JP2008111952A - 異方性膜用組成物、異方性膜、偏光素子及び光学素子 - Google Patents

異方性膜用組成物、異方性膜、偏光素子及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】二色比などの光学特性を低下させず、欠陥の少ない良質な異方性膜を得られる異方性膜用組成物を提供する。
【解決手段】異方性膜用組成物にアセチレン系化合物及び異方性材料を含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、異方性膜に用いられる異方性膜用組成物に関し、詳しくは、光学特性の良好な異方性膜を得られる異方性膜用組成物に関するものである。
液晶表示素子(LCD)では、表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光膜や円偏光膜が用いられている。また、有機エレクトロルミネッセンス表示素子(OLED)などの発光型表示素子やタッチパネルなどの入出力素子においても、外光の反射防止のために円偏光膜が使用されている。
従来、これらの偏光膜(異方性膜)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために、偏光膜に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。そのため、有機系色素を二色性物質として使用する偏光膜が検討されている。
また、前記の偏光膜は、通常、偏光膜の材料を含むインク(異方性膜用組成物)を基材に塗布し、その塗布膜を乾燥させることにより製造されていた。この際、インクと基材の濡れ性を改善するために、インクに界面活性剤を添加することが提案されている(特許文献1参照)。また。特許文献1記載の技術では、濡れ性を改善するために、インク中に0.1重量%以上の界面活性剤を用いるようになっている。
米国特許第6049428号明細書
しかしながら、特許文献1等の従来技術を用いてインクに界面活性剤を添加し、このインクを用いて偏光膜を形成した場合、製造される偏光膜には界面活性剤が残留して相分離し、このことが偏光膜の光学特性を低下させることが判明した。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、二色比などの光学特性を低下させず、欠陥の少ない良質な異方性膜を得られる異方性膜用組成物、並びに、それを用いた異方性膜、偏光素子及び光学素子を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、異方性膜用組成物に、界面活性剤としてアセチレン系化合物を含有させることにより、当該異方性膜用組成物を用いて形成される異方性膜の光学活性を低下させること無く、基板への濡れ性を改善できることを見出し、本発明を完成させた。これは、アセチレン系化合物はミセルを形成しがたいため、少量のアセチレン系化合物によって異方性膜用組成物の濡れ性を改善できると共に、塗布膜中で相分離を起こさないためと推察される。
即ち、本発明の要旨は、アセチレン系化合物及び異方性材料を含有することを特徴とする、異方性膜用組成物に存する(請求項1)。
このとき、本発明の異方性膜用組成物は、溶剤を含有することが好ましい(請求項2)。この際、該アセチレン系化合物の含有量が、該溶剤に対して0.005〜0.05重量%であることが好ましい(請求項3)。
本発明の別の要旨は、本発明の異方性膜用組成物を用いて形成されたことを特徴とする、異方性膜に存する(請求項4)。
本発明の更に別の要旨は、アセチレン系化合物を含有することを特徴とする、異方性膜に存する(請求項5)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の異方性膜を備えることを特徴とする、偏光素子に存する(請求項6)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の異方性膜を備えることを特徴とする、光学素子に存する(請求項7)。
本発明によれば、二色比等の光学特性を低下させないで、欠陥の少ない良質な異方性膜が得られる異方性膜用組成物を提供できる。また、本発明によれば、二色比等の光学特性が高く、欠陥が少ない異方性膜、並びに、それを用いた偏光素子及び光学素子を提供できる。
以下、本発明について実施形態や例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態や例示物などに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
なお、本発明でいう異方性膜とは、膜の厚み方向及び任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向において電磁気学的性質に異方性を有する膜である。電磁気学的性質としては、吸収、屈折等の光学的性質、抵抗、容量等の電気的性質などが挙げられる。吸収、屈折などの光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜等の偏光膜;位相差膜;導電異方性膜などが挙げられる。
本発明の異方性膜は、偏光膜、位相差膜、導電異方性膜に用いられることが好ましく、偏光素子に用いられることがより好ましい。
[1.異方性膜用組成物]
本発明の異方性膜用組成物は、少なくとも、アセチレン系化合物と、異方性材料とを含有する。また、本発明の異方性膜用組成物は、通常、溶剤を含有する。さらに、本発明の異方性膜用組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、その他の成分を含有していてもよい。
[1−1.アセチレン系化合物]
