JP2007093938A - 異方性色素膜用液晶性塗布液材料、並びに異方性色素膜および光学素子の製造方法 - Google Patents

異方性色素膜用液晶性塗布液材料、並びに異方性色素膜および光学素子の製造方法 Download PDF

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Yasutsugu Yamauchi
康嗣 山内
Takeshi Fujiwara
毅 藤原
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Ryuichi Hasegawa
龍一 長谷川
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Abstract

【課題】二色比の高い、均一かつ高品質な異方性色素膜を生産性良く形成することができる液晶性塗布液材料と、この液晶性塗布液材料を用いて均一かつ高品質で高二色比の異方性色素膜を製造する方法と、この異方性色素膜を用いて耐熱性、耐光性、光学特性に優れた光学素子を製造する方法を提供する。
【解決手段】波長550nmにおける二色比が20以上である異方性色素膜を形成する異方性色素膜用の塗布液材料であって、固形分濃度が3重量%以上30重量%以下であり、かつ剪断速度10−1における定常ずり粘度が50cP以下であり、かつ剪断速度10−1以上における領域での定常ずり粘度と剪断速度の関係をべき乗則にあてはめた際のべき乗指数が0.5以上である異方性色素膜用液晶性塗布液材料。

Description

本発明は、波長550nmにおける二色比が20以上である、高二色比の異方性色素膜を形成しうる液晶性塗布液材料と、この液晶性塗布液材料を用いて形成された異方性色素膜と、この異方性色素膜を有する光学素子に関するものである。
LCD(液晶表示ディスプレイ)では、表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLED(有機ELディスプレイ)においても、外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。
従来、これらの偏光板(偏光素子)には、ヨウ素や二色性を有する有機色素を、ポリビニルアルコール等の高分子材料に溶解又は吸着させ、その膜を一方向にフィルム状に延伸して色素等を配向させることにより得られる偏光素子が広く使用されてきた。
しかしながら、このようにして製造される従来の偏光素子は、用いる色素や高分子材料によっては耐熱性や耐光性が十分でない;液晶装置製造時における膜の貼り合わせの歩留りが悪い;等の問題があった。
そのため、ガラスや透明フィルムなどの基材上に、二色性色素を含む塗布液を塗布して二色性色素を含む膜を形成し、分子間相互作用などを利用して二色性色素を配向させることにより偏光膜を製造する方法(例えば、特許文献1、2および非特許文献1、2参照)が検討されている。
偏光素子としての用途においては、より高い偏光性能を得るために、二色比の高い偏光膜が求められているが、従来の方法で製造された偏光膜は、高い二色比を得ることが出来ず、より優れた偏光性能を得ることはできないという問題点があった。
また、高い二色比の偏光膜を得るためには、従来、高粘度の塗布液を使用しており、二色比が高いもの程、高粘度な塗布液を使用せざるを得なかった。そのため、従来検討されていたようなカーテン、スライド、ロール、スプレー、ナイフ、ブレード、ワイヤーバー等の塗布方式では、均一な色素膜を形成することは極めて困難であり、膜厚のムラや塗布筋、光学特性のバラツキが発生するという問題点があった(例えば特許文献3、4,5参照)。また、高粘度な塗布液であると、塗布速度の向上が困難であり、そのため生産性が著しく低いという問題があった。さらには製造運転中の塗布液の乾燥によって凝集異物が発生し、乾き筋などの塗布ムラが発生したり、凝集物そのものが異物欠陥となるという避けがたい問題があった。
米国特許第2,400,877号明細書 特表平8−511109号公報 特開2002−180052号公報 特開2002−236211号公報 特開2002−277636号公報 Dreyer,J.F.,Phys.And Colloid Chem.,1948,52,808.,"The Fixing of Molecular Orientation" Dreyer,J.F.,Journal de Physique,1969,4,114.,"Light Polarization From Films of Lyotropic Nematic Liquid Crystals"
本発明は、二色比の高い、均一かつ高品質な異方性色素膜を生産性良く形成することができる液晶性塗布液材料と、この液晶性塗布液材料を用いて、均一かつ高品質で高二色比の異方性色素膜を製造する方法と、この異方性色素膜を用いて耐熱性、耐光性、光学特性に優れた光学素子を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、液晶性塗布液材料のレオロジー特性を改善することにより、上記課題を解決することができることを知見し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下を要旨とするものである。
