JP7453354B2 - 光配向膜、積層体、画像表示装置およびアゾ化合物 - Google Patents

光配向膜、積層体、画像表示装置およびアゾ化合物 Download PDF

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Description

本発明は、光配向膜、積層体、画像表示装置およびアゾ化合物に関する。
光学補償シートおよび位相差フィルムなどの光学フィルムは、画像着色解消および視野角拡大などの観点から、様々な画像表示装置で用いられている。
光学フィルムとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、液晶性化合物を用いた光学異方性層(液晶層)を使用することが提案されている。
また、画像表示装置(例えば、液晶表示装置)では、表示における旋光性または複屈折性を制御するために直線偏光子または円偏光子が用いられており、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)においても、外光の反射防止のために円偏光子が使用されている。
従来、これらの偏光子には、ヨウ素が二色性物質として広く使用されてきたが、ヨウ素の代わりに有機色素を二色性物質として使用する偏光子についても検討されており、近年、所定の二色性物質と液晶性化合物とを含有する組成物を用いた光吸収異方性膜(液晶層)を使用することが提案されている。
このような液晶層は、液晶性化合物を配向させるために、液晶層を形成する支持体上に配向膜を設けることが知られており、また、この配向膜として、ラビング処理に代えて光配向処理を施した光配向膜が知られている。
例えば、特許文献1には、所定の構造を有するアゾ化合物などを含有する光配向膜用組成物からなる層を形成し、光照射して液晶配向能を生じさせた光配向膜が記載されている(例えば、[請求項1]および[請求項7]など参照)。
特開2010-175931号公報
本発明者は、特許文献1に記載された光配向膜上に光吸収異方性膜を形成した積層体を作製したところ、光配向膜の形成に用いるアゾ化合物における官能基の位置や種類によっては、光配向膜上に形成される光吸収異方性膜における波長400~500nmの領域(以下、「イエロー領域」と略す。)の配向度が低くなり、また、光配向膜と光吸収異方性膜との密着性が劣ることを明らかとした。
そこで、本発明は、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度が高くなり、光吸収異方性膜との密着性が良好となる光配向膜、積層体および画像表示装置、ならびに、この光配向膜の形成に好適に用いられるアゾ化合物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定構造のアゾ化合物を含有する光配向膜を用いると、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度が高くなり、光吸収異方性膜との密着性が良好となることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] 後述する式(1)で表されるアゾ化合物を含有する、光配向膜。
[2] 後述する式(1)中のRおよびRが、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、および、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩からなる群から選択される官能基である、[1]に記載の光配向膜。
[3] 後述する式(1)中のBおよびBが、少なくともカルボニル炭素を有し、
カルボニル炭素が、後述する式(1)中のベンゼン環と結合している、[1]または[2]に記載の光配向膜。
[4] 光配向膜と、光配向膜上に設けられる液晶層と、を含有する積層体であって、
光配向膜が、[1]~[3]のいずれかに記載の光配向膜であり、
液晶層が、液晶性化合物および二色性物質を含有する液晶組成物から形成された光吸収異方性膜である、積層体。
[5] 二色性物質の含有量が、光吸収異方性膜の全固形分質量に対して3~60質量%である、[4]に記載の積層体。
[6] 二色性物質の少なくとも1種が、波長400~500nmの範囲に極大吸収波長を有する二色性物質である、[4]または[5]に記載の積層体。
[7] 液晶性化合物が、高分子液晶性化合物である、[4]~[6]のいずれかに記載の積層体。
[8] 更に、液晶層上に形成されたλ/4板を有する、[4]~[7]のいずれかに記載の積層体。
[9] [1]~[3]のいずれかに記載の光配向膜、または、[4]~[8]のいずれかに記載の積層体を有する、画像表示装置。
[10] 後述する式(1)で表されるアゾ化合物。
本発明によれば、配向度が高く、湿熱耐久性および配向均一性に優れた光吸収異方性膜を形成できる液晶組成物、光吸収異方性膜、積層体および画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、「アクリル酸」および「メタクリル酸」の総称であり、(メタ)アクリロイルとは、「アクリロイル」および「メタクリロイル」の総称である。
[光配向膜]
本発明の光配向膜は、後述する式(1)で表されるアゾ化合物(以下、「特定アゾ化合物」とも略す。)を含有する光配向膜である。
本発明においては、上述した通り、特定アゾ化合物を含有する光配向膜を用いると、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度が高くなり、光吸収異方性膜との密着性が良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。
すなわち、後述する式(1)中のR~R、A~A、および、B~Bのうち、少なくとも1つが、活性水素を有する窒素原子(例えば、-NH-など)を含有していることにより、分子間や基板との間で水素結合が生じ、光配向処理を施した際においても、アゾ化合物が配向された状態を維持し、その配向が緩和され難くなったため、光吸収異方性膜における液晶性化合物の配向度が向上し、その結果、イエロー領域の配向度が高くなったと考えられる。
また、後述する式(1)中のRおよびRがアクリロイル基などであり、かつ、これらが単結合を含まない所定の2価の連結基(BおよびB)を介してベンゼン環と結合することにより、光吸収異方性膜の形成(硬化)時に光吸収異方性膜との間で重合反応が進行したため、光吸収異方性膜との密着性が良好になったと考えられる。
以下、特定アゾ化合物について詳細に説明する。
〔特定アゾ化合物〕
特定アゾ化合物は、下記式(1)で表されるアゾ化合物である。
上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される官能基を表す。
また、上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される重合性官能基を表す。
また、上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基もしくはそのアルカリ金属塩、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メトキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される官能基を表す。
また、上記式(1)中、A~Aは、それぞれ独立に、単結合、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表し、脂肪族炭化水素基を構成する-CH-の少なくとも1個が、-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、または、-CO-で置換されていてもよい。Qは、置換基を表す。
また、上記式(1)中、BおよびBは、それぞれ独立に、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-NR15-、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R11~R15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。
また、上記式(1)中、BおよびBは、それぞれ独立に、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-NR15-、または、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R11~R15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。
ただし、R~R、A~A、および、B~Bのうち、少なくとも1つが、活性水素を有する窒素原子を含有する。
ここで、「活性水素を有する窒素原子を含有する」とは、アミノ基(-NH)を含有する態様だけでなく、アクリロイルアミノ基などに含まれる-NH-を含有する態様も含まれる規定である。
本発明においては、光配向膜上に形成される光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度がより高くなる理由から、上記式(1)中のRおよびRが、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、および、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩からなる群から選択される官能基であることが好ましく、ヒドロキシ基、または、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩であることがより好ましい。これは、ヒドロキシ基、または、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩のような親水的な官能基が多いほど、アゾ化合物の水溶性が高まり、光配向膜上に疎水的な液晶組成物を塗布する際に、配向緩和を抑制できたためと考えられる。
