JP4994671B2 - 導電性樹脂組成物、その製造方法及び用途 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の導電性樹脂組成物、その製造方法及び用途に関する。
[2]フィラー無添加の合成樹脂のメルトフローインデックスに対する導電性樹脂組成物のメルトフローインデックスの比が0.1以上である前記1に記載の導電性樹脂組成物。
[3]気相法炭素繊維の分岐数が0.3個/μm以下であり、X線回折法のd002が0.345nm以下、ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)が0.1〜1.3である前記1または2に記載の導電性樹脂組成物。
[4]合成樹脂が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマー、硬化性エラストマー、合成ゴムからなる群より選ばれる1種または2種類以上の組み合わせである前記1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[5]気相法炭素繊維の量が、合成樹脂100質量部に対して1〜13質量部である前記1〜4のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[6]前記1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂組成物の製造方法であって、溶融した合成樹脂または硬化により合成樹脂となる液状樹脂原料に、気相法炭素繊維を混合することを特徴とする製造方法。
[7]1000MJ/m3以下のエネルギーで混合する前記6に記載の導電性樹脂組成物の製造方法。
[8]混合時における気相法炭素繊維の破断を20%以下に抑える前記6に記載の導電性樹脂組成物の製造方法。
[9]前記1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
[10]成形が射出成形である前記9に記載の成形体。
[11]成形がフィルム成形である前記9に記載の成形体。
[12]成形が押出成形である前記9に記載の成形体。
[13]成形が紡糸である前記9に記載の成形体。
[14]成形がスクリーン印刷である前記9に記載の成形体。
[15]体積固有抵抗が101〜106Ωcmの範囲である前記1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[16]気相法炭素繊維の量が、合成樹脂100質量部に対して5〜13質量部である前記15記載の導電性樹脂組成物。
[17]熱伝導率が0.8W/mK以上であり、23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の50%以上であり、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であり、80℃で30分間加熱したときの総発生ガス量が5ppm以下である前記15または16に記載の導電性樹脂組成物。
[18]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、熱伝導率が0.8W/mK以上であり、23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の50%以上であることを特徴とする導電性ゴム。
[19]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、熱伝導率が0.8W/mK以上であり、23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の50%以上であることを特徴とする燃料チューブ。
[20]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、熱伝導率が0.8W/mK以上であり、23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の50%以上であることを特徴とする帯電防止ホース。
[21]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、熱伝導率が0.8W/mK以上であり、23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の50%以上であることを特徴とする中空成形品。
[22]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であることを特徴とする静電塗装される自動車用外板または外装部品。
[23]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であることを特徴とする導電性塗料。
[24]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であることを特徴とする導電性接着剤。
[25]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であることを特徴とする帯電防止塗料。
[26]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であることを特徴とする帯電防止用接着剤。
[27]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、80℃で30分間加熱したときの総発生ガス量が5ppm以下であることを特徴とする半導体部品搬送トレイ。
[28]合成樹脂が、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる前記27に記載の半導体部品搬送トレイ。
[29]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、80℃で30分間加熱したときの総発生ガス量が5ppm以下であることを特徴とするHDトレイ。
[30]合成樹脂が、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる前記29に記載のHDトレイ。
