JP2008020908A - 異方性色素膜用色素 - Google Patents

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Abstract

【課題】調光素子、液晶素子、有機エレクトロルミネッセンス素子などの表示素子に具備される異方性色素膜などに有用なアゾ色素を提供する。
【解決手段】遊離酸の形が、下記式(1)で表される異方性色素膜用色素。
Figure 2008020908

(Aは、カルバモイル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。Bは、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。RおよびRは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Dは、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。mは0または1を表し、nは0または1を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、調光素子や液晶素子(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)などの発光型の表示素子、タッチパネルなどの入出力素子に具備される偏光板等に使用される異方性色素膜用色素に関するものである。
LCDでは、表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光膜や円偏光膜が用いられている。OLEDなどの発光型表示素子やタッチパネルなどの入出力素子においても、外光の反射防止のために円偏光膜が使用されている。
従来、これらの偏光膜(異方性色素膜)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために、偏光膜に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。そのため、有機系色素を二色性物質として使用する偏光膜が検討されている。
そのような偏光膜の製造方法の一つとして、例えば、特許文献1では、二色性を有する有機系色素を、ポリビニルアルコール等の高分子材料に溶解または吸着させ、一方向にフィルム状に延伸させることにより色素を配向させて、偏光膜を得る方法が挙げられている。
また、別の方法として、例えば、特許文献2では、ガラスや透明フィルムなどの基板上に、湿式成膜法を用いて色素を含む膜を形成し、分子間相互作用などを利用して色素を配向させることにより偏光膜を得る方法が挙げられている。
しかしながら、いずれの方法においても、有機系色素を用いた偏光膜は、色素の改良により偏光度の向上が試みられているものの、ヨウ素を二色性物質に用いた偏光板と比べて、二色比が低い、単体透過率や平行透過率が低いなど、偏光膜として使用するための十分な光学性能が得られないという問題点があった。
さらに、ポリビニルアルコールを用いた偏光膜は、液晶テレビなどの大型表示素子やカーナビゲーション用モニターなどの高温時の耐久性が必要とされる車載用表示素子においては、額縁故障あるいは額縁むらと呼ばれる、温湿度変化に伴うフィルムの収縮などが原因となる欠陥が生じる問題があり、この問題を解決する変性ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール誘導体)などの高分子材料と二色性物質との組み合わせが重要となってきている。
特開平3−12606号公報 特表平8−511109号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決する、偏光膜などの異方性色素膜に有用な、二色比の高い有機系色素を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、p−アミノベンゾイルJ酸のアミノ基をさらにジアゾ化し、アゾ基で伸長した特定構造のアゾ色素が、偏光膜に使用する有機系色素として有用であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、遊離酸の形が、下記式(1)で表されることを特徴とする、異方性色素膜用色素、に存する。
Figure 2008020908
(式(1)中、Aは、カルバモイル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
は、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
は、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
mは0または1を表し、nは0または1を表す。)
前記式(1)で表される本発明の異方性色素膜用色素は、直線性に優れており、吸収異方性の観点から異方性色素膜、特に偏光機能を必要とする偏光膜に有用である。さらに、色素の主軸(遷移モーメント軸)の末端基や側方置換基の種類や組み合わせを選択することで、色素と高分子材料や色素同士の分子間相互作用を任意に制御することが可能である。また、本発明の色素は、耐熱性にも優れていることから、耐熱性が必要とされる種々の用途の異方性色素膜に用いることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
本発明でいう異方性色素膜とは、色素膜の厚み方向および任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向における電磁気学的性質に異方性を有する色素膜である。電磁気学的性質としては、吸収、屈折などの光学的性質、抵抗、容量などの電気的性質などが挙げられる。吸収、屈折などの光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜、位相差膜、導電異方性膜などがある。