[1] 波長550nmにおける二色比が20以上である異方性色素膜を形成する異方性色素膜用の塗布液材料であって、固形分濃度が3重量%以上30重量%以下であり、かつ剪断速度10−1における定常ずり粘度が50cP以下であり、かつ剪断速度10−1以上における領域での定常ずり粘度と剪断速度の関係をべき乗則にあてはめた際のべき乗指数が0.5以上であることを特徴とする、異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
[2] 色素と溶剤とを含有することを特徴とする、[1]に記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
[3] 表面張力が20mN/m以上50mN/m以下であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
[4] 蒸気圧が30Torr(約4.0kPa)以下であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
[5] 液晶化濃度範囲の下限が2重量%以上で上限が50重量%以下である色素を含有することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
[6] 液晶化濃度範囲の上限と下限の差が5重量%以上である色素を含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の液晶性塗布液材料を用いて異方性色素膜を形成することを特徴とする、異方性色素膜の製造方法。
[8] [1]〜[6]のいずれかに記載の液晶性塗布液材料を用いて形成した異方性色素膜を用いて製造することを特徴とする、異方性色素膜の製造方法。
本発明の液晶性塗布液材料によれば、塗布ムラや欠陥が少なく均一で、二色比の高い、光学特性に優れた異方性色素膜を効率よく形成することができる。また、塗布液の乾燥による凝集異物も少なく、欠陥が少ない高品質の異方性色素膜を得ることができる。
即ち、塗布液材料を
・固形分濃度が3重量%以上30重量%以下とする。
・剪断速度が10−1における定常ずり粘度が50cP以下とする。
・剪断速度が10−1以上における領域での定常ずり粘度と剪断速度の関係をべき乗則にあてはめた際のべき乗指数が0.5以上とする。
ことにより、高速塗布が容易となり、かつ膜厚均一性が確保でき、その結果、二色比が高い異方性色素膜を形成することができる(請求項1)。
さらに、表面張力を20mN/m以上50mN/m以下とすることで、塗布後のウェット膜の平坦化作用すなわちレベリング性が良好となる(請求項3)。
さらに、塗布液材料の蒸気圧を30Torr(約4.0kPa)とすることにより、塗布液の乾燥凝集による塗布筋や異物欠陥の発生を防止することができる(請求項4)。
さらには塗布液中の色素の液晶化濃度範囲の下限が2重量%以上で上限が50重量%以下とすること、また、液晶化濃度範囲の上限と下限の差が5重量%以上である色素を用いることによって、塗布液の乾燥による固形分濃度変化に起因した相変化を抑制し、液物性の安定性を確保することができる(請求項5,6)。
従って、このような本発明の液晶性塗布液材料を用いて形成された均一かつ高品質で高二色比の異方性色素膜を用いることにより、耐熱性、耐光性、光学特性に優れた光学素子およびそれを用いた表示装置を安価に提供することができる。
以下に本発明の異方性色素膜用液晶性塗布液材料、並びに異方性色素膜および光学素子の製造方法の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
尚、本発明でいう異方性色素膜とは、色素膜の厚み方向および任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向における電磁気学的性質に異方性を有する色素膜である。電磁気学的性質としては、吸収、屈折などの光学的性質、抵抗、容量などの電気的性質などが挙げられる。吸収、屈折などの光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜、位相差膜、導電異方性膜などがある。ここで、本発明の技術は特に偏光膜に用いられることが好ましい。
[液晶性塗布液材料]
本発明の異方性色素膜用液晶性塗布液材料は、波長550nmにおける二色比が20以上である異方性色素膜を形成する異方性色素膜用の塗布液材料であって、下記(1)〜(3)の条件を満たすものである。
(1) 固形分濃度が3重量%以上30重量%以下
(2) 剪断速度10−1における定常ずり粘度が50cP以下
(3) 剪断速度10−1以上における領域での定常ずり粘度と剪断速度の関係をべき乗則にあてはめた際のべき乗指数(以下、単に「べき乗指数」と称す場合がある。)が0.5以上
ここで、剪断速度10−1における定常ずり粘度とは、E型粘度計に代表される回転式の粘度計において測定される値である。
また、剪断速度とは剪断歪みの単位時間当たりの変化量にて定義される値である。
本発明におけるべき乗指数の算出方法としては、剪断応力をτ、剪断速度をD、見かけ粘度定数をμとした場合に、τ=μ×Dなる関係によって定まる指数nの値として求められる。
