JP2010144182A - 電磁波抑制用樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた導電性、機械的強度、耐熱性及び成形加工性を併せ持ち、特に2〜2.5GHz程度の周波数領域における電磁波抑制性に優れた電磁波抑制用熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と、(B)カーボンナノコイルと、(C)鱗片状黒鉛及び/又は(D)カーボンナノチューブを含むことを特徴とする電磁波抑制用樹脂組成物。この電磁波抑制用樹脂組成物を射出成形してなる電磁波抑制用樹脂成形品。カーボンナノコイルと鱗片状黒鉛及び/又はカーボンナノチューブとの併用で良好な電磁波抑制性が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波抑制用樹脂組成物及びその成形品に関するものである。詳しくは、優れた導電性、機械的強度、耐熱性及び成形加工性を併せ持つ電磁波抑制用樹脂組成物と、この電磁波抑制用樹脂組成物を射出成形してなる電磁波抑制用樹脂成形品に関するものである。
近年、IT化社会の急速な発展に伴い、電子機器の高速処理化が進み、LSIやマイクロプロセッサーなどICの動作周波数は上昇し、通信分野では光ファイバーを用いた高速通信網が使用され、次世代マルチメディヤ移動通信おいては具体的に2GHz、ITS(Intelligent Tranport System)の分野ではETS(自動料金収受システム)における5.8GHz、車間距離を測定して運転者に伝える走行支援道路システム(AHS)の自動車搭載レーダーでは76GHzといった周波数の電磁波が使用され、今後は、更に高周波の電磁波の利用範囲が拡大することが予想される。電磁波は周波数の上昇に伴いノイズを放出しやすく、一方において、電子機器の小型化、高密度化による電子機器内部のノイズ環境の悪化による誤動作が生じ、このような高周波の電磁波の利用状況において、人体へ及ぼす悪影響も問題となってきている。
かかる電磁波の防止材としては、電磁波遮断体と電磁波抑制体がある。電磁波遮断体には一般的に金属材料が使用され、例えば、電磁波を嫌う精密機器などが設置された部屋の壁材などには、金属板を用いて、室内への電磁波の侵入を防止している。
一方、電磁波抑制体は、入射してきた電磁波を熱エネルギーに変換することにより、透過あるいは反射される電磁波の強度を大幅に減衰させるものである。従来、電子機器用途の電磁波抑制体としては、形状の自由度や、軽量化の点から、表面を導電処理し、あるいは樹脂に導電材を混合して成形したプラスチック製の筐体が用いられている。また、導電材粉末を樹脂、ゴム或いは塗料等のマトリックス中に分散させた複合材料のシートや塗膜を、電磁波を抑制したい部位に貼付または形成することで電磁波抑制性能を付与したものも多く用いられている。この導電材としては、主にフェライトや黒鉛(例えば、特許文献1)が使用されている。
しかしながら、フェライトは比重が大きいため、これを配合した複合材料が重くなるという欠点があり、移動を伴う通信機器などに多量に使用する場合には、本体が重くなり、当該通信機器の機動性に問題が生じる。
一方、黒鉛については、比重が比較的小さいため、フェライトに見られるような前記の問題は生じないが、粉末が嵩高いために、マトリックスへの充填量を増大させることが困難であり、充填量を多くすることができない結果、黒鉛の配合による電磁波抑制性能の向上効果にも制限があるという問題がある。
特許文献2には、所定の寸法のカーボンナノコイルを樹脂に配合してなる電磁波吸収シートが提案されている。
カーボンナノコイルは、カーボンナノ繊維が螺旋構造となったものであり、その特異的な形状により、電気的、機械的特性に優れ、これを配合することにより数GHz〜数十GHzの電磁波の抑制に対応可能な樹脂組成物を得ることができる。
特許文献2で用いられているようなカーボンナノコイルを樹脂に配合することにより、樹脂組成物に良好な電磁波抑制機能を付与することができるが、カーボンナノコイルは、極細のカーボンナノ繊維が螺旋状に巻いたものであり、樹脂との溶融混練時の剪断力で破断し易い。破断してコイル長が短くなったカーボンナノコイルは、本来の電気的、機械的特性が損なわれ、目的とする電磁波抑制性能を得ることができない。
特開2005−11878号公報 特開2009−60060号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、優れた導電性、機械的強度、耐熱性、難燃性及び成形加工性を併せ持ち、特に周波数2〜2.5GHz程度の周波数領域において優れた電磁波抑制用熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することを課題とする。
本発明者等は前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂にカーボンナノコイルを配合すると共に鱗片状黒鉛又はカーボンナノチューブを配合することにより、これらを併用することによる相乗効果で優れた電磁波抑制性能を得ることができることを見出した。
本発明によれば、導電性付与材としてカーボンナノコイルを用いるため、その螺旋構造に由来して優れた電磁波抑制性、更には機械的特性を得ることができる。カーボンナノコイルは、前述の如く、樹脂組成物の溶融混練時に破断し易いが、本発明では、カーボンナノコイルと共に、第2の導電性付与材として、鱗片状黒鉛又はカーボンナノチューブを併用するため、カーボンナノコイルの破断による性能低下が、これらの鱗片状黒鉛又はカーボンナノチューブにより補足されると共に、カーボンナノコイルの分散性を適度に制御するため、併用による相乗効果で優れた電磁波抑制性能が得られる。
本発明は、このような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] (A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)カーボンナノコイル、及び(C)鱗片状黒鉛を含むことを特徴とする電磁波抑制用樹脂組成物。
