JP7169352B2 - 偏光子、および、画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光子、および、画像表示装置に関する。
従来、レーザー光または自然光を含む照射光の減衰機能、偏光機能、散乱機能、または、遮光機能等が必要となった際には、それぞれの機能ごとに異なった原理によって作動する装置を利用していた。そのため、上記の機能に対応する製品も、それぞれの機能別に異なった製造工程によって製造されていた。
例えば、画像表示装置(例えば、液晶表示装置)では、表示における旋光性または複屈折性を制御するために直線偏光子または円偏光子が用いられている。また、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)においても、外光の反射防止のために円偏光子が使用されている。
従来、これらの偏光子には、ヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、近年では、ヨウ素の代わりに有機色素を二色性物質として使用する偏光子についても検討されている。
例えば、特許文献1には、高分子液晶性化合物と二色性物質とを含有する光吸収異方性膜が開示されている。
特開2011-237513号
このようななか、本発明者らが特許文献1の実施例を参考に偏光子を作製し、その配向度を評価した。その結果、今後予想される画像表示装置等の性能向上を鑑みると、配向度をさらに向上させることが望ましいことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、配向度の高い偏光子、および、上記偏光子を有する画像表示装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 液晶性化合物と二色性物質とを含有する偏光子形成用組成物から形成される偏光子であって、
液晶性化合物および二色性物質が、水平配向しており、
走査型電子顕微鏡で観察した表面において、凝集体が観察され、凝集体の長軸の長さをL、短軸の長さをDとした際に、
L≧300nm、および、L/D>2、を満たす凝集体である針状凝集体が、40μm2当たり15個以上、観察され、さらに、
針状凝集体のうち、L≦500nmを満たす針状凝集体の数が80%以上である、偏光子。
[2] 針状凝集体の90%以上が、液晶性化合物の配向軸と長軸とが成す角度が5°以上である、[1]に記載の偏光子。
[3] [1]または[2]に記載の偏光子を有する、画像表示装置。
以下に示すように、本発明によれば、配向度の高い偏光子、および、上記偏光子を有する画像表示装置を提供することができる。
図1は、本発明の偏光子の一例の表面を概念的に示す図である。 図2は、本発明の偏光子の実施例の顕微鏡写真を画像処理して出力した図である。 図3は、本発明の偏光子の比較例の顕微鏡写真を画像処理して出力した図である。 図4は、本発明の偏光子の比較例の顕微鏡写真を画像処理して出力した図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を表す表記であり、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を表す表記である。
[偏光子]
図1に、本発明の偏光子の一例の表面を走査型電子顕微鏡で観察した画像を概念的に示す。
本発明の偏光子は、液晶性化合物と二色性物質とを含有する偏光子形成用組成物から形成される偏光子であって、
液晶性化合物および二色性物質が、水平配向しており、
走査型電子顕微鏡で観察した表面において、凝集体が観察され、凝集体の長軸の長さをL、短軸の長さをDとした際に、
L≧300nm、および、L/D>2、を満たす凝集体である針状凝集体が、40μm2当たり(観察視野40μm2当たり)15個以上、観察され、さらに、
針状凝集体のうち、L≦500nmを満たす針状凝集体の数が80%以上である、偏光子である。
本発明は、このような構成を有することにより、配向度が高い偏光子を実現している。
図1においては、図中に白抜きで示す部分が凝集体である。図1に示す例では、一例として、符号Nを付した凝集体が、長軸の長さLおよび短軸の長さDが、L≧300nmおよびL/D>2を満たす、本発明における針状凝集体である。
後に実施例でも示すが、実際に本発明の偏光子の表面を走査型顕微鏡で観察した画像でも、凝集体は、それ以外の領域に比して、高輝度になる。
本発明の偏光子において、走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscope)による表面の観察は、具体的には、以下のようにして行う。
すなわち、まず、親水化処理装置(例えば、日本電子社製のHDT-400)に偏光子をセットして、GRIDモードによって、10分間親水化処理を施す。次いで、真空蒸着機(例えば、日本電子社製のJEE-400)に偏光子をセットし、親水化処理を施した面に、約10nm厚みのカーボンを蒸着する。
その後、カーボンを蒸着した面を観察面として、走査型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製のSU8030型FE-SEM)に、偏光子を水平面に設置した状態から配向軸(液晶配向軸)を回転軸として30°傾斜させてセットし、電子線加速電圧2kVおよび二次電子検出の条件で、配向軸がSEM画像の横方向となるようにして、偏光子の表面を観察する。
図1では、矢印x方向が配向軸の方向である。配向軸の方向とは、液晶性化合物および二色性物質が、長軸方向で配向した方向である。本発明の実施形態の一例において、偏光子を配向膜の上に形成する場合には、配向軸は、配向膜における配向方向と一致する。
また、凝集体の長軸の長さLおよび短軸の長さDは、具体的には、以下のようにして測定する。
まず、上述のように偏光子の表面をSEMで観察、撮影した画像を解析して、輝度ヒストグラムを作成し、頻度が最大となる輝度を抽出する。次いで、抽出した輝度の1.2倍の輝度を、閾値として設定する。次いで、この閾値を用いて輝度を二値化した画像を作成し、二値化した高輝度領域のうち、直径50nmの円に相当する面積(1963nm2)以上の面積を有する部分を、凝集体として抽出する。
さらに、抽出した各凝集体を楕円近似し、近似した楕円の長軸の長さを凝集体の長軸の長さLとし、近似した楕円の短軸の長さを凝集体の短軸の長さDとする。また、配向軸と、近似した楕円の長軸とが成す角度を、針状凝集体の長軸と配向軸とが成す角度とする。
このような凝集体の長軸の長さLおよび短軸の長さDの測定は、公知の画像処理ソフトウエアを用いて行えばよい。画像処理ソフトウエアとしては、例えば、画像処理ソフトウェア「ImageJ」が例示される。
本発明の偏光子は、凝集体の長軸の長さをL、短軸の長さをDとして、L≧300nmおよびL/D>2を満たす凝集体である針状凝集体を、40μm2当たり15個以上有し、かつ、針状凝集体のうち、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合が80%以上である。言い換えれば、本発明の偏光子は、L≧300nmおよびL/D>2を満たす凝集体である針状凝集体が、観察視野40μm2当たり15個以上観察され、かつ、針状凝集体のうち、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合が80%以上である。
具体的には、上述したような画像解析を行って、任意に選択した、互いに重複しない13.58μm2の領域、3箇所(合計40μm2)において、L≧300nmおよびL/D>2を満たす凝集体である針状凝集体の抽出および計数を行って、合計し、さらに、抽出した針状凝集体のうち、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合(数の割合)を算出する。
このような針状凝集体の計数、および、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合を算出を、任意に選択した、互いに重複しない40μm2(13.58μm2×3)の領域、10箇所において、行う。
その上で、測定を行った10箇所における針状凝集体の数、および、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合の平均値を算出し、この平均値を、偏光子における、40μm2当たりの針状凝集体の数、および、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合とすればよい。
なお、測定を行うのは、実際には、13.58μm2×3=40.74μm2の領域であるが、本発明においては、端数を切り捨てて、便宜的に『40μm2当たり』と称している。
なお、以下の説明では、凝集体の長軸の長さLと、短軸の長さDとの比であるL/Dを「アスペクト比」とも言う。
本発明の偏光子は、このような構成を有することにより、配向度の高い偏光子を実現している。
針状凝集体が存在することで、偏光子の配向性が向上する理由は、定かではないが、以下のように推測される。
図1に示すように、偏光子の表面には、多数の点状(島状)の凝集体、本発明における針状凝集体、および、長尺な凝集体が観察される。この凝集体は、液晶性化合物の凝集体、二色性物質の凝集体、および、液晶化合物と二色性物質との凝集体の1種以上であると考えられる。
このような凝集体は配向度が高い。そのため、十分な長さを有し、かつ、十分に細い針状凝集体が、多数、存在し、かつ、長すぎる針状凝集体の数が多過ぎないことにより、偏光子の配向度が向上するものと思われる。
40μm2当たりの針状凝集体の数が15個未満では、十分な配向度を有する偏光子を得られない。
本発明の偏光子において、40μm2当たりの針状凝集体の数は、15個以上であればよいが、20個以上が好ましく、30個以上がより好ましい。
40μm2当たりの針状凝集体の数を20個以上とすることにより、偏光子の配向度を高くできる、耐光性を向上できる等の点で好ましい。
本発明の偏光子において、40μm2当たりの針状凝集体の数の上限には制限はない。しかしながら、本発明の偏光子は、40μm2当たりの針状凝集体が少ない方が、ヘイズ等の点で有利である。
この点を考慮すると、40μm2当たりの針状凝集体の数は200以下が好ましく、150以下がより好ましい。
また、長さLが500nm以下の針状凝集体が80%未満では、十分な配向度を有する偏光子を得られない、耐光性に劣る等の不都合を生じる。
長さLが500nm以下の針状凝集体の割合は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
また、針状凝集体のアスペクト比は、2超であればよいが、2~12が好ましく、2~8.5がより好ましい。
針状凝集体のアスペクト比を2~12とすることにより、偏光子の偏光度を高くできる、ヘイズの小さい偏光子が得られる等の点で好ましい。
針状凝集体の長さLは、300nm以上であればよいが、300~500μmが好ましい。
針状凝集体の長さLを300~500μmとすることにより、偏光子の偏光度を高くできる、ヘイズの小さい偏光子が得られる等の点で好ましい。
本発明の偏光子においては、配向軸(図1矢印x方向)と長軸方向とが成す角度が5°以上である針状凝集体が、針状凝集体の90%以上であるのが好ましく、92%以上であるのがより好ましい。
配向軸と長軸方向とが成す角度が5°以上である針状凝集体が、針状凝集体の90%以上であることにより、偏光子の配向度を高くできる等の点で好ましい。
なお、針状凝集体の長軸方向は、上述した凝集体のアスペクト比を決める際に設定した楕円の長軸の方向とするのは、上述のとおりである。
なお、配向軸と長軸方向とが成す角度が5°以上である針状凝集体の割合も、針状凝集体の数等と同様、任意に選択した、互いに重複しない13.58μm2の領域、3箇所(合計40μm2)で算出を行えばよい。