[31]前記15または16に記載の導電性樹脂組成物を用いた、80℃で30分間加熱したときの総発生ガス量が5ppm以下であることを特徴とするHDヘッドトレイ。
[32]合成樹脂が、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる前記31に記載のHDヘッドトレイ。
[33]体積固有抵抗が106〜1012Ωcmの範囲である前記1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[34]気相法炭素繊維の量が、合成樹脂100質量部に対して1〜5質量部である前記33に記載の導電性樹脂組成物。
[35]平均粒径1μm〜10μmのカーボン粒子を、合成樹脂100質量部に対して5〜25質量部含有する前記33または34に記載の導電性樹脂組成物。
[36]成形体面内の抵抗値のバラツキの最大値/最小値が10以下で、23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の50%以上であり、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であり、80℃で30分間加熱したときの総発生ガス量が5ppm以下である前記33〜35のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[37]前記33〜35のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を用いた、成形体面内の抵抗値のバラツキの最大値/最小値が<10以下であることを特徴とするIC部品包装体。
[38]合成樹脂が、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる前記37に記載のIC部品包装体。
[39]前記33〜35のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を用いた、成形体面内の抵抗値のバラツキの最大値/最小値が<10以下であることを特徴とするキャリアテープ。
[40]合成樹脂が、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる前記39に記載のキャリアテープ。
[41]前記33〜35のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を用いた、成形体面内の抵抗値のバラツキの最大値/最小値が<10以下であることを特徴とする半導体製造工程部材。
[42]合成樹脂が、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる前記41に記載の半導体製造工程部材。
[43]前記33〜35のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を用いた、成形体面内の抵抗値のバラツキの最大値/最小値が<10以下であることを特徴とするCPU用テストソケット。
[44]合成樹脂が、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる前記43に記載のCPU用テストソケット。
[45]前記33〜36のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を用いた帯電ロール。
本発明で使用する気相法炭素繊維は、BET比表面積が10〜50m2/g、好ましくは12〜45m2/g、より好ましくは15〜40m2/gである。BET比表面積が50m2/gより大きくなると、気相法炭素繊維の表面エネルギーや凝集エネルギーが大きくなり、繊維同士の付着・凝集力が強くなるため樹脂への分散性が低下する。さらに、樹脂と気相法炭素繊維の界面積が大きくなるので樹脂が十分に気相法炭素繊維を被覆することができなくなり、気相法炭素繊維の樹脂からの剥離確率が増大する。その結果、得られた樹脂組成物を成形したものは、分散不良による導電性低下のみならず機械的強度の低下を招くので好ましくない。
気相法炭素繊維の原料となる炭素源(有機化合物)は、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物も可能である。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含む。遷移金属は、周期律表第4〜10の元素である。好ましい有機遷移金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等が挙げられる。
熱分解反応雰囲気下で、遷移金属触媒粒子表面に吸着した水素などのガスを効率的に除去し、触媒活性を高めるための助触媒として、硫黄、チオフェンなどの硫黄化合物を用いることができる。
気相法炭素繊維の破断を極力抑えた混練を行うには、例えば、以下のような手法を用いることができる。
中でも成形後にゲート処理が不要なピンゲートが生産性の点で望ましいが、その場合には、ピンゲートの直径が0.5〜3mm、特に1.0〜2.5mmであることが望ましい。ピンゲートのゲート直径は、樹脂が金型内に十分に充填できる範囲内であれば、小さい方が望ましく、一般的に0.2〜0.5mmである。しかしながら、ゲート径(断面積)が小さいと、ゲート部分を樹脂組成物が流れる際に、過度の剪断を受けるため、気相法炭素繊維による導電性ネットワークの破壊が起こりやすい。一方、ゲート径が大き過ぎると、成形体のゲート部の切れが悪化して仕上がりが悪くなる。
走行時タイヤや車体で発生する静電気が車内に蓄積、放電が起きると、車内の電子機器制御系あるいはオーディオ系に悪影響を及ぼすことがあった。また、燃料周りの配管系で同様な現象が発生すると燃料への引火、火災の重大問題に発展してしまう。従来、自動車用のタイヤや燃料系のチューブには静電気を散逸させる目的で高比表面積のカーボンブラックなどをゴムに混ぜ込む方法が採られてきた。しかし、カーボンブラックの充填により体積固有抵抗106Ωcm以下の導電性を得ようとすると、ゴムの柔軟性が損なわれ、亀裂が発生しやすいという問題があった。