アセチレン系化合物としては、通常、分子構造中に炭素−炭素三重結合を有する界面活性剤を用いる。中でも、本発明においては、両親媒性化合物を用いることが好ましく、特に、親水性基として水酸基またはポリエチレンオキサイド基を有するものが好ましい。
本発明に係るアセチレン系化合物のうち、好適なものの例としては、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類などが挙げられる。
ここで、アセチレンアルコール類のうち好適なものの例を挙げると下記式(I)で表わされる化合物が挙げられ、アセチレングリコール類のうち好適なものの例を挙げると下記式(II)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2008111952
Figure 2008111952
前記の式(I)及び式(II)において、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基を表わす。このアルキル基の炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り制限は無いが、通常1以上、中でも3以上、また、通常10以下、中でも5以下が好ましい。R1及びR2の炭素数が大きすぎると、界面活性能を示さない可能性がある。
1及びR2の好適な例を挙げると、R1としてはメチル基が好ましく、R2としてはイソブチル基が好ましい。なお、式(II)において、R1同士、及び、R2同士は、それぞれ、同じでも良く、異なっていても良い。
また、前記の式(I)及び式(II)において、nはそれぞれ独立に、任意の0以上の整数を表わす。ただし、nは、通常0以上、また、通常20以下、中でも10以下が好ましい。nが大きすぎると界面活性能を示さない可能性がある。
本発明に係るアセチレン系化合物の具体例を挙げると、エアープロダクツ社製サーフィノール(登録商標)、ダイノール(登録商標);日信化学工業製オルフィン(登録商標)などが挙げられる。中でも、好ましいものとしては、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104DPM、サーフィノール104PG−50、サーフィノール104S、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノール61、ダイノール604、サーフィノール2502、サーフィノール82、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンPD−001、オルフィンPD−002W、オルフィンPD−004、オルフィンEXP4001、オルフィンEXP4036、オルフィンEXP4051Fなどが挙げられる。
なお、アセチレン系化合物は、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
アセチレン系化合物は、本発明の異方性膜用組成物において界面活性剤として機能する。したがって、このアセチレン系化合物を本発明の異方性膜用組成物に含有させることにより、本発明の異方性膜用組成物を基材に塗布する際の濡れ性が改善し、欠損の少ない異方性膜が得られる。つまり、アセチレン系化合物は、濡れ剤としての役割を有するのである。
アセチレン系化合物の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、異方性材料に対して、通常0.01重量%以上、中でも0.05重量%以上、特には0.1重量%以上、また、通常10重量%以下、中でも5重量%以下、特には1重量%以下が好ましい。アセチレン系化合物が異方性材料に対して少なすぎると均一に塗布することが困難となる可能性があり、多すぎると光学特性を劣化させる可能性がある。
また、本発明の異方性膜用組成物が溶剤を含有している場合には、溶剤に対して、アセチレン系化合物の含有量は、通常0.001重量%以上、中でも0.005重量%以上、また、通常0.1重量%以下、中でも0.05重量%以下が好ましい。アセチレン系化合物の含有量がこの範囲の下限を下回ると濡れ性の改善が期待できない可能性があり、上限を上回ると異方性膜の光学特性が低下する可能性がある。
[1−2.異方性材料]
異方性材料としては、異方性を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。また、異方性材料は、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。この異方性材料は、後述の湿式成膜法に供するためには、水や有機溶媒等の溶剤に可溶であることが好ましく、特に水溶性であることが好ましい。
また、その分子量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、塩型をとらない遊離の状態で、その分子量が200以上であるのが好ましく、300以上であるのが特に好ましく、また、1500以下であるのが好ましく、1200以下であるのが特に好ましい。
中でも、異方性材料としては、液晶性を有する材料が好ましい。そのような異方性材料の例としては、色素、透明材料などが挙げられる。
色素としては、例えば、縮合多環系色素、アゾ系色素などが挙げられる。その具体例を挙げると、米国特許第2400877号明細書、Dreyer J. F., Phys. and Colloid Chem., 1948, 52, 808., “The Fixing of Molecular Orientation”、Dreyer J. F., Jour
nal de Physique, 1969, 4, 114., “Light Polarization from Films of Lyotropic Nem