この点に関しては、後述する針状凝集体の面積率、短軸方向の長さDが大きい凝集体の数、長さLが長い凝集体の数、および、凝集体の面積率に関しても、同様である。
また、本発明の偏光子においては、針状凝集体は、配向軸と長軸方向とが成す角度が、10°以下であるのが好ましい。
具体的には、配向軸と長軸方向とが成す角度が10°以下である針状凝集体の割合が、15%以上であるのが好ましく、20%以上であるのがより好ましい。
長手方向が、配向軸に対する長軸方向の角度が10°以下の針状凝集体の数が15%以上であることにより、偏光子の配向度を高くできる等の点で好ましい。
本発明の偏光子においては、針状凝集体の面積率が0.9~7.3%であるのが好ましく、1.0~7.0%であるのがより好ましい。
針状凝集体の面積率を0.9~7.3%とすることにより、偏光子の配向度を高くできる、ヘイズの低い偏光子が得られる等の点で好ましい。
本発明の偏光子において、針状凝集体は、短軸方向に、ある程度の距離を有するのが好ましい。
具体的には、針状凝集体は、自身の短軸方向に最も隣接する針状凝集体との距離が100nm以上であるのが好ましく、200nm以上であるのがより好ましい。隣接する針状凝集体の配向方向と直交する方向の距離を100nm以上とすることにより、ヘイズの低い偏光子が得られる等の点で好ましい。
なお、このような針状凝集体は、本発明の偏光子の両方の表面で同様に観察される。本発明の偏光子は、通常、後述する積層体とされる。そのため、本発明の偏光子において、針状凝集体は、偏光子の表面(バリア層との界面側の面)および偏光子と配向膜との界面側の面で、同様に確認される。
さらに、このような針状凝集体は、本発明の偏光子の主面と直交する方向の断面でも、同様に観察される。なお、主面とは、シート状物(フィルム、板状物)の最大面である。
本発明の偏光子は、針状凝集体に限らず、短軸方向の長さDが400nm以上の凝集体の割合が、全凝集体の40%以下であるのが好ましく、30%以下であるのがより好ましい。
短軸方向の長さDが400nm以上の凝集体の割合を40%以下とすることにより、ヘイズが低い偏光子が得られる等の点で好ましい。
さらに、本発明の偏光子は、針状凝集体に限らず、凝集体の面積率が5~35%であるのが好ましく、10~30%であるのがより好ましい。
凝集体の面積率を5~35%とすることにより、ヘイズが低い偏光子が得られる等の点で好ましい。
このような本発明の偏光子は、以下に示す偏光子形成用組成物を用いて形成できる。
〔偏光子形成用組成物〕
本発明の偏光子に用いられる偏光子形成用組成物は、液晶性化合物と二色性物質とを含有する。以下の説明では、本発明の偏光子に用いられる偏光子形成用組成物を「本組成物」とも言う。
なお、本組成物は、液晶性化合物および二色性物質以外に、重合開始剤、溶剤、および、界面改良剤等の成分を含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
<液晶性化合物>
上述のとおり、本組成物には、液晶性化合物を有する。液晶性化合物としては、低分子液晶性化合物および高分子液晶性化合物のいずれも用いることができる。ここで「低分子液晶性化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有さない液晶性化合物のことをいう。また、高分子液晶性化合物とは、化学構造中に繰り返し単位を有する液晶性化合物のことをいう。低分子液晶性化合物としては、例えば、特開2013-228706号公報に記載されている化合物が挙げられる。また、高分子液晶性化合物としては、例えば、特開2011-237513号公報に記載されている化合物が挙げられる。液晶性化合物は、サーモトロピック液晶であり、ネマチック相およびスメクチック相のいずれを示してもよいが、少なくともネマチック相を示すことが好ましい。ネマチック相を示す温度範囲は、室温(23℃)~450℃が好ましく、取り扱いや製造適性の観点から、50℃~400℃が好ましい。
また、高分子液晶性化合物としては、以下に示すサーモトロピック性液晶、および、結晶性高分子である高分子液晶性化合物が挙げられる。以下の説明では、サーモトロピック性液晶および結晶性高分子を「特定化合物」とも言う。
(サーモトロピック液晶)
サーモトロピック液晶とは、温度変化によって液晶相への転移を示す液晶である。
特定化合物は、サーモトロピック液晶であり、ネマチック相およびスメクチック相のいずれを示してもよい。しかしながら、特定化合物は、偏光子の配向度がより高くなり、且つ、ヘイズがより観察され難くなる(ヘイズがより良好になる)理由から、少なくともネマチック相を示すことが好ましい。なお、以下の説明では、「偏光子の配向度がより高くなり、且つ、ヘイズがより観察され難くなる」ことを「本発明の効果がより優れる」とも言う。
(結晶性高分子)
結晶性高分子とは、温度変化によって結晶層への転移を示す高分子である。結晶性高分子は結晶層への転移の他にガラス転移を示すものであってもよい。
特定化合物は、本発明の効果がより優れる理由から、加熱した時に結晶相から液晶相への転移を持つ(途中にガラス転移があってもよい)高分子液晶性化合物、または、加熱により液晶状態とした後で温度を下降させた時に結晶相への転移(途中にガラス転移があってもよい)を持つ高分子液晶性化合物であることが好ましい。
なお、高分子液晶性化合物の結晶性の有無は以下のように評価する。
光学顕微鏡(Nikon社製ECLIPSE E600 POL)の二枚の偏光子を互いに直交するように配置し、二枚の偏光子の間にサンプル台をセットする。そして、高分子液晶性化合物をスライドガラスに少量乗せ、サンプル台上に置いたホットステージ上にスライドガラスをセットする。サンプルの状態を観察しながら、高分子液晶性化合物が液晶性を示す温度までホットステージの温度を上げ、高分子液晶性化合物を液晶状態にする。高分子液晶性化合物が液晶状態になった後、ホットステージの温度を徐々に降下させながら液晶相転移の挙動を観察し、液晶相転移の温度を記録する。なお、高分子液晶性化合物が複数の液晶相(例えばネマチック相とスメクチック相)を示す場合、その転移温度も全て記録する。
次に、高分子液晶性化合物のサンプル約5mgをアルミパンに入れて蓋をし、示差走査熱量計(DSC)にセットする(リファレンスとして空のアルミパンを使用)。上記で測定した高分子液晶性化合物が液晶相を示す温度まで加熱し、その後、温度を1分保持した。その後、10℃/分の速度で降温させながら、熱量測定を行う。得られた熱量のスペクトルから発熱ピークを確認する。
その結果、液晶相転移の温度以外の温度で発熱ピークが観測された場合は、その発熱ピークが結晶化によるピークであり、高分子液晶性化合物は結晶性を有すると言える。
一方、液晶相転移の温度以外の温度で発熱ピークが観測されなかった場合は、高分子液晶性化合物は結晶性を有さないと言える。
結晶性高分子を得る方法は特に制限されないが、具体例としては、後述する繰り返し単位(1)を含む高分子液晶性化合物を用いる方法が好ましく、なかでも、後述する繰り返し単位(1)を含む高分子液晶性化合物の中の好適な態様を用いる方法がより好ましい。
(結晶化温度)
上述のとおり、特定化合物は、結晶化高分子である。
特定化合物の結晶化温度は、本発明の効果がより優れる理由から、0℃以上150℃未満が好ましく、なかでも120℃以下がより好ましく、15℃以上120℃未満がさらに好ましく、なかでも95℃以下が特に好ましい。上記高分子液晶性化合物の結晶化温度は、ヘイズを減らす観点から、150℃未満が好ましい。
なお、結晶化温度は、上述したDSCにおける結晶化による発熱ピークの温度である。
(好適な態様)
特定化合物は、本発明の効果がより優れる理由から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子液晶性化合物であることが好ましい。以下の説明では、下記式(1)で表される繰り返し単位を「繰り返し単位(1)」とも言う。
Figure 0007169352000001
上記式(1)中、P1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、SP1はスペーサー基を表し、M1はメソゲン基を表し、T1は末端基を表す。
P1が表す繰り返し単位の主鎖としては、具体的には、例えば、下記式(P1-A)~(P1-D)で表される基が挙げられ、なかでも、原料となる単量体の多様性および取り扱いが容易である観点から、下記式(P1-A)で表される基が好ましい。
Figure 0007169352000002
式(P1-A)~(P1-D)において、「*」は、式(1)におけるL1との結合位置を表す。式(P1-A)において、Rは水素原子またはメチル基を表す。式(P1-D)において、R2はアルキル基を表す。
式(P1-A)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、(メタ)アクリル酸エステルの重合によって得られるポリ(メタ)アクリル酸エステルの部分構造の一単位であることが好ましい。
式(P1-B)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、エチレングリコールを重合して得られるポリエチレングリコールにおけるエチレングリコール単位であることが好ましい。
式(P1-C)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、プロピレングリコールを重合して得られるプロピレングリコール単位であることが好ましい。
式(P1-D)で表される基は、本発明の効果がより優れる理由から、シラノールの縮重合によって得られるポリシロキサンのシロキサン単位であることが好ましい。
L1は、単結合または2価の連結基である。
L1が表す2価の連結基としては、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-C(O)NR3-、-NR3C(O)-、-SO2-、および、-NR34-などが挙げられる。式中、R3およびR4はそれぞれ独立に、水素原子、置換基(例えば、後述する置換基W)を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表わす。
P1が式(P1-A)で表される基である場合には、本発明の効果がより優れる理由から、L1は-C(O)O-で表される基が好ましい。
P1が式(P1-B)~(P1-D)で表される基である場合には、本発明の効果がより優れる理由から、L1は単結合が好ましい。
SP1が表すスペーサー基は、液晶性を発現しやすいことや、原材料の入手性などの理由から、オキシエチレン構造、オキシプロピレン構造、ポリシロキサン構造、および、フッ化アルキレン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含むことが好ましい。
ここで、SP1が表すオキシエチレン構造は、*-(CH2-CH2O)n1-*で表される基が好ましい。式中、n1は1~20の整数を表し、*は、上記式(1)中のL1またはM1との結合位置を表す。n1は、本発明の効果がより優れる理由から、2~10の整数であることが好ましく、2~4の整数であることがより好ましく、3であることが最も好ましい。
また、SP1が表すオキシプロピレン構造は、本発明の効果がより優れる理由から、*-(CH(CH3)-CH2O)n2-*で表される基が好ましい。式中、n2は1~3の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すポリシロキサン構造は、本発明の効果がより優れる理由から、*-(Si(CH32-O)n3-*で表される基が好ましい。式中、n3は6~10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
