JP2003342476A - 導電性樹脂材料 - Google Patents

導電性樹脂材料

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JP2003342476A
JP2003342476A JP2002151869A JP2002151869A JP2003342476A JP 2003342476 A JP2003342476 A JP 2003342476A JP 2002151869 A JP2002151869 A JP 2002151869A JP 2002151869 A JP2002151869 A JP 2002151869A JP 2003342476 A JP2003342476 A JP 2003342476A
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conductive resin
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fibrous carbon
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Takeshi Oba
丈司 大場
Kunio Machida
邦郎 町田
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直径1μm以下の繊維状カーボンを溶解度パ
ラメータ値が9〜15である熱可塑性樹脂中に分散させ
てなることを特徴とする導電性樹脂材料。 【解決手段】 本発明によれば、少量の導電性フィラー
(直径1μm以下の繊維状カーボン)の配合量でも十分
な導電性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電塗装用、静電
防止フィルム用、静電防止パッケージ用等の成形用樹脂
材料として有効な導電性樹脂材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂に対し、導電性
を付与するため、導電性カーボンブラック、カーボン繊
維、金属粉等の導電性フィラーをブレンドすることが行
われていた。
【0003】しかしながら、必要な導電性(特に、体積
抵抗率1010Ω・cm以下)を付与するには、コンパウ
ンド中に少なくとも5重量%の導電性フィラーを添加す
る必要があることから、これによりベース樹脂本来の物
性が変わってしまう。また、導電性フィラーは、カーボ
ンブラックやカーボン繊維(黒色)、金属粉(金属色)
等、有色のものが多く、多量の配合により導電性樹脂材
料を薄膜化しても不透明なフィルムしか得られない。こ
のため、導電性フィラー量を少なくしても必要な導電性
を与えることができる導電性樹脂組成物が望まれてい
た。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
少量の導電性フィラーの使用で、体積抵抗率1010Ω・
cm以下のレベルの導電性を与えることができる導電性
樹脂材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行っ
た結果、従来用いられていた導電性フィラーの代わり
に、直径1μm以下の繊維状カーボン(CNT、VGC
F等)を用いて、熱可塑性樹脂コンパウンドを作製する
こと、この場合、このように非常に微細かつ繊維状のカ
ーボンを用いると共に、溶解度パラメータ(SP)値が
9〜20の樹脂を使用することにより、カーボンの少量
の添加量でもコンパウンド中に導電パスを形成すること
が可能となり、0.2wt%程度の添加量でも良好な導
電性を発現させることに成功したものである。また、こ
の場合、マトリックス樹脂の種類によっては、カーボン
凝集のために導電性が芳しくないケースもあるが、高せ
ん断速度下で混練することにより、分散性を改善して導
電性を向上させることができることを見出し、本発明を
なすに至ったものである。
【0006】従って、本発明は下記の導電性樹脂材料を
提供する。 [請求項1] 直径1μm以下の繊維状カーボンを溶解
度パラメータ値が9〜20である熱可塑性樹脂中に分散
させてなることを特徴とする導電性樹脂材料、[請求項
2] 繊維状カーボンと熱可塑性樹脂とを500/se
c以上のせん断速度で混練することにより得られたもの
である請求項1記載の導電性樹脂材料、[請求項3]
繊維状カーボンのアスペクト比が10〜10000であ
る請求項1又は2記載の導電性樹脂材料、[請求項4]
繊維状カーボンが多層CNT又は気相成長カーボン繊
維である請求項1、2又は3記載の導電性樹脂材料、
[請求項5] 繊維状カーボンの配合量が材料全体の
0.01〜10重量%である請求項1乃至4のいずれか
1項記載の導電性樹脂材料、[請求項6] 体積抵抗率
が1010Ω・cm以下である請求項1乃至5のいずれか
1項記載の導電性樹脂材料。
【0007】以下、本発明つき、更に詳しく説明する。
本発明の導電性樹脂材料は、繊維状カーボンを熱可塑性
樹脂中に分散させたものである。ここで、本発明におい
ては、繊維状カーボンとして、直径1μm以下、好まし
くは1nm〜1μm、更に好ましくは0.01〜0.2
μmのものを用いる。直径が1μmより大きいものは、
本発明の目的を達成し得ない。この場合、この繊維状カ
ーボンのアスペクト比(長さL/直径D)が10〜10
000、特に100〜1000のものを使用することが
好ましい。
【0008】アスペクト比が小さすぎる繊維状カーボン
を用いる場合は、少量添加で十分な導電パスを形成する
ことが困難である。アスペクト比が大きすぎると、繊維
同士のからみあいにより分散不良が生じる場合がある。
このような繊維状カーボンとしては、多層カーボンナノ
チューブ(SWNT、MWNT)、気相成長カーボン繊
維(VGNF、VGCF)等を使用することができる。
