JP5624297B2 - 導電性樹脂複合材 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性樹脂複合材に関する。
樹脂と導電性フィラーからなる導電性樹脂複合材は、半導体分野、電気機器関連分野、自動車・航空分野で広く使用されており、その主な目的としては、半導体部品の静電気からの保護、電磁波を遮断することによる精密機器の誤作動防止、摩擦にともなう静電気・発熱の防止等が挙げられる。半導体分野などで用いられる導電性樹脂複合材の母材樹脂としては、ポリカーボネートが広く利用されており、その理由としては、粒子による汚染が少ないこと、アウトガスが少ないこと、表面仕上がりおよび光沢がよいこと、流動性に優れること、反りが少ないこと、リサイクル/リユース性に優れることなど、ポリカーボネートが優れた樹脂特性を有していることが挙げられる。特に、その優れたリサイクル/リユース性は、環境負荷の問題や、コスト削減の面などから、有効な物性として広く認識されている。
一方、母材樹脂に電気伝導性を付与させる方法としては、樹脂にイオン伝導性を付与する材料を添加したり、金属微粒子、金属繊維、カーボン微粒子、炭素繊維などの導電性フィラーを添加する方法がある。こうした中で、性能、環境問題等の面から炭素系材料を用いて導電性を付与することが主流となりつつある。
しかしながら、必要とされる導電性を発現させるために粒径が数μmのカーボン粒子を用いる場合は、樹脂100質量部に対して40〜50質量部、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックでも8〜15質量部添加する必要があり、こうした複合材化は、もとの樹脂に比べて粘度上昇・流動性低下や、硬度上昇などの物性変化を引き起こす。結果、成形加工時の金型転写性、光沢などの外観不良や耐衝撃性の低下の原因となる。炭素繊維も、30質量部の添加で体積固有抵抗102Ωcmの導電性を得ることができるが、やはり添加量が多いため流動性の悪化などにつながっている。
近年、こうした導電性フィラーとして、気相法炭素繊維が用いられるようになってきている。気相法炭素繊維は、気相法により合成された微細炭素繊維であり、基本的には連続した6員環炭素構造からなるグラフェンシートが単層あるいは多層的に管状構造をなしたものである。また、繊維径がナノメートルレベル、長さがミクロンオーダーであり、高アスペクト比を一つの特徴とする導電性フィラー材料である。この気相法炭素繊維を用いると、その高い導電性から、樹脂100質量部に対して数質量部の添加により所望の導電性を有する樹脂複合材が得られることが報告されている。(特許文献1,2)
特開2006−306960号公報 特開2006−225648号公報
しかし、ポリカーボネートと気相法炭素繊維からなる導電性樹脂複合材においても、良好な導電性を付与するレベルまで気相法炭素繊維をポリカーボネートに添加すると反対に、破断伸びなど樹脂複合材の物性・成形性は低下し、この樹脂複合材を用いて目的成形物を成形する際の課題となっている。また、気相法炭素繊維の繊維径がきわめて細く、溶融したポリカーボネート樹脂による気相法炭素繊維表面の濡れ性の悪さなどもあって、成形した樹脂複合材からの気相法炭素繊維の脱落が発生してしまう。特に半導体分野では、このことが半導体製品の故障・損壊の原因となることが問題視されている。すなわち、良好な導電性と、優れた成形性など本来ポリカーボネートが有する樹脂特性と、気相法炭素繊維の低脱落性とをいずれをも十分なレベルで備えている導電性樹脂複合材が求められている。
本発明は、良好な導電性を保持しながら、気相法炭素繊維の脱落が少なく、また成形性に関わる破断伸びが改善された導電性樹脂複合材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、以下の知見を見出した。
すなわち、本発明の導電性樹脂複合材は、ポリカーボネート樹脂および気相法炭素繊維を含む導電性樹脂複合材であって、気相法炭素繊維の平均繊維外径が100nmを超え150nm以下であり、ポリカーボネート樹脂と気相法炭素繊維の含有量が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し該気相法炭素繊維を1〜11.2質量部であり、破断伸びが30%以上であることを特徴とする。このような導電性樹脂複合材は、良好な導電性を示し、また気相法炭素繊維の導電性樹脂複合材からの脱落も少なく、かつ成形性が良好である。
本発明はまた、気相法炭素繊維の繊維外径(nm)の分布の標準偏差が25〜40であり、好ましくは30〜40であるとよい。気相法炭素繊維の繊維外径がこのような標準偏差範囲にある場合、気相法炭素繊維を用いた導電性樹脂複合材の破断伸びが良好になる。
また、気相法炭素繊維(微細炭素繊維)が3次元ネットワーク状の気相法炭素繊維構造体を形成し、該気相法炭素繊維構造体は複数の粒状部を有し、それぞれの粒状部の外径より細い繊維径の気相法炭素繊維が該粒状部より複数延出する態様で、かつ該粒状部は該気相法炭素繊維の成長過程において形成されてなるものであることが好ましい。すなわち、気相法炭素繊維が複数の粒状部を結合し、ネットワーク構造を示す気相法炭素繊維構造体を形成することが好ましい。このような立体構造を有することで、気相法炭素繊維の外径よりも大きい粒状部が、導電性樹脂複合材のポリカーボネート樹脂のマトリックス中において物理的なアンカー効果を発揮し、導電性樹脂複合材からの気相法炭素繊維の脱落を低減しているものと考えられる。
本発明はまた、導電性複合材料からの気相法炭素繊維(微細炭素繊維)の脱落が低減されたことを特徴とする導電性複合材料を提供する。すなわち、幅50mm、長さ90mm、厚さ3mmの導電性樹脂複合材を、超純水2000mLに浸漬し、47kHzの超音波を60秒間印加したときに、表面から脱落する粒径0.5μm以上の脱落物の数が、単位表面積当り5000counts/cm以下であることが好ましい。脱落物の数が上記のようであれば、例えば本発明が半導体分野で利用された場合、脱落物に起因する半導体製品の故障・損壊を抑制することができる。
