JP2014205778A - 異方性色素膜用色素、該色素を含む組成物、異方性色素膜及び偏光素子 - Google Patents

異方性色素膜用色素、該色素を含む組成物、異方性色素膜及び偏光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光特性の高い湿式成膜法による異方性色素膜用の色素、該色素を含む異方性膜および偏光素子を提供する。
【解決手段】遊離酸の形が式(I)で表される1−ヒドロキシ−3−スルホ−7−アミノナフタレン骨格2位でアゾ基に結合した構造を持つ異方性色素膜用色素。
Figure 2014205778

[式(I)中、Aは、1つ以上の末端にエチレン性二重結合を有する基を有し、かつ、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいフェニル基等を表し、Bは置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基または芳香族複素環基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子等を表す。mは0または1を表し、nは1または2を表す。尚、nが2の場合、1分子中に含まれる複数のBは同一でも異なっていてもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、湿式成膜法により形成される異方性色素膜、特に、調光素子や液晶素子(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)の表示素子に具備される偏光板等に有用な高い二色性を示す異方性色素膜用色素、該色素を含む組成物、異方性色素膜及び偏光素子に関するものである。
LCDでは表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLEDにおいても外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。従来、これらの偏光板(偏光素子)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために偏光素子に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。また、その消光色が深い青になり、全可視スペクトル領域にわたって理想的な無彩色偏光素子とは言えなかった。
そのため、有機系の色素を二色性物質に使用する偏光素子が検討されている。例えば、特開平2−309302号公報には、6−位又は7―位にアミノ基を有する1−ヒドロキシ−3−スルホナフタレンの2位でアゾ基に結合した構造を有し、ジアゾ成分であるフェニル基に2−カルボキシルビニル基を有するジスアゾ色素を用いて湿式成膜法で形成された偏光板が、偏光能が高くコントラストに優れることが記載されている。また、特開2007−126628号公報には、1−ヒドロキシ−3−スルホ−7−アミノナフタレンの2位でアゾ基に結合した構造のある種のジス又はトリスアゾ色素を用いて湿式成膜法で形成される異方性色素膜が、無彩色で、高い二色性、高い分子配向度を示す異方性色素膜となすことができることが記載されている。さらに、特表2012−507619号公報には、リオトロピック・クロモニック液晶とモノマーとを共に硬化させることで、表面硬度が高く、乾燥後も亀裂が発生しない光学フィルムを得ることができることが記載されている。
特開平2−309302号公報 特開2007−126628号公報 特表2012−507619号公報
しかしながら、従来の異方性色素においては、異方性色素膜の二色比の点で更なる改善が望まれている。
本発明は、湿式成膜法により形成される異方性膜に用いられる化合物であって、更に高
い二色比、分子配向度を示す異方性色素膜を得ることができる異方性色素膜用の色素を提供することを課題とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、1−ヒドロキシ−3−スルホ−7−アミノナフタレン骨格が2位でアゾ基に結合した構造のある種のジス又はトリスアゾ色素において、末端のジアゾ成分が末端にエチレン性二重結合を有する基を有することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
遊離酸の形が下記式(I)で表されることを特徴とする異方性色素膜用色素。
Figure 2014205778
[式(I)中、Aは、1つ以上の末端にエチレン性二重結合を有する基を有し、かつ、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいフェニル基、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいナフチル基または末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
は置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基または芳香族複素環基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいアシル基を表す。
mは0または1を表し、
nは1または2を表す。
尚、nが2の場合、1分子中に含まれる複数のBは同一でも異なっていてもよい。]
(2)末端にエチレン性二重結合を有する基が、−(L)−C(R)=CH(但し、Lは2価の連結基を表し、lは0又は1を、Rは、水素原子又はメチル基を表す)で
ある前記(1)に記載の異方性色素膜用色素。
(3)Lで表される2価の連結基が、アルキレン基、カルボニルアミノ基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシアルキルアミノカルボニル基、アルキレンカルバモイル基、カルボニル基またはカルボニルオキシアルキル基である前記(2)に記載の異方性色素膜用色素。