本発明でいう色素膜とは、色素を含有する層を指し、通常、さらに低分子材料および/または高分子材料を含有する層をいい、例えば色素のみから構成される層であってもよい。
本発明の異方性色素膜用色素を用いて製造された異方性色素膜は、主たる効果として吸収異方性を有する機能性膜に用いられることが好ましく、偏光膜、位相差膜、導電異方性膜に用いられることが好ましく、偏光膜に用いられることがより好ましい。
尚、本発明において置換基を有していてもよいとは、置換基を1以上有していてもよいことを意味する。
[異方性色素膜用色素]
本発明の異方性色素膜用色素は、遊離酸の形が下記式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2008020908
(式(1)中、Aは、カルバモイル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
は、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
は、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
mは0または1を表し、nは0または1を表す。)
<A
は、カルバモイル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表し、好ましくはカルバモイル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基である。フェニル基の場合には、アゾ基に対してパラ位にカルバモイル基以外の置換基を有することが好ましい。
該置換基としては、スルホ基、カルボキシ基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられ、溶液の安定性から好ましくはスルホ基、カルボキシ基である。Aはこれらの置換基を1つ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。
該置換基を有していてもよいアルキル基としては、通常、炭素数が1以上、6以下、好ましくは3以下のアルキル基である。該アルキル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基等が挙げられ、特に置換基を有していてもよい低級アルキル基が好ましい。
該置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、炭素数が1以上、4以下、好ましくは3以下のアルコキシ基である。該アルコキシ基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、2,3−ジヒドロキシプロポキシ基等の置換基を有していてもよいアルコキシ基が挙げられ、特に置換基を有していてもよい低級アルコキシ基が好ましい。
該置換基を有していてもよいアミノ基としては、通常、−NH、−NHR11、−NR1213、−NHCOR14で表され、R11〜R14はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。該アルキル基は、炭素数が通常1以上、通常4以下、好ましくは2以下である。該アルキル基および該フェニル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
<B
は、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。該フェニレン基としては、ベンゼン環の1位と4位にアゾ基が結合する1,4−フェニレン基が好ましい。また、該ナフチレン基としては、ナフタレン環の1位と4位にアゾ基が結合する1,4−ナフチレン基が好ましい。
該置換基としては、スルホ基、カルボキシ基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられ、溶液の安定性から好ましくはスルホ基である。これらの置換基の具体例は、上記Aが有していてもよい置換基として記載したものと同様である。Bはこれらの置換基を1つ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。
<RおよびR
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表すが、特に好ましくは、水素原子である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子などが挙げられる。
置換基を有していてもよいアミノ基としては、通常、−NH、−NHR111、−NR112113、−NHCOR114で表され、R111〜R114はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。該アルキル基は、炭素数が通常1以上、通常4以下、好ましくは2以下である。該アルキル基および該フェニル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びハロゲン原子などが挙げられる。アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
該置換基を有していてもよいアルキル基は、通常、炭素数が1以上、4以下、好ましくは3以下のアルキル基である。該アルキル基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
該置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、通常、炭素数が1以上、4以下、好ましくは3以下のアルコキシ基である。該アルコキシ基に置換していてもよい基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、2,3−ジヒドロキシプロポキシ基等の置換基を有していてもよいアルコキシ基が挙げられる。
<D