粒状部は、気相法炭素繊維の平均繊維外径の1.3倍以上の平均円相当外径を有することが好ましい。これにより、気相法炭素繊維同士の強固な結合をもたらすことができる。
導電性樹脂複合材を用いて成形した成形物の表面電気抵抗値が10〜1012Ω/□であることが好ましい。このような表面電気抵抗値を有する成形物を用いると、精密半導体部品を静電気による破壊から守ることができる。
導電性樹脂複合材の破断伸びが40%以上(さらには50%以上)であることがより好ましい。これにより、導電性樹脂複合材を用いて射出成形等による成形物を製造しようとする場合の成形性がより向上する。
気相法炭素繊維は、平均繊維外径が5nmを超え100nm以下である気相法炭素繊維Aと平均繊維外径が100nmを超え200nm以下である気相法炭素繊維Bとからなる混合物であり、該混合物における気相法炭素繊維B質量が気相法炭素繊維Aの質量より大きいことが好ましい。これにより、前記の平均繊維外径と繊維外径の分布の標準偏差範囲を満たすことが容易となり、導電性樹脂複合材の破断伸びがより良好になる。
なお、導電性樹脂複合材は、ポリカーボネート樹脂と気相法炭素繊維(微細炭素繊維)とを該ポリカーボネート樹脂の溶融点以上の温度条件下で混練して製造することができる。
本発明によれば、良好な導電性を保持しながら、気相法炭素繊維の脱落が少なく、また成形性に関わる破断伸びが改善された導電性樹脂複合材を提供することができる。
本実施形態における気相法炭素繊維製造装置の構造を模式的に示した構造図である。 実施例にて製造した気相法炭素繊維構造体(太径品)の5000倍のSEM写真である。 実施例にて製造した気相法炭素繊維構造体(太径品)の粒状部の50000倍のTEM写真である。
以下、本発明を好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明で導電性樹脂複合材の母材として使用されるポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独又は2種類以上混合して使用してもよく、さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−[4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。
本発明で用いられる気相法炭素繊維は、平均繊維外径が100nmを超え150nm以下であることが好ましく、105nm〜150nmであることがより好ましく、110nm〜150nmであることがさらに好ましい。気相法炭素繊維の平均繊維外径が100nm以下であると、該気相法炭素繊維とポリカーボネート樹脂からなる導電性樹脂複合材の破断伸びが30%以下となり、該樹脂複合材を用いて射出成形等による成形物を製造しようとする場合の成形性が低下する。これは、平均繊維外径が100nm以下の気相法炭素繊維では、平均繊維外径が100nmを超える気相法炭素繊維に比べ、母材樹脂に同質量部添加した場合の炭素繊維の本数が多くなるため、導電性樹脂複合材の破断伸びを妨げるためであると考えられる。一方、平均繊維外径が150nmを超えると、樹脂複合材単位体積あたりの気相法炭素繊維の本数が極めて少なくなるため、少量の添加では導電経路が形成されにくくなり、良好な導電性の樹脂複合材を得られなくなる。
ここで用いている平均繊維外径を測定するには、まず測定対象の気相法炭素繊維を倍率35000倍に設定した走査型電子顕微鏡でランダムに少なくとも3視野以上撮影する。そして、繊維外径の測定点数合計が50点を超えるように各撮影視野中の測定可能な繊維外径をすべて測定し、それを数平均すればよい。本発明の導電性樹脂複合材で用いる気相法炭素繊維は、該方法における1視野あたり、およそ20〜50点の繊維外径の測定ができる。なお、粒状部を含む気相法炭素繊維構造体中の気相法炭素繊維の場合、該構造体中の粒状部ではなく、気相法炭素繊維の外径を以って上記繊維外径とする。
気相法炭素繊維の繊維外径(nm)の分布の標準偏差は、25〜40であることが好ましく、30〜40であることがより好ましい。標準偏差が25〜40の気相法炭素繊維を用いた導電性樹脂複合材では典型的には30%以上の破断伸びを、標準偏差が30〜40の気相法炭素繊維であれば典型的には50%以上の破断伸びを示す。これは、後述する3次元ネットワーク状の構造体をとる気相法炭素繊維においては、該標準偏差範囲で規定される繊維外径のばらつき範囲における太い繊維外径の気相法炭素繊維と細い繊維外径の気相法炭素繊維が、該気相法炭素繊維を用いた導電性樹脂複合材の破断伸びに、相補的に効果を与えるためと考えられる。
また、気相法炭素繊維が、複数の粒状部と結合したネットワーク構造の気相法炭素繊維構造体を形成していることが好ましい。このような構造では、複数の粒状部同士が、複数の気相法炭素繊維で相互に立体的に結合しているため、平面的な分岐構造ではなく、3次元的な広がりを持っている。
また、粒状部は気相法炭素繊維の成長過程において形成されてなるものである。したがって、複数の粒状部と気相法炭素繊維とが、結着剤等(炭素物質のものを含む)によって、単に見かけ上で繋がっているのではなく、両者は、部分的に同じ多層構造のグラフェンシートを共有している。これにより、粒状部と気相法炭素繊維は、強固に結合されている。
より強固な結合に望ましい粒状部の平均円相当外径は、気相法炭素繊維の平均繊維外径の1.3倍以上であり、より好ましくは1.5倍以上5倍以下である。強固な気相法炭素繊維がこうした強固な結合によってネットワーク状に形成された気相法炭素繊維構造体は、ポリカーボネート中に混練等により添加されてもその構造体が保持される。このようなネットワーク構造が、導電性樹脂複合材のポリカーボネート樹脂のマトリックス中において物理的なアンカー効果を発揮し、後に記載したように該導電性樹脂複合材からの該気相法炭素繊維の脱落を低減しているものと考えられる。