また、本発明においては、光配向膜上に形成される光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度がより高くなる理由から、上記式(1)中のRおよびRが、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、または、(メタ)アクリロイルアミノ基であることが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基、または、(メタ)アクリロイルアミノ基であることがより好ましい。
また、本発明においては、光配向膜上に形成される光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度がより高くなる理由から、上記式(1)中のRおよびRが、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩であることが好ましく、スルホ基のナトリウム金属塩(-SONa)であることがより好ましい。これは、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩であると、アゾ化合物の水溶性が高まり、光配向膜上に疎水的な液晶組成物を塗布する際に、配向緩和を抑制できたためと考えられる。
上記式(1)中、A~Aの一態様が示す2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、鎖状、分岐状または環状のアルキレン基が好ましく、直鎖状または分岐状のアルキレン基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基が更に好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが好適に挙げられる。
なお、2価の脂肪族炭化水素基は、上述した通り、脂肪族炭化水素基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基であってもよく、Qで表される置換基としては、2価の脂肪族炭化水素基などが有していてもよい置換基として後述するものが挙げられる。
上記式(1)中、A~Aの一態様が示す2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6~12のアリーレン基が挙げられ、具体的には、フェニレン基、クメニレン基、メシチレン基、トリレン基、および、キシリレン基等が挙げられる。中でもフェニレン基が好ましい。
上記式(1)中、A~Aについて、2価の脂肪族炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1~18の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、およびシクロヘキシル基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基が更に好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1~18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基およびメトキシエトキシ基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
上記式(1)中、BおよびBの一態様が示す2価の連結基としては、例えば、-O-、-NH-、-O-CO-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、および、-O-CO-NH-などが挙げられる。
上記式(1)中、BおよびBが示す2価の連結基としては、例えば、-O-、-S-、-NH-、-CO-O-、-O-CO-、-CO-S-、-S-CO-、-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-O-CO-NH-、-NH-CO-S-、および、-S-CO-NH-などが挙げられる。
本発明においては、光配向膜上に形成される光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度がより高くなる理由から、上記式(1)中のBおよびBが、少なくともカルボニル炭素を有し、カルボニル炭素が、上記式(1)中のベンゼン環と結合していることが好ましい。これは、C=Oがベンゼン環に結合していることにより、C=Oの電子密度が低下し、分子間における水素結合の強さが適度に抑制されたためであると考えられる。
そのため、上記式(1)中のBおよびBは、*1-CO-O-*2、-CO-S-*2、または、*1-CO-NH-*2を表すことがより好ましい。なお、*1は、ベンゼン環との結合位置を表し、*2は、AまたはAとの結合位置を表す。
特定アゾ化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
また、特定アゾ化合物としては、上記式(1)中のRおよびRが、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、および、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩からなる群から選択される官能基である態様として、下記式で表される化合物が好適に挙げられる。
また、特定アゾ化合物としては、上記式(1)中のRおよびRが、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、および、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩からなる群から選択される官能基であり、かつ、上記式(1)中のBおよびBが、少なくともカルボニル炭素を有し、カルボニル炭素が、上記式(1)中のベンゼン環と結合している態様として、下記式で表される化合物が好適に挙げられる。
光配向膜の膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10~1000nmが好ましく、10~700nmがより好ましい。
〔光配向膜の製造方法〕
本発明の光配向膜は、上述した特定アゾ化合物を含有する光配向膜用組成物を用いて製造することが好ましい。
光配向膜用組成物は、光配向膜を作製する作業性等の観点から、溶媒を含有するのが好ましい。
溶媒としては、水および/または有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒としては、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
光配向膜用組成物は、上記以外の他の成分を含有してもよく、例えば、架橋触媒、密着改良剤、レベリング剤、界面活性剤、可塑剤などが挙げられる。
光配向膜用組成物を用いる以外は従来公知の製造方法により製造することができ、例えば、上述した本発明の光配向膜用組成物を基板表面に塗布する塗布工程と、光配向膜用組成物の塗膜に対し、偏光または塗膜表面に対して斜め方向から非偏光を照射する光照射工程とを有する製造方法により作製することができる。
なお、基板については、後述する本発明の積層体において説明する。
<塗布工程>
塗布工程における塗布方法は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。
<光照射工程>
光照射工程において、光配向膜用組成物の塗膜に対して照射する偏光は特に制限はなく、例えば、直線偏光、円偏光、楕円偏光などが挙げられ、中でも、直線偏光が好ましい。
また、非偏光を照射する「斜め方向」とは、塗膜表面の法線方向に対して極角θ(0<θ<90°)傾けた方向である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、θが20~80°であることが好ましい。
偏光または非偏光における波長としては、光配向膜用組成物の塗膜に、液晶性分子に対する配向制御能を付与することができる限り、特に制限はないが、例えば、紫外線、近紫外線、可視光線などが挙げられる。中でも、250nm~450nmの近紫外線が特に好ましい。
また、偏光または非偏光を照射するための光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。このような光源から得た紫外線や可視光線に対して、干渉フィルタや色フィルタなどを用いることで、照射する波長範囲を制限することができる。また、これらの光源からの光に対して、偏光フィルタや偏光プリズムを用いることで、直線偏光を得ることができる。
偏光または非偏光の積算光量としては、光配向膜用組成物の塗膜に、液晶性分子に対する配向制御能を付与することができる限り、特に制限はなく、特に制限はないが、1~1000mJ/cmが好ましく、5~500mJ/cmがより好ましい。
偏光または非偏光の照度としては、光配向膜用組成物の塗膜に、液晶性分子に対する配向制御能を付与することができる限り、特に制限はないが、0.1~300mW/cmが好ましく、1~100mW/cmがより好ましい。
[積層体]
本発明の積層体は、光配向膜と、光配向膜上に設けられる液晶層と、を含有する積層体である。
また、本発明の積層体が有する光配向膜が、上述した本発明の光配向膜である。
また、本発明の積層体が有する液晶層が、液晶性化合物および二色性物質を含有する液晶組成物から形成された光吸収異方性膜である。
〔液晶層(光吸収異方性膜)〕
本発明の積層体が有する液晶層は、上述した通り、液晶性化合物および二色性物質を含有する液晶組成物から形成された光吸収異方性膜である。
以下に、液晶組成物に含まれる各成分について詳述する。
<液晶性化合物>
液晶組成物は、液晶性化合物を含有する。
液晶性化合物は、可視領域で二色性を示さない液晶性化合物が好ましい。
液晶性化合物としては、低分子液晶性化合物および高分子液晶性化合物のいずれも用いることができる。ここで、「低分子液晶性化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有さない液晶性化合物のことをいう。また、「高分子液晶性化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有する液晶性化合物のことをいう。
低分子液晶性化合物としては、例えば、特開2013-228706号公報に記載されている液晶性化合物が挙げられる。
