JP5554592B2 - 二色性色素組成物、光吸収異方性膜、偏光子及びその製造方法、表示装置、並びにイソチアゾールアゾ化合物 - Google Patents
二色性色素組成物、光吸収異方性膜、偏光子及びその製造方法、表示装置、並びにイソチアゾールアゾ化合物 Download PDFInfo
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Description
例えば、LCD(液晶素子)では表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLED(有機エレクトロルミネッセンス素子)においても外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。従来、これらの偏光板(偏光子)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために偏光子に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。また、その消光色が深い青になり、全可視スペクトル領域にわたって理想的な無彩色偏光子とは言えなかった。
また、本発明は塗布型偏光膜等の作製に有用な、二色比が高く、吸収特性が長波長シフトした、新規なイソチアゾールアゾ化合物を提供することを課題とする。
<1> 下記一般式(1)で表される二色性色素の少なくとも1種を含み、非着色性の液晶化合物の占める割合が30質量%以下であることを特徴とする二色性色素組成物:
<3> 前記二色性色素の分子長が17Å以上であることを特徴とする<1>又は<2>の二色性色素組成物。
<4> 前記二色性色素のアスペクト比が1.7以上であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかの二色性色素組成物。
<8> 前記一般式(1)〜(3)中のR1及びR2が互いに結合して形成している芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が、6員環であることを特徴とする、<7>の二色性色素組成物。
<9> <1>〜<8>のいずれかの二色性色素組成物からなる光吸収異方性膜。
<10> 基板と、該基板上に<9>の光吸収異方性膜とを有することを特徴とする偏光子。
<11> 前記基板と前記光吸収異方性膜との間に、配向膜を有することを特徴とする<10>の偏光子。
<12> <9>の光吸収異方性膜、あるいは<10>又は<11>の偏光子を有することを特徴とする表示装置。
<13> 少なくとも次の[1]〜[3]:
[1]基板を直接、又は該基板上に形成された配向膜をラビング、もしくは光照射する工程
[2]該基板又は該配向膜上に、<1>〜<8>のいずれかの二色性色素組成物を塗布する工程
[3]該二色性色素組成物の塗布膜を50℃以上250℃以下で加熱し、配向させ偏光子とする工程
をこの順に含む<10>又は<11>の偏光子の製造方法。
<14> 一般式(2)で表されるイソチアゾールアゾ化合物。
<15> 一般式(3)で表されるイソチアゾールアゾ化合物。
また、本発明によれば、塗布型偏光膜等の作製に有用な、二色比が高く、吸収特性が長波長シフトした、新規なイソチアゾールアゾ化合物を提供することができる。
1.二色性色素組成物
剛直な直線状の構造のアゾ色素はしばしば配向して高い二色比を示すため、二色性色素として好ましく、従来広く用いられてきた。しかしながら二色性アゾ色素は一般にイエロー〜マゼンダの色調を示すため、長波長領域において十分な吸収を得られていなかった。アゾ色素の吸収の長波長化は置換基や複素環の導入によって達成することができるが、この場合、直線状の構造とすることが困難となり高い二色比を得られない。長波長領域において吸収を示す二色性色素としてアントラキノン色素が知られているが、これも二色比が不十分であった。すなわち、高い二色比と長波長領域における吸収を両立した二色性色素は限られていた。
発明者らは鋭意検討した結果、下記一般式(1)のイソチアゾールアゾ色素を用いてこの課題を解決できることを見出した。
ここで分子長とは、化合物中で最大の原子間距離に両端の2原子のファンデルワールス半径を加えた値である。アスペクト比とは分子長/分子幅であり、分子幅とは、分子長軸に垂直な面に各原子を投影したときの最大の原子間距離に両端の2原子のファンデルワールス半径を加えた値である。
本発明の二色性色素組成物では、二色性色素分子は自らの配向能によって、又は他の色素と併用することで配向し、その状態が固定されることで、偏光膜等の光吸収異方性膜として機能するのが好ましい。例えば、二色性色素とともに、主成分として非着色性の液晶化合物を含有する組成物を利用して、液晶化合物の分子の配向に沿って、二色性色素の分子を配向させ、所定の二色比を達成している、いわゆるゲストホスト(GH)タイプの組成物として調製することもできるが、GHの態様よりも、前記態様のほうが高い二色比を達成可能であり、好ましい。ゲストホスト(GH)タイプの二色性色素組成物からなる偏光素子としては、例えば特開平11−101964号公報に、非着色性の液晶ポリマー/モノマーと二色性色素組成物の混合物を配向膜上に塗布し、配向させて偏光素子を得る旨が記載されているが、二色性色素組成物は液晶ポリマー/モノマーに対して5〜10重量%と少量である。本発明の二色性色素組成物は、非着色性の液晶化合物の占める割合が低いかあるいは全く含まないことで高い色素濃度を得ることができ、光吸収異方性膜を薄膜化することができる。
