JP5171609B2 - 複合材料組成物及び当該複合材料組成物の成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性や帯電防止性等の電気的特性に優れ、アウトガスが少なく、低脱落特性を有し、かつ外観平滑性に優れた複合材料組成物及びその成形体に関する。
従来から、電子・電気部材用の容器や、その他の包装材料としては、成形性に優れた樹脂材料が広く用いられている。
しかしながら、このような樹脂材料である高分子材料は、一般的に絶縁特性を有しているため、静電気を帯びやすく、精密電気部材、特に半導体材料の導電回路に、電気放電による切断等の悪影響を及ぼすおそれがあることが知られている。
そのため、電子・電気部材用の容器や包装材料には、導電性や帯電防止性を付与することが必要とされてきた。
樹脂材料に導電性を付与する方法として、金属を添加する方法が挙げられる。
具体的には、金属を金属粉や金属繊維の形態で添加する方法が提案されているが、金属が腐食することにより電気・電気部材に悪影響を及ぼしたり、外観特性や表面平滑性を悪化させたりするという問題があった。
このような問題を解決するべく、カーボン材料を導電材として樹脂材料に混合した樹脂複合材料が提案された。
従来広く使用されているカーボン材料としては、比較的太いカーボン繊維、粒子又はその集合体のカーボンブラック等が挙げられる。
しかし、これらのカーボン材料は、十分な導電特性や帯電防止特性を得るためには、かなり多量に添加することが必要であり、多量に添加することにより分散性が悪化して、脱落を生じたり、導電性にムラが生じたり、放電したりするという問題を生じる。一方において添加量が少なすぎると、不均一性が増して導電性が得られなくなる問題を生じる。
特に、従来公知の比較的径の大きいカーボン繊維や、ケッチンブラック、カーボンファーネス等を用いると、十分な導電特性や帯電防止特性を確保しながら同時にカーボン材料の脱落を防止することは困難であった。
カーボン材料の不均一性を解消するための技術として、繊維状炭素フィブリル0.25〜50質量部を含有させたポリマー組成物が提案されている。
このポリマー組成物は、強化導電性ポリマー組成物に関するものであり、剛性及び導電性の改善が図られたものである。
このポリマー組成物は、少なくとも一部分は凝集体の形態である炭素フィブリルをポリマー材料と配合し、この配合物を所定のポリマー材料に混合し、当該フィブリルを当該ポリマー材料中に分布させ、次に、この配合物に剪断力を適用して、凝集体の実質的全部が、約35μmよりも小さい径を有するまで凝集体を分解させることによって製造されるものである。これにより、炭素フィブリル0.25〜50質量%を含有し、約2フィート−ポンド/インチよりも大きいIZODノッチ付き衝撃強さを有し、かつ約1×1011Ω/cmより小さい体積抵抗率を有するポリマー組成物が得られることが示されている(下記特許文献1、2参照。)。
また、良好な表面外観及び剛性を有する成型品に加工可能であり、導電性、静電気放電性又は静電気帯電防止性を有するポリマー組成物として、所定のポリマー材料中に炭素フィブリルを0.25〜50質量%含有するポリマー組成物であって、前記炭素フィブリルの各々が長軸を有しており、当該フィブリルの一部分が凝集体の形態であって、凝集体中でフィブリルの長軸が実質的に同一の相対配向を有しているポリマー組成物が提案されている。
これにより、2.67J/cm(5フィート−ポンド/インチ)よりも大きいIZODノッチ付き衝撃強さを有し、1×1011Ω/cmよりも小さい体積抵抗率を有するポリマー組成物が得られることが示されている(下記特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献1〜3においては、ポリマー材料と炭素フィブリルとの密着性、脱落特性についての具体的な検証はなされておらず、さらには、精密電子部品として適用する場合に要求される特性である低アウトガス特性に関しては、何らの開示もなされていない。
低アウトガス特性に関する技術としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、導電性化合物を1〜10質量部を含有する導電性樹脂であって、80℃で60分放置した際に脱離する揮発性有機ガスの総発生ガス量が0.3ppm以下であり、表面抵抗値が103 〜108Ωである精密容器についての開示がなされている(下記特許文献4参照。)
しかしながら、少なくとも1質量部の導電材料を含有させることが必要であるとされており、導電材料の脱落を防止することはできず、導電短絡の危険性を確実に回避することは実現されていない。これは特に、特に、シリコンウエハー容器として適用する場合には、深刻な問題となる。
米国特許第5591382号 特表平8−508534号公報 特開2004−263191号公報 特開2007−12793号公報
上述した従来技術においては、十分な導電特性を得ながら、導電材料の脱落を確実に防止し、低アウトガス特性を満足し、しかも外観特性も良好な樹脂材料やこの成形体は未だ得られていない。
そこで本発明においては、少量の導電材料で実用上十分な導電性、帯電防止特性を実現し、低アウトガス特性、低脱落特性をも有し、かつ外観特性や平滑性にも優れた複合材料組成物及びこれを用いた成形体を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究をした結果、特定の炭素フィブリルを用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
請求項1の発明においては、
(A)アスペクト比10以上1000以下、平均外径1nm以上100nm以下のカーボ
ンナノチューブ:0.0001〜0.25質量部と、
(B)熱可塑性樹脂:100質量部と、
を含む複合材料組成物であって、
表面抵抗が、102Ω〜1013Ωであり、85℃の温度条件下で60分間放置したときのトータルアウトガスが10ppm以下である複合材料組成物を提供する。
請求項の発明においては、JIS K 5400による硬度評価機器を用いて測定した時のカーボンナノチューブの脱落指数が100を超えている請求項に記載の複合材料組成物を提供する。
(上記において、JIS K 5400による硬度評価機器の鉛筆を挿入する位置に、前
記複合材料組成物を先端部に固定した支持片を設置し、100gの荷重をかけて、前記複
合材料組成物を白紙面に接触させながら1cm/秒の速度で移動させたときに、脱落によ
る黒色線が目視で確認できないとき、カーボンナノチューブの脱落指数が100を超えて
いると定義する。)
請求項の発明においては、前記(B)熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであり、当該芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法により製造されたものであり、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合が5モル%以上50モル%以下である請求項1又は2に記載の複合材料組成物を提供する。