は、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表し、好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基である。
該置換基としては、スルホ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
該置換基を有していてもよいカルバモイル基に置換していてもよい基としては、置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。置換基を有していてもよいカルバモイル基の具体例としては、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基が挙げられる。
該置換基を有していてもよいスルファモイル基に置換していてもよい基としては、置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。置換基を有していてもよいスルファモイル基の具体例としては、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基が挙げられる。
該置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基の具体例は、上記Aが有していてもよい置換基として記載したものと同様である。
は、これらの置換基を1つ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。
は、下記式(2)または(3)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 2008020908
(式(2)中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または置換基を有していてもよいスルファモイル基を表す。
は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
は、水素原子、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。)
(R
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または置換基を有していてもよいスルファモイル基を表す。これら具体例は、上記Dが有していてもよい置換基として例示したものと同様である。
(R
は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。これら具体例は、上記Dが有していてもよい置換基として例示したものと同様である。
(R
は、水素原子、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。これら具体例は、上記Dが有していてもよい置換基として例示したものと同様である。
Figure 2008020908
(式(3)中、Rは、水酸基またはアミノ基を表す。Rは、アゾ基がナフタレン環の1位に置換する場合は2位または4位に置換し、アゾ基がナフタレン環の2位に置換する場合は1位に置換する。
は、水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、炭素数1〜7のアシルアミノ基または置換基を有していてもよいフェニルアミノ基を表す。
は、水素原子、カルボキシ基または炭素数1〜2のアルコキシ基を表す。
pは0または1を表し、qは0、1または2を表す。)
(R
は、アゾ基がナフタレン環の1位に置換する場合は2位または4位に置換し、アゾ基がナフタレン環の2位に置換する場合は1位に置換する、水酸基またはアミノ基を表す。
(R
は、水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、炭素数1〜7のアシルアミノ基または置換基を有していてもよいフェニルアミノ基を表す。フェニルアミノ基が有していてもよい置換基としては、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
(p,q)
pは0または1を表し、好ましくは1である。
qは0,1または2を表し、好ましくは0、1である。
<n>
nは、0または1を表すが、好ましくは0である。
<m>
mは、0または1を表すが、好ましくは1である。
<分子量>
式(1)で表される異方性色素膜用色素(以下、「本発明の色素」という)の分子量は、遊離酸の形で、1500以下が好ましく、1200以下がさらに好ましい。
<水溶性>
本発明の色素は、通常、水溶性の色素である。
<塩型>
本発明の色素は、前記式(1)で表される遊離酸の形(遊離酸型)のまま使用してもよく、酸基の一部が塩型を取っているものであってもよい。また、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。また、製造時に塩型で得られた場合はそのまま使用してもよいし、所望の塩型に変換してもよい。
塩型の交換方法としては、公知の方法を任意に用いることができ、例えば以下の方法が挙げられる。
1) 塩型で得られた色素の水溶液に塩酸等の強酸を添加し、色素を遊離酸の形で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
2) 塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば、塩化リチウム)を添加し、塩析ケーキの形で塩交換を行う方法。
3) 塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸の形で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
4) 予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で処理した強酸性陽イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行う方法。
