JP5092345B2 - 異方性色素膜、および偏光素子 - Google Patents

異方性色素膜、および偏光素子 Download PDF

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Description

本発明は、調光素子や液晶素子(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)の表示素子に具備される偏光板等に有用な、高い二色性を示すアゾ色素を含有する異方性色素膜、及び偏光素子に関するものである。
LCDでは表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLEDにおいても外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。
従来、これらの偏光板(偏光素子)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために偏光素子に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。また、その消光色が深い青になり、全可視スペクトル領域にわたって理想的な無彩色偏光素子とは言えなかった。
そのため、有機系の色素を二色性物質に使用する偏光素子が検討されている。しかし、これら有機系の色素では、ヨウ素に比べると二色性がかなり劣る程度の偏光素子しか得られないなどの問題点があった。
光の旋光性や複屈折性を表示原理に用いているLCDにおいて、偏光素子は重要な構成要素であり、近年、表示性能などの向上を目的に新たな偏光素子の開発が進められている。
その一つの方法として、ヨウ素を含む偏光素子と同様に、二色性を有する有機色素(二色性色素)をポリビニルアルコールのような高分子材料に溶解または吸着させ、その膜を一方向にフィルム状に延伸して二色性色素を配向させる方法が挙げられている。しかしながら、該方法では延伸処理等のプロセスに手間がかかる等の問題点があった。
そこで、最近では他の方法が着目されるようになってきた。
この方法として、非特許文献1では、ガラスや透明フィルムなどの基板上に有機色素分子の分子間相互作用などを利用して二色性色素を配向させ、偏光膜(異方性色素膜)を形成している。しかしながら、該文献に記載の方法では、耐熱性の問題があることが知られていた。
また、上記ガラスや透明フィルムなどの基板上に有機色素分子の分子間相互作用などを利用して二色性色素を配向させることは湿式成膜法により達成されるが、湿式成膜法で偏光膜が作製される場合、この色素膜には、使用される色素分子の高い二色性の他に、湿式成膜法のプロセスに適した色素であることが要求される。湿式成膜法におけるプロセスとしては、色素を基板上に堆積、配向させる方法やその配向を制御する方法などが挙げられ、従来の上記延伸処理を経る偏光素子に使用される色素であっても、湿式成膜法には適していないことが多くある。
特許文献1〜4では、湿式成膜法のプロセスに適した各種材料が提案されているが、これらの材料では該プロセスに適してはいても、高い偏光特性(消光比)を得ることができないという問題点があった。
Dreyer,J.F.,Journal de Physique,1969,4,114.,"Light Polarization From Films of Lyotropic Nematic Liquid Crystals" 特開2002−180052号公報 特表2002−528758号公報 特開2002−338838号公報 特表平8−511109号公報
本発明は、湿式成膜法により形成される異方性色素膜であって、高い二色性、高い分子配向度を示す異方性色素膜を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、遊離酸の形が下記式(1)で表されるアゾ色素を用いることにより、湿式成膜法で形成される異方性色素膜において、高い二色性、高い分子配向度を示す異方性色素膜とすることができ、その異方性色素膜を用いた偏光素子は、高い光学性能を有することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、遊離酸の形が下記式(1)で表されるアゾ色素を含有することを特徴とする、湿式成膜法により形成され異方性色素膜、及び該異方性色素膜を用いた偏光素子、に存する。
Figure 0005092345
(式(1)中、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
は、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有していてもよいトリアジニル基を表す。
mは0または1を表す。
NR及び(SOH)は5位または6位に置換するが、NRが6位に置換しているときmは0ではなく、(SOH)は5位に置換する。
nは1を表す。)
本発明のアゾ色素を用いることにより、湿式成膜法で形成される異方性色素膜においても、高い二色性、高い分子配向度を示す異方性色素膜を提供することができる。また、このような特性を有する異方性色素膜を用いた偏光素子は、調光素子、液晶素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等の表示素子など多方面に利用することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
本発明でいう異方性色素膜とは、色素膜の厚み方向および任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向における電磁気学的性質に異方性を有する色素膜である。電磁気学的性質としては、吸収、屈折などの光学的性質、抵抗、容量などの電気的性質などが挙げられる。吸収、屈折などの光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜、位相差膜、導電異方性膜などがある。
本発明の異方性色素膜は、偏光膜、位相差膜、導電異方性膜に用いられることが好ましく、偏光膜に用いられることがより好ましい。
[アゾ色素]
本発明のアゾ色素は、遊離酸の形が下記式(1)で表される、湿式成膜法により形成される異方性色素膜用の、ジスアゾ色素またはトリアゾ色素である。
Figure 0005092345
(式(1)中、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
は、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有していてもよいトリアジニル基を表す。