なお、本明細書でいう「粒状部の平均円相当外径」とは、粒状部の観察される面積を測定し、一つの真円として直径を求めた値である。具体的には、気相法炭素繊維相互の結合点である粒状部の外形を電子顕微鏡などで撮影し、この撮影画像において、各粒状部の輪郭を、適当な画像解析ソフトウェア、例えばWinRoof(商品名、三谷商事株式会社製)を用いてなぞり、輪郭内の面積を求め、該面積に基づいて各粒状部の円相当径を計算し、平均したものである。
また、前記気相法炭素繊維構造体は、面積基準の円相当平均径が20〜100μmであることが望ましい。ここで面積基準の円相当平均径とは、気相法炭素繊維構造体の外形を電子顕微鏡などを用いて撮影し、この撮影画像において、各気相法炭素繊維構造体の輪郭を、前記同様、適当な画像解析ソフトウェアを用いてなぞり、輪郭内の面積を求め、各繊維構造体の円相当径を計算し、これを平均化したものである。この円相当平均径は、ポリカーボネート樹脂のマトリックス中に配合された場合における当該気相法炭素繊維構造体の繊維長を判断する要因となるものである。概して、円相当平均径が20μm未満であると繊維長が短く、それを用いた樹脂複合材に良好な導電性が得られないおそれがあり、一方、100μmを越えるものであると、例えば、樹脂マトリックス中へ混練等により配合する際に大きな粘度上昇が起こり混合分散が困難あるいは成形性が劣化するおそれがある。
さらに、前記気相法炭素繊維構造体は、気相法炭素繊維が疎に存在した嵩高な構造を有するが、具体的には、その嵩密度が0.001〜0.05g/cmであるものが好ましく、0.001〜0.02g/cmであるものがより好ましい。嵩密度が0.05g/cmを超えるものであると、少量添加によってポリカーボネート樹脂の物性を改善することが難しくなる。一方、嵩密度が0.001g/cmより小さいものであると、所用量の気相法炭素繊維の嵩が不要に高くなり、ポリカーボネート樹脂との混合による複合材調製時に取り扱いにくくなるなど、操作性に悪影響が出る。
また、前記気相法炭素繊維構造体は、粒状部と気相法炭素繊維とが部分的に同じ多層構造のグラフェンシートを共有しているため、構造体自体の電気的特性等も非常に優れたものである。本発明で用いるものとしては、例えば、一定圧縮密度0.8g/cmにおいて測定した粉体抵抗値が、0.005〜0.025Ω・cm以下であるものが好ましく、0.005〜0.020Ω・cmであることがより好ましい。粉体抵抗値が0.025Ω・cmを超えるものや0.005Ω・cmに満たないものであると、ポリカーボネート樹脂と複合材化した際に、所望の導電性が保持された複合材料を製造することが難しくなる。
また、前記気相法炭素繊維構造体は、高い強度および導電性を付与させたい観点から、気相法炭素繊維を構成するグラフェンシート中における欠陥が少ないことが望ましい。具体的には、例えば、ラマン分光分析法で測定されるI/I比が、0.2以下が好ましく、0.1以下であることがより好ましい。ラマン分光分析では、十分に大きな単結晶の黒鉛では1580cm−1付近のピーク(Gバンド)しか現れない。結晶が有限の微小サイズであることや格子欠陥により、1360cm−1付近にピーク(Dバンド)が出現する。このため、DバンドとGバンドの強度比(R=I1360/I1580=I/I)が上記したように所定値以下であると、グラフェンシート中における欠陥量が少ないことを示す。
なお、ここでいう欠陥とは、気相法炭素繊維を構成するグラフェンシートの配列に、炭素原子以外の不要な原子が侵入したり、必要な炭素原子が欠損したり、又ずれが生じたりすることにより生じたグラフェンシートの配列の不完全な部分(格子欠陥(lattice defect))などをいう。
また、上記のようなポリカーボネート及び気相法炭素繊維からなる本願発明の導電性樹脂複合材の破断伸びは30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。破断伸びが30%以下になると、衝撃強さ及び引張りに対する靭性(粘り強さ)が低下するため、このような導電性樹脂複合材を成形した場合に脆い成形物となってしまう。
このような導電性樹脂複合材を用いて成形した成形物は、その表面電気抵抗値が10〜1012Ω/□、より好ましくは106〜1012Ω/□であれば、精密半導体部品を静電気による破壊から守るための部品容器、製造場所の床材等に用いるのに適している。特に、キャリアテープなどIC部品包装体や磁気ヘッドの搬送用トレイに用いるのに適している。これは、帯電した電子部品から静電気がショートを起こす事無く緩やかに該容器側に除去されるためである。容器の抵抗値が106Ω/□より小さい場合、蓄えられた静電気が急激に該容器に移動し、放電現象が発生し、それがもとで精密半導体部品がショートしてしまう。一方、電子部品容器の表面電気抵抗値が1012Ω/□より大きい場合には、表面に発生した静電気が漏洩し難く、やはり同部品に悪影響を与えてしまう。
上記の特徴を有する気相法炭素繊維構造体は、特に限定されるものではないが、例えば、次のようにして調製することができる。
基本的には、遷移金属超微粒子を触媒として炭化水素等の有機化合物をCVD法で化学熱分解して繊維構造体(以下、中間体という)を得、これをさらに高温熱処理する。
原料有機化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素、一酸化炭素(CO)、エタノール等のアルコール類などが使用できる。特に限定されるわけではないが、本発明に係る繊維構造体を得る上においては、炭素源として、分解温度の異なる少なくとも2つ以上の炭素化合物を用いることが好ましい。なお、本明細書において述べる「少なくとも2つ以上の炭素化合物」とは、必ずしも原料有機化合物として2種以上のものを使用するというものではない。原料有機化合物としては1種のものを使用した場合であっても、中間体の合成反応過程において、例えば、トルエンやキシレンの水素脱アルキル化(hydrodealkylation)などのような反応を生じて、その後の熱分解反応系においては分解温度の異なる2つ以上の炭素化合物となっているような態様も含むものである。