atic Liquid Crystals”、及び、J. Lydon, “Chromonics” in “Handbook of Liquid C
rystals Vol.2B: Low Molecular Weight Liquid Crystals II”, D. Demus, J. Goodby,
G. W. Gray, H. W. Spiessm, V. Vill ed, Willey-VCH, P.981-1007(1998)等に記載の色素を使用することができる。
中でも、アゾ系色素が好ましく、アゾ系色素の中でも特にジスアゾ色素或いはトリスアゾ色素が好ましい。さらに、その中でも特に、遊離酸の形が下記式(III)で表されるジスアゾ色素が特に好ましい。
Figure 2008111952
〔式(III)中、D1は、ビニル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。A1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。mは、0又は1である。〕
式(III)で表されるジスアゾ色素は、分子中の親水性基の数にもよるが、通常は水溶性の色素であり、また、通常は二色性色素である。なお、前記式(III)で表されるジスアゾ色素の分子量としては、遊離酸の形で、通常450以上、また、通常1500以下、好ましくは1100以下である。
式(III)において、D1は、ビニル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。中でも、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基であるのが好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基であるのが液晶性と溶解性の両方の面で特に好ましい。
1がフェニル基である場合には、該フェニル基はビニル基以外の置換基を有することができる。ここで、ビニル基とは、ビニル基、及びビニレン基、ビニリデン基等の置換ビニル基をも包含する基を意味するものとする。
フェニル基が有していてもよい置換基のうち、好ましい基の例としては、色素の溶解性を高めるために導入される親水性基、色調を調節するために導入される電子供与性基及び電子吸引性基、などが挙げられる。その具体例を挙げると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基等の、置換されていてもよい、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基等の、置換されていてもよい、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアミノ基;フェニルアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基等の、好ましくは炭素数2〜7のアシル基を有するアシルアミノ基;フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基等の置換カルバモイル基;カルボキシ基;スルホ基;水酸基;シアノ基などが挙げられる。これらの置換基のうち、スルホ基、水酸基、カルボキシ基が特に好ましい。なお、以上の置換基におけるアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、及びナフチル基は、更に、水酸基、スルホ基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。また、フェニル基は、これらの置換基を1つのみ有していても良く、2個以上有していてもよい。この際、フェニル基が有する置換基の数は、通常1個以上、また、通常5個以下、好ましくは2個以下である。また、置換基は、1種のみであっても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
1がナフチル基である場合には、該ナフチル基は置換基を有していてもよい。該ナフチル基が有していてもよい置換基のうち、好ましい基の例としては、溶解性を高めるために導入される親水性基、色調を調節するために導入される電子供与性基及び電子吸引性基、などが挙げられる。その具体例を挙げると、前記フェニル基が有し得る置換基と同種の基、例えば、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基;好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基;好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアミノ基;フェニルアミノ基;好ましくは炭素数2〜7のアシル基を有するアシルアミノ基;カルボキシ基;スルホ基;水酸基;シアノ基などが挙げられる。これらの置換基のうち、スルホ基、水酸基、カルボキシ基が好ましい。さらに、ナフチル基は、これらの置換基を1つのみ有していても良く、2個以上有していてもよい。この際、ナフチル基が有する置換基の数は、通常1個以上、また、通常4個以下、好ましくは2個以下である。また、置換基は、1種のみであっても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
なお、D1がナフチル基である場合、例えば1−ナフチル基、2−ナフチル基、或いは3−ナフチル基が挙げられるが、中でも2−ナフチル基或いは3−ナフチル基であることが液晶性発現濃度低下のため更に好ましい。