一般式(1)において、R1及びR2で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8、よりさらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
R1とR2が互いに連結して形成する環状基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環であり、より好ましくはベンゼン環又はピリジン環であり、もっとも好ましくはピリジン環である。
R1とR2は互いに連結して形成する環状基は置換基を有していてもよく、その範囲はR1、R2で表される基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
Arで表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、チオフェン環であり、もっとも好ましくはベンゼン環である。
Arは置換基を有していてもよく、その範囲は前記R1、R2で表される基と同様である。
Arが有していてもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、よりさらに好ましくは、メチル基である。Arは無置換であるのも好ましい。
R3とR4からなる環状基として具体的には、3−ピロリン環、ピロリジン環、3−イミダゾリン環、イミダゾリジン環、4−オキサゾリン環、オキサゾリジン環、4−チアゾリン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、アゼパン環、アゾカン環などが挙げられる。
R3とR4からなる環状基は、好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環であり、より好ましくはピペリジン環、ピペラジン環であり、もっとも好ましくはピペラジン環である。
一般式(2)において、Arで表される2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基の範囲は、一般式(1)におけるArと同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)において、A1は好ましくは窒素原子である。
L2で表される連結基としては、好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、イミノ基、アゾ基、アゾキシ基であり、より好ましくは単結合、オキシカルボニル基、アシルオキシ基、イミノ基、アゾ基、アゾキシ基であり、さらに好ましくは単結合、オキシカルボニル基、アシルオキシ基である。
一般式(2)中、窒素原子、メチレン基、R5、R6、A1で形成される環の構成原子数は、R5及びR6によって決定し、例えば、R5及びR6がいずれも単結合である場合は、4員環になり得;いずれか一方が単結合であり、他方がメチレン基である場合は、5員環になり得;さらに、R5及びR6いずれもメチレン基である場合は、6員環になり得る。
一般式(2)中、窒素原子、メチレン基、R5、R6、A1で形成される環は、好ましくは6員環又は5員環であり、より好ましくは6員環である。
Q1で表される芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環などが挙げられる。
Q1で表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノリン環、チエノチアゾール環、シクロヘキサン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、シクロヘキサン環であり、もっとも好ましくはベンゼン環、ピリジン環、シクロヘキサン環である。
Q1が有していてもよい置換基は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、前記R1、R2で表される基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
Q2で表される2価の環状炭化水素基は、芳香族性であっても、非芳香族性であってもよい。2価の環状炭化水素基の好ましい例には、芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、及びシクロヘキサン環基が含まれる。
Q2で表される2価の環状複素環基も、芳香族性であっても非芳香族性であってもよい。複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環、3−ピロリン環、ピロリジン環、3−イミダゾリン環、イミダゾリジン環、4−オキサゾリン環、オキサゾリジン環、4−チアゾリン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、アゼパン環、アゾカン環などが挙げられる。
Q2で表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環、シクロヘキサン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、チアゾール環、チアジアゾール環、シクロヘキサン環であり、よりさらに好ましくは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ピペラジン環である。
Q2が有していてもよい置換基の範囲は、前記Arが有していてもよい置換基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
Q2とL1及びL2、又は二つのL2との結合は、平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。