高分子液晶性化合物としては、例えば、特開2011-237513号公報に記載されているサーモトロピック液晶性高分子が挙げられる。また、高分子液晶性化合物は、末端に架橋性基(例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)を有していてもよい。
液晶性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶性化合物の含有量は、本組成物中の二色性物質の含有量100質量部に対して、25~2000質量部が好ましく、33~1000質量部がより好ましく、50~500質量部がさらに好ましい。液晶性化合物の含有量が上記範囲内にあることで、得られる光吸収異方性膜の配向度がより向上する。
液晶性化合物は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、高分子液晶性化合物であることが好ましく、下記式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」とも略す。)を含む高分子液晶性化合物であることがより好ましい。
上記式(1)中、P1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、SP1はスペーサー基を表し、M1はメソゲン基を表し、T1は末端基を表す。
P1が表す繰り返し単位の主鎖としては、具体的には、例えば、下記式(P1-A)~(P1-D)で表される基が挙げられ、なかでも、原料となる単量体の多様性および取り扱いが容易である観点から、下記式(P1-A)で表される基が好ましい。
上記式(P1-A)~(P1-D)において、「*」は、上記式(1)におけるL1との結合位置を表す。
上記式(P1-A)~(P1-D)において、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基または炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基を表す。上記アルキル基は、直鎖または分岐のアルキル基であってもよいし、環状構造を有するアルキル基(シクロアルキル基)であってもよい。また、上記アルキル基の炭素数は、1~5が好ましい。
上記式(P1-A)で表される基は、(メタ)アクリル酸エステルの重合によって得られるポリ(メタ)アクリル酸エステルの部分構造の一単位であることが好ましい。
上記式(P1-B)で表される基は、エポキシ基を有する化合物のエポキシ基を開環重合して形成されるエチレングリコール単位であることが好ましい。
上記式(P1-C)で表される基は、オキセタン基を有する化合物のオキセタン基を開環重合して形成されるプロピレングリコール単位であることが好ましい。
上記式(P1-D)で表される基は、アルコキシシリル基およびシラノール基の少なくとも一方の基を有する化合物の縮重合によって得られるポリシロキサンのシロキサン単位であることが好ましい。ここで、アルコキシシリル基およびシラノール基の少なくとも一方の基を有する化合物としては、式SiR14(OR15-で表される基を有する化合物が挙げられる。式中、R14は、(P1-D)におけるR14と同義であり、複数のR15はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1~10のアルキル基を表す。
上記式(1)中、L1は、単結合または2価の連結基である。
L1が表す2価の連結基としては、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-SO-、および、-NR-などが挙げられる。式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表わす。
P1が式(P1-A)で表される基である場合には、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、L1は-C(O)O-で表される基が好ましい。
P1が式(P1-B)~(P1-D)で表される基である場合には、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、L1は単結合が好ましい。
上記式(1)中、SP1が表すスペーサー基は、液晶性を発現しやすいことや、原材料の入手性などの理由から、オキシエチレン構造、オキシプロピレン構造、ポリシロキサン構造およびフッ化アルキレン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含むことが好ましい。
ここで、SP1が表すオキシエチレン構造は、*-(CH-CHO)n1-*で表される基が好ましい。式中、n1は1~20の整数を表し、*は、上記式(1)中のL1またはM1との結合位置を表す。n1は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、2~10の整数であることが好ましく、2~4の整数であることがより好ましく、3であることが最も好ましい。
また、SP1が表すオキシプロピレン構造は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、*-(CH(CH)-CHO)n2-*で表される基が好ましい。式中、n2は1~3の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すポリシロキサン構造は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、*-(Si(CH-O)n3-*で表される基が好ましい。式中、n3は6~10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すフッ化アルキレン構造は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、*-(CF-CFn4-*で表される基が好ましい。式中、n4は6~10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
上記式(1)中、M1が表すメソゲン基とは、液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格を示す基である。液晶分子は、結晶状態と等方性液体状態の中間の状態(メソフェーズ)である液晶性を示す。メソゲン基については特に制限はなく、例えば、「Flussige Kristalle in Tabellen II」(VEB Deutsche Verlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)、特に第7頁~第16頁の記載、および、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載、を参照することができる。
メソゲン基としては、例えば、芳香族炭化水素基、複素環基、および、脂環式基からなる群から選択される少なくとも1種の環状構造を有する基であることが好ましい。
メソゲン基は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、芳香族炭化水素基を有するのが好ましく、2~4個の芳香族炭化水素基を有するのがより好ましく、3個の芳香族炭化水素基を有するのがさらに好ましい。
メソゲン基としては、液晶性の発現、液晶相転移温度の調整、原料入手性および合成適性という観点、並びに、本発明の効果がより優れるから、下記式(M1-A)または下記式(M1-B)で表される基が好ましく、式(M1-B)で表される基がより好ましい。
式(M1-A)中、A1は、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。これらの基は、アルキル基、フッ化アルキル基、アルコキシ基又は置換基で置換されていてもよい。
A1で表される2価の基は、4~6員環であることが好ましい。また、A1で表される2価の基は、単環でも、縮環であってもよい。
*は、SP1またはT1との結合位置を表す。
A1が表す2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレン-ジイル基、アントラセン-ジイル基およびテトラセン-ジイル基などが挙げられ、メソゲン骨格の設計の多様性や原材料の入手性などの観点から、フェニレン基またはナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
A1が表す2価の複素環基としては、芳香族または非芳香族のいずれであってもよいが、配向度がより向上するという観点から、2価の芳香族複素環基であることが好ましい。
2価の芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
2価の芳香族複素環基の具体例としては、例えば、ピリジレン基(ピリジン-ジイル基)、ピリダジン-ジイル基、イミダゾール-ジイル基、チエニレン(チオフェン-ジイル基)、キノリレン基(キノリン-ジイル基)、イソキノリレン基(イソキノリン-ジイル基)、オキサゾール-ジイル基、チアゾール-ジイル基、オキサジアゾール-ジイル基、ベンゾチアゾール-ジイル基、ベンゾチアジアゾール-ジイル基、フタルイミド-ジイル基、チエノチアゾール-ジイル基、チアゾロチアゾール-ジイル基、チエノチオフェン-ジイル基、および、チエノオキサゾール-ジイル基などが挙げられる。
A1が表す2価の脂環式基の具体例としては、シクロペンチレン基およびシクロへキシレン基などが挙げられる。
式(M1-A)中、a1は1~10の整数を表す。a1が2以上である場合には、複数のA1は同一でも異なっていてもよい。
式(M1-B)中、A2およびA3はそれぞれ独立に、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。A2およびA3の具体例および好適態様は、式(M1-A)のA1と同様であるので、その説明を省略する。
