JP2019120949A - 光学積層体および画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、二色性物質の配向性に優れる光学積層体およびそれを用いた画像表示装置を提供することを課題とする。【解決手段】酸素遮断層12、光配向層14および光吸収異方性層16をこの順に有する光学積層体10であって、酸素遮断層が、鹸化度95%以上のポリビニルアルコールまたは鹸化度95%以上の変性ポリビニルアルコールを50質量%以上含有する層であり、光配向層が、光活性化合物を含有する光配向層であり、光活性化合物が、重合性基を有さない、分子量1000以下の低分子化合物であり、光吸収異方性層が、二色性物質を含有する層である、光学積層体。【選択図】図1A

Description

本発明は、光学積層体および画像表示装置に関する。
近年、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)の開発が進んでおり、使用される各部材に対してフレキシブル化が進んでいる。中でも、外光の反射防止のために使用されている円偏光板は、高い偏光度とフレキシブル性が求められる。
従来、円偏光板にはヨウ素偏光子が使用されているが、ヨウ素偏光子は、ヨウ素をポリビニルアルコールのような高分子材料に溶解又は吸着させ、その膜を一方向にフィルム状に高倍率に延伸することで作製されるため、十分なフレキブル性がなかった。
そのため、透明フィルムなどの基板上に二色性色素を塗布し、分子間相互作用などを利用して配向させた偏光子が検討されている。
例えば、特許文献1には、二色性アゾ色素を高い配向性有する液晶マトリクス中に相溶させ、高い二色比を有する偏光素子が提案されている。
また、特許文献2には、二色性アゾ色素を用いて高濃度かつ薄膜で高い偏光度を有する偏光子が提案されている。
更に、特許文献3には、二色性色素化合物からなる偏光子の光堅牢性向上のため、低い酸素透過性を示すポリビニルアルコール等の酸素遮断膜を用いることが有効であることが記載されている。
特許第5923941号公報 特許第5437744号公報 特許第5612291号公報
本発明者らは、支持体上に、ポリビニルアルコール(PVA)を塗布して酸素遮断層を形成した後、光活性化合物を含む光配向層を積層して光照射により配向させた後、二色性物質を含有する光吸収異方性層を更に積層して偏光子を作製する検討を行った。
検討の結果、本発明者らは、酸素遮断層に用いるポリビニルアルコールの種類によっては、二色性物質の配向度が劣る場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、二色性物質の配向性に優れる光学積層体およびそれを用いた画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、鹸化度95%以上のポリビニルアルコールを主成分として含有する酸素遮断層を設けると、二色性物質の配向度が高い光吸収異方性層を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 酸素遮断層、光配向層および光吸収異方性層をこの順に有する光学積層体であって、
酸素遮断層が、鹸化度95%以上のポリビニルアルコールまたは鹸化度95%以上の変性ポリビニルアルコールを50質量%以上含有する層であり、
光配向層が、光活性化合物を含有する光配向層であり、
光活性化合物が、重合性基を有さない、分子量1000以下の低分子化合物であり、
光吸収異方性層が、二色性物質を含有する層である、光学積層体。
[2] 光活性化合物が、光活性基としてアゾ基を有する、[1]に記載の光学積層体。
[3] 光吸収異方性層が、二色性物質および液晶性化合物を含有する液晶組成物を用いて形成される層であり、
液晶組成物に含まれる二色性物質の固形分割合が2〜30質量%である、[1]または[2]に記載の光学積層体。
[4] 液晶組成物が、下記式(1)で表される二色性物質を含有する、[3]に記載の光学積層体。

ここで、上記式(1)中、
、AおよびAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。
およびLは、それぞれ独立に、置換基を表す。
mは、1〜4の整数を表し、mが2〜4の整数の場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。
[5] 液晶組成物が、下記式(2)で表される二色性物質を含有する、[3]または[4]に記載の光学積層体。

ここで、上記式(2)中、
およびCは、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。ただし、CおよびCの少なくとも一方は、架橋性基を表す。
およびMは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。ただし、MおよびMの少なくとも一方は、主鎖の原子の数が4個以上である。
ArおよびArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基および置換基を有していてもよいビフェニレン基のいずれかの基を表す。
Eは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかの原子を表す。
は、水素原子または置換基を表す。
は、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
nは、0または1を表す。ただし、Eが窒素原子である場合には、nは1であり、Eが酸素原子または硫黄原子である場合には、nは0である。
[6] 液晶組成物が、下記式(3)で表される二色性物質を含有する、[3]〜[5]のいずれかに記載の光学積層体。

ここで、上記式(3)中、
AおよびBは、それぞれ独立に、架橋性基を表す。
aおよびbは、それぞれ独立に、0または1を表す。ただし、a+b≧1である。
a=0の場合にはLは1価の置換基を表し、a=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。また、b=0の場合にはLは1価の置換基を表し、b=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。
Arは(n1+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Arは(n2+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Arは(n3+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。n1≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、n2≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、n3≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
kは、1〜4の整数を表す。k≧2の場合には、複数のArは互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
n1、n2およびn3は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。ただし、k=1の場合にはn1+n2+n3≧0であり、k≧2の場合にはn1+n2+n3≧1である。
[7] 液晶組成物が、下記式(4)で表される液晶性化合物を含有する、[3]〜[6]のいずれかに記載の光学積層体。
U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (4)
ここで、上記式(4)中、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X1、X2およびX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。
Y1およびY2は、それぞれ独立に、−CHCH−、−CHO−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−またはCRa=N−を表す。RaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
U1は、水素原子または重合性基を表す。
U2は、重合性基を表す。
W1およびW2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−または−OCOO−を表す。
V1およびV2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NH−に置き換わっていてもよい。
[8] 液晶組成物が、下記式(5)で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化合物を含有し、下記式(5)において、P1、L1およびSP1のlogP値と、M1のlogP値との差が、4以上である、[3]〜[7]のいずれかに記載の光学積層体。

ここで、上記式(5)中、P1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、SP1はスペーサー基を表し、M1は、メソゲン基を表し、T1は末端基を表す。ただし、M1が連結基を有する場合、連結基としてアゾ基を含まない。
[9] 光吸収異方性膜の光配向層と反対側に、酸素遮断層とは異なる別の酸素遮断層を有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の光学積層体。
[10] 更に、λ/4板を有する、[1]〜[9]のいずれかに記載の光学積層体。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の光学積層体を有する画像表示装置。
本発明によれば、二色性物質の配向性に優れる光学積層体およびそれを用いた画像表示装置を提供することができる。
図1Aは、本発明の光学積層体の一例を示す模式的な断面図である。 図1Bは、本発明の光学積層体の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を表す表記であり、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を表す表記である。
[光学積層体]
本発明の光学積層体は、酸素遮断層、光配向層および光吸収異方性層をこの順に有する光学積層体である。さらに、透明支持体が、酸素遮断層の側に存在してもよい。
また、本発明の光学積層体が有する光吸収異方性層は、二色性物質を含有する層である。
また、本発明の光学積層体が有する酸素遮断層は、鹸化度95%以上のポリビニルアルコールまたは鹸化度95%以上の変性ポリビニルアルコール(以下、これらをまとめて「特定PVA」とも略す。)を50質量%以上含有する層である。
また、本発明の光学積層体が有する光配向層は、光活性化合物を含有する光配向層である。
また、本発明においては、光配向層に含まれる光活性化合物が、重合性基を有さない、分子量1000以下の低分子化合物である。
ここで、本発明でいう「透明」とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
本発明の光学積層体の層構成においては、上述した通り、酸素遮断層のポリビニルアルコールの鹸化度によって、二色性物質の配向度が大きく異なる。
本発明のように、酸素遮断層に特定PVAを用いることで、二色性物質の配向度を良好にすることができる。
この理由の詳細は未だ明らかになっていないが、本発明者らは以下の理由によるものと推測している。
まず、ポリビニルアルコールの鹸化度が低く、空隙が比較的多い場合には、光配向層を形成する際に、光配向層の成分が酸素遮断層中に浸透することで、光配向層としての機能が低下していると考えられる。
これに対し、特定PVAは、ポリマー鎖にOH基が多く存在することでポリマー間の水素結合力が強く、空隙が少ないと考えられる。そのため、酸素遮断層上に形成される光配向層の配向が維持されやすくなり、その結果、二色性物質の配向度が大きくなったと考えられる。
図1Aおよび図1Bに、本発明の光学積層体の一例を示す模式的な断面図を示す。
ここで、図1Aに示す光学積層体10は、酸素遮断層配向層12、光配向層14、光吸収異方性層16および別の酸素遮断層18をこの順に有する層構成(以下、「構成A」とも略す。)の光学積層体である。
また、図1Bに示す光学積層体20は、酸素遮断層配向層12、光配向層14および光吸収異方性層16をこの順に有する層構成(以下、「構成B」とも略す。)の光学積層体である。
以下に、本発明の光学積層体が有する酸素遮断層、光配向層および光吸収異方性層ならびに任意の別の酸素遮断層などについて詳述する。
〔酸素遮断層〕
本発明の光学積層体が有する酸素遮断層は、鹸化度95%以上のポリビニルアルコールまたは鹸化度95%以上の変性ポリビニルアルコールを主成分とする層、すなわち、50質量%以上含有する層である。なお、特定PVAの含有量は、50質量%超100質量%以下であることが好ましく、90〜100質量%であることがより好ましい。
ここで、一般に、ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルポリマーのアセチル基部位を、水酸化ナトリウム等の強塩基で加水分解し水酸基にすること(鹸化)によって得られるものである。
また、ポリビニルアルコールの鹸化度とは、ポリビニルアルコールが有する酢酸基と水酸基との合計数に対する、水酸基の数の割合を百分率で表したものであり、JIS K6726:1994に準じて測定することができる。
本発明においては、鹸化度が95mol%以上であることが必要であり、96.5mol%以上であることが好ましい。
本発明では、特定PVAの平均重合度は200〜5000であることが好ましく、250〜3000であることがより好ましく、300〜2000であることが特に好ましい。
重合度の高い特定PVAは、水溶性が低く、酸素遮断層の耐水性をより向上させることができるが、一方では水溶性が低下するため、製膜用の水溶液のハンドリング性が低下する。上記範囲とすることで、ハンドリング性と耐水性を両立することができる。
高鹸化度ポリビニルアルコールとして市販の未変性のポリビニルアルコールを用いてもよい。平均重合度が上記範囲である未変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、クラレ社製のPVA102、PVA103、PVA105、PVA110、PVA117、PVA124、PVA135等が挙げられる。
上記変性ポリビニルアルコールは、分子内に架橋性基として重合性基を有することが好ましい。重合性基を有する変性ポリビニルアルコールを利用することで、膜強度を改善することができる。重合性基を有する変性ポリビニルアルコールは、重合性基を有する繰り返し単位をポリビニルアルコールに導入することによって、又は、重合性基を有する化合物をポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールと反応させることにより得られる。
上記変性ポリビニルアルコール中、主鎖と重合性基は、直結せずに、連結基を介して結合していることが好ましい。連結基の例には、−O−、−O−CO−、−O−CO−NH−、−O−CO−NH−アルキレン基−、−O−CO−NH−アルキレン基−O−、−O−CO−NH−アルキレン基−CO−O−、−O−CO−NH−アルキレン基−O−CO−、−O−CO−NH−アルキレン基−CO−NH−、−O−CO−アルキレン基−O−CO−、−O−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O−CO−、−O−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O−、−O−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−及び−O−アルキレン基−O−CO−が含まれる(左側が主鎖に結合し、右側が重合性基に結合する)。上記アルキレン基は、分岐又は環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることがさらに好ましく、1〜12であることがよりさらに好ましい。上記アリーレン基は、フェニレン又はナフチレンであることが好ましく、フェニレンであることがさらに好ましく、p−フェニレンであることがよりさらに好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、カルボキシル、シアノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミド基及びアルキルスルホニル基が含まれる。
上記変性ポリビニルアルコールは、例えば、市販の未変性ポリにビルアルコールに、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、4−(4−アクリロイルオキシブトキシ)安息香酸等の試薬を、触媒の存在下で反応させることで製造することができる。原料として用いる市販の未変性ポリビニルアルコールとしては、PVA103、PVA203、PVA205(いずれもクラレ製)を用いることができる。この方法については、特開平9−152509等の各公報に詳細に記載されている。
上記酸素遮断層は、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリビニルアルコール、又は添加剤を含有していてもよい。例えば、膜を硬化させるために架橋剤を用いることもできる。
架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉等が挙げられる。より具体的には、特開2002−62426号公報中の段落番号[0023]〜[0024]記載の化合物が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
ただし、架橋剤を添加し過ぎると、耐水性が低下の傾向があるので、架橋剤を使用する場合もその添加量は少ないほうが好ましく、全ポリビニルアルコールに対して、0〜10質量%であるのが好ましく、0〜5質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記酸素遮断層が、透明であること(すなわち、透明酸素遮断層)が好ましい。
ここで、本発明でいう「透明」とは、上述した通り、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
(透明酸素遮断層の形成方法)
上記酸素遮断層は、基本的に、酸素遮断層形成材料である特定PVAと、所望により添加される架橋剤等を含む組成物(以下、「酸素遮断層形成用組成液」とも略す。)から形成することができる。この組成物は、塗布液として調製するのが好ましい。塗布液として調製された組成物を、ポリマーフィルム等の支持体の表面に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)して形成することができる。架橋反応は、上述のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行なうことができる。塗布液の調製には、消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール、イソプロパノール)と水の混合溶媒を用いることが好ましい。その比率は質量比で、水:有機溶媒が0より大きく99以下:100未満1以上が好ましく、0より大きく91以下:100未満9以上であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向層、更には光学異方層の層表面の欠陥が減少する。
上記酸素遮断層形成用組成液の塗布は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法等により行なうのが好ましい。特にロッドコーティング法、又はエクストルージョンコーティング法が好ましい。塗布量については特に制限はないが、乾燥後の膜厚が0.1〜5μm程度になる塗布量とするのが好ましい。
塗布後、乾燥して塗布液中の溶媒を除去し、膜とする。乾燥時には所望により加熱してもよい。乾燥は、20℃〜110℃で行なうのが好ましい。充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間が好ましく、より好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH2.5〜5.5であるのが好ましい。
〔光配向層〕
本発明の光学積層体が有する光配向層は、光活性化合物(光反応性基を有する化合物)を含有する光配向層である。
また、光配向層とは、光活性化合物と溶剤とを含む組成液(以下、「光配向層形成用組成液」とも略す。)を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光紫外線(UV))を照射することによって配向規制力を付与した配向層のことをいう。
光反応性基とは、光を照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光を照射することで生じる分子(光活性化合物と呼ぶ)の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応、あるいは光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。
光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有するものが好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)及び炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、窒素−窒素二重結合(N=N結合)を有するアゾ基を用いることが好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、例えば、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基が挙げられる。
C=N結合を有する光反応性基としては、例えば、芳香族シッフ塩基及び芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。
C=O結合を有する光反応性基としては、例えば、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基が挙げられる。
N=N結合を有する光反応性基としては、例えば、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基及びホルマザン基などや、アゾキシベンゼンを基本構造とする基が挙げられる。
これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基又はハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。
これらの基の中でも、アゾベンゼン基は、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向層が得られやすいため好ましく用いられる。
アゾベンゼン基有する光活性化合物として、特に好ましいのは下記一般式(I)で表されることを特徴とする光活性化合物である。
一般式(I)