一般式(3)において、A1は好ましくは窒素原子である。
例えば、併用可能なアゾ色素の例には、下記式(4)で表されるアゾ色素が含まれる。下記式(4)と併用すると、式(1)の化合物の配向性が改善される場合がある。
R20〜R23で表される置換基の例は、上記式(1)中のR1及びR2が表す置換基の例と同様であり、また環を形成する際の環の例についても、上記と同様である。
式(4)中、pが1である場合、R20は、アゾ基に対してパラ位に置換しているのが好ましい。
前記一般式(1)で表される二色性色素以外の併用される色素は二色性色素であることが好ましい。また、前記一般式(1)で表される二色性色素と同様に、剛直な直線状の構造であることが好ましい。特にアゾ系色素が好ましい。具体的には、特開2009−244679号公報、及び特開昭58−38756号公報などに記載の色素を好適に用いることができる。
本発明の光吸収異方性膜の形成に用いる二色性色素組成物は、ラジカル重合性基を有する非液晶性の多官能モノマーを含有することが好ましい。
本発明において、「ラジカル重合性基を有する非液晶性の多官能モノマー」とは、成長活性種がラジカル的に重合反応する多官能モノマーであって、非液晶性のモノマーをいう。この多官能モノマーは分子内に2個以上の二重結合を有する多官能モノマーであることが好ましく、エチレン性(脂肪族性)不飽和二重結合であることが特に好ましく、具体的には、アルケン、ジエン、アクリレート、メタクリレート、不飽和多価カルボン酸のジエステル、α、β−不飽和カルボン酸のアミド、不飽和ニトリル、スチレン及びその誘導体、ビニルエステル、ビニルエーテル等の官能基を有する多官能モノマーを挙げることができる。分子内の二重結合の数は、2〜20であることが好ましく、2〜15であることがさらに好ましく、2〜6であることがより好ましい。多官能モノマーは、分子内に2個以上のヒドロキシルを有するポリオールと、不飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。不飽和脂肪酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びイタコン酸が含まれ、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。分子内に4個以上のヒドロキシルを有するポリオールは、四価以上のアルコールであるか、あるいは三価以上のアルコールのオリゴマーであることが好ましい。オリゴマーは、エーテル結合、エステル結合又はウレタン結合により多価アルコールを連結した分子構造を有する。多価アルコールをエーテル結合で連結した分子構造を有するオリゴマーが好ましい。
そのようなモノマーとしては、沸点が常圧で100度以上の化合物を挙げることができる。
上記ラジカル重合性多官能モノマーを含有する組成物を硬化反応させるために、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、光重合、熱重合に応じて、公知のものを好適に使用することができ、たとえば光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾル化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の例、光重合開始剤の使用量、及び重合のための光照射エネルギーの値の各々については、特開2001−91741号公報の段落[0050]〜[0051]の記載も本発明に適用できる。
前記二色性色素組成物には、前記の式(1)の二色性色素、並びに所望により添加される、非液晶性の多官能モノマー、重合開始剤、及び非液晶性バインダーポリマーの他に、有機溶媒や、任意の添加剤を配合・併用することができる。添加剤の例としては、風ムラ防止剤、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光吸収異方性膜/配向膜界面での液晶性色素のチルト角)を制御するための添加剤、空気界面のチルト角(光吸収異方性膜/空気界面での色素のチルト角)を制御するための添加剤、糖類、防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤等である。以下、各添加剤について説明する。
本発明に用いる前記二色性色素組成物は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤は、当該組成物を塗布液として調製し、塗布する際に、塗布時の風ムラ等を防止することを目的として添加されるであろう。該界面活性剤としては、一般にフッ素系ポリマーを好適に用いることができる。使用するフッ素系ポリマーとしては、色素のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。界面活性剤として使用可能なフッ素ポリマーの例としては、特開2004−198511号公報、特許第4190275号公報、特開2004−333852号公報、特開2005−206638号公報、特願2008−193565号公報に記載がある。色素とフッ素系ポリマーとを併用することによって、ムラを生じることなく表示品位の高い画像を表示することができる。さらに、ハジキなどの塗布性も改善される。
前記二色性色素の配向を阻害しないという観点では、風ムラ防止目的で使用される界面活性剤の添加量は、前記二色性色素に対して一般に0.1〜10質量%程度であるのが好ましく、0.5〜10質量%程度であるのがより好ましく、0.5〜5質量%程度であるのがさらに好ましい。
