該組成物を塗布液として、光吸収異方性層の上に塗布して形成するのが好ましい。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)を広く採用することができる。
液晶性化合物を含む組成物から透明樹脂硬化層を形成する場合は、光吸収異方性層が透明樹脂硬化層の配向膜としても機能する。該液晶性化合物は加熱によって配向熟成をさせても良い。硬化は、紫外線照射によって行なうことが好ましい。
この場合、形成された異方性色素膜そのものを偏光素子としてもよく、さらに保護層、粘着層、反射防止層を形成してもよい。
また、本発明の二色性色素組成物からなる塗布液を配向膜上に適用すると、二色性色素は配向膜との界面では配向膜のチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のチルト角で配向する。本発明の二色性色素組成物塗布液を配向膜の表面に塗布後、二色性色素を均一配向(モノドメイン配向)させることで、水平配向を実現することができる。
二色性色素を水平配向させ、且つその配向状態に固定することによって形成された光吸収異方性膜は、偏光素子として利用することができる。
本発明において、チルト角とは、二色性色素の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)のなす角度を指す。配向膜側のチルト角を有る程度小さくし水平配向させることにより偏光素子として好ましい光学性能がより効果的に得られる。したがって、偏光性能の観点から、好ましい配向膜側のチルト角は0°〜10°、さらに好ましくは0°〜5°、特に好ましいのは0°〜2°、最も好ましくは0°〜1°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は0°〜10°、さらに好ましくは0〜5°、特に好ましいのは0〜2°である。
また、配向膜側の二色性色素のチルト角は、前記した方法(配向膜チルト角制御剤等)により制御することができる。
かくして形成された本発明の光吸収異方性膜は、光吸収の異方性を利用し直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光膜として機能する他、膜形成プロセスと基材や色素を含有する組成物の選択により、屈折異方性や伝導異方性などの各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途に使用可能な偏光素子とすることができる。
これら光学機能を有する層は、例えば以下の様な方法により形成することが出来る。
拡散フィルムとしての機能を有する層は、上記の保護層に微粒子を含む樹脂溶液をコーティングすることにより、形成することができる。
また、位相差フィルムや光学補償フィルムとしての機能を有する層は、ディスコティック液晶性化合物などの液晶性化合物をコーティングして配向させることにより形成することができる。
本発明の液晶表示装置は、前記の二色性色素組成物を用いて製造された光吸収異方性膜、偏光素子などを有し、その液晶性を利用しているものであれば特に限定されないが、具体的には例えば液晶プロジェクター、カーナビゲーションなどが挙げられる。
なお、以下の実施例中、光吸収異方性膜の光学特性に関する測定は下記の通り実施した。
二色比は、ヨウ素系偏光素子を入射光学系に配した分光光度計で光吸収異方性膜の吸光度を測定した後、次式により計算した。
二色比(D)=Az/Ay
Az:光吸収異方性膜の吸収軸方向の偏光に対する吸光度
Ay:光吸収異方性膜の偏光軸方向の偏光に対する吸光度
クロロホルム98質量部に二色性色素としてNo.(A-25)を0.96質量部、多官能モノマーとしてエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、商品名、大阪有機化学社製)を0.96質量部、及びラジカル重合開始剤としてIrugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を0.08質量部加え、撹拌溶解後濾過して液晶組成物の塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした下記ポリビニルアルコール配向膜上に、前記塗布液を塗布し、室温でクロロホルムを自然乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して、塗膜を重合させ配向状態を固定化した光吸収異方性膜(膜厚0.4μm)を得た。
二色性色素をNo.(A-38)に変更した以外、実施例1と同様に光吸収異方性膜(膜厚0.4μm)を作製した。
得られた二色比及び相転移温度を下記表1に記す。組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していた。さらに、150℃で1時間加熱しても二色比の低下は見られず高い耐熱性を有していることがわかる。
多官能モノマーエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学社製)を添加しなかった以外は実施例1と同様に光吸収異方性膜を作製し、二色比を測定した。
得られた光吸収異方性膜の二色比及び相転移温度を下記表1に記す。組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していたが、150℃で1時間加熱したところ二色比は著しく低下した。
多官能モノマーエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、商品名、大阪有機化学社製)を添加しなかった以外は実施例2と同様に光吸収異方性膜を作製し、二色比を測定した。
得られた光吸収異方性膜の二色比及び相転移温度を下記表1に記す。組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していたが、150℃で1時間加熱したところ二色比は著しく低下した。
