JP2012032507A - 偏光眼鏡 - Google Patents

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JP2012032507A JP2010170603A JP2010170603A JP2012032507A JP 2012032507 A JP2012032507 A JP 2012032507A JP 2010170603 A JP2010170603 A JP 2010170603A JP 2010170603 A JP2010170603 A JP 2010170603A JP 2012032507 A JP2012032507 A JP 2012032507A
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慎一 森嶌
Koshin Matsuoka
光進 松岡
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Abstract

【課題】二色比が高く、しかも透過度も高い偏光眼鏡を提供する。
【解決手段】透明基板(10L、10R)と、該基板上に、少なくとも1種の二色性色素を含む液晶性組成物を配向状態に固定してなる光吸収異方性膜(14L、14R)とを有する、右眼用及び左眼用それぞれの鑑賞用部材を有することを特徴とする偏光眼鏡である。
【選択図】図1

Description

本発明は、二色性色素を利用した光吸収異方性膜を有する、偏光眼鏡に関する。更に詳細には、二色性色素を含有する液晶組成物からなる光吸収異方性膜を有する、いわゆる3D用偏光眼鏡であって、左右の眼に異なる画像を認識させ、画像を立体視させるのに有用な偏光眼鏡に関する。
従来、偏光を利用した立体視表示方式に用いられる3D用偏光眼鏡を構成する偏光子として、ヨウ素又は二色性色素を含浸したポリビニルアルコール(PVA)を、一軸延伸してなる偏光子が一般的に利用されている(例えば、特許文献1及び2)。
3D画像を観察した際に生じるクロストークの軽減のためには、二色比を高める必要があるが、上記構成の偏光子では、二色比の向上のためには、膜厚を大きくする必要があり、軽量化・薄型化の観点では好ましくない。また、偏光眼鏡には、透過率が高いことが要求されるが、上記構成の偏光子では、二色比を低下させずに、透過率を改善することは困難である。
一方、液晶性を有する二色性色素組成物を利用した偏光素子について提案されているが、偏光眼鏡への適用については、なんら開示されていない(特許文献3)。
特開平1−152415号公報 特開2008−170557号公報 特開2009−263649号公報
本発明は、二色性色素を利用した塗布型偏光子を備えた、薄型化及び軽量化が可能な、新規な偏光眼鏡を提供することを課題とする。
また、本発明は、二色比が高く、しかも透過度も高い偏光眼鏡を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 透明基板と、該基板上に、少なくとも1種の二色性色素を含む液晶性組成物を配向状態に固定してなる光吸収異方性膜とを有する、右眼用及び左眼用それぞれの鑑賞用部材を有することを特徴とする偏光眼鏡。
[2] 前記光吸収異方性膜が、前記液晶性組成物を、塗布手段、吹き付け手段及び滴下手段のいずれかの手段により、適用してなることを特徴とする[1]の偏光眼鏡。
[3] 前記少なくとも1種の二色性色素が、アゾ系色素化合物又は縮合多環系色素化合物であることを特徴とする[1]又は[2]の偏光眼鏡。
[4] 前記少なくとも1種の二色性色素が、液晶性化合物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの偏光眼鏡。
[5] 前記少なくとも1種の二色性色素が、サーモトロピック液晶性化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの偏光眼鏡。
[6] 前記光吸収異方性膜が、配向処理された表面上に形成されていることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの偏光眼鏡。
[7] 前記組成物が、下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)、下記一般式(IV)、又は下記一般式(VI)で表わされる二色性色素から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれかの偏光眼鏡。
Figure 2012032507
(式中、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;L11は、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、又は−CH=CH−を表し;A11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し;B11は、置換基を有していてもよい、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基を表し;nは1〜5の整数を表し、nが2以上のとき複数のB11は互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2012032507
(式中、R21及びR22はそれぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は−L22−Yで表される置換基を表すが、但し、少なくとも一方は、水素原子以外の基を表し;L22は、アルキレン基を表すが、アルキレン基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−NRCOO−、−OCONR−、−CO−、−S−、−SO−、−NR−、−NRSO−、又は−SONR−(Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく;Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表し;L21はそれぞれ、アゾ基(−N=N−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)、イミノ基(−N=CH−)、及びビニレン基(−C=C−)からなる群から選ばれる連結基を表し;Dyeはそれぞれ、下記一般式(IIa)で表されるアゾ色素残基を表し;
Figure 2012032507
式(IIa)中、*はL21との結合部を表し;X21は、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、無置換アミノ基、又はモノもしくはジアルキルアミノ基を表し;Ar21は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し;nは1〜3の整数を表し、nが2以上の時、2つのAr21は互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2012032507
(式中、R31〜R35はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R36及びR37はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;Q31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又はシクロヘキサン環基を表し;L31は2価の連結基を表し;A31は酸素原子又は硫黄原子を表す)
Figure 2012032507
(式中、R41及びR42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Arは、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;R43及びR44はそれぞれ、水素原子、又は置換されていてもよいアルキル基を表し、互いに結合して複素環を形成していてもよい。)
Figure 2012032507
(式中、A及びAはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の、炭化水素環基又は複素環基を表わす。)
[8] 前記光吸収性異方性膜の厚みが、0.01〜2μmであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの偏光眼鏡。
[9] 更に屈折率異方性層を備えてなることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかの偏光眼鏡。
[10] 動画立体画像の立体視用であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかの偏光眼鏡。
[11] 静止画立体画像の立体視用であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかの偏光眼鏡。
本発明によれば、二色性色素を利用した塗布型偏光子を備えた、薄型化及び軽量化が可能な、新規な偏光眼鏡を提供することができる。
また、本発明によれば、二色比が高く、しかも透過度も高い偏光眼鏡を提供することができる。本発明の偏光眼鏡を用いることにより、クロストークのない、明るい、静止画又は動画の立体画像を観察できる。
本発明の偏光眼鏡の一例の分解斜視図である。 本発明の偏光眼鏡の他の例の分解斜視図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書では、「クロストーク」及び「ゴースト像」とは、左右画像の分離が不完全である場合に、二重像として認識されること、及び目的画像以外の像として認識されることをいう。
本発明の偏光眼鏡は、二色性色素を含有する液晶性組成物を、配向状態に固定してなる光吸収異方性膜を有する、右眼用及び左眼用それぞれの鑑賞用部材を有することを特徴とする。前記光吸収異方性膜は、ヨウ素又は二色性色素を、一軸延伸等により分子配向させたPVAシートに浸透させ、当該分子配向に沿ってヨウ素又は二色性色素を追従的に配向させた従来の偏光子と比較して、より薄い膜厚で、高い二色比を達成できる。即ち、本発明の偏光眼鏡は、高い二色比及び高い透過度を示すので、本発明の偏光眼鏡を用いると、クロストーク及びゴースト像が軽減された、明るい立体画像(静止及び動画立体画像を含む)を観察することができる。
本発明の偏光眼鏡の一例の分解斜視図を図1に示す。
図1に示す偏光眼鏡は、左眼用及び右眼用のフレーム20の部分にそれぞれ、透明基板10L及び10R、その表面に、光吸収性異方性膜12L及び12R、さらにその上に、屈折率異方性層16L及び16Rを有する、左眼用及び右眼用の観賞用部材をそれぞれ有する。光吸収性異方性膜12L及び12Rは、それぞれ二色性色素を含有する液晶性組成物の配向状態を固定して形成された膜であり、その配向状態に応じて、吸収軸14L及び14Rが決定される。光吸収性異方性膜12L及び12Rの吸収軸14L及び14Rは、屈折率異方性層16L及び16Rの面内遅相軸18L及び18Rとそれぞれ±45°で交差していて、それぞれに入射する光は、いずれか一方が右円偏光に、他方が左円偏光に変換される。この偏光眼鏡を介して、左眼用及び右眼用の円偏光画像からなる立体視用画像を観察すると、左眼には、左眼用の円偏光画像のみが入射し、右眼には、反対向きの右眼用の円偏光画像のみが入射し、立体画像として認識できる。
図2に、本発明の偏光眼鏡の他の例の分解斜視図を示す。
図2に示す偏光眼鏡は、左眼用及び右眼用のフレーム20の部分にそれぞれ、透明基板10L及び10R、その表面に、光吸収性異方性膜12’L及び12’Rを有する、左眼用及び右眼用の観賞用部材をそれぞれ有する。光吸収性異方性膜12’L及び12’Rは、それぞれ二色性色素を含有する液晶性組成物の配向状態を固定して形成された膜であり、その配向状態に応じて、吸収軸14’L及び14’Rが決定される。光吸収性異方性膜12’L及び12’Rの吸収軸14’L及び14’Rは、互いに直交していて、例えば、吸収軸14’Lは水平方向であり、吸収軸14’Rは上下方向である。この偏光眼鏡を介して、左眼用及び右眼用の直線偏光画像からなる立体視用画像を観察すると、左眼には、左眼用の直線偏光画像のみが入射し、右眼には、それに直交する右眼用の直線偏光画像のみが入射し、立体画像として認識できる。
図2の偏光眼鏡は、光吸収異方性膜12’L及び12’Rの表面に、さらに保護膜を有しているのが好ましい。保護膜は、光学等方性のフィルムであるのが好ましい。