請求項の発明においては、前記(B)熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであり、当該芳香族ポリカーボネートは、重量平均分子量(Mw)が5,000〜500,000で、エステル交換法で製造されたものであり、当該エステル交換法においては、中間原料としてジフェニルカーボネートを用い、当該ジフェニルカーボネートは、原料として二酸化炭素とエチレンオキサイドとを用いて合成されたものである請求項1乃至のいずれか一項に記載の複合材料組成物を提供する。
請求項の発明においては、
(A)アスペクト比10以上1000以下、平均外径1nm以上100nm以下のカーボ
ンナノチューブ:0.0001〜0.25質量部と、
(B)熱可塑性樹脂:100質量部と、
を含む複合材料組成物の成形体であり、
体積抵抗率が、102Ω・cm以上1013Ω・cm以下であり、
85℃の温度条件下で60分間放置したときのトータルアウトガスが1ppm以下であり、当該アウトガス中の塩素系ガスが5ppb以下であり、
JIS K 5400による硬度評価機器を用いて測定した時のカーボンナノチューブの
脱落指数が100を超えている複合材料組成物の成形体を提供する。
(上記において、JIS K 5400による硬度評価機器の鉛筆を挿入する位置に、前
記複合材料組成物の成形体を固定し、100gの荷重をかけて前記複合材料組成物の成形
体を白紙面に接触させながら1cm/秒の速度で移動させたときに、脱落による黒色線が
目視で確認できないとき、カーボンナノチューブの脱落指数が100を超えていると定義
する。)
請求項の発明においては、表面から深さ50μmまでのスキン層断面における前記(B)熱可塑性樹脂の占有面積が95%以上である請求項に記載の成形体を提供する。
請求項の発明においては、半導体部材用の容器である請求項5又は6に記載の成形体を提供する。
請求項の発明においては、前記成形体が、ICチップ用のトレー、シリコンウエハー用のケース、シリコンウエハーケース用のホスブ、シリコンウエハーケース用のフープ、半導体製造時に用いる防塵カバーであるペリクルの搬送用カバーのいずれかである請求項5乃至7のいずれか一項に記載の成形体を提供する。
本発明によれば、実用上十分な導電性、帯電防止特性を有し、低脱落特性、低アウトガス特性を満足し、しかも外観特性や平滑性にも優れた複合材料組成物及びこれを用いた成形体が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔複合材料組成物〕
本実施の形態における複合材料組成物は、
(A)アスペクト比10以上1000以下、平均外径1nm以上100nm以下のカーボンナノチューブ:0.0001〜0.25質量部と、
(B)熱可塑性樹脂:100質量部と、
を含む複合材料組成物であって、表面抵抗が102Ω〜1013Ωである複合材料組成物である。
((A)カーボンナノチューブ)
カーボンナノチューブとは、グラフェンと呼ばれる炭素六角網面がナノメートルオーダーの直径の円筒に丸まった中空のチューブである。
本実施の形態においては、カーボンナノチューブは、アスペクト比10〜1000であるものとし、好ましくはアスペクト比20〜500であるものとし、更に好ましくは50〜200であるものとする。
カーボンナノチューブのアスペクト比が小さいと、十分な導電特性を得るために多量に含有させなければならず、また、アスペクト比が大きすぎると、複合材料組成物の流動性が低下し成形性が悪化するという問題を生じる。
本実施の形態において、カーボンナノチューブは、平均外径が100nm(ナノメーター)以下のものであると定義する。
すなわち、本実施の形態において用いるカーボンナノチューブは、平均外経が1〜100nmであるものとし、好ましくは5〜60nm、さらに好ましくは8〜13nmであるものとする。
カーボンナノチューブの平均外径が100nmよりも大きいと、上述したアスペクト比を確保することが困難となり、また、基材である熱可塑性樹脂から脱落しやすくなる。
アスペクト比とは、カーボンナノチューブの平均外径と平均長さとの比である。すなわちアスペクト比は、(カーボンナノチューブの平均長さ)/(カーボンナノチューブの平均外径)で表される。
カーボンナノチューブの外径と長さは、従来公知の透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。
カーボンナノチューブは、アーク放電法、気相成長法(CVD法)、レーザー蒸着法等により作製できる。
カーボンナノチューブの種類としては、単層、多層(二層を含む)のいずれも使用できるが、多層構造のカーボンナノチューブが好ましい。
単層ナノチューブは、アーク放電、レーザー蒸着、化学気相成長法(CVD法)によって作製できる。単層ナノチューブは、単原子層のグラファイトが円筒状に集まって閉じた構造を有しており、直径がナノメーターオーダーの極微の中空チューブ構成となっている。 単層ナノチューブの外径は、一般的に約1nm〜50nmである。
単層ナノチューブが2層以上重なったものが多層ナノチューブであるが、特に、2層のものを2層カーボンナノチューブと呼ぶことがある。
多層カーボンナノチューブは、アーク放電法や化学気相法(CVD法)によって作製できる。
CVD法は、所定のキャリアガス、触媒を用いて、メタン、アセチレン、一酸化炭素等の炭素含有ガスを分解してカーボンナノチューブを合成する方法である。
CVD法においては、固体基板上にカーボンナノチューブを成長させる基板成長法や、担体表面にカーボンナノチューブを成長させる担体触媒法、気相中でカーボンナノチューブを成長させる流動触媒法がある。
キャリアガスとなる炭素源としては、例えば、メタン/水素、メタン、メタン/アルゴン、エチレン/アルゴン、エチレン/水素+アルゴン、エチレン/アルゴン、エタノール等が挙げられる。
触媒としては、例えば、鉄、コバルト、コバルト−モリブデン、酸化鉄、モリブデン/コバルト/アルミニウム多層膜、フェロセン/イオウ混合物、鉄−モリブデン化合物、錫、アルミニウム、モリブデン、タングステン、クロム、マンガン、セリウム等が挙げられる。
担体としては、金属酸化物、例えばアルミナ微粒子、酸化マグネシウム、耐熱性ゼオライト、シリコン基板等が挙げられる。
カーボンナノチューブは、触媒として使用した金属や、触媒を担持する金属酸化物が残留していると、導電性に及ぼす効果がより高くなる。
一般に、カーボンナノチューブは、純度が高い方が導電性に及ぼす効果が高いと考えられ、触媒として用いる金属や金属酸化物の残量は少ない方が良いと考えられてきた。しかしながら、導電性を添加した樹脂内で効率的に発現させるためには、ある一定量の金属や金属酸化物が存在する方が好ましいことを見出した。これは、一定量の金属や金属酸化物が、カーボンナノチューブの分散性やカーボンナノチューブ同士の絡み合う接点における導電性に寄与するためと考えられる。