また、SP1が表すフッ化アルキレン構造は、本発明の効果がより優れる理由から、*-(CF2-CF2n4-*で表される基が好ましい。式中、n4は6~10の整数を表し、*はL1またはM1との結合位置を表す。
M1が表すメソゲン基とは、液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格を示す基である。液晶分子は、結晶状態と等方性液体状態の中間の状態(メソフェーズ)である液晶性を示す。メソゲン基については特に制限はなく、例えば、「FlussigeKristalle in Tabellen II」(VEB DeutscheVerlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)、特に第7頁~第16頁の記載、および、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載、を参照することができる。
メソゲン基としては、例えば、芳香族炭化水素基、複素環基、および脂環式基からなる群より選択される少なくとも1種の環状構造を有する基が好ましい。
メソゲン基は、本発明の効果がより優れる理由から、芳香族炭化水素基を有するのが好ましく、2~4個の芳香族炭化水素基を有するのがより好ましく、3個の芳香族炭化水素基を有するのがさらに好ましい。
メソゲン基としては、液晶性の発現、液晶相転移温度の調整、原料入手性および合成適性という観点、ならびに、本発明の効果がより優れるという観点から、下記式(M1-A)または下記式(M1-B)で表される基が好ましく、式(M1-B)で表される基がより好ましい。
Figure 0007169352000003
式(M1-A)中、A1は、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。これらの基は、アルキル基、フッ化アルキル基、アルコキシ基または後述する置換基Wなどの置換基で置換されていてもよい。
A1で表される2価の基は、4~6員環であることが好ましい。また、A1で表される2価の基は、単環でも、縮環であってもよい。
*は、SP1またはT1との結合位置を表す。
A1が表す2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレン-ジイル基、アントラセン-ジイル基、および、テトラセン-ジイル基などが挙げられ、メソゲン骨格の設計の多様性や原材料の入手性などの観点から、フェニレン基またはナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
A1が表す2価の複素環基としては、芳香族または非芳香族のいずれであってもよいが、配向度がより向上するという観点から、2価の芳香族複素環基であることが好ましい。
2価の芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
2価の芳香族複素環基の具体例としては、例えば、ピリジレン基(ピリジン-ジイル基)、ピリダジン-ジイル基、イミダゾール-ジイル基、チエニレン(チオフェン-ジイル基)、キノリレン基(キノリン-ジイル基)、イソキノリレン基(イソキノリン-ジイル基)、オキサゾール-ジイル基、チアゾール-ジイル基、オキサジアゾール-ジイル基、ベンゾチアゾール-ジイル基、ベンゾチアジアゾール-ジイル基、フタルイミド-ジイル基、チエノチアゾール-ジイル基、チアゾロチアゾール-ジイル基、チエノチオフェン-ジイル基、および、チエノオキサゾール-ジイル基などが挙げられる。
A1が表す2価の脂環式基の具体例としては、シクロペンチレン基およびシクロへキシレン基などが挙げられる。
式(M1-A)中、a1は1~10の整数を表す。a1が2以上である場合には、複数のA1は同一でも異なっていてもよい。
式(M1-B)中、A2およびA3はそれぞれ独立に、芳香族炭化水素基、複素環基および脂環式基からなる群より選択される2価の基である。A2およびA3の具体例および好適態様は、式(M1-A)のA1と同様であるので、その説明を省略する。
式(M1-B)中、a2は1~10の整数を表し、a2が2以上である場合には、複数のA2は同一でも異なっていてもよく、複数のA3は同一でも異なっていてもよく、複数のLA1は同一でも異なっていてもよい。a2は、本発明の効果がより優れる理由から、2以上の整数であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式(M1-B)中、a2が1である場合には、LA1は2価の連結基である。a2が2以上である場合には、複数のLA1はそれぞれ独立に、単結合または2価の連結基であり、複数のLA1のうち少なくとも1つが2価の連結基である。a2が2である場合、本発明の効果がより優れる理由から、2つのLA1のうち、一方が2価の連結基であり、他方が単結合であることが好ましい。
式(M1-B)中、LA1が表す2価の連結基としては、-O-、-(CH2g-、-(CF2g-、-Si(CH32-、-(Si(CH32O)g-、-(OSi(CH32g-(gは1~10の整数を表す。)、-N(Z)-、-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=N-、-N=C(Z)-、-C(Z)2-C(Z’)2-、-C(O)-、-OC(O)-、-C(O)O-、-O-C(O)O-、-N(Z)C(O)-、-C(O)N(Z)-、-C(Z)=C(Z’)-C(O)O-、-O-C(O)-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=N-、-N=C(Z)-、-C(Z)=C(Z’)-C(O)N(Z”)-、-N(Z”)-C(O)-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=C(Z’)-C(O)-S-、-S-C(O)-C(Z)=C(Z’)-、-C(Z)=N-N=C(Z’)-(Z、Z’、Z”は独立に、水素、C1~C4アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、または、ハロゲン原子を表す。)、-C≡C-、-N=N-、-S-、-S(O)-、-S(O)(O)-、-(O)S(O)O-、-O(O)S(O)O-、-SC(O)-、および、-C(O)S-などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、-C(O)O-が好ましい。LA1は、これらの基を2つ以上組み合わせた基であってもよい。
M1の具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。なお、下記具体例において、「Ac」は、アセチル基を表す。
Figure 0007169352000004
Figure 0007169352000005
T1が表す末端基としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基(ROC(O)-:Rはアルキル基)、炭素数1~10のアシルオキシ基、炭素数1~10のアシルアミノ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1~10のスルホニルアミノ基、炭素数1~10のスルファモイル基、炭素数1~10のカルバモイル基、炭素数1~10のスルフィニル基、および、炭素数1~10のウレイド基、(メタ)アクリロイルオキシ基含有基などが挙げられる。上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有基としては、例えば、-L-A(Lは単結合または連結基を表す。連結基の具体例は上述したL1およびSP1と同じである。Aは(メタ)アクリロイルオキシ基を表す)で表される基が挙げられる。
T1は、本発明の効果がより優れる理由から、炭素数1~10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~5のアルコキシがより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。これらの末端基は、これらの基、または、特開2010-244038号公報に記載の重合性基によって、さらに置換されていてもよい。
T1の主鎖の原子数は、本発明の効果がより優れる理由から、1~20が好ましく、1~15がより好ましく、1~10がさらに好ましく、1~7が特に好ましい。T1の主鎖の原子数が20以下であることで、偏光子の配向度がより向上する。ここで、T1おける「主鎖」とは、M1と結合する最も長い分子鎖を意味し、水素原子はT1の主鎖の原子数にカウントしない。例えば、T1がn-ブチル基である場合には主鎖の原子数は4であり、T1がsec-ブチル基である場合の主鎖の原子数は3である。
繰り返し単位(1)の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、特定化合物が有する全繰り返し単位100質量%に対して、20~100質量%が好ましく、30~99.9質量%がより好ましく、40~99.0質量%がさらに好ましい。
本発明において、高分子液晶性化合物に含まれる各繰り返し単位の含有量は、各繰り返し単位を得るために使用される各単量体の仕込み量(質量)に基づいて算出される。
繰り返し単位(1)は、特定化合物中において、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、繰り返し単位(1)が特定化合物中に2種含まれているのがよい。
特定化合物が繰り返し単位(1)を2種含む場合、本発明の効果がより優れる理由から、一方(繰り返し単位A)においてT1が表す末端基がアルコキシ基であり、他方(繰り返し単位B)においてT1が表す末端基がアルコキシ基以外の基であることが好ましい。
上記繰り返し単位BにおいてT1が表す末端基は、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシカルボニル基、シアノ基、または、(メタ)アクリロイルオキシ基含有基が好ましく、アルコキシカルボニル基、または、シアノ基がより好ましい。
特定化合物中の上記繰り返し単位Aの含有量と特定化合物中の上記繰り返し単位Bの含有量との割合(A/B)は、本発明の効果がより優れる理由から、50/50~95/5が好ましく、60/40~93/7がより好ましく、70/30~90/10がさらに好ましい。
(重量平均分子量)
液晶性化合物が高分子液晶性化合物の場合、重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果がより優れる理由から、1000~500000が好ましく、2000~300000がより好ましい。高分子液晶性化合物のMwが上記範囲内にあれば、高分子液晶性化合物の取り扱いが容易になる。
特に、塗布時のクラック抑制の観点から、重量平均分子量(Mw)は、10000~300000が好ましい。
また、配向度の温度ラチチュードの観点から、重量平均分子量(Mw)は、2000~10000が好ましい。
ここで、本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。測定条件としては、一例として、以下の条件が例示される。
・溶媒(溶離液):N-メチルピロリドン
・装置名:TOSOH HLC-8220GPC
・カラム:TOSOH TSKgelSuperAWM-H(6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:25℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:0.35mL/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000~1050(Mw/Mn=1.03~1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