mは0または1を表す。
NR及び(SOH)は5位または6位に置換するが、NRが6位に置換しているときmは0ではなく、(SOH)は5位に置換する。
nは1または2を表す。nが2の場合、Bは同一であっても異なっていてもよい。)
尚、本発明において置換基を有していてもよいとは、置換基を1または2以上有していてもよいことを意味する。
また、本発明においてNRおよび(SOH)が置換し得る5位または6位とは以下の位置を示す。
Figure 0005092345
上記式(1)で表される本発明のアゾ色素は、会合性が高く、高いリオトロピック液晶状態を形成することができる。従って、式(1)で表される本発明のアゾ色素は、湿式成膜法により形成される異方性色素膜用の色素として適しており、またその二色比も高いので、該色素を含有する組成物を異方性色素膜に使用すれば、二色性の高い異方性色素膜を得ることができる。
以下、本発明の前記式(1)で表されるアゾ色素について説明する。
<A
式(1)中、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、式(1)で表されるアゾ化合物の溶解性を高めるために導入される親水性基や色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基が好ましく、具体的には、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、水酸基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
特に、Aは極性を有する基であることが好ましい。極性を有する基としては、カルボキシ基、スルホ基等のイオン性置換基、水酸基、アミノ基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基、アシルアミノ基、カルバモイル基等の水素結合性プロトンを有する置換基、アルコキシ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基等の電気陰性度の高い原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子のような)を含み分極の大きい置換基が挙げられる。これらの基は、分子間相互作用に寄与し、分子会合体の形成を促進する。
該アルキル基は炭素数が通常1以上、通常6以下、好ましくは4以下である。該アルキル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基等の置換基を有していてもよい低級アルキル基が挙げられる。
該アルコキシ基は炭素数が通常1以上、通常6以下、好ましくは3以下である。該アルコキシ基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基等の置換基を有していてもよい低級アルコキシ基が挙げられる。
該アシルアミノ基は、−NH−COR31で表され、R31は、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。該アルキル基は、炭素数が通常1以上、通常4以下、好ましくは2以下である。該アルキル基及び該フェニル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。アシルアミノ基の具体例としては、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
該アミノ基は、通常、−NH、−NHR32、−NR3334で表され、R32〜R34はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。該アルキル基は、炭素数が通常1以上、通常4以下、好ましくは2以下である。該アルキル基及び該フェニル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。アミノ基の具体例としては、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられる。
該カルバモイル基としては、無置換または、置換されていてもよいアルキルカルバモイル基、置換されていてもよいフェニルカルバモイル基および置換されていてもよいナフチルカルバモイル基が挙げられる。該置換基のアルキル基、フェニル基およびナフチル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基、該フェニル基及び該ナフチル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。カルバモイル基の具体例としてはカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基等が挙げられる。
の芳香族炭化水素基は、これら置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは1〜2個有していることである。
の芳香族複素環基としては、単環または二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
の芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、
Figure 0005092345
の基などが挙げられる。
なお、上記式中、R41は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。該アルキル基及び該フェニル基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、メチルアミノ基等の置換アミノ基、置換カルバモイル基及びシアノ基等が挙げられる。
の芳香族複素環基としては、中でもピリジル基、キノリル基或いはフタルイミドイル基が好ましい。Aの芳香族複素環基は置換基を有していてもよい。
該芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、メチルアミノ基等のアミノ基、アミド基及びシアノ基等が挙げられる。
の芳香族複素環基は、中でも、無置換であるか、置換基として水酸基、スルホ基、カルボキシ基を有するものが好ましい。
の芳香族複素環基は、これら置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは、無置換または1〜2個有していることである。
<B
式(1)中、Bは、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。nが2の場合、一分子内に複数存在するBは、同一であっても異なっていてもよい。