なお、剪断速度が10−1以上における領域としては、剪断速度が10−1以上となると一般的に慣性力の影響等が生じ、見かけ粘度定数μの測定が困難であることから、後述の実施例に示されるように、剪断速度が10−1〜10−1の領域が採用される。
{固形分}
本発明の液晶性塗布液材料は、通常、色素および溶剤を含み、またこれら以外にも必要に応じてバインダー樹脂、モノマー、硬化剤、添加剤(界面活性剤、レベリング剤、カップリング剤、pH調整剤、保湿剤等)を含んでいてもよい。
本発明の塗布液材料中の固形分とは、通常の乾燥処理によって揮発する溶剤成分以外の上記成分、即ち、色素と、必要に応じて含有されるバインダー樹脂、モノマー、硬化剤、その他添加剤(界面活性剤、レベリング剤、カップリング剤、pH調整剤、保湿剤等)等、を意味し、従って、液晶性塗布液材料の固形分濃度はこれらの合計量の濃度を意味する。
本発明の液晶性塗布液材料の固形分濃度は3重量%以上、30重量%以下であるが、5重量%以上、15重量%以下であればさらに好ましい。固形分濃度が上記上限より高いと塗布膜のレベリング性が阻害され、膜厚の不均一が生じる恐れがあり、上記下限より低いと塗布膜の乾燥時の流動ムラが生じ易くなる恐れがある。
{定常ずり粘度およびべき乗指数}
本発明の液晶性塗布液材料は、剪断速度10−1における定常ずり粘度が50cP以下であるが、より好ましくは30cP以下、さらに好ましくは20cP以下である。定常ずり粘度が上記上限より高いと、高速塗布が困難であり、また膜厚均一性が劣る傾向にある。定常ずり粘度の下限については特に制限はないが、極端に粘度が低い場合は塗布後の基材がハンドリング困難である恐れがあることから、通常1cP以上である。
本発明の液晶性塗布液材料はまた、剪断速度10−1以上における領域での定常ずり粘度と剪断速度の関係をべき乗則にあてはめた際のべき乗指数が0.5以上で、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.9以上である。べき乗指数が上記下限より低いと、高速塗布が困難であり、また膜厚均一性が劣る傾向にある。べき乗指数の上限については特に制限はないが、理想的な粘性流体であるニュートン流体に極力近いことが好ましいことから、通常1.0以下である。
本発明では、剪断速度10−1における定常ずり粘度およびべき乗指数を共に上記値とすることにより、高速塗布が容易となり、かつ膜厚均一性が確保できるので、二色比が高い異方性色素膜を形成することができる。
{表面張力}
本発明の液晶性塗布液材料は、表面張力が、好ましくは20mN/m以上、50mN/m以下、より好ましくは30mN/m以上、40mN/m以下である。液晶性塗布液材料の表面張力がこの範囲であれば、塗布後のウェット膜の平坦化作用すなわちレベリング性がさらに良好となる。
ここで、液晶性塗布液材料の表面張力とは、例えば平板法に代表される表面張力計によって測定される、室温における静的な気液界面張力の値である。
{蒸気圧}
本発明の液晶性塗布液材料は、蒸気圧が好ましくは30Torr(約4.0kPa)以下、より好ましくは20Torr(約2.7kPa)以下、さらに好ましくは10Torr(約1.3kPa)以下であることにより、塗布液の乾燥凝集による塗布筋や異物欠陥の発生を防止できる。
ここで、液晶性塗布液材料の蒸気圧は、静止法、沸点測定法などの公知の方法によって測定される、室温における飽和蒸気圧の値である。
なお、蒸気圧の下限については特に制限はないが、極端に低すぎると乾燥負荷が過大となり生産性が低下したり、残留溶媒の問題が生じやすくなる恐れがあるため通常1Torr(約0.13kPa)以上である。
{諸条件を満たす液晶性塗布液材料の調製方法}
上記諸条件を満たす液晶性塗布液材料を調製する方法としては、次のような方法が挙げられるが、何ら以下の方法に限定されない。
(i) 色素を溶剤に溶解させる工程における、攪拌方法を最適化する。例えば、プロペラ型撹拌翼の回転数を最も効率良く撹拌する様に調整し、溶剤に対する色素の投入を、低い初期濃度から初めて徐々に目標濃度に達する様に十分な時間をかけて行う。
(ii) 溶剤は通常水を主体とするが、さらに高沸点溶剤を添加して混合溶剤とする。この場合、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテル類や、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなアルキルアルコールエーテル類を用いるのが好適である。
(iii) 溶剤と適度な親和性をもった界面活性剤を適量添加する。この場合、例えば、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤等を用いることが出来るが、諸特性に影響を及ぼしにくい点で、ノニオン系界面活性剤が好適である。
{色素}
本発明の液晶性塗布液材料に含有される色素としては、通常、二色性色素が用いられる。
〈液晶化濃度範囲および色素濃度〉
本発明においては、液晶性塗布液材料中の色素の液晶化濃度範囲の下限が2重量%以上、特に5重量%以上で、上限が50重量%以下、特に40重量%以下であることが好ましく、これによって、液晶性塗布液材料の乾燥による固形分濃度変化に起因した相変化を抑制し、液物性の安定性を確保することができる(ここで、色素が2種以上含まれる場合の色素の液晶化濃度は、混合状態での合算値である。)。