なお、図1及び図2では、左眼用及び右眼用のフレーム部分に、基板、光吸収異方性膜、及び所望により屈折率異方性層を積層した積層体を組み込んだ構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、左眼用及び右眼用のフレーム部分にそれぞれレンズが組み込まれた眼鏡に、基板、光吸収異方性膜、及び所望により屈折率異方性層が積層された積層体を貼合しても勿論よい。また、後述するように、基板と光吸収異方性膜との間に配向膜が配置されていてもよい。さらに、防汚層、ハードコート層に例示される保護層等の機能層を有していてもよい。また、立体画像表示装置と同期して駆動される液晶シャッターが配置されている、アクティブ方式の偏光眼鏡であってもよい。
本発明の偏光眼鏡は、偏光を利用したいかなる立体表示方式に対しても適用可能であり、静止画立体画像及び動画立体画像のいずれを観察するために用いられるものであってもよい。具体的には、パッシブ・ステレオ方式による動画立体画像の立体視、アクティブ・ステレオ方式による動画立体画像の立体視、時間分割偏光方式による動画立体画像の立体視、静止立体画像の立体視等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の偏光眼鏡の作製に利用可能な材料等について説明する。
(1)光吸収異方性膜
本発明の偏光眼鏡は、少なくとも1種の二色性色素を含有する液晶性組成物からなる光吸収異方性膜を有する。本発明に係わる光吸収異方性膜は、前記液晶性組成物を、塗布手段、吹き付け手段及び滴下手段のいずれかの適用手段により、基板又は基板上の配向膜表面に適用し、所望の配向状態とし、その配向状態に固定した膜であるのが好ましい。前記光吸収異方性膜は、ヨウ素又は二色性色素を、一軸延伸等により分子配向させたPVAシートに浸透させ、当該分子配向に沿ってヨウ素又は二色性色素を追従的に配向させた従来の偏光子と比較して、高い二色比を薄層で達成可能である。
(1)−1 光吸収異方性膜の材料
前記液晶性組成物は、少なくとも1種の二色性色素を含有する。本発明では、二色性色素として、それ自身が配向能を示す液晶化合物を少なくとも1種用いることが好ましい。非液晶性の二色性色素を用いてもよいが、液晶性二色性色素の割合は二色性色素の全質量に対して、30%以上であることが好ましく、さらに好ましくは50%以上であり、特に好ましくは70%以上である。液晶性二色性色素の割合が高いほど、二色比が高まり、クロストークやゴースト像のより軽減が可能となるので好ましい。また、従前のGHモードで利用されているように、非着色性液晶化合物(高分子であっても低分子であってもよい)を添加することで、二色性色素の配向性がより改善される場合もあるが、非着色性液晶化合物の存在は、二色比を低下させる傾向があるので、添加しないほうが好ましい。よって、非着色性液晶化合物を含有する態様であっても、液晶性二色性色素の割合は組成物の固形分の全質量に対して、30%以上であることが好ましく、さらに好ましくは50%以上であり、特に好ましくは70%以上である。
本発明に利用する二色性色素は、有機化合物の二色性色素であることが好ましい。二色性色素は、配向状態で硬化された光吸収異方性膜として、高い二色比を達成し得る化合物から選択されるのが好ましい。また、塗布液として調製し、塗布等の手段で形成する態様では、有機溶媒等の溶剤への溶解性が高い化合物を用いるのが好ましい。さらに、膜としての堅牢性が高い、及び安価に入手(合成)可能である等の種々の観点から選択される。また、本発明では、二色性色素の1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上の二色性色素を混合することで、より広帯域にわたって、高い偏光度を示す光吸収異方性膜を形成できるので好ましい。
前記二色性色素は、アゾ系色素化合物又は縮合多環系色素であるのが好ましい。本発明に利用可能なアゾ色素については特に制限はない。1つ以上のアゾ基を有し、可視領域に吸収を有する化合物であればいずれも利用することができ、その例には、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ化合物が含まれる。本発明に利用可能なアゾ色素の例には、特開平11−305036号公報、特開2009−73910号公報、特開2009−98243号公報、特開2009−115866号公報、特開2009−169341号公報、特開2009−161722号公報、特開2009−173849号公報、特開2009−217230号公報、特開2006−215396号公報、特開2006−47966号公報、特開2006−328157号公報、特開2006−193722号公報、特開2006−206878号公報、特開2007−199333号公報、特開2007−126628号公報、特開2007−302807号公報、特開2008−81700号公報、特開2008−101154号公報、特開2008−102417号公報、特開2009−217011号公報、及び特開2009−263649号公報に記載のアゾ色素が含まれる。
また、本発明に二色性色素として利用可能な縮合多環系色素化合物についても特に制限はなく、炭化水素環もしくは複素環が2つ以上縮環した構造を有し、可視領域に吸収を有する化合物であれば、いずれも使用することができる。本発明に利用可能な縮合多環系色素化合物の例には、特開平11−305036号公報、特表2002−515075号公報、特表2006−508034号公報、特表2005−531636号公報、特表2006−518871号公報、特表2006−526013号公報、特表2007−534629号公報、特表2007−512236号公報、特開2006−48078号公報、特開2006−225671号公報、特表2009−511460号公報、特開2007−291060号公報、特表2009−523256号公報、特開2008−143885号公報、及び特開2006−98927号公報に記載の縮合多環系色素化合物が含まれる。
二色性色素液晶の例には、サーモトロピック液晶性二色性色素及びリオトロピック液晶色素が含まれるが、本発明にはいずれを使用してもよいし、混合物を使用してもよい。視用可能なサーモトロピック液晶性二色性色素の例には、特開平11−305036号公報、特開2009−217011号公報、及び特開2009−263649号公報に記載の化合物が含まれる。また、本発明に利用可能なリオトロピック液晶性二色性色素の例には、特開2009−73910号公報、特開2009−98243号公報、特開2009−115866号公報、特開2009−169341号公報、特開2009−161722号公報、特開2009−173849号公報、特開2009−217230号公報、特開2006−215396号公報、特開2006−47966号公報、特開2006−328157号公報、特開2006−193722号公報、特開2006−206878号公報、特開2007−199333号公報、特開2007−126628号公報、特開2007−302807号公報、特開2008−81700号公報、特開2008−101154号公報、特開2008−102417号公報、特表2002−515075号公報、特表2006−508034号公報、特表2005−531636号公報、特表2006−518871号公報、特表2006−526013号公報、特表2007−534629号公報、特表2007−512236号公報、特開2006−48078号公報、特開2006−225671号公報、特表2009−511460号公報、特開2007−291060号公報、特表2009−523256号公報、特開2008−143885号公報、及び特開2006−98927号公報に記載の化合物が含まれる。
本発明では、サーモトロピック液晶性、即ち、熱によって液晶相に転移して、液晶性を示す、二色性色素を用いるのが好ましい。より好ましくは10〜300℃、さらに好ましくは100〜250℃でネマチック液晶相を示す二色性色素を用いる。特に、ネマチック液晶相より低温領域にスメクチックA液晶相を示すことが好ましく、その好ましい温度範囲は、10〜200℃、より好ましくは50〜200℃である。
さらに、前記サーモトロピック液晶性二色性色素は、ネマチック液晶性を有するアゾ系二色性色素であるのが好ましい。本発明において、「二色性色素」とは、方向によって吸光度が異なる色素を意味する。また、「二色性」および「二色比」は、液晶性組成物を光吸収異方性膜としたときの、偏光軸方向の偏光の吸光度に対する、吸収軸方向の偏光の吸光度の比で計算される。
中でも、下記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素が好ましい。下記一般式(I)〜(IV)で表される二色性色素は、ネマチック液晶性を有するのが好ましい。
Figure 2012032507
式中、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;L11は、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、又は−CH=CH−を表し;A11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し;B11は、置換基を有していてもよい、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基を表し;nは1〜5の整数を表し、nが2以上のとき複数のB11は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(I)において、R11〜R14で表される置換基としては以下の基を挙げることができる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、オキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜15、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは2〜6であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基(−CH=N−もしくは−N=CH−)、アゾ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
11〜R14で表される基としては、好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
15及びR16で表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−オクチル基などが挙げられる。R15及びR16で表されるアルキル基の置換基としては、前記R11〜R14で表される置換基と同義である。R15又はR16がアルキル基を表す場合、R12又はR14と連結して環構造を形成してもよい。R15及びR16は、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基、又はエチル基である。
11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
該フェニル基又は該ナフチル基が有していてもよい置換基としては、アゾ化合物の溶解性やネマチック液晶性を高めるために導入される基、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基、又は配向を固定化するために導入される重合性基を有する基が好ましく、具体的には、前記R11〜R14で表される置換基と同義である。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R11〜R14で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
該フェニル基又は該ナフチル基は、これら置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは1個有していることである。フェニル基についてより好ましくは、Lに対してパラ位に1個置換基を有していることである。
芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、チオフェニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、キノロニル基、ナフタルイミドイル基、チエノチアゾリル基などが挙げられる。
芳香族複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリ基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基がより好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、又はチエノチアゾリル基がさらに好ましい。
11は、特に好ましくは、置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、又はチエノチアゾリル基である。