の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく、該フェニレン基としては1,4−フェニレン基が、また該ナフチレン基としては1,4−ナフチレン基が色素同士が相互作用を示すために好ましい。
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、水酸基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、シアノ基及びハロゲン原子等が挙げられる。
尚、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例、その具体例は、前記Aが芳香族炭化水素基の場合に有していてもよい置換基として例示したものと同様である。
の芳香族炭化水素基は、無置換でも、これら置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは置換基を1〜2個有していることである。Bの芳香族炭化水素基は、中でも、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子の極性の小さい基或いは水素結合性を有する基を有することが、リオトロピック液晶を形成する上での相互作用による会合性向上の点で好ましく、水溶化の観点からは、スルホ基を有することが好ましい。
の芳香族複素環基としては、単環または二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられるが、窒素原子が特に好ましい。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
の芳香族複素環基として具体的には、ピリジンジイル基、キノリンジイル基、イソキノリンジイル基、ベンゾチアジアゾールジイル基、フタルイミドジイル基等が挙げられる。中でも、キノリンジイル基、イソキノリンジイル基が好ましい。
の芳香族複素環基は置換基を有していてもよい。
の芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、アセチルアミノ基、アシルアミノ基等の置換または無置換のアミノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、水酸基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。中でも、水酸基、スルホ基、カルボキシ基が好ましい。
の芳香族複素環基は、これらの置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは無置換であるか、またはこれらの置換基を1〜2個有していることである。
の芳香族複素環基が下記式(4−a)又は(4−b)で表される2価の複素環基である場合、即ち、含窒素芳香族6員環の2,5位または3,6位で結合する2価の連結基であるか、又は、(4−b)に示すaおよびdの置換位置で結合する2価の連結基である場合、式(1)で表される色素同士が相互作用を示すために好ましく、例えば、キノリンジイル基の場合には5,8−キノリンジイル基、イソキノリンジイル基の場合には5,8−イソキノリンジイル基が好ましい。
Figure 0005092345
(式中、Q〜Qはそれぞれ独立に炭素原子、又は窒素原子を表すが、Q〜Qの1個又は2個が窒素原子であり、残りは炭素原子であり、Q〜Qは置換基を有していてもよい)
Figure 0005092345
(式中、Xは主鎖に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含み、5〜7員環を形成する2価の連結基を表し、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。)
尚、上記式(4−b)において、2価の連結基Xが主鎖に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含むとは、該2価の基により形成される環上に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含むことをいう。又、上記式(4−a)又は(4−b)で表される2価の複素環基が有していてもよい置換基としては、上記のBの芳香族複素環基の置換基として列記のものが挙げられる。
上記式(4−b)におけるXで表される2価の連結基としては、例えば、−N=CH−CH=C−、−CO−NH−CO−、=N−S−N=、−CH=N−CH=CH−等が挙げられる。但し、CH及びNHにおけるC及びNには、Hの代わりに有機基等の置換基(Bの芳香族複素環基の置換基として列記したものなど)が置換していてもよい。
上記式(4−a)で表される2価の複素環基としては、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンから誘導され、かつアゾ基との連結位置が2,5位または3,6位にある基が挙げられ、上記式(4−b)で表される2価の複素環基としては、キノリン、イソキノリン、ベンゾチアジアゾール、フタルイミド等から誘導され、かつアゾ基との連結位置が(4−b)で示した1,4位にある基が挙げられる。
色素全体の平面性の点から、Bの芳香族複素環基は式(4−b)で表される基であるのが好ましく、特に、5,8−キノリンジイル基及び5,8−イソキノリンジイル基が好ましい。
<R及びR
式(1)においてRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有していてもよいトリアジニル基を表す。
該アルキル基は、通常炭素数が1以上、6以下、好ましくは4以下である。
およびRのアルキル基及び該フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。
およびRのアシル基は、通常炭素数が2以上7以下、好ましくは3以下である。置換基を有していてもよいアルキルアシル基、置換基を有していてもよいフェニルアシル基であり、該アルキル基及び該フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。
およびRのトリアジニル基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基等のアルキルアミノ基、メチル基、メトキシ基、カルボキシ基、アミノ基、スルホ基等が置換していてもよいフェニルアミノ基、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