式(M1-B)中、a2は1~10の整数を表し、a2が2以上である場合には、複数のA2は同一でも異なっていてもよく、複数のA3は同一でも異なっていてもよく、複数のLA1は同一でも異なっていてもよい。a2は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、2以上の整数であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式(M1-B)中、a2が1である場合には、LA1は2価の連結基である。a2が2以上である場合には、複数のLA1はそれぞれ独立に、単結合または2価の連結基であり、複数のLA1のうち少なくとも1つが2価の連結基である。a2が2である場合、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、2つのLA1のうち、一方が2価の連結基であり、他方が単結合であることが好ましい。
式(M1-B)中、LA1が表す2価の連結基としては、-O-、-(CH-、-(CF-、-Si(CH-、-(Si(CHO)-、-(OSi(CH-(gは1~10の整数を表す。)、-N(Z)-、-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=N-、-N=C(Z)-、-C(Z)-C(Z’)-、-C(O)-、-OC(O)-、-C(O)O-、-O-C(O)O-、-N(Z)C(O)-、-C(O)N(Z)-、-C(Z)=C(Z’)-C(O)O-、-O-C(O)-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=N-、-N=C(Z)-、-C(Z)=C(Z’)-C(O)N(Z”)-、-N(Z”)-C(O)-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=C(Z’)-C(O)-S-、-S-C(O)-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=N-N=C(Z’)-(Z、Z’、Z”は独立に、水素、C1~C4アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、または、ハロゲン原子を表す。)、-C≡C-、-N=N-、-S-、-S(O)-、-S(O)(O)-、-(O)S(O)O-、-O(O)S(O)O-、-SC(O)-、および、-C(O)S-などが挙げられる。なかでも、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、-C(O)O-が好ましい。LA1は、これらの基を2つ以上組み合わせた基であってもよい。
M1の具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。なお、下記具体例において、「Ac」は、アセチル基を表す。
上記式(1)中、T1が表す末端基としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基(ROC(O)-:Rはアルキル基)、炭素数1~10のアシルオキシ基、炭素数1~10のアシルアミノ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1~10のスルホニルアミノ基、炭素数1~10のスルファモイル基、炭素数1~10のカルバモイル基、炭素数1~10のスルフィニル基、および、炭素数1~10のウレイド基、(メタ)アクリロイルオキシ基含有基などが挙げられる。上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有基としては、例えば、-L-A(Lは単結合又は連結基を表す。連結基の具体例は上述したL1及びSP1と同じである。Aは(メタ)アクリロイルオキシ基を表す)で表される基が挙げられる。
T1は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、炭素数1~10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~5のアルコキシがより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。これらの末端基は、これらの基、または、特開2010-244038号公報に記載の重合性基によって、さらに置換されていてもよい。
T1の主鎖の原子数は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、1~20が好ましく、1~15がより好ましく、1~10がさらに好ましく、1~7が特に好ましい。T1の主鎖の原子数が20以下であることで、偏光子の配向度がより向上する。ここで、T1おける「主鎖」とは、M1と結合する最も長い分子鎖を意味し、水素原子はT1の主鎖の原子数にカウントしない。例えば、T1がn-ブチル基である場合には主鎖の原子数は4であり、T1がsec-ブチル基である場合の主鎖の原子数は3である。
繰り返し単位(1)の含有量は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、高分子液晶性化合物が有する全繰り返し単位100質量%に対して、20~100質量%が好ましい。
本発明において、高分子液晶性化合物に含まれる各繰り返し単位の含有量は、各繰り返し単位を得るために使用される各単量体の仕込み量(質量)に基づいて算出される。
繰り返し単位(1)は、高分子液晶性化合物中において、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。なかでも、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、繰り返し単位(1)が高分子液晶性化合物中に2種含まれているのがよい。
高分子液晶性化合物が繰り返し単位(1)を2種含む場合、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、一方(繰り返し単位A)においてT1が表す末端基がアルコキシ基であり、他方(繰り返し単位B)においてT1が表す末端基がアルコキシ基以外の基であることが好ましい。
上記繰り返し単位BにおいてT1が表す末端基は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、アルコキシカルボニル基、シアノ基、又は、(メタ)アクリロイルオキシ基含有基であることが好ましく、アルコキシカルボニル基、又は、シアノ基であることがより好ましい。
高分子液晶性化合物中の上記繰り返し単位Aの含有量と高分子液晶性化合物中の上記繰り返し単位Bの含有量との割合(A/B)は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、50/50~95/5であることが好ましく、60/40~93/7であることがより好ましく、70/30~90/10であることがさらに好ましい。
(重量平均分子量)
高分子液晶性化合物の重量平均分子量(Mw)は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、1000~500000が好ましく、2000~300000がより好ましい。高分子液晶性化合物のMwが上記範囲内にあれば、高分子液晶性化合物の取り扱いが容易になる。
特に、塗布時のクラック抑制の観点から、高分子液晶性化合物の重量平均分子量(Mw)は、10000以上が好ましく、10000~300000がより好ましい。
また、配向度の温度ラチチュードの観点から、高分子液晶性化合物の重量平均分子量(Mw)は、10000未満が好ましく、2000以上10000未満が好ましい。
ここで、本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):N-メチルピロリドン
・装置名:TOSOH HLC-8220GPC
・カラム:TOSOH TSKgelSuperAWM-H(6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:25℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:0.35mL/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000~1050(Mw/Mn=1.03~1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
(含有量)
本発明においては、液晶性化合物の含有量は、液晶組成物における固形分中の8~99質量%となる量であることが好ましく、8~96質量%となる量であることがより好ましい。
ここで、「液晶組成物における固形分」とは、溶媒を除いた成分をいい、固形分の具体例としては、上記液晶性化合物および後述する二色性物質、重合開始剤、界面改良剤などが挙げられる。
<二色性物質>
液晶組成物は、二色性物質を含有する。
二色性物質は、特に限定されず、可視光吸収物質(二色性色素)、発光物質(蛍光物質、燐光物質)、紫外線吸収物質、赤外線吸収物質、非線形光学物質、カーボンナノチューブ、無機物質(例えば量子ロッド)、などが挙げられ、従来公知の二色性物質(二色性色素)を使用することができる。
具体的には、例えば、特開2013-228706号公報の[0067]~[0071]段落、特開2013-227532号公報の[0008]~[0026]段落、特開2013-209367号公報の[0008]~[0015]段落、特開2013-14883号公報の[0045]~[0058]段落、特開2013-109090号公報の[0012]~[0029]段落、特開2013-101328号公報の[0009]~[0017]段落、特開2013-37353号公報の[0051]~[0065]段落、特開2012-63387号公報の[0049]~[0073]段落、特開平11-305036号公報の[0016]~[0018]段落、特開2001-133630号公報の[0009]~[0011]段落、特開2011-215337号公報の[0030]~[0169]、特開2010-106242号公報の[0021]~[0075]段落、特開2010-215846号公報の[0011]~[0025]段落、特開2011-048311号公報の[0017]~[0069]段落、特開2011-213610号公報の[0013]~[0133]段落、特開2011-237513号公報の[0074]~[0246]段落、特開2016-006502号公報の[0005]~[0051]段落、WO2016/060173号公報の[0005]~[0041]段落、WO2016/136561号公報の[0008]~[0062]段落、国際公開第2017/154835号の[0014]~[0033]段落、国際公開第2017/154695号の[0014]~[0033]段落、国際公開第2017/195833号の[0013]~[0037]段落、国際公開第2018/164252号の[0014]~[0034]段落などに記載されたものが挙げられる。