乗用車の高性能化、高速化によりタイヤにかかる負荷がますます大きくなり、走行時のタイヤの摩擦による発熱がタイヤの耐久性に及ぼす影響がより大きくなっている。つまり、走行中のタイヤ表面温度の上昇とともにゴムの強度が低下してしまう問題がある。従来は無機フィラーをゴムに添加し、ゴムの機械的強度を補強する方法が採用されてきたが、走行時の摩擦熱を散逸させるのには不十分であった。
気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より小さくなると、導電ネットワーク及び熱伝導ネットワークの形成し難くなり、体積固有抵抗106Ωcm以下の導電性と0.8W/mKの熱伝導性を両立することが不可能となる。一方、気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し12質量部より大きくなると、ゴムが硬くなり亀裂が生じやすくなるという問題がある。
自動車のバンパー、フェンダー等外板としては、これまでの金属製に代わって成形加工が容易で軽量の樹脂製のものが用いられている。しかし、樹脂には静電塗装に必要な導電性がないため、樹脂成形物に導電性プライマーを塗布して表面に導電性を付与したり、樹脂にカーボンブラックなどの導電性フィラーを混ぜ込んで導電性を持たせて静電塗装に供している。前者の方法に用いられるプライマーは、有機溶剤を溶媒として含むため、排出VOCの原因となり、環境負荷を増大させている。近年では環境負荷を低減させるために後者の方法が盛んに検討されている。しかし後者の方法においても、例えば、カーボンブラックを樹脂に配合すると、樹脂のアイゾッド衝撃強度や伸び、流動性が低下する欠点があり、また、導電性を安定化させるためにカーボンブラックの添加量を多くすると、これら物性はさらに低下する問題がある。
近年、分子状の汚染物質がデバイス特性や製造上のトラブルに大きな影響を及ぼすことがわかってきた。半導体搬送容器はポリマーにより構成されているため、それから発生するガスは深刻なデバイス汚染源である。この問題を解決するためにガスを発生しない部材の使用が検討されている。
従来、磁気ヘッドトレーにはポリカーボネート/炭素繊維系材料が使用されてきたが、この材料は次のような欠点を有していた(特開平8−288266号公報、特表平8−508534号公報、特開平8−283584号公報参照)。
b.半導体デバイスを純水により超音波洗浄する工程等において、容器表面から炭素繊維自体が脱落したり、炭素繊維間の樹脂成分が剥がれ落ちたりする。このようなパーティクルの脱落は半導体デバイスを汚染、損傷させるだけでなく、ハードディスクドライブの使用時にヘッドとハードディスク間の異物としてヘッドクラッシュを引き起こす危険性がある。
c.成形体内部における炭素繊維同士の接触状態が不安定となり、均一な抵抗値が得難い。
IC等の精密半導体部品を静電気による破壊から守るために、部品容器、製造場所の床材等に導電性の樹脂が使用されている。IC容器の抵抗値としては106〜1012Ωcmが好ましい。IC容器の抵抗値が低すぎる場合、蓄えられた静電気が急激にIC容器に移動し、放電現象が発生する。それがもとにIC部品がショートしてしまうからである。そのため電子部品容器には帯電したICから静電気を緩やかに除去することが必要となる。さらに、外圧による破損を防止するために機械的強度も要求される。
近年、複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタやファクシミリ等では装置寿命の向上などを目的として、感光ドラム等の像担持体にトナー等の記録剤により形成された像を印刷シート上に直接定着させる方式を回避すべく、像担持体上の像を中間転写ベルトに一旦転写し、それを印刷シート上に定着させる方式が検討されている。中間転写ベルトとして使用される半導電性の樹脂組成物の要求性能は、優れた耐久性(特にベルト回転での端縁部への亀裂と摺動摩耗の発生に対する)と電気抵抗の安定性が挙げられる。
実施例、参考例及び比較例に使用した気相法炭素繊維は以下の方法により作製した。
ベンゼンとフェロセンとチオフェンを質量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を300℃に設定した蒸発器に供給し、気化させる。この気化した原料ガスをキャリア水素ガスにより1200℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は8g/分、水素流量は80リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
ベンゼンとフェロセンとチオフェンを質量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を400℃に設定した蒸発器に供給し、気化させる。この気化させた原料ガスをキャリア水素ガスにより1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は10g/分、水素流量は60リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
気相法炭素繊維2(VG2)と同様の反応でしたものをアルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成し、黒鉛化処理を実施しなかった。
ベンゼンとフェロセンと硫黄を質量比96:2:2の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液をキャリア水素ガスにより1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に噴霧角度80°で供給した。このときの原料供給量は70g/分、水素流量は60リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
800℃に加熱した横型の石英製反応管(内径60mm、長さ1000mm)に直径2nmの鉄超微粒子を担持したアルミナ粒子をアルミナボートにセットし、エチレンガスと水素の混合ガスを30分間供給した。このときのエチレンガスと水素の流量はそれぞれ2リットル/分及び1リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物20gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