また、本発明の色素の酸性基が遊離酸型をとるか、塩型を取るかは、色素のpKaと色素溶液のpHに依存する。そのため、本発明の色素の酸性基は、遊離酸型、いずれの塩型、酸性基が2つ以上ある場合には遊離酸型と塩型の混合または2種類以上の塩型の混合など、さまざまな型を取りうる。特に、異方性色素膜中での色素の酸性基は、後述する異方性色素膜用組成物の好ましいpHや異方性色素膜用色素を含んだ基材の解離性の塩を含む溶液での処理の影響を受けて、異方性色素膜を作成する工程で用いたものとは異なる塩型をしていることもありうる。
上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、または有機アミンの塩が挙げられる。
有機アミンの例として、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン等が挙げられる。
これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。また、化合物の一分子内に複数種混在してもよいし、組成物中に複数種混在していてもよい。
本発明の色素の酸性基の好ましい型としては、色素の製造工程、後述する異方性色素膜用組成物の内容や好ましいpHなどによって異なるが、水に対して高溶解度が必要な場合(例えば、基材への色素移行能を高めるため、異方性色素膜用組成物中において高い色素濃度が必要な場合など)には、リチウム塩、トリエチルアミン塩、水溶性基が置換した有機アミン塩またはこれらの塩を1以上有することが好ましい。一方、水に対して低溶解度が必要な場合(例えば、色素製造工程において色素溶液から該色素を析出させたい場合など)には、遊離酸の型、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩またはこれらの塩を1以上有することが好ましい。
<具体例>
本発明の色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の具体例は、遊離酸の形で記載する。
Figure 2008020908
Figure 2008020908
Figure 2008020908
Figure 2008020908
<製造方法>
本発明の色素は、それ自体周知の方法に従って製造することができる。
例えば上記のNo.(1−1)で示される色素は、下記の工程で製造することができる。
即ち、4−アミノアゾベンゼン−4′−スルホン酸ナトリウムを、常法[例えば、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日、技報堂発行)第396頁第409頁参照]に従ってジアゾ化し、p−アミノベンゾイルJ酸に縮合させ、得られたジスアゾ化合物を更にジアゾ化し、再度サリチル酸に縮合させることにより、目的の色素No.(1−1)が得られる。
[異方性色素膜用組成物]
本発明の色素を含む異方性色素膜を製造するにあたって、本発明の色素を含む異方性色素膜用組成物を用いることができる(以下、本発明の異方性色素膜用組成物と言う場合がある)。本発明の異方性色素膜用組成物は、本発明の色素と溶剤を含有し、通常、色素が溶剤に溶解もしくは分散されたものである。
なお、本発明の異方性色素膜用組成物中または以下に詳述する異方性色素膜において、本発明の色素は1種を単独で使用することができるが、異なる本発明の色素や他の二色性物質を組み合わせて使用することもできる。更には配向を低下させない程度に紫外線吸収色素や近赤外線吸収色素などの他の色素と混合して用いることもできる。このようにすることにより、各種の色相を有する異方性色素膜を製造することができる。
本発明の異方性色素膜用組成物に使用される溶剤としては、水、水混和性のある有機溶剤、或いはこれらの混合物が適している。有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類等の単独または2種以上の混合溶剤が挙げられる。
異方性色素膜用色素組成物がこのような溶剤を含む溶液である場合、異方性色素膜用色素組成物中の色素の濃度としては、色素の溶解性や会合状態の形成濃度にも依存するが、好ましくは0.0001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、特に好ましくは0.05重量%以上、最も好ましくは0.1重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
また、本発明の異方性色素膜用組成物は、色素の溶解性、基材への濡れ性、塗布性などを向上させるため、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を加えることができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれも使用可能である。その添加濃度は、目的の効果を得るために十分であって、かつ色素分子の配向を阻害しない量として、異方性色素膜用色素組成物中の濃度として通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、通常10重量%以下、好ましくは0.5重量%以下がより好ましい。
さらに、本発明の異方性色素膜用組成物は、基材への染着性などを向上させるため、必要に応じて色素の会合状態を制御するための会合制御剤を加えることができる。具体的には、前述の界面活性剤、アルコール類、グリコール類、尿素、塩化ナトリウム、ボウ硝等の無機塩などを加えることができる。その添加濃度は、通常、異方性色素膜用組成物中の濃度として0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、通常30重量%以下が好ましい。
[異方性色素膜]
本発明の異方性色素膜用色素を用いて、異方性色素膜を製造することができる(以下、本発明の異方性色素膜用色素を用いて製造された異方性色素膜を「本発明の異方性色素膜」と言う場合がある)。