なお、熱分解反応系において炭素源としてこのように2種以上の炭素化合物を存在させた場合、それぞれの炭素化合物の分解温度は、炭素化合物の種類のみでなく、原料ガス中の各炭素化合物のガス分圧ないしモル比によっても変動するものである。従って、原料ガス中における2種以上の炭素化合物の組成比を調整することにより、炭素化合物として比較的多くの組み合わせを用いることができる。
例えば、メタン、エタン、プロパン類、ブタン類、ペンタン類、へキサン類、ヘプタン類、シクロプロパン、シクロヘキサンなどといったアルカンないしシクロアルカン、特に炭素数1〜7程度のアルカン;エチレン、プロピレン、ブチレン類、ペンテン類、ヘプテン類、シクロペンテンなどといったアルケンないしシクロオレフィン、特に炭素数1〜7程度のアルケン;アセチレン、プロピン等のアルキン、特に炭素数1〜7程度のアルキン;ベンゼン、トルエン、スチレン、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、インデン、フェナントレン等の芳香族ないし複素芳香族炭化水素、特に炭素数6〜18程度の芳香族ないし複素芳香族炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール類、特に炭素数1〜7程度のアルコール類;その他、一酸化炭素、ケトン類、エーテル類等の中から2種以上を選択することができる。選択した2種以上の炭素化合物を組み合わせて用いるには、所期の熱分解反応温度域において異なる分解温度を発揮できるようにガス分圧を調整したり、所定の温度領域における滞留時間を調整すればよい。従って、2種以上の炭素化合物の混合比を最適化することで、効率よく中間体を製造することができる。
このような2種以上の炭素化合物の組み合わせのうち、例えば、メタンとベンゼンとの組み合わせにおいては、メタン/ベンゼンのモル比が、1〜600、より好ましくは1.1〜200、さらに好ましくは3〜100とすることが望ましい。なお、この値は、反応炉の入り口におけるガス組成比であり、例えば、炭素源の1つとしてトルエンを使用する場合には、反応炉内でトルエンが100%分解して、メタンおよびベンゼンが1:1で生じることを考慮して、不足分のメタンを別途供給するようにすれば良い。例えば、メタン/ベンゼンのモル比を3とする場合には、トルエン1モルに対し、メタン2モルを添加すれば良い。なお、このようなトルエンに対して添加するメタンとしては、必ずしも新鮮なメタンを別途用意する方法のみならず、当該反応炉より排出される排ガス中に含まれる未反応のメタンを循環使用することにより用いることも可能である。
このような範囲内の組成比とすることで、気相法炭素繊維および粒状部のいずれもが十分に発達した三次元ネットワーク構造を有する中間体を得ることが可能となる。
また、必ずしも限定されるわけではないが、繊維外径の太さを制御する要因としては、原料中の炭化水素化合物濃度、原料中の炭化水素化合物と触媒金属の濃度比率、反応炉内における滞留時間などが挙げられる。
従って、気相法炭素繊維の外径を太くするには、例えば原料中の炭化水素化合物の濃度を高めればよい。また、原料中の炭化水素化合物と触媒金属の濃度比率は、外径を太くする分、炭化水素化合物と触媒金属のモル比で、触媒金属のモル比をわずかに高めてもよい。化学気相成長法(CVD法)では触媒金属を核として気相法炭素繊維の成長をさせるため、用いる金属触媒も増量させることが望ましい。
なお、雰囲気ガスには、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性ガスや水素を用いることができる。
また、触媒としては、鉄、コバルト、モリブデンなどの遷移金属あるいはフェロセン、酢酸金属塩などの遷移金属化合物と硫黄あるいはチオフェン、硫化鉄などの硫黄化合物の混合物を使用する。
中間体の合成は、通常行われている炭化水素等のCVD法を用いることができる。所定の配合比の原料となる炭化水素および触媒の混合液を蒸発させ、水素ガス等をキャリアガスとして反応炉内に導入し、800〜1300℃の温度で熱分解する。これにより、平均繊維外径が100〜300nmの繊維相互が、前記触媒の粒子を核として成長した粒状体によって結合した疎な3次元構造を有する中間体が複数集まった数cmから数十cmの大きさの集合体を合成する。
上記反応炉を含む製造装置としては、特に限定されるものではないが、たとえば図1に示す構造を有する製造装置を例示することができる。図中に示す製造装置1は、原料を蒸発させ、ガス化した原料をキャリアガスと混合し、この原料混合ガスを反応炉8の内部に導入し、反応炉8内で気相法炭素繊維の集合体を製造するものである。製造装置1は、原料の充填された原料タンク2と、原料の搬送及び反応炉8への導入を行うキャリアガスの充填されたガスタンク4とを備え、これら原料タンク2及びガスタンク4は、原料導入管3及びガス導入管5を介して蒸発器6にそれぞれ接続されている。さらに、蒸発器6は、原料混合ガス導入管7を介して反応炉8に接続されている。そして、内部で気相法炭素繊維を製造する反応炉8は、円筒状に形成されており、その軸心方向の一端をなす上端には、搬送されてきた原料混合ガスを反応炉8の内部に導入させる導入ノズル9を備えている。また、反応炉8の外周部には、加熱手段11としてヒーターが設けられ、反応炉8の外周部から反応炉8の内部を加熱している。そして、反応炉8の軸心方向の他端をなす下端側には、製造された気相法炭素繊維を備蓄して回収する気相法炭素繊維回収器12が接続されている。この気相法炭素繊維回収器12には、ガスを排出するガス排出管13が接続されている。