また、D1が1−ナフチル基である場合には、ナフチル基の3位、4位、6位、或いは8位に置換基を有していることが液晶性発現のため好ましく、特にスルホ基、カルボキシ基、シアノ基を有していることが好ましい。なお、式(III)において、D1が、3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシナフチル基の場合、R3及びR4が水素原子で、m=0であることはない。また、D1が2−ナフチル基である場合には、ナフチル基の1位、3位、4位、6位、或いは8位に置換基を有していることが液晶性発現のため好ましく、特に1位、或いは4位に置換基を有していることが好ましく、特にスルホ基を有していることが好ましい。また、D1が3−ナフチル基である場合には、ナフチル基の6位に置換基を有していることが液晶性発現のため好ましく、特にスルホ基を有していることが好ましい。
1が芳香族複素環基である場合、該芳香族複素環基のヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子等が挙げられるが、窒素原子を有する芳香族複素環基が液晶性発現濃度低下のため好ましい。芳香族複素環基の例を挙げると、ピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基などが挙げられ、好ましくはピリジル基である。
また、D1が芳香族複素環基である場合、該芳香族複素環基は置換基を有していてもよい。該芳香族複素環基が有していてもよい置換基のうち、好ましい基としては、溶解性を高めるために導入される親水性基、色調を調節するために導入される電子供与性基及び電子吸引性基、などが挙げられる。その具体例を挙げると、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基;好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基;好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアミノ基;フェニルアミノ基;好ましくは炭素数2〜7のアシル基を有するアシルアミノ基;カルボキシ基;スルホ基;シアノ基などが挙げられる。これらの置換基のうち、スルホ基、カルボキシ基が好ましい。また、芳香族複素環基は、これらの置換基を1つのみ有していても良く、2個以上有していてもよい。この際、芳香族複素環基が有する置換基の数は、通常1個以上、また、通常4個以下、好ましくは2個以下である。また、置換基は、1種のみであっても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
1の芳香族炭化水素基の具体例を挙げると、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。そのフェニレン基としては1,4−フェニレン基であるのが好ましく、ナフチレン基としては1,4−ナフチレン基であるのが好ましい。分子間相互作用により式(III)で表わされる色素を配向させ易くなるためである。
1がフェニレン基である場合、該フェニレン基が有し得る置換基としては、極性の小さい基、或いは、水素結合性を有する基が、リオトロピック液晶を形成する上での相互作用による会合性向上の点で好ましい。そのような置換基の具体例を挙げると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基等の、置換されていてもよい、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基等の、置換されていてもよい、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基;アセチル基、ベンゾイル基等の、好ましくは炭素数2〜7のアシル基を有するアシルアミノ基などが挙げられる。なお、以上の置換基におけるアルキル基、アルコキシ基は、更に、これら置換基やヒドロキシ基等の置換基を有していてもよい。また、フェニレン基は、これらの置換基を1つのみ有していても良く、2個以上有していてもよい。この際、フェニレン基が有する置換基の数は、通常1個以上、また、通常4個以下、好ましくは2個以下である。また、置換基は、1種のみであっても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
一方、A1がナフチレン基である場合、該ナフチレン基が有し得る置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基等の、置換されていてもよい、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基;水酸基;スルホ基などが、リオトロピック液晶を形成する上での相互作用による会合性向上の点で好ましい。なお、以上の置換基におけるアルコキシ基は、更に、これら置換基やヒドロキシ基等の置換基を有していてもよい。また、ナフチレン基は、これらの置換基を1つのみ有していても良く、2個以上有していてもよい。この際、ナフチレン基が有する置換基の数は、通常1個以上、また、通常4個以下、好ましくは2個以下である。また、置換基は、1種のみであっても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
前記式(III)において、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。R3及びR4がアルキル基である場合、その例としては、メチル基、エチル基等の、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。また、アルキル基及びフェニル基の有し得る置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基などが挙げられる。R3及びR4がアルキル基又はフェニル基である場合、それらのアルキル基又はフェニル基は置換基を1つのみ有していても良く、2個以上有していてもよい。また、置換基は、1種のみであっても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