本発明の異方性色素膜は、本発明の色素の他に、必要に応じて、他の構造の色素や上記のような界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。もちろん、本発明の異方性色素膜用色素で表される色素同士を組み合わせて含有していてもよい。
本発明の異方性色素膜の作製方法としては、
(a)延伸したポリビニルアルコールなどの高分子基材を、色素を含有する溶液(異方性色素膜用組成物)等で染色する方法または、ポリビニルアルコールなどの高分子基材を、色素を含有する溶液(異方性色素膜用組成物)等で染色した後、延伸する方法
(b)ポリビニルアルコールなどの高分子基材を、色素を含有する溶液(異方性色素膜用組成物)等の溶液に溶解し、フィルム状に成膜した後に延伸する方法
(c)色素を適当な溶剤に溶解して、異方性色素膜用組成物を調製し、この異方性色素膜用組成物を用いてガラス板などの各種基材表面に湿式成膜法にて成膜し、組成物中に含まれる色素を配向、積層して得る方法
など公知の方法が挙げられる。
本発明の色素を用いて、異方性色素膜を形成する場合、例えば前記(a)〜(c)のいずれの方法においても、色素を適当な溶剤に溶解して使用する。溶剤としては、前記異方性色素膜用組成物に含有する溶剤が挙げられる。
本発明の色素を用い、前記(c)の方法で異方性色素膜を形成するには、前記異方性色素膜用組成物を調製後、ガラス板などの各種基材にこれを湿式成膜法し、色素を配向、積層して異方性色素膜を得る方法など公知の方法が採用される。
具体的に、湿式成膜法としては、原崎勇次著 「コーティング工学」 株式会社朝倉書店、1971年3月20日発行、253頁から277頁や市村國宏監修「分子協調材料の創製と応用」株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行、118頁から149頁などに記載の公知の方法や、例えば、予め配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、フリースパンコート法、ダイコート法などで塗布することが挙げられる。
湿式成膜時の温度は、好ましくは0℃以上、80℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。乾燥時の温度は好ましくは0℃以上、120℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。
ここで使用される基材として、ガラスやトリアセテート、アクリル、ポリエステル、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等が挙げられる。また、この基材表面には、二色性色素の配向方向を制御するために、「液晶便覧」丸善株式会社、平成12年10月30日発行、226頁から239頁などに記載の公知の方法により、配向処理層を施していてもよい。
このような方法で製造された異方性色素膜は機械的強度が低い場合もあるので、必要に応じ、保護層を設けて実用に供する。この保護層は、例えば、トリアセテート、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等の透明な高分子膜を積層して形成される。
本発明の異方性色素膜、特に前記(c)の方法で基材上に形成される異方性色素膜の膜厚は、通常乾燥後の膜厚で好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下、最も好ましくは10μm以下で、好ましくは50nm以上である。この膜厚が上記下限を下回ると膜内での均一な膜厚が得にくく、上記上限を超えると膜内での色素分子の均一な配向が得にくい。
なお、前記(a)の方法における色素溶液で染色する基材や、前記(b)の方法において色素とともに延伸されてなる基材としては、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールなど、色素との親和性の高い高分子材料が好ましい。
ポリビニルアルコールの種類としては、一般的に高分子量かつ高ケン化度のものが、偏光度や二色性などの光学特性の観点から好ましいが、温湿度による収縮による欠陥を抑止することや光学特性と耐環境性能の両立を図るなどの目的から、二色性物質の種類とポリビニルアルコールのケン化度や変性度(疎水性共重合成分比)を適宜調整したポリビニルアルコール誘導体を選択することができる。
高分子材料と色素の相互作用を制御する具体的手法としては、高分子材料と色素の各々にプロトン供与性の−OH,−NH,−NHR,−NHCO−,−NHCONH−などに対し、プロトン受容性の−N=N−,−OH,−NH,−NRR′,−OR,−CN,−C≡C−およびフェニル基やナフチル基などの芳香環を官能基として組み合わせることにより、有効なものにすることができる(RおよびR′は任意の置換基)。さらに官能基の密度を調整することで、二色性や染着性の向上に効果が得られる。
前記(a)及び(b)の方法における、染色及び成膜並びに延伸は、一般的な下記の方法で行うことができる。
上記の異方性色素膜用組成物及び必要に応じて塩化ナトリウム、ボウ硝等の無機塩、界面活性剤等の染色助剤を加えた染浴中に、通常35℃以上、通常80℃以下で、通常10分以下、高分子フィルムを浸漬して染色し、次いで必要に応じてホウ酸処理し、乾燥する。あるいは、高分子重合体を水及び/又はアルコール、グリセリン、ジメチルホルムアミド等の親水性有機溶媒に溶解し、異方性色素膜用組成物を添加して原液染色を行い、この染色原液を流延法、溶液塗布法、押出法等により成膜して染色フィルムを作成する。溶媒に溶解させる高分子重合体の濃度としては、高分子重合体の種類によっても異なるが、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上程度で、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下程度である。また、溶媒に溶解する色素の濃度としては、高分子重合体に対して通常0.1重量%以上、好ましくは0.8重量%以上程度で、通常5重量%以下、好ましくは2.5重量%以下程度である。