(4)前記(1)〜(3)の何れか1つに記載の異方性色素膜用色素及び溶剤を含有することを特徴とする異方性色素膜用組成物。
(5)前記(1)〜(3)の何れか1つに記載の異方性色素膜用色素を含有することを特徴とする異方性色素膜。
(6)前記(5)に記載の異方性色素膜を有することを特徴とする偏光素子。
本発明の化合物を用いることにより、湿式成膜法で形成される異方性膜においても、高い二色性、高い分子配向度を示す異方性膜を提供することができる。また、このような特性を有する異方性膜を用いた偏光素子は、曲面への適用や偏光方向の自在化が容易であるため、調光素子、液晶素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等の表示素子など多方面に利用することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
尚、本発明でいう異方性色素膜とは、色素膜の厚み方向及び任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向における電磁気学的性質に異方
性を有する色素膜である。電磁気学的性質としては、吸収、屈折などの光学的性質、抵抗、容量などの電気的性質などが挙げられる。吸収、屈折などの光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜、位相差膜、導電異方性膜などがある。本発明の異方性色素膜は、偏光膜、位相差膜、導電異方性膜に用いられることが好ましく、偏光膜に用いられることがより好ましい。
本発明は、遊離酸の形が下記式(I)で表されることを特徴とする異方性色素膜用色素に関する。
Figure 2014205778
[式(I)中、Aは、1つ以上の末端にエチレン性二重結合を有する基を有し、かつ、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいフェニル基、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいナフチル基または末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
は置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基または芳香族複素環基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいアシル基を表す。
mは0または1を表し、
nは1または2を表す。
尚、nが2の場合、1分子中に含まれる複数のBは同一でも異なっていてもよい。]
本発明の異方性色素膜用色素は、Aが末端にエチレン性二重結合を有する基を有することを最大の特徴とするが、末端にエチレン性二重結合を有する基を有することにより共役系を伸ばして配向に寄与すると考えられる。また、末端にエチレン性二重結合を有する基を有することにより、色素の分子間力が向上して、色素分子の並びがより制御され、また、カラム(色素の分子間力で相互に会合した色素分子の凝集体)間の相互作用が向上し、これらに起因して二色比が向上すると考えられる。なお、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の構造については、異方性色素膜用色素として公知であり、1−ヒドロキシ−3−スルホ−7−アミノナフタレンの2位でアゾ基に結合した構造を有することにより、高い二色性、高い分子配向度の効果を示す。
<A
は、1つ以上の末端にエチレン性二重結合を有する基を有し、かつ、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいフェニル基、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいナフチル基、または末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
末端にエチレン性二重結合を有する基は特に限定されないが、例えば、−(L)−C(R)=CH(但し、Lは2価の連結基を表し、lは0又は1を、Rは、水素原子
又はメチル基を表す)が挙げられる。
ここで、Lで表される2価の連結基としては、アルキレン基、好ましくは炭素数が1以
上8以下、更に好ましくは炭素数1以上6以下のアルキレン基;カルボニルアミノ基;カルボニルオキシ基;カルボニルオキシアルキルアミノカルボニル基、好ましくはアルキル基の炭素数が2以上8以下、更に好ましくは2以上6以下のカルボニルオキシアルキルアミノカルボニル基;アルキレンカルバモイル基、好ましくはアルキレン基の炭素数が1以上8以下、更に好ましくは1以上6以下のアルキレンカルバモイル基;カルボニル基;カルボニルオキシアルキル基、好ましくはアルキル基の炭素数が1以上8以下、更に好ましくは1以上6以下のカルボニルオキシアルキル基等が挙げられる。尚、上記において、カルボニルアミノ基は、−C(R)=CHと連結する部分がカルボニルであり、その他の基はこれに準じて、−C(R)=CHと連結する基を初めに記載したものである。
具体的な重合性基としては、例えば以下のものが挙げられる。
(1)Lがアルキレン基:アルケニル基
(2)Lがカルボニルアミノ基:ビニルカルボニルアミノ基、1−メチルビニルカルボニルアミノ基
(3)Lがカルボニルオキシ基:ビニルカルボニルオキシ基、1−メチルビニルカルボニルオキシ基
(4)Lがカルボニルオキシアルキルアミノカルボニル基:ビニルカルボニルオキシアルキルアミノカルボニル基、1−メチルビニルカルボニルオキシアルキルアミノカルボニル基
(5)Lがアルキレンカルバモイル基:アリルカルバモイル基