本発明で用いる前記二色性組成物中には、塗布時のハジキを防止するための材料として、高分子化合物を添加することができる。この目的で使用する高分子化合物としては、当該二色性色素と相溶性を有し、色素のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ハジキ防止剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
前記二色性色素の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、前記二色性色素に対して一般に0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
前記二色性色素組成物には、配向膜側の前記二色性色素分子のチルト角を制御する添加剤を添加してもよい。この様な作用を有する添加剤の例には、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物が含まれる。分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物としては、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−NH−PO、PO−SH、PO−S−PO、PO−CO−PO、PO−COO−PO、PO−CONH−PO、PO−CONHCO−PO、PO−SO3H、PO−SO3−PO、PO−SO2NH−PO、PO−SO2NHSO2−PO、PO−C=N−PO、HO−P(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、P(−OPO)3、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3、PO−NO2及びPO−CNならびにこれらの有機塩が好ましい例として挙げられる。ここで、有機塩としては、上記化合物の有機塩(例えば、アンモニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等)の他、ピリジニウム塩等も好ましく採用することができる。前記分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物の中でも、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−SO3H、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3もしくはこれらの有機塩が好ましい。ここで、上記各POは非極性基を表し、POが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
本発明では、特開2006−58801号公報に記載の配向膜チルト制御剤を使用することができる。
本発明に用いる前記二色性色素組成物は、空気界面チルト角制御剤として水平配向剤を含むことが好ましい。本発明に用いられる水平配向剤は、好ましくは、
(1)下記一般式(III)で表されるフルオロ脂肪族基含有化合物;又は、
(2)一般式(IV)もしくは一般式(V)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位及び一般式(VI)で表されるアミド基含有モノマーの重合単位からなる群から選択される少なくとも一種の重合単位を含むフルオロ脂肪族基含有共重合体;である。
以下、それぞれ説明する。まず、(1)一般式(III)で表されるフルオロ脂肪族基含有化合物について説明する。
R2:n−C6F13−O−
R3:n−C4F9−O−
R4:n−C8F17−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R5:n−C6F13−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R6:n−C4F9−(CH2)2−O−(CH2)2−O−
R7:n−C8F17−(CH2)3−O−
R8:n−C6F13−(CH2)3−O−
R9:n−C4F9−(CH2)3−O−
R10:H−(CF2)8−O−
R11:H−(CF2)6−O−
R12:H−(CF2)4−O−
R13:H−(CF2)8−(CH2)−O−
R14:H−(CF2)6−(CH2)−O−
R15:H−(CF2)4−(CH2)−O−
R16:H−(CF2)8−(CH2)−O−(CH2)2−O−
R17:H−(CF2)6−(CH2)−O−(CH2)2−O−
R18:H−(CF2)4−(CH2)−O−(CH2)2−O−
前記一般式(V)中、R2は、水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、水素原子又はメチル基がより好ましい。L2は2価の連結基を表し、n1は1以上18以下の整数を表し、2〜12がより好ましく、4〜8が更に好ましく、4又は6であることが最も好ましい。
(a)−X10−R20−(b)
一般式(VII)中、X10は単結合、又は*−COO−**、*−COS−**、*−OCO−**、*−CON(R21)−**、*−O−**で示される2価の連結基を表す。ここで*は二重結合側に結合する位置、**はR20に結合する位置を各々示す。
R20は、置換基を有していてもよいポリメチレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基など)、置換基を有していてもよいフェニレン基(例えばo−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基など)、及びそれらの任意の組み合わせにより形成できる基を表す。中ではポリメチレン基がより好ましく、ポリメチレン基の中でもメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、及びテトラメチレン基が好ましく、メチレン基及びエチレン基が更に好ましい。