上記効果をより一層確実に得るために、特に、液晶化濃度範囲の上限と下限の差が5重量%以上、特に10重量%以上であることが好ましい。
また、本発明の液晶性塗布液材料中の色素濃度としては、液晶化濃度範囲の上限に対して好ましくは2重量%以上、より好ましくは5重量%以上低いこと、液晶化濃度範囲の下限に対して好ましくは2重量%以上、より好ましくは5重量%以上高いこと、が経時的な保存安定性の観点において、さらに好ましい。
ここで、本発明で言う液晶化濃度とは、リオトロピック液晶性の色素溶液の濃度を変化させ、等方相から液晶相そして固体相へと相変化を生じる際の、液晶相を示している色素濃度のことを意味する。
また、色素濃度とは、塗布液材料中に2種以上の色素を含む場合は、その合計濃度である。
〈色素の種類〉
本発明で用いる色素は、配向制御のため、液晶相を有する色素であることが好ましい。ここで、液晶相を有する色素とは、溶剤中でリオトロピック液晶性を示す色素を意味する。
色素として、具体的には、アゾ系色素、スチルベン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、縮合多環系色素(ペリレン系、オキサジン系)等が挙げられる。これら色素の中でも、異方性色素膜中で高い分子配列をとりうるアゾ系色素が好ましい。
アゾ系色素とは、アゾ基を少なくとも1個以上持つ色素をいう。その一分子中のアゾ基の数は、色調および製造面の観点から、2以上が好ましく、6以下が好ましく、さらに好ましくは4以下である。
特に、本発明で用いる色素としては、下記一般式(1)で表される色素が好ましい。
Figure 2007093938
(上記一般式(1)おいて、
Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。
は、水素原子、水酸基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
nは、0又は1を表す。
Xは、1又は2を表す。
なお、Xが2の場合、1分子中に含まれる複数のAは、同一であっても異なっていてもよい。)
また、本発明で用いる色素としては、下記一般式(2)で表される色素も好ましい。
Figure 2007093938
(上記一般式(2)において、
Bは、置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。
は、水素原子、水酸基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
mは、0又は1を表す。
Yは、1又は2を表す。
なお、Yが2の場合、1分子中に含まれる複数のBは、同一であっても異なっていてもよい。)
さらに、本発明で用いる色素としては、下記一般式(3)で表される色素も好ましい。
Figure 2007093938
(上記一般式(3)において、
Dは、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
Eは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
pは、0又は1を表す。)
なお、本発明でいう置換基を有していてもよいとは、置換基を1以上有していてもよいことを意味する。
上記一般式(1)〜(3)で表される色素は、分子中の親水性基の数にもよるが、通常水溶性の色素であり、また、通常、二色性色素である。
前記一般式(3)において、Dが、置換基を有していてもよい芳香族複素環基である場合、芳香族複素環基のヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子等が挙げられるが、窒素原子を有する芳香族複素環基が液晶性発現濃度低下のため好ましい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基などが挙げられ、好ましくは、ピリジル基である。
前記一般式(3)において、Eの、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素基としては、具体的にはフェニレン基或いはナフチレン基が挙げられる。
フェニレン基としては1,4−フェニレン基であることが好ましく、ナフチレン基としては1,4−ナフチレン基であることが、色素どうしが相互作用を示すために好ましい。
また、前記一般式(1)〜(3)における、A,B,DおよびEのフェニレン基、ナフチレン基、芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、カルバモイル基、カルボキシ基、スルホ基、水酸基およびシアノ基が挙げられる。特に色素の溶解性を高めるために導入される親水性基や色調を調節するために導入される電子供与性基や電子吸引性を有する基が好ましい。これら置換基はさらに置換基を有していてもよく、その例としては同様にアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、カルバモイル基、カルボキシ基、スルホ基、水酸基およびシアノ基が挙げられる。