<二色性物質>
上記二色性物質は、特に限定されず、可視光吸収物質(二色性色素)、発光物質(蛍光物質、燐光物質)、紫外線吸収物質、赤外線吸収物質、非線形光学物質、カーボンナノチューブ、および、無機物質(例えば量子ロッド)、などが挙げられ、従来公知の二色性物質(二色性色素)を使用することができる。
具体的には、例えば、特開2013-228706号公報の[0067]~[0071]段落、特開2013-227532号公報の[0008]~[0026]段落、特開2013-209367号公報の[0008]~[0015]段落、特開2013-14883号公報の[0045]~[0058]段落、特開2013-109090号公報の[0012]~[0029]段落、特開2013-101328号公報の[0009]~[0017]段落、特開2013-37353号公報の[0051]~[0065]段落、特開2012-63387号公報の[0049]~[0073]段落、特開平11-305036号公報の[0016]~[0018]段落、特開2001-133630号公報の[0009]~[0011]段落、特開2011-215337号公報の[0030]~[0169]、特開2010-106242号公報の[0021]~[0075]段落、特開2010-215846号公報の[0011]~[0025]段落、特開2011-048311号公報の[0017]~[0069]段落、特開2011-213610号公報の[0013]~[0133]段落、特開2011-237513号公報の[0074]~[0246]段落、特願2015-001425号公報の[0022]~[0080]段落、特願2016-006502号公報の[0005]~[0051段落]、WO2016/060173号公報の[0005]~[0041]段落、WO2016/136561号公報の[0008]~[0062]段落、特願2016-044909号公報の[0014]~[0033]段落、特願2016-044910号公報の[0014]~[0033]段落、特願2016-095907号公報の[0013]~[0037]段落、および、特願2017-045296号公報の[0014]~[0034]段落などに記載されたものが挙げられる。
本発明においては、2種以上の二色性物質を併用してもよい。2種以上の二色性物質を併用する場合には、例えば、偏光子を黒色に近づける観点から、波長370~550nmの範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の二色性物質と、波長500~700nmの範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の二色性物質とを併用することが好ましい。
上記二色性物質は、架橋性基を有していてもよい。
上記架橋性基としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、および、スチリル基などが挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
本組成物において、二色性物質の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上記液晶性化合物100質量部に対して1~400質量部が好ましく、2~100質量部がより好ましく、5~30質量部がさらに好ましい。
本組成物において、第1の二色性物質および第2の二色性物質の2種の二色性物質を含有する場合には、第1の二色性物質は、液晶性化合物と相溶し、第2の二色性物質は液晶性化合物と相溶しないことが好ましい。このように第1の二色性物質と第2の二色性物質との液晶性化合物に対する相溶性を制御することで、第1の二色性物質と第2の二色性物質との配向を同時に高くすることが可能になる。
液晶性化合物と第1の二色性物質との相溶性、および、液晶性化合物と第2の二色性物質との相溶性は次の方法で確かめることができる。
光学顕微鏡(Nikon社製ECLIPSE E600 POL)の二枚の偏光子を互いに直交するように配置し、二枚の偏光子の間にサンプル台をセットする。液晶性化合物と二色性物質との混合比を変化させた組成物をガラス上にキャストし、サンプル台上に置いたホットステージ上にこのガラスをセットする。ホットステージの温度を液晶性化合物と二色性物質の融点以上、等方相以下の範囲で上下させて、サンプルの相分離状態を観察する。この操作において、液晶性化合物と二色性物質とが任意の混合比において相分離が観察されない場合を相溶、相分離が観察される混合比が存在する場合を非相溶、と定義する。
<溶媒>
本組成物は、作業性等の観点から、溶媒を含有するのが好ましい。
溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、および、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、および、シクロペンチルメチルエーテルなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、および、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン(クロロホルム)、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、および、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、および、酢酸ブチルなど)、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、および、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、および、1,2-ジメトキシエタンなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、および、ジメチルアセトアミドなど)、および、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジンなど)などの有機溶媒、ならびに、水が挙げられる。これの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒のうち、本発明の効果がより優れる理由から、有機溶媒を用いることが好ましく、ハロゲン化炭素類またはケトン類を用いることがより好ましい。
本組成物が溶媒を含有する場合、溶媒の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、本組成物の全質量に対して、70~99.5質量%が好ましく、80~99質量%がより好ましく、85~97質量%がさらに好ましい。
<界面改良剤>
本組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、界面改良剤を含むことが好ましい。界面改良剤を含むことにより、塗布表面の平滑性が向上し、配向度が向上したり、ハジキおよびムラを抑制して、面内の均一性の向上が見込まれる。
界面改良剤としては、高分子液晶性化合物を水平配向させるものが好ましく、特開2011-237513号公報の[0253]~[0293]段落に記載の化合物(水平配向剤)を用いることができる。また、特開2007-272185号公報の[0018]~[0043]段落等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマーも用いることができる。界面改良剤としては、これら以外の化合物を用いてもよい。
本組成物が界面改良剤を含有する場合、界面改良剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、組成物中の液晶性化合物と二色性物質との合計100質量部に対し、0.001~5質量部が好ましく、0.01~3質量部が好ましい。
<重合開始剤>
本組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては特に制限はないが、感光性を有する化合物、すなわち光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、各種の化合物を特に制限なく使用できる。光重合開始剤の例には、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書参照)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書参照)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書参照)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号および同2951758号の各明細書の各明細書参照)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書参照)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報および米国特許第4239850号明細書等参照)、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書参照)、ならびに、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63-40799号公報、特公平5-29234号公報、特開平10-95788号公報および特開平10-29997号公報等参照)等が挙げられる。
このような光重合開始剤としては、市販品も用いることができる。光重合開始剤の市販品としては、BASF社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア819、および、イルガキュアOXE-01等が挙げられる。
本組成物が重合開始剤を含有する場合、重合開始剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、組成物中の液晶性化合物と二色性物質との合計100質量部に対し、0.01~30質量部が好ましく、0.1~15質量部がより好ましい。重合開始剤の含有量が0.01質量部以上であることで、偏光子の耐久性が良好となり、30質量部以下であることで、偏光子の配向がより良好となる。
<結晶化温度>
本組成物の結晶化温度は、本発明の効果がより優れる理由から、0~100℃が好ましく、1~85℃がより好ましい。本組成物の結晶化温度が0℃未満であると、本組成物を結晶化するために低温装置が必要になり、本組成物の結晶化温度が100℃を超えると、ヘイズが発生し易くなる。
なお、本組成物の結晶化温度は、高分子液晶性化合物の代わりに本組成物を用いる以外は、上述した高分子液晶性化合物の結晶化温度と同様の手順に従って測定する。上記組成物の結晶化温度とは、高分子液晶性化合物と二色性物質との混晶の結晶化温度と考えられる。
<置換基W>
本明細書における置換基Wについて記載する。
置換基Wとしては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(tert-ブチル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基およびトリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基およびビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、ならびに、その他の公知の置換基などが挙げられる。
なお、置換基の詳細については、特開2007-234651号公報の段落[0023]に記載される。
〔水平配向〕
上述のとおり、本発明の偏光子において、液晶性化合物および二色性物質は水平配向している。