触媒の残留量は、カーボンナノチューブ100質量%に対して、0.001〜10質量%が好ましく、担体の残留量は、0.1〜15質量%が好ましく、5〜12質量%がより好ましい。
本実施の形態における複合材料組成物は、カーボンナノチューブの含有量によって、導電性、帯電防止特性が異なったものとなるが、所望の導電性、帯電防止性能が確保できる限り、カーボンナノチューブの含有量は少量の方が、低アウトガス性、脱落特性、成形品の外観特性や、その他の物性、例えば伸びの観点からは好ましい。
本実施の形態における複合材料組成物の電気特性について説明する。
本実施の形態における複合材料組成物の電気特性は、カーボンナノチューブの含有量によって異なるものとなるが、カーボンナノチューブの含有量が、後述する熱可塑性樹脂100質量部に対して0.0001〜0.25質量部の場合、表面抵抗は、102Ω〜1013Ω、0.01〜0.15質量部である場合、表面抵抗が、103Ω以上1012Ω以下である。
本実施の形態における複合材料組成物の表面抵抗の測定については、表面抵抗が107Ω以下の抵抗を有する場合、JIS K 7194に準じた方法により測定できる。
また、106Ω以上の複合材料組成物については、表面抵抗測定に特に規格は無いが、2ピンタイプのプローブ(例えば、三菱化学製、UAプローブ、MCP−HTP11)を用いて測定できる。
複合材料組成物の表面抵抗の測定においては、ストランドを測定対象とする。
具体的には、直径2±1mmの線状の樹脂組成物(ストランド)を、ペレタイズする前段階で、例えば鋏により長さ100mmに切断し、これを測定対象とする。
107Ω以下の表面抵抗を有するストランドの測定を行う場合、測定装置として、例えば、三菱化学製「ロレスタ−GP装置」を適用できる。
ストランドの表面抵抗の測定用のプローブとしては、三菱化学製の四探針プローブ「ESPプローブ、MCP−TP08P」を適用できる。
また、106Ω以上の表面抵抗を有するストランドの測定を行う場合、測定装置として、例えば、三菱化学製「ハイレスタ−UP装置」を適用できる。
ストランドの表面抵抗の測定用のプローブとしては、三菱化学製の2ピンタイプのプローブ「UAプローブ、MCP−HTP11」を適用できる。
((B)熱可塑性樹脂)
本実施の形態における複合材料組成物を構成する熱可塑性樹脂は、良好な成形性が確保できる溶融粘度を有していればよい。
例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、芳香族ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミド系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、環状ポリオレフィン(COP)等の熱可塑性のプラスチック材料が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよく、これらに従来公知の充填剤を配合してもよい。
熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリカーボネートが好ましい。芳香族ポリカーボネートとしては、公知の方法で製造したものが使用できる。
具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)等を反応させるエステル交換法(溶融法:特開平07−292097号公報、特開平08−225640号公報、特開平08−225641号公報、特開平08−225642号公報、特開平08−225643号公報参照)等、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法(例えば、特開平01−158033号公報(米国特許第4,948,871号明細書に対応)、特開平01−271426号公報、特開平03−68627号公報(米国特許第5,204,377号明細書に対応))等の方法により製造されたものを用いることができる。
上記の中では、特に、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)等を反応させるエステル交換法(溶融法)によって製造された、実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネートが好適である。
すなわち、二酸化炭素、エチレンオキサイド、ビスフェノールAを原料として、エステル交換法により製造されたものであり、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合が5モル%以上50モル%以下である芳香族ポリカーボネートが好ましい。
また更には、フェノール性末端基の比率が、全末端基数の15%以上40%以下であることが好ましく、20%以上30%以下であることがより好ましい。
末端基の比率の測定方法については、一般的に公知の方法が適用可能である。
例えば、NMRを用いて測定する方法や、チタン法、UV法、IR法により直接求めたOH末端量と粘度法又はGPC法で得られた分子量とから計算して求める方法もある。
芳香族ポリカーボネートの原料であるジフェニルカーボネート(DPC)に関しては、原料として二酸化炭素とエチレンオキサイドとを用いて合成されたものであることが好ましい。これにより、後述する低アウトガス特性、低溶出イオン特性が良好なものとなる。
すなわち、エステル交換法の中でも、中間原料として用いられるジフェニルカーボネート(DPC)の原料にホスゲンを使用せず、完全に塩素フリーの原料を用いて作製されたものであることが好ましい。
前記芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは10,000〜100,000であり、さらに好ましくは13,000〜50,000であり、さらにより好ましくは15,000〜35,000であり、最も好ましくは17,000〜30,000である。
芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定できる。この場合、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
PC=0.3591MPS 1.0388
(MPCは芳香族ポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量)
また、本実施の形態においては、(B)熱可塑性樹脂として、分子量が異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用してもよい。