[2] (C)鱗片状黒鉛の含有量が1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする[1]に記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
[3] (A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)カーボンナノコイル、及び(D)カーボンナノチューブを含むことを特徴とする電磁波抑制用樹脂組成物。
[4] (D)カーボンナノチューブの含有量が1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする[3]に記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
[5] (B)カーボンナノコイルの含有量が1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする[1]ないし[4]の何れかに記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
[6] 更に(E)無機微粒子を含有することを特徴とする[1]ないし[5]の何れか記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
[7] [1]ないし[6]の何れかに記載の電磁波抑制用樹脂組成物を射出成形してなる電磁波抑制用樹脂成形品。
[8] 電子機器の筐体又は電子機器の内部部品である[7]に記載の電磁波抑制用樹脂成形品。
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物は、優れた導電性、機械的強度、耐熱性、成形加工性及び電磁波抑制性を併せ持ち、特に、周波数2〜2.5GHz程度の周波数領域において良好な電磁波抑制性を備えるものであり、電気・電子・OA機器部品、機械部品、車輌用部品、携帯電話などの筐体や内部部品等の構成材料として好適に使用することができる。
本発明において、組成物中の(C)鱗片状黒鉛又は(D)カーボンナノチューブの含有量は1〜30質量%であることが好ましい(請求項2,4)。
また、組成物中の(B)カーボンナノコイルの含有量は1質量%〜30質量%であることが好ましい(請求項5)。
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物は、更に、(E)無機微粒子を含むことが好ましい(請求項6)。
本発明の電磁波抑制用樹脂成形品は、このような本発明の電磁波抑制用樹脂組成物を射出成形してなるものであり、その優れた導電性、機械的強度、耐熱性、成形加工性及び電磁波抑制性により、電気・電子・OA機器部品、機械部品、車輌用部品、携帯電話などの筐体や内部部品等として有用であり、各種構造材の薄肉軽量化を図ることができる(請求項7,8)。
実施例1,2と比較例1及び参考例1における電磁波吸収性能の測定結果を示すグラフである。
以下に本発明の電磁波抑制用樹脂組成物及び電磁波抑制用樹脂成形品の実施の形態を詳細に説明する。
[(A)芳香族ポリカーボネート樹脂]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物に用いられる(A)芳香族ポリカーボネート樹脂とは、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン或いは炭酸ジエステル等のカーボネート前駆体と反応させることにより製造される熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体である。この反応は公知の方法で行うことができ、例えば、ホスゲンを用いる場合は界面法により、炭酸ジエステルを用いる場合は溶融状で反応させるエステル交換法等が採用される。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。さらに、難燃性をさらに高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物及び/又はシロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマーあるいはオリゴマーを使用することもできる。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、ホスゲン、又はジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類が挙げられる。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量として、好ましくは16,000〜30,000の範囲であり、より好ましくは17,000〜28,000、特に好ましくは18,000〜26,000である。(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が16,000未満では機械的強度が不足し、30,000を超えると成形性に難を生じやすく、また、後述の樹脂組成物の粘度条件を満たすことが困難となり、好ましくない。
[(B)カーボンナノコイル]
本発明で用いる(B)カーボンナノコイルは、平均コイル長1〜100μm、平均コイル径1〜1000nm、平均コイルピッチ1〜1000nm、特に平均コイル長10〜40μm、平均コイル径1〜1000nm、平均コイルピッチ1〜1000nm、とりわけ平均コイル長20〜40μm、平均コイル径400〜800nm、平均コイルピッチ400〜800nmであることが好ましく、この範囲とすることにより、優れた電磁波吸収効果を得ることができる。
カーボンナノコイルの平均繊維径(線径)は、通常1〜500nm程度、好ましくは50〜300nm程度である。