(6)Lがカルボニル基:ビニルカルボニル基
(7)Lがカルボニルオキシアルキル基:1−メチルビニルカルボニルオキシエチル基
が有する末端にエチレン性二重結合を有する基の数は1以上であり、その上限は、
これが結合するフェニル基、ナフチル基又は芳香族複素環基の置換可能な数であるが、好ましくは、2以下である。また、末端にエチレン性二重結合を有する基が結合する位置は特に限定されないが、Aがフェニル基の場合アゾ結合に対してパラ位であるのが液晶性発現の点で好ましく、また、Aがフェニル基で末端にエチレン性二重結合を有する基の数が2以上の場合、少なくとも2ヶがアゾ結合に対して対称の位置に結合するのが液晶性発現の点で好ましい。Aが1−ナフチル基の場合、末端にエチレン性二重結合を有する基は、4または5位に結合するのが好ましく、2−ナフチル基の場合6または7位に結合するのが好ましい。
また、該フェニル基または該ナフチル基が有していてもよい末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基としては、アゾ化合物の溶解性を高めるために導入される親水性基や色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基が好ましく、具体的には、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、水酸基、シアノ基、ハロゲン原子等(但し、これらは末端にエチレン性二重結合を有する基を有することはない)が挙げられる。
該アルキル基は炭素数が通常1以上、通常6以下、好ましくは4以下である。該アルキル基に置換していてもよい基としてはアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基等の置換基を有していてもよい低級アルキル基が挙げられる。
該アルコキシ基は炭素数が通常1以上、通常6以下、好ましくは3以下である。該アルコキシ基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基等の置換基を有していてもよい低級アルコキシ基が挙げられる。
該アシルアミノ基は、−NH−COR51で表され、R51は、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。該アルキル基は、炭素数が通常1以上、通常4以下、好ましくは2以下である。該アルキル基及び該フェニル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。アシルアミノ基の具体例としては、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
該アミノ基は、通常、−NH、−NHR42、−NR4344で表され、R42〜R44
それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。該アルキル基は、炭素数が通常1以上、通常4以下、好ましくは2以下である。該アルキル基及び該フェニル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられる。
該カルバモイル基は、無置換、または置換されていてもよいアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基およびナフチルカルバモイル基を表す。該置換基のアルキル基、フェニル基またはナフチル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基、該フェニル基及びナフチル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。カルバモイル基の具体例としては、カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基等が挙げられる。
該フェニル基または該ナフチル基は、これら置換基を2〜5個有していてもよい。
芳香族複素環基としては 、単環または二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複
素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、ナフタルイミドイル基、下式の基などが挙げられる。
Figure 2014205778
(式中R41は、末端にエチレン性二重結合を有する基を表す。)
<B
は置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基または芳香族複素環基を表す。
該フェニレン基またはナフチレン基が有していてもよい置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基及びシアノ基等が挙げられる。尚、該置換基を有してい
てもよいアルキル基、該置換基を有していてもよいアルコキシ基、該置換基を有していてもよいアミノ基及び該置換基を有していてもよいアシルアミノ基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例、その具体例は、前記Aがフェニル基またはナフチル基の場合に記載したものと同様である。中でも、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アシルアミノ基、ハロゲン原子などの極性の小さい基或いは水素結合性を有する基がリオトロピック液晶を形成する上での相互作用による会合性向上の点で好ましく、水溶化の観点からは、スルホ基が好ましい。
該フェニレン基またはナフチレン基は、無置換でも、これら置換基を1個以上、該連結基が有しうる上限の置換基の数だけ有していてもよく、好ましくは置換基を1〜2個有していることである。