(i)平均繊維径:走査型電子顕微鏡の3万倍像を30視野分撮影し、画像解析装置(ニレコ社製LUZEX−AP)により300本の繊維径を計測して、数平均の平均繊維径として求めた。
(ii)平均繊維長:走査型顕電子顕微鏡の3千倍像を連続的にパノラマ状に30視野分撮影し、画像解析装置により300本の繊維長を計測して、数平均繊維長として求めた。
(iii)アスペクト比:平均繊維長/平均直径により求めた。
(iv)繊維の分岐度:前記繊維長の観察において、Σ繊維300本中の総分岐数/Σ繊維300本の総繊維長を計算し、繊維1μmあたりの分岐数として求めた。
(v)BET比表面積:窒素ガス吸着法(ユアサアイオニクス社製NOVA1000)により測定した。
(vi)平均面間隔d002:Siを内部標準とし粉末X線回折(理学社製Geigerflex)により計測した。
(vii)ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig):ラマン分光測定装置(Jobin Yvon社製 LabRamHR)により測定した。
・カーボンブラック
KB(ケッチェンブラック)EC600JD:ライオン(株)製、比表面積800m2/g。
ポリカーボネート樹脂(PC):三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロン(登録商標)H3000。
変性ポリフェニレンエーテル樹脂(m−PPE):日本GEプラスチックス社製ノリル(登録商標)534。
原料成分を表2に示す配合量にしたがい混練した。混練は同方向二軸押出機(池貝社製PCM30、樹脂温度:270℃)を用い、気相法炭素繊維はサイドフィードにより導入した。
成形は、サイキャップ型締力75トン射出成形機(住友重機社製)を使用して、平板(100×100×3mm厚)、引張試験片、アイゾッド試験片及びトレイを成形した。成形温度は280℃、金型温度100℃、射出スピード50mm/秒の条件で成形を実施した。
この成形体について、繊維破断率、メルトフローインデックス(MI)、体積固有抵抗、熱伝導率、引張破断伸び比率、ノッチ付アイゾッド衝撃値及びアウトガスを以下の通りに測定し、その結果を表2に併せて示す。
炭素繊維の破断率(%)={1−(組成物成形品の炭素繊維の繊維長/原料の
気相法炭素繊維の繊維長)}×100
装置:島津製作所社製「GC/MS QP5050」、
カラム:CHROMPAK PORAPLOT Q 0.32mm×25m、
カラム温度:35〜240℃(10℃/min)、
注入口温度:230℃、
インターフェース温度:280℃、
トレイガス:ヘリウム、
注入口圧力:100KPas、
全流量:60mL/min、
注入量:2mL。
総アウトガス量、塩化メチレン発生量及びn−ヘプタン発生量の算出方法は以下の通りである。
総アウトガス量(μg/g)=(サンプル総ピーク面積−ブランク総ピーク面積)/(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの質量(g))×1/(サンプル質量(g))
塩化メチレン発生量(μg/g)=(塩化メチレンピーク面積)/(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの質量(g))×1/(サンプル質量(g))、
ヘプタン発生量(μg/g)=(ヘプタンピーク面積)/(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの質量(g))×1/(サンプル質量(g))。
Claims (8)
- 比表面積が10〜50m2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmであり、X線回折法のd 002 が0.345nm以下、ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm -1 のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm -1 のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)が0.1〜1.3である気相法炭素繊維と合成樹脂を含み、気相法炭素繊維の量が、合成樹脂100質量部に対して1〜13質量部であり、体積固有抵抗が101〜106Ωcmであり、熱伝導率が0.8W/mK以上であり、23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の50%以上であり、ノッチ付きアイゾッド衝撃値が1kJ/m2以上であり、80℃で30分間加熱したときの総発生ガス量が5ppm以下であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- フィラー無添加の合成樹脂のメルトフローインデックスに対する導電性樹脂組成物のメルトフローインデックスの比が0.1以上である請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
- 気相法炭素繊維の分岐数が0.3個/μm以下である請求項1または2に記載の導電性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物の製造方法であって、溶融した合成樹脂または硬化により合成樹脂となる液状樹脂原料に、気相法炭素繊維を混合することを特徴とする製造方法。
- 1000MJ/m3以下のエネルギーで混合する請求項4に記載の導電性樹脂組成物の製造方法。
- 混合時における気相法炭素繊維の破断を20%以下に抑える請求項4に記載の導電性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
- 気相法炭素繊維の量が、合成樹脂100質量部に対して5〜13質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物。
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