式中、R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表すが、但し、R21〜R24で表される基の少なくとも一つは、カルボキシル基又はスルホ基を表し;mは1〜4の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、oは1〜5の整数を表し、pは1〜5の整数を表すが、m、n、o、及びpが2以上の整数を表すとき、複数個ある、R21〜R24は、同一でも異なっていてもよい。
一般式(I)中、R21〜R24でそれぞれ表される置換基としては以下の基を挙げることができる。
カルボキシル基(アルカリ金属と塩を形成していてもよく、好ましくは塩を形成していないか、ナトリウム塩を形成しているカルボキシル基であり、より好ましくはナトリウム塩を形成しているカルボキシル基である)、スルホ基(アルカリ金属と塩を形成していてもよく、好ましくは塩を形成していないか、ナトリウム塩を形成しているスルホ基であり、より好ましくはナトリウム塩を形成しているスルホ基である)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは2〜6であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは2〜6であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(I)中、R21〜R24で表される基としては、好ましくは水素原子、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、より好ましくは水素原子、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン原子、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基、ニトロ基、メトキシカルボニル基であり、特に好ましくは水素原子、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基である。
21〜R24で表される基の少なくとも一つは、カルボキシル基又はスルホ基である。カルボキシル基又はスルホ基の置換位置については特に制限はないが、光活性作用の観点では、少なくとも1つのR21及び/又は少なくとも1つのR22がスルホ基であるのが好ましく、少なくとも1つのR21及び少なくとも1つのR22がスルホ基であるのがより好ましい。また、同観点から、少なくとも1つのR23及び/又は少なくとも1つのR24がカルボキシル基であるのが好ましく、少なくとも1つのR23及び少なくとも1つのR24がカルボキシル基であるのがより好ましい。カルボキシル基は、アゾ基に対してメタ位に置換したR23及びR24であるのがさらに好ましい。
一般式(I)において、mは1〜4の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、oは1〜5の整数を表し、pは1〜5の整数を表す。好ましくは、mは1〜2の整数、nは1〜2の整数、oは1〜2の整数、pは1〜2の整数である。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、以下の具体例に制限されるものではない。
本発明に用いられる光配向層は、波長550nmにおける平均屈折率が1.55以上1.8以下である光配向層であることが好ましい。より反射防止性能を向上させるという観点で、光吸収異方性層との屈折率差を小さくするため、波長550nmにおける平均屈折率は1.55〜1.7であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いられる光配向層は、波長550nmにおける面内の屈折率異方性Δnが0.05以上0.45以下であることが好ましい。0.1以上0.4以下であることがより好ましく、0.1以上0.3以下であることがさらに好ましい。
光配向層の屈折率異方性を適切に制御することで、より反射防止機能を向上させることができる。
本発明において、光配向層の厚さは、10nm〜10000nmの範囲であることが好ましく、10nm〜1000nmの範囲であることがより好ましく、10〜300nmの範囲であることが更に好ましい。光配向層の厚さを適切に制御することで、干渉を利用し、さらに反射防止性能を高めることができる。
光配向層形成用組成液は、光活性化合物以外の他の添加剤の1種以上を含んでいてもよい。例えば、添加剤は、光配向層形成用組成液の屈折率調整の目的として添加される。添加剤としては、光活性化合物との相溶性の観点から親水性基と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、配向能を著しく低下させない程度添加することができる。親水性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基等が挙げられる。
添加剤を、光配向層形成用組成液の屈折率調整の目的で用いる場合には、添加剤の屈折率は1.4〜1.6が好ましく、1.4〜1.55がより好ましい。
光配向層形成用組成液を基材上に塗布する方法としては、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法及びアプリケータ法等の塗布法や、フレキソ法等の印刷法などの公知の方法が採用される。なお、偏光子製造を、RolltoRoll形式の連続的製造方法により実施する場合、塗布方法としては、通常、グラビアコーティング法、ダイコーティング法又はフレキソ法等の印刷法が採用される。
上記材料から形成した光配向層に、直線偏光または非偏光照射を施し、光配向層を製造する。
本明細書において、「直線偏光照射」「非偏光照射」とは、光配向材料に光反応を生じせしめるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。光照射に用いる光のピーク波長は、200nm〜700nmが好ましく、光のピーク波長が400nm以下の紫外光がより好ましい。
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプおよびカーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー[例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザーおよびYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー]、発光ダイオード、ならびに、陰極線管などを挙げることができる。
直線偏光を得る手段としては、偏光板(例えば、ヨウ素偏光板、二色色素偏光板、および、ワイヤーグリッド偏光板)を用いる方法、プリズム系素子(例えば、グラントムソンプリズム)もしくはブリュースター角を利用した反射型偏光子を用いる方法、または、偏光を有するレーザー光源から出射される光を用いる方法が採用できる。また、フィルタまたは波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
照射する光は、直線偏光の場合には、配向層に対して上面、又は裏面から配向層表面に対して垂直、又は斜めから光を照射する方法が採用される。光の入射角度は、光配向材料によって異なるが、0〜90°(垂直)が好ましく、40〜90°が好ましい。
非偏光の場合には、配向層に対して、斜めから非偏光を照射する。その入射角度は、10〜80°が好ましく、20〜60°がより好ましく、30〜50°が更に好ましい。
照射時間は、1分〜60分が好ましく、1分〜10分がより好ましい。
パターン化が必要な場合には、フォトマスクを用いた光照射をパターン作製に必要な回数施す方法、または、レーザー光走査によるパターンの書き込みによる方法を採用できる。
〔光吸収異方性層〕
本発明の光学積層体が有する光吸収異方性層は、二色性物質を含有する層であり、二色性物質および液晶性化合物を含有する液晶組成物を用いて形成される層であることが好ましい。
<二色性物質>
光吸収異方性層および液晶組成物が含有する二色性物質は、特に限定されず、可視光吸収物質(二色性色素)、発光物質(蛍光物質、燐光物質)、紫外線吸収物質、赤外線吸収物質、非線形光学物質、カーボンナノチューブ、無機物質(例えば量子ロッド)、などが挙げられ、従来公知の二色性物質(二色性色素)を使用することができる。
具体的には、例えば、特開2013−228706号公報の[0067]〜[0071]段落、特開2013−227532号公報の[0008]〜[0026]段落、特開2013−209367号公報の[0008]〜[0015]段落、特開2013−14883号公報の[0045]〜[0058]段落、特開2013−109090号公報の[0012]〜[0029]段落、特開2013−101328号公報の[0009]〜[0017]段落、特開2013−37353号公報の[0051]〜[0065]段落、特開2012−63387号公報の[0049]〜[0073]段落、特開平11−305036号公報の[0016]〜[0018]段落、特開2001−133630号公報の[0009]〜[0011]段落、特開2011−215337号公報の[0030]〜[0169]、特開2010−106242号公報の[0021]〜[0075]段落、特開2010−215846号公報の[0011]〜[0025]段落、特開2011−048311号公報の[0017]〜[0069]段落、特開2011−213610号公報の[0013]〜[0133]段落、特開2011−237513号公報の[0074]〜[0246]段落、特開2016−006502号公報の[0005]〜[0051]段落、WO2016/060173号公報の[0005]〜[0041]段落、WO2016/136561号公報の[0008]〜[0062]段落、国際公開第2017/154835号の[0014]〜[0033]段落、国際公開第2017/154695号の[0014]〜[0033]段落、国際公開第2017/195833号の[0013]〜[0037]段落、国際公開第2018/164252号の[0014]〜[0034]段落などに記載されたものが挙げられる。
本発明においては、2種以上の二色性物質を併用してもよく、例えば、光吸収異方性層を黒色に近づける観点から、波長370〜550nmの範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の色素化合物(第1の二色性色素)と、波長500〜700nmの範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の色素化合物(第2の二色性色素)とを併用することが好ましい。
本発明においては、耐押圧性がより良好となる理由から、二色性物質が架橋性基を有していることが好ましい。
架橋性基としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、スチリル基などが挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
本発明においては、液晶組成物に含まれる二色性物質の含有量は、光吸収異方性層の配向度および均一性のバランスが良好となる観点から、固形分比率として2〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、5〜18質量%であることが更に好ましく、10〜15質量%であることが特に好ましい。
液晶組成物は、下記式(1)で表される二色性物質(以下、「特定二色性色素化合物」とも略す。)を含有することが好ましい。
ここで、式(1)中、A、AおよびAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。
また、式(1)中、LおよびLは、それぞれ独立に、置換基を表す。
また、式(1)中、mは、1〜4の整数を表し、mが2〜4の整数の場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。なお、mは、1または2であることが好ましい。
上記式(1)中、A、AおよびAが表す「置換基を有していてもよい2価の芳香族基」について説明する。
上記置換基としては、例えば、特開2011−237513号公報の[0237]〜[0240]段落に記載された置換基群Gが挙げられ、中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボニルなど)等が好適に挙げられ、アルキル基がより好適に挙げられ、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好適に挙げられる。
一方、2価の芳香族基としては、例えば、2価の芳香族炭化水素基および2価の芳香族複素環基が挙げられる。
上記2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜12のアリーレン基が挙げられ、具体的には、フェニレン基、クメニレン基、メシチレン基、トリレン基、キシリレン基等が挙げられる。中でもフェニレン基が好ましい。
また、上記2価の芳香族複素環基としては、単環または2環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基としては、具体的には、ピリジレン基(ピリジン−ジイル基)、キノリレン基(キノリン−ジイル基)、イソキノリレン基(イソキノリン−ジイル基)、ベンゾチアジアゾール−ジイル基、フタルイミド−ジイル基、チエノチアゾール−ジイル基(以下、「チエノチアゾール基」と略す。)等が挙げられる。
上記2価の芳香族基の中でも、2価の芳香族炭化水素基が好ましい。
ここで、A、AおよびAのうちいずれか1つが、置換基を有していてもよい2価のチエノチアゾール基であることも好ましい。なお、2価のチエノチアゾール基の置換基の具体例は、上述した「置換基を有していてもよい2価の芳香族基」における置換基と同じであり、好ましい態様も同じである。
また、A、AおよびAのうち、Aが2価のチエノチアゾール基であることがより好ましい。この場合には、AおよびAは、置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。
が2価のチエノチアゾール基である場合には、AおよびAの少なくとも一方が置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、AおよびAの両方が置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
上記式(1)中、LおよびLが表す「置換基」について説明する。
上記置換基としては、溶解性やネマティック液晶性を高めるために導入される基、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基、または、配向を固定化するために導入される架橋性基(重合性基)を有する基が好ましい。
例えば、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、スチリル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜15であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、オキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜15、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは2〜6であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、アゾ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
およびLが表す置換基として好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子、および、ヘテロ環基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、イミノ基、および、アゾ基である。
およびLの少なくとも一方は、架橋性基(重合性基)を含むことが好ましく、LおよびLの両方に架橋性基を含むことがより好ましい。
架橋性基としては、具体的には、特開2010−244038号公報の[0040]〜[0050]段落に記載された重合性基が挙げられ、反応性および合成適性の観点から、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、および、スチリル基が好ましく、アクリロイル基およびメタクリロイル基が好ましい。
およびLの好適な態様としては、上記架橋性基で置換されたアルキル基、上記架橋性基で置換されたジアルキルアミノ基、および、上記架橋性基で置換されたアルコキシ基が挙げられる。
(第2の二色性色素)
液晶組成物は、長波側で高い配向度を達成できるという観点で、下記式(2)で表される二色性物質を含有することが好ましい。
上記式(2)中、CおよびCは、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。ただし、CおよびCの少なくとも一方は、架橋性基を表す。
上記式(2)中、MおよびMは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。ただし、MおよびMの少なくとも一方は、主鎖の原子の数が4個以上である。
上記式(2)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基および置換基を有していてもよいビフェニレン基のいずれかの基を表す。
上記式(2)中、Eは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかの原子を表す。
上記式(2)中、Rは、水素原子または置換基を表す。
上記式(2)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
上記式(2)中、nは、0または1を表す。ただし、Eが窒素原子である場合には、nは1であり、Eが酸素原子または硫黄原子である場合には、nは0である。
式(2)において、CおよびCが表す1価の置換基について説明する。
およびCが表す1価の置換基としては、アゾ化合物の溶解性またはネマチック液晶性を高めるために導入される基、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基、または、配向を固定化するために導入される架橋性基(重合性基)が好ましい。
例えば、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、および、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2-ブテニル基、および、3-ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、および、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、3,5-ジトリフルオロメチルフェニル基、スチリル基、ナフチル基、および、ビフェニル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、および、アニリノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜15であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、および、ブトキシ基などが挙げられる)、オキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜15、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、および、フェノキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは2〜6であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、アクリロイル基、および、メタクリロイル基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、アセチルアミノ基、および、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、および、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、および、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、および、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチルチオ基、および、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メシル基、および、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルフィニル基、および、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、および、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、および、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、アゾ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、および、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、および、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、および、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
式(2)において、CおよびCの少なくとも一方は、架橋性基を表し、光吸収異方性層の耐久性がより優れるという点から、CおよびCの両方が架橋性基であることが好ましい。
架橋性基としては、具体的には、特開2010−244038号公報の[0040]〜[0050]段落に記載された重合性基が挙げられ、反応性および合成適性の観点から、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、または、スチリル基が好ましく、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
式(2)において、MおよびMが表す2価の連結基について説明する。
2価の連結基としては、例えば、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CO−NR−、−O−CO−NR−、−SO−、−SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、および、アルケニレン基、ならびに、これらの基を2つ以上組み合わせた基などが挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基と、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CO−NR−、−O−CO−NR−、−SO−および−SO−からなる群より選択される1種以上の基と、を組み合わせた基が好ましい。なお、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。
また、MおよびMの少なくとも一方は、主鎖の原子の数が4個以上であり、7個以上であることが好ましく、10個以上であることがより好ましい。また、主鎖の原子の数の上限値は、20個以下であることが好ましく、15個以下であることがより好ましい。
ここで、Mにおける「主鎖」とは、式(2)における「C」と「Ar」とを直接連結するために必要な部分を指し、「主鎖の原子の数」とは、上記部分を構成する原子の個数のことを指す。同様に、Mにおける「主鎖」とは、式(2)における「C」と「E」とを直接連結するために必要な部分を指し、「主鎖の原子の数」とは、上記部分を構成する原子の数のことを指す。なお、「主鎖の原子の数」には、後述する分岐鎖の原子の数は含まない。
具体的には、下記式(D7)においては、M1の主鎖の原子の数は6個(下記式(D7)の左側の点線枠内の原子の数)であり、M2の主鎖の原子の数は7個(下記式(D7)の右側の点線枠内の原子の数)である。
本発明においては、MおよびMの少なくとも一方が、主鎖の原子の数が4個以上の基であればよく、MおよびMの一方の主鎖の原子の数が4個以上であれば、他方の主鎖の原子数は3個以下であってもよい。
およびMの主鎖の原子の数の合計は、5〜30個が好ましく、7〜27個がより好ましい。主鎖の原子の数の合計が5個以上であることで、二色性物質がより重合しやすくなり、主鎖の原子の数の合計が30個以下であることで、配向度に優れた光吸収異方性層が得られたり、二色性物質の融点が上がり耐熱性に優れた光吸収異方性層が得られたりする。
およびMは、分岐鎖を有していてもよい。ここで、Mにおける「分岐鎖」とは、式(2)におけるCとArとを直接連結するために必要な部分以外の部分をいう。同様に、Mにおける「分岐鎖」とは、式(2)におけるCとEとを直接連結するために必要な部分以外の部分をいう。
分岐鎖の原子の数は、3個以下であることが好ましい。分岐鎖の原子の数が3個以下であることで、光吸収異方性層の配向度がより向上するなどの利点がある。なお、分岐鎖の原子の数には、水素原子の数は含まれない。
以下にMおよびMの好ましい構造を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記構造中「*」は、CとArとの連結部、または、CとEとの連結部を表す。
式(2)におけるArおよびArが表す、「置換基を有していてもよいフェニレン基」、「置換基を有していてもよいナフチレン基」、および、「置換基を有していてもよいビフェニレン基」について説明する。
置換基としては、特に限定されず、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、オキシカルボニル基、チオアルキル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルフィニル基、および、ウレイド基などが挙げられる。これらの置換基はさらにこれらの置換基で置換されていてもよい。これらの中でも、アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましく、原材料の入手が容易であることおよび配向度の観点から、メチル基およびエチル基が好ましい。
ArおよびArは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、または、置換基を有していてもよいビフェニレン基であるが、置換基を有していてもよい原材料の入手が容易であることおよび配向度の観点から、フェニレン基であることが好ましい。
式(2)において、Arと連結する「M」および「N」は、Arにおけるパラ位に位置することが好ましい。また、Arと連結する「E」および「N」は、Arにおけるパラ位に位置することが好ましい。
上記式(2)中、Eは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかの原子を表し、合成適性の観点からは窒素原子であることが好ましい。
また、二色性物質を短波長側に吸収を持つもの(例えば、500〜530nm付近に極大吸収波長を持つもの)にすることが容易になるという観点からは、上記式(2)におけるEは、酸素原子であることが好ましい。