該芳香族複素環基としては、単環または二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられるが、窒素原子が特に好ましい。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジンジイル基、キノリンジイル基、イソキノリンジイル基、ベンゾチアジアゾールジイル基、フタルイミドジイル基等が挙げられる。中でも、キノリンジイル基、イソキノリンジイル基が好ましい。
該芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、無置換あるいはメチルアミノ基等のアミノ基、アセチルアミノ基、アシルアミノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、水酸基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。中でも、水酸基、スルホ基、カルボキシ基が好ましい。該芳香族複素環基は、無置換または、これら置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは無置換、または1〜2個有していることである。
<R及びR
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアシル基を表す。該アルキル基、該フェニル基及び該アシル基の有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。
該アシル基は、置換されていてもよいアルキルアシル、置換されていてもよいフェニルアシルが挙げられ、該アルキル基及び該フェニル基の有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。中でも、R及びRのいずれもが水素原子であることが好ましい。
<m及びn>
mは0または1を表すが、分子配向性の点から1が好ましい。また、nは1または2を表す。
尚、nが2の場合、1分子中に含まれる複数のBは同一でも異なっていてもよい。
<分子量>
前記式(I)で表される色素の分子量としては、遊離酸の形で、通常600以上、通常1500以下、好ましくは1100以下である。
上記式(I)で表される色素の遊離酸の形としての具体例としては、例えば、以下に記載の色素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014205778
Figure 2014205778
Figure 2014205778
Figure 2014205778
Figure 2014205778
Figure 2014205778
Figure 2014205778
本発明の異方性色素膜用色素が高い二色性を有し、高コントラストの異方性色素膜を形成することの理由の詳細は不明であるが、1−ヒドロキシ−3−スルホ−7−アミノナフタレン骨格が2位でアゾ基に結合した構造のジス又はトリスアゾ色素において、ジアゾ成分であるフェニル基、ナフチル基又は芳香族複素環基に末端にエチレン性二重結合を有する基を有することにより、可視領域のほぼ全領域に吸収を有し、かつ分子配向性が高い色素であるためと考えられる。
<色素の合成>
上記式(I)で表されるアゾ色素は、それ自体周知の方法に準じて製造することができる。例えばNo.(1)で示される色素は、下記(a1)(b1)の工程で製造できる。(a1) 4−アクロイルアミノアニリンと8−アミノ−2−ナフタレンスルフォン酸(1,7−Cleves 酸)とから常法[例えば、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月
21日、技報堂発行)第396頁−第409頁参照]に従って、ジアゾ化、カップリング工程を経てモノアゾ化合物を製造する。
(b1) 得られたモノアゾ化合物を同様に、常法によりジアゾ化し、7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(RR酸)とカップリング反応を行い塩化ナトリウムで塩析することにより目的の色素No.(1)が得られる。
特に、前示構造式(I)で示される本発明の色素は、水溶液中でリオトロピック液晶を形成するため、高い二色性を示す異方性色素膜を作製可能であり、特に湿式成膜法に適した有用な色素である。
本発明の色素は前記式(I)で示されるような遊離酸型のまま使用してもよく、酸基の一部が塩型を取っているものであってもよい。また、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。また、製造時に塩型で得られた場合はそのまま使用してもよいし、所望の塩型に変換してもよい。塩型の交換方法としては、公知の方法を任意に用いることができ、例えば以下の方法が挙げられる。
1) 塩型で得られた色素の水溶液に塩酸等の強酸を添加し、色素を遊離酸の形で酸析せ
しめたのち、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
2) 塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば
、塩化リチウム)を添加し、塩析ケーキの形で塩交換を行う方法。
3) 塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸
の形で酸析せしめたのち、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
4) 予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で処理
した強酸性陽イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行う方法。