本発明のカーボンナノコイルの平均コイル長は、カーボンナノコイルを任意で100本選択し、当該カーボンナノコイル100本を走査型電子顕微鏡(SEM)で2000倍の倍率で画像を撮影し、当該画像のコイル長を目視で計測した場合の100本の平均値をいう。平均コイル径、平均コイルピッチ及び平均繊維径も上記平均コイル長と同様に任意で選択したカーボンナノコイル100本のSEM画像(2000倍)で観察した場合の平均値をいう。
このようなカーボンナノコイルは、市販品を使用してもよいが、例えば、カーボンナノコイル用触媒を担持させたアルミナ基板(以下「触媒付きアルミナ基板」という)を100〜1000℃、好ましくは500〜800℃程度に加熱し、その加熱した触媒付きアルミナ基板に、アセチレン等の炭化水素と不活性ガスとの混合気体を吹き付けて成長させる熱CVD(Chemical
Vapor Deposition)法によって製造することもできる。
上記カーボンナノコイル用触媒には、例えばインジウム・スズ・鉄系触媒が好適に用いられる。このようなインジウム・スズ・鉄系触媒としては、例えば金属塩酸塩、具体例としては、三塩化鉄(FeCl)等の塩化鉄と、三塩化インジウム(InCl)等の塩化インジウムと、二塩化スズ(SnCl)等の塩化スズとの混合溶液から共沈法で作製した沈殿物を、300〜1000℃、好ましくは500〜900℃で焼成した混合酸化物が好適に用いられる。また、インジウム・スズ・鉄系触媒としては、前述した金属塩酸塩以外に、金属硝酸塩、金属硫酸塩または金属有機酸塩を用いてもよい。なお、このような触媒には、例えば、酸化鉄、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物等の粉末が混合されていてもよい。また、カーボンナノコイル用触媒として、前述のインジウム・スズ・鉄系の三元系触媒の他にも、酸化インジウムを含まない触媒、例えば、スズ・鉄系の二元系触媒、具体的には酸化鉄と酸化スズとの二元系触媒等を使用してもよい。
上記混合溶液の溶媒には、例えば、水、イソプロピルアルコール(IPA)、エタノールなどのアルコール類を用いることができる。
また、アセチレン等の炭化水素と混合する不活性ガスとしては、例えばヘリウム、アルゴン等が用いられる。
熱CVD法によってカーボンナノコイルを製造する際、用いるカーボンナノコイル用触媒の組成、成長時間、触媒付きアルミナ基板の加熱温度、炭化水素の種類、炭化水素の濃度および流量などを制御することによって、得られるカーボンナノコイルのコイル長、コイル径、コイルピッチ等を適宜制御することができる。
また、カーボンナノコイルに超音波等を照射することにより、コイル長等を短くして、カーボンナノコイルの性状を変化させることも可能である。
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物中の(B)カーボンナノコイルの含有量は、1〜30質量%、特に5〜20質量%であることが好ましい。組成物中の(B)カーボンナノコイルの含有量が少な過ぎると十分な導電性、電磁波抑制性を得ることができず、多過ぎると成形性や得られる成形品の強度、表面性状などが損なわれるおそれがあり、好ましくない。
本発明において、(B)カーボンナノコイルは、樹脂組成物に対する均一分散性、溶融混練時のカーボンナノコイルの形態を保持する(カーボンナノコイルが引き伸ばされたり、破断されたりして形状が変わることを防止する)観点から、予め(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の一部と(B)カーボンナノコイルとを混合したカーボンナノコイルマスターバッチとして、本発明の電磁波抑制用樹脂組成物を構成する(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の残部、(C)鱗片状黒鉛及び/又は(D)カーボンナノチューブ、及びその他必要に応じて用いられる他の成分等に対して配合されることが好ましい。
以下、このカーボンナノコイルマスターバッチの製造方法について説明する。
まず、芳香族ポリカーボネート樹脂を溶解させることができる有機溶媒にカーボンナノコイルを添加して分散液を調製し、この分散液に(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の一部を溶解させてキャスティング液を調製する。このキャスティング液をキャスティングした後、有機溶媒を蒸発除去して芳香族ポリカーボネート樹脂とカーボンナノコイルからなる樹脂組成物のシートを得、このシートを適当な大きさに切断する。
カーボンナノコイルを分散させるための有機溶媒は、芳香族ポリカーボネート樹脂を溶解させるものであれば制限されず、用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の種類等に応じて適宜決定されるが、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。これらの中でも、ジクロロメタン、クロロホルム等が樹脂の溶解の容易さ及び蒸発時の気泡発生の抑制の観点から好ましい。
キャスティング液中の芳香族ポリカーボネート樹脂含有量及びカーボンナノコイル含有量については特に制限はないが、芳香族ポリカーボネート樹脂含有量は40〜99質量%、カーボンナノコイル含有量は1〜60質量%で、以下に記載する芳香族ポリカーボネート樹脂及びカーボンナノコイル含有量のカーボンナノコイルマスターバッチが得られるような割合で芳香族ポリカーボネート樹脂とカーボンナノコイルを添加することが好ましい。
キャスティング膜の乾燥は自然乾燥でもよいし、50℃程度で加熱乾燥してもよい。また、キャスティング膜の厚さは乾燥後の厚さで0.01〜3mm程度であることが好ましい。
また、キャスティング膜を切断して得られるカーボンナノコイルマスターバッチの粒径(最も径の大きい部分の長さ)は0.01〜5mm程度であることが好ましく、カーボンナノコイルマスターバッチ中のカーボンナノコイル含有量は1〜60質量%で、残部が芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