本発明においては、得られる光吸収異方性膜の色域が拡大する理由から、二色性物質の少なくとも1種が、塗布膜状態において、波長400~500nmの範囲に極大吸収波長を有する二色性物質であることが好ましい。
また、得られる光吸収異方性膜を黒色に近づける観点から、塗布膜状態において、波長400nm以上500nm未満の範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の二色性物質と、波長500nm以上700nm未満の範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の二色性物質とを併用することが好ましい。
上記二色性物質は、架橋性基を有していてもよい。
上記架橋性基としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、スチリル基などが挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
(含有量)
本発明においては、二色性物質の含有量は、得られる光吸収異方性膜の配向度がより高くなる理由から、光吸収異方性膜の全固形分質量に対して3~60質量%であることが好ましく、3~50質量%であることがより好ましい。
<重合開始剤>
液晶組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては特に制限はないが、感光性を有する化合物、すなわち光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、各種の化合物を特に制限なく使用できる。光重合開始剤の例には、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号および同2951758号の各明細書)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報および米国特許第4239850号明細書)、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書)、および、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63-40799号公報、特公平5-29234号公報、特開平10-95788号公報および特開平10-29997号公報)などが挙げられる。
このような光重合開始剤としては、市販品も用いることができ、BASF社製のイルガキュア-184、イルガキュア-907、イルガキュア-369、イルガキュア-651、イルガキュア-819、イルガキュア-OXE-01およびイルガキュア-OXE-02等が挙げられる。
液晶組成物が重合開始剤を含有する場合、重合開始剤の含有量は、液晶組成物中の上記二色性物質と上記液晶性化合物との合計100質量部に対し、0.01~30質量部が好ましく、0.1~15質量部がより好ましい。重合開始剤の含有量が0.01質量部以上であることで、光吸収異方性膜の耐久性が良好となり、30質量部以下であることで、光吸収異方性膜の配向度がより良好となる。
重合開始剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。重合開始剤を2種以上含む場合、その合計量が上記範囲内であるのが好ましい。
<溶媒>
液晶組成物は、作業性等の観点から、溶媒を含むことが好ましい。
溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、および、シクロヘキサノン等)、エーテル類(例えば、ジオキサン、および、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、および、トリメチルベンゼン等)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、および、クロロトルエン等)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、および、酢酸ブチル等)、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、および、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、および、1,2-ジメトキシエタン等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、および、ジメチルアセトアミド等)、および、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン等)等の有機溶媒、ならびに、水が挙げられる。これの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒のうち、有機溶媒を用いることが好ましく、ハロゲン化炭素類またはケトン類を用いることがより好ましい。
液晶組成物が溶媒を含有する場合、溶媒の含有量は、液晶組成物の全質量に対して、80~99質量%であることが好ましく、83~97質量%であることがより好ましく、85~95質量%であることが特に好ましい。
溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。溶媒を2種以上含む場合、その合計量が上記範囲内であるのが好ましい。
<光吸収異方性膜の形成方法>
光吸収異方性膜の形成方法は特に限定されず、上述した液晶組成物を上述した光配向膜上に塗布して塗布膜を形成する工程(以下、「塗布膜形成工程」ともいう。)と、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向させる工程(以下、「配向工程」ともいう。)と、をこの順に含む方法が挙げられる。
なお、液晶性成分とは、上述した液晶性化合物だけでなく、上述した二色性物質が液晶性を有している場合は、液晶性を有する二色性物質も含む成分である。
(塗布膜形成工程)
塗布膜形成工程は、液晶組成物を光配向膜上に塗布して塗布膜を形成する工程である。
上述した溶媒を含有する液晶組成物を用いたり、液晶組成物を加熱などによって溶融液などの液状物としたものを用いたりすることにより、光配向層上に液晶組成物を塗布することが容易になる。
液晶組成物の塗布方法としては、具体的には、例えば、ロールコーティング法、グラビア印刷法、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スプレー法、および、インクジェット法などの公知の方法が挙げられる。
(配向工程)
配向工程は、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向させる工程である。これにより、光吸収異方性膜が得られる。
配向工程は、乾燥処理を有していてもよい。乾燥処理によって、溶媒などの成分を塗布膜から除去することができる。乾燥処理は、塗布膜を室温下において所定時間放置する方法(例えば、自然乾燥)によって行われてもよいし、加熱および/または送風する方法によって行われてもよい。
ここで、液晶組成物に含まれる液晶性成分は、上述した塗布膜形成工程または乾燥処理によって、配向する場合がある。例えば、液晶組成物が溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗布膜を乾燥して、塗布膜から溶媒を除去することで、光吸収異方性を持つ塗布膜(すなわち、光吸収異方性膜)が得られる。
乾燥処理が塗布膜に含まれる液晶性成分の液晶相への転移温度以上の温度により行われる場合には、後述する加熱処理は実施しなくてもよい。
塗布膜に含まれる液晶性成分の液晶相への転移温度は、製造適性等の面から10~250℃が好ましく、25~190℃がより好ましい。上記転移温度が10℃以上であると、液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるための冷却処理等が必要とならず、好ましい。また、上記転移温度が250℃以下であると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にする場合にも高温を要さず、熱エネルギーの浪費、ならびに、基板の変形および変質等を低減できるため、好ましい。
配向工程は、加熱処理を有することが好ましい。これにより、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向させることができるため、加熱処理後の塗布膜を光吸収異方性膜として好適に使用できる。
加熱処理は、製造適性等の面から10~250℃が好ましく、25~190℃がより好ましい。また、加熱時間は、1~300秒が好ましく、1~60秒がより好ましい。
配向工程は、加熱処理後に実施される冷却処理を有していてもよい。冷却処理は、加熱後の塗布膜を室温(20~25℃)程度まで冷却する処理である。これにより、塗布膜に含まれる液晶性成分の配向を固定することができる。冷却手段としては、特に限定されず、公知の方法により実施できる。
以上の工程によって、光吸収異方性膜を得ることができる。
なお、本態様では、塗布膜に含まれる液晶性成分を配向する方法として、乾燥処理および加熱処理などを挙げているが、これに限定されず、公知の配向処理によって実施できる。
(他の工程)
光吸収異方性膜の形成方法は、上記配向工程後に、光吸収異方性膜を硬化させる工程(以下、「硬化工程」ともいう。)を有していてもよい。
硬化工程は、例えば、光吸収異方性膜が架橋性基(重合性基)を有している場合には、加熱および/または光照射(露光)によって実施される。このなかでも、硬化工程は光照射によって実施されることが好ましい。
硬化に用いる光源は、赤外線、可視光または紫外線など、種々の光源を用いることが可能であるが、紫外線であることが好ましい。また、硬化時に加熱しながら紫外線を照射してもよいし、特定の波長のみを透過するフィルタを介して紫外線を照射してもよい。