具体的には、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基等の置換基を有していてもよいアルキル基、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基等の置換基を有していてもよいアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基;
メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基等のアルキルアミノ基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアミノ基;フェニルアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基で置換されたアシルアミノ基、好ましくは炭素数2〜7のアシル基で置換されたアミノ基;等の置換基を有していてもよいアミノ基;
フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基等の置換カルバモイル基;
カルボキシ基;
スルホ基;
水酸基;
シアノ基;
等が挙げられる。
これらの置換基のうち、好ましいものはスルホ基、水酸基、カルボキシ基である。
前記一般式(1)〜(3)における、R、R、R〜Rがアルキル基である場合、該アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。該アルキル基は置換基を有していてもよい。
前記一般式(1)〜(2)における、RおよびRがアルコキシ基である場合、該アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は置換基を有していてもよい。
また、前記一般式(1)〜(3)における、R〜Rのアルキル基、アルコキシ基或いはフェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基およびスルホ基が挙げられる。
前記一般式(1)〜(3)で表される色素の分子量としては、遊離酸の形で、好ましくは450以上、好ましくは1500以下、さらに好ましくは1100以下である。
前記一般式(1)〜(3)で表される色素は、湿式成膜法により形成される異方性色素膜用の色素として適しており、また波長分散性が低く、その二色比も高いので、該色素を用いて高い分子配向度を示す異方性色素膜を得ることができる。
従って、該色素を用いた液晶性塗布液材料を異方性色素膜に使用すれば、偏光特性の高い異方性色素膜を得ることが出来る。
本発明で使用される色素は、前記一般式(1)〜(3)で示されるような遊離酸の形のものであってもよく、その酸基の一部が塩型を取っているものであってもよい。また、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。また、製造時に塩型で得られた場合はそのまま使用してもよいし、所望の塩型に変換して用いてもよい。塩型の交換方法としては、公知の方法を任意に用いることができ、例えば以下の方法が挙げられる。
1)塩型で得られた色素の水溶液に塩酸等の強酸を添加し、色素を遊離酸の形で酸析せしめたのち、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
2)塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば、塩化リチウム)を添加し、塩析ケーキの形で塩交換を行う方法。
3)塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸の形で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
4)予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で処理した強酸性陽イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行う方法。
本発明で使用される色素が、酸性基が遊離酸型をとるか、塩型を取るかは、色素のpKaと色素水溶液のpHに依存する。
上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
前記一般式(1)〜(3)で表される色素の遊離酸の形での好ましい例としては、例えば以下に示す構造の色素が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2007093938
また、本発明における色素は、塗布液材料として使用するため溶剤に可溶であることが好ましく、水溶性であることがさらに好ましい。従って、水溶性を与える置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基等の酸性基、アミノ酸基等の塩基性基、水酸基等の可溶性基を有する色素が好ましく、水溶性の高さから、特にスルホ基、カルボキシ基を有することが好ましい。
本発明において、上述したような色素は単独で使用することができるが、これらの2種以上を併用してもよく、また、配向を低下させない程度に上記例示色素以外の色素を配合して用いることもでき、これにより各種の色相を有する異方性色素膜を製造することができる。