[(C)鱗片状黒鉛]
本発明で用いる(C)鱗片状黒鉛は、アスペクト比が20〜50で、平均粒子径が10〜200μmであるような偏平形状であるものが好ましく、また、この(C)鱗片状黒鉛は、固定炭素量が98質量%以上であることが好ましい。扁平形状の黒鉛を併用することにより、カーボンナノコイルの分散を制御し、効果的な電磁波吸収性能を発現できる。
ここで言う平均粒子径とは、SEM(走査電子顕微鏡)観察において、100個のサンプルについて粒子径(ここで粒子径とは、鱗片状黒鉛鉛を2枚の平行な板で挟んだ場合、この平行な板の間隔が最も大きくなる部位の径(板の間隔の長さ)をさす)を測定して得られた値の平均値である。この平均粒子径が小さすぎると、カーボンナノコイルとの併用で良好な電磁波抑制性能の向上効果を得ることができず、また、溶融混練時に空気中に舞うなど大気汚染の問題が生じたり、樹脂組成物の溶融粘度が著しく増加して流動性が低下する事がある。ただし、平均粒子径が大き過ぎると、溶融混練時時に鱗片状黒鉛を含む粉体がホッパー内でブリッジするなどの供給不良が生じたり、成形品の外観不良が生じる場合があり、また、平均粒子径が過度に大きい黒鉛を製造ないし入手することは困難である。より好ましい(C)鱗片状黒鉛の平均粒子径は20〜200μmである。
鱗片状黒鉛は、射出成形工程にて、成形品内で、成形品厚み方向と鱗片状黒鉛厚み方向とが一致するように配向するが、鱗片状黒鉛の粒子径と厚みとの比で求められるアスペクト比が20より小さいと、成形品厚み方向と垂直な面方向への黒鉛による導電性向上に対する寄与が少なくなり、より高い電磁波抑制性能を得ることができない。このため、このアスペクト比は20より大きく、特に25以上、とりわけ30以上であることが好ましい。ただし、アスペクト比が大きすぎると、鱗片状黒鉛同士又は鱗片状黒鉛とカーボンナノコイルとの絡み合いにより、分散不良が生じる場合があるため、アスペクト比は50以下、好ましくは45以下である。
ここで、鱗片状黒鉛のアスペクト比は、SEM(走査電子顕微鏡)観察において、100個のサンプルについて厚み(ここで厚みとは、鱗片状黒鉛を2枚の平行な板で挟んだ場合、この平行な板の間隔が最も小さくなる部位の径(板の間隔の長さ)をさす)を測定して得られた値の平均値を平均厚みとし、上述の平均粒子径に対して、平均粒子径/平均厚みの比を算出することにより求められる。
また、本発明で用いる(C)鱗片状黒鉛は、JIS M8511に準じて測定される固定炭素量が好ましくは98質量%以上、より好ましくは98.5質量%以上、特に好ましくは99質量%以上であることにより、優れた導電性及び電磁波抑制性を得ることができる。
本発明においては、上述のような物性を有する鱗片状黒鉛の中でも、粉末コークスを1000℃以上で熱処理した熱分解黒鉛を用いることが好ましい。ここで熱処理が不十分ある場合、高い導電性を得ることができない場合がある。この熱処理条件としては、好ましくは、温度1000〜3500℃で、不活性ガス中にて処理して得たものが好ましい。
このような熱処理を施した熱分解黒鉛は、不純物が少なく、黒鉛自体の導電率も高い上に、樹脂の分解を抑制するため好適である。
なお、(C)鱗片状黒鉛は、材質、形状、物性等の異なるものを2種以上併用しても良い。
本発明において、(C)鱗片状黒鉛は以下の(D)カーボンナノチューブと併用しても良い。
[(D)カーボンナノチューブ]
カーボンナノチューブは、通常は、単繊維が絡み合った毛玉状、直線状等の形状を有する中空繊維であると云われており、その製造方法としては、化学的気相成長法、レーザーアブレーション、アーク放電等の種々の方法が提案されている。
チューブの形状も単層、多層が見られ、典型的な単管(パイプ)状、パイプが何層にも重なった多層管状、魚の中骨のように円錐台形状が積み重なったような形状等があるとされている。単管状の場合は直径が1〜5nm程度のものが多く、多層管状や中骨状の場合は10〜50nm程度の径を有するものや、場合によっては径が100nmを超えるものもある。
長さは長尺(径に対して長さが長い)なものであるが、アスペクト比(長さ/直径)は100〜10,000程度とされている。
本発明で用いる(D)カーボンナノチューブとしては、平均繊維径が1〜200nm、特に10〜100nmで、アスペクト比(繊維長/繊維径の比率を云い、顕微鏡等で観察して得る)が5〜1000、特に100〜1000のものが好ましく、このような高アスペクト比の極細繊維を用いることにより、著しく良好な導電性、電磁波抑制性の向上効果を得ることができる。カーボンナノチューブを併用することにより、カーボンナノコイルの導電パス形成を補助し、効果的な電磁波吸収性能を発現できる。
なお、(D)カーボンナノチューブは平均繊維径やアスペクト比など、規格の異なるものの2種以上を併用しても良い。
また、前述の如く、(D)カーボンナノチューブは(C)鱗片状黒鉛と併用しても良い。
本発明において、(D)カーボンナノチューブも、(B)カーボンナノコイルと同様、予め(A)芳香族ポリカーボネート樹脂とマスターバッチ化して用いることが好ましい。このカーボンナノチューブマスターバッチの製造方法は、前述のカーボンナノコイルマスターバッチの製造方法と同様であり、その芳香族ポリカーボネート樹脂含有量や粒径についても前述の通りである。
[(C)鱗片状黒鉛及び/又は(D)カーボンナノチューブの含有量]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物において、(C)鱗片状黒鉛の含有量は、(B)カーボンナノコイルの含有量や、(D)カーボンナノチューブの併用の有無、要求される電磁波抑制性、その他の特性によっても異なるが、(D)カーボンナノチューブと併用しない場合、組成物中の(C)鱗片状黒鉛の含有量は1〜30質量%、特に5〜20質量%であり、(B)カーボンナノコイルとの合計の含有量で2〜60質量%、特に10〜40質量%であることが好ましい。組成物中の(C)鱗片状黒鉛の含有量が少な過ぎると、十分な導電性、電磁波抑制性を得ることができず、多過ぎると組成物の混練性、成形性、得られる成形品の強度、表面性状などが損なわれ、好ましくない。