また、本発明の色素は、ここで、酸性基が遊離酸型をとるか、塩型を取るかは、色素のpKaと色素水溶液のpHに依存する。
上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。
有機アミンの例として、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
本発明の異方性色素膜用組成物は、上記式(I)で表される色素及び溶剤を含有する。組成物中において、上記式(I)で表される色素を単独で使用できるが、上記式(I)で表される異なる色素を併用してもよく、更には配向を低下させない程度に上記式(I)で表される色素以外の色素を上記組成物に配合することができる。これにより、各種の色相を有する異方性色素膜を製造することができる。
上記配合用として好ましい色素の例としては、例えば特開2007−126628号公報に配合用の色素として例示の色素等が挙げられる。
本発明の異方性色素膜用組成物に使用される溶剤としては、水、水混和性のある有機溶剤、或いはこれらの混合物が適している。有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類等の単独又は二種以上の混合溶剤が挙げられる。
本発明の異方性色素膜組成物の好ましい態様の1つは、上述の通り、モノマーを含有することであり、モノマーを含有する組成物は、塗布、配向後に硬化させることで、機械強度に優れるなどの効果を示す。
上記配合用として好ましいモノマーの例としては、例えば特表2012−507619号公報に配合用のモノマーとして例示のモノマー等が挙げられる。
本発明の色素の異方性色素膜組成物中の濃度としては、色素の溶解性やリオトロピック液晶状態などの会合状態の形成濃度にも依存するが、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
また、本発明の異方性色素膜用組成物は、基材への濡れ性、塗布性を向上させるため、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を加えることができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれも使用可能である。その添加濃度は通常0.05重量%以上、0.5重量%以下が好ましい。
本発明の異方性色素膜は、前記式(I)で表される本発明の色素を含有する、湿式成膜法で形成された異方性色素膜である。通常、本発明の異方性色素膜は、前記本発明の異方性色素膜用組成物を用い基板上に湿式成膜法により形成することにより得られる。
上記説明した様に、前記式(I)で表されるアゾ色素は、特定の色素構造を有するため高いリオトロピック液晶状態を形成し、高次の分子配向状態を示すことができ、高い二色性を示すことができる。従って、本発明の異方性色素膜は、高い二色性を示す有用な色素膜である。
本発明の異方性色素膜は高い二色比を示すが、二色比は9以上のものが好ましく、より好ましくは12以上、特に好ましくは15以上のものが使用される。
本発明の異方性色素膜として、遊離酸の形が前記式(I)で表される色素を含有し、湿式成膜法で形成される異方性色素膜であって、二色比が40以上である異方性色素膜を挙げることができる。
本発明における湿式成膜法による異方性色素膜の作製には、前記異方性色素膜用組成物を調製後、ガラス板などの各種基材に塗布し、色素を配向、積層して得る方法など公知の方法が採用される。
具体的に、湿式成膜法としては、原崎勇次著 「コーティング工学」 株式会社朝倉書店、1971年3月20日発行、253頁から277頁や市村國宏監修「分子協調材料の創製と応用」株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行、118頁から149頁などに記載の公知の方法や、例えば、あらかじめ配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、フリースパンコート法、ダイコート法などで塗布することが挙げられる。
塗布時の温度は、好ましくは0℃以上、80℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。乾燥時の温度は好ましくは0℃以上、120℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。
本発明に使用される基材として、ガラスやトリアセテート、アクリル、ポリエステル、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等が挙げられる。また、この基材表面には、二色性色素の配向方向を制御するために、「液晶便覧」 丸善株式会社、平成12年10月30日発行、226頁から239頁などに記載の公知の方法により、配向処理層を施していてもよい。
このような方法で製造された異方性色素膜は機械的強度が低い場合もあるので、必要に応じ、保護層を設けて使用する。この保護層は、例えば、トリアセテート、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等の透明な高分子膜によりラミネーションして形成され、実用に供する。
また、本発明の異方性色素膜をLCDやOLEDなどの各種の表示素子に偏光フィルター等として用いる場合には、これらの表示素子を構成する電極基板などに直接色素膜を形成したり、色素膜を形成した基材をこれら表示素子の構成部材に用いることができる。
前記の方法等で基材上に異方性色素膜を形成する場合、通常乾燥後の膜厚で、好ましくは50nm以上、更に好ましくは100nm以上、好ましくは50μm以下、更に好ましくは1μm以下である。