他の色素を配合する場合の配合用色素の例としては、C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 34、C.I.Direct Yellow 86、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Yellow 132、C.I.Acid Yellow 25、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 79,C.I.Acid Orange 28、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 79、C.I.Direct
Red 81、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Acid Red 37、C.I.Direct Violet 9、C.I.Direct Violet 35、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 57、C.I.Direct Blue 1、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 83、C.I.Direct Blue 90、C.I.Direct Green 42、C.I.Direct Green 51、C.I.Direct Green 59等が挙げられる。
{溶剤}
本発明の液晶性塗布液材料に含まれる溶剤としては、水、水混和性のある有機溶剤、或いはこれらの混合物が適している。有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類などの単独又は2種以上の混合溶剤が挙げられる。
{添加剤}
本発明の液晶性塗布液材料には、さらに必要に応じて、バインダー樹脂、モノマー、硬化剤、添加剤(界面活性剤、レベリング剤、カップリング剤、pH調整剤、保湿剤等)が配合されていてもよく、特に界面活性剤、pH調整剤等の添加剤の配合により、濡れ性、塗布性を向上させることができる。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性およびノニオン性のいずれも使用可能である。その添加濃度は、目的の効果を得るために十分であって、かつ色素分子の配向を阻害しない量として、塗布液材料中の濃度として通常0.05重量%以上、0.5重量%以下が好ましい。
また、塗布液材料中での色素の造塩や凝集などの不安定性を抑制する等の目的のために、通常公知の酸、アルカリ等のpH調整剤などを、塗布液材料の構成成分の混合の前後或いは混合中のいずれかで添加してpH調整を行ってもよい。
さらに、上記以外の添加剤として、“Additive for Coating”,Edited by J.Bieleman,Willey-VCH(2000)記載の公知の添加剤を用いることもできる。
また、保湿効果を有する添加剤を配合することができる。例えばグリセリン、尿素、エチレングリコールなどが挙げられる。
さらに下地との接着性を向上させるためのカップリング剤や、表面の平坦性を向上させるためのレベリング剤を配合することが出来る。
[異方性色素膜の製造方法]
本発明の異方性色素膜の製造方法は、上述の本発明の液晶性塗布液材料を用いて形成することを特徴とし、該製造方法により得られる異方性色素膜は、波長550nmにおける二色比が20以上である異方性色素膜となりうる。
形成された異方性色素膜の二色比としては、30以上が好ましく、50以上がさらに好ましい。
異方性色素膜の二色比の測定方法としては、次のような方法を採用することができる。
即ち、ヨウ素系偏光素子を入射光学系に配した分光光度計(大塚電子社製「瞬間マルチ測光システムMCPD2000」)で、異方性色素膜の透過率を測定した後、次式により計算する。
二色比(D)=Az/Ay
Az=−log(Tz)
Ay=−log(Ty)
Tz:色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率
Ty:色素膜の偏光軸方向の偏光に対する透過率
本発明の液晶性塗布液材料によれば、高二色性を示すと共に塗膜均一性に優れた高品質の異方性色素膜を高い生産性で形成することができ、従って、このような本発明の塗布液材料を用いて形成された異方性色素膜は、高い二色性を示すと共にその安定生産性にも優れた工業的に有用な色素膜である。
本発明の異方性色素膜の製造方法では、本発明の液晶性塗布液材料を用いて好ましくは湿式成膜法により異方性色素膜を作製する。
湿式成膜法としては、本発明の液晶性塗布液材料を調製後、ガラス板などの各種基材に塗布、乾燥し、色素を配向、積層して得る方法など公知の方法が挙げられる。
{基材}
基材としては、ガラスやトリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース又はウレタン系の樹脂フィルム等が挙げられる。また、この基材表面には、色素の配向方向を制御するために、「液晶便覧」(丸善株式会社、平成12年10月30日発行)226頁〜239頁などに記載の公知の方法により、配向処理層を施しておいてもよい。