例えば、Mwが通常14,000〜16,000の範囲にある光学ディスク用材料の芳香族ポリカーボネートと、Mwが通常20,000〜50,000の範囲にある射出成形用あるいは押出成形用の芳香族ポリカーボネートとを組み合わせることができる。
(低アウトガス特性)
本実施の形態の複合材料組成物は、低アウトガス特性に優れている。
本実施の形態における複合材料組成物において低アウトガス特性を実現するためには、(B)熱可塑性樹脂として、原料にホスゲンを用いずにエステル交換法で製造したポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
低アウトガス特性とは、85℃の温度条件下で60分間のヘッドスペース法において、トータルアウトガスが10ppm以下であるものする。好ましくは2ppm以下であり、より好ましくは1ppm以下である。
また、アウトガスの種類としては、沸点が150℃以下の低沸点化合物、沸点が150℃〜300℃の中沸点化合物、沸点が300℃以上の高沸点化合物があるが、本実施の形態においては、低沸点化合物が、100ppb以下であることが好ましく、30ppb以下であることがより好ましく、中沸点化合物が、200ppb以下であることが好ましく、100ppb以下であることがより好ましく、高沸点化合物が10ppb以下であることが好ましく、2ppb以下であることがより好ましい。
アウトガスは、測定対象を、85℃で60分間放置した際のアウトガスを、吸着剤を充填した吸着管に捕集し、パージ&トラップ装置を具備するGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析計)を用いることにより測定できる。
(低脱落特性)
本実施の形態における複合材料組成物は、カーボンナノチューブの低脱落特性に優れている。
低脱落特性に関しては、図1に概略構成図を示す、JIS K 5400 における「硬度評価機器」による測定で定義づけられる。
なお、図1(a)は、硬度評価機器の概略構成図を示し、図1(b)は、図1(a)中の円で囲まれた領域の拡大図を示す。
評価対象は、コンパウンド時のストランドを用いる。
具体的には、JIS K 5400の「硬度評価機器」の鉛筆挿入位置に、鉛筆に替えて、支持片1を挿入する。この支持片1の先端部には、評価対象である複合材料組成物のコンパウンド時のストランド11を、図1(b)に示すように折り曲げ固定する。
ストランド11の先端を、硬度評価機器の白紙4の面上に接地させる。
おもり6によりホルダー2を介してストランド11に所定の荷重をかけた状態で1cm/秒の速度で白紙面上を移動させる。このときのストランド11からのカーボンナノチューブの脱落状態を、白紙面上に黒線が付くか否かで評価する。
本実施の形態における複合材料樹脂組成物は、荷重100gの場合でも白紙面上に黒線が付かず、カーボンナノチューブが脱落しないものである。これを脱落指数が100を超えるものであると定義する。すなわち、本実施の形態における樹脂組成物は、脱落指数が100を超えている。
なお、上記脱落指数が500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、5000以上であることがさらに好ましい。
(低溶出イオン特性)
本実施の形態における複合材料樹脂組成物、及び後述する成形体は、溶出イオンが少ないことが好ましい。
具体的には、純水を用いて、23℃、30分間のイオン抽出を行った後に、その抽出イオンをイオンクロマト分析したときに、イオン抽出総量が100ppb以下であり、さらに抽出イオン中での塩素イオン(Cl-)が10ppb以下であることが好ましく、5ppb以下であることがより好ましく、1ppb以下であることがさらに好ましい。
またさらに、抽出イオン中の亜硝酸イオン(NO2 -)が5ppb以下、臭素イオン(Br-)、硝酸イオン(NO3 -)、硫酸イオン(SO4 2-)、フッ素イオン(F-)がそれぞれ1ppb以下、燐酸イオン(PO4 3-)が10ppb以下であることが好ましい。
低溶出イオン特性を実現するためには、(B)熱可塑性樹脂として、溶融法によって作製したポリカーボネートを用いることが好ましい。
さらには、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とからエステル交換法によって、溶融法により作製された芳香族ポリカーボネートを用いることが好ましい。
他方、溶媒法(ホスゲン法)においては、製造工程中、塩化メチレン等の溶媒を用いるため、水溶性含有物、例えば塩素化合物が、ポリカーボネート材料中にppmオーダーで残存することになり、複合材料組成物やその成形体の低溶出イオン特性や上述した低アウトガス特性を損ねる。
このような塩素化合物の含有量に関しては、ppbオーダーまで除去することが望ましく、このためには、溶媒中で重合したポリカーボネートを純水で十分に洗浄する工程が必要になり、生産コスト上望ましくない。
これに対して、溶融法により製造した芳香族ポリカーボネート樹脂は、重合工程中、溶媒を用いないために塩素系化合物や溶媒に由来する水溶性含有物が極めて少なくなるという利点を有している。
また、溶融法においては、溶媒法で用いるt−ブチルフェノール等の重合停止剤を用いないため、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合を、5モル%以上50モル%以下とすることができる。
(B)熱可塑性樹脂を芳香族ポリカーボネートとしたときにおいて、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合が5モル%以上であると、優れた成形加工性が実現できる。かかる観点から、末端ヒドロキシ基の割合は10モル%以上が好ましく、15モル%以上がさらに好ましい。
また、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合が50%以下であると、本実施の形態における複合材料組成物及び成形体は、機械的特性に優れたものとなる。かかる観点から、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
〔複合材料組成物の成形体〕
本実施の形態における複合材料組成物の成形体は、
(A)アスペクト比10以上1000以下、平均外径1nm以上100nm以下のカーボンナノチューブ:0.0001〜0.25質量部と、
(B)熱可塑性樹脂:100質量部と、
を含む複合材料組成物の成形体であり、
体積抵抗率が、102Ω・cm以上1013Ω・cm以下であり、
JIS K 5400による硬度評価機器を用いて測定した時のカーボンナノチューブの脱落指数が100を超えている複合材料組成物の成形体である。
但し、上記において、「脱落指数」については、JIS K 5400による硬度評価機器の鉛筆を挿入する位置に、前記複合材料組成物の成形体を固定し、100gの荷重をかけて前記複合材料組成物の成形体を白紙面に接触させながら1cm/秒の速度で移動させたときに、脱落による黒色線が目視で確認できないとき、カーボンナノチューブの脱落指数が100を超えていると定義する。