特に、NRとしては、R及びRが水素原子であるアミノ基、Rが水素原子及びRがアルキル基であるアルキルアミノ基、Rが水素原子及びRがフェニル基であるフェニルアミノ基などが好ましく、とりわけR及びRのいずれもが水素原子であるアミノ基が好ましい。
NRは主骨格のナフタレン環の5位又は6位に置換する。
<nおよびm>
nは1または2を表し、従って、本発明のアゾ色素はジスアゾ色素またはトリアゾ色素である。
mは0または1を表し、mが1のとき(SOH)は主骨格のナフタレン環の5位又は6位に置換する。但し、NRが6位に置換しているときmは0ではなく、(SOH)は5位に置換する。
<式(2)>
本発明の式(1)で表される色素は、特に下記式(2)で表される色素であることが好ましい。
Figure 0005092345
(式(2)中、A、B、R、R、およびnは式(1)におけると同義である。)
<式(3)>
本発明の式(1)で表される色素は、特に下記式(3)で表される色素であることが好ましい。
Figure 0005092345
(式(3)中、A、B、R、R、およびnは式(1)におけると同義である。)
<分子量>
遊離酸の形が式(1)で表される本発明の異方性色素膜用のアゾ色素(以下、「本発明の色素」という)の分子量は、遊離酸の形で、650以上が好ましく、1500以下が好ましく、1100以下がさらに好ましい。
<水溶性>
本発明の色素は、通常、水溶性の色素である。
<塩>
本発明の色素は式(1)で示されるような遊離酸の形(遊離酸型)のまま使用してもよく、酸基の一部が塩型を取っているものであってもよい。また、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。また、製造時に塩型で得られた場合はそのまま使用してもよいし、所望の塩型に変換してもよい。塩型の交換方法としては、公知の方法を任意に用いることができ、例えば以下の方法が挙げられる。
1) 塩型で得られた色素の水溶液に塩酸等の強酸を添加し、色素を遊離酸の形で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
2) 塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば、塩化リチウム)を添加し、塩析ケーキの形で塩交換を行う方法。
3) 塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸の形で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
4) 予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で処理した強酸性陽イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行う方法。
本発明の色素の酸性基が遊離酸型をとるか、塩型を取るかは、色素のpKaと色素水溶液のpHに依存する。
上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。
該アンモニウムの塩が有していてもよい置換基であるアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基としては炭素数1〜6の低級アルキル基およびヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキル基が挙げられる。
有機アミンの例として、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン等が挙げられる。
これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
<具体例>
本発明の色素の具体例としては、遊離酸の形として、例えば以下の(I−1)から(I−21)に示す構造の色素が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005092345
Figure 0005092345
Figure 0005092345
Figure 0005092345
<合成法>
式(1)で表される本発明の色素は、それ自体周知の方法に従って製造することができる。例えば前記構造式(I−1)で示される色素は、下記(A)、(B)の工程で製造することができる。
(A)4−アミノベンゾニトリルと8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(1,7−Cleves酸)とから常法[例えば、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日、技報堂発行)第396頁第409頁参照]に従って、ジアゾ化、カップリング工程を経てモノアゾ化合物を製造する。
(B)得られたモノアゾ化合物を同様に、常法によりジアゾ化し、6−アミノ−1−ナフトール−3,5−ジスルホン酸(スルホJ酸)とカップリング反応を行い塩化ナトリウムで塩析することにより前記構造式(I−1)が得られる。
特に、前記構造式(I−1)で示される本発明の色素は、水溶液中でリオトロピック液晶を形成するため、高い二色性を示す異方性色素膜を作製可能であり、特に湿式成膜法に適した有用な色素である。
[異方性色素膜用組成物]
本発明の異方性色素膜用組成物は、本発明の色素と溶剤を含有し、通常、色素が溶剤に溶解もしくは分散されたものである。
なお、本発明の異方性色素膜用組成物中または以下に詳述する本発明の異方性色素膜において、本発明の色素は1種を単独で使用することができるが、異なる本発明の色素や他の二色性物質を組み合わせて使用することもできる。更には配向を低下させない程度に紫外線吸収色素や近赤外線吸収色素などの他の色素と混合して用いることもできる。このようにすることにより、各種の色相を有する異方性色素膜を製造することができる。
<配合用色素>
配合用として好ましい色素の例としては、アゾ色素やアントラキノン色素等が挙げられる。例えばC.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 34、C.I.Direct Yellow 86、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Yellow 132、C.I.Acid Yellow 25、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 79、C.I.Acid Orange 28、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 79、C.I.Direct Red 81、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Acid Red 37、C.I.Direct Violet 9、C.I.Direct Violet 35、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 57、C.I.Direct Blue 1、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 83、C.I.Direct Blue 90、C.I.Direct Green 42、C.I.Direct Green 51、C.I.Direct Green 59等が挙げられる。