{塗布方法}
本発明の塗布液材料を基材に塗布する方法としては、原崎勇次著「コーティング工学」(株式会社朝倉書店、1971年3月20日発行)253頁〜277頁や市村國宏監修「分子協調材料の創製と応用」(株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行)118頁〜149頁などに記載の公知の方法や、例えば、予め配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法などで塗布する方法が挙げられる。この中で、特にスロットノズルによるダイコート法が、塗布膜の均一性や高速塗布性が良好であり、好ましい。
{膜厚}
本発明の製造方法で製造される異方性色素膜の膜厚は、通常乾燥後の膜厚で、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは50nm以上で、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。異方性色素膜の膜厚がこの上限を超えると、膜内で色素分子の均一な配向を得ることが難しくなるおそれがあり、下限を下回ると均一な膜厚とすることが難しくなるおそれがあるため、好ましくない。
{保護層}
本発明に係る異方性色素膜は、必要に応じ、保護層を設けて使用する。この保護層は、例えば、トリアセテート、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等の透明な高分子膜によりラミネーションして形成され、実用に供される。
{用途}
本発明に係る異方性色素膜は、光吸収の異方性を利用し直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光膜として機能する他、膜形成プロセスと基材や色素を含有する組成物の選択により、屈折異方性や伝導異方性などの各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途に使用可能な偏光素子とすることができる。
本発明の液晶性塗布液材料をLCDやOLEDなどの各種の表示素子に偏光フィルター等として用いる場合には、これらの表示素子を構成する電極基板などに直接異方性色素膜を形成したり、本発明により異方性色素膜を形成した基材をこれら表示素子の構成部材として用いれば良い。
[光学素子の製造方法]
本発明の光学素子の製造方法は、上述した本発明の異方性色素膜を用いて製造するものであるが、この光学素子は、異方性色素膜のみからなる光学素子であってもよいし、基板上に異方性色素膜を有する光学素子であってもよい。基板上に異方性色素膜を有する光学素子は、基材も含めて光学素子とよぶ。
本発明の方法により異方性色素膜を基板上に形成して偏光素子等の光学素子として使用する場合、形成された異方性色素膜そのものを使用してもよく、また上記の様な保護層のほか、粘着層或いは反射防止層、配向膜、位相差フィルムとしての機能、輝度向上フィルムとしての機能、反射フィルムとしての機能、半透過反射フィルムとしての機能、拡散フィルムとしての機能などの光学機能をもつ層など、様々な機能をもつ層を湿式成膜法などにより積層形成し、積層体として使用してもよい。
これら光学機能を有する層は、例えば以下の様な方法により形成することが出来る。
位相差フィルムとしての機能を有する層は、例えば特許第2841377号公報、特許第3094113号公報などに記載の延伸処理を施したり、特許第3168850号公報などに記載された処理を施したりすることにより形成することができる。
また、輝度向上フィルムとしての機能を有する層は、例えば特開2002−169025号公報や特開2003−29030号公報に記載されるような方法で微細孔を形成すること、或いは、選択反射の中心波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を重畳することにより形成することができる。
反射フィルム又は半透過反射フィルムとしての機能を有する層は、蒸着やスパッタリングなどで得られた金属薄膜を用いて形成することができる。
拡散フィルムとしての機能を有する層は、上記の保護層に微粒子を含む樹脂溶液をコーティングすることにより、形成することができる。
また、位相差フィルムや光学補償フィルムとしての機能を有する層は、ディスコティック液晶性化合物、ネマティック液晶性化合物などの液晶性化合物を塗布して配向させることにより形成することができる。
本発明に係る異方性色素膜は、ガラスなどの高耐熱性基板上に直接形成することが可能であり、高耐熱性の偏光素子を得ることができるという点から、液晶ディスプレーや有機ELディスプレーだけでなく液晶プロジェクタや車載用表示パネル等、高耐熱性が求められる用途に好適に使用することができる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。以下において「部」は「重量部」を示す。
また、二色比(D)は、ヨウ素系偏光素子を入射光学系に配した分光光度計(大塚電子社製「瞬間マルチ測光システムMCPD2000」)で、異方性色素膜の透過率を測定した後、次式により計算した。
二色比(D)=Az/Ay