これらのR1及びR2の中で、少なくとも一方が水素原子であるのが特に好ましい。
前記式(III)で表される色素は、通常、色調が黒色で高いリオトロピック液晶状態を形成することができる。したがって、湿式成膜法により形成される異方性膜用の色素として適している。また、前記式(III)で表される色素は、波長分散性が低く、その二色比も高いので、該色素を用いると高い分子配向度が得られるため、偏光特性の高い異方性膜を得ることができる。
色素は、前記式(III)で示されるような遊離酸の形のまま使用してもよく、酸基の一部が塩型を取っているものであってもよい。また、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。さらに、製造時に塩型で得られた場合はそのまま使用してもよいし、所望の塩型に変換してもよい。塩型の交換方法としては、公知の方法を任意に用いることができ、例えば以下の方法が挙げられる。
1)塩型で得られた色素の水溶液に塩酸等の強酸を混合し、色素を遊離酸の形で酸析せしめたのち、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
2)塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば塩化リチウム)を混合し、塩析ケーキの形で塩交換を行なう方法。
3)塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸の形で酸析せしめたのち、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
4)予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で処理した強酸性陽イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行なう方法。
前記塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩などが挙げられる。有機アミンの例として、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
前記式(III)で表される色素の遊離酸の形での具体例としては、例えば以下の色素No.(1)から色素No.(29)に示す構造の色素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2008111952
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前記式(III)で表されるアゾ系色素は、それ自体公知の方法に従って製造することができる。例えば前記色素No.(1)で示される色素は、下記(A)、(B)の工程で製造できる。
(A)3−アミノベンゼンスルホン酸(メタニル酸)と8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(1,7−クレーブ酸)とから常法[例えば、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日、技報堂発行)第396頁第409頁参照]に従って、ジアゾ化、カップリング工程を経てモノアゾ化合物を製造する。
(B)得られたモノアゾ化合物を同様に、常法によりジアゾ化し、7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(RR酸)とカップリング反応を行い塩化ナトリウムで塩析することにより目的の色素No.(1)が得られる。
得られた色素は、必要に応じ精製処理を行なってもよい。
なお、色素は、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。例えば、前記式(III)で表わされるアゾ系色素を使用する場合、前記アゾ系色素は単独で使用してもよく、前記式(III)で表わされる色素を2種以上併用してもよく、配向を低下させない程度に1種又は2種以上の他の色素を併用しても良い。この際、前記式(III)で表わされるアゾ系色素と併用できる色素のうち好ましいものの例を挙げると、C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 34、C.I.Direct Yellow 86、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Yellow 132、C.I.Acid Yellow 25、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 79,、C.I.Acid Orange28、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 79、C.I.Direct Red 81、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Acid Red 37、C.I.Direct Violet9、C.I.Direct Violet 35、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 57、C.I.Direct Blue 1、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 83、C.I.Direct Blue 90、C.I.Direct Green 42、C.I.Direct Green 51、C.I.Direct Green 59などが挙げられる。