11は、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は2価の芳香族複素環基を表す。nは1〜4を表し、nが2以上のとき、複数のB11は互いに同一でも異なっていてもよい。
該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、及びシアノ基が挙げられる。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子がより好ましく、メチル基、又はハロゲン原子がさらに好ましい。
該芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアジアゾール基、フタルイミド基、チエノチアゾール基等が挙げられる。中でも、チエノチアゾール基が特に好ましい。
該芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、及びエチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;無置換あるいはメチルアミノ基等のアミノ基;アセチルアミノ基、アシルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R11〜R14で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(I)で表されるアゾ色素の好ましい例には、下記一般式(Ia)及び(Ib)のいずれかで表されるアゾ色素が含まれる。
Figure 2012032507
式中、R17a及びR18aはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し;L11aは、−N=N−、−N=CH−、−O(C=O)−、又は−CH=CH−を表し;A11aは、下記一般式(Ia−I)又は(Ia−III)で表される基を表し;B11a及びB12aはそれぞれ独立に、下記式(Ia−IV)、(Ia−V)、又は(Ia−VI)で表される基を表す;
Figure 2012032507
式中、R19aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、又は置換基を有していてもよいアシルオキシ基を表す。
Figure 2012032507
式中、mは0〜2の整数を表す。
Figure 2012032507
式中、R17b及びR18bはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し;L11bは、−N=N−又は−(C=O)O−を表し;L12bは、−N=CH−、−(C=O)O−、又は−O(C=O)−を表し;A11bは、下記式(Ib−II)又は(Ib−III)で表される基を表し;mは0〜2の整数を表す;
Figure 2012032507
式中、R19bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基を表す。
前記一般式(Ia)及び(Ib)中、各基が有する置換基の例には、一般式(I)中のR11〜R14で表される置換基の例と同様である。また、アルキル基等の炭素原子を有する基については、炭素原子数の好ましい範囲は、R11〜R14で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
なお、上記一般式(I)、(Ia)及び(Ib)で表される化合物は置換基として、重合性基を有していてもよい。重合性基を有していると、硬膜性が良化されるので好ましい。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。エチレン性不飽和重合性基の例には、アクリロイル基、及びメタクリロイル基が含まれる。
重合性基は分子末端に位置するのが好ましく、即ち、式(I)中では、R15及び/又はR16の置換基として、並びにAr11の置換基として、存在するのが好ましい。
以下に、式(I)で表されるアゾ色素の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
式中、R21及びR22はそれぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は−L22−Yで表される置換基を表すが、但し、少なくとも一方は、水素原子以外の基を表す。L22は、アルキレン基を表すが、アルキレン基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−NRCOO−、−OCONR−、−CO−、−S−、−SO−、−NR−、−NRSO−、又は−SONR−(Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよい。Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表す。
中でも、R21及びR22の一方が、水素原子又はC〜C程度の短鎖の置換基であり、R21及びR22の他方が、C〜C30程度の長鎖の置換基であると、溶解性がより改善されるので好ましい。一般的に、液晶性の発現に関しては、その分子形状及び分極率の異方性等が大きく影響することがよく知られており、液晶便覧(2000年、丸善(株))等に詳しく記載されている。棒状液晶分子の代表的な骨格は、剛直なメソゲンと分子長軸方向の柔軟な末端鎖から成っており、式(II)中のR21及びR22に相当する分子短軸方向の側方置換基は、分子の回転を阻害しない小さな置換基とするか、又は置換していないのが一般的である。側方置換基に特徴を持たせた例としては、親水性(例えばイオン性)の側方置換基を導入することで、スメクチック相の安定化した例が知られているが、安定なネマチック相を発現する例はほとんど知られていない。特に、ネマチック相を発現する棒状液晶性分子の特定の置換位置に、長鎖の置換基を導入することで、配向秩序度を低下させることなく、溶解性を向上させた例は、全く知られていない。
21及びR22がそれぞれ表すアルキル基としては、C〜C30のアルキル基が挙げられる。上記短鎖のアルキル基の例としては、C〜Cが好ましく、C〜Cがより好ましい。一方、上記長鎖のアルキル基としては、C〜C30が好ましく、C10〜C30がより好ましく、C10〜C20がさらに好ましい。
21及びR22がそれぞれ表すアルコキシ基としては、C〜C30のアルコキシ基が挙げられる。上記短鎖のアルコキシ基の例としては、C〜Cが好ましく、C〜Cがより好ましい。一方、上記長鎖のアルコキシ基としては、C〜C30が好ましく、C10〜C30がより好ましく、C10〜C20がさらに好ましい。
21及びR22がそれぞれ表す−L22−Yで表される置換基のうち、L22が表すアルキレン基は、C〜C30が好ましく、C10〜C30がより好ましく、C10〜C20がさらに好ましい。前記アルキレン基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−NRCOO−、−OCONR−、−CO−、−S−、−SO−、−NR−、−NRSO−、及び−SONR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)からなる2価基の群から選択された1以上によって置換されていてもよい。勿論、前記2価基の群から選択される2以上の基によって置換されていてもよい。また、L22の末端であって、Yと結合するCHが、上記2価の基のいずれかで置換されていてもよい。また、L22の先端であって、フェニル基と結合するCHが、上記2価の基のいずれかで置換されていてもよい。
特に、溶解性向上の観点では、L22がアルキレンオキシ基である、又はアルキレンオキシ基を含んでいるのが好ましく、L22が、−(OCHCH−(但し、pは3以上の数を表し、3〜10であるのが好ましく、3〜6であるのがより好ましい)で表されるポリエチレンオキシ基であるか、又はポリエチレンオキシ基を含んでいるのがさらに好ましい。
以下に、−L22−の例を示すが、以下の例に限定されるものではない。下記式中、qは1以上の数であり、1〜10であるのが好ましく、2〜6であるのがより好ましい。また、rは5〜30であり、好ましくは10〜30であり、より好ましくは10〜20である。
−(OCHCH
−(OCHCH−O−(CH
−(OCHCH−OC(=O)−(CH
−(OCHCH−OC(=O)NH−(CH
−O(CH
−(CH
21及びR22がそれぞれ表す−L22−Yで表される置換基のうち、Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくはC〜C10、より好ましくはC〜Cのアルコキシ基である)、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表す。
22とYとの組合せにより、−L22−Yの末端は、例えばカルボキシル基やアミノ基、アンモニウム基などの分子間相互作用を強める置換基となり得るし、またスルホニルオキシ基、ハロゲン原子等の脱離基にもなり得る。
また、−L22−Yの末端は、架橋性基、重合性基など、他分子と共有結合を形成する置換基であってもよく、例えば、−O−C(=O)CH=CH、及び−O−C(=O)C(CH)=CH等の重合性基であってもよい。
硬化膜用の材料として利用する場合は、Yは、重合性基であることが好ましい(但し、前記式(II)の化合物が重合性基を有していなくても、併用される化合物が重合性であれば、当該他の化合物の重合反応を進行させることで、式(II)の化合物の配向を固定することができる)。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。前記式で表される重合性基の例には、下記式(M−1)で表されるアクリレート基、及び下記式(M−2)で表されるメタクリレーと基が含まれる。
Figure 2012032507
また、開環重合性基も好ましく、例えば、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が特に好ましい。
前記一般式(II)中、L21はそれぞれ、アゾ基(−N=N−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)、イミノ基(−N=CH−)、及びビニレン基(−C=C−)からなる群から選ばれる連結基を表す。中でも、ビニレン基が好ましい。
前記前記一般式(II)中、Dyeはそれぞれ、下記一般式(IIa)で表されるアゾ色素残基を表す。
Figure 2012032507
式(IIa)中、*はL21との結合部を表し;X21は、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、無置換アミノ基、又はモノもしくはジアルキルアミノ基を表し;Ar21は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し;nは1〜3の整数を表し、nが2以上の時、複数あるAr21は互いに同一でも異なっていてもよい。
21で表されるアルキル基は、好ましくはC〜C12、より好ましくは、C〜Cのアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が含まれる。アルキル基は置換基を有していてもよく、該置換基の例には、ヒドロキシ基、カルボキシル基、及び重合性基が含まれる。重合性基の好ましい例は、上記Yが表す重合性基の好ましい例と同様である。
21で表されるアルコキシは、好ましくはC〜C20、より好ましくはC〜C10、さらに好ましくはC〜Cのアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ペンタオキシ基、ヘキサオキシ基、ヘプタオキシ基、オクタオキシ基などが挙げられる。アルコキシ基は置換基を有していてもよく、該置換基の例には、ヒドロキシ基、カルボキシル基、及び重合性基が含まれる。重合性基の好ましい例は、上記Yが表す重合性基の好ましい例と同様である。
21で表される置換もしくは無置換のアミノ基は、好ましくはC〜C20、より好ましくはC10、さらに好ましくはC〜Cのアミノ基である。具体的には、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチル・ヘキシルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる。
中でも、X21はアルコキシ基であるのが好ましい。