一方、二色性物質を長波長側に吸収を持つもの(例えば、600nm付近に極大吸収波長を持つもの)にすることが容易になるという観点からは、上記式(2)におけるEは、窒素原子であることが好ましい。
上記式(2)中、Rは、水素原子または置換基を表す。
が表す「置換基」の具体例および好適態様は、上述したArおよびArにおける置換基と同じであり、好ましい態様も同じであるので、その説明を省略する。
上記式(2)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表し、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましい。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、エステル基、エーテル基、および、チオエーテル基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。中でも、炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましい。
なお、Rは、Eが窒素原子である場合に式(2)中で存在する基となる(すなわち、n=1の場合を意味する)。一方で、Rは、Eが酸素原子または硫黄原子である場合、式(2)中で存在しない基となる(すなわち、n=0の場合を意味する)。
上記式(2)中、nは、0または1を表す。ただし、Eが窒素原子である場合には、nは1であり、Eが酸素原子または硫黄原子である場合には、nは0である。
以下に、上記式(2)で表される第2の二色性色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(第1の二色性色素)
液晶組成物は、短波側で高い配向度を達成できるという観点で、下記式(3)で表される二色性物質を含有することが好ましい。
式(3)中、AおよびBは、それぞれ独立に、架橋性基を表す。
式(3)中、aおよびbは、それぞれ独立に、0または1を表す。ただし、a+b≧1である。
式(3)中、a=0の場合にはLは1価の置換基を表し、a=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。また、b=0の場合にはLは1価の置換基を表し、b=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。
式(3)中、Arは(n1+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Arは(n2+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Arは(n3+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
式(3)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。n1≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、n2≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、n3≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
式(3)中、kは、1〜4の整数を表す。k≧2の場合には、複数のArは互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
式(3)中、n1、n2およびn3は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。ただし、k=1の場合にはn1+n2+n3≧0であり、k≧2の場合にはn1+n2+n3≧1である。
式(3)において、AおよびBが表す架橋性基としては、例えば、特開2010−244038号公報の[0040]〜[0050]段落に記載された重合性基が挙げられる。これらの中でも、反応性および合成適性の向上の観点から、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、および、スチリル基が好ましく、溶解性をより向上できるという観点から、アクリロイル基およびメタクリロイル基がより好ましい。
式(3)において、aおよびbはそれぞれ独立に、0または1を表すが、a+b≧1である。すなわち、二色性物質は、末端に少なくとも1つの架橋性基を有する。
ここで、aおよびbは両方が1であること、すなわち架橋性基が二色性物質の両末端に導入されていることが好ましい。これにより、二色性物質の溶解性がより向上したり、光吸収異方性層の耐久性が向上するという利点がある。
式(3)において、a=0の場合にはLは1価の置換基を表し、a=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。また、b=0の場合にはLは1価の置換基を表し、b=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。
およびLは、両方が単結合または2価の連結基であることが好ましく、両方が2価の連結基であることが好ましい。これにより、二色性物質の溶解性がより向上する。
およびLが表す1価の置換基としては、二色性物質の溶解性を高めるために導入される基、または、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基が好ましい。
例えば、置換基としては、
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基などが挙げられる)、
アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、3,5-ジトリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、および、ビフェニル基などが挙げられる)、
置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜15であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、
オキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜15、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などが挙げられる)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは2〜6であり、例えば、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えばアセチルアミノ基およびベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、
スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、
シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)、
ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、および、アゾ基、などを用いることができる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
上記置換基がさらに上記置換基によって置換された基としては、例えば、アルコキシ基がアルキル基で置換された基である、R−(O−Rna−基が挙げられる。ここで、式中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、naは1〜10(好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3)の整数を表す。
これらの中でも、LおよびLが表す1価の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、および、これらの基がさらにこれらの基によって置換された基(例えば、上述したR−(O−Rna−基)が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、および、これらの基がさらにこれらの基によって置換された基(例えば、上述したR−(O−Rna−基)がより好ましい。
およびLが表す2価の連結基としては、例えば、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CO−NR−、−O−CO−NR−、−NR−CO−NR−、−SO−、−SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、および、アルケニレン基、ならびに、これらの基を2つ以上組み合わせた基などが挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基と、−O−、−COO−、−OCO−および−O−CO−O−からなる群より選択される1種以上の基と、を組み合わせた基が好ましい。
ここで、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。Rが複数存在する場合には、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
二色性物質の溶解性がより向上するという観点からは、LおよびLの少なくとも一方の主鎖の原子の数は、3個以上であることが好ましく、5個以上であることがより好ましく、7個以上であることがさらに好ましく、10個以上であることが特に好ましい。また、主鎖の原子の数の上限値は、20個以下であることが好ましく、12個以下であることがより好ましい。
一方で、光吸収異方性層の配向度がより向上するという観点からは、LおよびLの少なくとも一方の主鎖の原子の数は、1〜5個であることが好ましい。
ここで、式(3)におけるAが存在する場合には、Lにおける「主鎖」とは、Lと連結する「O」原子と、「A」と、を直接連結するために必要な部分を指し、「主鎖の原子の数」とは、上記部分を構成する原子の個数のことを指す。同様に、式(3)におけるBが存在する場合には、Lにおける「主鎖」とは、Lと連結する「O」原子と、「B」と、を直接連結するために必要な部分を指し、「主鎖の原子の数」とは、上記部分を構成する原子の数のことを指す。なお、「主鎖の原子の数」には、後述する分岐鎖の原子の数は含まない。
また、Aが存在しない場合には、Lにおける「主鎖の原子の数」とは、分岐鎖を含まないLの原子の個数のことをいう。Bが存在しない場合には、Lにおける「主鎖の原子の数」とは、分岐鎖を含まないLの原子の個数のことをいう。
具体的には、下記式(D1)においては、Lの主鎖の原子の数は5個(下記式(D1)の左側の点線枠内の原子の数)であり、Lの主鎖の原子の数は5個(下記式(D1)の右側の点線枠内の原子の数)である。また、下記式(D10)においては、Lの主鎖の原子の数は7個(下記式(D10)の左側の点線枠内の原子の数)であり、Lの主鎖の原子の数は5個(下記式(D10)の右側の点線枠内の原子の数)である。
およびLは、分岐鎖を有していてもよい。
ここで、式(3)においてAが存在する場合には、Lにおける「分岐鎖」とは、式(3)におけるLと連結する「O」原子と、「A」と、を直接連結するために必要な部分以外の部分をいう。同様に、式(3)においてBが存在する場合には、Lにおける「分岐鎖」とは、式(3)におけるLと連結する「O」原子と、「B」と、を直接連結するために必要な部分以外の部分をいう。
また、式(3)においてAが存在しない場合には、Lにおける「分岐鎖」とは、式(3)におけるLと連結する「O」原子を起点として延びる最長の原子鎖(すなわち主鎖)以外の部分をいう。同様に、式(3)においてBが存在しない場合には、Lにおける「分岐鎖」とは、式(3)におけるLと連結する「O」原子を起点として延びる最長の原子鎖(すなわち主鎖)以外の部分をいう。
分岐鎖の原子の数は、3以下であることが好ましい。分岐鎖の原子の数が3以下であることで、光吸収異方性層の配向度がより向上するなどの利点がある。なお、分岐鎖の原子の数には、水素原子の数は含まれない。
式(3)において、Arは(n1+2)価(例えば、n1が1である時は3価)、Arは(n2+2)価(例えば、n2が1である時は3価)、Arは(n3+2)価(例えば、n3が1である時は3価)、の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。ここで、Ar〜Arはそれぞれ、n1〜n3個の置換基(後述するR〜R)で置換された2価の芳香族炭化水素基または2価の複素環基と換言できる。
Ar〜Arが表す2価の芳香族炭化水素基としては、単環であっても、2環以上の縮環構造を有していてもよい。2価の芳香族炭化水素基の環数は、溶解性がより向上するという観点から、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましく、1(すなわちフェニレン基であること)がさらに好ましい。
2価の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニレン基、アズレン−ジイル基、ナフチレン基、フルオレン−ジイル基、アントラセン−ジイル基およびテトラセン−ジイル基などが挙げられ、溶解性がより向上するという観点から、フェニレン基およびナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
2価の複素環基としては、芳香族または非芳香族のいずれであってもよいが、配向度がより向上するという観点から、2価の芳香族複素環基であることが好ましい。
2価の芳香族複素環基は、単環であってもよいし、2環以上の縮環構造を有していてもよい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
芳香族複素環基の具体例としては、例えば、ピリジレン基(ピリジン−ジイル基)、チエニレン(チオフェン−ジイル基)、キノリレン基(キノリン−ジイル基)、イソキノリレン基(イソキノリン−ジイル基)、チアゾール−ジイル基、ベンゾチアジアゾール−ジイル基、フタルイミド−ジイル基、チエノチアゾール−ジイル基(本発明において、「チエノチアゾール基」という。)、チエノチオフェン−ジイル基、および、チエノオキサゾール−ジイル基等が挙げられる。
上記の中でも、2価の芳香族複素環基としては、単環または下記構造式で表される2環の縮環構造を有する基が好ましく用いることができる。なお、下記構造式において、「*」は、一般式(3)におけるアゾ基または酸素原子との結合位置を示す。
式(3)において、Ar〜Arは、2価の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニレン基が好ましい。
ここで、Arがフェニレン基である場合には、Arに結合する酸素原子とアゾ基とが、メタ位またはパラ位に位置することが好ましく、パラ位に位置することが好ましい。これにより、光吸収異方性層の配向度がより向上する。同様の観点から、Arがフェニレン基である場合には、Arに結合する2つのアゾ基が、メタ位またはパラ位に位置することが好ましく、パラ位に位置することが好ましい。同様に、Arがフェニレン基である場合には、Arに結合する酸素原子とアゾ基とが、メタ位またはパラ位に位置することが好ましく、パラ位に位置することが好ましい。
式(3)において、Ar、ArおよびArが縮環構造である場合には、縮環構造を構成する複数の環がいずれも、式(3)で表される構造の長手方向に沿って連結していることが好ましい。これにより、二色性物質の分子が長手方向と交差する方向(短手方向)に嵩高くなることを抑制できるので、分子の配向性が良好となり、光吸収異方性層の配向度がより向上する。
ここで、式(3)で表される構造の長手方向とは、式(3)で表される構造の延びる方向のことをいい、具体的には、Ar、ArおよびArに結合するアゾ基の結合手およびエーテル結合(酸素原子)の結合手が延びる方向のことをいう。
縮環構造を構成する複数の環の全てが式(3)で表される構造の長手方向に沿って連結している態様の具体例として、式(Ar−1)で表される縮環構造を以下に示す。すなわち、Ar、ArおよびArが縮環構造である場合には、以下の式(A−1)で表される縮環構造を有していることが好ましい。
上記式(Ar−1)において、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立に、ベンゼン環または単環の複素環を表す。nは、0以上の整数を表す。*は、一般式(3)におけるアゾ基または酸素原子との結合位置を表す。
上記式(Ar−1)における単環の複素環としては、単環の芳香族複素環が好ましい。単環の芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。単環の芳香族複素環としては、具体的には、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環およびオキサゾール環等が挙げられる。
また、Ar、ArおよびArは、置換基を有していてもよい。このような置換基としては、後述するR〜Rにおける1価の置換基が挙げられる。
nは、0以上の整数を表すが、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましく、0がさらに好ましい。
式(3)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。
、RおよびRが表す1価の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、フッ化アルキル基、−O−(CO)m−R’、−O−(CO)m−R’、アルキルチオ基、オキシカルボニル基、チオアルキル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルフィニル基、または、ウレイド基が好ましい。ここで、R’は水素原子、メチル基またはエチル基を表し、mは1〜6の整数を表す。これらの置換基は、さらにこれらの置換基で置換されていてもよい。
これらの中でも、R、RおよびRが表す1価の置換基は、二色性物質の溶解性がより向上するという観点から、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、−O−(CO)m−R’、または、−O−(CO)m−R’が好ましく、トリフルオロメチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、−O−(CO)m−R’、または、−O−(CO)m−R’がより好ましい。
、RおよびRが表す1価の置換基において、主鎖の原子の数は、二色性物質の溶解性および光吸収異方性層の配向性のバランスの観点から、1〜15が好ましく、1〜12がより好ましい。ここで、R、RおよびRが表す1価の置換基において、「主鎖の原子の数」とは、分岐鎖を含まないR、RまたはRの原子の個数のことをいう。また、「分岐鎖」とは、式(3)におけるAr〜Arのいずれかを起点として延びる最長の原子鎖(すなわち主鎖)以外の部分をいう。
上記式(3)がR、RおよびRから選択される少なくとも1つ以上の置換基を有する場合において、下記条件(R1)〜条件(R3)から選択される少なくとも1つの条件を満たすことが好ましい。これにより、二色性物質の溶解性がより向上する。
条件(R1):Arにおいて、少なくとも1つのRと、アゾ基と、が隣り合う位置にあること
条件(R2):Arにおいて、少なくとも1つのRと、少なくとも1つのアゾ基と、が隣り合う位置にあること
条件(R3):Arにおいて、少なくとも1つのRと、アゾ基と、が隣り合う位置にあること
条件(R1)の具体例としては、Arがフェニレン基である場合に、Arに結合するアゾ基に対するオルト位にRが位置する態様が挙げられる。条件(R2)の具体例としては、Arがフェニレン基である場合に、少なくとも1つのアゾ基に対するオルト位にRが位置する態様が挙げられる。条件(R3)の具体例としては、Arがフェニレン基である場合において、Arに結合するアゾ基に対するオルト位にRが位置する態様が挙げられる。
式(3)において、kは1〜4の整数を表す。ここで、優れた溶解性を担保しつつ、耐光性にも優れるという観点からはkが2以上であることが好ましい。一方で、二色性物質の溶解性により優れるという観点からは、kが1であることが好ましい。
式(3)において、n1、n2およびn3は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、0〜3が好ましい。
ここで、k=1の場合にはn1+n2+n3≧0である。すなわち、式(3)がビスアゾ構造を有する場合には、置換基(式(3)のR〜R)の有無に関わらず、十分な溶解性が得られるが、溶解性をより向上する観点からは置換基を有していることが好ましい。
k=1の場合には、n1+n2+n3は、0〜9が好ましく、1〜9がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
一方で、k≧2の場合にはn1+n2+n3≧1である。すなわち、式(3)がトリスアゾ構造、テトラキスアゾ構造、またはペンタキスアゾ構造を有する場合には、置換基(式(3)のR〜R)を少なくとも1つ有する。
k≧2の場合には、n1+n2+n3は、1〜9が好ましく、1〜5がより好ましい。
以下に、上記式(3)で表される第1の二色性色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例中、nは、1〜10の整数を表す。
本発明において、二色性物質とは、方向によって吸光度が異なる物質を意味する。
二色性物質は、液晶性を示してもよいし、液晶性を示さなくてもよい。
二色性物質が液晶性を示す場合には、ネマチック性またはスメクチック性のいずれを示してもよい。液晶相を示す温度範囲は、室温(約20℃〜28℃)〜300℃が好ましく、取扱い性および製造適性の観点から、50℃〜200℃であることがより好ましい。
液晶組成物は、二色性物質を1種単独で含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
<液晶性化合物>
光吸収異方性層の形成に用いられる液晶組成物は、液晶性化合物を含有する。液晶性化合物を含むことで、二色性物質の析出を抑止しながら、二色性物質を高い配向度で配向させることができる。
本発明における液晶性化合物とは、二色性を示さない液晶性化合物である。
液晶性化合物としては、低分子液晶性化合物および高分子液晶性化合物のいずれも用いることができる。ここで、「低分子液晶性化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有さない液晶性化合物のことをいう。また、「高分子液晶性化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有する液晶性化合物のことをいう。
低分子液晶性化合物としては、例えば、特開2013−228706号公報に記載されている液晶性化合物が挙げられる。
高分子液晶性化合物としては、例えば、特開2011−237513号公報に記載されているサーモトロピック液晶性高分子が挙げられる。また、高分子液晶性化合物は、末端に架橋性基(例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)を有していてもよい。
液晶性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶性化合物を含有する場合において、液晶性化合物の含有量は、固形分比率として、75〜95質量部が好ましく、75〜90質量部がより好ましく、80〜90質量部がさらに好ましい。液晶性化合物の含有量が上記範囲内にあることで、光吸収異方性層の配向度がより向上する。
(低分子液晶性化合物)
低分子液晶性化合物としては、下記式(4)で表されるものが好ましい。
U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (4)
ここで、上記式(4)中、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X1、X2およびX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。
Y1およびY2は、それぞれ独立に、−CHCH−、−CHO−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−またはCRa=N−を表す。RaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
U1は、水素原子または重合性基を表す。
U2は、重合性基を表す。
W1およびW2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−または−OCOO−を表す。
V1およびV2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NH−に置き換わっていてもよい。
X1、X2およびX3のうち少なくとも2つが、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であると好ましい。
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基は、無置換であることが好ましい。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基は、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基であることが好ましく、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基は無置換であることが好ましい。
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基が任意に有する置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基およびハロゲン原子が挙げられる。
Y1は、−CHCH−、−COO−または単結合であることが好ましく、Y2は、−CHCH−またはCHO−であることが好ましい。
U2は、重合性基である。U1は、水素原子または重合性基であり、好ましくは重合性基である。U1およびU2がともに重合性基であることが好ましく、ともに光重合性基であることが好ましい。”光重合性基”とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合反応に関与し得る基のことを意味する。
U1で示される光重合性基とU2で示される重合性基とは、互いに異なっていてもよいが、同じ種類の基であることが好ましい。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
V1およびV2で表されるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基およびイコサン−1,20−ジイル基が挙げられる。V1およびV2は、好ましくは炭素数2〜12のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数6〜12のアルカンジイル基である。
アルカンジイル基が任意に有する置換基としては、シアノ基およびハロゲン原子が挙げられるが、アルカンジイル基は、無置換であることが好ましく、無置換且つ直鎖状のアルカンジイル基であることがより好ましい。
W1およびW2は、互いに独立に、好ましくは単結合またはO−である。
低分子液晶性化合物の具体例としては、式(B−1)〜式(B−25)で表される化合物が挙げられる。低分子液晶性化合物がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する場合、そのシクロヘキサン−1,4−ジイル基は、トランス体であることが好ましい。