ここで水平配向とは、偏光子の主面に対して平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、水平面となす平均傾斜角が±10°未満であることを意味する。また、上記傾斜角は、AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて測定することができる。
具体的には、AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて、室温において、波長λにおける偏光子のミューラーマトリックスを極角を-50~50°まで10°毎に計測し、表面反射の影響を除去した後、スネルの式およびフレネルの式を考慮した下記理論式にフィッティングすることにより、消衰係数ko[λ](面内方向)およびke[λ](厚さ方向)を算出する。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
k=-log(T)×λ/(4πd)
ここで、Tは透過率、dは偏光子の厚みを表す。
算出したko[λ]、ke[λ]より、面内方向および厚さ方向の吸光度、二色比を算出することで水平配向しているか否かを確認することができる。
〔膜厚〕
本発明の偏光子の膜厚は、本発明の効果がより優れる理由から、0.1~5.0μmが好ましく、0.3~1.5μmがより好ましい。組成物中の二色性物質の濃度にもよるが、膜厚が0.1μm以上であると、より優れた吸光度の偏光子が得られ、膜厚が5.0μm以下であると、より優れた透過率の偏光子が得られる。
〔偏光子の製造方法〕
本発明の偏光子を製造する方法は特に制限されないが、得られる偏光子の配向度がより高くなり、且つ、ヘイズが観察され難くなる理由から、配向膜上に上述した本組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、上記塗布膜に含まれる二色性物質を配向させる工程と、上述した針状凝集体を形成する工程とを、この順に備える方法が好ましい。
以下の説明では、配向膜上に上述した本組成物を塗布して塗布膜を形成する工程を「塗布膜形成工程」とも言う。また、上記塗布膜に含まれる二色性物質を配向させる工程を「配向工程」とも言う。さらに、上述した針状凝集体を形成する工程を「熟成工程」とも言う。すなわち、本発明の偏光子を製造する方法は、「塗布膜形成工程」と、配向工程」と、「熟成工程」とを、この順に備える方法が好ましい。
また、以下の説明では、「得られる偏光子の配向度がより高くなり、且つ、ヘイズが観察され難くなる」ことを「本発明の効果がより優れる」とも言う。
以下、各工程について説明する。
<塗布膜形成工程>
塗布膜形成工程は、配向膜上に上述した本組成物を塗布して塗布膜を形成する工程である。塗布膜中の液晶性化合物は、配向膜の作用により水平配向する。本組成物が界面改良剤を含有する場合には、塗布膜中の液晶性化合物は、配向膜と界面改良剤との相互作用により水平配向する。
上述した溶媒を含有する本組成物を用いたり、本組成物を加熱などによって溶融液などの液状物としたものを用いたりすることにより、配向膜上に本組成物を塗布することが容易になる。
本組成物の塗布方法としては、ロールコーティング法、グラビア印刷法、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スプレー法、および、インクジェット法などの公知の方法が挙げられる。
(配向膜)
配向膜は、本組成物に含有される液晶性化合物を水平配向させる膜であれば、どのような膜でもよい。
有機化合物(好ましくはポリマー)の膜表面へのラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュアブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。なかでも、本発明では、配向膜のプレチルト角の制御し易さの点からはラビング処理により形成する配向膜が好ましく、配向の均一性の点からは光照射により形成する光配向膜も好ましい。
(1)ラビング処理配向膜
ラビング処理により形成される配向膜に用いられるポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明においては、ポリビニルアルコールまたはポリイミド、および、その誘導体が好ましく用いられる。配向膜については国際公開第2001/88574A1号公報の43頁24行~49頁8行の記載を参照することができる。配向膜の厚さは、0.01~10μmが好ましく、0.01~1μmがさらに好ましい。
(2)光配向膜
光照射により形成される配向膜に用いられる光配向材料としては、多数の文献などに記載がある。本発明において、光配向材料は、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002-229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002-265541号公報、特開2002-317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報、ならびに、特許第4162850号公報に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミドもしくはエステル等が好ましい例として挙げられる。光配向材料としては、より好ましくは、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、および、エステル等が挙げられる。
上記材料から形成した光配向膜に、直線偏光または非偏光照射を施し、光配向膜を製造する。
本明細書において、「直線偏光照射」および「非偏光照射」とは、光配向材料に光反応を生じせしめるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。光照射に用いる光のピーク波長は、200~700nmが好ましく、光のピーク波長が400nm以下の紫外光がより好ましい。
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプおよびカーボンアークランプなどのランプ、各種のレーザー(例えば、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザーおよびYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー等)、発光ダイオード、ならびに、陰極線管などを挙げることができる。
直線偏光を得る手段としては、偏光板(例えば、ヨウ素偏光板、二色性物質偏光板、および、ワイヤーグリッド偏光板)を用いる方法、プリズム系素子(例えば、グラントムソンプリズム)もしくはブリュースター角を利用した反射型偏光子を用いる方法、および、偏光を有するレーザー光源から出射される光を用いる方法等が採用できる。また、フィルタまたは波長変換素子などを用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
照射する光は、直線偏光の場合には、配向膜に対して上面、または裏面から配向膜表面に対して垂直、または斜めから光を照射する方法が採用される。光の入射角度は、光配向材料によって異なるが、0~90°(垂直)が好ましく、40~90°が好ましい。
非偏光の場合には、配向膜に対して、斜めから非偏光を照射する。その入射角度は、10~80°が好ましく、20~60°がより好ましく、30~50°がさらに好ましい。
照射時間は、1~60分が好ましく、1~10分がより好ましい。
パターン化が必要な場合には、フォトマスクを用いた光照射をパターン作製に必要な回数施す方法、または、レーザー光走査によるパターンの書き込みによる方法を採用できる。
<配向工程>
配向工程は、塗布膜に含有される二色性物質を配向させる工程である。
配向工程では、配向膜によって配向した液晶性化合物に沿って、二色性物質が配向するものと考えられる。
配向工程は、乾燥処理を有していてもよい。乾燥処理によって、溶媒などの成分を塗布膜から除去することができる。乾燥処理は、塗布膜を室温下において所定時間放置する方法(例えば、自然乾燥)によって行われてもよいし、加熱および/または送風する方法によって行われてもよい。
ここで、本組成物に含有される二色性物質は、上述した塗布膜形成工程または乾燥処理によって、配向する場合がある。例えば、本組成物が溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗布膜を乾燥して、塗布膜から溶媒を除去することで、塗布膜に含有される二色性物質が配向して、本発明の偏光子が得られる場合がある。
配向工程は、加熱処理を有することが好ましい。これにより、塗布膜に含まれる二色性物質がより配向し、得られる偏光子の配向度がより高くなる。
加熱処理は、製造適性などの面から10~250℃が好ましく、25~190℃がより好ましい。また、加熱時間は、1~300秒が好ましく、1~60秒がより好ましい。
配向工程は、加熱処理後に実施される冷却処理を有していてもよい。冷却処理は、加熱後の塗布膜を室温(20~25℃)程度まで冷却する処理である。これにより、塗布膜に含有される二色性物質の配向がより固定され、得られる偏光子の配向度がより高くなる。冷却手段としては、特に限定されず、公知の方法により実施できる。
<熟成工程>
熟成工程は、配向工程を行った後、再度、加熱処理を行うことにより、上述した針状凝集体を形成し、本発明の偏光子を得るための工程である。
後に実施例(比較例1)でも示すが、配向工程を行った後には、小さい点状(島状)の凝集体が、多数、形成された状態となっている(図3参照)。配向工程を行った後、熟成工程を行うことで、小さな点状の凝集体を、さらに凝集して、上述したようなアスペクト比を有する針状凝集体を生成して、配向度の高い本発明の偏光子を得ることができる。
針状凝集体の形成状態は、液晶性化合物および二色性物質の種類によって変動する。
従って、熟成工程における加熱処理の温度は、用いる液晶性化合物および二色性物質に応じて、針状凝集体を形成できる温度を、適宜、設定すればよい。熟成処理の温度が低すぎると、針状凝集体を十分に形成できず、熟成処理の温度が高すぎると、凝集が進み過ぎて、凝集体のアスペクト比が小さくなり、針状凝集体を十分に形成できず、また、凝集体の長さも長くなってしまう(図4参照)。
熟成工程における加熱処理の温度は、40~90℃が好ましく、60~90℃がより好ましい。
同様に、熟成工程における加熱処理の時間も、用いる液晶性化合物および二色性物質に応じて、針状凝集体を形成できる時間を、適宜、設定すればよい。熟成処理の時間が短すぎると、針状凝集体を十分に形成できず、熟成処理の時間が長すぎると、凝集が進み過ぎて、凝集体のアスペクト比が小さくなり、針状凝集体を十分に形成できず、また、凝集体の長さも長くなってしまう。
熟成工程における加熱処理の時間は、0.5~120秒が好ましく、1~100秒がより好ましい。
熟成工程においては、上述した配向工程と同様、加熱処理の後に冷却処理を有してもよい。冷却処理は、配向工程における冷却処理と、同様に行えばよい。
<他の工程>
この製造方法では、熟成工程の後に、偏光子を硬化させる工程を有していてもよい。以下の説明では、偏光子を硬化させる工程を「硬化工程」とも言う。
硬化工程は、例えば、加熱および/または光照射(露光)によって実施される。このなかでも、硬化工程は光照射によって実施されることが好ましい。
硬化に用いる光源は、赤外線、可視光または紫外線など、種々の光源を用いることが可能であるが、紫外線であることが好ましい。また、硬化時に加熱しながら紫外線を照射してもよいし、特定の波長のみを透過するフィルタを介して紫外線を照射してもよい。
また、露光は、窒素雰囲気下で行われてもよい。ラジカル重合によって偏光子の硬化が進行する場合において、酸素による重合の阻害が低減されるため、窒素雰囲気下で露光することが好ましい。