前記一般式(II)中、Ar21は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表す。芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基の例には、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、ピリジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、キノリン環基、チオフェン環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、チエノチアゾール環基などが含まれる。中でも、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、チエノチアゾール環基が好ましく、1,4−フェニレン基が最も好ましい。
Ar21が有してもよい置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基などが好ましく、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましい。
nは、1又は2であるのが好ましく、1がより好ましい。
前記一般式(II)で表される化合物の例には、以下の一般式(IIb)で表される化合物が含まれる。式中の各記号の意義は、式(II)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。
Figure 2012032507
式中、X21は互いに同一又は異なり、C1−12のアルコキシ基を表すのが好ましく;R21及びR22は互いに異なっているのが好ましく、R21及びR22の一方が、水素原子又はC〜Cの短鎖の置換基(アルキル基、アルコキシ基、又は−L22−Yで表される置換基)であり、R21及びR22の他方が、C〜C30の長鎖の置換基(アルキル基、アルコキシ基、又は−L22−Yで表される置換基)であるのが好ましい。あるいは、R21及びR22はそれぞれ、−L22−Yで表される置換基であり、L22がアルキレンオキシ基である、又はアルキレンオキシ基を含んでいるのも好ましい。
以下に、前記一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、以下の化合物例に限定されるものではない。
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
式中、R31〜R35はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R36及びR37はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;Q31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又はシクロヘキサン環基を表し;L31は2価の連結基を表し;A31は酸素原子又は硫黄原子を表す。
31〜R35で表される置換基の例としては、前記式(I)中のR11〜R14がそれぞれ表す置換基の例と同様である。好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、最も好ましくは水素原子又はメチル基である。
前記一般式(III)において、R36及びR37で表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−オクチル基などが挙げられる。R36及びR37で表されるアルキル基の置換基としては、前記R31〜R35で表される置換基と同義である。R36及びR37がアルキル基を表す場合、互いに連結して環構造を形成してもよい。R36又はR37がアルキル基を表す場合、それぞれR32又はR34と連結して環構造を形成してもよい。
36及びR37で表される基としては、特に好ましくは水素原子又はアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。
前記一般式(III)において、Q31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換基を有していてもよい芳香族複素環基又は置換基を有していてもよいシクロヘキサン環基を表す。
31で表される基が有していてもよい置換基としては、アゾ化合物の溶解性やネマチック液晶性を高めるために導入される基、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基、又は配向を固定化するために導入される重合性基を有する基が好ましく、具体的には、前記R31〜R35で表される置換基と同義である。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R31〜R35で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
該芳香族炭化水素基、該芳香族複素環基又は該シクロヘキサン環基は、これら置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは1個有していることである。Q31がフェニル基である場合は、L31に対してパラ位に1個置換基を有しているのが好ましく、シクロヘキサン環基である場合は、L31に対して4位にトランス配置となるように1個置換基を有しているのが好ましい。
31で表される芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、チオフェニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、キノロニル基、ナフタルイミドイル基、チエノチアゾリル基などが挙げられる。
芳香族複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリ基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が特に好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が最も好ましい。
31で表される基としては、特に好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、チエノチアゾリル基又はシクロヘキサン環基であり、より好ましくは、フェニル基、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基又はシクロヘキサン環基である。
前記一般式(III)において、L31で表される連結基としては、単結合、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基などが挙げられる)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、エテニレン基などが挙げられる)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、エチニレン基などが挙げられる)、アルキレンオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチレンオキシ基などが挙げられる)、アミド基、エーテル基、アシルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、イミノ基(−CH=N−もしくは−N=CH−)、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、又はこれらを2つ以上組合せて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。
31で表される基としては、特に好ましくは単結合、アミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、イミノ基、アゾ基又はアゾキシ基であり、よりさらに好ましくはアゾ基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、又はイミノ基である。
前記一般式(III)において、A31は酸素原子又は硫黄原子を表し、好ましくは硫黄原子である。
前記一般式(III)で表される化合物は、置換基として、重合性基を有していてもよい。重合性基を有していると、硬膜性が良化されるので好ましい。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。エチレン性不飽和重合性基の例には、アクリロイル基、及びメタクリロイル基が含まれる。
重合性基は分子末端に位置するのが好ましく、即ち、式(III)中では、R36及び/又はR37の置換基として、並びにQの置換基として、存在するのが好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物のうち、特に好ましいものは、下記一般式(IIIa)で表される化合物である。
Figure 2012032507
式中、R31〜R35については、上記式(III)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。B31は窒素原子又は置換基を有していてもよい炭素原子を表し;L32はアゾ基、アシルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、又はイミノ基を表す。
前記一般式(IIIa)において、R35は水素原子又はメチル基を表すのが好ましく、より好ましくは水素原子である。
前記一般式(IIIa)において、B31が炭素原子の場合に有していてもよい置換基は、前記一般式(III)においてQ31が有していてもよい置換基と同義であり、好ましい範囲も同一である。
前記一般式(IIIa)において、L32はアゾ基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、又はイミノ基を表し、好ましくはアゾ基又はアシルオキシ基、オキシカルボニル基であり、より好ましくはアゾ基である。
以下に、式(III)で表される化合物の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
式中、R41及びR42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Arは、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;R43及びR44はそれぞれ、水素原子、又は置換されていてもよいアルキル基を表し、互いに結合して複素環を形成していてもよい。
一般式(IV)において、R41及びR42がそれぞれ表す置換基の例としては、前記一般式(I)中のR11〜R14がそれぞれ表す置換基の例と同様である。R41及びR42としては、好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、シアノ基であり、よりさらに好ましくは水素原子、メチル基、シアノ基である。
41とR42は互いに連結して環を形成することも好ましい。特に芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を形成することが好ましい。芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環などが挙げられる。
41とR42が互いに連結して形成する環状基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環であり、より好ましくはベンゼン環又はピリジン環であり、もっとも好ましくはピリジン環である。
41とR42は互いに連結して形成する環状基は置換基を有していてもよく、その範囲はR、Rで表される基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(IV)で表される化合物の例には、以下の一般式(IV’)で表される化合物が含まれる。
Figure 2012032507
式中、式(IV)中と同一の符号は、それぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。A42は、N又はCHを表し、R47及びR48はそれぞれ、水素原子又は置換基を表す。R47及びR48のいずれか一方は置換基であるのが好ましく、双方が置換基であるのも好ましい。置換基の好ましい例は、R41及びR42が表す置換基の例と同様であり、即ち、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基であるのが好ましく、より好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であり、さらに好ましくはアルキル基、シアノ基であり、最も好ましくはメチル基、シアノ基である。例えば、R47及びR48のいずれか一方が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、他方がシアノ基である化合物例も好ましい。