露光が加熱しながら行われる場合、露光時の加熱温度は、光吸収異方性膜に含まれる液晶性成分の液晶相への転移温度にもよるが、25~140℃であることが好ましい。
また、露光は、窒素雰囲気下で行われてもよい。ラジカル重合によって光吸収異方性膜の硬化が進行する場合において、酸素による重合の阻害が低減されるため、窒素雰囲気下で露光することが好ましい。
光吸収異方性膜の厚さは、特に限定されないが、後述する本発明の積層体を偏光素子に用いた場合のフレキシブル性の観点から、100~8000nmであることが好ましく、300~5000nmであることがより好ましい。
〔基板〕
本発明の積層体は、上述した光配向膜の光吸収異方性膜を設けた側とは反対側に、基板を有していてよい。
基板としては、光吸収異方性膜の用途に応じて選択することができ、例えば、ガラスおよびポリマーフィルムが挙げられる。
基板の光透過率は、80%以上であるのが好ましい。
基板としてポリマーフィルムを用いる場合には、光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002-22942号公報の[0013]段落の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開第2000/26705号公報に記載の分子を修飾することで発現性を低下させたものを用いることもできる。
本発明の積層体が基板を有する場合、基板の表面は、水素結合の受容体または供与体となりうる官能基を含有する化合物(例えば、ポリビニルアルコール、ポリイミドなど)から形成されていることが好ましい。
〔λ/4板〕
本発明の積層体は、上記光吸収異方性膜上にλ/4板を有していることが好ましい。
「λ/4板」とは、λ/4機能を有する板であり、具体的には、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。
例えば、λ/4板が単層構造である態様としては、具体的には、延伸ポリマーフィルムや、基板上にλ/4機能を有する光学異方性層を設けた位相差フィルムなどが挙げられ、また、λ/4板が複層構造である態様としては、具体的には、λ/4板とλ/2板とを積層してなる広帯域λ/4板が挙げられる。
λ/4板と光吸収異方性膜とは、接して設けられていてもよいし、λ/4板と光吸収異方性膜との間に、他の層が設けられていてもよい。このような層としては、密着性担保のための粘着層または接着層、およびバリア層が挙げられる。
〔用途〕
本発明の積層体は、偏光素子(偏光板)として使用でき、例えば、直線偏光板または円偏光板として使用できる。
本発明の積層体が上記λ/4板などの光学異方性層を有さない場合には、積層体は直線偏光板として使用できる。
一方、本発明の積層体が上記λ/4板を有する場合には、積層体は円偏光板として使用できる。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、上述した光配向膜または上述した積層体を有する。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、および、プラズマディスプレイパネルなどが挙げられる。
これらのうち、液晶セルまたは有機EL表示パネルであるのが好ましく、液晶セルであるのがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置であるのが好ましく、液晶表示装置であるのがより好ましい。
〔液晶表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置としては、上述した光吸収異方性膜と、液晶セルと、を有する態様が好ましく挙げられる。より好適には、上述した積層体(ただし、λ/4板を含まない)と、液晶セルと、を有する液晶表示装置である。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる光吸収異方性膜(積層体)のうち、フロント側の偏光素子として本発明の光吸収異方性膜(積層体)を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光素子として本発明の光吸収異方性膜(積層体)を用いるのがより好ましい。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
<液晶セル>
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、またはTN(Twisted Nematic)モードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60~120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT(Thin Film Transistor)液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2-176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n-ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58~59(1998)記載)および(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、およびPSA(Polymer-Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006-215326号公報、および特表2008-538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶性分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10-54982号公報、特開平11-202323号公報、特開平9-292522号公報、特開平11-133408号公報、特開平11-305217号公報、特開平10-307291号公報などに開示されている。
〔有機EL表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、光配向膜と、光吸収異方性膜と、λ/4板と、有機EL表示パネルと、をこの順で有する態様が好適に挙げられる。
より好適には、視認側から、λ/4板を有する上述した積層体と、有機EL表示パネルと、をこの順に有する態様である。この場合には、積層体は、視認側から、基板、光配向膜、光吸収異方性膜、λ/4板および有機EL表示パネルの順に配置されている。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
[アゾ化合物]
本発明のアゾ化合物は、上述した式(1)で表されるアゾ化合物である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容および処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔光配向性材料(I)の合成〕
上記スキームに従い、上記式(I-1)で表される化合物(I-1)を合成した。
具体的には、まず、サリチル酸(10g、72mmol)をトルエン50mL、ジメチルアセトアミド25mLに溶解させ、0~5℃まで冷却した。塩化チオニル(7.8g、65mmol)をゆっくりと滴下し、5℃以下で1時間撹拌し、溶液Aとした。
また、別の反応器で、N-(2-ヒドロキエチル)アクリルアミド(12.5g、109mmol)、ブチルヒドロキシトルエン(0.1g、0.5mmol)を酢酸エチル100mLに溶解させ、0~5℃まで冷却した。そこに上記の溶液Aを滴下し、室温で1時間撹拌し、反応を完結させた。
次いで、1mol/lの塩酸水100mLを添加撹拌した後、水層を除去した。さらに飽和重層水100mLを添加撹拌した後、水層を除去した。有機層を減圧濃縮したのち、シリカゲルカラム精製により、化合物(I-1)5.5g(収率36%)で得た。
次いで、上記スキームに従い、上記式(I)で表される光配向性材料(I)を合成した。
具体的には、まず、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビフェニルジスルホン酸(30%水含む)(1.85g、2.9mmol)を水21mL、水酸化ナトリウム(0.5g、8.7mmol)で溶解させ、0~5℃まで冷却した。亜硝酸ナトリウム(0.6g、5.9mmol)を水15mLに溶解させ、ゆっくりと滴下した。塩酸(3.2mL、26mmol)を水3.2mLと混合したのち、ゆっくりと滴下した。その後、5℃以下で1時間撹拌し、溶液Bとした。
次いで、化合物(I-1)2.5gをTHF100mLと純水50mLに溶解させたのち、炭酸ナトリウム(7.4g、46mmol)と水40mLを加え、0~5℃まで冷却した。そこに、溶液Bを滴下し、5℃以下で1.5時間撹拌した。酢酸10mLを加え、析出物をろ過して回収した。シリカゲルカラム精製により、以下にも示す光配向性材料(I)3.1g(収率81%)で得た。
光配向性材料(I)
〔他の光配向性材料などについて〕
光配向性材料(I)と同様の方法、特開平2002-250924号公報に記載された方法、または、実験化学講座(丸善)に記載された方法に準じて、以下に示す、光配向性材料(II)~(VII)、(X)および(XI)を合成した。なお、光配向性材料(IX)は、DIC株式会社から購入した。
また、添加剤として、以下に示す、化合物(XII)を用いた。
光配向性材料(II)
光配向性材料(III)
光配向性材料(IV)
光配向性材料(V)
光配向性材料(VI)
光配向性材料(VII)
光配向性材料(IX)
光配向性材料(X)
光配向性材料(XI)
化合物(XII)
[実施例1]
<ガラス基板の表面処理>
ガラス基板(セントラル硝子社製、青板ガラス、サイズ300mm×300mm、厚み1.1mm)をアルカリ洗剤で洗浄し、純水を注いだ後、乾燥させた。
次いで、乾燥後のガラス基材上に、下記のPVA組成物1を#12のバーを用いて塗布し、塗布したPVA組成物1を110℃で2分間乾燥して、表面が親水化処理されたガラス基板を作製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
PVA組成物1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・変性ビニルアルコール(下記式(PVA-1)参照) 2.00質量部