Az=−log(Tz)
Ay=−log(Ty)
Tz:色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率
Ty:色素膜の偏光軸方向の偏光に対する透過率
(実施例1)
水79部に下記例示色素(I)のLi塩20部と下記例示色素(II)1部を撹拌溶解させて、表1に示す物性の色素溶液を得た。
Figure 2007093938
Figure 2007093938
基材として0.7mm厚みの無アルカリガラスAN100(旭硝子社製)を使用し、この色素溶液を塗布速度が20mm/sかつウェット膜厚が3μmの塗布条件で、枚葉式のスロットダイ装置により基材上に塗布し、次いで減圧乾燥装置にて真空度1Torr(約0.13kPa)で約20秒間乾燥することにより、ドライ厚みで約0.4μmの均一な異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比は約25であり、高い二色比が得られることがわかった。
(実施例2)
水80部に上記例示色素(I)のLi塩19部と上記例示色素(II)1部を撹拌溶解させて、表1に示す物性の色素溶液を得た。
実施例1と同様の基材を使用し、この色素溶液を塗布速度が30mm/sかつウェット膜厚が3μmの塗布条件で、枚葉式のスロットダイ装置により基材上に塗布し、次いで減圧乾燥装置にて真空度1Torr(約0.13kPa)で約20秒間乾燥することにより、ドライ厚みで約0.4μmの均一な異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比は約22であり、高い二色比が得られることがわかった。
(比較例1)
水73部に上記例示色素(I)のLi塩26部と上記例示色素(II)1部を撹拌溶解させて、表1に示す物性の色素溶液を得た。
この色素溶液を用いて、実施例1と同様の条件にて塗布を実施したが、ストライプ状のムラ筋が発生し、均一な異方性色素膜を得ることが出来なかった。
(比較例2)
水46部およびイソプロピルアルコール30部に上記例示色素(I)のLi塩23部と上記例示色素(II)1部を撹拌溶解させて、表1に示す物性の色素溶液を得た。
実施例1と同様の基材を使用し、この色素溶液を塗布速度が10mm/sかつウェット膜厚が3μmの塗布条件で、枚葉式のスロットダイ装置により基材上に塗布したところ、時間が経つにつれ膜厚ムラや塗布筋が激しくなり、約10分後にノズルが閉塞して吐出不能となった。かろうじて均一に塗布できた基板について、減圧乾燥装置にて真空度1Torr(約0.13kPa)で約20秒間乾燥することにより、ドライ厚みで約0.4μmの異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の二色比は約5であり、実施例1および2と比較して二色比は低かった。
実施例1、実施例2および比較例1、比較例2の結果を表1にまとめる。
表1より、本発明によれば、高速かつ良好な塗布均一性で二色比の高い異方性色素膜を形成することができることが分かる。
Figure 2007093938

Claims (8)

  1. 波長550nmにおける二色比が20以上である異方性色素膜を形成する異方性色素膜用の塗布液材料であって、
    固形分濃度が3重量%以上30重量%以下であり、
    かつ剪断速度10−1における定常ずり粘度が50cP以下であり、
    かつ剪断速度10−1以上における領域での定常ずり粘度と剪断速度の関係をべき乗則にあてはめた際のべき乗指数が0.5以上であることを特徴とする、異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
  2. 色素と溶剤とを含有することを特徴とする、請求項1に記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
  3. 表面張力が20mN/m以上50mN/m以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
  4. 蒸気圧が30Torr(約4.0kPa)以下であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
  5. 液晶化濃度範囲の下限が2重量%以上で上限が50重量%以下である色素を含有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
  6. 液晶化濃度範囲の上限と下限の差が5重量%以上である色素を含有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の異方性色素膜用液晶性塗布液材料。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液晶性塗布液材料を用いて異方性色素膜を形成することを特徴とする、異方性色素膜の製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液晶性塗布液材料を用いて形成した異方性色素膜を用いて製造することを特徴とする、光学素子の製造方法。
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