一般式(IV’)において、Arで表される芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環などが挙げられる。
Arで表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、チオフェン環であり、もっとも好ましくはベンゼン環である。
Arは置換基を有していてもよく、その範囲は前記R41、R42で表される基と同様である。
Arが有していてもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、よりさらに好ましくは、メチル基である。Arは無置換であるのも好ましい。
Arとアミノ基の結合は、Arとアゾ基の結合と平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。例えばArがアゾ基及びアミノ基と結合した6員環を含む場合、アミノ基はアゾ基に対して4位に結合していることが好ましく、アゾ基及びアミノ基と結合した5員環を含む場合、アミノ基はアゾ基に対して3位又は4位に結合していることが好ましい。
一般式(IV’)において、R43及びR44で表されるアルキル基の範囲は前記R41、R42で表されるアルキル基と同様である。該アルキル基は置換基を有していてもよく、当該置換基の例は、R41、R42で表される置換基の例と同様である。R43及びR44が置換されていてもよいアルキル基を表す場合、互いに結合して複素環を形成していてもよい。また、可能な場合にはArが有する置換基と結合して環を形成していてもよい。
43とR44は互いに連結して環を形成することが好ましい。好ましくは6員環又は5員環であり、より好ましくは6員環である。該環状基は、炭素とともに、炭素以外の原子を構成原子として有していてもよい。炭素以外の構成原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。該環状基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
43とR44からなる環状基として具体的には、3−ピロリン環、ピロリジン環、3−イミダゾリン環、イミダゾリジン環、4−オキサゾリン環、オキサゾリジン環、4−チアゾリン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、アゼパン環、アゾカン環などが挙げられる。
43とR44からなる環状基は、好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環であり、より好ましくはピペリジン環、ピペラジン環であり、もっとも好ましくはピペラジン環である。
43とR44からなる環状基は置換基を有していてもよく、その範囲はR41及びR42で表される基と同様である。該環状基は剛直な直線状の置換基を一つ有し、該環状基と該置換基の結合は、該環状基とArの結合と平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。
一般式(IV)で表される二色性色素のうち、特に好ましいものは、下記一般式(IVa)で表される二色性色素である。
Figure 2012032507
式中、R41及びR42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Arは、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;A41は炭素原子又は窒素原子を表し;L41、L42、R45、及びR46は単結合又は2価の連結基を表し;Q41は、置換されていてもよい、環状炭化水素基又は複素環基を表し;Q42は、置換されていてもよい、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表し;nは0〜3の整数を表し、nが2以上の時、複数あるL42及びQ42は互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(IVa)において、R41及びR42で表される基の範囲は、一般式(IVa)におけるR41及びR42と同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(IVa)において、Arで表される2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基の範囲は、一般式(IV)におけるArと同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(IVa)において、A41は好ましくは窒素原子である。
一般式(IVa)において、L41、L42、R45、及びR46で表される連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基などが挙げられる)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、エテニレン基などが挙げられる)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜6であり、例えば、エチニレン基などが挙げられる)、アルキレンオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、メチレンオキシ基などが挙げられる)、アミド基、エーテル基、アシルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、イミノ基(−CH=N−もしくは−N=CH−)、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、又はこれらを2つ以上組合せて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。
41で表される連結基としては、好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシ基、オキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基であり、さらに好ましくは単結合、エチレン基である。
42で表される連結基としては、好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、イミノ基、アゾ基、アゾキシ基であり、より好ましくは単結合、オキシカルボニル基、アシルオキシ基、イミノ基、アゾ基、アゾキシ基であり、さらに好ましくは単結合、オキシカルボニル基、アシルオキシ基である。
45、R46で表される連結基としては、好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシ基、アシル基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基であり、さらに好ましくは単結合、メチレン基である。
一般式(IVa)中、窒素原子、メチレン基、R45、R46、A41で形成される環の構成原子数は、R45及びR46によって決定し、例えば、R45及びR46がいずれも単結合である場合は、4員環になり得;いずれか一方が単結合であり、他方がメチレン基である場合は、5員環になり得;さらに、R45及びR46いずれもメチレン基である場合は、6員環になり得る。
一般式(IVa)中、窒素原子、メチレン基、R45、R46、A41で形成される環は、好ましくは6員環又は5員環であり、より好ましくは6員環である。
一般式(IVa)において、Q41で表される基は、好ましくは芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、芳香族複素環基、シクロヘキサン環基である。
41で表される芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環などが挙げられる。
41で表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノリン環、チエノチアゾール環、シクロヘキサン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、シクロヘキサン環であり、もっとも好ましくはベンゼン環、ピリジン環、シクロヘキサン環である。
41は置換基を有していてもよく、その範囲は前記R41、R42で表される基と同様である。
41が有していてもよい置換基は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、前記R41、R42で表される基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
41は置換基を一つ有し、Q41と該置換基の結合は、Q41とL41又はL42の結合と平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。特にn=0の場合は、Q41が前記位置に置換基を有するのが好ましい。
一般式(IVa)において、Q42は、置換されていてもよい、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表す。
42で表される2価の環状炭化水素基は、芳香族性であっても、非芳香族性であってもよい。2価の環状炭化水素基の好ましい例には、芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、及びシクロヘキサン環基が含まれる。
42で表される2価の環状複素環基も、芳香族性であっても非芳香族性であってもよい。複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環、3−ピロリン環、ピロリジン環、3−イミダゾリン環、イミダゾリジン環、4−オキサゾリン環、オキサゾリジン環、4−チアゾリン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、アゼパン環、アゾカン環などが挙げられる。
42で表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環、シクロヘキサン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、チアゾール環、チアジアゾール環、シクロヘキサン環であり、よりさらに好ましくは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ピペラジン環である。
42は置換基を有していてもよく、その範囲は前記R41、R42で表される基と同様である。
42が有していてもよい置換基の範囲は、前記Arが有していてもよい置換基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
42とL41及びL42、又は二つのL42との結合は、平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。
一般式(IVa)中、nは0〜3の整数を表し、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、最も好ましくは1である。
一般式(IVa)で表される二色性色素のうち、特に好ましいものは、下記一般式(IVb)で表される二色性色素である。
Figure 2012032507
式中、R41及びR42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し;A41は炭素原子又は窒素原子を表し;L41及びL42はそれぞれ、単結合又は2価の連結基を表し;Q41は、置換されていてもよい、環状炭化水素基又は複素環基を表し;Q42は、置換されていてもよい、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表し;nは0〜3の整数を表し、nが2以上の時、複数あるL42及びQ42は互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(IVb)において、R41、R42、L41、L42、Q41、Q42で表される基の範囲は、一般式(IV)におけるR41、R42、L41、L42、Q41、Q42と同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(IVb)において、A41は好ましくは窒素原子である。
以下に、式(IV)で表される化合物の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
Figure 2012032507