R21は、水素原子又は炭素数1〜8の置換基を有してもよいアルキル基、あるは炭素数6〜20の置換基を有してもよいアリール基を表し、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。
前記一般式(VI)中、R3は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、水素原子又はメチル基がより好ましい。R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜20の芳香族基又は炭素数1〜20のヘテロ環基を表し、これらの置換基はさらに置換基を有していてもよい。また、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基であることがさらに好ましい。また、R10とR11が互いに連結して複素環を形成してもよく、形成されるヘテロ環の種類としては、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環などが挙げられる。
本発明で用いる前記二色性色素組成物には、糖類を添加してもよい。糖類を添加することにより色素会合体の会合度を向上させ、その結果として色素の分子配向を高めることができる。
使用可能な糖類としては、単糖、二糖、多糖、及び糖アルコール類などの糖の誘導体が挙げられる。糖類の中でも、本発明の効果を奏するにあたり、分子会合性の点から、水酸基が通常2以上、好ましくは3以上で、好ましくは18以下、更に好ましくは12以下であるものが良い。水酸基が多過ぎると色素との相互作用が強すぎて析出して色素膜の配向性を損ねてしまうので好ましくなく、少な過ぎると色素との相互作用が不十分であり配向性を向上させることができないので好ましくない。
単糖としては、例えばキシロース、リボース、グルコース、フルクトース、マンノース、ソルボース、ガラクトースなどが挙げられる。
オリゴ糖としては、例えばトレハロース、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、スクロース、メリビオース、ルチノース、プリメベロース、ツラノース、パノース、イソパノース、セロトリオース、マンニノトリオース、ソラトリオース、メレジトース、プランテオース、ゲンチアノース、ウンベリフェロース、ラフィノース、スタキオースなどが挙げられる。
糖アルコールとしては、例えばトレイトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトールなど前述の単糖及びオリゴ糖を還元した化合物が挙げられる。
前記二色性色素組成物には、防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤を添加してもよい。これらの添加剤を添加することにより、当該組成物の保存安定性を向上させることができる。
なお、本明細書では、「防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤」とは、カビの発生・生育・増殖を抑制する防黴能、微生物を死滅される殺菌能、微生物の発生・生育・増殖を抑制する抗菌能の少なくともいずれかの機能を有する薬剤を意味する。公知の防黴剤、殺菌剤、抗菌剤が使用できる。ただし、前記組成物から形成される偏光子の光学特性を低下させないものであることが好ましい。本発明に使用可能なる防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤としては、例えば、従来の2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルなどのフェノール系、二酸化塩素などの塩素系、ヨウ素などのヨウ素系、塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム塩系等が挙げられる。
No. 化合物名
1. 2−クロロメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
2. 2−シアノメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
3. 2−ヒドロキシメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
4. 2−(3−メチルシクロヘキシル)−3−イソチアゾロン
5. 2−(4−クロロフェニル)−4,5−ジクロロ−3−イソチアゾロン
6. 2−(4−エチルフェニル)−3−イソチアゾロン
7. 2−(4−ニトロフェニル)−5−クロロ−3−イソチアゾロン
8. 2−クロロメチル−3−イソチアゾロン
9. 2−メトキシフェニル−4−メチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
10. 2−モルフォリノメチル−5−クロロ−3−イソチアゾロン
これらの化合物は、例えば特開平2−278号公報等を参考に合成することが可能であるが、商品名:トリバクトラン(ヘキスト社製)等の市販品を利用することも可能である。