本発明の異方性色素膜は、光吸収の異方性を利用し直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光膜として機能する他、膜形成プロセスと基材や色素を含有する組成物の選択により、屈折異方性や伝導異方性などの各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途に使用可能な偏光素子とすることができる。
本発明の異方性色素膜を基材上に形成し偏光素子として使用する場合、形成された異方性色素膜そのものを使用してもよく、また上記の様な保護層のほか、粘着層或いは反射防止層、配向膜、位相差フィルムとしての機能、輝度向上フィルムとしての機能、反射フィルムとしての機能、半透過反射フィルムとしての機能、拡散フィルムとしての機能、光学補償フィルムとしての機能などの光学機能をもつ層など、様々な機能をもつ層を湿式成膜法などにより積層形成し、積層体として使用してもよい。これら光学機能を有する層は、例えば以下の様な方法により形成することが出来る。
位相差フィルムとしての機能を有する層は、例えば、特許第2841377号公報、特許第3094113号公報などに記載の延伸処理を施したり、特許第3168850号公報などに記載された処理を施したりすることによって形成することができる。
また、輝度向上フィルムとしての機能を有する層は、例えば特開2002−169025号公報や特開2003−29030号公報に記載されているような方法で微細孔を形成すること、或いは、選択反射の中心波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を重畳することにより形成することができる。
反射フィルム又は半透過反射フィルムとしての機能を有する層は、蒸着やスパッタリングなどで得られた金属薄膜を用いて形成することができる。
拡散フィルムとしての機能を有する層は、上記の保護層に微粒子を含む樹脂溶液をコーティングすることにより、形成することができる。
また、位相差フィルムや光学補償フィルムとしての機能を有する層は、ディスコティック液晶性化合物などの液晶性化合物をコーティングして配向させることにより形成することができる。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例中、異方性色素膜の光学特性に関する測定は下記の通り実施した。
<二色比>
二色比は、グラントムソンプリズム偏光素子を入射光学系に配した分光光度計で異方性色素膜の透過率を測定した後、次式により計算した。
二色比(D)=Az/Ay
Az=−log(Tz)
Ay=−log(Ty)
Tz:色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率
Ty:色素膜の偏光軸方向の偏光に対する透過率
(実施例1)
4−アクリロイルアミノアニリン3.24g、および水100mlに塩酸酸性条件下、亜硝酸ナトリウム1.45gを加えて、0〜5℃でジアゾ化し、水150mlに溶解した8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(1,7−クレーブ酸)4.46gとpH3〜4でカップリング反応を行った。反応終了後、中和、塩析して析出物をろ過してモノアゾ化合物を得た。
次いで、このモノアゾ化合物を水200ml、N−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解し、塩酸酸性条件下、亜硝酸ナトリウム1.45gを加えて、5〜10℃でジアゾ化し、水200mlに溶解した7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(RR酸)6.39gとpH8〜9でカップリング反応を行った。反応終了後、塩析して析出物をろ過して本発明の色素(1)のナトリウム塩を得た。
色素(1)のナトリウム塩の2%水溶液を陽イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株)製)に通し、遊離酸とした後、2%水酸化リチウム水溶液で中和、濃縮、乾燥することにより、本発明の色素(1)のリチウム塩を得た。この色素の10ppm水溶液の極大吸収波長(λmax)は595nmであった。
Figure 2014205778
水86重量部に上記合成した色素(1)のリチウム塩を14重量部加え、撹拌溶解後濾過してpH7の色素水溶液(異方性色素膜用組成物)を得た。一方、基材としてガラス基板上にスピンコート法によりポリイミドの配向膜が形成されたガラス製基板(150 m
m×150mm、厚さ1.1mm、ポリイミド膜厚約800Åのポリイミド配向膜をあらかじめ布でラビング処理を施したもの)を用意しておき、これに前記色素水溶液をギャップ4μmのアプリケーター(堀田製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜における色素膜面内の吸収軸方向に振動面を有する偏光に対する透過率(Tz)、および色素膜面内の偏光軸方向に振動面を有する偏光に対する透過率(Ty)とから求めた二色比(D)、および水溶液の極大吸収波長(λmax)を表1に示す
。偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
(実施例2)
4−メタクリロイルアミノアニリン3.52g、および水100mlに塩酸酸性条件下、亜硝酸ナトリウム1.45gを加えて、0〜5℃でジアゾ化し、水150mlに溶解した8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(1,7−クレーブ酸)4.46gとpH3〜4でカップリング反応を行った。反応終了後、中和、塩析して析出物をろ過してモノアゾ化合物を得た。