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前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表される化合物(アゾ色素)は、「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)、「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)及びこれらに引用されている文献に記載の方法を参考にして合成することができる。
また、本発明における前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素は、Journal of Materials Chemistry (1999), 9(11), 2755-2763等に記載の方法に準じて容易に合成することができる。
前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素は、その分子構造から明らかなように、分子形状が平板で直線性がよく、剛直なコア部分と柔軟な側鎖部分を有しており、且つアゾ色素の分子長軸末端に極性なアミノ基を有するため、それ自身液晶性、特にネマチック液晶性を発現しやすい性質を有しているという特徴を有する。
前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素は、分子の平面性が高いため強い分子間相互作用が働き、分子同士が会合状態を形成しやすい性質も有している。
本発明に係る前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素を含有する液晶性組成物は、会合形成により可視の広い波長領域において高い吸光度を表すということだけでなく、この色素を含有した組成物が、具体的にはネマチック液晶性を有するため、例えば、ラビングしたポリビニルアルコール配向膜表面への塗布などの積層プロセスを経ることによって、高次の分子配向状態を実現できる。したがって、本発明に係る前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素を含有する液晶性組成物を配向させて形成した光吸収異方性膜は、高い偏光度を達成する。
前記液晶性組成物は二色比(D)を15以上に高めることができ、好ましい(D)は18以上である。
前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素の液晶性については、好ましくは10〜300℃、より好ましくは100〜250℃でネマチック液晶相を示す。
本発明における液晶性組成物は一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素を1種以上含有することが好ましい。アゾ色素の組み合わせについては特に制限はないが、製造される光吸収異方性膜が、高い偏光度を達成するために、2種以上を混合するのが好ましい。
前記一般式(Ia)で表わされるアゾ色素は、マゼンタのアゾ色素であり、一般式(Ib)及び(II)で表わされるアゾ色素は、イエロー又はマゼンタのアゾ色素であり、一般式(III)及び(IV)で表わされるアゾ色素は、シアンのアゾ色素である。これらのマゼンタ、イエロー及びシアンの色素を混合することにより、高い偏光度の光吸収異方性膜が得られる。
なお、前記二色性色素は、一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素以外の色素であってもよい。一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素以外の色素も、液晶性を示す化合物から選択されるのが好ましい。このような色素としては、例えば、シアニン系色素、アゾ金属錯体、フタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクアリリウム系色素、キノン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びトリアリルメタン系色素等を挙げることができる。好ましくは、スクアリリウム系色素である。特に、「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)に記載のものも用いることができる。
本発明に使用可能なスクアリリウム系色素は、下記一般式(VI)で表されることが特に好ましい。
Figure 2012032507
式中、A及びAはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の、炭化水素環基又は複素環基を表わす。
炭化水素環基は、5〜20員の単環又は縮合環の基であるのが好ましい。炭化水素環基は、芳香族環であっても、非芳香族環であってもよい。炭化水素環を構成している炭素原子は、水素原子以外の原子で置換されていてもよい。例えば、炭化水素環を構成している1以上の炭素原子は、C=O、C=S又はC=NR(Rは水素原子又はC1−10のアルキル基)であってもよい。また、炭化水素環を構成している1以上の炭素原子は、置換基を有していてもよく、置換基の具体例については、後述する置換基群Gから選択することができる。前記炭化水素環基の例には、以下の基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012032507
上記式中、*は、スクアリウム骨格に結合する部位を示し、R〜Rはそれぞれ水素原子又は置換基を表し、可能であれば互いに結合して環構造を形成していてもよい。該置換基は、後述する置換基群Gから選択することができる。
特に、以下の例が好ましい。
式A−1中、Rは−N(Rc1)(Rc2)であり、Rc1及びRc2はそれぞれ、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基を表わし、R及びRが水素原子であり、即ち、下記式A−1aで表される基である。
式A−2中、Rがヒドロキシ基であり、即ち、下記式A−2aで表される基である。
式A−3中、Rがヒドロキシ基であり、R及びRが水素原子であり、即ち、下記式A−3aで表される基である。
式A−4中、Rがヒドロキシ基であり、R、R、R及びRが水素原子であり、即ち、下記式A−4aで表される基である。
式A−5中、Rがヒドロキシ基であり、即ち、下記式A−5aで表される基である。
Figure 2012032507
上記式A−1a中、Rc1及びRc2は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基を表わし;上記式中のその他の記号は、上記式A−1〜A−5中のそれぞれと同義である。アルキル基の置換基の例としては、後述の置換基群Gが挙げられ、好ましい範囲も同様である。Rc1及びRc2が、置換もしくは無置換のアルキル基である場合、互いに連結して、含窒素複素環基を形成してもよい。また、Rc1及びRc2の少なくとも一方が、式A−1a中のベンゼン環の炭素原子と結合して、縮合環を形成していてもよい。例えば、以下の式A−1b及びA−1cであってもよい。
Figure 2012032507
式中、*は、スクアリウム骨格に結合する部位を示し、Rは、水素原子又は置換基を表す。該置換基の例には、後述の置換基群Gが含まれる。Rは、ベンゼン環を1以上含む置換基であるのが好ましい。
複素環基は、5〜20員の単環又は縮合環の基であるのが好ましい。複素環基は、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子の少なくとも1つを環構成原子として有する。また、環構成原子として1以上の炭素原子を含んでいてもよく、複素環を構成している、ヘテロ原子又は炭素原子は、水素原子以外の原子で置換されていてもよい。例えば、複素環を構成している1以上の硫黄原子は、例えば、S=O又はS(O)であってもよく、また複素環を構成している1以上の炭素原子は、C=O、C=S又はC=NR(Rは水素原子又はC1−10のアルキル基)であってもよい。また、複素環基は、芳香族環であっても、非芳香族環であってもよい。複素環基を構成している1以上のヘテロ原子及び/又は炭素原子は、置換基を有していてもよく、置換基の具体例については、後述する置換基群Gから選択することができる。前記複素環基の例には、以下の基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012032507
Figure 2012032507
上記式中、*は、スクアリウム骨格に結合する部位を示し、R〜Rはそれぞれ水素原子又は置換基を表し、可能であれば互いに結合して環構造を形成していてもよい。該置換基は、後述する置換基群Gから選択することができる。
A−6〜A−43中、Rcはヒドロキシ基(OH)又はヒドロチオキシ基(SH)であるのが好ましい。
好ましい炭化水素環基は、A−1、A−2、及びA−4で表される炭化水素環基である。より好ましくは、A−1a、A−2a及びA−4aである。特に好ましくは、A−1及びA−2で表される炭化水素環基であり、より好ましくはA−1a及びA−2aである。さらに好ましくは、A−1aであり、中でも、R及びRが水素原子又は水酸基を表わすA−1aで表される炭化水素環基である。
好ましい複素環基は、A−6、A−7、A−8、A−9、A−10、A−11、A−14、A−24、A−34、A−37及びA−39で示される複素環である。特に好ましくは、A−6、A−7、A−8、A−9、A−11、A−14、A−34及びA−39で示される複素環である。これらの式中、Rcはヒドロキシ基(OH)又はヒドロチオキシ基(SH)であるのがより好ましい。
前記式(VI)中、A及びAの少なくとも一方が、A−1(より好ましくはA−1a)であることが特に好ましい。
前記炭化水素環基及び複素環基は1以上の置換基を有していてもよく、該置換基の例としては、下記の置換基群Gが含まれる。
置換基群G:
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル、トリフルオロメチル等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル、カルボキシベンジル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基(例、ビニル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例、エチニル等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3、5−ジカルボキシフェニル等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキル又はアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等);炭素数6〜10のアリールチオ基(例、フェニルチオ等);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等);無置換のアミノ基又は炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル等);無置換のスルファモイル基、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等);ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素等);水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;ヘテロ環基(例、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピリジン、スルホラン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピロール、クロマン、クマリンなど)。
式(VI)で表される二色性スクアリウム色素の例には、以下の例示化合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012032507
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本発明における前記一般式(VI)で表され二色性スクアリリウム色素は、Journal of Chemical Society, Perkin Trans. 1 (2000), 599-603、 Synthesis (2002), No.3, 413-417等に記載の方法に準じて容易に合成することができる。
