JP2003342476A - 導電性樹脂材料 - Google Patents
導電性樹脂材料Info
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Abstract
ラメータ値が9〜15である熱可塑性樹脂中に分散させ
てなることを特徴とする導電性樹脂材料。 【解決手段】 本発明によれば、少量の導電性フィラー
(直径1μm以下の繊維状カーボン)の配合量でも十分
な導電性を付与する。
Description
防止フィルム用、静電防止パッケージ用等の成形用樹脂
材料として有効な導電性樹脂材料に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂に対し、導電性
を付与するため、導電性カーボンブラック、カーボン繊
維、金属粉等の導電性フィラーをブレンドすることが行
われていた。
抵抗率1010Ω・cm以下)を付与するには、コンパウ
ンド中に少なくとも5重量%の導電性フィラーを添加す
る必要があることから、これによりベース樹脂本来の物
性が変わってしまう。また、導電性フィラーは、カーボ
ンブラックやカーボン繊維(黒色)、金属粉(金属色)
等、有色のものが多く、多量の配合により導電性樹脂材
料を薄膜化しても不透明なフィルムしか得られない。こ
のため、導電性フィラー量を少なくしても必要な導電性
を与えることができる導電性樹脂組成物が望まれてい
た。
少量の導電性フィラーの使用で、体積抵抗率1010Ω・
cm以下のレベルの導電性を与えることができる導電性
樹脂材料を提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行っ
た結果、従来用いられていた導電性フィラーの代わり
に、直径1μm以下の繊維状カーボン(CNT、VGC
F等)を用いて、熱可塑性樹脂コンパウンドを作製する
こと、この場合、このように非常に微細かつ繊維状のカ
ーボンを用いると共に、溶解度パラメータ(SP)値が
9〜20の樹脂を使用することにより、カーボンの少量
の添加量でもコンパウンド中に導電パスを形成すること
が可能となり、0.2wt%程度の添加量でも良好な導
電性を発現させることに成功したものである。また、こ
の場合、マトリックス樹脂の種類によっては、カーボン
凝集のために導電性が芳しくないケースもあるが、高せ
ん断速度下で混練することにより、分散性を改善して導
電性を向上させることができることを見出し、本発明を
なすに至ったものである。
提供する。 [請求項1] 直径1μm以下の繊維状カーボンを溶解
度パラメータ値が9〜20である熱可塑性樹脂中に分散
させてなることを特徴とする導電性樹脂材料、[請求項
2] 繊維状カーボンと熱可塑性樹脂とを500/se
c以上のせん断速度で混練することにより得られたもの
である請求項1記載の導電性樹脂材料、[請求項3]
繊維状カーボンのアスペクト比が10〜10000であ
る請求項1又は2記載の導電性樹脂材料、[請求項4]
繊維状カーボンが多層CNT又は気相成長カーボン繊
維である請求項1、2又は3記載の導電性樹脂材料、
[請求項5] 繊維状カーボンの配合量が材料全体の
0.01〜10重量%である請求項1乃至4のいずれか
1項記載の導電性樹脂材料、[請求項6] 体積抵抗率
が1010Ω・cm以下である請求項1乃至5のいずれか
1項記載の導電性樹脂材料。
本発明の導電性樹脂材料は、繊維状カーボンを熱可塑性
樹脂中に分散させたものである。ここで、本発明におい
ては、繊維状カーボンとして、直径1μm以下、好まし
くは1nm〜1μm、更に好ましくは0.01〜0.2
μmのものを用いる。直径が1μmより大きいものは、
本発明の目的を達成し得ない。この場合、この繊維状カ
ーボンのアスペクト比(長さL/直径D)が10〜10
000、特に100〜1000のものを使用することが
好ましい。
を用いる場合は、少量添加で十分な導電パスを形成する
ことが困難である。アスペクト比が大きすぎると、繊維
同士のからみあいにより分散不良が生じる場合がある。
このような繊維状カーボンとしては、多層カーボンナノ
チューブ(SWNT、MWNT)、気相成長カーボン繊
維(VGNF、VGCF)等を使用することができる。
され、特に制限されるものではないが、導電性樹脂材料
全体の0.01〜10重量%の範囲とすることができ、
特に5重量%以下の配合量でも十分な導電性を付与する
ことができるので、0.01〜5重量%、より好ましく
は0.1〜2重量%とすることが望ましい。
ては、溶解度パラメータ(SP)値が9〜20、特に9
〜15の熱可塑性樹脂を用いるもので、このようなSP
値を有する樹脂としては、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましい例とし
て挙げられるほか、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等を使用
することができる。
カーボンを熱可塑性樹脂に混練分散させたもので、その