次いで、このモノアゾ化合物を水200ml、N−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解し、塩酸酸性条件下、亜硝酸ナトリウム1.45gを加えて、5〜10℃でジアゾ化し、水200mlに溶解した7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(RR酸)6.39gとpH8〜9でカップリング反応を行った。反応終了後、塩析して析出物をろ過して本発明の色素(4)のナトリウム塩を得た。
色素(4)のナトリウム塩の2%水溶液を陽イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株
)製)に通し、遊離酸とした後、2%水酸化リチウム水溶液で中和、濃縮、乾燥することにより、本発明の化合物(4)のリチウム塩を得た。この色素の10ppm水溶液の極大吸収波長(λmax)は595nmであった。
Figure 2014205778
水80重量部に上記合成した色素(4)のリチウム塩を20重量部加え、撹拌溶解後濾過してpH7の色素水溶液(異方性色素膜用組成物)を得た。 実施例1と同様の基板に前記色素水溶液をギャップ4μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより異方性色素膜を得た。水溶液の極大吸収波長(λmax)、異方性色
素膜の二色比(D)を表1に示す。得られた異方性色素膜は偏光膜として充分機能し得る高い二色比を有する異方性色素膜であった。
(実施例3)
4−アミノ−N−(2−プロペニル)ベンザミド3.52g、および水100mlに塩酸酸性条件下、亜硝酸ナトリウム1.45gを加えて、0〜5℃でジアゾ化し、水150mlに溶解した8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(1,7−クレーブ酸)4.46gとpH3〜4でカップリング反応を行った。反応終了後、中和、塩析して析出物をろ過してモノアゾ化合物を得た。
次いで、このモノアゾ化合物を水200ml、N−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解し、塩酸酸性条件下、亜硝酸ナトリウム1.45gを加えて、5〜10℃でジアゾ化し、水200mlに溶解した7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(RR酸)6.39gとpH8〜9でカップリング反応を行った。反応終了後、塩析して析出物をろ過して本発明の色素(21)のナトリウム塩を得た。
色素(21)のナトリウム塩の2%水溶液を陽イオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株)製)に通し、遊離酸とした後、2%水酸化リチウム水溶液で中和、濃縮、乾燥することにより、本発明の化合物(21)のリチウム塩を得た。この色素の10ppm水溶液の極大吸収波長(λmax)は590nmであった。
Figure 2014205778
水80重量部に上記合成した色素(21)のリチウム塩20重量部を加え、撹拌溶解後濾過してpH7の色素水溶液(異方性色素膜用組成物)を得た。実施例1と同様の条件で
前記色素水溶液を塗布、乾燥することにより異方性色素膜を得た。水溶液の極大吸収波長(λmax)、異方性色素膜の二色比(D)を表1に示す。得られた異方性色素膜は偏光膜
として充分機能し得る高い二色比を有する異方性色素膜であった。
Figure 2014205778

Claims (6)

  1. 遊離酸の形が下記式(I)で表されることを特徴とする異方性色素膜用色素。
    Figure 2014205778
    [式(I)中、Aは、1つ以上の末端にエチレン性二重結合を有する基を有し、かつ、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいフェニル基、末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよいナフチル基または末端にエチレン性二重結合を有する基以外の置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、
    は置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基または芳香族複素環基を表し、
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいアシル基を表す。
    mは0または1を表し、
    nは1または2を表す。
    尚、nが2の場合、1分子中に含まれる複数のBは同一でも異なっていてもよい。]
  2. 末端にエチレン性二重結合を有する基が、−(L)−C(R)=CH(但し、Lは2価の連結基を表し、lは0又は1を、Rは、水素原子又はメチル基を表す)である
    請求項1に記載の異方性色素膜用色素。
  3. Lで表される2価の連結基が、アルキレン基、カルボニルアミノ基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシアルキルアミノカルボニル基、アルキレンカルバモイル基、カルボニル基またはカルボニルオキシアルキル基である請求項2に記載の異方性色素膜用色素。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の異方性色素膜用色素及び溶剤を含有することを特徴とする異方性色素膜用組成物。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の異方性色素膜用色素を含有することを特徴とする異方性色素膜。
  6. 請求項5に記載の異方性色素膜を有することを特徴とする偏光素子。
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