クロロホルム98質量部に二色性色素No.(A-46)を0.96質量部、多官能モノマーエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、商品名、大阪有機化学社製)を0.96質量部、及び重合開始剤としてIrugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を0.08質量部加え、撹拌溶解後濾過して液晶組成物の塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした前記ポリビニルアルコール配向膜上に、前記塗布液を塗布し、室温でクロロホルムを自然乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して塗膜を重合させ配向状態を固定化した光吸収異方性膜(膜厚0.4μm)を得た。
二色性色素をNo.(A-16)に変更した以外、実施例3と同様に光吸収異方性膜(膜厚0.4μm)を作製した。
得られた二色比及び相転移温度を下記表2に記す。組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していた。さらに、室温で1ヶ月保存しても二色比の低下は見られず高い耐久性を有していることがわかる。
多官能モノマーエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、商品名、大阪有機化学社製)と重合開始剤Irugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を添加しなかった以外は実施例3と同様に光吸収異方性膜を作製し、二色比を測定した。
得られた光吸収異方性膜の二色比及び相転移温度を下記表2に記す。組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していたが、室温で1ヶ月間保存したところ結晶化を起こし、そのために二色性色素の配向が乱れ二色比は著しく低下した。
多官能モノマーエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、商品名、大阪有機化学社製)と重合開始剤Irugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を添加しなかった以外は実施例4と同様に光吸収異方性膜を作製し、二色比を測定した。
得られた光吸収異方性膜の二色比及び相転移温度を下記表2に記す。組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していたが、室温で1ヶ月間保存したところ結晶化を起こし、そのために二色性色素の配向が乱れ二色比を測定することができなかった。
クロロホルム98質量部に二色性色素No.(A-46)を1.28質量部、多官能モノマーエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、商品名、大阪有機化学(株)製)を0.64質量部、及び重合開始剤としてIrugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を0.08質量部加え、撹拌溶解後濾過して液晶組成物の塗布液を得た。その後実施例3と同様に光吸収異方性膜(膜厚0.4μm)を作製し、二色比を測定した。
得られた光吸収異方性膜の二色比及び相転移温度を下記表3に示す。さらに、作製した光吸収異方性膜を、室温で1ヶ月間保存した後、二色比を測定した。得られた二色比を下記表3に記す。表3に示すとおり、組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していた。さらに、室温で1ヶ月間保存しても二色比の低下は見られず高い耐久性を有していることがわかる。
クロロホルム98質量部に二色性色素No.(A-46)を0.64質量部、多官能モノマーエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、商品名、大阪有機化学(株)製)を1.28質量部、及び重合開始剤としてIrugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を0.08質量部加え、撹拌溶解後濾過して液晶組成物の塗布液を得た。その後実施例3と同様に光吸収異方性膜(膜厚0.4μm)を作製し、二色比を測定した。
得られた光吸収異方性膜の二色比及び相転移温度を下記表3に示す。さらに、作製した光吸収異方性膜を、室温で1ヶ月間保存した後、二色比を測定した。得られた二色比を下記表3に記す。実施例6で示すとおり、組成物はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していた。さらに、室温で1ヶ月間保存しても二色比の低下は見られず高い耐久性を有していることがわかる。
(二色性色素組成物の調製)
二色性色素組成物として、以下の組成の成分を調製した。
(A)界面活性剤:下記化合物I−6 0.02質量部
(B)溶剤:クロロホルム 96.94質量部
(C)アゾ色素:下記化合物C−22 0.50質量部
下記化合物D−1 0.50質量部
(D)非液晶性多官能モノマー:
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、商品名、大阪有機化学社製) 1.00質量部
ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA、商品名、日本化薬(株)製) 1.00質量部
(E)重合開始剤:イルガキュア907
(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 0.03質量部
(F)増感剤:カヤキュアDETX
(商品名、日本化薬(株)製) 0.01質量部