・水 74.08質量部
・メタノール 23.86質量部
・光重合開始剤
(IRGACURE2959、BASF社製) 0.06質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記式(PVA-1)中、繰り返し単位中の数値は、変性ビニルアルコール中の全繰り返し単位に対する各繰り返し単位のモル%を表す。
<光配向膜用組成物の調製>
下記組成の光配向膜用組成物1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向膜用組成物1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記光配向性材料(I) 1.00質量部
・光重合開始剤
(IRGACURE2959、BASF社製) 0.05質量部
・水 15.85質量部
・ブトキシエタノール 41.55質量部
・ジプロピレングリコールモノメチル 41.55質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<光配向膜の作製>
得られた光配向膜用組成物1を、ガラス基板の親水化処理を施した表面に、1000回転でスピンコートして塗布した後、40℃で90秒乾燥させた。
その後、高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの照射条件で偏光露光し、光配向膜PA1を作製した。
<液晶組成物LC1の調製>
下記組成の液晶組成物LC1を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶組成物LC1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記高分子液晶性化合物P1 10.11質量部
・下記二色性物質Y1 0.27質量部
・下記二色性物質C1 1.35質量部
・下記界面改良剤F1 0.05質量部
・重合開始剤
IRGACURE819(BASF社製) 0.10質量部
・クロロホルム 88.12質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
高分子液晶性化合物P1
二色性物質Y1(極大吸収波長:418nm)
二色性物質C1(極大吸収波長:580nm)
界面改良剤F1
<積層体L1の作製>
得られた光配向膜PA1上に、上記液晶組成物LC1を1000回転でスピンコートして光吸収異方性膜を形成した。
次いで、光吸収異方性膜を140℃で60秒間加熱し、光吸収異方性膜を室温(25℃)になるまで冷却した。
次いで、80℃で30秒間加熱し、再び室温になるまで冷却した。
その後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cmの照射条件で60秒間照射することにより、積層体L1を作製した。
[実施例2~7]
<光配向膜の作製>
光配向膜用組成物1のうち、光配向性材料(I)を光配向性材料(II)~(VII)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、光配向膜用組成物2~7を調製し、光配向膜PA2~PA7を作製した。
<積層体の作製〕
使用する光配向膜PA1を光配向膜PA2~PA7に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L2~7を作製した。
[実施例8]
<光配向膜の作製>
光配向膜用組成物1で使用する光配向性材料を、上記光配向性材料(I)0.90質量部および上記光配向性材料(IX)0.10質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、光配向膜用組成物8を調製し、光配向膜PA8を作製した。
<積層体(光学異方性膜)の作製>
使用する光配向膜PA1を光配向膜PA8に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L8を作製した。
[実施例9]
<光配向膜の作製>
光配向膜用組成物1のうち、上記光配向性材料(I)を0.90質量部とし、添加剤として上記化合物(XII)を0.10質量部配合した以外は、実施例1と同様にして、光配向膜用組成物9を調製し、光配向膜PA9を作製した。
<積層体(光学異方性膜)の作製>
使用する光配向膜PA1を光配向膜PA9に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L9を作製した。
[実施例10]
<光配向膜の作製>
実施例1と同様にして、光配向膜PA1を作製した。
<重合性液晶組成物LC2の調製>
下記組成の液晶組成物LC2を調製し、攪拌しながら50℃で3時間加熱溶解し、0.45μmフィルターでろ過した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶組成物LC2の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記液晶混合物P2 7.55質量部
・下記二色性物質Y2 0.27質量部
・下記二色性物質M1 0.27質量部
・下記二色性物質C2 0.27質量部
・上記界面改良剤F1 0.06質量部
・重合開始剤
IRGACURE819(BASF社製) 0.08質量部
・クロロホルム 91.50質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶混合物P2(下記化合物A/下記化合物B=75/25で混合)
化合物A
化合物B
二色性物質Y2(極大吸収波長:411nm)
二色性物質M1(極大吸収波長:494nm)
二色性物質C2(極大吸収波長:602nm)
<積層体(光学異方性膜)の作製>
使用する液晶組成物LC1を液晶組成物LC2に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L10を作製した。
[比較例1]
<光配向膜の作製>
光配向膜用組成物1のうち、光配向性材料(I)を光配向性材料(IX)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、光配向膜用組成物11を調製し、光配向膜PA11を作製した。
<積層体(光学異方性膜)の作製>
使用する光配向膜PA1を光配向膜PA11に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L11を作製した。
[比較例2]
<光配向膜の作製>
光配向膜用組成物1のうち、光配向性材料(IX)を0.90質量部とし、添加剤として上記化合物(XII)を0.10質量部配合した以外は、実施例1と同様の方法で、光配向膜用組成物12を調製し、光配向膜PA12を作製した。
<積層体(光学異方性膜)の作製>
使用する光配向膜PA1を光配向膜PA12に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L12を作製した。
[比較例3および4]
<光配向膜の作製>
光配向膜用組成物1のうち、光配向性材料(I)を光配向性材料(X)および(XI)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、光配向膜用組成物13および14を調製し、光配向膜PA13およびPA14を作製した。
<積層体(光学異方性膜)の作製>
使用する光配向膜PA1を光配向膜PA13およびPA14に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L13およびL14を作製した。
[比較例5]
<光配向膜用組成物の調製>
下記組成の光配向膜用組成物2を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向膜用組成物2の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記光配向材料(XIII) 7.60質量部
・下記重合開始剤P-I 0.40質量部
・メチルエチルケトン 9.20質量部
・ブトキシエタノール 82.80質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光配向材料(XIII)〔重量平均分子量:35000〕
重合開始剤P-1
<光配向膜の作製>
得られた光配向膜用組成物2を、ガラス基板の親水化処理を施した表面に塗布し、135℃で2分間乾燥した。塗布膜に、偏光紫外線露光装置を用いて直線偏光紫外線(照射量10mJ/cm)を照射し、光配向膜PA15を作製した。
<積層体(光学異方性膜)の作製>
使用する光配向膜PA1を光配向膜PA15に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体L15を作製した。
[評価]
作製した積層体L1~L15について、以下に示す評価を行った。結果を下記表1に示す。
<面状の均一性(ハジキ)>
クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に、積層体を挟持して観察し、この積層体を水平面内で回転させ、明暗の状態を確認した。明暗の状態より、塗布時のムラやハジキの有無を確認した。
A:目視で全体にムラ、ハジキが観察されない
B:目視で一部分にムラ、ハジキが観察される
C:目視で全体にムラ、ハジキが観察される
<面状の均一性(配向欠陥)>
積層体を目視で観察し、面状(配向欠陥)を目視にて観察した。また、2.5cm×2.5cmの範囲で配向欠陥の個数を数え、以下の評価を行った。
A:部分的に配向欠陥が存在しない、または配向欠陥が存在する場合であっても、その個数が1個である。
B:全面に配向欠陥が存在し、その個数が2個以上9個以下。
C:全面に配向欠陥が存在し、その個数が10個以上。
<配向度の測定>
光学顕微鏡(株式会社ニコン製、製品名「ECLIPSE E600 POL」)の光源側に直線偏光子を挿入した状態で、サンプル台に積層体をセットし、マルチチャンネル分光器(Ocean Optics社製、製品名「QE65000」)を用いて、380nm~780nmの波長域における光吸収異方性膜の吸光度を1nmピッチで測定し、以下の式により配向度を400~500nmの波長域における平均値として算出し、下記の基準に基づき評価した。