上記のようにして染色及び成膜して得られた未延伸フィルムは、適当な方法によって一軸方向に延伸する。延伸処理することによって色素分子が配向し、二色性が発現する。一軸に延伸する方法としては、湿式法にて引っ張り延伸を行う方法、乾式法にて引っ張り延伸を行う方法、乾式法にてロール間圧縮延伸を行う方法等があり、いずれの方法を用いて行ってもよい。延伸倍率は2倍以上、9倍以下にて行われるが、高分子重合体としてポリビニルアルコール及びその誘導体を用いた場合は2.5倍以上、6倍以下の範囲が好ましい。
延伸配向処理したあとで、該延伸フィルムの耐水性向上と偏光度向上の目的でホウ酸処理を実施する。ホウ酸処理により、異方性色素膜の光線透過率と偏光度が向上する。ホウ酸処理の条件としては、用いる親水性高分子重合体及び色素の種類によって異なるが、一般的にはホウ酸濃度としては、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上程度で、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下程度である。また、処理温度としては通常30℃以上、好ましくは50℃以上で、通常80℃以下の範囲にあることが望ましい。ホウ酸濃度が1重量%未満であるか、処理温度が30℃未満の場合は、処理効果が小さく、また、ホウ酸濃度が15重量%を超えるか、処理温度が80℃以上を超える場合は異方性色素膜がもろくなり好ましくない。
(a)及び(b)の方法により得られる異方性色素膜の膜厚は通常50μm以上、特に80μm以上で、200μm以下が好ましく、特に100μm以下であることが好ましい。
異方性色素膜は、光吸収の異方性を利用し、直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光膜として機能するほか、膜形成プロセスと基材や色素を含有する組成物の選択により、屈折率異方性や伝導異方性などの各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途に適用可能な偏光素子とすることができる。
本発明の異方性色素膜を偏光素子として使用する場合、前記(a)〜(c)に代表される方法で作成された異方性色素膜そのものを使用してもよく、また該色素膜上に保護層、粘着層、反射防止層、位相差層など、様々な機能をもつ層を積層形成し、積層体として使用してもよい。
この偏光素子は、上述した本発明の異方性色素膜のみからなる偏光素子であってもよいし、基板上に本発明の異方性色素膜を有する偏光素子であってもよい。基板上に異方性色素膜を有する偏光素子は、基板も含めて偏光素子とよぶ。
本発明の異方性色素膜を基板上に形成して偏光素子として使用する場合、形成された異方性色素膜そのものを使用してもよく、また上記の様な保護層のほか、粘着層或いは反射防止層、配向膜、位相差フィルムとしての機能、輝度向上フィルムとしての機能、反射フィルムとしての機能、半透過反射フィルムとしての機能、拡散フィルムとしての機能などの光学機能をもつ層など、様々な機能をもつ層を湿式成膜法などにより積層形成し、積層体として使用してもよい。
これら光学機能を有する層は、例えば以下の様な方法により形成することが出来る。
位相差フィルムとしての機能を有する層は、例えば特許第2841377号公報、特許第3094113号公報などに記載の延伸処理を施したり、特許第3168850号公報などに記載された処理を施したりすることにより形成することができる。
また、輝度向上フィルムとしての機能を有する層は、例えば特開2002-169025号公報や特開2003-29030号公報に記載されるような方法で微細孔を形成すること、或いは、選択反射の中心波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を重畳することにより形成することができる。
反射フィルム又は半透過反射フィルムとしての機能を有する層は、蒸着やスパッタリングなどで得られた金属薄膜を用いて形成することができる。
拡散フィルムとしての機能を有する層は、上記の保護層に微粒子を含む樹脂溶液をコーティングすることにより、形成することができる。
また、位相差フィルムや光学補償フィルムとしての機能を有する層は、ディスコティック液晶性化合物、ネマティック液晶性化合物などの液晶性化合物を塗布して配向させることにより形成することができる。
本発明の異方性色素膜用色素を用いた異方性色素膜は、高い二色性を示し、基材への染着性にも優れ、高耐熱性の偏光素子を得ることができるという点から、液晶ディスプレーや有機ELディスプレーだけでなく液晶プロジェクタや車載用表示パネル等、高耐熱性が求められる用途に好適に使用することができる。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例中、二色比は、プリズム偏光子を入射光学系に配した分光光度計で異方性色素膜の透過率を測定した後、次式により計算した。
二色比(D)=Az/Ay
Az=−log(Tz)
Ay=−log(Ty)
Tz:色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率
Ty:色素膜の偏光軸方向の偏光に対する透過率
(実施例1)
水90重量部に下記色素(1−1)のナトリウム塩0.05重量部と、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:GL−05)10重量部を加えて、水浴中で撹拌溶解後、厚さ約1mmに展開、乾燥することにより、色素含有のポリビニルアルコール(PVA)フィルムを得た。
このPVAフィルムを5重量%のホウ酸水溶液に浸漬後、3倍に引き伸ばして異方性色素膜を得た。
この異方性色素膜は極大吸収波長(λmax)が526nmであり、高い二色比を有し、高温・高湿の状態で長時間にわたる耐久性を示した。
Figure 2008020908