本発明に使用する二色性色素は、遷移モーメントと分子長軸のなす角度が0度以上20度以下であることが好ましく、より好ましくは0度以上15度以下であり、さらに好ましくは0度以上10度以下であり、特に好ましくは0度以上5度以下である。ここで分子長軸とは、化合物中で原子間距離が最大となる2つの原子を結ぶ軸を言う。遷移モーメントの方向は分子軌道計算により求めることができ、そこから分子長軸となす角度も計算することができる。
本発明に使用する二色性色素は、剛直な直線状の構造であることが好ましい。具体的には、分子長は好ましくは17Å以上であり、より好ましくは20Å以上であり、さらに好ましくは25Å以上である。また、アスペクト比は好ましくは1.7以上であり、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは2.5以上である。これによって良好な一軸配向が達成され、偏光性能の高い光吸収異方性膜を得ることができる。
ここで分子長とは、化合物中で最大の原子間距離に両端の2原子のファンデルワールス半径を加えた値である。アスペクト比とは分子長/分子幅であり、分子幅とは、分子長軸に垂直な面に各原子を投影したときの最大の原子間距離に両端の2原子のファンデルワールス半径を加えた値である。
前記液晶性組成物は、1種以上の前記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、又は(VI)で表される色素を主成分として含有するのが好ましく、2種以上を含有するのがより好ましい。具体的には、前記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、又は(VI)で表される色素の含有量は、含有される全色素の合計の含有量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。上限値は100質量%であり、即ち、含有される色素が全て、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、又は(VI)で表される色素であっても勿論よい。
また、前記液晶性組成物に含まれる、溶剤を除く全固形分において、1種以上の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、又は(VI)で表される二色性色素の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。上限値は特に制限されないが、下記の界面活性剤等、他の添加剤を含有する態様では、それらの効果を得るためには、前記液晶性組成物に含まれる、溶剤を除く全固形分における、1種以上の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、又は(VI)で表される二色性色素の含有量は、95質量%以下であるのが好ましく、90質量%以下であるのがより好ましい。
また、前記液晶性組成物は、その配向状態を固定可能なように、硬化性であるのが好ましい。硬化性とするためには、光架橋性又は熱架橋性の成分を含有しているのが好ましい。二色性色素が、光架橋型又は熱架橋型の反応性基を有する化合物であってもよいし、二色性色素とは別に、光架橋型又は熱架橋型の反応性基を有する化合物を添加してもよい。前記反応性基の例には、α位に二重結合を有する1〜12のアルケニルカルボニルオキシ基、α位に二重結合を有する1〜12のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜12のエポキシ基、炭素原子数2〜12のアジリジン基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、エチニル基、およびホルミル基が含まれる。好ましくは、α位に二重結合を有する炭素原子数1〜9のアルケニルカルボニルオキシ基、α位に二重結合を有する1〜6のアルケニルオキシ基、及び炭素原子数2〜4のエポキシ基であり、より好ましくは、アクリロイル基、ビニルオキシ基、及びエチレンエポキシ基である。
前記液晶性組成物の塗布液を配向処理された、例えば、配向膜表面に適用すると、二色性色素は配向膜との界面では配向膜のチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のチルト角で配向する。前記液晶性組成物の塗布液をPVA等からなる配向膜の表面に塗布後、二色性色素を均一配向(モノドメイン配向)させることで、水平配向を実現することができる。
本発明において、チルト角とは、二色性色素の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)のなす角度を指す。配向膜側のチルト角を有る程度小さくし水平配向させることにより好ましい光学性能の光吸収異方性膜が得られる。好ましい配向膜側のチルト角は0°〜10°、さらに好ましくは0°〜5°、特に好ましいのは0°〜2°、最も好ましくは0°〜1°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は0°〜10°、さらに好ましくは0〜5°、特に好ましいのは0〜2°である。
一般的に、空気界面側の二色性色素のチルト角は、所望により添加される他の化合物(例えば、特開2005−99248号公報、特開2005−134884号公報、特開2006−126768号公報、特開2006−267183号公報記載の水平配向化剤など)を選択することにより調整することができる。
また、配向膜側の二色性色素のチルト角は、配向膜チルト角制御剤等により制御することができる。
前記液晶性組成物は、上記二色性色素以外に、1種以上の添加剤を含有していてもよい。前記液晶性組成物は、ラジカル重合性基を有する非液晶性の多官能モノマー、重合開始剤、風ムラ防止剤、ハジキ防止剤、糖類、防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤等を含有していてもよい。
[光吸収異方性膜の特性]
光吸収異方性膜の厚さは、0.01〜2μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましく、0.05〜0.5μmであることが最も好ましい。
(1)−2 光吸収異方性膜の形成方法
前記光吸収異方性膜は、前記組成物を、塗布手段、吹き付け手段及び滴下手段のいずれかの適用手段により形成された膜であるのが好ましい。これらの手段を利用して膜を形成する態様では、前記組成物を液状組成物として調製するのが好ましい。液状組成物の調製に利用可能な有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布手段としては、一般的な塗布方法が利用でき、スピンコーティング法、バーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等を利用することができる。また、吹き付け手段の一例としては、印刷法、及びインクジェット法を利用することができる。滴下手段の一例としては、スプレー法を利用することができる。また、可能であれば、溶媒を利用しない、蒸着法を利用してもよい。
次に、前記組成物を配向させる。前記組成物の配向は、前記組成物中の溶媒を蒸発させることによって達成される場合がある。前記組成物の塗膜に、マイクロ波を含む電磁波、熱エネルギー、風を含む大気の移動、蒸気圧の制御等を適用して、所望の配向状態を達成してもよい。
なお、配向は、前記組成物を、基板等の表面に適用させる工程において同時に達成されていてもよい。
所望の配向状態となった組成物を固定する。固定化は、前記組成物から溶媒を蒸発させ、その後、冷却することで達成できる場合がある。また、固定化を確実とするために、組成物中の重合反応性成分、架橋反応性成分等の硬化反応を進行させることで、実施してもよい。硬化反応は、溶媒の蒸発等と同時に進行させてもよい。
(2)基板
本発明の偏光眼鏡を構成する基板は、透明基板である。前記基板は、フレームにそのまま組み込まれるレンズそのものであってもよい。また、視力矯正用の曲面を有するレンズであってもよい。基板の材料は、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。例えば、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステル及びポリスルホンが含まれる。製造工程において光学特性を検査する目的には、透明支持体は低複屈折の材料が好ましく、低複屈折性の観点からはセルロースエステル及びノルボルネン系が好ましい。市販のノルボルネン系ポリマーとしては、アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン(株)製)などを用いることができる。また安価なポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等も好ましく用いられる。
上記基板材料には、種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、微粒子、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、光学特性調整剤など)を加えることができる。
前記基板は、配向処理面を有しているのが好ましい。基板の表面に直接配向処理を施してもよいし、基板表面に配向膜を形成し、該配向膜の表面に配向処理を施してもよい。配向処理面を形成する手段としては、例えば、シランカップリング剤による垂直配向処理手段、ラビングする配向処理手段、偏光UV照射による光配向処理手段、スパッタリングによる配向処理手段、剪断力による流動配向処理手段、及び無機物の斜め蒸着による配向処理手段等、液晶の配向に利用可能な配向処理手段をいずれも使用することができる。2以上を組み合わせてもよい。中でも、前記基板の表面に光配向膜を形成し、偏光UV照射することにより、光配向膜の表面に、配向処理面を形成し、当該配向処理面上に、前記光吸収異方性膜を形成するのが好ましい。
なお、基板は、可視光に対して透明である。具体的には、「透明」とは、可視光に対する透過率が85%以上であることを意味する。基板の可視光に対する透過率はより好ましくは90%以上であり、特に好ましくは92%以上である。
(3)屈折率異方性層
本発明の偏光眼鏡は、更に屈折率異方性層を備えていてもよい。
偏光を利用した立体視表示方式には直線偏光を利用したものと円偏光を利用したものがあるが、円偏光を利用した方式では、左右の眼にそれぞれ逆の円偏光性を有する円偏光板を備えていることが求められる。円偏光板は一般的には、1/4波長板と呼ばれる屈折率異方性層と偏光子(光吸収異方性膜)を、各々の遅相軸と吸収軸とを45°の角度で交差させて積層することで構成される。但し、本発明の偏光眼鏡は、この構成に限定されるものではない。光吸収異方性膜の光学的特性に応じて、他の光学特性の屈折率異方性層と組み合わせてもよいし、また吸収軸と面内遅相軸との角度が45°以外で積層してもよい。また、屈折率異方性層は、直線偏光を円偏光に変換する目的以外に積層されていてもよい。
また、本発明の偏光眼鏡に用いる光吸収異方性膜及び屈折率異方性層は、左眼用及び右眼用のそれぞれについて、1枚ずつであってもよいし、例えば、複数枚の屈折率異方性層を有していてもよい。
本発明に利用可能な1/4波長板の例には、ポリカーボネートやシクロオレフィン系ポリマーからなるフィルムを延伸して、目的とする屈折率異方性を付与せしめたフィルムが含まれるが、本発明の偏光眼鏡に使用可能な1/4波長板はこれに限られるものではない。
また、前記屈折率異方性層は、液晶組成物の配向状態を固定して形成される層であってもよい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(偏光板1の作製)
クロロホルムに下記色素を各所定部加え、撹拌溶解後濾過して二色性色素組成物塗布液を調製した。なお、下記の組成の組成物は、サーモトロピック液晶性を有しており、そのアイソトロピック転位温度は240℃であった。
イエローアゾ色素A2−3 0.24質量部
マゼンタアゾ色素A−46 0.33質量部
シアンアゾ色素A3−1 0.37質量部
シアンスクアリリウム色素VI−5 0.06質量部
クロロホルム(溶媒) 99質量部
Figure 2012032507
次に、セルロースアセテートフィルム上に形成したラビングした配向膜上に、前記塗布液を塗布し、その後、室温でクロロホルムを自然乾燥し、光吸収異方性膜を形成した。なおあ、配向膜としては、クラレ社製ポリビニルアルコール「PVA103」を使用した。
得られた光吸収異方性膜は厚さ0.4μmであった。
また、得られた光吸収異方性膜における膜面内の透過軸方向の光学濃度および膜面内の吸収軸方向の光学濃度を測定波長550nmにて測定した。これらの値から二色比(D)を求めたところ、測定波長550nmにおける二色比は42であった。この光吸収異方性膜1と、セルロースアセテートフィルムとの積層体を、偏光板1として用いた。
(偏光板2の作製)