上記の防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤の、前記組成物中の含有量は特に限定されないが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.001質量%以上であり、一方、通常0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下である。防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤の含有量が前記範囲であると、薬剤の析出や、成膜の際の相分離等を生じさせることなく、充分な防黴、抗菌又は殺菌効果が得られる。
本発明の方法によって得られる偏光子が高い偏光度を有するために、前記組成物は、電子不足である(Electron-Deficient)盤状化合物及び電子リッチである(Electron-Rich)化合物を含有するのが好ましい。電子不足である(Electron-Deficient)盤状化合物及び電子リッチである(Electron-Rich)化合物としては、例えば、特開2006−323377に記載のものを用いることができる。
また、前記組成物中の電子リッチである(Electron-Rich)化合物の割合は、組成物全体を100質量部とした場合に、通常50質量部以下、好ましくは40質量部以下の範囲である。前記化合物の割合がこの範囲であると、組成物の溶液としての粘度を過剰に増大させることなく、添加効果を得られる。
前記二色性色素組成物は、非液晶性高分子を含有していてもよい。非液晶性高分子は、モノマーを含む前記二色性色素組成物を基板又は配向膜上に塗布した後、モノマーを重合して形成さる高分子であってもよい。
前記二色性組成物中に添加可能なバインダーポリマーの例としては、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。これらは単独で用いる他、これらを混合、又は共重合して用いることも可能である。
非液晶性のバインダーポリマーとしては、特にアクリル系ポリマー(アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする樹脂)が好ましく、有機溶剤に可溶であることが特に好ましい。
これらは、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記二色性色素組成物は、塗布液として調製するのが好ましい。該塗布液の調製に用いる溶剤は、有機溶媒が好ましい。使用可能な有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。炭化水素、アルキルハライド及びケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
本発明は、本発明の二色性色素組成物からなる光吸収異方性膜にも関する。
本発明の光吸収異方性膜の製造方法の一例は、以下の通りである。
塗布液として調製した前記二色性色素組成物を、表面に塗布して塗膜を形成する。塗布法としては、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング法、スリットダイコーティング法、キャップコーティング法、ディッピング等、公知慣用の方法を行うことができる。通常は、有機溶剤で希釈した溶液を塗布するので、塗布後は乾燥させ、塗膜を得る。
塗布後、塗膜の減圧処理を始めるまでの時間は、短ければ短いほどよく、好ましくは1秒以上30秒以内である。
減圧処理の方法としては、例えば以下の様な方法が挙げられる。塗布液を塗布して得られた塗膜を、その基板とともに減圧処理装置に入れて減圧処理する。例えば特開2006−201759の図9や図10のような減圧処理装置を使用することができる。減圧処理装置の詳細については、特開2004−169975号公報に記載されている。
また、減圧処理時間は、好ましくは5秒以上180秒以内である。上限を上回ると配向緩和前に急速に塗膜を乾燥できず配向が乱れる恐れがあり、下限を下回ると乾燥できず配向が乱れる恐れがある。
なお、本明細書では、「チルト角」とは、アゾ色素の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)のなす角度を意味する。偏光性能の観点から、好ましい配向膜側のチルト角は0°〜10°、さらに好ましくは0°〜5°、特に好ましいのは0°〜2°、よりさらに好ましくは0°〜1°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は0°〜10°、さらに好ましくは0〜5°、特に好ましいのは0〜2°である。
なお、配向膜側チルト角は、空気界面側チルト角と比較して、配向膜の作用により低減される傾向があるが、前記組成物中に上記した配向膜チルト制御剤を添加することで、配向膜側チルト角をより軽減して、アゾ色素分子を安定的に水平配向状態にすることができる。
なお、重合のための光照射エネルギーの値等については、特開2001−91741号公報の段落[0050]〜[0051]の記載を参照することができる。
ラビング処理により形成される配向膜に用いられるポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明の配向膜ではポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましく用いられる。配向膜についてはWO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。
配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがさらに好ましい。
ラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は、下記式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl(1+2πrn/60v)
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。
ラビング密度と配向膜のプレチルト角との間には、ラビング密度を高くするとプレチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとプレチルト角は大きくなる関係がある。
光照射により形成される配向膜に用いられる光配向材料としては、多数の文献等に記載がある。本発明の配向膜では、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミド及び/又はアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルが好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルである。
本明細書において、「直線偏光照射」とは、前記光配向材料に光反応を生じせしめるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。好ましくは、光照射に用いる光のピーク波長が200nm〜700nmであり、より好ましくは光のピーク波長が400nm以下の紫外光である。
非偏光を利用する場合には、斜めから非偏光を照射する。その入射角度は、10〜80°、好ましくは20〜60、特に好ましくは30〜50°である。
照射時間は好ましくは1分〜60分、さらに好ましくは1分〜10分である。
(1)偏光子
本発明は、基板と、該基板上に本発明の光吸収異方性膜とを有する偏光子にも関する。
基板:
本発明に使用可能な基板は、偏光子の用途に応じて選択されるであろう。例えば、液晶表示素子、OLED素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス;固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板;シリコン基板;プラスチック基板;並びに、これらに透明導電膜、カラーフィルタ膜、電極、TFT等の機能層を形成した基板が挙げられる。これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしていてもよい。プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることも好ましい。
本発明の偏光子は、基板と前記光吸収異方性膜との間に配向膜を有していてもよい。配向膜の例、形成に利用される材料、及び形成方法については、上記の通りである。
また、本発明の偏光子は、基板と前記光吸収異方性膜との間に、カラーフィルタ層を有しているのが好ましい。カラーフィルタ層の他、透明導電膜、カラーフィルタ膜、電極、TFT等の他の機能層を有していてもよい。また、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていてもよい。
また、本発明の偏光子は、光吸収異方性膜の上に、透明樹脂硬化層を有していてもよい。透明樹脂硬化層の形成に利用される材料、及び形成方法については、上記の通りである。
本発明は、本発明の光吸収異方性膜又は偏光子を少なくとも一つ具備する表示装置にも関する。その構成等については特に制限はない。具体的には、TN、STN、VA、ECB、IPS、もしくはOCB等の種々のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置、OLEDなどが挙げられる。特に好ましくは、本発明の光吸収異方性膜を、基板の内面側に設置してなる、いわゆる、インセル偏光子、として有する表示装置であり、さらに好ましくは、カラーフィルタ基板に、本発明の光吸収異方性膜を積層してなる表示装置である。かかる構成にすることにより、カラーフィルタ層による偏光解消に起因して生じる散乱光によるコントラストの低下を軽減することができる。
なお、以下の実施例中、「部」は、特に記載なければ、「質量部」を意味するものとする。
尚、以下の実施例中、光吸収異方性膜の光学特性に関する測定は下記の通り実施した。
二色比は、ヨウ素系偏光子を入射光学系に配した分光光度計で光吸収異方性膜の吸光度を測定した後、次式により計算した。
二色比:D=Az/Ay
Az:色素膜の吸収軸方向の偏光に対する吸光度
Ay:色素膜の偏光軸方向の偏光に対する吸光度
以下の合成スキームにより、下記構造の二色性色素No.120を合成した。
1−フェニルピペラジンを16.2部、1,2−ジブロモエタンを9.4部、DMAc150mlに溶解し、これに炭酸カリウムを27.6部加え、100℃で6時間攪拌した。水150mlを加え、析出した固体をろ過し、水及びメタノールで洗浄した。乾燥後、15.3部の化合物S−1を白色粉末として収率87%で得た。なお、1H‐NMR(CDCl3)の詳細は、7.28(m,4H)、6.93(m,4H)、6.84(m,2H)、3.22(t,8H)、2.70(t,8H)、2.63(s,4H)であった。
化合物S−2を1.9部、リン酸19mlに溶解し、これを0℃に氷冷したものに対し、亜硝酸ナトリウムを0.83部、5℃以下の温度を保ちながら少しずつ添加した。温度を保った状態で30分間攪拌し、ジアゾニウム塩の生成を確認した後に、化合物S−1を0.42部、クロロホルム50mlに溶解し、0℃に氷冷したものの中に5℃以下の温度を保ちながら少しずつ滴下した。滴下終了後、反応液を室温まで昇温し、反応液を水700ml中に注ぎ、析出した固体をろ過した。固体をクロロホルム200ml、メタノール20mlに溶解し、トリエチルアミンと炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、カラムクロマトグラフィーにて精製し、1.84部の二色性色素No.120を黒色粉末として収率33%で得た。