混練、分散方法は特に制限されないが、繊維状カーボン
を均一分散させる点から、バッチ式の場合はラボプラス
トミルミキサ、連続式の場合は二軸押出機による混練等
の方法を採用することが好ましい。
好ましくは1000/sec以上の高せん断速度下で混
練することにより、例えばカーボン配合量2重量%以
下、特に1重量%以下の少量の使用でも十分な導電性を
付与することができる。
静電防止フィルム用、静電防止パッケージ用等として好
適に使用され、1010Ω・cm以下、特に107Ω・c
m以下の体積抵抗率を与えるものであることが好まし
い。
(直径1μm以下の繊維状カーボン)の配合量でも十分
な導電性を付与する。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
て、多層CNT(MWNT:直径50nm程度、L/D
100程度)を使用し、また樹脂として表1に示すSP
値を有するナイロン6(PA6)、ポリカーボネート
(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、そ
れにポリスチレン(PS)を用い、カーボン配合量を
0.5重量%としてカーボンと熱可塑性樹脂を東洋精機
製ラボプラストミルR60で混練してコンパウンドを作
製し、混練後、プレスにて1mm厚シートを成形、三菱
化学製ロレスタ及びハイレスタで体積抵抗率を測定し、
分散状態はサンプルに適切な前処理を施した後、TEM
及びSEMにて確認した。結果を表1に示す。
ックス樹脂のSP値が大きい方がカーボン分散は良好で
かつ導電性も良い。PA6系では、SP値が約13で、
カーボンはほぼ完全に均一分散し、体積抵抗率は約10
9Ω・cmであるのに対し、PS系では、SP値が約
8.5で、カーボンは不均一分散(球状に凝集)し、体
積抵抗率は1016Ω・cm以上であった。
精機製ラボプラストミルR60で混練してコンパウンド
を作製し、東洋精機製フローテスタを用いてコンパウン
ドに一定のせん断速度を与えながらストランド化した。
この場合、カーボンは多層CNT(MWNT:直径50
nm程度、L/D100程度)、樹脂はPBTを使用
し、重量比15:85で用いた。得られた組成物につい
て、ストランドにドータイトで電極を付けた後、デジタ
ルマルチメータにて抵抗測定した。分散状態はサンプル
に適切な前処理を施した後、TEM及びSEMにて確認
した。カーボン15wt%コンパウンドの各せん断速度
での体積抵抗率及び分散の関係を表2に示す。
ーボンが凝集し、体積抵抗は1Ω・cm程度だが、高せ
ん断速度下では、カーボンが均一分散し、体積抵抗0.
35Ω・cm程度と、導電性は約3倍に向上することが
認められる。
Claims (6)
- 【請求項1】 直径1μm以下の繊維状カーボンを溶解
度パラメータ値が9〜20である熱可塑性樹脂中に分散
させてなることを特徴とする導電性樹脂材料。 - 【請求項2】 繊維状カーボンと熱可塑性樹脂とを50
0/sec以上のせん断速度で混練することにより得ら
れたものである請求項1記載の導電性樹脂材料。 - 【請求項3】 繊維状カーボンのアスペクト比が10〜
10000である請求項1又は2記載の導電性樹脂材
料。 - 【請求項4】 繊維状カーボンが多層CNT又は気相成
長カーボン繊維である請求項1、2又は3記載の導電性
樹脂材料。 - 【請求項5】 繊維状カーボンの配合量が材料全体の
0.01〜10重量%である請求項1乃至4のいずれか
1項記載の導電性樹脂材料。 - 【請求項6】 体積抵抗率が1010Ω・cm以下である
請求項1乃至5のいずれか1項記載の導電性樹脂材料。
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---|---|---|---|
JP2002151869A JP2003342476A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 導電性樹脂材料 |
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JP2002151869A JP2003342476A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 導電性樹脂材料 |
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JP2002151869A Pending JP2003342476A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 導電性樹脂材料 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-05-27 JP JP2002151869A patent/JP2003342476A/ja active Pending
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