原料となる炭化水素の熱分解反応は、主として触媒粒子ないしこれを核として成長した粒状体表面において生じる。分解によって生じた炭素の再結晶化が当該触媒粒子ないし粒状体より一定方向に進むことで、繊維状に成長する。しかしながら、本発明に係る気相法炭素繊維構造体を得る上においては、このような熱分解速度と成長速度とのバランスを意図的に変化させる。例えば上記の通り炭素源として分解温度の異なる少なくとも2つ以上の炭素化合物を用いることで、1次元的方向にのみ炭素物質を成長させることなく、粒状体を中心として3次元的に炭素物質を成長させる。もちろん、このような3次元的な気相法炭素繊維の成長は、熱分解速度と成長速度とのバランスにのみ依存するものではなく、触媒粒子の結晶面選択性、反応炉内における滞留時間、炉内温度分布等によっても影響を受ける。また、前記熱分解反応と成長速度とのバランスは、上記炭素源の種類のみならず、反応温度およびガス温度等によっても影響受ける。概して、熱分解速度よりも成長速度の方が速いと、炭素物質は繊維状により成長し、一方、成長速度よりも熱分解速度の方が速いと、炭素物質は触媒粒子の周面方向により成長する。従って、熱分解速度と成長速度とのバランスを制御し、意図的に変化させることで、炭素物質の成長方向を一定方向ではなく多方向にし、3次元構造を形成することができるものである。なお、生成する中間体において、粒状部と気相法炭素繊維からなる3次元構造が容易に形成されるよう、触媒等の組成、反応炉内における滞留時間、反応温度、およびガス温度等を最適化することが望ましい。
なお、中間体を効率良く製造する方法としては、上記したような分解温度の異なる2つ以上の炭素化合物を最適な混合比にて用いるアプローチ以外に、反応炉に供給される原料ガスに、その供給口近傍において乱流を生じさせるアプローチを挙げることができる。ここでいう乱流とは、激しく乱れた流れであり、渦巻いて流れるような流れをいう。
反応炉においては、原料ガスが、その供給口より反応炉内へ導入された直後、原料混合ガス中の触媒としての遷移金属化合物の分解により金属触媒微粒子が形成される。これは、次のような段階を経てもたらされる。すなわち、まず、遷移金属化合物が分解され金属原子となり、次いで、複数個、例えば、約100原子程度の金属原子の衝突によりクラスター生成が起こる。この生成したクラスターの段階では、中間体の触媒として作用せず、生成したクラスター同士が衝突により更に集合し、約3nm〜10nm程度の金属の結晶性粒子に成長して、中間体の製造用の金属触媒微粒子として利用されることとなる。
この触媒形成過程において、上記したように激しい乱流による渦流が存在すると、ブラウン運動のみの金属原子又はクラスター同士の衝突と比してより激しい衝突が可能となる。これにより、単位時間あたりの衝突回数の増加によって金属触媒微粒子が短時間に高収率で得られることにより、又、渦流によって濃度、温度等が均一化されることにより、粒子のサイズの揃った金属触媒微粒子を得ることができる。さらに、金属触媒微粒子が形成される過程で、渦流による激しい衝突により金属の結晶性粒子が多数集合した金属触媒微粒子の集合体を形成する。このようにして金属触媒微粒子が速やかに生成され、炭素化合物の分解反応サイトである金属触媒表面の面積が大きくなる。そのため炭素化合物の分解が促進されて、十分な炭素物質が供給されることになり、前記集合体の各々の金属触媒微粒子を核として放射状に気相法炭素繊維が成長する。一方で、前記したように一部の炭素化合物の熱分解速度が炭素物質の成長速度よりも速いと、炭素物質は触媒粒子の周面方向にも成長し、前記集合体の周りに粒状部を形成し、所期の3次元構造を有する中間体を効率よく形成する。なお、前記金属触媒微粒子の集合体中には、他の触媒微粒子よりも活性の低いないしは反応途中で失活してしまった触媒微粒子も一部に含まれていることも考えられる。集合体として凝集するより以前にこのような触媒微粒子の表面に成長していたり、あるいは集合体となった後にこのような触媒微粒子を核として成長した、非繊維状ないしはごく短い繊維状の炭素物質が、集合体の周縁位置に存在することで、前駆体の粒状部を形成しているものとも思われる。
したがって、粒状部は、複数の気相法炭素繊維の端部と、周面方向にのみ炭素物質を成長させた金属触媒微粒子とからなり、そして、単純な球形より、むしろ複数の球体状構造物の集合・集積態様を多く形づくる。そうした状態でさらに炭素物質の成長が継続するため、後述するアニール処理とあいまって、粒状部に集合・集積している複数の気相法炭素繊維の端部や複数の球状構造物の隣接し合うものが連続するグラフェンシート状の層を形成・共有する。これにより、複数の粒状部と気相法炭素繊維で強固に結合する3次元ネットワーク状の気相法炭素繊維構造体を形成する。
反応炉の原料ガス供給口近傍において、投入される原料ガスの温度としては、好ましくは350〜450℃であるが、原料ガスの流れに乱流を生じさせる具体的手段としては、特に限定されるものではない。例えば、原料ガスが旋回流で反応炉内に導入する手段や原料ガス供給口より反応炉内に導出される原料ガスの流れに干渉し得る位置に、何らかの衝突部を設ける等の手段を採ることができる。前記衝突部の形状としては、何ら限定されるものではなく、衝突部を起点として発生した渦流によって十分な乱流が反応炉内に形成されるものであれば良い。例えば、各種形状の邪魔板、パドル、テーパ管、傘状体等を単独であるいは複数組み合わせて1個ないし複数個配置するといった形態を採択することができる。
図1に例示する製造装置1においては、その例として導入ノズル9周囲に整流・緩衝板10を設けている。整流・緩衝板は、導入ノズル9近傍に配置され原料混合ガスの流通の妨げとなる衝突の起点として作用する障害物であり、この障害物と原料混合ガスが衝突することで渦流が発生し温度分布と濃度分布とを均一化することが可能となる。整流・緩衝板の形状は、何ら限定されることはなく、整流・緩衝板を起点として発生した渦流が消滅することなく反応炉8の下端側まで逐次形成される形状であれば良い。
触媒および炭化水素の混合ガスを800〜1300℃の範囲に設定した温度で加熱生成して得られた中間体は、炭素原子からなるパッチ状のシート片を貼り合わせたような構造を有する。この中間体は、ラマン分光分析をすると、Dバンドが非常に大きく、欠陥が多い。また、未反応原料、非繊維状炭化物、タール分および触媒金属を含んでいる。
従って、このような中間体からこれら残留物を除去し、欠陥が少ない所期の炭素繊維構造体を得るためには、適切な方法で2400〜3000℃の高温で熱処理すればよい。
例えば、この中間体を800〜1200℃で加熱して未反応原料やタール分などの揮発分を除去した後、2400〜3000℃の高温でアニール処理することによって所期の構造体を調製し、同時に繊維に含まれる触媒金属を蒸発させて除去する。なお、この際、物質構造を保護するために不活性ガス雰囲気中に還元ガスや微量の一酸化炭素ガスを添加してもよい。