中でも、式(B−2)、式(B−3)、式(B−4)、式(B−5)、式(B−6)、式(B−7)、式(B−8)、式(B−13)、式(B−14)、式(B−15)、式(B−16)および式(B−17)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
例示した低分子液晶性化合物は、単独又は組み合わせて、使用することができる。また、2種以上の低分子液晶性化合物を組み合わせる場合には、少なくとも1種が低分子液晶性化合物であると好ましく、2種以上が低分子液晶性化合物であるとより好ましい。組み合わせることにより、液晶−結晶相転移温度以下の温度でも一時的に液晶性を保持することができる場合がある。2種類の低分子液晶性化合物を組み合わせる場合の混合比としては、通常、1:99〜50:50であり、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜50:50である。
低分子液晶性化合物が示す液晶状態は、スメクチック相であることが好ましく、配向秩序度のより高い偏光層を製造することができるという点で、高次スメクチック相であることがより好ましい。”高次スメクチック相”とは、スメクチックB相、スメクチックD相、スメクチックE相、スメクチックF相、スメクチックG相、スメクチックH相、スメクチックI相、スメクチックJ相、スメクチックK相およびスメクチックL相を意味し、中でも、スメクチックB相、スメクチックF相およびスメクチックI相がより好ましい。配向秩序度の高い偏光層は、X線回折測定においてヘキサチック相やクリスタル相といった高次構造由来のブラッグピークが得られる。”ブラッグピーク”とは、分子配向の面周期構造に由来するピークを意味し、周期間隔が3.0〜5.0Åである偏光層が好ましい。
低分子液晶性化合物は、例えば、Lub et al. Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,115, 321−328(1996)、又は特許第4719156号などに記載の公知方法で製造される。
(高分子液晶性化合物)
高分子液晶性化合物としては、後述する式(5)で表される繰り返し単位を含む高分子液晶化合物を含有することが好ましい。後述する式(5)において、P1(以下、「主鎖」ともいう。)、L1、およびSP1(以下、「スペーサー基」ともいう。)のlogP値と、M1(以下、「メソゲン基」ともいう。)のlogP値との差が、4以上である。
上記高分子液晶性化合物を用いることで、配向度の高い光吸収異方性層を形成できる。この理由の詳細は明らかではないが、概ね以下のように推定している。
logP値は、化学構造の親水性および疎水性の性質を表現する指標である。後述する式(5)で表される繰り返し単位は、主鎖、L1およびスペーサー基のlogP値と、メソゲン基のlog値と、が所定値以上離れているので、主鎖からスペーサー基までの構造とメソゲン基との相溶性が低い状態にある。これにより、高分子液晶化合物の結晶性が高くなり、高分子液晶化合物の配向度が高い状態にあると推測される。このように、高分子液晶化合物の配向度が高いと、高分子液晶化合物と二色性物質との相溶性が低下して(すなわち、二色性物質の結晶性が向上する)、二色性物質の配向度が向上すると推測される。その結果、得られる光吸収異方性層の配向度が高くなると考えられる。
本発明において好ましい高分子液晶化合物は、下記式(5)で表される繰り返し単位(本明細書において、「繰り返し単位(5)」ともいう。)を含む。また、繰り返し単位(5)において、P1、L1およびSP1のlogP値と、M1のlogP値との差が4以上である。
式(5)中、P1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、SP1はスペーサー基を表し、M1はメソゲン基を表し、T1は末端基を表す。ただし、M1が連結基を有する場合、連結基としてアゾ基を含まない。
P1が表す繰り返し単位の主鎖としては、具体的には、例えば、下記式(P1−A)〜(P1−D)で表される基が挙げられ、なかでも、原料となる単量体の多様性および取り扱いが容易である観点から、下記式(P1−A)で表される基が好ましい。
式(P1−A)〜(P1−D)において、「*」は、式(5)におけるL1との結合位置を表す。式(P1−A)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。式(P1−D)において、Rはアルキル基を表す。
式(P1−A)で表される基は、(メタ)アクリル酸エステルの重合によって得られるポリ(メタ)アクリル酸エステルの部分構造の一単位であることが好ましい。
式(P1−B)で表される基は、エチレングリコールを重合して得られるポリエチレングリコールにおけるエチレングリコール単位であることが好ましい。
式(P1−C)で表される基は、プロピレングリコールを重合して得られるプロピレングリコール単位であることが好ましい。
式(P1−D)で表される基は、シラノールの縮重合によって得られるポリシロキサンのシロキサン単位であることが好ましい。ここで、シラノールは、式Si(R(OH)で表される化合物である。式中、複数のRはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。ただし、複数のRの少なくとも1つはアルキル基を表す。
L1は、単結合または2価の連結基である。
L1が表す2価の連結基としては、−C(O)O−、−OC(O)−、−O−、−S−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−SO−、および、−NR−などが挙げられる。式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
P1が式(P1−A)で表される基である場合には、L1は−C(O)O−で表される基が好ましい。
P1が式(P1−B)〜(P1−D)で表される基である場合には、L1は単結合が好ましい。
SP1が表すスペーサー基は、液晶性を発現しやすいことや、原材料の入手性などの理由から、オキシエチレン構造、オキシプロピレン構造、ポリシロキサン構造およびフッ化アルキレン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含むことが好ましい。
ここで、SP1が表すオキシエチレン構造は、*−(CH−CHO)n1−*で表される基が好ましい。式中、n1は1〜20の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すオキシプロピレン構造は、*−(CH(CH)−CHO)n2−*で表される基が好ましい。式中、n2は1〜3の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すポリシロキサン構造は、*−(Si(CH−O)n3−*で表される基が好ましい。式中、n3は6〜10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すフッ化アルキレン構造は、*−(CF−CFn4−*で表される基が好ましい。式中、n4は6〜10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
M1が表すメソゲン基とは、液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格を示す基である。液晶分子は、結晶状態と等方性液体状態の中間の状態(メソフェーズ)である液晶性を示す。メソゲン基については特に制限はなく、例えば、「Flussige Kristalle in Tabellen II」(VEB Deutsche Verlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)、特に第7頁〜第16頁の記載、および、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載、を参照することができる。
メソゲン基としては、例えば、芳香族炭化水素基、複素環基、および脂環式基からなる群より選択される少なくとも1種の環状構造を有する基が好ましい。
メソゲン基としては、液晶性の発現、液晶相転移温度の調整、原料入手性および合成適性という観点から、下記式(M1−A)または下記式(M1−B)で表される基が好ましい。
式(M1−A)中、A1は、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。これらの基は、アルキル基、フッ化アルキル基またはアルコキシ基などの置換基で置換されていてもよい。
A1で表される2価の基は、4〜6員環であることが好ましい。また、A1で表される2価の基は、単環でも、縮環であってもよい。
*は、SP1またはT1との結合位置を表す。
A1が表す2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレン−ジイル基、アントラセン−ジイル基およびテトラセン−ジイル基などが挙げられ、メソゲン骨格の設計の多様性や原材料の入手性などの観点から、フェニレン基またはナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
A1が表す2価の複素環基としては、芳香族または非芳香族のいずれであってもよいが、配向度がより向上するという観点から、2価の芳香族複素環基であることが好ましい。
2価の芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
2価の芳香族複素環基の具体例としては、例えば、ピリジレン基(ピリジン−ジイル基)、ピリダジン−ジイル基、イミダゾール−ジイル基、チエニレン(チオフェン−ジイル基)、キノリレン基(キノリン−ジイル基)、イソキノリレン基(イソキノリン−ジイル基)、オキサゾール−ジイル基、チアゾール−ジイル基、オキサジアゾール−ジイル基、ベンゾチアゾール−ジイル基、ベンゾチアジアゾール−ジイル基、フタルイミド−ジイル基、チエノチアゾール−ジイル基、チアゾロチアゾール−ジイル基、チエノチオフェン−ジイル基、および、チエノオキサゾール−ジイル基などが挙げられる。
A1が表す2価の脂環式基の具体例としては、シクロペンチレン基およびシクロへキシレン基などが挙げられる。
式(M1−A)中、a1は1〜10の整数を表す。a1が2以上である場合には、複数のA1は同一でも異なっていてもよい。
式(M1−B)中、A2およびA3はそれぞれ独立に、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。A2およびA3の具体例および好適態様は、式(M1−A)のA1と同様であるので、その説明を省略する。
式(M1−B)中、a2は1〜10の整数を表し、a2が2以上である場合には、複数のA2は同一でも異なっていてもよく、複数のA3は同一でも異なっていてもよく、複数のLA1は同一でも異なっていてもよい。
式(M1−B)中、a2が1である場合には、LA1は2価の連結基である。a2が2以上である場合には、複数のLA1はそれぞれ独立に、単結合または2価の連結基であり、複数のLA1のうち少なくとも1つが2価の連結基である。
式(M1−B)中、LA1が表す2価の連結基としては、−O−、−(CH−、−(CF−、−Si(CH−、−(Si(CHO)−、−(OSi(CH−(gは1〜10の整数を表す。)、−N(Z)−、−C(Z)=C(Z’)−、−C(Z)=N−、−N=C(Z)−、−C(Z)−C(Z’)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−O−C(O)O−、−N(Z)C(O)−、−C(O)N(Z)−、−C(Z)=C(Z’)−C(O)O−、−O−C(O)−C(Z)=C(Z’)−、−C(Z)=N−、−N=C(Z)−、−C(Z)=C(Z’)−C(O)N(Z”)−、−N(Z”)−C(O)−C(Z)=C(Z’)−、−C(Z)=C(Z’)−C(O)−S−、−S−C(O)−C(Z)=C(Z’)−(Z、Z’、Z”は独立に、水素、C1〜C4アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、または、ハロゲン原子を表す。)、−C≡C−、−S−、−S(O)−、−S(O)(O)−、−(O)S(O)O−、−O(O)S(O)O−、−SC(O)−、および、−C(O)S−などが挙げられる。LA1は、これらの基を2つ以上組み合わせた基であってもよい。
なお、LA1が表す2価の連結基としては、−N=N−は黄色の着色あるため好ましくなく、本特許には含まれない。
M1の具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。なお、下記具体例において、「Ac」は、アセチル基を表す。
T1が表す末端基としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数1〜10のオキシカルボニル基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、炭素数1〜10のアシルアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜10のスルホニルアミノ基、炭素数1〜10のスルファモイル基、炭素数1〜10のカルバモイル基、炭素数1〜10のスルフィニル基、および、炭素数1〜10のウレイド基などが挙げられる。これらの末端基は、これらの基、または、特開2010−244038号公報に記載の重合性基によって、さらに置換されていてもよい。
T1の主鎖の原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、1〜7が特に好ましい。T1の主鎖の原子数が20以下であることで、光吸収異方性層の配向度がより向上する。ここで、T1おける「主鎖」とは、M1と結合する最も長い分子鎖を意味し、水素原子はT1の主鎖の原子数にカウントしない。例えば、T1がn−ブチル基である場合には主鎖の原子数は4であり、T1がsec−ブチル基である場合の主鎖の原子数は3である。
繰り返し単位(5)の含有量は、高分子液晶化合物が有する全繰り返し単位100質量%に対して、20〜100質量%が好ましく、30〜99.9質量%がより好ましく、40〜99.0質量%がさらに好ましい。
本発明において、高分子液晶化合物に含まれる各繰り返し単位の含有量は、各繰り返し単位を得るために使用される各単量体の仕込み量(質量)に基づいて算出される。
繰り返し単位(5)は、高分子液晶化合物中において、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。高分子液晶化合物が繰り返し単位(5)を2種以上含むと、高分子液晶化合物の溶媒に対する溶解性が向上すること、および、液晶相転移温度の調整が容易になることなどの利点がある。繰り返し単位(5)を2種以上含む場合には、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。
繰り返し単位(5)を2種以上含む場合には、T1に重合性基を含まない繰り返し単位(5)と、T1に重合性基を含む繰り返し単位(5)と、を併用してもよい。これにより、光吸収異方性層の硬化性がより向上する。
この場合、高分子液晶化合物中における、T1に重合性基を含まない繰り返し単位(5)に対する、T1に重合性基を含む繰り返し単位(5)の割合(T1に重合性基を含む繰り返し単位(5)/T1に重合性基を含まない繰り返し単位(5))が、質量比で0.005〜4が好ましく、0.01〜2.4がより好ましい。質量比が4以下であると、配向度に優れるという利点がある。質量比が0.05以上であると、光吸収異方性層の硬化性がより向上する。
(logP値)
式(5)において、P1、L1およびSP1のlogP値(以下、「logP」ともいう。)と、M1のlogP値(以下、「logP」ともいう。)との差(|logP−logP|)が4以上であり、光吸収異方性層の配向度がより向上する観点から、4.25以上が好ましく、4.5以上がより好ましい。
また、上記差の上限値は、液晶相転移温度の調整および合成適性という観点から、15以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。
ここで、logP値は、化学構造の親水性および疎水性の性質を表現する指標であり、親疎水パラメータと呼ばれることがある。logP値は、ChemBioDraw UltraまたはHSPiP(Ver.4.1.07)などのソフトウェアを用いて計算できる。また、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals,Sections 1,Test No.117の方法などにより、実験的に求めることもできる。本発明では特に断りのない限り、HSPiP(Ver.4.1.07)に化合物の構造式を入力して算出される値をlogP値として採用する。
上記logPは、上述したように、P1、L1およびSP1のlogP値を意味する。「P1、L1およびSP1のlogP値」とは、P1、L1およびSP1を一体とした構造のlogP値を意味しており、P1、L1およびSP1のそれぞれのlogP値を合計したものではない、具体的には、logPは、式(5)におけるP1〜SP1までの一連の構造式を上記ソフトウェアに入力することで算出される。
ただし、logPの算出にあたって、P1〜SP1までの一連の構造式のうち、P1で表される基の部分に関しては、P1で表される基そのものの構造(例えば、上述した式(P1−A)〜式(P1−D)など)を用いてもよいし、式(5)で表される繰り返し単位を得るために使用する単量体を重合した後にP1になりうる基の構造を用いてもよい。
ここで、後者(P1になりうる基)の具体例は、次の通りである。P1が(メタ)アクリル酸エステルの重合によって得られる場合には、CH=C(R)−で表される基(Rは、水素原子またはメチル基を表す。)である。また、P1がエチレングリコールの重合によって得られる場合にはエチレングリコールであり、P1がプロピレングリコールの重合により得られる場合にはプロピレングリコールである。また、P1がシラノールの重縮合により得られる場合にはシラノール(式Si(R(OH)で表される化合物。複数のRはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。ただし、複数のRの少なくとも1つはアルキル基を表す。)である。
logPは、上述したlogPとの差が4以上であれば、logPよりも低くてもよいし、logPよりも高くてもよい。
ここで、一般的なメソゲン基のlogP値(上述したlogP)は、4〜6の範囲内になる傾向がある。このとき、logPがlogPよりも低い場合には、logPの値は、1以下が好ましく、0以下がより好ましい。一方で、logPがlogPよりも高い場合には、logPの値は、8以上が好ましく、9以上がより好ましい。
上記式(5)におけるP1が(メタ)アクリル酸エステルの重合によって得られ、かつ、logPがlogPよりも低い場合には、上記式(5)におけるSP1のlogP値は、0.7以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。一方、上記式(5)におけるP1が(メタ)アクリル酸エステルの重合によって得られ、かつ、logPがlogPよりも高い場合には、上記式(5)におけるSP1のlogP値は、3.7以上が好ましく、4.2以上がより好ましい。
なお、logP値が1以下の構造としては、例えば、オキシエチレン構造およびオキシプロピレン構造などが挙げられる。logP値が6以上の構造としては、ポリシロキサン構造およびフッ化アルキレン構造などが挙げられる。
高分子液晶化合物の重量平均分子量(Mw)は、1000〜500000が好ましく、3000〜100000がより好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。高分子液晶化合物のMwが上記範囲内にあれば、高分子液晶化合物の取り扱いが容易になる。
特に、塗布時のクラック抑制の観点から、高分子液晶化合物の重量平均分子量(Mw)は、10000以上が好ましく、10000〜100000がより好ましい。
また、配向度の温度ラチチュードの観点から、高分子液晶化合物の重量平均分子量(Mw)は、50000未満が好ましく、3000以上50000未満が好ましい。
ここで、本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):N−メチルピロリドン
・装置名:TOSOH HLC−8220GPC
・カラム:TOSOH TSKgelSuperAWM−H(6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:25℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:0.35mL/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000〜1050(Mw/Mn=1.03〜1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
高分子液晶化合物の液晶性は、ネマチック性およびスメクチック性のいずれを示してもよいが、少なくともネマチック性を示すことが好ましい。
ネマチック相を示す温度範囲は、室温(23℃)〜450℃であることが好ましく、取り扱いや製造適性の観点から、50℃〜400℃であることが好ましい。
<界面改良剤>
光吸収異方性層の形成に用いられる液晶組成物は、界面改良剤を含むことが好ましい。界面改良剤を含むことにより、塗布表面の平滑性が向上し、配向度の向上や、ハジキおよびムラを抑制して、面内の均一性の向上が見込まれる。
界面改良剤としては、液晶性化合物を塗布表面側で水平にさせるものが好ましく、特開2011−237513号公報の[0253]〜[0293]段落に記載の化合物(水平配向剤)を用いることができる。
液晶組成物が界面改良剤を含有する場合、界面改良剤の含有量は、液晶組成物中の上記二色性物質と上記液晶性化合物との合計100質量部に対し、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部が好ましい。
<重合開始剤>
光吸収異方性層の形成に用いられる液晶組成物は、重合開始剤を含有してもよい。
重合開始剤としては特に制限はないが、感光性を有する化合物、すなわち光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、各種の化合物を特に制限なく使用できる。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号および同2951758号の各明細書)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報および米国特許第4239850号明細書)、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書)、および、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報および特開平10−29997号公報)等が挙げられる。
このような光重合開始剤としては、市販品も用いることができ、BASF社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア819およびイルガキュアOXE−01等が挙げられる。
液晶組成物が重合開始剤を含有する場合、重合開始剤の含有量は、液晶組成物中の上記二色性物質と上記液晶性化合物との合計100質量部に対し、0.01〜30質量部が好ましく、0.1〜15質量部が好ましい。重合開始剤の含有量が0.01質量部以上であることで、光吸収異方性層の硬化性が良好となり、30質量部以下であることで、光吸収異方性層の配向が良好となる。
<溶媒>
光吸収異方性層の形成に用いられる液晶組成物は、作業性等の観点から、溶媒を含有するのが好ましい。
溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1,2−ジメトキシエタンなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、および、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジンなど)などの有機溶媒、ならびに、水が挙げられる。これの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒のうち、有機溶媒を用いることが好ましく、ハロゲン化炭素類またはケトン類を用いることがより好ましい。
液晶組成物が溶媒を含有する場合において、溶媒の含有量は、液晶組成物の全質量に対して、80〜99質量%であることが好ましく、83〜97質量%であることがより好ましく、85〜95質量%であることが更に好ましい。
<形成方法>
上述した液晶組成物を用いた光吸収異方性層の形成方法は特に限定されず、上記液晶組成物を透明支持体上に塗布して塗布膜を形成する工程(以下、「塗布膜形成工程」ともいう。)と、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向させる工程(以下、「配向工程」ともいう。)と、をこの順に含む方法が挙げられる。
なお、液晶性成分とは、上述した液晶性化合物だけでなく、上述した二色性物質が液晶性を有している場合は、液晶性を有する二色性物質も含む成分である。
(塗布膜形成工程)
塗布膜形成工程は、液晶組成物を透明支持体上に塗布して塗布膜を形成する工程である。
上述した溶媒を含有する液晶組成物を用いたり、液晶組成物を加熱などによって溶融液などの液状物としたものを用いたりすることにより、透明支持体上に液晶組成物を塗布することが容易になる。
液晶組成物の塗布方法としては、具体的には、例えば、ロールコーティング法、グラビア印刷法、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スプレー法、および、インクジェット法などの公知の方法が挙げられる。
なお、本態様では、液晶組成物が透明支持体上に塗布されている例を示したが、これに限定されず、例えば、透明支持体上に設けられた配向層上に液晶組成物を塗布してもよい。配向層の詳細については後述する。
(配向工程)
配向工程は、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向させる工程である。これにより、光吸収異方性層が得られる。
配向工程は、乾燥処理を有していてもよい。乾燥処理によって、溶媒などの成分を塗布膜から除去することができる。乾燥処理は、塗布膜を室温下において所定時間放置する方法(例えば、自然乾燥)によって行われてもよいし、加熱および/または送風する方法によって行われてもよい。
ここで、液晶組成物に含まれる液晶性成分は、上述した塗布膜形成工程または乾燥処理によって、配向する場合がある。例えば、液晶組成物が溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗布膜を乾燥して、塗布膜から溶媒を除去することで、光吸収異方性を持つ塗布膜(すなわち、光吸収異方性層)が得られる。
乾燥処理が塗布膜に含まれる液晶性成分の液晶相への転移温度以上の温度により行われる場合には、後述する加熱処理は実施しなくてもよい。
塗布膜に含まれる液晶性成分の液晶相への転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃が好ましく、25〜190℃がより好ましい。上記転移温度が10℃以上であると、液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるための冷却処理等が必要とならず、好ましい。また、上記転移温度が250℃以下であると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にする場合にも高温を要さず、熱エネルギーの浪費、ならびに、基板の変形および変質等を低減できるため、好ましい。
配向工程は、加熱処理を有することが好ましい。これにより、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向させることができるため、加熱処理後の塗布膜を光吸収異方性層として好適に使用できる。
加熱処理は、製造適性等の面から10〜250℃が好ましく、25〜190℃がより好ましい。また、加熱時間は、1〜300秒が好ましく、1〜60秒がより好ましい。
配向工程は、加熱処理後に実施される冷却処理を有していてもよい。冷却処理は、加熱後の塗布膜を室温(20〜25℃)程度まで冷却する処理である。これにより、塗布膜に含まれる液晶性成分の配向を固定することができる。冷却手段としては、特に限定されず、公知の方法により実施できる。
以上の工程によって、光吸収異方性層を得ることができる。
なお、本態様では、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向する方法として、乾燥処理および加熱処理などを挙げているが、これに限定されず、公知の配向処理によって実施できる。
(他の工程)
光吸収異方性層の製造方法は、上記配向工程後に、光吸収異方性層を硬化させる工程(以下、「硬化工程」ともいう。)を有していてもよい。
硬化工程は、例えば、光吸収異方性層が架橋性基(重合性基)を有している場合には、加熱および/または光照射(露光)によって実施される。このなかでも、硬化工程は光照射によって実施されることが好ましい。
硬化に用いる光源は、赤外線、可視光または紫外線など、種々の光源を用いることが可能であるが、紫外線であることが好ましい。また、硬化時に加熱しながら紫外線を照射してもよいし、特定の波長のみを透過するフィルタを介して紫外線を照射してもよい。
露光が加熱しながら行われる場合、露光時の加熱温度は、光吸収異方性層に含まれる液晶性成分の液晶相への転移温度にもよるが、25〜140℃であることが好ましい。
また、露光は、窒素雰囲気下で行われてもよい。ラジカル重合によって光吸収異方性層の硬化が進行する場合において、酸素による重合の阻害が低減されるため、窒素雰囲気下で露光することが好ましい。
本発明においては、光吸収異方性層の厚みは特に限定されず、0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.3〜1.5μmであることがより好ましい。
〔別の酸素遮断層〕
本発明の光学積層体は、耐光性を向上させる目的で、上述した光吸収異方性層の光配向層とは反対側に、上述した酸素遮断層とは異なる別の酸素遮断層を有していてもよい。
ここで、上述した酸素遮断層とは異なる別の「酸素遮断層」とは、酸素遮断機能のある酸素遮断膜であり、具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、セルロースエーテル、ポリアミド、ポリイミド、スチレン/マレイン酸共重合体、ゼラチン、塩化ビニリデン、および、セルロースナノファイバー、などの有機化合物を含む層が挙げられる。
なお、本明細書において酸素遮断機能とは、酸素を全く通さない状態に限らず、目的の性能に応じて若干酸素を通す状態も含む。
また、金属化合物からなる薄層(金属化合物薄層)も挙げられる。金属化合物薄層の形成方法は、目的の薄層を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、および、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などが適しており、具体的には特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号各公報記載の形成方法を採用することができる。