No.120のN-メチルピロリドン溶媒中での極大吸収波長λmaxは600.8nmであった。なお、1H‐NMR(CDCl3)の詳細は、8.88(s,1H)、7.94(d,2H)、7.28(m,3H)、6.93(m,4H)、3.55(m,4H)、3.21(m,4H)、2.89(s,3H)、2.70(m,8H)、2.64(s,4H)であった。
MOPAC(Version 6.03)およびMOS−F(Version 5.0A)で分子軌道計算を行なったところ、分子長:29.8Å、アスペクト比:2.88、分子長軸と遷移モーメントのなす角:6.0°であった。
クロロホルム98質量部に前記二色性色素120(極大吸収波長(NMP溶液):601nm、分子長:29.8Å、アスペクト比:2.88、分子長軸と遷移モーメントのなす角:6.0°)を1質量部、下記二色性色素Aを1質量部加え、撹拌溶解後、濾過して二色性色素組成物塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした配向膜上に、前記塗布液を塗布し、この後、150℃で1分間加熱してクロロホルムを乾燥した。配向膜としては、ポリイミド(日産化学社製SE−150)を使用した。
得られた光吸収異方性膜は可視波長領域全域に渡って吸収を示し、黒色を呈した。二色比は18であった。
二色性色素No.120を、前記二色性色素No.33(極大吸収波長(NMP溶液):600nm、分子長:24.6Å、アスペクト比:2.38、分子長軸と遷移モーメントのなす角:3.9°)に変更した以外、実施例1と同様に光吸収異方性膜を作製した。
得られた光吸収異方性膜は可視波長領域全域に渡って吸収を示し、黒色を呈した。二色比は14であった。
二色性色素No.120を、前記二色性色素No.21(極大吸収波長(NMP溶液):630nm、分子長:17.7Å、アスペクト比:1.71、分子長軸と遷移モーメントのなす角:5.1°)に変更した以外、実施例1と同様に光吸収異方性膜を作製した。
得られた光吸収異方性膜は可視波長領域全域に渡って吸収を示し、黒色を呈した。二色比は11であった。
二色性色素No.120を、下記化学式B−1の化合物(極大吸収波長(DMF溶液):620nm、分子長:14.5Å、アスペクト比:1.65、分子長軸と遷移モーメントのなす角:5.2°)に変更した以外、実施例1と同様に光吸収異方性膜を作製した。
得られた光吸収異方性膜は可視波長領域全域に渡って吸収を示し、黒色を呈した。二色比は3であった。
二色性色素No.120を、下記化学式B−2の化合物(極大吸収波長(EtOH溶液):488nm、分子長:18.4Å、アスペクト比:2.65、分子長軸と遷移モーメントのなす角:3.2°)に変更した以外、実施例1と同様に光吸収異方性膜を作製した。
得られた光吸収異方性膜は長波長領域の光を透過し、赤色を呈した。二色比は8であった。
Claims (10)
- 基板と、該基板上に下記一般式(2)で表される二色性色素の少なくとも1種を含み、非着色性の液晶化合物の占める割合が30質量%以下である二色性色素組成物からなる光吸収異方性膜とを有することを特徴とする偏光子:
- 前記二色性色素が550〜800nmの波長領域に少なくとも一つの極大吸収を有し、該極大吸収に対応する遷移双極子モーメントが分子長軸に平行であることを特徴とする請求項1に記載の偏光子。
- 前記二色性色素の分子長が17Å以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光子。
- 前記二色性色素のアスペクト比が1.7以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光子。
- 前記一般式(2)又は(3)中のR1及びR2が互いに結合して芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を形成していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光子。
- 前記一般式(2)又は(3)中のR1及びR2が互いに結合して形成している芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が、6員環であることを特徴とする、請求項6に記載の偏光子。
- 前記基板と前記光吸収異方性膜との間に、配向膜を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光子。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光子を有することを特徴とする表示装置。
- 少なくとも次の[1]〜[3]:
[1]基板を直接、又は該基板上に形成された配向膜をラビング、もしくは光照射する工程
[2]該基板又は該配向膜上に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の二色性色素組成物を塗布する工程
[3]該二色性色素組成物の塗布膜を50℃以上250℃以下で加熱し、配向させ偏光子とする工程
をこの順に含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光子の製造方法。
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