(電気特性)
本実施の形態における成形体の電気特性は、カーボンナノチューブの含有量によって異なる。
カーボンナノチューブの含有量が、(B)熱可塑性樹脂100質量部に対して0.0001〜0.25質量部の場合、体積抵抗率は、102Ω・cm以上1013Ω・cm以下、0.01〜0.15質量部である場合、体積抵抗率は、103Ω・cm以上1012Ω・cm以下である。
成形体の体積抵抗率は、材料抵抗の領域によって、下記の二つの方法によって測定する。
低抵抗領域である107Ω・cm以下の場合、JIS 7194に準拠した四端子法を用いて測定できる。
また、高抵抗領域である106Ω・cm以上の場合、JIS 6911に準拠した方法である二重リング方式により測定できる。
(外観特性)
本実施の形態における成形体は、外観特性が良好であることが好ましく、カーボンナノチューブの成形品表面への露出による外観不良が少ないものが好ましい。
具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、成形体の断面の観察を、成形体の表面から50μmの深さまでのスキン層において行ったところ、上述した熱可塑性樹脂(B)の存在比率が95%以上であること好ましく、98%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましい。
なお、熱可塑性樹脂(B)の存在比率は断面における占有面積で測定することとし、フィラーが脱落した空孔部分は、熱可塑性樹脂が存在している部分とはしないものとした。
(低脱落特性)
本実施の形態における複合材料組成物の成形体は、カーボンナノチューブの低脱落特性に優れている。
低脱落特性に関しては、図2に概略構成図を示す、JIS K 5400 における「硬度評価機器」による測定で定義づけられる。
なお、図2(a)は、硬度評価機器の概略構成図を示し、図2(b)は、図2(a)中に示す円で囲まれた領域の拡大図を示す。
評価対象は、所定の形状に切り出した成形体を用いる。
なお、評価用成形体は、切り出した任意の一部分であってもよいし、JISやISOに規定(JIS K7152−1、ISO 294−1)されている物性評価用の短冊片(ISO金型タイプBによる成形品)やダンベル片(ISO金型タイプAによる成形片)から切り出したものでもよい。
具体的には、JIS K 5400の「硬度評価機器」の鉛筆挿入位置に、鉛筆に替えて成形体21を挿入し、ホルダーで固定する。
成形体21の切削部分ではないコーナー部分を、硬度評価機器の白紙4の面上に接地させる。
おもり6によりホルダー2を介して成形体21に所定の荷重をかけた状態で1cm/秒の速度で白紙面上を移動させる。
さらに具体的には、ISO規定の短冊成形片を作製し、長さ50mm、幅7mmに切断し、切断面ではない短冊成形片のコーナー部分が白紙4の面上に接地するようにセットし、任意の荷重をかけて、1cm/秒の速度で成形体を白色紙上に接地させたまま移動させる。
このときの、成形体からのカーボンナノチューブの脱落の有無を、白紙面上に黒線が付くか否かで評価する。
ここでカーボンの脱落判定に用いる白色紙に特に制限は無いが、白色度70%以上、好ましくは白色度80%以上の市販のコピー用やプリンター用の白色紙を用いることができる。
本実施の形態における成形体は、荷重100gの場合でも白紙面上に黒線が付かず、カーボンナノチューブが脱落しないものである。これを脱落指数が100を超えるものであると定義する。すなわち、本実施の形態における樹脂組成物は、脱落指数が100を超えている。
なお、本実施の形態における成形体は、上記脱落指数が500以上であることが好ましく、1000以上であることがさらに好ましい。
また、上述した脱落特性の評価としては、切削部分に対する評価を行ってもよく、もっとも好ましい形態としては、切削部で低脱落特性が実現されることである。
成形体の脱落特性は、カーボンナノチューブの種類、熱可塑性樹脂の種類や、これらの配合比に影響される。
しかしながら、一般に表面の樹脂スキン層が形成しやすい組成や成形条件を選択すると導電性が大きく損なわれるといった問題が発生するため、両特性のバランスを図って組成や成形条件を選択することが必要である。
また、脱落は、カーボンナノチューブの含量が少ないほど起こりにくい。従って、カーボンナノチューブの含量を調整することによってカーボンナノチューブの脱落を制御できる。
さらに、成形体のカーボンナノチューブの脱落は、コンプレッション成形においては、金型の温度によって制御でき、射出成形においては、金型温度や射出速度によって制御できる。
(低アウトガス特性)
本実施の形態の複合材料組成物の成形体は、低アウトガス特性に優れている。
成形体の低アウトガス特性とは、微量の不純物が放出されにくい特性を示す。
半導体部材、特に半導体チップやシリコンウエハーに接触する容器やトレー部材等には、優れた低アウトガス特性が要求される。
半導体チップやシリコンウエハーは、有機物性のガスや特に塩素原子を含む化合物による汚染によって欠陥を生じることが知られており、高価な半導体材料に極めて大きな悪影響を及ぼすからである。すなわち、低アウトガス特性が高いほど、半導体部材に及ぼす悪影響を低減化できる。
成形体の低アウトガス特性の測定法としては、一般にヘッドスペース法が用いられる。成形体又はその一部を試料とし、それを一定温度、一定圧力(一般に真空系)の密閉容器内に一定時間放置し、放出された揮発成分を定量分析し、用いた試料の重量から放出ガスの濃度を算出する。
具体的には、測定対象を85℃で60分間熱処理した時に発生するガスを、吸着剤を充填した吸着管に捕集し、パージ&トラップ装置を具備するGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析計)を用いることにより測定できる。
具体的な装置例としては、Agilent社製のAgilent Technologies G1888ヘッドスペースサンプラーとAgilent 7890A GC システムを組み合わせた装置等が使用できる。
カラムの例としては、Agilent製のDB-5等が使用できる。
アウトガス濃縮装置としては、ジーエルサイエンス製MSTD−258Mが使用できる。
本実施の形態における成形体においては、85℃60分間放置におけるトータルアウトガスが1ppm以下であることが好ましい。
さらにかかるアウトガス中の塩素化合物によるアウトガスは5ppb以下であることが好ましく、さらには、1ppb以下であることが好ましい。
塩素化合物とは、例えば塩素を化合物中に含む有機系塩素化合物である。具体的には、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
塩素化合物によるアウトガス量を5ppb以下に低減化するためには、下記の点に注意が必要である。