前記二色性色素組成物の塗布液を、ガラス基板上に形成しラビングした前記ポリビニルアルコール配向膜上に塗布し、室温でクロロホルムを自然乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して塗膜を重合させ配向状態を固定化した光吸収異方性膜(膜厚0.5μm)を得た。
二色性色素(C−22)を(B−18)に、又、(D−1)を(D−2)に変更した以外、実施例7と同様に光吸収異方性膜(膜厚0.5μm)を作製した。
得られた光吸収異方性膜の二色比及び相転移温度を下記表4に示す。さらに、作製した光吸収異方性膜を、室温で1ヶ月間保存した後、二色比を測定した。得られた二色比を下記表4に記す。実施例8で示すとおり、二色性色素はネマチック液晶性を有しており、かつ偏光膜として充分機能しうる高い二色比(光吸収異方性)を有していた。さらに、室温で1ヶ月間保存しても二色比の低下は見られず高い耐久性を有していることがわかる。
二色性色素(C−22)を(B−5)に、又、(D−1)を(D−2)に変更した以外、実施例7と同様に光吸収異方性膜(膜厚0.5μm)を作製した。
(二色性色素組成物の調製)
(A)溶剤:クロロホルム 97.96質量部
(B)アゾ色素:下記化合物B−18 0.34質量部
下記化合物C−9 0.33質量部
下記化合物D−1 0.33質量部
(C)非液晶性多官能モノマー:
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、商品名、大阪有機化学社製) 1.00質量部
(D)重合開始剤:イルガキュア907
(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 0.03質量部
(E)増感剤:カヤキュアDETX
(商品名、日本化薬(株)製) 0.01質量部
前記二色性色素組成物の塗布液を、ガラス基板上に形成しラビングした前記ポリビニルアルコール配向膜上に塗布し、室温でクロロホルムを自然乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して塗膜を重合させ配向状態を固定化した光吸収異方性膜(膜厚0.4μm)を得た。
(透明樹脂硬化層用塗布液Aの調製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して透明樹脂硬化層塗布液Aとした。
トリメチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#295(商品名、大阪有機化学(株)製)7.5質量部に、質量平均分子量15000のポリ(グリシジルメタクリレート)2.7質量部、メチルエチルケトン7.3質量部、シクロヘキサノン5.0質量部及び光重合開始剤(イルガキュア184(商品名)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.5質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液Aを調製した。
下記の組成の円盤状液晶性化合物を含む塗布液Bを調製した。
(塗布液Bの組成)
円盤状液晶性化合物TE−8の((8)のm=4のもの) 32.6質量%
例示化合物I−6 0.05質量%
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360(商品名)、大阪有機化学(株)製) 3.2質量%
増感剤(カヤキュアーDETX(商品名)、日本化薬(株)製)0.4質量%
光重合開始剤(イルガキュアー907(商品名)、チバガイギー社製)
1.1質量%
メチルエチルケトン 62.0質量%
下記含フッ素ポリマー 0.14質量%
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して酸素遮断層用塗布液とした。
ポリビニルアルコール(PVA205(商品名、クラレ(株)製)3.2質量部、ポリビニルピロリドン(PVP K−30(商品名、日本触媒(株)製)1.5質量部、メタノール44質量部、水56質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して酸素遮断層用塗布液を調製した。
クロロホルム9.8質量部に二色性アゾ色素No.(A-46)を0.096質量部、多官能モノマー エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360(商品名)、大阪有機化学社製)を0.096質量部、及び重合開始剤としてIrugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を0.008質量部加え、撹拌溶解後濾過して二色性色素組成物の塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした下記ポリビニルアルコール配向膜上に、前記塗布液を塗布し、室温でクロロホルムを自然乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して配向状態を固定化した。続いて、上記記載の酸素遮断層用塗布液を塗布し、100℃で2分間乾燥した。さらに、上記記載の透明樹脂硬化層用塗布液Aを塗布し、100℃で2分間乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して重合し、光吸収異方性層(層厚0.4μm)の表面に、膜厚1μmの酸素遮断層、膜厚2μmの透明樹脂硬化層が順次積層された偏光素子を作製した。