金属化合物薄層に含まれる成分は、酸素遮断機能を発揮できるものであれば特に限定されないが、例えば、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTa等から選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物などを用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、ZnおよびTiから選ばれる金属の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特に、Si、Al、SnおよびTiから選ばれる金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
また酸素遮断層は、例えば米国特許第6413645号公報、特開2015−226995号公報、特開2013−202971号公報、特開2003−335880号公報、特公昭53−12953号公報、特開昭58−217344号公報、に記載されているように、上記の有機素材を含む層と金属化合物薄層の積層した形態であってもよいし、国際公開2011/11836号公報、特開2013−248832号公報、特許第3855004号公報、に記載されているように、有機化合物と無機化合物とをハイブリッドした層であってもよい。
本発明の積層体が後述するλ/4板を有し、λ/4板が支持体上にλ/4機能を有する光学異方性層を設けた位相差フィルムである場合、上記酸素遮断層がλ/4機能を有する光学異方性層の配向膜を兼ねてもよい。そのような場合、ポリビニルアルコール、ポリアミド、またはポリイミドを含む酸素遮断層であることが好ましい。
酸素遮断層の膜厚は、有機化合物を含む層の場合は、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5.5μmがより好ましい。金属化合物薄層の場合は、酸素遮断層の膜厚は、5nm〜500nmが好ましく、10nm〜200nmがより好ましい。
〔粘着層〕
本発明の光学積層体は、上述した光吸収異方性層の光配向層とは反対側、または、上述した別の酸素遮断層を有する場合には、上述した別の酸素遮断層の光吸収異方性層側とは反対側に、他の機能層(例えば、後述するλ/4板など)を貼合する観点から、粘着層を有していてもよい。
粘着層に含まれる粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤等が挙げられる。
これらのうち、透明性、耐候性、耐熱性などの観点から、アクリル系粘着剤(感圧粘着剤)であるのが好ましい。
粘着層は、例えば、粘着剤の溶液を離型シート上に塗布し、乾燥した後に後、透明樹脂層の表面に転写する方法;粘着剤の溶液を透明樹脂層の表面に直接塗布し、乾燥させる方法;等により形成することができる。
粘着剤の溶液は、例えば、トルエンや酢酸エチル等の溶剤に、粘着剤を溶解または分散させた10〜40質量%程度の溶液として調製される。
塗布法は、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。
また、離型シートの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フィルム;ゴムシート;紙;布;不織布;ネット;発泡シート;金属箔;等の適宜な薄葉体等が挙げられる。
本発明においては、任意の粘着層の厚みは特に限定されないが、3μm〜50μmであることが好ましく、4μm〜40μmであることがより好ましく、5μm〜30μmであることが更に好ましい。
〔λ/4板〕
本発明の光学積層体は、上述した粘着層の光吸収異方性層または別の酸素遮断層側とは反対側にλ/4板を有していてもよい。
ここで、「λ/4板」とは、λ/4機能を有する板であり、具体的には、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。
λ/4板の具体例としては、例えば米国特許出願公開2015/0277006号などが挙げられる。
例えば、λ/4板が単層構造である態様としては、具体的には、延伸ポリマーフィルムや、支持体上にλ/4機能を有する光学異方性層を設けた位相差フィルム等が挙げられ、また、λ/4板が複層構造である態様としては、具体的には、λ/4板とλ/2板とを積層してなる広帯域λ/4板が挙げられる。
λ/4機能を有する光学異方性層を設けた位相差フィルムは、ネマチック液晶層またはスメクチック液晶層を発現する液晶モノマーを重合して形成した液晶化合物(円盤状液晶、棒状液晶化合物など)の少なくともひとつを含む1層以上の位相差フィルムであることがより好ましい。
また、光学性能に優れたλ/4板として、逆波長分散性の液晶化合物を用いることもさらに好ましい。具体的には、国際公開番号WO2017/043438に記載の一般式(II)の液晶化合物が好ましく用いられる。逆波長分散性の液晶化合物を用いたλ/4板の作製方法についても、WO2017/043438の実施例1〜10や特開2016−91022の実施例1の記載を参考にできる。
〔透明支持体〕
本発明の光学積層体を製造する際には、透明支持体上に塗布することが好ましい。透明支持体を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;などが挙げられる。
また、透明支持体を形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることができる。このような熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等が挙げられる。
また、透明支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)に代表される、セルロース系ポリマーも好ましく用いることができる。
本発明においては、透明支持体の厚みは特に限定されず、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、10〜80μmであることが更に好ましい。
最終使用形態においては、透明支持体と透明酸素遮断層の界面で剥離して用いることも好ましい。さらに使用用途に応じて、耐湿性、耐熱性、耐折り曲げ性等の機能に合わせたフィルムを選択し、粘着剤等で張り合わせて用いることも好ましい。
〔用途〕
本発明の光学積層体は、偏光素子(偏光板)として使用でき、具体的には、例えば、直線偏光板または円偏光板として使用できる。
本発明の光学積層体が上記λ/4板などの光学異方性層を有さない場合には、光学積層体は直線偏光板として使用できる。一方、本発明の光学積層体が上記λ/4板を有する場合には、光学積層体は円偏光板として使用できる。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、上述した本発明の光学積層体を有する。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、および、プラズマディスプレイパネル等が挙げられる。
これらのうち、液晶セルまたは有機EL表示パネルであるのが好ましく、液晶セルであるのがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置であるのが好ましく、液晶表示装置であるのがより好ましい。
〔液晶表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置としては、上述した本発明の光学積層体(ただし、λ/4板を含まない)と、液晶セルと、を有する液晶表示装置である。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる光学積層体のうち、フロント側の偏光素子として本発明の光学積層体を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光素子として本発明の光学積層体を用いるのがより好ましい。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
<液晶セル>
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、またはTN(Twisted Nematic)であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子(棒状液晶性化合物)が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモード(Multi−domain Vertical Alignment)の)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASM(Axially symmetric aligned microcell)モード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCD(liquid crystal display)インターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、およびPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、および特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶性分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加時で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
〔有機EL表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、上述した本発明の光学積層体(ただし、粘着層およびλ/4板を含む)と、有機EL表示パネルと、をこの順で有する態様が好適に挙げられる。この場合には、光学積層体は、視認側から、透明支持体、必要に応じて設けられる配向層、光吸収異方性層、透明樹脂層、粘着層、および、λ/4板の順に配置されている。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[作製例1〜25]
<酸素遮断層形成用組成液A1〜A7の調製>
下記の組成にて、酸素遮断層形成用組成液A1を調製し、攪拌しながら95℃で1時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
酸素遮断層形成用組成液A1
――――――――――――――――――――――――――――――――
・PVA103(クラレ社製ポリビニルアルコール) 2.0質量部
・純水 70.0質量部
・イソプロピルアルコール 20.0質量部
・メタノール 8.0質量部
・光重合開始剤
(IRGACURE2959、BASF社製) 0.06質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
また、下記表1に示すようにPVAを変更した酸素遮断層形成用組成液A2〜A7も調製した。なお、酸素遮断層形成用組成液A1〜A7に含まれるPVAの鹸化度は、下記表1に示す通りである。
なお、上記表1中、変性PVA1および変性PVA2は、それぞれ、PVA103およびPVA203を原料として用い、特開平9−152509に記載の方法にて合成した。構造を以下に示す。
変性PVA1
変性PVA2
<光配向層形成用組成液E1〜E3の調製>
下記の組成にて、光配向層形成用組成液E1を調製し、攪拌しながら1時間溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向層形成用組成液E1
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記光配向材料E−1 0.3質量部
・2−ブトキシエタノール 41.6質量部
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 41.6質量部
・純水 16.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向材料E−1
また、光配向材料E−1を、下記光配向材料E−2に変更した光配向層形成用組成液E2も調製した。
光配向材料E−2
更に、下記の組成にて、光配向層形成用組成液E3を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向層形成用組成液E3
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記光配向材料E−3 2.0質量部
・1,1,2−トリクロロエタン 98.0質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向材料E−3(平均分子量;48000)
<光吸収異方性層形成用組成液P1〜P10の調製>
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P1を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P1
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記二色性アゾ色素化合物D1 2.1質量部
・下記二色性アゾ色素化合物D2 9.3質量部
・下記液晶性化合物M1 72.2質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
・下記界面改良剤F−1 0.6質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
二色性アゾ色素化合物D1
二色性アゾ色素化合物D2
液晶性化合物M1(平均分子量14000)
界面改良剤F−1
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P2を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P2
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記二色性アゾ色素化合物D3 2.1質量部
・下記二色性アゾ色素化合物D4 9.3質量部
・下記液晶性化合物M2 72.2質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
・上記界面改良剤F−1 0.6質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
二色性アゾ色素化合物D3
二色性アゾ色素化合物D4
液晶性化合物M2(平均分子量15000)
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P3を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P3
――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性アゾ色素化合物D1 2.1質量部
・下記二色性アゾ色素化合物D5 9.3質量部
・上記液晶性化合物M1 72.2質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
・上記界面改良剤F−1 0.6質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
二色性アゾ色素化合物D5
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P4を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P4
――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性アゾ色素化合物D1 2.1質量部
・上記二色性アゾ色素化合物D2 9.3質量部
・下記液晶性化合物M3 72.2質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
・上記界面改良剤F−1 0.6質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶性化合物M3(平均分子量19000)
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P5を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P5
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記二色性アゾ色素化合物D6 2.7質量部
・下記二色性アゾ色素化合物D7 2.7質量部
・下記二色性アゾ色素化合物D8 2.7質量部
・上記液晶性化合物M1 75.5質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
・上記界面改良剤F−1 0.6質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
二色性アゾ色素化合物D6
二色性アゾ色素化合物D7
二色性アゾ色素化合物D8
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P6を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P6
――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性アゾ色素化合物D6 2.7質量部
・上記二色性アゾ色素化合物D7 2.7質量部
・上記二色性アゾ色素化合物D8 2.7質量部
・下記液晶性化合物M4 75.5質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
・上記界面改良剤F−1 0.6質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶化合物M4(化合物A/化合物B=75/25で混合)
(化合物A)
(化合物B)
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P7を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P7
――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性アゾ色素化合物D1 2.1質量部
・上記二色性アゾ色素化合物D2 9.3質量部
・上記液晶性化合物M4 72.2質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.8質量部
・上記界面改良剤F−1 0.6質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P8を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P8
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性アゾ色素化合物D1 2.80質量部
・上記二色性アゾ色素化合物D2 12.50質量部
・下記液晶性化合物M5 68.30質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.80質量部
・上記界面改良剤F−1 0.60質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶性化合物M5
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P9を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P9
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性アゾ色素化合物D1 3.60質量部
・上記二色性アゾ色素化合物D2 15.90質量部
・上記液晶性化合物M5 64.10質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.80質量部
・上記界面改良剤F−1 0.60質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成にて、光吸収異方性層形成用組成液P10を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光吸収異方性層形成用組成液P10
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性アゾ色素化合物D1 4.40質量部
・上記二色性アゾ色素化合物D2 19.40質量部
・上記液晶性化合物M5 59.80質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 0.80質量部
・上記界面改良剤F−1 0.60質量部
・シクロペンタノン 274.5質量部
・テトラヒドロフラン 640.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<作製例1の光学積層体1の作製>
(酸素遮断層の作製)
厚み40μmのTAC基材(TG40、富士フイルム社製)の表面に鹸化処理を行った上に、上記で調製した酸素遮断層形成用組成液A1をワイヤーバーで塗布した。その後、100℃の温風で2分間乾燥することにより、TAC基材上に厚み0.8μmの酸素遮断層が形成された透明支持体1が得られた。
(光配向層の作製)
上記で調製した光配向層用塗布液E1を透明支持体1上に塗布し、60℃で2分間乾燥した。その後、得られた塗布膜に、偏光紫外線露光装置を用いて直線偏光紫外線(照度4.5mW、照射量500mJ/cm)を照射し、厚み0.03μmの光配向層1を作製した。
(光吸収異方性層の形成)
得られた光配向層1上に、光吸収異方性層形成用組成物P1をワイヤーバーで塗布した。
次いで、140℃で90秒間加熱し、室温(23℃)になるまで冷却した。
次いで、80℃で60秒間加熱し、再び室温になるまで冷却した。
その後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cmの照射条件で60秒間照射することにより、厚み0.6μmの光吸収異方性層を形成し、作製例1の光学積層体1が作製できた。
<作製例2〜18の光学積層体2〜18の作製>
酸素遮断層形成用組成液、光配向層形成用組成液、および、光吸収異方性層形成用組成液を下記表2に示すように変更した以外は、作製例1と同様にして、作製例2〜18の光学積層体を作製した。
<作製例19の光学積層体19の作製>
(酸素遮断層の作製)
厚み40μmのTAC基材(TG40、富士フイルム社製)の表面に鹸化処理を行った上に、上記で調製した酸素遮断層形成用組成液A1をワイヤーバーで塗布した。その後、100℃の温風で2分間乾燥することにより、TAC基材上に厚み0.8μmの酸素遮断層が形成された透明支持体19が得られた。
(光配向層の作製)
上記で調製した光配向層用塗布液E1を透明支持体19上に塗布し、60℃で2分間乾燥した。その後、得られた塗布膜に、偏光紫外線露光装置を用いて直線偏光紫外線(照度4.5mW、照射量500mJ/cm)を照射し、厚み0.03μmの光配向層19を作製した。
(光吸収異方性層の形成)
得られた光配向層19上に、光吸収異方性層形成用組成物P6を#4のワイヤーバーで塗布した。
次いで、120℃で60秒間加熱し、室温になるまで冷却した。
その後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cmの照射条件で60秒間照射することにより、厚み0.6μmの光吸収異方性層を形成し、作製例19の光学積層体19が作製できた。
<作製例20〜22の光学積層体20〜22の作製>
酸素遮断層形成用組成液、光配向層形成用組成液、および、光吸収異方性層形成用組成液を下記表2に示すように変更した以外は、作製例19と同様にして、作製例20〜22の光学積層体を作製した。
<作製例23〜25の光学積層体23〜25の作製>
酸素遮断層形成用組成液、光配向層形成用組成液、および、光吸収異方性層形成用組成液を下記表2に示すように変更した以外は、作製例1と同様にして、作製例2〜18の光学積層体を作製した。
<配向度の評価>
光学顕微鏡(株式会社ニコン製、製品名「ECLIPSE E600 POL」)の光源側に直線偏光子を挿入した状態で、サンプル台に実施例および比較例の各光吸収異方性層をセットし、マルチチャンネル分光器(Ocean Optics社製、製品名「QE65000」)を用いて、400〜700nmの波長域における光吸収異方性層の吸光度を測定し、以下の式により配向度を算出した。結果を下記表2に示す。
配向度:S=[(Az0/Ay0)−1]/[(Az0/Ay0)+2]
Az0:光吸収異方性層の吸収軸方向の偏光に対する吸光度
Ay0:光吸収異方性層の偏光軸方向の偏光に対する吸光度
評価基準
A:配向度0.95以上
B:配向度0.90以上0.95未満
C:配向度0.85以上0.90未満
D:配向度0.85未満
表2に示す結果から、鹸化度95%以上の高鹸化PVA層に、重合性基を有さない、分子量1000以下の光活性化合物を含有する光配向層を積層させた光学積層体は、いずれも、配向度が高くなることが分かった。
[作製例26〜33]
作製例1、3、13、14、17、19、22および25と同様にして作製した光学積層体を、真空成膜装置内に設置し、下記条件にてプラズマCVD法により、光吸収異方性層の表面上に、厚さ20nmのSiOxCyで表される酸化珪素からなる酸素遮断層を形成し、光吸収異方性層上に別の酸素遮断層が形成された光学積層体26〜33を作製した。
使用ガス:ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)5sccm/酸素50sccmの混合ガス
印加周波数:13.56MHz
印加電力:0.5kW
<耐光性の評価>
上記作製した光学積層体26〜33の支持体側から、スーパーキセノンウェザーメーター“SX−75”(スガ試験機社製、60℃、50%RH条件)にて、キセノン光を150W/m(300−400nm)で300時間照射した。所定時間の経過後、積層体の配向度の変化を測定した。作製例26〜33で作製した、光吸収異方性膜上に酸素遮断層が形成された積層体は、作製例1〜25で作製した積層体に比べて、配向度の低下が抑えられていた。
[作製例34〜49]
〔λ/4位相差フィルム1の作製〕
<光配向層形成用組成物1の調製>
(重合体J−1の合成)
撹拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100.0質量部、メチルイソブチルケトン500質量部、および、トリエチルアミン10.0質量部を仕込み、室温で混合物を撹拌した。次に、脱イオン水100質量部を滴下漏斗より30分かけて得られた混合物に滴下した後、還流下で混合物を混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機相を取り出し、0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで有機相を洗浄した。その後、得られた有機相から減圧下で溶媒および水を留去し、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
このエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンについて、H−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析を行ったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にオキシラニル基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。このエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの重量平均分子量Mwは2,200、エポキシ当量は186g/モルであった。
次に、100mLの三口フラスコに、上記で得たエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン10.1質量部、アクリル基含有カルボン酸(東亜合成株式会社、商品名「アロニックスM−5300」、アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトン(重合度n≒2))0.5質量部、酢酸ブチル20質量部、特開2015−26050号公報の合成例1の方法で得られた桂皮酸誘導体1.5質量部、および、テトラブチルアンモニウムブロミド0.3質量部を仕込み、得られた混合物を90℃で12時間撹拌した。撹拌後、得られた混合物と等量(質量)の酢酸ブチルで混合物を希釈し、さらに希釈された混合物を3回水洗した。得られた混合物を濃縮し、酢酸ブチルで希釈する操作を2回繰り返し、最終的に、光配向性基を有するポリオルガノシロキサン(下記重合体J−1)を含む溶液を得た。この重合体J−1の重量平均分子量Mwは9,000であった。また、H−NMR分析の結果、重合体J−1中のシンナメート基を有する成分は23.7質量%であった。
重合体J−1
(光配向層形成用組成物1の調製)
以下の成分を混合して、光配向層形成用組成物1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記重合体J−1 10.67質量部
・下記低分子化合物R−1 5.17質量部
・下記添加剤(B−1) 0.53質量部
・酢酸ブチル 8287.37質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
2071.85質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
低分子化合物R−1
添加剤(B−1):サンアプロ社製TA−60B(以下、構造式参照)
<光配向層形成用組成物2の調製>
以下の成分を混合して、光配向層形成用組成物2を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向層形成用組成物2
――――――――――――――――――――――――――――――――
・光配向材料E−4(下記) 5.0質量部
・シクロペンタノン 95.0質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向材料E−4(平均分子量:51000)
<光学異方性層用塗布液1の調製>
下記組成の光学異方性層用塗布液1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層用塗布液1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記液晶性化合物L−3 42.00質量部
・下記液晶性化合物L−4 42.00質量部
・下記重合性化合物A−1 16.00質量部
・下記低分子化合物B−2 6.00質量部
・下記重合開始剤S−1(オキシム型) 0.50質量部
・下記レベリング剤G−1 0.20質量部
・ハイソルブMTEM(東邦化学工業社製) 2.00質量部
・NKエステルA−200(新中村化学工業社製) 1.00質量部
・メチルエチルケトン 424.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、下記液晶性化合物L−3およびL−4のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、下記液晶性化合物L−3およびL−4は、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。