[積層体]
本発明の偏光子は、通常、他の部材(シート状物)と積層された、積層体とされる。
本発明の偏光子を含む積層体は、一例として、基材と、上記基材上に設けられた配向膜と、上記配向膜上に設けられた本発明の偏光子とを有する。
また、積層体は、本発明の偏光子上に、λ/4板を有していてもよい。さらに、積層体は、本発明の偏光子の上に、バリア層を有してもよい。したがって、積層体がλ/4板を有する場合には、バリア層は、本発明の偏光子とλ/4板との間に設けられる。
以下、本発明の偏光子を含む積層体を構成する各層について説明する。
〔基材〕
基材としては、適宜選択することができ、例えば、ガラスおよびポリマーフィルムが挙げられる。基材の光透過率は、80%以上であるのが好ましい。
基材としてポリマーフィルムを用いる場合には、光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002-22942号公報の[0013]段落の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開第2000/26705号に記載の分子を修飾することで発現性を低下させたものを用いることもできる。
〔配向膜〕
配向膜については、上述したとおりであるので、その説明を省略する。
〔偏光子〕
本発明の偏光子については、上述したとおりであるので、その説明を省略する。
〔λ/4板〕
「λ/4板」とは、λ/4機能を有する板であり、具体的には、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。
例えば、λ/4板が単層構造である態様としては、具体的には、延伸ポリマーフィルム、および、支持体上にλ/4機能を有する光学異方性層を設けた位相差フィルムなどが挙げられる。また、λ/4板が複層構造である態様としては、具体的には、λ/4板とλ/2板とを積層してなる広帯域λ/4板が挙げられる。
λ/4板と本発明の偏光子とは、接して設けられていてもよいし、λ/4板と本発明の偏光子との間に、他の層が設けられていてもよい。このような層としては、密着性担保のための粘着層または接着層、および、バリア層が挙げられる。
〔バリア層〕
積層体がバリア層を備える場合、バリア層は、本発明の偏光子の上に設けられる。従って、積層体が、λ/4板を有する場合には、バリア層は、本発明の偏光子とλ/4板との間に設けられる。なお、本発明の偏光子とλ/4板との間に、バリア層以外の他の層(例えば、粘着層または接着層)を備える場合には、バリア層は、例えば、本発明の偏光子と他の層との間に設けることができる。
バリア層は、積層体において、本発明の偏光子を保護するための保護層として作用する層である。このようなバリア層としては、各種の透明な樹脂層が例示される。
バリア層は、大気中の酸素等のガス、水分、または、隣接する層に含まれる化合物等から本発明の偏光子を保護するために、ガス遮断性(酸素遮断性)を有してもよい。
ガス遮断性を有するバリア層については、例えば、特開2014-159124号公報の[0014]~[0054]段落、特開2017-121721号公報の[0042]~[0075]段落、特開2017-115076号公報の[0045]~[0054]段落、特開2012-213938号公報の[0010]~[0061]段落、および、特開2005-169994号公報の[0021]~[0031]段落等の記載を参照できる。
〔用途〕
本発明の積層体は、例えば、偏光素子(偏光板)として使用でき、例えば、直線偏光板または円偏光板として使用できる。
本発明の積層体が上記λ/4板などの光学異方性層を有さない場合には、積層体は直線偏光板として使用できる。
一方、本発明の積層体が上記λ/4板を有する場合には、積層体は円偏光板として使用できる。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、上述した本発明の偏光子を有する画像表示装置である。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、および、プラズマディスプレイパネルなどが挙げられる。以下の説明では、エレクトロルミネッセンスを「EL」と略す。
これらのうち、液晶セルまたは有機EL表示パネルであるのが好ましく、液晶セルであるのがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置であるのが好ましく、液晶表示装置であるのがより好ましい。
〔液晶表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置としては、上述した本発明の偏光子と、液晶セルと、を有する態様が好ましく挙げられる。より好適には、上述した本発明の積層体(ただし、λ/4板を含まない)と、液晶セルと、を有する液晶表示装置である。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる偏光素子のうち、フロント側の偏光素子として本発明の積層体を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光素子として本発明の積層体を用いるのがより好ましい。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
<液晶セル>
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、または、TN(Twisted Nematic)モードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60~120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT(Thin Film Transistor)液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、
(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2-176625号公報記載)に加えて、
(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、
(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n-ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58~59(1998)記載)、および、
(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
また、VAモードの液晶セルは、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、および、PSA(Polymer-Sustained Alignment)のいずれであってもよい。
これらのモードの詳細については、特開2006-215326号公報、および、特表2008-538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶性分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。IPSモードに関しては、光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10-54982号公報、特開平11-202323号公報、特開平9-292522号公報、特開平11-133408号公報、特開平11-305217号公報、および、特開平10-307291号公報などに開示されている。
〔有機EL表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、上述した本発明の偏光子と、λ/4板と、有機EL表示パネルと、をこの順で有する態様が好適に挙げられる。
より好適には、視認側から、λ/4板を有する上述した本発明の積層体と、有機EL表示パネルと、をこの順に有する態様である。この場合には、積層体は、視認側から、基材、配向膜、本発明の偏光子、必要に応じて設けられるバリア層、および、λ/4板の順に配置されている。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機EL層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容および処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[合成例1]
下記のルートに従い、二色性物質C1を合成した。
Figure 0007169352000006
4-ニトロフェノール(27.8g)、11-ブロモウンデカノール(44.6g)、および、炭酸カリウム(30.4g)をN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)(150mL(ミリリットル))に溶解させ、外設105℃で2時間攪拌した。室温まで降温し、酢酸エチル・10%塩化アンモニウム水溶液で分液洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し白色固体を得た。
次に、この白色固体にDMAc(150mL)を添加し、氷浴下で攪拌した。反応系の温度を15℃以下に維持してアクリル酸クロライド(18.1g)を滴下し、適下後に室温で1時間攪拌した。その後、酢酸エチルと10%塩化アンモニウム水溶液を添加して分液洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し黄色固体C1-1を得た。
別途、Fe粉末(89.4g、1.6mol)、塩化アンモニウム(8.9g、166mmol)、2-プロパノール(210mL)、および、純水(88mL)を混ぜ、外設105℃で還流させた。この還流させた系内へ、2-プロパノール(88mL)に加熱溶解させた黄色固体C1-1を滴下した。滴下終了後、還流下、30分反応させた。室温まで降温後、セライトろ過により鉄粉を除去し、ろ液を酢酸エチルと水を添加して分液し、有機層を水で3回洗浄した。
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮した。カラムで精製し、8.0gの化合物C1-2を得た。
2-アミノチオフェンは、文献記載(Journal of Medicinal Chemistry、2005年、第48巻、5794ページ)の方法に従い、2-ニトロチオフェンから合成した。
上記で得られた化合物C1-2(5.5g)を、12mol/L(リットル)塩酸(15mL)、純水(30mL)、および、THF(テトラヒドロフラン)(30mL)の混合液に添加した。その後、内温が5℃以下となるよう冷却し、亜硝酸ナトリウム(1.4g)を純水(9mL)に溶解させ滴下した。さらに、内温5℃以下で1時間攪拌し、ジアゾニウム溶液を調製した。
次に、2-アミノチオフェン塩酸塩(2.4g)を純水(12mL)および塩酸(6mL)に溶解させ、上記で調製したジアゾニウム溶液を、内温0℃にて滴下した。反応液を室温にまで上昇させて、2時間攪拌した。
析出した固体をろ別、乾燥させて、6.1gの赤橙色固体C1-3を得た。
上記で得られた赤橙色固体C1-3(5.6g)を酢酸(100mL)に懸濁溶解させ、室温下でチオシアン酸ナトリウム(1.5g)加えた。水冷し内温を20℃以下に維持しながら臭素(2.0g、24.8mmol)を滴下した。
室温で2時間攪拌後、純水(100mL)を加え、得られた固体をろ別、乾燥させて、5.5gの黒色固体C1-4を得た。
上記で得られた黒色固体C1-4(4.7g)を塩酸(6mL)と酢酸(6mL)に添加し、氷冷下、亜硝酸ナトリウム(0.72g)の水溶液(5mL)を0℃以下で滴下し、1時間攪拌後にアミド硫酸(0.52mg)を添加しジアゾニウム溶液を得た。