(実施例2)
上記色素(1−1)のナトリウム塩を、下記色素(1−2)のナトリウム塩に変更した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により、色素含有のポリビニルアルコール(PVA)フィルムを得た。
このPVAフィルムを5重量%のホウ酸水溶液に浸漬後、3倍に引き伸ばして異方性色素膜を得た。
この異方性色素膜は極大吸収波長(λmax)が537nmであり、高い二色比を有し、高温・高湿の状態で長時間にわたる耐久性を示した。
Figure 2008020908
(実施例3)
上記色素(1−1)のナトリウム塩を、下記色素(1−12)のナトリウム塩に変更した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により、色素含有のポリビニルアルコール(PVA)フィルムを得た。
このPVAフィルムを5重量%のホウ酸水溶液に浸漬後、3倍に引き伸ばして異方性色素膜を得た。
この異方性色素膜は極大吸収波長(λmax)が468nmであり、高い二色比を有し、高温・高湿の状態で長時間にわたる耐久性を示した。
Figure 2008020908
(実施例4)
上記色素(1−1)のナトリウム塩を、下記色素(1−5)のナトリウム塩に変更した以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により、色素含有のポリビニルアルコール(PVA)フィルムを得た。
このPVAフィルムを5重量%のホウ酸水溶液に浸漬後、3倍に引き伸ばして異方性色素膜を得た。
この異方性色素膜は極大吸収波長(λmax)が526nmであり、高い二色比を有し、高温・高湿の状態で長時間にわたる耐久性を示した。
Figure 2008020908
(実施例5)
蒸留水100重量部に下記色素(1−1)のナトリウム塩0.05重量部と無水硫酸ナトリウム0.02重量部を加えて攪拌溶解し、染色液とした。日本合成化学工業社製のポリビニルアルコールフィルム(OPLフィルム)を、50℃のこの染色液に表1に記載した時間浸漬して染色し、50℃の水浴で余剰の染料を洗浄した後、50℃の4重量%ホウ酸水溶液中で6倍に延伸した。延伸後、室温の水浴中で余剰のホウ酸を洗浄し、送風乾燥することで異方性色素膜を得た。
この異方性色素膜の最大吸収波長とその波長での単体透過率および二色比を表1に記載するが、高い二色性を有していることが分かった。
Figure 2008020908
(実施例6)
上記色素(1−1)のナトリウム塩を下記色素(1−5)のナトリウム塩に変更した以外は、実施例5と同様の方法を用いて異方性色素膜を得た。
この異方性色素膜の最大吸収波長とその波長での単体透過率および二色比を表1に記載するが、高い二色性を有していることが分かった。
Figure 2008020908
Figure 2008020908
(実施例7)
水90重量部に上記色素(1−5)のナトリウム塩を10重量部加え、撹拌溶解後、濾過してpH7の色素水溶液(異方性色素膜用組成物)を得た。
一方、基材としてガラス基板上にスピンコート法によりポリイミドの配向膜が形成されたガラス製基板(75mm×25mm、厚さ1.1mm、ポリイミド膜厚約800Åのポリイミド配向膜を予め布でラビング処理を施したもの)を用意しておき、これに前記色素水溶液をギャップ10μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより異方性色素膜を得た。
得られた異方性色素膜の極大吸収波長530nmにおける二色比は15で、偏光膜として充分機能し得る高い二色比(光吸収異方性)を有していた。

Claims (2)

  1. 遊離酸の形が、下記式(1)で表されることを特徴とする、異方性色素膜用色素。
    Figure 2008020908
    (式(1)中、Aは、カルバモイル基以外の置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
    は、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいナフチレン基を表す。
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
    は、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
    mは0または1を表し、nは0または1を表す。)
  2. 上記式(1)において、Dが下記式(2)または(3)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の異方性色素膜用色素。
    Figure 2008020908
    (式(2)中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基または置換基を有していてもよいスルファモイル基を表す。
    は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
    は、水素原子、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。)
    Figure 2008020908
    (式(3)中、Rは、水酸基またはアミノ基を表す。Rは、アゾ基がナフタレン環の1位に置換する場合は2位または4位に置換し、アゾ基がナフタレン環の2位に置換する場合は1位に置換する。
    は、水素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、炭素数1〜7のアシルアミノ基または置換基を有していてもよいフェニルアミノ基を表す。
    は、水素原子、カルボキシ基または炭素数1〜2のアルコキシ基を表す。
    pは0または1を表し、qは0、1または2を表す。)
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