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物において、(D)カーボンナノチューブの含有量は、(B)カーボンナノコイルの含有量や、(C)鱗片状黒鉛の併用の有無、要求される電磁波抑制性、その他の特性によっても異なるが、(C)鱗片状黒鉛と併用しない場合、組成物中の(D)カーボンナノチューブの含有量は1〜30質量%、特に5〜20質量%であり、(B)カーボンナノコイルとの合計の含有量で2〜60質量%、特に10〜40質量%であることが好ましい。組成物中の(D)カーボンナノチューブの含有量が少な過ぎると、十分な導電性、電磁波抑制性を得ることができず、多過ぎると組成物の混練性、成形性、得られる成形品の強度、表面性状などが損なわれ、また得られる材料も非常に高価になるため好ましくない。
(B)カーボンナノコイルと共に(C)鱗片状黒鉛と(D)カーボンナノチューブを併用する場合は、組成物中の(C)鱗片状黒鉛と(D)カーボンナノチューブの合計の含有量が1〜30質量%、特に5〜20質量%であり、(B)カーボンナノコイルと(C)鱗片状黒鉛と(D)カーボンナノチューブとの合計の含有量で3〜60質量%、10〜40質量%であることが好ましい。これらの合計含有量が少な過ぎると、十分な導電性、電磁波抑制性を得ることができず、多過ぎると組成物の混練性、成形性、得られる成形品の強度、表面性状などが損なわれ、更には得られる材料も非常に高価になるため好ましくない。
[(E)無機微粒子]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物は(E)無機微粒子を含んでいても良く、無機微粒子を含むことにより、組成物中で無機微粒子が分散して(B)カーボンナノコイルや(C)鱗片状黒鉛、(D)カーボンナノチューブの分散性と配向性を高め、これらの導電性材料による組成物の導電性及び電磁波抑制性をより一層高めることができる。
(E)無機微粒子としては、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、チッ化アルミニウム、ハイドロタルサイト、硫酸バリウムなど特に限定されないが、その中でもシリカ微粒子が好ましい。
この無機微粒子としては、表面処理を行っていない通常の無機微粒子であっても、表面処理を行った無機微粒子であっても良い。前記無機微粒子の中でも、シリカ微粒子は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂との混練時に分解しにくく、また、成形品から粉落ちしにくい点においても配合成分として好ましい。
また、無機微粒子は平均一次粒子径が100μm以下、特に50μm以下、例えば10〜5000nmのものが好ましい。無機微粒子の粒子径が大き過ぎると樹脂組成物の成形性や機械的特性に悪影響を及ぼすおそれがあり、小さ過ぎると、無機微粒子を配合したことによる上記効果を十分に得ることができない。ただし、通常100nm以下の微粒子は凝集して存在するため、樹脂組成物中に存在する形が1〜50μmであれば好適に使用できる。
ここで、無機微粒子の平均一次粒子径は、SEM又はTEMにより2000〜3000個の粒子径を観察し、その累積分布により求めたメジアン径(d−50)に準拠した平均粒径である。ここで述べるメジアン径とは、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径のことである。
なお、無機微粒子は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。また、表面処理の異なるものや、異なる粒径のものを2種以上併用しても良い。
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物において、(E)無機微粒子を用いる場合、その含有量は0.01〜30質量%、特に1〜25質量%、とりわけ3〜20質量%であることが好ましい。組成物中の(E)無機微粒子の含有量が少な過ぎると、これを用いたことによる上記効果を十分に得ることができず、多過ぎると成形性、得られる成形品の強度、表面性状などが損なわれ、好ましくない。
なお、(E)無機微粒子は、組成物中の(B)カーボンナノコイルと(C)鱗片状黒鉛及び/又は(D)カーボンナノチューブとの合計の含有量が80質量%以下となるように用いることが、組成物の成形性、得られる成形品の強度、表面性状を維持する上で好ましい。
[(F)リン系難燃剤]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物には、組成物に難燃性を付与する目的で(F)リン系難燃剤を含んでいても良い。(F)リン系難燃剤は、分子中にリンを含む化合物であれば特に制限されないが、難燃性及び更なる組成物の粘度低減効果の点から下記の一般式(1)で表されるリン酸エステル系化合物が好ましい。
Figure 2010144182
(式中、R、R、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又はアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、p、q、r及びsは、各々独立に0又は1であり、tは、1〜5の整数であり、Xは、アリーレン基を示す。)
上記一般式(1)で表されるリン酸エステル系化合物は、tが1〜5の縮合リン酸エステルであり、tが異なる縮合リン酸エステルの混合物については、tはそれらの混合物の平均値となる。