すなわち、溶媒に塩素系化合物が含有されている溶媒法によって、(B)熱可塑性樹脂としての芳香族ポリカーボネートを製造し、これを用いて成形体を作製した場合は実現困難である。
これに対して、溶融法で(B)熱可塑性樹脂としての芳香族ポリカーボネートを製造した場合には、成形体は、塩素ガスの低アウトガス特性が良好になるが、更に下記のような工夫が有効である。
すなわち、(B)熱可塑性樹脂のペレットの造粒時に使用するストランドの冷却用水として、塩素を予め除去したものを用いたり、導電材料と芳香族ポリカーボネート樹脂とのコンパウンド時に、塩素を予め除去した冷却水を用いたりすることが有効である。
また、ペレット作製後から包装工程までの環境を塩素フリーなクリーン環境とすることが好ましい。
ここでいうクリーン環境とは、クリーン度が、好ましくはISO14644−1規定でClass7より優れること、更に好ましくはClass6より優れること、最も好ましくはClass5より優れることである。
さらに、ペレット材料を収容する包装袋も、アウトガス低減や塩素フリーを実現することが好ましい。具体的には、紙製の紙袋やフレコンの内装袋としてポリエチレン製のフィルムを用いることが一般的であるが、このポリエチレン袋は、アウトガス発生の原因となる添加剤等が塗布されていないものとすることが好ましい。
本実施の形態における成形体は、実用上良好な導電性、帯電防止特性を有し、低脱落特性を有し、かつ低アウトガス特性をも満足するものであるから、半導体部材用の容器として好適である。
具体的には、ICチップ用のトレー、シリコンウエハー用のケース、シリコンウエハーケース用のホスブ、シリコンウエハーケース用のフープ、半導体製造時に用いる防塵カバーであるペリクルの搬送用カバーとして利用可能である。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例においては、以下の成分(A)、(B)を使用して、複合材料組成物及びこれを用いた成形体を作製した。
(成分(A))カーボン
(A)−1:平均外径9.5nm、平均長1.5μm、アスペクト比:約150、カーボン純度90質量%、金属酸化物10%のカーボンナノチューブ(ナノシル製Nanocyl-7000)
(A)−2:平均外径55nm、平均長40μm、アスペクト比 約700、カーボン純度95質量%のCCVD法(Catalytic Chemical Vapor Deposition)法によって作製されたカーボンナノチューブ
(A)−3:炭素繊維;繊維長6mm、繊維径7μmの炭素繊維24000本からなるマスターペレット(東邦テナックス社製、HTA-C6-UEL1)
(A)−4:ケッチンブラック(ライオン製、ケッチンブラックEC-600JD)
(A)−5:アセチレンブラック(電気化学工業製、デンカブラック)
(成分(B))熱可塑性樹脂
(B)−1:ビスフェノールAと実質的に塩素を含有しないジフェニルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造されたISO 1133に規定(測定条件300℃、荷重1.2kg)されたメルトフローレートが22g/10分である溶融法によるビスフェノールA系ポリカーボネート
重量平均分子量(Mw)=22,000
フェノール性末端基比率(フェノール性末端基が全末端基数に占める割合)=20モル%
フェノール性末端基比率は核基磁気共鳴法(NMR法)で測定した。
(B)−2:ホスゲンを原料とする界面重合法により製造されたビスフェノールA系ポリカーボネート(住友ダウ株式会社製 カリバー 301−22)
(B)−3:PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂(ポリプラスチックス株式会社製 ジュラネックス2002)
〔実施例1〜7、比較例1〜8〕
上述した成分(A)及び成分(B)について、それぞれ任意の材料を組み合わせて、複合材料組成物、及び成形体を作製した。
(表1に示すサンプル)
実施例1、2、4:コンプレッション成形体
実施例3:射出成形体
比較例1:コンプレッション成形体
比較例2:射出成形体
(表2に示すサンプル)
比較例3:コンプレッション成形体
比較例4、5:射出成形体
比較例6、7:コンプレッション成形体
(表3に示すサンプル)
実施例5〜7:複合材料組成物(ストランド)
比較例8:複合材料組成物(ストランド)
(1)複合材料組成物の作製
上記成分(A)、成分(B)から、それぞれ材料を選択して組み合わせて、複合材料組成物を作製した。
先ず、2軸押出機に材料を投入する前処理として、ドライブレンド法により上記成分(A)と成分(B)とをブレンドした。このとき予め展着剤として、グリセリントリオレートを成分(B)に対して0.3質量部混合しておき、さらに成分(A)を加えて5分間ドライブレンドした。
成分(A)、成分(B)をドライブレンドした後、下記のように溶融混練を行った。
フィーダーを用いて材料を溶融混練装置(2軸押出機(KZW15、L/D=45、TECHNOVEL製))に投入し、シリンダー設定温度280℃、スクリュー回転数150rpm、混練樹脂の吐出速度3kg/hrの条件で溶融混練を行った。
溶融混練中に押出機ダイ部において熱電対を用いて測定した溶融樹脂の温度は260〜270℃であった。
また、2軸押出機の後段部分にベント口を設けて減圧脱揮(絶対圧0.08MPa)を行った。
コンパウンドされたストランドは、ペレタイザーにてペレット化した。
但し、後述するカーボンナノチューブ脱落特性試験用の測定サンプルは、ペレタイズされる前のストランドを鋏で切断して作製した。
(2)射出成形体の作製
上記(1)で作製した複合材料組成物のペレットに対し、120℃で4時間の乾燥処理を施し、射出成形機を用いて、ISO規定の射出成形体(肉厚4mmの短冊片)を作製した。
射出成形条件は、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出速度30mm/秒、射出時間5秒、冷却時間20秒とし、シリコンウエハー用容器を成形した。
(3)コンプレッション成形体の作製
上記(1)で作製した複合材料組成物のペレットに対し、120℃で4時間の乾燥処理を施し、コンプレッション成形を行った。
コンプレッション成形条件は、荷重5kg重で280℃、3分間加熱し、更に荷重100kg重にて2分間保持し、更にそのまま荷重を150kg重にして1分間保持した後に圧力を0kg重にし、続いて、複合材料の入ったコンプレッション用の板を冷却用のコンプレッション装置に移動し、25℃、荷重100kg重で3分間冷却し、150mm×150mmの平板成形体を作製し、試験片をバンドソーにて切り出した。
(4)特性の評価
上述のようにして作製した複合材料組成物と、この成形体について、以下の方法により評価を行った。
<カーボンナノチューブ(導電材料)脱落特性>
(a)評価機器:JIS K5400に準拠した「鉛筆引っかき試験機(硬度測定機器)」を用いた。
(b)試験片