【0009】上記繊維状カーボンの配合量は、適宜選定
され、特に制限されるものではないが、導電性樹脂材料
全体の0.01〜10重量%の範囲とすることができ、
特に5重量%以下の配合量でも十分な導電性を付与する
ことができるので、0.01〜5重量%、より好ましく
は0.1〜2重量%とすることが望ましい。
【0010】一方、本発明において、熱可塑性樹脂とし
ては、溶解度パラメータ(SP)値が9〜20、特に9
〜15の熱可塑性樹脂を用いるもので、このようなSP
値を有する樹脂としては、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましい例とし
て挙げられるほか、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等を使用
することができる。
【0011】本発明では、上記直径1μm以下の繊維状
カーボンを熱可塑性樹脂に混練分散させたもので、その
混練、分散方法は特に制限されないが、繊維状カーボン
を均一分散させる点から、バッチ式の場合はラボプラス
トミルミキサ、連続式の場合は二軸押出機による混練等
の方法を採用することが好ましい。
【0012】この場合、特に500/sec以上、より
好ましくは1000/sec以上の高せん断速度下で混
練することにより、例えばカーボン配合量2重量%以
下、特に1重量%以下の少量の使用でも十分な導電性を
付与することができる。
【0013】本発明の導電性樹脂材料は、静電塗装用、
静電防止フィルム用、静電防止パッケージ用等として好
適に使用され、1010Ω・cm以下、特に107Ω・c
m以下の体積抵抗率を与えるものであることが好まし
い。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、少量の導電性フィラー
(直径1μm以下の繊維状カーボン)の配合量でも十分
な導電性を付与する。
【0015】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0016】[実施例1〜3、比較例]カーボンとし
て、多層CNT(MWNT:直径50nm程度、L/D
100程度)を使用し、また樹脂として表1に示すSP
値を有するナイロン6(PA6)、ポリカーボネート
(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、そ
れにポリスチレン(PS)を用い、カーボン配合量を
0.5重量%としてカーボンと熱可塑性樹脂を東洋精機
製ラボプラストミルR60で混練してコンパウンドを作
製し、混練後、プレスにて1mm厚シートを成形、三菱
化学製ロレスタ及びハイレスタで体積抵抗率を測定し、
分散状態はサンプルに適切な前処理を施した後、TEM
及びSEMにて確認した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】以上の結果から認められるように、マトリ
ックス樹脂のSP値が大きい方がカーボン分散は良好で
かつ導電性も良い。PA6系では、SP値が約13で、
カーボンはほぼ完全に均一分散し、体積抵抗率は約10
9Ω・cmであるのに対し、PS系では、SP値が約
8.5で、カーボンは不均一分散(球状に凝集)し、体
積抵抗率は1016Ω・cm以上であった。
【0019】[参考例]カーボンと熱可塑性樹脂を東洋
精機製ラボプラストミルR60で混練してコンパウンド
を作製し、東洋精機製フローテスタを用いてコンパウン
ドに一定のせん断速度を与えながらストランド化した。
この場合、カーボンは多層CNT(MWNT:直径50
nm程度、L/D100程度)、樹脂はPBTを使用
し、重量比15:85で用いた。得られた組成物につい
て、ストランドにドータイトで電極を付けた後、デジタ
ルマルチメータにて抵抗測定した。分散状態はサンプル
に適切な前処理を施した後、TEM及びSEMにて確認
した。カーボン15wt%コンパウンドの各せん断速度
での体積抵抗率及び分散の関係を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】以上の結果より、低せん断速度下では、カ
ーボンが凝集し、体積抵抗は1Ω・cm程度だが、高せ
ん断速度下では、カーボンが均一分散し、体積抵抗0.
35Ω・cm程度と、導電性は約3倍に向上することが
認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BG061 BG101 CF061 CF071 CG001 CL001 CL011 DA016 FA046 FD116 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径1μm以下の繊維状カーボンを溶解
    度パラメータ値が9〜20である熱可塑性樹脂中に分散
    させてなることを特徴とする導電性樹脂材料。
  2. 【請求項2】 繊維状カーボンと熱可塑性樹脂とを50
    0/sec以上のせん断速度で混練することにより得ら
    れたものである請求項1記載の導電性樹脂材料。
  3. 【請求項3】 繊維状カーボンのアスペクト比が10〜
    10000である請求項1又は2記載の導電性樹脂材
    料。
  4. 【請求項4】 繊維状カーボンが多層CNT又は気相成
    長カーボン繊維である請求項1、2又は3記載の導電性
    樹脂材料。
  5. 【請求項5】 繊維状カーボンの配合量が材料全体の
    0.01〜10重量%である請求項1乃至4のいずれか
    1項記載の導電性樹脂材料。
  6. 【請求項6】 体積抵抗率が1010Ω・cm以下である
    請求項1乃至5のいずれか1項記載の導電性樹脂材料。
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