一方、異方性材料のうち透明材料としては、例えば、以下のA−1〜A−21等のリオトロピック液晶性化合物などが挙げられる。なお、リオトロピック液晶性化合物とは、特定の溶媒に、特定の濃度範囲で溶解した場合に液晶性を示す化合物である(丸善株式会社、液晶便覧3p等を参照)。
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また、その他の透明材料としては、以下のB−1〜B−7の化合物等が挙げられる。これらのB−1〜B−7の化合物は、前記のリオトロピック液晶性化合物と併用することにより、リオトロピック液晶性化合物と相互作用して配向しやすいため、好ましい。
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なお、透明材料は、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、異方性材料の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。通常は、アセチレン系化合物並びに必要に応じて用いる溶剤及びその他の成分の含有量が異方性材料に対して所望の量となるように、その使用量を設定すればよい。
[1−3.溶剤]
異方性膜用組成物に含有される溶剤は、異方性材料を溶解することが可能な溶剤である。溶剤の例を挙げると、水、水混和性のある有機溶剤、或いはこれらの混合物などが適している。有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられる。
また、溶剤は、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶剤の沸点は、気圧1気圧において、通常250℃以下、中でも200℃以下、特に150℃以下が好ましい。沸点が高すぎると異方性膜の製造時に溶剤の乾燥を円滑に行なえなくなる可能性がある。
本発明の異方性膜用組成物中に占める溶剤の量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、異方性材料の溶解性や会合状態の形成濃度にも依存するが、異方性材料の濃度が、通常0.05重量%以上、中でも0.1重量%以上、また、通常50重量%以下、中でも40重量%以下、特に30重量%以下となる量だけ、溶剤を用いることが好ましい。この濃度が小さすぎると液晶を形成することが困難となる可能性があり、大きすぎると塗布時の膜厚制御が困難となる可能性がある。
[1−4.その他の成分]
本発明の異方性膜用組成物には、上記アセチレン系化合物、異方性材料および溶剤以外にも、他の材料を含有していてもよい。例えば、基材への濡れ性、塗布性などを向上させるため、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を加えることができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれも使用可能である。その使用濃度は通常0.05重量%以上、0.5重量%以下が好ましい。
さらに、本発明の異方性膜用組成物は、基材への染着性などを向上させるため、必要に応じて異方性材料の会合状態を制御するための会合制御剤を含有させることができる。その具体例を挙げると、前述の界面活性剤、アルコール類、グリコール類、尿素、塩化ナトリウム、ボウ硝等の無機塩などが挙げられる。その使用濃度は通常0.05重量%以上、30重量%以下が好ましい。
なお、その他の成分は、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[1−5.異方性膜用組成物の利点]
本発明の異方性膜用組成物は、濡れ性が良好であるため、塗布による異方性膜の製造時に、欠陥の少ない異方性膜を得ることができる。また、従来の手法により濡れ性を改善した組成物を用いて形成した異方性膜では二色比等の光学特性が不良であったが、本発明の異方性膜用組成物を用いて形成した異方性膜ではそのように光学特性が悪化しにくく、良好な光学特性を有する異方性膜が得られる。
[2.異方性膜]
本発明の異方性膜は、上記アセチレン系化合物を含有する。この異方性膜は、上述した本発明の異方性膜用組成物を用いて形成されるもので、通常、アセチレン系化合物及び異方性材料を含んで形成される。また、本発明の異方性膜は、必要に応じて、アセチレン系化合物及び異方性材料以外の成分を含んでいても良い。それらの各成分の含有比率は、通常は、上述した本発明の異方性膜用組成物と同様である。
異方性膜の製造方法に制限は無いが、例えば、本発明の異方性膜用組成物をガラス板などの各種基材表面に湿式成膜法にて成膜し、異方性膜用組成物中に含まれる異方性材料を配向、積層して得る方法などが挙げられる。
本発明の異方性膜用組成物を用いて異方性膜を形成する場合、前記の例示した方法では、異方性膜用組成物に溶剤を含有させて、本発明の異方性膜用組成物を、異方性材料を溶剤に溶解させた溶液の状態にして用いる。
異方性膜用組成物を用い、前記の例示した方法で異方性膜を形成するには、前記異方性膜用組成物を調製後、ガラス板などの各種基材に塗布し、異方性材料を配向、積層して得る方法など公知の方法が採用される。
湿式成膜法としては、例えば、原崎勇次著「コーティング工学」株式会社朝倉書店、1971年3月20日発行、253頁から277頁や、市村國宏監修「分子協調材料の創製と応用」株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行、118頁から149頁などに記載の公知の方法を用いることができる。また、例えば、あらかじめ配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、フリースパンコート法、ダイコート法などで塗布する方法も挙げられる。