(b)−1 複合材料組成物(ストランド)
上記のように成分(A)と成分(B)のコンパウンド押出成形時に作製した。
評価用としては、ペレット化(ペレタイズ)する前のストランドを用いた。
ストランドは、図1(a)、(b)に示すように、支持片1の先端部に、折り曲げた状態で固定し、この支持片1をホルダー2に固定した。
(b)−2 成形体
上記のように、コンプレッション成形体、射出成形体から切り出した試験片を、図2(a)、(b)に示すように、ホルダー2に固定した。
(c)試験操作
(c−1) ストランド(複合材料組成物)の脱落特性評価
(i)図1(a)に示すように、ホルダー2に、上記(b−1)で説明したように、支持片1を取り付けた。
(ii)ストランド11が接する部分に白紙4を固定した。白色紙としては、コクヨS&T株式会社製 PPC用紙 KB−K39N (白色度80%、紙厚 64g/m2、0.092mm)のものを使用した。
(iii)おもり6の重心を通る鉛直線が、白紙と交わる点に試験片11の先端が触れるように、試験片11をホルダー2に取り付けた。
(iv)白紙4にかかる試験片11の荷重が、正にも負にもならないようにバランスおもり8で調整し、その後、止めねじ9を締めて、試験片11を白紙4から離してさお10を固定し、おもり台に任意のおもり(100g±10g、200g±20g、1000g±50g)6を載せ、止めねじ9を緩めて試験片11先端が白紙面に触れ、おもり6の荷重が先端にかかるようにした。
(v)ハンドル3を一定の速さで回して、試験片11の移動速度が、1±0.3cm/秒になるように動かした。
(vi)カーボンナノチューブの脱落の有無は、白紙面上に残った黒色線の有無を目視にて判定した。
(c−2) 成形体の脱落特性評価
(i)図2(a)に示すように、ホルダー2に、上記(b−2)で説明したように、試験片(成形体)21を取り付けた。
(ii)成形体21が接する部分に白紙4を固定した。
(iii)おもり6の重心を通る鉛直線が、白紙と交わる点に試験片21の先端が触れるように、試験片21を鉛筆ホルダー2に取り付けた。
(iv)白紙2にかかる試験片21の荷重が、正にも負にもならないようにバランスおもり8で調整し、その後、止めねじ9を締めて、試験片21を白紙4から離してさお10を固定し、任意のおもり(100g±10g、200g±20g、1000g±50g)6を載せ、止めねじ9を緩めて、試験片21先端が白紙面に触れ、おもり6の荷重が先端にかかるようにした。
(v)ハンドル3を一定の速さで回して、試験片21の移動速度が1±0.3cm/秒になるように試料を動かした。
(vi)カーボンナノチューブの脱落の有無は、白紙面上に残った黒色線の有無を目視にて判定した。
<複合材料組成物の表面抵抗>
複合材料組成物の表面抵抗の測定には、複合材料組成物のストランドを用いるものとする。
ストランドとは、直径2±1mmの線状のものをペレタイズする前工程で、鋏により長さ100mmに切断したものである。
表面抵抗は、JIS K 7194に準拠し、三菱化学製「ロレスタ−GP装置」を用いて測定した。
測定用プローブとしては、三菱化学製の四探針プローブ(ESPプローブ、MCP−TP08P)を用いた。
表面抵抗が高く、上記三菱化学製「ロレスタ−GP装置」により測定不能なストランドについては、三菱化学製「ハイレスタ−UP装置」を用いて測定した。
測定用プローブとしては、2ピンタイプのUVプローブ(MCP−HTP11)を用いた。
<成形体の体積抵抗率>
成形品は、体積抵抗率が106Ω・cm以上のものは、150mm×150mmの平板をコンプレッション又は射出成形にて成形し、JIS K 6911に示された方法にて体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。
また、体積抵抗率107Ω・cm以下のものについては、150mm×150mmの平板をコンプレッション又は射出成形にて成形し、JIS K 7194に示された方法にて体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。
体積抵抗率の測定には、150×150mmの平板から試験片寸法100mm×100mmに切り出して使用した。このときの成形体の肉厚は、3mmであった。
また、体積抵抗率が107Ω・cm以下の成形体の体積抵抗率の測定は、JIS K 7194に準拠した三菱化学製 ロレスタ−GPを用いた。プローブは三菱化学製の四探針プローブ(ASPプローブ、MCP−TP03P)を用いた。
<アウトガス特性評価>
アウトガス特性の測定方法としては、85℃で60分間熱処理した時に発生するアウトガスを、吸着剤を充填した吸着管に捕集し、パージ&トラップ装置を具備するGC−MSを用いて測定した。
アウトガス濃縮装置としては、ジーエルサイエンス製MSTD−258Mを用いた。
アウトガスの捕集条件としては、チャンバーパージガス流量は、N2ガス340mL/min、捕集時間30分間として実施した。
分析方法としては、分析装置のGC―MSを用い、分析条件としては、カラムにJ&WキャピラリーカラムDB−5MSを用い、カラム温度は、40℃とし、3分間ホールド後、220℃までは昇温速度9℃/分で20分間昇温し、更に300℃まで昇温速度10℃/分で8分間昇温し、300℃で3分間保持した。
注入口の温度は280℃とした。
キャリアガスはHeを用い、流速1.5mL/minで、スプリット比を1:10とした。
MS分析(質量分析)は、分析装置(Agilent社製 HP6890/5973-GC/MS)を用いて、エレクトロンイオン化法により行った。
検出器の温度は250℃とした。
<イオン溶出特性、塩素イオン溶出特性>
サンプルの重量を測定し、その後、ポリプロピレン袋に入れ、これに純水30mLを加え、封入し、密閉状態で30分間イオン溶出させた。
上記イオン溶出後の水に対しイオンクロマト分析を行うことにより溶出イオンの検出を行った。
陰イオン分析は、ダイオネクス社製イオンクロマトグラフ(DX−500)を用いた。分離カラムとしては、Ion Pac AS17(ダイオネクス社製、商品名)を用い、溶離液としては、A液として水、B液として5mM−NaOH、C液として100mM−NaOHを用いた。検出器としては、電気伝導度検出器を用いた。
フッ素(F)と有機酸の分析は、ダイオネクス社製イオンクロマトグラフ(DX−500)を用いた。分離カラムとしては、AS4A−SC(ダイオネクス社製、商品名)を用い、溶離液としては、5mM−四ホウ酸ナトリウムを用いた。検出器としては電気伝導度検出器を用いた。
<走査型顕微鏡(SEM)観察による外観特性>
観察用の走査型顕微鏡としては、HITACHI製モデル、S−4700を用いた。
測定条件は、15KVの電圧で測定した。
実施例1のコンプレッション成形体の断面観察写真を図3に、実施例2のコンプレッション成形体の断面観察写真を図4に、比較例4の射出成形体の断面観察写真を図5に、比較例5の射出成形体の断面観察写真を図6にそれぞれ示す。