配向度:S=((Az0/Ay0)-1)/((Az0/Ay0)+2)
Az0:光吸収異方性膜の吸収軸方向の偏光に対する吸光度
Ay0:光吸収異方性膜の偏光軸方向の偏光に対する吸光度
AA:配向度が0.90以上
A:配向度が0.85以上0.90未満
B:配向度が0.80以上0.85未満
C:配向度が0.80未満
D:配向していない
<密着性>
積層体の光学異方性膜にセロハンテープを貼り、垂直方向にセロハンテープを剥がし、光学異方性膜の剥離状況を目視にて観察し、以下の評価を行った。
また、光学異方性膜1に対応する実施例および比較例の各積層体についても、同様の方法で試験を行い、以下の評価を行った。
AA:セロハンテープの剥離面のうち、光学異方性膜の3/4以上が残存
A:セロハンテープの剥離面のうち、光学異方性膜の1/2以上3/4未満が残存
B:セロハンテープの剥離面のうち、光学異方性膜の1/4未満が残存
C:セロハンテープが貼られた部分の全面で光学異方性膜が剥離
Figure 0007453354000085
上記表1に示す結果から、上記式(1)中のRおよびRに、アクリロイル基等の重合性官能基を有していない場合には、アクリロイルアミノ基を複数有する添加剤の有無によらず、光配向膜と光吸収異方性膜との密着性が劣ることが分かった(比較例1~2)。
また、上記式(1)中のR~R、A~A、および、B~Bが、活性水素を有する窒素原子を含有していない場合には、配向欠陥が生じ、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度が極めて低くなることが分かった(比較例3)。
また、上記式(1)中のRおよびRに、アクリロイル基等の重合性官能基を有していない場合には、RおよびRにアクリロイル基等の重合性官能基を有している場合でも、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度が低くなることが分かった(比較例4)。
また、アゾ化合物に代えてシンナモイル基を有する光配向性材料を用いた場合には、面状が劣り、また、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度が低くなることが分かった(比較例5)。
これに対し、上記式(1)で表されるアゾ化合物を含有する光配向膜を用いた場合には、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度が高くなり、光吸収異方性膜との密着性が良好となり、また、光吸収異方性膜の面状も良好となることが分かった(実施例1~10)。
特に、実施例1~4の結果から、上記式(1)中のRおよびRが、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、および、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩からなる群から選択される官能基であると、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度がより高くことが分かった。
また、実施例1~3と実施例7との結果から、上記式(1)中のBおよびBが、少なくともカルボニル炭素を有し、カルボニル炭素が、上記式(1)中のベンゼン環と結合していると、光吸収異方性膜におけるイエロー領域の配向度がより高くことが分かった。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表されるアゾ化合物を含有する、光配向膜。
    ここで、前記式(1)中、
    およびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される官能基を表す。
    およびRは、それぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される重合性官能基を表す。
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基もしくはそのアルカリ金属塩、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メトキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される官能基を表す。
    ~Aは、それぞれ独立に、単結合、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基を構成する-CH-の少なくとも1個が、-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、または、-CO-で置換されていてもよい。Qは、置換基を表す。
    およびBは、それぞれ独立に、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-NR15-、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R11~R15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。
    およびBは、それぞれ独立に、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-NR15-、または、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R11~R15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。
    ただし、R~R、A~A、および、B~Bのうち、少なくとも1つが、活性水素を有する窒素原子を含有する。
  2. 前記式(1)中のRおよびRが、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、および、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩からなる群から選択される官能基である、請求項1に記載の光配向膜。
  3. 前記式(1)中のBおよびBが、少なくともカルボニル炭素を有し、
    前記カルボニル炭素が、前記式(1)中のベンゼン環と結合している、請求項1または2に記載の光配向膜。
  4. 光配向膜と、前記光配向膜上に設けられる液晶層と、を含有する積層体であって、
    前記光配向膜が、請求項1~3のいずれか1項に記載の光配向膜であり、
    前記液晶層が、液晶性化合物および二色性物質を含有する液晶組成物から形成された光吸収異方性膜である、積層体。
  5. 前記二色性物質の含有量が、前記光吸収異方性膜の全固形分質量に対して3~60質量%である、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記二色性物質の少なくとも1種が、波長400~500nmの範囲に極大吸収波長を有する二色性物質である、請求項4または5に記載の積層体。
  7. 前記液晶性化合物が、高分子液晶性化合物である、請求項4~6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 更に、前記液晶層上に形成されたλ/4板を有する、請求項4~7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 請求項1~3のいずれか1項に記載の光配向膜、または、請求項4~8のいずれか1項に記載の積層体を有する、画像表示装置。
  10. 下記式(1)で表されるアゾ化合物。
    ここで、前記式(1)中、
    およびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、硫酸エステルもしくはそのアルカリ金属塩、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される官能基を表す。
    およびRは、それぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される重合性官能基を表す。
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基もしくはそのアルカリ金属塩、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メトキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基もしくはそのアルカリ金属塩、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、および、マレイミド基からなる群から選択される官能基を表す。
    ~Aは、それぞれ独立に、単結合、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基を構成する-CH-の少なくとも1個が、-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、または、-CO-で置換されていてもよい。Qは、置換基を表す。
    およびBは、それぞれ独立に、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-NR15-、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R11~R15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。
    およびBは、それぞれ独立に、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-NR15-、または、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R11~R15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。
    ただし、R~R、A~A、および、B~Bのうち、少なくとも1つが、活性水素を有する窒素原子を含有する。
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