N-エチル-N-(2-アクリロイルオキシエチル)アニリン(2.3g)の10mLメタノール溶液を0℃以下に維持しながら、ジアゾニウム溶液を滴下した。室温まで昇温させ、1時間攪拌後、純水(30mL)を添加し、得られた固体をろ別した。
カラムにより精製し、式C1で表される黒紫色固体の化合物(二色性物質C1)を0.51g、得た。得られた二色性物質C1のH-NMR(Nuclear Magnetic Resonance)データを以下に示す。
なお、N-エチル-N-(2-アクリロイルオキシエチル)アニリンは、N-エチルアニリンを原料にして、米国特許第7601849号および公知の方法により合成した。
H-NMRデータ(CDCl)δ:1.20-1.50(m、17H)、1.60-1.90(m、8H)3.40(t、2H)、3.50(t、2H)、4.05(t、2H)、4.10(t、2H)、4.20(t、2H)、5.80-5.85(d、2H)、6.10-6.15(dd、2H)、6.38―6.43(d×2、2H)、6.70(d、2H)、7.00(d、2H)、7.82(s、1H)7.88(d、2H)、7.95(d、2H)
[合成例2]
下記のルートに従い、二色性物質Y1を合成した。
Figure 0007169352000007
まず、文献(Chem.Eur.J.2004.10.2011)にしたがって、化合物Y1-1を10g、合成した。
化合物Y1-1(10g)を、純水(300mL)および塩酸(17mL)に溶解させて、氷浴で冷却し、亜硝酸ナトリウム(3.3g)を添加して30分撹拌した。さらにアミド硫酸(0.5g)を添加後、m-トルイジン(5.1g)を加え室温で1時間撹拌した。撹拌後、塩酸で中和し得られた固体を吸引ろ過で回収し、3.2gの化合物Y1-2を得た。
化合物Y1-2(1.0g)を、THF(30mL)、水(10mL)、および、塩酸(1.6mL)からなるTHF溶液に溶解させ、氷浴で冷却し、亜硝酸ナトリウム(0.3g)を添加して30分間撹拌した後、さらにアミド硫酸(0.5g)を添加した。別途、フェノール(0.4g)を炭酸カリウム(2.76g)および純水(50mL)に溶解させて、氷浴で冷却した後、上記のTHF溶液を滴下し室温で1時間撹拌した。撹拌後、水(200mL)を添加し、析出した個体を吸引ろ過によりろ別し、1.7gの化合物Y1-3を得た。
化合物Y1-3(0.6g)、上記ルートに示す化合物y1(0.8g)および炭酸カリウム(0.95g)をDMAc(30mL、ジメチルアセトアミド)に溶解させ、90℃で3.5時間撹拌した。撹拌後、純水(300mL)を添加し、析出した個体を吸引ろ過によりろ別し、式Y1で表される黄橙色固体の化合物(二色性物質Y1)を0.3g、得た。得られた二色性物質Y1のH-NMRデータを以下に示す。
H-NMRデータ(CDCl)δ:1.93(m、8H)、4.11(m、4H)、4.29(m。4H)、5.83-5.87(d、2H)、6.10-6.18(dd、2H)、6.39―6.45(d、2H)、7.02(d、2H)、7.77-8.13(m、15H)
[合成例3]
下記の手順によって、液晶化合物L1を合成した。
(化合物L1-2の合成)
Figure 0007169352000008
ブチルパラベン(201g)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(300mL)に2-クロロエトキシエトキシエタノール(244g)、および、炭酸カリウム(200g)を添加した。95℃で9時間攪拌した後、トルエン(262mL)と純水(660mL)とを添加して、濃塩酸(147g)を滴下した。10分撹拌した後に、静置し、分液操作により反応液を洗浄した。得られた有機層に、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(500g)と純水(402mL)とを加え、50℃で2時間撹拌した。
その後、濃縮により有機溶剤を留去し、純水(402mL)を加え、重量が1.13kgになるまで50℃で再び濃縮を行った。得られた溶液に純水(478mL)を添加し、濃塩酸(278g)を滴下した。そこに、酢酸エチル(1.45kg)を加え、30℃で10分撹拌し、分液操作により水層を除去した。次に、20質量%食塩水溶液(960mL)を加え、30℃で10分撹拌し、分液操作により水層を除去した。得られた有機層にN-メチルピロリドン(824g)を添加し、70℃で4時間濃縮操作を行い、化合物L1-1を含有する1.13kgのN-メチルピロリドン溶液を得た。
得られた化合物L1-1を含有するN-メチルピロリドン溶液のうち、1085gを用いて次工程を実施した。得られた化合物L1-1を含有するN-メチルピロリドン溶液(1085g)に、N,N-ジメチルアニリン(189g)と2,2,6,6-テトラメチルピペラジン(1.5g)とを加え、冷却した後に、内温が10℃を超えないように、アクリル酸クロリド(122g)を滴下した。
内温10℃にて2時間撹拌した後に、メタノール(81g)を滴下し、30分攪拌した。そこに酢酸エチル(1.66kg)と、10wt%食塩水(700mL)と、1N塩酸水(840mL)とを加え、分液操作により水層を除去した。次に、10wt%食塩水溶液(800mL)を加え、30℃で10分撹拌し、分液操作により水層を除去した。次に、20wt%食塩水溶液(800mL)を加え、30℃で10分撹拌し、分液操作により水層を除去した。
得られた有機層にヘキサン/イソプロピルアルコール(1780mL/900mL)の混合溶媒を添加し、5℃まで冷却して30分撹拌した後に、ろ過を行う事で、白色固体である209gの化合物L1-2を得た(3工程収率65%)。
得られた化合物L1-2のH-NMRデータを以下に示す。
H-NMR(溶媒:CDCl)δ(ppm):3.67-3.78(m,6H),3.87-3.92(m,2H),4.18-4.23(m,2H),4.31-4.35(m,2H),5.80-5.85(m,1H),6.11-6.19(m,1H),6.40-6.46(m,1H),6.93-6.98(m,2H),8.02-8.07(m,2H)
(化合物L1-3の合成)
Figure 0007169352000009
メタンスルホニルクロリド(MsCl)(73.4mmol、5.7mL)のTHF溶液(70mL)にジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(200mg)を加え、内温を-5℃まで冷却した。
そこに、化合物L1-2(66.7mmol、21.6g)とジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(75.6mmol、13.0mL)のTHF溶液とを、内温が0℃以上に上昇しないように滴下した。-5℃で30分撹拌した後、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)(200mg)を加え、ジイソプロピルエチルアミン(75.6mmol、13.0mL)と、4-ヒドロキシ-4’-メトキシビフェニル(60.6mmol、12.1g)のテトラヒドロフラン(THF)と、ジメチルアセトアミド(DMAc)溶液とを、内温が0℃以上に上昇しないように滴下した。その後、室温で4時間撹拌した。
メタノール(5mL)を加えて反応を停止した後に、水と酢酸エチルとを加えた。酢酸エチルで抽出した有機層を、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、酢酸エチルおよびヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、白色固体である18.7gの化合物L1-3を得た(収率61%)。構造式中、Meはメチル基を表す。
得られた化合物L1-3のH-NMRデータを以下に示す。
H-NMR(溶媒:CDCl)δ(ppm):3.65-3.82(m,6H),3.85(s,3H),3.85-3.95(m,2H),4.18-4.28(m,2H),4.28-4.40(m,2H),5.82(dd,1H),6.15(dd,1H),6.43(dd,1H),6.90-7.05(m,4H),7.20-7.30(m,2H),7.45-7.65(m,4H),8.10-8.20(m,2H)
不純物としては、下記の化合物L1-bが含まれる。
Figure 0007169352000010
(化合物L1-23の合成)
Figure 0007169352000011
Jornal of Polymer Science,Part A:PolymerChemistry,2012,vol.50,p.3936-3943に記載の方法で、4-(4-ヒドロキシフェニル)安息香酸メチルの合成を行った。
メタンスルホニルクロリド(MsCl)(54.8mmol、6.27g)の酢酸エチル溶液(44mL)に2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(68mg)を加え、内温を-5℃まで冷却した。
そこに、上述のとおり合成した化合物L1-2(52.6mmol、17.1g)とジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(57.0mol、7.36g)のTHF溶液とを、内温が0℃以上に上昇しないように滴下した。-5℃で30分撹拌した後、4-(4-ヒドロキシフェニル)安息香酸メチル(43.8mmol、10.0g)のDMAc溶液、N-メチル-イミダゾール(NMI)(1.8g)を加え、ジイソプロピルエチルアミン(75.6mmol、13.0mL)を内温が0℃以上に上昇しないように滴下した。その後、室温で4時間撹拌して、水と酢酸エチルを加えて反応を停止した。
得られた反応液の分液を行い、酢酸エチルで抽出した有機層を、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、酢酸エチルおよびヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、白色固体である20.4gの化合物L1-23を得た(収率87%)。
得られた化合物L1-23のH-NMRデータを以下に示す。
H-NMR(溶媒:CDCl)δ(ppm):3.68-3.80(m,6H),3.87-3.95(m,2H),3.95(s,3H),4.20-4.27(m,2H),4.31-4.37(m,2H),5.83(dd,1H),6.16(dd,1H),6.43(dd,1H),6.97-7.05(m,2H),7.28-7.35(m,2H),7.64-7.72(m,4H),8.08-8.20(m,4H)
不純物としては、下記の化合物L1-b2が含まれる。
Figure 0007169352000012
(液晶化合物L1の合成)
Figure 0007169352000013
化合物L1-3(84g)、化合物L1-23(21g)、および、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(158mg)を、アニソール(337g)に溶解させた。そこに、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル(1660mg)(富士フイルム和光純薬社製、V-601)を室温で加え、撹拌した。
得られたアニソール溶液を、窒素雰囲気化で80℃に加熱しておいたアニソール(84g)へと2時間かけて滴下し、滴下終了後、80℃で4時間撹拌した。
得られた反応液を、メタノール(1080mL)へと滴下し、沈殿を濾過操作により集めた後に、アセトニトリルを用いて残渣の洗浄を行い、白色固体である100gの液晶化合物L1を得た(収率95%)。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は13300であった。
なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出した。カラムはTOSOH TSKgelSuperAWM-H(東ソー社製)を3本接続して使用、溶媒はN-メチルピロリドンを使用した。
〔実施例1〕
<透明支持体の作製>
厚み40μmのTAC基材(富士フイルム社製、TG40)上に、下記の組成のポリビニルアルコール(PVA)塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。その後、100℃の温風で2分間乾燥することにより、TAC基材上に厚み0.8μmの変性ポリビニルアルコール(PVA-1)からなるPVA膜が形成された透明支持体を得た。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
PVA塗布液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・変性ポリビニルアルコール(PVA-1) 2.00質量部
・水 74.08質量部
・メタノール 23.86質量部
・光重合開始剤(IRGACURE2959、BASF社製)
0.06質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
変性ポリビニルアルコールPVA-1
Figure 0007169352000014
<配向膜の作製>
下記構造の光配向材料E-1(1質量部)に、ブトキシエタノール(41.6質量部)、ジプロピレングリコールモノメチル(41.6質量部)、および、純水(15.8質量部)を加え、得られた溶液を0.45μmメンブレンフィルターで加圧ろ過することで配向膜形成用組成物を調製した。
次いで、得られた配向膜形成用組成物を透明支持体上に塗布し、60℃で1分間乾燥した。その後、得られた塗布膜に、偏光紫外線露光装置を用いて直線偏光紫外線(照度4.5mW、照射量500mJ/cm2)を照射し、配向膜を作製した。
Figure 0007169352000015
<偏光子1の作製>
作製した配向膜上に、下記の偏光子形成用組成物を#7のワイヤーバーで連続的に塗布し、塗布膜を形成した。
次いで、塗布膜を140℃で90秒間加熱し、塗布膜を室温(23℃)になるまで冷却した。
次いで、熟成工程として、塗布膜を90℃で60秒間加熱し、再び室温になるまで冷却した。
その後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cm2の照射条件で60秒間照射することにより、配向膜上に偏光子1を作製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
偏光子形成用組成物の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・液晶化合物L1 7.207質量部
・二色性物質Y1 0.943質量部
・二色性物質C1 0.216質量部
・下記の界面改良剤F1 0.061質量部
・重合開始剤(BASF社製、IRGACURE819)
0.073質量部
・シクロペンタノン 45.750質量部
・テトラヒドロフラン 45.750質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 0007169352000016
親水化処理装置(日本電子社製、HDT-400)に偏光子1をセットし、GRIDモードで、10分間、親水化処理を施した。次いで、真空蒸着機(日本電子社製、JEE-400)に親水化処理を施した偏光子1をセットし、約10nm厚みのカーボンを蒸着した。
カーボンを蒸着した偏光子1を、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製、SU8030型FE-SEM)に、水平面に設置した状態から配向軸を回転軸として30°傾斜させてセットし、電子線加速電圧2kVおよび二次電子検出の条件で、配向軸がSEM画像の横方向となるようにして、偏光子1の表面のSEM観察画像を取得した。図2に、偏光子1の表面のSEM観察画像を示す。
画像処理ソフトウェア「ImageJ」を用いて、取得した偏光子1の表面のSEM観察画像の輝度を二値化した画像を作成した。作成した、二値化画像の複数の高輝度領域のうち、直径50nmの円相当の面積(1963nm2)以上の面積を持つものを凝集体として抽出した。なお、表面SEM観察画像の輝度の二値化は、SEM観察画像の輝度ヒストグラムを作成し、作成した輝度ヒストグラムにおいて、頻度が最大となる輝度を抽出し、抽出した輝度の1.2倍の輝度を、閾値として行った。
次いで、同じソフトウェアを用いて、抽出した各凝集体を楕円近似し、近似した楕円の長軸の長さを凝集体の長軸の長さL、近似した楕円の短軸の長さを凝集体の短軸の長さDとした。
このようにして、各凝集体の長軸の長さL、および、短軸の長さDを測定した後、任意に選択した、互いに重複しない13.58μm2の領域、3箇所において、アスペクト比が2超(L/D>2)、および、長さLが300nm以上(L≧300nm)を満たす、本発明における針状凝集体を抽出し、計数して、合計した。さらに、このように抽出した針状凝集体における、長さLが500nm以下(L≦500nm)の針状凝集体の割合を算出した。
このような針状凝集体の計数、および、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合を算出を、任意に選択した、互いに重複しない40μm2(13.58μm2×3)の領域、10箇所で行い、その平均値を、偏光子1における40μm2当たりの針状凝集体の数、および、L≦500nmを満たす針状凝集体の割合とした。
その結果、40μm2当たりの針状凝集体の数は65個、長さLが500nm以下の針状凝集体の割合は95.4%であった。
<透明樹脂層(バリア層)の形成>
偏光子1上に、下記の硬化性組成物を#2のワイヤーバーで連続的に塗布し、60℃で5分間乾燥を行った。
その後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cm2の照射条件で60秒間照射し、下記の硬化性組成物を硬化させ、偏光子1上に透明樹脂層(バリア層)が形成された積層体を作製した。このようにして、実施例1の積層体1を得た。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
硬化性組成物
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・重合性化合物 KAYARAD PET-30(日本化薬社製)
29質量部
・重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 1質量部
・アルミナエタノールゾルA2K5-10(川研ファインケミカル社製、
柱状のアルミナ水和物粒子が液中に分散したコロイド液) 70質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
KAYARAD PET-30
Figure 0007169352000017
〔比較例1〕
<偏光子2の作製>
上記偏光子1と同様に、配向膜上に偏光子形成用組成物を#7のワイヤーバーで連続的に塗布し、塗布膜を形成した。次いで塗布膜を140℃で90秒間加熱し、塗布膜を室温(23℃)になるまで冷却した。
その後、熟成工程を行わず、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cm2の照射条件で60秒間照射することにより、配向膜上に偏光子2を作製した。
作製した偏光子2について、偏光子1と同様に、40μm2当たりの針状凝集体の数、および、長さLが500nm以下の針状凝集体の割合を測定した。その結果、40μm2当たりの針状凝集体の数は13個、長さLが500nm以下の針状凝集体の割合は92.3%であった。図3に、偏光子2の表面のSEM観察画像を示す。
<透明樹脂層(バリア層)の形成>
作製した偏光子2を用い、積層体1と同様の方法で透明樹脂層(バリア層)を形成し、比較例1の積層体2を作製した。
〔比較例2〕
<偏光子3の作製>
上記偏光子1と同様に、配向膜上に偏光子形成用組成物1を#7のワイヤーバーで連続的に塗布し、塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を140℃で90秒間加熱し、塗布膜を室温(23℃)になるまで冷却した。次いで、熟成工程として、塗布膜を100℃で60秒間加熱し、再び室温になるまで冷却した。
その後、高圧水銀灯を用いて照度28mW/cm2の照射条件で60秒間照射することにより、配向膜上に偏光子3を作製した。
作製した偏光子3について、偏光子1と同様に、40μm2当たりの針状凝集体の数、および、長さLが500nm以下の針状凝集体の割合を測定した。その結果、40μm2当たりの針状凝集体の数は72個、長さLが500nm以下の針状凝集体の割合は79.2%であった。図4に、偏光子3の表面のSEM観察画像を示す。
<透明樹脂層(バリア層)の形成>
作製した偏光子3を用い、積層体1と同様の方法で透明樹脂層(バリア層)を形成し、比較例2の積層体3を作製した。
[評価]
以下のとおり、偏光子を有する積層体について配向度を評価した。
〔配向度〕
光学顕微鏡(ニコン社製、ECLIPSE E600 POL)の光源側に直線偏光子を挿入した状態で、サンプル台に実施例および比較例の各積層体をセットし、マルチチャンネル分光器(OceanOptics社製、QE65000)を用いて、380~780nmの波長域における光吸収異方性膜の吸光度を1nmピッチで測定し、以下の式により400~700nmにおける配向度を算出した。
配向度:S=((Az0/Ay0)-1)/((Az0/Ay0)+2)
上記式において、「Az0」は光吸収異方性膜の吸収軸方向の偏光に対する吸光度を表し、「Ay0」は光吸収異方性膜の偏光軸方向の偏光に対する吸光度を表す。
その結果、
実施例1(積層体1)の配向度は0.95、
比較例1(積層体2)の配向度は0.92、
比較例2(積層体3)の配向度は0.89、であった。

Claims (4)

  1. 液晶性化合物と二色性物質とを含有する偏光子形成用組成物から形成される偏光子であって、
    前記液晶性化合物および前記二色性物質が、水平配向しており、
    走査型電子顕微鏡で観察した表面において、凝集体が観察され、前記凝集体の長軸の長さをL、短軸の長さをDとした際に、
    L≧300nm、および、L/D>2、を満たす凝集体である針状凝集体が、40μm2当たり15個以上、観察され、さらに、
    前記針状凝集体のうち、L≦500nmを満たす前記針状凝集体の数が80%以上である、偏光子であって、
    前記液晶性化合物が、式(1)で表される繰り返し単位を2種含む高分子液晶性化合物であり、
    2種の前記式(1)で表される繰り返し単位のうち、一方の前記式(1)で表される繰り返し単位中のT1が炭素数1~10のアルコキシ基であり、他方の前記式(1)で表される繰り返し単位中のT1が炭素数1~10のアルコキシカルボニル基である、偏光子。
    Figure 0007169352000018
    上記式(1)中、P1は繰り返し単位の主鎖を表し、L1は単結合または2価の連結基を表し、SP1はスペーサー基を表し、M1はメソゲン基を表し、T1は末端基を表す。
  2. 前記針状凝集体の90%以上が、前記液晶性化合物の配向軸と長軸とが成す角度が5°以上である、請求項1に記載の偏光子。
  3. 前記偏光子形成用組成物が、フッ素アクリレート系ポリマーまたはフッ素メタクリレート系ポリマーを含む、請求項1または2に記載の偏光子。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の偏光子を有する、画像表示装置。
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