二色性色素組成物塗布液を下記組成に変更し、室温でクロロホルムを乾燥した後、170℃で30秒間加熱熟成した以外、偏光板1と同様の方法にて偏光板2を作製した。なお、下記の組成の組成物は、サーモトロピック液晶性を有しており、そのアイソトロピック転位温度は208℃であった。
イエローアゾ色素A2−3 0.15質量部
マゼンタアゾ色素A−46 0.30質量部
シアンアゾ色素A3−1 0.15質量部
シアンアゾ色素A4−120 0.40質量部
クロロホルム(溶媒) 99質量部
Figure 2012032507
(偏光板3の作製)
二色性色素組成物塗布液を下記組成に変更した以外、偏光板1と同様の方法にて偏光板3を作製した。
イエローアゾ色素A2−3 0.20質量部
マゼンタアゾ色素C−9 0.40質量部
シアンアゾ色素A3−1 0.40質量部
クロロホルム(溶媒) 99質量部
Figure 2012032507
(偏光板4の作製)
二色性色素組成物塗布液を下記組成に変更した以外、偏光板1と同様の方法にて偏光板4を作製した。
マゼンタアゾ色素A−16 1.20質量部
マゼンタアゾ色素B−4 0.80質量部
クロロホルム(溶媒) 98質量部
Figure 2012032507
(偏光板5の作製)
下記式(I)で表される1,8−ナフトイレン−1’,2’−ベンゾイミダゾール誘導体(オプティバ社製、商品名「Y105」λmax=390nm)1.2質量部と、下記式(II)で表されるペリレン誘導体(オプティバ社製、商品名「Blue Optiva LCP dye」λmax=640nm)10質量部とを混合し、水に溶解させて固形分濃度10質量%の溶液を調製した。この溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、ネマチック液晶相を示していた。
Figure 2012032507
上記各色素を含む溶液を、コロナ放電処理を施したポリマーフィルム(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノア」)のコロナ放電処理面に、バーコータ(BUSCHMAN社製、商品名「mayer rot HS1.5」)を用いて、せん断応力の存在下で均一に塗工し、上記各色素を配向させた。その後、23℃の恒温室内で自然乾燥させることにより、乾燥塗膜(光吸収異方性膜)を作製した。
得られた光吸収異方性膜は、厚み0.4μmであった。
得られた光吸収異方性膜における膜面内の透過軸方向の光学濃度および膜面内の吸収軸方向の光学濃度を測定波長550nmにて測定した。これらの値から二色比(D)を求めたところ、測定波長550nmにおける二色比は29であった。この光吸収異方性膜5と、ポリマーフィルムとの積層体を、偏光板5として用いた。
(偏光板C1の準備)
3M社製ヨウ素偏光板HN42について、実施例1と同様に透過軸光学濃度、吸収軸光学濃度を測定波長550nmにて測定した。またその値から二色比を求めたところ、28であった。また、この偏光板の厚みは、250μmであった。これを偏光板C1として用いた。
(偏光板C2の準備)
ポラテクノ社製二色性色素偏光板THC−12Uについて、実施例1と同様に透過軸光学濃度、吸収軸光学濃度を測定波長550nmにて測定した。またその値から二色比を求めたところ、20であった。また、この偏光板の厚みは、215μmであった。これを偏光板C2として用いた。
以下に、光学異方性膜1〜5、並びに偏光板C1及びC2について、透過軸光学濃度、吸収軸光学濃度、及び二色比の値を以下の表に示す。
Figure 2012032507
上記表から明らかなように、二色性色素の配向を利用して形成された光吸収異方性膜は、従来の偏光板C1及びC2に比べて吸収軸光学濃度が低く、かつ二色比が大きいことが理解できる。中でも、サーモトロピック液晶性の二色性色素を利用した偏光板1〜4が、優れていた。
(実施例1)
上記で作製した偏光板1及び1/4波長板を用いて、図1に示す構成の偏光眼鏡を作製した。なお、1/4波長板としては、延伸ポリカーボネートフィルムを用いた。
具体的には、偏光眼鏡は観察者の左眼側にあたる位置に、1/4波長板を16Lとして、上記で作製した偏光板1の光吸収異方性膜1を12L、及びセルロースアセテートフィルムを10Lとして積層し、右眼側にあたる位置に、1/4波長板を16Rとして、上記で作製した偏光板1の光吸収異方性膜1を12R、及びセルロースアセテートフィルムを10Rとして積層し、図1に示す構成の偏光眼鏡を作製した。
1/4波長板16Lについては、面内遅相軸18Lを水平方向に、1/4波長板16Rについては、面内遅相軸18Lを垂直方向にして配置し、並びに光吸収異方性膜12L及び12Rについては、それぞれ吸収軸方向を左斜め45度の方向にして配置した。
作製した偏光眼鏡を用いて3Dモニター(Zalman ZM−215W)に表示された立体画像を観察したところ、明るく、かつクロストークが少ない鮮明な立体画像を観察することができた。
(実施例2)
偏光板1を、上記で作製した偏光板5に替えた以外は、実施例1と同様にして、偏光眼鏡を作製した。
作製した偏光眼鏡を用いて3Dモニター(Zalman ZM−215W)に表示された立体画像を観察したところ、明るく、クロストークが少ない鮮明な立体画像を観察することができた。但し、画像の明るさは、実施例1の偏光眼鏡を用いて観察した場合と比較して若干暗かった。
(比較例1)
上記偏光板1を、上記で作製した比較例用の偏光板C1に替えた以外は、実施例1と同様にして、偏光眼鏡を作製した。
作製した偏光眼鏡を用いて3Dモニター(Zalman ZM−215W)に表示された立体画像を観察したところ、明るさは実施例1および2の偏光眼鏡と比較して劣り、クロストークが感じられる立体画像が観察された。
(比較例2)
上記偏光板1を、上記で作製した比較例用の偏光板C2に替えた以外は、実施例1と同様にして、偏光眼鏡を作製した。
作製した偏光眼鏡を用いて3Dモニター(Zalman ZM−215W)に表示された立体画像を観察したところ、クロストークは実施例1及び2の偏光眼鏡を用いた場合と同等だが、明るさは実施例1及び2の偏光眼鏡を用いた場合と比較して劣っていた。
10L、10R 基板
12L、12’L、12R、12’R 光吸収異方性膜
14L、14’L、14R、14’R 吸収軸
16L、16R 屈折率異方性層
18L、18’L、18R、18’R 面内遅相軸
20 フレーム

Claims (11)

  1. 透明基板と、該基板上に、少なくとも1種の二色性色素を含む液晶性組成物を配向状態に固定してなる光吸収異方性膜とを有する、右眼用及び左眼用それぞれの鑑賞用部材を有することを特徴とする偏光眼鏡。
  2. 前記光吸収異方性膜が、前記液晶性組成物を、塗布手段、吹き付け手段及び滴下手段のいずれかの手段により、適用してなることを特徴とする請求項1に記載の偏光眼鏡。
  3. 前記少なくとも1種の二色性色素が、アゾ系色素化合物又は縮合多環系色素化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光眼鏡。
  4. 前記少なくとも1種の二色性色素が、液晶性化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
  5. 前記少なくとも1種の二色性色素が、サーモトロピック液晶性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
  6. 前記光吸収異方性膜が、配向処理された表面上に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
  7. 前記組成物が、下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)、下記一般式(IV)、又は下記一般式(VI)で表わされる二色性色素から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
    Figure 2012032507
    (式中、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;L11は、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、又は−CH=CH−を表し;A11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し;B11は、置換基を有していてもよい、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基を表し;nは1〜5の整数を表し、nが2以上のとき複数のB11は互いに同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2012032507
    (式中、R21及びR22はそれぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は−L22
    −Yで表される置換基を表すが、但し、少なくとも一方は、水素原子以外の基を表し;L
    22は、アルキレン基を表すが、アルキレン基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はそれぞれ−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−NRCOO−、−OCONR−、−CO−、−S−、−SO−、−NR−、−NRSO−、又は−SONR−(Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく;Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表し;L21はそれぞれ、アゾ基(−N=N−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)、イミノ基(−N=CH−)、及びビニレン基(−C=C−)からなる群から選ばれる連結基を表し;Dyeはそれぞれ、下記一般式(IIa)で表されるアゾ色素残基を表し;
    Figure 2012032507
    式(IIa)中、*はL21との結合部を表し;X21は、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、無置換アミノ基、又はモノもしくはジアルキルアミノ基を表し;Ar21は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し;nは1〜3の整数を表し、nが2以上の時、2つのAr21は互いに同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2012032507
    (式中、R31〜R35はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R36及びR37はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;Q31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又はシクロヘキサン環基を表し;L31は2価の連結基を表し;A31は酸素原子又は硫黄原子を表す)
    Figure 2012032507
    (式中、R41及びR42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Arは、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;R43及びR44はそれぞれ、水素原子、又は置換されていてもよいアルキル基を表し、互いに結合して複素環を形成していてもよい。)
    Figure 2012032507
    (式中、A及びAはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の、炭化水素環基又は複素環基を表わす。)
  8. 前記光吸収性異方性膜の厚みが、0.01〜2μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
  9. 更に屈折率異方性層を備えてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
  10. 動画立体画像の立体視用であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
  11. 静止画立体画像の立体視用であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の偏光眼鏡。
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