一般式(1)において、Xは、アリーレン基を示し、例えばレゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等のジヒドロキシ化合物から誘導される2価の基である。R〜Rがアリール基である場合、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(1)で表されるリン酸エステル系化合物の具体例としては、一般式(1)におけるXのジヒドロキシ化合物にレゾルシノールを使用した場合は、フェニルレゾルシン・ポリホスフェート、クレジル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・クレジル・レゾルシン・ポリホスフェート、キシリル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル−p−t−ブチルフェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・レゾルシンポリホスフェート、クレジル・キシリル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピルフェニル・レゾルシンポリホスフェート等が挙げられる。
これらの(F)リン系難燃剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
(F)リン系難燃剤は、電磁波抑制用樹脂組成物中の含有量が20質量%以下、例えば5〜20質量%となるように配合することが好ましい。(F)リン系難燃剤の配合量が5質量%未満では、目的とする難燃性が得られなかったり、成形加工性が低下したりすることがある。また、(F)リン系難燃剤の配合量が20質量%を超えると、耐熱性や機械的強度が低下することがある。電磁波抑制用樹脂組成物中のより好ましい(F)リン系難燃剤の含有量は10〜20質量%である。
[(G)ポリフルオロエチレン]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物には、難燃性をさらに向上させるために、滴下防止剤として(G)ポリフルオロエチレンを配合しても良い。(G)ポリフルオロエチレンとしては、フィブリル形成能を有するもので、熱可塑性樹脂中に容易に分散し、且つ熱可塑性樹脂同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものが好ましい。
また、(G)ポリフルオロエチレンを含有した樹脂組成物を溶融成形した成形品の外観を向上させるためには、有機系重合体で被覆された被覆ポリフルオロエチレンを用いることが好ましい。この被覆ポリフルオロエチレンとしては、被覆ポリフルオロエチレン中のポリフルオロエチレンの含有比率が40〜95質量%、中でも43〜80質量%、更には45〜70質量%、特には47〜60質量%であるものが好ましい。
このような被覆ポリフルオロエチレンを配合することにより、良好な難燃性を維持しつつ、成形品表面の白色異物の発生を抑制することができる。被覆ポリフルオロエチレン中のポリフルオロエチレンの含有比率が40質量%未満であると、難燃性が低下する場合があり、一方、95質量%を超えると、白点異物が多くなる場合がある。
また、有機系重合体により被覆されるポリフルオロエチレンとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく、中でも、重合体中に容易に分散し、重合体同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すため、フィブリル形成能を有するものが好ましい。
このような被覆ポリフルオロエチレンは、公知の種々の方法により製造することができ、例えば(1)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合して、凝固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法、(2)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で、有機系重合体を構成する単量体を重合した後、凝固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法、(3)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法、等が挙げられる。
ポリフルオロエチレンを被覆する有機系重合体としては、特に制限されるものではないが、樹脂に配合する際の分散性の観点から、熱可塑性樹脂との親和性が高いものが好ましい。
この有機系重合体を生成するための単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。これらの単量体は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの単量体の中でも、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂との親和性の観点から、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体から選ばれる1種以上の単量体が好ましく、特に(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく、これらの単量体を10質量%以上含有する単量体が好ましい。
本発明で好ましく使用される被覆ポリフルオロエチレンとしては、例えば三菱レイヨン(株)製のメタブレンA−3800、KA−5503や、PIC社製のPoly TS AD001等がある。
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物中の(G)ポリフルオロエチレンの含有量は、0.01〜1質量%、更には0.05〜0.9質量%、特には0.1〜0.7質量%であることが好ましい。(G)ポリフルオロエチレンの含有量が0.01質量%未満の場合には、難燃性の改良効果が不十分な場合があり、1質量%を超えると成形品の外観が低下する場合がある。
また、電磁波抑制用樹脂組成物中の(F)リン系難燃剤と(G)ポリフルオロエチレンの配合比率、(F)リン系難燃剤/(G)ポリフルオロエチレンの重量比は、バランスの良い性能を有する樹脂組成物を得るという点から、通常0.1〜1000であり、更には1〜100、特には2〜60である。