クロロホルム9.8質量部に二色性アゾ色素No.(A-46)を0.096質量部、多官能モノマー エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360(商品名)、大阪有機化学社製)を0.096質量部、及び重合開始剤としてIrugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を0.008質量部加え、撹拌溶解後濾過して二色性色素組成物の塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした前記ポリビニルアルコール配向膜上に、前記塗布液を塗布し、室温でクロロホルムを自然乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して配向状態を固定化した。続いて、上記記載の透明樹脂硬化用塗布液Bを塗布し、130℃で2分間加熱乾燥することにより、円盤状液晶性化合物を水平配向させた。次いで、80℃で120W/cm2高圧水銀灯を用いて、4秒間紫外線を照射して重合し、光吸収異方性層(層厚0.4μm)の表面に光学的に負の屈折率異方性を示し、膜厚1.5μmの透明樹脂硬化層が積層された偏光素子を作製した。
(光配向膜用組成物の調製)
光配向膜用組成物として、以下の組成の成分を均一溶液としたのち、0.45μmのメンブレンフィルターで加圧濾過して調製した。
・配向膜材料:下記のアゾ化合物 1.00質量部
・溶剤:N-メチル−2−ピロリドン 49.50質量部
2−ブトキシエタノール 49.50質量部
得られた光配向膜用組成物を、ガラス基板上にワイヤーバーで塗布し、100℃で1分間乾燥を行ったのち、超高圧水銀ランプにバンドパスフィルターを介して、波長365nm付近の直線偏光した紫外線を基板に垂直方向から照射し、膜厚0.07μmの光配向膜付ガラス基板を作製した。なお、積算光量は5J/cm2であった。
クロロホルム9.8質量部に二色性アゾ色素No.(A-46)を0.096質量部、多官能モノマー エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360(商品名)、大阪有機化学社製)を0.096質量部、及び重合開始剤としてIrugacure OXE-01(商品名、Ciba Speciality Chemicals社製)を0.008質量部加え、撹拌溶解後濾過して二色性色素組成物の塗布液を得た。次に、前記光配向膜付ガラス基板上に、前記塗布液を塗布し、室温でクロロホルムを自然乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して配向状態を固定化した。続いて、前記記載の酸素遮断層用塗布液を塗布し、100℃で2分間乾燥した。さらに、前記記載の透明樹脂硬化層用塗布液Aを塗布し、100℃で2分間乾燥した。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm以下)5Jの紫外線を照射して重合し、光吸収異方性層(層厚0.4μm)の表面に、膜厚1μmの酸素遮断層、膜厚2μmの透明樹脂硬化層が順次積層された偏光素子を作製した。
Claims (15)
- ネマチック液晶性を有する二色性色素の少なくとも一種、及び、非液晶性のラジカル重合性基を有する多官能モノマーの少なくとも一種を含有し、液晶性の非着色性化合物を含まない、二色性色素組成物。
- 前記二色性色素のうち少なくとも一種が下記一般式(I)で表されるアゾ色素であることを特徴とする、請求項1記載の二色性色素組成物。
- 前記一般式(I)で表されるアゾ色素において、A1、R5、R6の少なくとも一つがラジカル重合性基を有する基であることを特徴とする、請求項2に記載の二色性色素組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の二色性色素組成物から形成された光吸収異方性膜。
- 支持体上に、配向膜と請求項1〜3のいずれか一項に記載の二色性色素組成物から形成された光吸収異方性層を有する偏光素子。
- 透明支持体上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二色性色素組成物から形成された光吸収異方性層、透明樹脂硬化層がこの順に積層されていることを特徴とする偏光素子。
- 前記透明樹脂硬化層が層厚1μm〜30μmであることを特徴とする、請求項6に記載の偏光素子。
- 前記透明樹脂硬化層が、光学的に負の屈折率異方性を持ち、可視光に対して面内のレターデ−ション値(Re)が10nm以下で、厚さ方向のレターデーション値(Rth)が100〜300nmであることを特徴とする、請求項6または7に記載の偏光素子。
- 前記透明樹脂硬化層が、円盤状液晶性化合物を含んでなる組成物から形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の偏光素子。
- 前記光吸収異方性層と透明樹脂硬化層の間に、ポリビニルアルコールを主成分とする組成物から形成された酸素遮断層を有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項に記載の偏光素子。
- 請求項4に記載の光吸収異方性膜、または請求項5〜10のいずれか一項に記載の偏光素子を有する液晶表示装置。
- (1)支持体、または該支持体上に形成された配向膜をラビング処理又は光照射処理する工程と、(2)ラビング又は光照射処理した支持体または配向膜上に、有機溶媒に溶解した前記二色性色素組成物を塗布する工程と、(3)前記有機溶媒を蒸発させることにより前記二色性色素組成物を配向させ光吸収異方性層とする工程を含む請求項5〜10のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
- さらに、(4)光又は熱により前記二色性色素組成物中の重合性基を重合することにより配向固定化する工程を含む請求項12に記載の偏光素子の製造方法。
- さらに、(5)前記光吸収異方性層上に、ポリビニルアルコールを主成分とする組成物を塗布乾燥することにより酸素遮断層とする工程を含む請求項12又は13に記載の偏光素子の製造方法。
- さらに、(6)前記光吸収異方性層又は前記酸素遮断層上に、硬化性透明樹脂組成物を塗布し硬化させる工程を含む請求項12〜14のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
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