また、特に好ましくは以下の色素が挙げられる。
Figure 0005092345
Figure 0005092345
下記構造式で表される色素
Figure 0005092345
(Eは、下記群Eから選ばれる基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
は、下記群Eから選ばれる基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
は、下記群Eから選ばれる基、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。
は、下記群Eから選ばれる基、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。
ただし、各色素においては、それぞれ、群EからEから選ばれる基を少なくとも1つ有する。)
Figure 0005092345
Figure 0005092345
Figure 0005092345
<溶剤>
本発明の異方性色素膜用組成物に使用される溶剤としては、水、水混和性のある有機溶剤、或いはこれらの混合物が適している。有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類等の単独又は2種以上の混合溶剤が挙げられる。
<濃度>
色素を溶解する場合の濃度としては、色素の溶解性やリオトロピック液晶状態などの会合状態の形成濃度にも依存するが、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
<添加剤>
また、本発明の異方性色素膜用組成物は、基材への濡れ性、塗布性を向上させるため、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を加えることができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれも使用可能である。その添加濃度は、目的の効果を得るために十分であって、かつ色素分子の配向を阻害しない量として、異方性色素膜用組成物中の濃度として通常0.05重量%以上、0.5重量%以下がより好ましい。
[異方性色素膜]
本発明の異方性色素膜は、本発明の色素を含有し、好ましくは湿式成膜法で形成された異方性色素膜である。通常、本発明の異方性色素膜は、前記本発明の異方性色素膜用組成物を基板上に湿式成膜法により成膜することにより得られる。
上記説明した様に、前記式(1)で表される本発明のアゾ色素は、高いリオトロピック液晶状態を形成し、高次の分子配向状態を示すことができ、高い二色性を示すことができる。従って、このような本発明の色素を含む本発明の異方性色素膜は、高い二色性を示す有用な色素膜となる。
本発明の異方性色素膜は高い二色比を示すが、二色比は8以上のものが好ましく、より好ましくは12以上、特に好ましくは15以上のものが使用される。
特に、偏光膜に使用する際には中庸な色調の膜が好ましく、色相として、L*a*b*表色系において、√{(a+(b}≦30、好ましくは√{(a+(b}≦10、さらに好ましくは、√{(a+(b}≦5、かつ色素膜の透過率が35%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは44%以上を満たすものが表示素子、特にカラー表示素子用偏光子として好ましい。
<湿式成膜法>
本発明においては、湿式成膜法により異方性色素膜を作製する。
この場合、前記本発明の異方性色素膜用組成物を調製後、ガラス板などの各種基材に塗布し、色素を配向、積層して得る方法など公知の方法が挙げられる。
この異方性色素膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、上述した本発明の色素は異方性色素膜用組成物中、リオトロピック液晶状態等の良好な分子間相互作用による会合体を形成した状態を形成するので、これをガラス等の基材上に塗布し、剪断力を与えて色素を一定方向に配向させた後、乾燥させることにより、異方性色素膜を得ることができる。
基材としては、ガラス、樹脂等からなる厚さ10〜1500μm程度の透明なものが用いられる。樹脂としては、トリアセテート、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ウレタン系樹脂などが挙げられる。
基材の表面には、異方性色素膜用組成物中の色素分子の配向方向を制御するために、「液晶便覧」(丸善株式会社、平成12年10月30日発行)第226頁〜第239頁などに記載の公知の方法により、配向処理層を施しておいてもよい。
基材上へ異方性色素膜用組成物を塗布する方法としては、従来公知の方法で行えばよく、例えば、原崎勇次著「コーティング工学」(株式会社朝倉書店、1971年3月20日発行)第253頁〜第277頁、または市村國宏監修「分子協調材料の創製と応用」(株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行)第118頁〜第149頁などに記載の方法や、例えば、あらかじめ配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、フリースパンコート法、ダイコート法などが挙げられる。
基材上に塗布した異方性色素膜組成物中の色素に剪断力を与えることにより、色素は一定方向に配向する。バーコート、ロールコート、ブレードコート、フリースパンコート法、ダイコート法などは、塗布と同時に剪断力を与えることができるので好ましい。
異方性色素膜用組成物の基材への塗布時の温度は、好ましくは0℃以上、80℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。
乾燥時の温度は好ましくは0℃以上、120℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。