前記中間体を2400〜3000℃の範囲の温度でアニール処理すると、炭素原子からなるパッチ状のシート片は、それぞれ結合して複数のグラフェンシート状の層を形成し、所望の気相法炭素繊維が得られる。
なお、前記の平均繊維外径ならびに繊維外径の分布の標準偏差の値を有する気相法炭素繊維は、気相法炭素繊維の製造方法において、バッチ式であれば1回の製造反応で得られるものでよい。連続反応であれば適当な製造量の得られる1連続期間を1回として得られる気相法炭素繊維でもよく、またはそうして得られる気相法炭素繊維の複数回分の混合物でもよい。
本発明において、導電性樹脂複合材中のポリカーボネート樹脂と気相法炭素繊維の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し気相法炭素繊維1〜11.2質量部であることが好ましく、3〜7.7質量部であることがより好ましい。含有量が上記の通りであると、良好な導電性、成形性に関わる破断伸びの改善および樹脂複合材からの気相法炭素繊維脱落の低減が図られる。気相法炭素繊維の含有量が1質量部より小さいと、目的とする導電性が得られないため、複合材表面に発生した静電気が漏洩し難く、11.2より大きいと、不必要に導電性が高まるのみならず、母材であるポリカーボネート樹脂の物性低下を引き起こす恐れがある。
また、前記導電性樹脂複合材からの気相法炭素繊維の脱落性は、超純水2000ml中に該複合材(50×90×3mm)を浸漬し、47kHzの超音波を60秒間印加した後、該複合材の表面から脱落する粒径0.5μm以上のパーティクルの数が該複合材の単位表面積当り5000counts/cm以下、好ましくは2500counts/cm以下である。
また、ポリカーボネート樹脂に気相法炭素繊維を添加混合し、導電性樹脂複合材を製造する方法については、その製造方法は特に限定されるものではない。しかしながら、気相法炭素繊維の分散には優れた混練性能が必要とされることから、二軸押出機を使用してポリカーボネート樹脂と気相法炭素繊維を溶融混練することが好ましい。また本発明の導電性樹脂複合材は、その特性から、熱負荷の大きい大型の二軸押出機が利用可能である利点を有する。
二軸押出機の代表的な例としては、ZSK(商品名、Werner & Pfleiderer社製)を挙げることができる。同様のタイプの具体例としてはTEX(商品名、(株)日本製鋼所製)、TEM(商品名、東芝機械(株)製)、KTX(商品名、(株)神戸製鋼所製)などを挙げることができる。その他、FCM(商品名、Farrel社製)、Ko−Kneader(商品名、Buss社製)、およびDSM(商品名、Krauss−Maffei社製)などの溶融混練機も具体例として挙げることができる。上記の中でもZSKに代表されるタイプがより好ましい。かかるZSKタイプの二軸押出機においてそのスクリューは、完全噛合い型であり、スクリューは長さとピッチの異なる各種のスクリューセグメント、および幅の異なる各種のニーディングディスク(またそれに相当する混練用セグメント)からなるものである。
二軸押出機においてより好ましい態様は次の通りである。スクリュー形状は1条、2条、または3条のネジスクリューを使用することができ、特に溶融樹脂の搬送能力やせん断混練能力の両方の適用範囲が広い2条ネジスクリューが好ましく使用できる。二軸押出機におけるスクリューの長さ(L)と直径(D)との比(L/D)は、20〜50が好ましく、更に28〜42が好ましい。L/Dが大きい方が均質な分散が達成されやすい一方、大きすぎる場合には熱劣化により母材樹脂の分解が起こりやすい。スクリューには混練性を上げるためのニーディングディスクセグメント(またはそれに相当する混練セグメント)から構成された混練ゾーンを1箇所以上有することが必要であり、1〜3箇所有することが好ましい。
押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプの設置が好ましい。また気相法炭素繊維の分散性を高めたり、樹脂複合材中の不純物を極力除去するため、水、有機溶剤、および超臨界流体などの添加を行ってもよい。更に押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂複合材から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
気相法炭素繊維の押出機への供給方法は特に限定されないが、以下の方法が代表的に例示される。(i)気相法炭素繊維をポリカーボネート樹脂とは独立して押出機中に供給する方法。(ii)気相法炭素繊維とポリカーボネート樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。(iii)気相法炭素繊維とポリカーボネート樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化し、それを気相法炭素繊維源として供給する方法。
なお、平均繊維外径の異なる気相法炭素繊維を使用する場合、上記(i)の工程の前に気相法炭素繊維同士を混合してもよく、また上記(i)〜(iii)の工程の際に気相法炭素繊維同士を混合してもよい。
また、幅50mm、長さ90mm、厚さ3mmの前記導電性樹脂複合材を、超純水2000mLに浸漬し、47kHzの超音波を60秒間印加したとき、表面から脱落する粒径0.5μm以上の脱落物の数が、単位表面積当り5000counts/cm以下であることが好ましい。脱落物の数が5000counts/cm以下であれば、例えば本発明が半導体分野で利用された場合、脱落物に起因する半導体製品の故障・損壊を抑制することができる。
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各用途への好ましい適用を意図した範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
[気相法炭素繊維構造体(太径品)の調製]