<光学異方性層用塗布液2の調製>
下記組成の光学異方性層用塗布液2を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層用塗布液2
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記液晶性化合物L−5 24.0質量部
・下記液晶性化合物L−6 6.0質量部
・重合開始剤イルガキュア369(BASFジャパン製) 1.0質量部
・重合開始剤OXE−03(BASFジャパン製) 0.9質量部
・重合開始剤アデカクルーズNCI−831(アデカ製) 0.9質量部
・BYK361N(ビックケミージャパン社製) 0.2質量部
・N−メチル−2−ピロリドン 25.0質量部
・シクロペンタノン 42.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――

<セルロースアシレートフィルム1の作製>
(コア層セルロースアシレートドープの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
コア層セルロースアシレートドープ
─────────────────────────────────
・アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
・特開2015−227955号公報の実施例に
記載されたポリエステル化合物B 12質量部
・下記化合物F 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶剤) 64質量部
─────────────────────────────────
化合物F
(外層セルロースアシレートドープの作製)
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
マット剤溶液
─────────────────────────────────
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
・メタノール(第2溶剤) 11質量部
・上記のコア層セルロースアシレートドープ 1質量部
─────────────────────────────────
(セルロースアシレートフィルム1の作製)
上記コア層セルロースアシレートドープと上記外層セルロースアシレートドープを平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、上記コア層セルロースアシレートドープとその両側に外層セルロースアシレートドープとを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した(バンド流延機)。
次いで、溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、横方向に延伸倍率1.1倍で延伸しつつ乾燥した。
その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、厚み40μmの光学フィルムを作製し、これをセルロースアシレートフィルム1とした。得られたセルロースアシレートフィルム1の面内レターデーションは0nmであった。
<λ/4位相差フィルム1の作製>
作製したセルロースアシレートフィルム1の片側の面に、先に調製した光配向層用組成物1をバーコーターで塗布した。
塗布後、120℃のホットプレート上で1分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ0.3μmの光異性化組成物層を形成した。
得られた光異性化組成物層を偏光紫外線照射(10mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)することで、光配向層を形成した。
次いで、光配向層上に、先に調製した光学異方性層用塗布液1をバーコーターで塗布し、組成物層を形成した。
形成した組成物層をホットプレート上でいったん110℃まで加熱した後、60℃に冷却させて配向を安定化させた。
その後、60℃に保ち、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm)で紫外線照射(500mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)によって配向を固定化し、厚さ2.3μmの光学異方性層を形成し、λ/4位相差フィルム1を作製した。得られたλ/4位相差フィルム1の面内レターデーションは140nmであった。
〔λ/4位相差フィルム2の作製〕
作製したセルロースアシレートフィルム1の片側の面に、先に調製した光配向層用組成物2をバーコーターで塗布した。
塗布後、80℃のホットプレート上で1分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ0.3μmの光異性化組成物層を形成した。
得られた光異性化組成物層を偏光紫外線照射(90mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)することで、光配向層を形成した。
次いで、光配向層上に、先に調製した光学異方性層用塗布液2をバーコーターで塗布し、組成物層を形成した。
形成した組成物層をホットプレート上でいったん120℃まで加熱した後、60℃に冷却させて配向を安定化させた。
その後、60℃に保ち、窒素雰囲気下(酸素濃度100ppm)で紫外線照射(800mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)によって配向を固定化し、厚さ2.3μmの光学異方性層を形成し、λ/4位相差フィルム2を作製した。得られたλ/4位相差フィルム2の面内レターデーションは143nmであった。
〔ポジティブCプレート膜2の作製〕
仮支持体として、市販されているトリアセチルセルロースフィルム「Z−TAC」(富士フイルム社製)を用いた(これをセルロースアシレートフィルム2とする)。セルロースアシレートフィルム2を温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/mで塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。
次いで、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m塗布した。
次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルム2を作製した。
─────────────────────────────────
アルカリ溶液の組成(質量部)
─────────────────────────────────
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
含フッ素界面活性剤SF−1
(C1429O(CHCH2O20H) 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
─────────────────────────────────
上記アルカリ鹸化処理されたセルロースアシレートフィルム2を用い、下記の組成の配向層形成用塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向層を形成した。
─────────────────────────────────
配向層形成用塗布液の組成
─────────────────────────────────
ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA103) 2.4質量部
イソプロピルアルコール 1.6質量部
メタノール 36質量部
水 60質量部
─────────────────────────────────
上記で作製した配向層を有するセルロースアシレートフィルム2上に、下記塗布液Nを塗布し、60℃60秒間熟成させた後に、空気下にて70mW/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて1000mJ/cmの紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより、重合性棒状液晶性化合物を垂直配向させ、ポジティブCプレート膜1を作製した。波長550nmにおいてRthが−60nmであった。
─────────────────────────────────
光学異方性膜用塗布液Nの組成
─────────────────────────────────
下記液晶性化合物L−1 80質量部
下記液晶性化合物L−2 20質量部
下記垂直配液晶性化合物向剤(S01) 1質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 8質量部
イルガキュアー907(BASF製) 3質量部
カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製) 1質量部
下記化合物B03 0.4質量部
メチルエチルケトン 170質量部
シクロヘキサノン 30質量部
─────────────────────────────────