前記の方法等で基材上に異方性色素膜を形成する場合、形成される異方性色素膜の厚さは、通常乾燥後の膜厚で、好ましくは50nm以上、更に好ましくは100nm以上、好ましくは50μm以下、更に好ましくは1μm以下である。
また、異方性色素膜の可視光波長領域における透過率は、好ましくは25%以上である。この透過率は高いほどよく、35%以上、特に40%以上であるのが好ましく、最も好ましくは44%以上である。透過率が低いと、表示素子、特にカラー表示素子用偏光子として用いるのは難しい。
このような方法で製造された異方性色素膜は機械的強度が低い場合もあるので、必要に応じ、保護層を設けて使用する。この保護層は、例えば、トリアセテート、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等の透明な高分子膜により異方性色素膜をラミネーションして形成され、実用に供する。
また、本発明の異方性色素膜をLCDやOLEDなどの各種の表示素子に偏光膜等として用いる場合には、これらの表示素子を構成する電極基板などに直接色素膜を形成したり、色素膜を形成した基材をこれら表示素子の構成部材に用いることができる。
[偏光素子]
本発明の異方性色素膜は、光吸収の異方性を利用し直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光膜として機能する他、膜形成プロセスと基材や色素を含有する組成物の選択により、屈折異方性や伝導異方性などの各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途に使用可能な偏光素子とすることができる。
本発明の偏光素子は、上述した本発明の異方性色素膜を用いたものであるが、異方性色素膜のみからなる偏光素子であってもよいし、基材上に異方性色素膜を有する偏光素子であってもよい。本発明において、基材上に異方性色素膜を有する偏光素子は、基材も含めて偏光素子とよぶ。
本発明の異方性色素膜を基材上に形成して偏光素子として使用する場合、基材と形成された異方性色素膜のみで使用してもよく、また上記の様な保護層のほか、粘着層或いは反射防止層、配向膜、位相差フィルムとしての機能、輝度向上フィルムとしての機能、反射フィルムとしての機能、半透過反射フィルムとしての機能、拡散フィルムとしての機能などの光学機能をもつ層など、様々な機能をもつ層を湿式成膜法などにより積層形成し、積層体として使用してもよい。
これら光学機能を有する層は、例えば以下の様な方法により形成することができる。
位相差フィルムとしての機能を有する層は、例えば特許第2841377号公報、特許第3094113号公報などに記載の延伸処理を施したり、特許第3168850号公報などに記載された処理を施したりすることにより形成することができる。
また、輝度向上フィルムとしての機能を有する層は、例えば特開2002−169025号公報や特開2003−29030号公報に記載されるような方法で微細孔を形成すること、或いは、選択反射の中心波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を重畳することにより形成することができる。
反射フィルム又は半透過反射フィルムとしての機能を有する層は、蒸着やスパッタリングなどで得られた金属薄膜を用いて形成することができる。拡散フィルムとしての機能を有する層は、上記の保護層に微粒子を含む樹脂溶液をコーティングすることにより、形成することができる。
また、位相差フィルムや光学補償フィルムとしての機能を有する層は、ディスコティック液晶性化合物、ネマティック液晶性化合物などの液晶性化合物を塗布して配向させることにより形成することができる。
本発明の色素を用いた異方性色素膜は、ガラスなどの高耐熱性基板上に直接形成することが可能であり、高耐熱性の偏光素子を得ることができるという点から、液晶ディスプレーや有機エレクトロルミネッセンスディスプレーだけでなく液晶プロジェクタや車載用表示パネル等、高耐熱性が求められる用途に好適に使用することができる。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例中、二色比は、ヨウ素系偏光素子を入射光学系に配した分光光度計で異方性色素膜の透過率を測定した後、次式により計算した。
二色比(D)=Az/Ay
Az=−log(Tz)
Ay=−log(Ty)
Tz:色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率
Ty:色素膜の偏光軸方向の偏光に対する透過率
また、以下において「部」は「重量部」を示す。
[実施例1]
水80部に、前記構造式(I−1)の色素のリチウム塩を20部加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、色素水溶液よりなる本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
スライドガラス(松浪硝子工業製 スライドグラス白縁磨フロストNo.1)に前記色素水溶液をギャップ20μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより本発明の異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜における色素膜面内の吸収軸方向に振動面を有する偏光に対する透過光(Tz)、および色素膜面内の偏光軸方向に振動面を有する偏光に対する透過光(Ty)とから求めたその二色比(D)は555nmにおいて8であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
[実施例2]
水63部に、前記構造式(I−10)の色素のリチウム塩を37部加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、色素水溶液よりなるよりなる本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
一方、基材としてガラス基板上にスピンコート法によりポリイミドの配向膜が形成されたガラス製基板(75mm×25mm、厚さ1.1mm、ポリイミド膜厚約800Åのポリイミド配向膜をあらかじめ布でラビング処理を施したもの)を用意しておき、これに前記色素水溶液をギャップ2μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより本発明の異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比(D)は580nmにおいて4であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