図1に示す製造装置を用い、次の表1に示す条件にて気相法炭素繊維構造体の中間体を得た後、アルゴンガス中で900℃で焼成して、不純物として含まれるタールなどの炭化水素を分離し精製を行った。ついでこの中間体をアルゴンガス中で2600℃の高温熱処理(アニール処理)を行い、さらに気流粉砕機にて解砕した。これにより、気相法炭素繊維の平均繊維外径は117nmであり、3次元ネットワーク構造体を形成する気相法炭素繊維構造体を得た(図2及び図3)。
[気相法炭素繊維構造体(細径品)の調製]
図1に示す製造装置を用い、次の表1に示す条件にて気相法炭素繊維構造体の中間体を得た後、アルゴンガス中で900℃で焼成して、不純物として含まれるタールなどの炭化水素を分離し精製を行った。ついでこの中間体をアルゴンガス中で2600℃の高温熱処理(アニール処理)を行い、さらに気流粉砕機にて解砕した。これにより、気相法炭素繊維の平均繊維外径は58nmであり、3次元ネットワーク構造体を形成する気相法炭素繊維構造体を得た。
Figure 0005624297
[実施例1]
上記の通り得られた気相法炭素繊維構造体(太径品)をポリカーボネート樹脂(Lexan141R(商品名、SABICイノベーティブプラスチックス社製))100質量部に対し6.38質量部添加し、均一に混合した。スクリュー径30mmのベント式二軸押出機TEX−30XSST(商品名、(株)日本製鋼所製)を用いて、該混合物を最後部の第1投入口に供給した。かかる押出機は、第1供給口から第2供給口の間にニーディングディスクによる混練ゾーンがあり、その直後に開放されたベント口が設けられていた。ベント口の長さはスクリュー径(D)に対して約2Dであった。かかるベント口の後にサイドフィーダーが設置され、サイドフィーダー以後に更にニーディングディスクによる混練ゾーンおよびそれに続くベント口が設けられていた。かかる部分のベント口の長さは約1.5Dであり、その部分では真空ポンプを使用し約3kPaの減圧度とした。押出は、シリンダー温度300℃(スクリュー根元のバレル〜ダイスまでほぼ均等に上昇)、スクリュー回転数180rpm、および時間当りの吐出量20kgの条件で行った。押出されたストランドを水浴において冷却した後、ペレタイザーで切断しペレット化した。得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて100℃24時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械IS55FPB)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃、射速20mm/sec、並びに成形サイクル約60秒の条件で、評価用試験片を作製した。
[実施例2]
気相法炭素繊維構造体(太径品)の添加量を7.53質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法で評価用試験片を作製した。
[実施例3]
気相法炭素繊維構造体(太径品)及び気相法炭素繊維構造体(細径品)を5:1の質量比で密閉タンク中に入れ、2時間以上攪拌し、気相法炭素繊維構造体の混合物を得た。この混合物の気相法炭素繊維の平均繊維径は102nmであった。気相法炭素繊維構造体(太径品)に替えて、この混合物の添加量を6.38質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法で評価用試験片を作製した。
[比較例1]
気相法炭素繊維構造体(太径品)に替えて、気相法炭素繊維構造体(細径品)の添加量を4.17質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法で評価用試験片を作製した。
[比較例2]
気相法炭素繊維構造体(太径品)に替えて、気相法炭素繊維構造体(細径品)の添加量を6.38質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法で評価用試験片を作製した。
評価用試験片の物性は、以下の方法に従って測定した。
(1)表面電気抵抗率
JIS K 7194(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)を参照し、測定位置および測定方法をこれに準じて、ロレスタGP(商品名、MCP−T600型、三菱化学(株)製)、ハイレスタUP(商品名、MCP−HT450型、三菱化学(株)製)を用いて、射出成形した試験片(50×90×3mm)の表面抵抗を測定し、表2に示した。
(2)破断伸び
ISO527−1(通則)および527−2(型成型、押出成型および注型プラスチックの試験条件)に準拠して引張破断伸びを測定した。射出成型した試験片の形状及び寸法はISO527−2の試験片1A形である。試験装置は万能材料試験機(インテスコ2005−5型)を用いた、試験速度は50mm/min、チャック間距離は115mmであり、23℃50%RHの試験環境で行った。上記と同様に成型及び測定した5本試験片の破断伸び値の平均値を算出し、表2に示した。
(3)脱落性
超純水で洗浄した3000mLガラスビーカーに、超純水を2000mL注入し、射出成形した試験片(50×90×3mm)を1枚浸漬させた。その後、5210E−DTH(47kHz/140W)(商品名、BRANSON社製)により超音波を1分間印加した。その後、抽出した超純水を液中微粒子計測器HIAC ROYCO SYSTEM8011(商品名、HACH ULTRA ANALYTICS社製)にて吸引し、塵埃粒子径0.5μm以上の発塵量を測定し、表2に示した。
Figure 0005624297
※混合品・・・細径品:太径品=1:5(質量比)
※脱落性・・・0.5μm以上の発塵量で5000個/cmを基準値(規格値)としてそれ以下を○とする。
※繊維外径/繊維径・・・粒状部を除いた気相法炭素繊維の径を表す。