<円偏光板の作製>
λ/4位相差フィルム1の光学異方性層側に、粘着剤を介して上記で作製したポジティブCプレート膜2の光学異方性層側を貼り合わせ、セルロースアシレートフィルム2および配向層を除去した。さらに、λ/4位相差フィルム側に粘着剤を介して作製例26〜33で作製した光学積層体26〜33を貼り合わせて円偏光板34〜41を得た。通常の円偏光板(約110μm)に比べて非常に薄い円偏光板(約50μm)が得られた。
また、λ/4位相差フィルム2の光学異方性層側に、粘着剤を介して上記で作製したポジティブCプレート膜2の光学異方性層側を貼り合わせ、セルロースアシレートフィルム2および配向層を除去した。さらに、λ/4位相差フィルム側に粘着剤を介して作製例26〜33で作製した光学積層体26〜33を貼り合わせて円偏光板42〜49を得た。
有機ELパネル(有機EL表示素子)搭載のSAMSUNG社製GALAXY S5を分解し、有機EL表示装置から、円偏光板付きタッチパネルを剥離し、さらにタッチパネルから円偏光板を剥がし、有機EL表示素子、タッチパネルおよび円偏光板をそれぞれ単離した。次いで、単離したタッチパネルを有機EL表示素子と再度貼合し、さらに上記作製した円偏光板34〜49をポジティブCプレート側がパネル側になるようにタッチパネル上に貼合し、有機EL表示装置を作製した。
作製した有機EL表示装置について、λ/4板として、ピュアエースWR(帝人株式会社製)を用いた場合と同様の評価を行ったところ、λ/4板として、λ/4位相差フィルム1とポジティブCプレート膜2の光学積層体を用いた場合でも同様の効果が発揮されることを確認した。
10、20、30 光学積層体
12 酸素遮断層
14 光配向層
16 光吸収異方性層
18 別の酸素遮断層