塗布時の温度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0℃以上、中でも10℃以上、また、通常80℃以下、中でも60℃以下が好ましい。また、塗布時の湿度も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10%RH以上、また、通常80%RH以下が好ましい。
また、前記の例示した方法で本発明の異方性膜を形成する場合、成膜後に溶剤を乾燥、除去する。乾燥時の温度及び湿度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、湿度は通常0℃以上、中でも10℃以上、また、通常120℃以下、中でも100℃以下が好ましく、湿度は通常10%RH以上、また、通常80RH%以下が好ましい。
また、基材としては、例えば、ガラスやトリアセテート、アクリル、ポリエステル、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等を用いることができる。なお、この基材表面には、二色性色素等の異方性材料の配向方向を制御するために、「液晶便覧」丸善株式会社、平成12年10月30日発行、226頁から239頁などに記載の公知の方法により、配向処理層を施していてもよい。
このような方法で製造された異方性膜は機械的強度が低い場合もあるので、必要に応じ、保護層を設けて使用することも可能である。この保護層は、例えば、トリアセテート、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等の透明な高分子膜を積層して形成され、実用に供する。
前記の方法で基材上に形成される本発明の異方性膜の膜厚は、乾燥後の膜厚で、好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下で、好ましくは50nm以上である。この膜厚が上記下限を下回ると膜内での均一な膜厚が得にくい場合があり、上記上限を超えると膜内での異方性材料の均一な配向が得にくい場合がある。
上述した本発明の異方性膜は、二色比などの光学特性が高く、且つ、欠陥が少ないという優れた性質を有する。このような優れた利点が得られる理由は定かでないが、異方性膜用組成物にアセチレン系化合物を含有させたためであると推察される。即ち、アセチレン系化合物は、界面活性剤として機能することにより異方性膜用組成物の濡れ性を高めるため異方性膜の欠陥の発生を抑制でき、且つ、従来の界面活性剤と異なり異方性膜に含有させても二色比等の光学特性を悪化させ難いために、上記の優れた性質を得られるものと推察される。
本発明の異方性膜の具体的な光学特性の程度は用途等に応じて任意であるが、二色比としては、通常2以上、中でも5以上、特に10以上である。
本発明の異方性膜は、上記異方性膜用組成物で説明したアセチレン系化合物を含有するものであり、光吸収の異方性を利用し、直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光素子として機能するほか、膜形成プロセスと基材や異方性材料を含有する組成物の選択により、屈折率異方性や伝導異方性などの各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途に適用可能な偏光素子とすることができる。
本発明の異方性膜を偏光素子として使用する場合、前記の例示した方法で製造された異方性膜そのものを使用してもよく、また、異方性膜上に保護層、粘着層、反射防止層、位相差層など、様々な機能をもつ層を積層形成し、積層体として使用してもよい。
本発明の偏光素子は、上述した本発明の異方性膜を用いたものであるが、異方性膜のみからなる偏光素子であってもよいし、基板上に異方性膜を有する偏光素子であってもよい。基板上に異方性膜を有する偏光素子は、基板も含めて偏光素子とよぶ。
本発明の異方性膜を基板上に形成して偏光素子として使用する場合、形成された異方性膜そのものを使用してもよく、また上記のような保護層のほか、粘着層或いは反射防止層、配向膜、位相差フィルムとしての機能、輝度向上フィルムとしての機能、反射フィルムとしての機能、半透過反射フィルムとしての機能、拡散フィルムとしての機能などの光学機能をもつ層など、様々な機能をもつ層を湿式成膜法などにより積層形成して、積層体として使用してもよい。このように、本発明の偏光素子に、様々な機能をもつ層を形成した素子が、本発明の光学素子である。なお、これらの層は、1層のみを形成しても良く、2層以上を任意の組み合わせ及び順番に形成しても良い。
これら光学機能を有する層は、例えば以下の様な方法により形成することが出来る。
位相差フィルムとしての機能を有する層は、例えば特許第2841377号公報、特許第3094113号公報などに記載の延伸処理を施したり、特許第3168850号公報などに記載された処理を施したりすることにより形成することができる。
また、輝度向上フィルムとしての機能を有する層は、例えば特開2002−169025号公報や特開2003−29030号公報に記載されるような方法で微細孔を形成すること、或いは、選択反射の中心波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を重畳することにより形成することができる。
反射フィルム又は半透過反射フィルムとしての機能を有する層は、蒸着やスパッタリングなどで得られた金属薄膜を用いて形成することができる。
拡散フィルムとしての機能を有する層は、上記の保護層に微粒子を含む樹脂溶液をコーティングすることにより、形成することができる。