表2に示す結果のとおり、気相法炭素繊維の平均繊維外径が100nmを超える気相法炭素繊維を用いた太径品の実施例1〜2では、十分な表面電気抵抗値及び低い脱落性を示した。破断伸びについても細径品の比較例1〜2が30%未満であるのに対し、太径品の実施例1〜2は30%を上回った。また、気相法炭素繊維の平均繊維径の太い気相法炭素繊維構造体と細い気相法炭素繊維構造体の混合により標準偏差の値を大きくした混合品の実施例3では、同様に十分な表面電気抵抗値及び、太径品の実施例1〜2と同等に低い脱落性を示した。特に、破断伸びは60%と著しく改善した。
本発明の導電性樹脂複合材は、OA機器分野、電気電子機器分野などの各種工業用途に極めて有用であり、その奏する工業的効果は極めて大である。
また、本発明の導電性樹脂複合材は、上記説明した気相法炭素繊維をポリカーボネート樹脂に配合することにより、優れた導電性と改善された破断伸びおよび気相法炭素繊維が脱落しにくい特性を有するものである。かかる特性によって、導電性樹脂複合材は幅広い成形条件に対応し、かつその成形は割れ耐性に優れることから、幅広い用途に適用可能な導電性材料が提供できる。かかる用途としては、例えばパソコン、ノートパソコン、ゲーム機(家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、パチンコ、およびスロットマシーンなど)、ディスプレー装置(LCD、有機EL、電子ペーパー、プラズマディスプレー、およびプロジェクタなど)、送電部品(誘電コイル式送電装置のハウジングに代表される)が例示される。また、かかる用途としては、例えばプリンター、コピー機、スキャナーおよびファックス(これらの複合機を含む)が例示される。あらに、かかる用途としては、VTRカメラ、光学フィルム式カメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ用レンズユニット、防犯装置、および携帯電話などの精密機器が例示される。特に本発明の樹脂組成物は、カメラ鏡筒、デジタルカメラの如きデジタル画像情報処理装置の筐体、カバー、および枠に好適に利用される。
その他更に本発明の導電性樹脂複合材は、マッサージ機や高酸素治療器などの医療機器;画像録画機(いわゆるDVDレコーダーなど)、オーディオ機器、および電子楽器などの家庭電器製品;パチンコやスロットマシーンなどの遊技装置;並びに精密なセンサーを搭載する家庭用ロボットなどの部品にも好適なものである。
また本発明の導電性樹脂複合材は、各種の車両部品、電池、発電装置、回路基板、集積回路のモールド、光学ディスク基板、ディスクカートリッジ、光カード、ICメモリーカード、コネクター、ケーブルカプラー、電子部品の搬送用容器(ICマガジンケース、シリコンウエハー容器、ガラス基板収納容器、磁気ヘッドトレイ、およびキャリアテープなど)、帯電防止用または帯電除去部品(電子写真感光装置の帯電ロールなど)、並びに各種機構部品(ギア、ターンテーブル、ローター、およびネジなど。マイクロマシン用機構部品を含む)に利用可能である。
1・・・気相法炭素繊維の製造装置、2・・・原料タンク、3・・・原料導入管、4・・・ガスタンク、5・・・ガス導入管、6・・・蒸発器、7・・・原料混合ガス導入管、8・・・反応炉、9・・・導入ノズル、10・・・整流・緩衝板、11・・・加熱手段、12・・・気相法炭素繊維回収器、13・・・ガス排出管、14・・・原料混合ガス導入口、15・・・冷却ガス導入口、16・・・冷却ガス出口、20・・・金属触媒粒子生成帯域、30・・・気相法炭素繊維製造帯域。

Claims (8)

  1. ポリカーボネート樹脂および気相法炭素繊維を含む導電性樹脂複合材であって、該気相法炭素繊維の平均繊維外径が100nmを超え150nm以下であり、且つ前記気相法炭素繊維の繊維外径(nm)の分布の標準偏差が25〜40であり、該ポリカーボネート樹脂と該気相法炭素繊維との混合比が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し該気相法炭素繊維を1〜11.2質量部であり、破断伸びが30%以上であることを特徴とする導電性樹脂複合材。
  2. 前記気相法炭素繊維が、平均繊維外径が5nmを超え100nm以下である気相法炭素繊維Aと平均繊維外径が100nmを超え200nm以下である気相法炭素繊維Bとを混合均質化してなる混合物であり、該混合物におけるB由来の気相法炭素繊維の質量存在比がA由来の気相法炭素繊維の質量存在比より大きいことを特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂複合材。
  3. 前記気相法炭素繊維が、粒状部と気相法炭素繊維構造体を形成し、該気相法炭素繊維構造体は複数の粒状部が相互に立体的に該気相法炭素繊維で結合されたネットワーク構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性樹脂複合材。
  4. 前記粒状部が、前記気相法炭素繊維の平均繊維外径の1.3倍以上の平均円相当外径を有することを特徴とする請求項3に記載の導電性樹脂複合材。
  5. 前記気相法炭素繊維の繊維外径(nm)の分布の標準偏差が30〜40であることを特徴とする請求項1〜4に記載の導電性樹脂複合材。
  6. 前記導電性複合材からの気相法炭素繊維の脱落性は、超純水2000mL中に該複合材(50×90×3mm)を浸漬し、47kHzの超音波を60秒印加した後、該複合材の表面から脱落する粒径0.5μm以上のパーティクルの数が該複合材の単位表面積当り5000counts/cm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性樹脂複合材。
  7. 前記導電性樹脂複合材を用いて成形した成形物の表面電気抵抗値が10〜1012Ω/□であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性樹脂複合材。
  8. 前記導電性樹脂複合材の破断伸びが40%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性樹脂複合材。
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