[実施例3]
水70部に、前記構造式(I−8)の色素のリチウム塩24部と、下記式(II−1)で表わされるアゾ色素6部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、色素水溶液よりなる本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
一方、基材としてガラス基板上にスピンコート法によりポリイミドの配向膜が形成されたガラス製基板(75mm×25mm、厚さ1.1mm、ポリイミド膜厚約800Åのポリイミド配向膜をあらかじめ布でラビング処理を施したもの)を用意しておき、これに前記色素水溶液をギャップ5μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比(D)は600nmにおいて16であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
Figure 0005092345
[実施例4]
水80部に、前記構造式(I−8)の色素のリチウム塩12部と、下記式(II−2)で表わされるアゾ色素8部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
この異方性色素膜用組成物を、実施例3と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、本発明の異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比(D)は600nmにおいて14であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
Figure 0005092345
[実施例5]
水80部に、前記構造式(I−1)の色素のリチウム塩10.4部と、下記式(II−3)で表わされるアゾ色素9.6部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
この異方性色素膜用組成物を、実施例3と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、本発明の異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比(D)は600nmにおいて16であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
Figure 0005092345
[実施例6]
水75部に、前記構造式(I−8)の色素のリチウム塩13部と、下記式(II−4)で表わされるアゾ色素12部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
この異方性色素膜用組成物を、実施例3と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、本発明の異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比(D)は600nmにおいて11であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
Figure 0005092345
[実施例7]
水80部に、前記構造式(I−1)の色素のリチウム塩10部と、下記式(II−5)で表わされるアゾ色素10部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
この異方性色素膜用組成物を、実施例3と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、本発明の異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比(D)は600nmにおいて11であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
Figure 0005092345
[実施例8]
水80部に、前記構造式(I−1)の色素のリチウム塩10.4部と、下記式(II−6)で表わされるアゾ色素9.6部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、本発明の異方性色素膜用組成物を得た。
この異方性色素膜用組成物を、実施例3と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、本発明の異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比(D)は600nmにおいて23であり、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。
Figure 0005092345

Claims (4)

  1. 遊離酸の形が下記式(1)で表されるアゾ色素を含有することを特徴とする、湿式成膜法により形成され異方性色素膜。
    Figure 0005092345
    (式(1)中、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
    は、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有していてもよいトリアジニル基を表す。
    mは0または1を表す。
    NR及び(SOH)は5位または6位に置換するが、NRが6位に置換しているときmは0ではなく、(SOH)は5位に置換する。
    nは1を表す。)
  2. 前記式(1)が、下記式(2)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の異方性色素膜。
    Figure 0005092345
    (式(2)中、A、B、R、R、およびnは式(1)におけると同義である。)
  3. 前記式(1)が下記式(3)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の異方性色素膜。
    Figure 0005092345
    (式(3)中、A、B、R、R、およびnは式(1)におけると同義である。)
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の異方性色素膜を用いたことを特徴とする、偏光素子。
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