[(H)離型剤]
本発明の樹脂組成物には、成形時の金型離型性を良好なものとするために離型剤を配合することができる。
離型剤としては例えば、脂肪族カルボン酸やそのアルコールエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和または不飽和の、鎖式又は環式の、脂肪族1〜3価のカルボン酸が挙げられる。これらの中でも炭素数6〜36の、1価又は2価カルボン酸が好ましく、特に炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が好ましい。この様な脂肪族カルボン酸としては、具体的には例えばパルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルにおける脂肪族カルボン酸成分は、上述の脂肪族カルボン酸と同義である。一方、脂肪族カルボン酸エステルのアルコール成分としては、飽和または不飽和の、鎖式又は環式の、1価または多価アルコールが挙げられる。これらはフッ素原子、アリール基等の換基を有していてもよく、中でも炭素数30以下の、1価または多価飽和アルコールが好ましく、特に炭素数30以下、飽和脂肪族の、1価または多価アルコールが好ましい。
この様なアルコール成分としては、具体的には例えばオクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。尚、この脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよく、更には複数の脂肪族カルボン酸エステルの混合物でもよい。
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。ここで脂肪族炭化水素とは、脂環式炭化水素も含まれる。またこれらの炭化水素化合物は、部分酸化されていてもよい。
これら脂肪族炭化水素の中でも、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、特にパラフィンワックスやポリエチレンワックスが好ましい。数平均分子量は中でも200〜5000であることが好ましい。これらの脂肪族炭化水素は単独で、又は2種以上を任意の割合で併用しても、主成分が上記の範囲内であればよい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられ、これらは一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物の離型剤の含有量は適宜選択して決定すればよいが、少なすぎると離型効果が十分に発揮されず、逆に多すぎても樹脂の耐加水分解性の低下や、成形時の金型汚染等が問題になる場合がある。よって離型剤の配合量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.001〜2質量部であり、中でも0.01〜1質量部であることが好ましい。
[その他の成分]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、リン系安定剤、フェノール系安定剤、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、流動性改良剤、相溶化剤、可塑剤、分散剤、防菌剤等の樹脂用添加剤、耐衝撃性改良剤、無機フィラーなどを配合することができる。
[製造方法]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、
(1)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)カーボンナノコイル(好ましくはカーボンナノコイルマスターバッチ)、(C)鱗片状黒鉛及び/又は(D)カーボンナノチューブ(好ましくはカーボンナノチューブマスターバッチ)、並びに必要により配合される(F)リン系難燃剤や(G)ポリフルオロエチレン、その他の成分を一括して溶融混練する方法
(2)液状の(F)リン系難燃剤を用いる場合には、予め(F)リン系難燃剤以外の成分を溶融混練した後に、別途50〜120℃で加温しておいた液状の(F)リン系難燃剤を添加して、溶融混練する方法
などが挙げられる。
[成形方法]
本発明の電磁波抑制用樹脂組成物は、各種製品(成形品)の製造(成形)用樹脂材料として使用される。その成形方法は、熱可塑性樹脂材料から成形品を成形する従来から知られている方法が適用できる。具体的には、一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシストなどの中空成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む法)、インサート成形法、インモールドコーティング(IMC)成形法、押出成形法、フィルム成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられるが、特に、成形中に(B)カーボンナノコイルを成形品の表層に沿って配向させることにより、高い電磁波抑制性を得ることができる点で、射出成形法が好ましい。
[電磁波抑制用樹脂成形品]
本発明の電磁波抑制用樹脂成形品は、本発明の電磁波抑制用樹脂組成物を射出成形してなるものであり、電気・電子・OA機器部品、機械部品、車輌用部品、携帯電話などの筐体や内部部品、とりわけ電子機器の筐体や内部部品として好適である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における各樹脂組成物の製造に用いた原材料は以下の通りである。
<(A)芳香族ポリカーボネート樹脂>
ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロン(登録商標)S−3000、粘度平均分子量:21,000
<(B)カーボンナノコイル>