Claims (11)

  1. 酸素遮断層、光配向層および光吸収異方性層をこの順に有する光学積層体であって、
    前記酸素遮断層が、鹸化度95%以上のポリビニルアルコールまたは鹸化度95%以上の変性ポリビニルアルコールを50質量%以上含有する層であり、
    前記光配向層が、光活性化合物を含有する光配向層であり、
    前記光活性化合物が、重合性基を有さない、分子量1000以下の低分子化合物であり、
    前記光吸収異方性層が、二色性物質を含有する層である、光学積層体。
  2. 前記光活性化合物が、光活性基としてアゾ基を有する、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記光吸収異方性層が、前記二色性物質および液晶性化合物を含有する液晶組成物を用いて形成される層であり、
    前記液晶組成物に含まれる前記二色性物質の固形分割合が2〜30質量%である、請求項1または2に記載の光学積層体。
  4. 前記液晶組成物が、下記式(1)で表される二色性物質を含有する、請求項3に記載の光学積層体。

    ここで、前記式(1)中、
    、AおよびAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。
    およびLは、それぞれ独立に、置換基を表す。
    mは、1〜4の整数を表し、mが2〜4の整数の場合、複数のAは互いに同一でも異なっていてもよい。
  5. 前記液晶組成物が、下記式(2)で表される二色性物質を含有する、請求項3または4に記載の光学積層体。

    ここで、前記式(2)中、
    およびCは、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。ただし、CおよびCの少なくとも一方は、架橋性基を表す。
    およびMは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。ただし、MおよびMの少なくとも一方は、主鎖の原子の数が4個以上である。
    ArおよびArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基および置換基を有していてもよいビフェニレン基のいずれかの基を表す。
    Eは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかの原子を表す。
    は、水素原子または置換基を表す。
    は、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
    nは、0または1を表す。ただし、Eが窒素原子である場合には、nは1であり、Eが酸素原子または硫黄原子である場合には、nは0である。
  6. 前記液晶組成物が、下記式(3)で表される二色性物質を含有する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光学積層体。

    ここで、前記式(3)中、
    AおよびBは、それぞれ独立に、架橋性基を表す。
    aおよびbは、それぞれ独立に、0または1を表す。ただし、a+b≧1である。
    a=0の場合にはLは1価の置換基を表し、a=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。また、b=0の場合にはLは1価の置換基を表し、b=1の場合にはLは単結合または2価の連結基を表す。
    Arは(n1+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Arは(n2+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Arは(n3+2)価の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
    、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。n1≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、n2≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、n3≧2である場合には複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
    kは、1〜4の整数を表す。k≧2の場合には、複数のArは互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
    n1、n2およびn3は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。ただし、k=1の場合にはn1+n2+n3≧0であり、k≧2の場合にはn1+n2+n3≧1である。
  7. 前記液晶組成物が、下記式(4)で表される液晶性化合物を含有する、請求項3〜6のいずれか1項に記載の光学積層体。
    U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (4)
    ここで、前記式(4)中、
    X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X1、X2およびX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。
    Y1およびY2は、それぞれ独立に、−CHCH−、−CHO−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−またはCRa=N−を表す。RaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    U1は、水素原子または重合性基を表す。
    U2は、重合性基を表す。
    W1およびW2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−または−OCOO−を表す。
    V1およびV2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、前記アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−または−NH−に置き換わっていてもよい。
  8. 前記液晶組成物が、下記式(5)で表される繰り返し単位を有する高分子液晶化合物を含有し、下記式(5)において、P1、L1およびSP1のlogP値と、M1のlogP値との差が、4以上である、請求項3〜7のいずれか1項に記載の光学積層体。

    ここで、前記式(5)中、P1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、SP1はスペーサー基を表し、M1は、メソゲン基を表し、T1は末端基を表す。ただし、M1が連結基を有する場合、連結基としてアゾ基を含まない。
  9. 前記光吸収異方性膜の前記光配向層と反対側に、前記酸素遮断層とは異なる別の酸素遮断層を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学積層体。
  10. 更に、λ/4板を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学積層体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学積層体を有する画像表示装置。
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