図3、図4に示すように、実施例1、2のコンプレッション成形体は、表面から50μmの厚さにおいて、大部分が熱可塑性樹脂で占められており、表面にカーボンの露出も確認されず、表面平滑性が極めて良好であった。
一方、図5、図6に示すように、比較例4、5の射出成形体においては、カーボン繊維の抜け落ちや、カーボン繊維の露出部分の面積が大きく、良好な表面平滑性が得られなかった。
上述した実施例1〜7、比較例1〜8の構成成分、及び評価結果を下記表1〜表3に示す。
表1に示すように、実施例1〜4の成形体においては、いずれも導電性や帯電防止性等の電気的特性に優れ、アウトガスが少なく、カーボンナノチューブ脱落が効果的に抑制できた。また、実施例1、3の成形体は、イオン溶出量が少なく、特に塩素イオンの溶出量が極めて少なかった。
一方、導電性材料としてカーボンナノチューブを用いなかった比較例1は、脱落を生じ、成形体として実用上良好な特性が得られなかった。また、比較例1、2は、いずれもカーボンナノチューブの含有量が多すぎるため、脱落を生じ、成形体として実用上良好な特性が得られなかった。
表2に示すように、比較例3〜7においては、カーボン材料の含有量が多すぎため脱落特性が悪化した。
特に(A)−3、(A)−4、(A)−5を使用した比較例4〜7においては実用上十分な導電性を得るためにこれらの含有量を多くする必要があり、良好な脱落特性が得られなかった。
表3に示すように、実施例5〜7の複合材料組成物は、いずれも導電性や帯電防止性等の電気的特性に優れ、アウトガスが少なく、低脱落特性を有するものであったが、特に、成分(B)として、溶融エステル交換法で作製した芳香族ポリカーボネートを使用した実施例5、6は、低アウトガス特性に優れていた。
比較例8は、導電性材料としてカーボンナノチューブを用いなかったため、脱落を生じ、実用上良好な特性が得られなかった。また、ホスゲン法により作製した芳香族ポリカーボネートを使用したため、アウトガスも多かった。
本発明の複合材料組成物及びその成形体は、ICチップ用のトレー、シリコンウエハー用のケース、半導体製造時に用いる防塵カバーであるペリクルの搬送用容器、シリコンウエハー用の容器として産業上の利用可能性がある。
(a)ストランドの脱落特性を評価する装置の概略図を示す。(b)(a)の装置の要部を示す。 (a)成形体の脱落特性を評価する装置の概略図を示す。(b)(a)の装置の要部を示す。 走査型顕微鏡による実施例1に示した成形体の表面観察写真 走査型顕微鏡による実施例2に示した成形体の表面観察写真 走査型顕微鏡による比較例4に示した成形体の表面観察写真 走査型顕微鏡による比較例5に示した成形体の表面観察写真
符号の説明
1 支持片
2 ホルダー
3 ハンドル
4 白紙
6 おもり
8 バランスおもり
9 止めねじ
10 さお
11 ストランド(試験片)
21 成形体(試験片)

Claims (8)

  1. (A)アスペクト比10以上1000以下、平均外径1nm以上100nm以下のカーボ
    ンナノチューブ:0.0001〜0.25質量部と、
    (B)熱可塑性樹脂:100質量部と、
    を含む複合材料組成物であって、
    表面抵抗が102Ω〜1013Ωであり、
    85℃の温度条件下で60分間放置したときのトータルアウトガスが10ppm以下である複合材料組成物。
  2. JIS K 5400による硬度評価機器を用いて測定した時のカーボンナノチューブ
    の脱落指数が100を超えている請求項に記載の複合材料組成物。
    (上記において、JIS K 5400による硬度評価機器の鉛筆を挿入する位置に、前
    記複合材料組成物を先端部に固定した支持片を設置し、100gの荷重をかけて、前記複
    合材料組成物を白紙面に接触させながら1cm/秒の速度で移動させたときに、脱落によ
    る黒色線が目視で確認できないとき、カーボンナノチューブの脱落指数が100を超えて
    いると定義する。)
  3. 前記(B)熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであり、
    当該芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエ
    ステル交換法により製造されたものであり、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合が5
    モル%以上50モル%以下である請求項1又は2に記載の複合材料組成物。
  4. 前記(B)熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネートであり、
    当該芳香族ポリカーボネートは、重量平均分子量(Mw)が5,000〜500,00
    0で、エステル交換法で製造されたものであり、
    当該エステル交換法においては、中間原料としてジフェニルカーボネートを用い、
    当該ジフェニルカーボネートは、原料として二酸化炭素とエチレンオキサイドとを用いて合成されたものである請求項1乃至のいずれか一項に記載の複合材料組成物。
  5. (A)アスペクト比10以上1000以下、平均外径1nm以上100nm以下のカーボ
    ンナノチューブ:0.0001〜0.25質量部と、
    (B)熱可塑性樹脂:100質量部と、
    を含む複合材料組成物の成形体であり、
    体積抵抗率が、102Ω・cm以上1013Ω・cm以下であり、
    85℃の温度条件下で60分間放置したときのトータルアウトガスが1ppm以下であり、当該アウトガス中の塩素系ガスが5ppb以下であり、
    JIS K 5400による硬度評価機器を用いて測定した時のカーボンナノチューブの
    脱落指数が100を超えている複合材料組成物の成形体。
    (上記において、JIS K 5400による硬度評価機器の鉛筆を挿入する位置に、前
    記複合材料組成物の成形体を固定し、100gの荷重をかけて前記複合材料組成物の成形
    体を白紙面に接触させながら1cm/秒の速度で移動させたときに、脱落による黒色線が
    目視で確認できないとき、カーボンナノチューブの脱落指数が100を超えていると定義
    する。)
  6. 表面から深さ50μmまでのスキン層断面における前記(B)熱可塑性樹脂の占有面積
    が95%以上である請求項に記載の成形体。
  7. 半導体部材用の容器である請求項5又は6に記載の成形体。
  8. 前記成形体が、ICチップ用のトレー、シリコンウエハー用のケース、シリコンウエハーケース用のホスブ、シリコンウエハーケース用のフープ、半導体製造時に用いる防塵カ
    バーであるペリクルの搬送用カバーのいずれかである請求項5乃至7のいずれか一項に記載の成形体。
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