また、位相差フィルムや光学補償フィルムとしての機能を有する層は、ディスコティック液晶性化合物、ネマティック液晶性化合物などの液晶性化合物を塗布して配向させることにより形成することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[異方性材料の調製例]
4−アミノベンゾニトリルと8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸とから常法に従って、ジアゾ化、カップリング反応を経て、モノアゾ化合物を製造し、次いで、得られたモノアゾ化合物を、常法に従ってジアゾ化し、7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸とカップリング反応を行い、塩化ナトリウムで塩析することにより、二色性アゾ色素のナトリウム塩を得た。得られた二色性アゾ色素のナトリウム塩の水溶液をイオン交換樹脂に通した後、塩化リチウムで中和し、蒸発乾固させて、下記構造式で表わされる二色性アゾ色素リチウム塩の粉末を異方性材料として得た。
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[実施例1]
1重量%のイソプロピルアルコールを含む蒸留水にサーフィノール61(エアープロダクツ社製)が0.01重量%になるように溶解させた水溶液に、上記調製例で得られた異方性材料とアリザリンレッドSを、それぞれの濃度が21重量%と1重量%となるように蒸留水に加えた後、加熱攪拌して溶解させることにより、ネマチック液晶性の均一な異方性膜用組成物を調製した。
ガラス製基材(75mm×25mm、厚さ1.1mm)表面に膜厚約800Åのポリイミド配向膜が形成されたものを用意し、該ポリイミド配向膜を予めラビング処理した後、その上に、前記で調製した異方性膜用組成物をギャップ5μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布し自然乾燥させることにより、塗布面全面に形成された異方性膜層を得た。得られた異方性膜層を大塚電子社製RETS−100型位相差フィルム・光学材料評価装置を用いて波長670nmでの二色比を測定した結果を表1に示した。なお、表1の塗布面の外観の欄において、均一とは塗布面の外観が均一であることを表し、カスレとは塗布面の外観が擦れていることを表す。
[実施例2]
サーフィノール61の代わりにオルフィンPD601(日信化学工業社製)を使用した以外は実施例1と同様にして、塗布面全面に形成された異方性膜層を得た。得られた異方性膜層を大塚電子社製RETS−100型位相差フィルム・光学材料評価装置を用いて二色比を測定した結果を表1に示した。
[実施例3]
サーフィノール61の代わりにオルフィンEXP4036(日信化学工業社製)を使用した以外は実施例1と同様にして塗布面全面に形成された異方性膜層を得た。得られた異方性膜層を大塚電子社製RETS−100型位相差フィルム・光学材料評価装置を用いて二色比を測定した結果を表1に示した。
[比較例1]
サーフィノール61水溶液の代わりに1重量%のイソプロピルアルコールを含む蒸留水を用いた以外は実施例1と同様にして異方性膜層を得た。この膜層塗布面の半分程度はガラス基板が露出していた。得られた異方性膜層を大塚電子社製RETS−100型位相差フィルム・光学材料評価装置を用いて二色比を測定した結果を表1に示した。
[比較例2]
サーフィノール61の代わりにTriton X−100(アルドリッチ社製)を使用した以外は実施例1と同様にして異方性膜層を得た。この膜層塗布面の半分程度はガラス基板が露出していた。
[比較例3]
サーフィノール61の代わりにドデシル硫酸ナトリウム(関東化学社製)を使用した以外は実施例1と同様にして異方性膜層を得た。この膜層塗布面の半分程度はガラス基板が露出していた。
[比較例4]
サーフィノール61の代わりにニューコール707(日本乳化剤社製)を使用した以外は実施例1と同様にして異方性膜層を得た。この膜層塗布面の半分程度はガラス基板が露出していた。
Figure 2008111952
本発明は、例えば、光吸収の異方性を利用し直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光素子に用いることができる他、膜形成プロセスと基材や異方性材料を含有する異方性膜用組成物の選択により、屈折異方性や伝導異方性等の各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途の光学素子として使用することができる。

Claims (7)

  1. アセチレン系化合物及び異方性材料を含有する
    ことを特徴とする、異方性膜用組成物。
  2. さらに、溶剤を含有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の異方性膜用組成物。
  3. 該アセチレン系化合物の含有量が、該溶剤に対して0.005〜0.05重量%である
    ことを特徴とする、請求項2に記載の異方性膜用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方性膜用組成物を用いて形成された
    ことを特徴とする、異方性膜。
  5. アセチレン系化合物を含有する
    ことを特徴とする、異方性膜。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の異方性膜を備える
    ことを特徴とする、偏光素子。
  7. 請求項4又は請求項5に記載の異方性膜を備える
    ことを特徴とする、光学素子。
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