財団法人大阪科学技術センター製カーボンナノコイル(平均長さ約20μm、平均線径約150nm、平均コイル径約500nm、平均ピッチ約500nm)3質量部をジクロロメタン70質量部に分散させた液に、上記の芳香族ポリカーボネート樹脂(ユーピロン(登録商標)S−3000)を27質量部溶解させ、これをステンレスバット中にキャスティングした後、50℃で5分間加熱することによりジクロロメタンを除去して厚さ0.2mmの薄膜を得た。その薄膜を3mm角に切断してカーボンナノコイルマスターバッチを得た。このカーボンナノコイルマスターバッチのカーボンナノコイル含有量は10質量%である。
(C)鱗片状黒鉛
下記表1に示すものを用いた。
Figure 2010144182
なお、鱗片状黒鉛の物性評価は次のようにして行った。
<平均粒子径・平均厚み>
平均粒子径:樹脂組成物のペレットを600℃で2時間保持して灰分を得、導電テープ上に該灰分を貼り付けて電子顕微鏡にて観察し、各々の黒鉛粉末の外接円を描き、その直径を粒子径として100個の測定値を得、この測定値の平均値を算出して平均粒子径とした。
平均厚み:樹脂組成物のペレットから、射出成形によりフィルムゲート100×100×3mm厚さの平板を得、その流動方向と肉厚方向を含む断面をゲートから50mmの位置について切り出し、その断面を電子顕微鏡にて観察し、黒鉛粉末の厚みを100個測定し、この測定値の平均値を算出して平均厚みとした。
<アスペクト比>
上記平均粒子径及び平均厚みの値から、平均粒子径/平均厚みを算出して求めた。
<固定炭素量>
JIS M8511に準拠して測定した。
(D)カーボンナノチューブ
カーボンナノチューブ(多層カーボンナノチューブ、平均繊維径15nm、アスペクト比100〜1000)9質量部をジクロメタン70質量部に分散させた液に、上記の芳香族ポリカーボネート樹脂(ユーピロン(登録商標)S−3000)を21質量部溶解させ、これをステンレスバット中にキャスティングした後、50℃で5分間加熱することによりジクロロメタンを除去して厚さ0.2mmの薄膜を得た。その薄膜を3mm角に切断してカーボンナノチューブマスターバッチを得た。このカーボンナノチューブマスターバッチのカーボンナノチューブ含有量は30質量%である。
(E)無機微粒子
シリカ微粒子:扶桑化学(株)製、商品名:AEROSIL200、平均一次粒子径約12nm、比表面積(BET法)200±25m/g、見かけ比重約50g/L
[樹脂組成物の調製]
芳香族ポリカーボネート樹脂、カーボンナノコイルマスターバッチ、鱗片状黒鉛又はカーボンナノチューブマスターバッチ、或いは無機微粒子を、表2に示す組成となるようにブレンドし、ポリ袋中でよく振り混ぜることにて均一に分散させた後、二軸押出機(HAAKE社製「ミニラボ」)にてシリンダ温度300℃にて溶融させ、スクリュウ回転数80rpmにて混練し、ペレタイザーにて3mmの長さに切断して樹脂組成物のペレットを得た。
[電磁波吸収性の評価]
得られた樹脂組成物のペレットを射出成形機(HAAKE社製「ミニジェット」、最大射出圧力1200Bar)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃にて、金型キャビティ(縦50mm、横30mm、厚み1mm)に射出成形し、得られた射出成形品3枚に対して、近磁界用ノイズ抑制シート評価システム・イントラ・デカップリングレシオ測定システム(IEC規格No:IEC62333−2)により、2GHzの周波数における磁界波のRda値を測定し、その平均値を算出した。この値は、製品から発生する周波数やその強さにも依存するため一概に決められる値ではないが、0.6dB以上であることが好ましい。
実施例1〜4、比較例1及び参考例1においては、0〜4GHzまでの磁界波のRda値を連続的に測定した。
[結果]
上記評価結果を表2及び図1に示す。
Figure 2010144182
表2及び図1より、本発明の電磁波抑制用樹脂組成物は、2〜2.5GHz程度の周波数領域における電磁波抑制性に優れることが分かる。
これに対して鱗片状黒鉛又はカーボンナノチューブを配合していない比較例1では、電磁波抑制性に劣るものとなる。カーボンナノコイルを用いず鱗片状黒鉛、カーボンナノチューブ又は無機微粒子のみを用いた比較例2〜4では、電磁波抑制性は得られない。カーボンナノコイルと無機微粒子を併用した参考例1は、実施例のものよりも劣るが、比較例2〜4よりも改善され、比較例1よりも更に改善される。

Claims (8)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)カーボンナノコイル、及び(C)鱗片状黒鉛を含むことを特徴とする電磁波抑制用樹脂組成物。
  2. (C)鱗片状黒鉛の含有量が1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
  3. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)カーボンナノコイル、及び(D)カーボンナノチューブを含むことを特徴とする電磁波抑制用樹脂組成物。
  4. (D)カーボンナノチューブの含有量が1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
  5. (B)カーボンナノコイルの含有量が1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
  6. 更に(E)無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の電磁波抑制用樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の電磁波抑制用樹脂組成物を射出成形してなる電磁波抑制用樹脂成形品。
  8. 電子機器の筐体又は電子機器の内部部品である請求項7に記載の電磁波抑制用樹脂成形品。
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