JP2012129176A - 導電性組成物、並びに、それを用いた透明導電体、タッチパネル及び太陽電池 - Google Patents

導電性組成物、並びに、それを用いた透明導電体、タッチパネル及び太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性、耐久性、及び長波長の透過率を向上させることができる導電性組成物、並びにこれを用いた透明導電体、タッチパネル及び太陽電池の提供。
【解決手段】平均短軸径が5nm〜45nmの導電性繊維と、SP値が、18MPa1/2〜30MPa1/2である非水溶性ポリマーと、を含む導電性組成物、この導電性組成物を含んでなる透明導電体、タッチパネル、及び集積型太陽電池である。前記導電性繊維としては、金属ナノワイヤーが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、バインダーとして非水溶性ポリマーを用いた導電性組成物、並びに、それを用いた透明導電体、タッチパネル及び太陽電池に関する。
近年、環境に対しての意識が高まっている。また、エネルギー対策の一環から、太陽光から直接電気を得られ、クリーンな発電方法である太陽電池の開発が検討され、実用化されようとしている。太陽電池の変換効率の向上を図るために、長波長側の光を吸収することが検討されているが、この際、太陽電池を電気エネルギーとして取り出すための役割を担っている透明電極の光吸収(光透過率)も重要となってくる。一般に、太陽電池の透明電極として用いられている、ITO(酸化インジウム・スズ)や酸化亜鉛は、導電性付与のため主にN型ドーパントが施されているが、導電性を上げるためドープ量を増やすと長波長の透過率が低下するという問題がある。また、長波長の透過率を向上させようとすると、透明性が低下するという問題がある。
また、近年、携帯ゲーム機などの普及により急速に需要が拡大しているタッチパネルにおいても、透明導電材料としてITOが広く利用されているが、太陽電池と同様に長波長の透過率が低いことに起因する色味、及びタッチパネル特有の問題として、筆圧耐久性が劣るという問題がある。
このような問題を解決するために、例えば、銀のナノワイヤーを用いた透明導電体が提案されている(特許文献1参照)。この透明導電体は、透明性、低抵抗、使用金属量の低減の面では優れている。
しかし、この透明導電体は、有機溶剤を用いた高温中での合成が一般的であり、また、使用する銀のナノワイヤー径の太さに起因し、ヘイズが高く、コントラストの低下が著しいという問題がある。また、空気最表面層へ光硬化樹脂などのコーティングを施さない限り、実用的な耐久性が得られず、そのコーティングにより抵抗が上がってしまい、表面抵抗の均一性が低下するなどの問題がある。
アクリル樹脂等の油性インクに使用される樹脂、水溶性アクリル樹脂等の水性インクに使用される樹脂、メチルセルロース等の親水性高分子、などを含有する導電材料が提案されている(特許文献2及び3参照)。
しかしながら、前記導電材料を薄く塗布して透明導電体として使用するには、バインダーと銀の比率において、銀が多いため塗布液の経時により凝集体が発生しやすく、塗布で形成した導電膜の透明性が低下し、ヘイズの悪化などが散見され、更には、長波長の透過率が低いなどの問題がある。
このように、従来の方法では、未だ導電性及び長波長の透過率などの向上効果は不十分であり、更なる改善が望まれているのが現状である。
米国特許出願公開2007/74316号明細書 特開2009−140788号公報 特開2005−317394号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、非水溶性ポリマーを含有させることで、導電性、耐久性及び長波長の透過率を向上させることができる導電性組成物、並びに、これを用いた透明導電体、タッチパネル及び太陽電池を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 平均短軸径が5nm〜45nmの導電性繊維と、SP値が、18MPa1/2〜30MPa1/2である非水溶性ポリマーと、を含むことを特徴とする導電性組成物である。
前記導電性組成物は、導電性繊維と非水溶性ポリマーとを含む。前記非水溶性ポリマーを用いることで、乾燥が速く、導電性繊維を網目状に形成しやすくすることができる。このため、透過率が向上すると共に、導電性組成物の耐久性が向上する。
<2> 非水溶性ポリマーが、エチレン性不飽和基を有するポリマーである前記<1>に記載の導電性組成物である。
<3> エチレン性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である前記<2>に記載の導電性組成物である。
<4> 非水溶性ポリマーが、主鎖に連結する側鎖に、エチレン性不飽和結合を少なくとも1種含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の導電性組成物である。
<5> エチレン性不飽和結合が下記構造式(1)で表される化合物を用いて導入される前記<4>に記載の導電性組成物である。
ただし、前記構造式(1)中、Rは、水素原子又は炭化水素基を表す。Lは、有機基を表す。
<6> エチレン性不飽和結合が下記構造式(2)で表される化合物を用いて導入される前記<4>に記載の導電性組成物である。
ただし、前記構造式(2)中、Rは、水素原子又は炭化水素基を表す。Lは、有機基を表す。Wは、4〜7員環の脂肪族炭化水素基を表す。
<7> 非水溶性ポリマーが、ポリマーラテックスである前記<1>から<6>のいずれかに記載の導電性組成物である。
<8> ポリマーラテックスが、アクリル系ポリマー、及びウレタン系ポリマーのいずれかである前記<7>に記載の導電性組成物である。
<9> 導電性繊維が、金属ナノワイヤーである前記<1>から<8>のいずれかに記載の導電性組成物である。
<10> 金属ナノワイヤーが、銀、及び、銀と銀以外の金属との合金、のいずれかからなる前記<9>に記載の導電性組成物である。
<11> 銀以外の金属が、金、パラジウム、イリジウム、白金及びオスミウムから選択される少なくとも1種である前記<10>に記載の導電性組成物である。
<12> 導電性繊維の平均長軸径が、1μm〜40μmである前記<1>から<11>のいずれかに記載の導電性組成物である。
<13> 導電性繊維の含有量(A)と非水溶性ポリマーの含有量(B)との質量比(A/B)が、0.1〜5である前記<1>から<12>のいずれかに記載の導電性組成物である。
<14> 導電性繊維を分散させる分散剤を更に含む前記<1>から<13>のいずれかに記載の導電性組成物である。
<15> 分散剤の含有量が、非水溶性ポリマー100質量部に対し、0.1質量部〜50質量部である前記<14>に記載の導電性組成物である。
<16> 前記<1>から<15>のいずれかに記載の導電性組成物を含んでなることを特徴とする透明導電体である。
<17> 導電性繊維の塗布量が、0.005g/m〜0.5g/mである前記<16>に記載の透明導電体である。
<18> 前記<1>から<15>のいずれかに記載の導電性組成物を有することを特徴とするタッチパネルである。
<19> 前記<1>から<15>のいずれかに記載の導電性組成物を有することを特徴とする集積型太陽電池である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、非水溶性ポリマーを含有させることで、導電性、耐久性、及び長波長の透過率を向上させることができる導電性組成物、並びに、これを用いた透明導電体、タッチパネル及び太陽電池を提供することができる。
図1は、タッチパネルの一例を示す概略断面図である。 図2は、タッチパネルの他の一例を示す概略説明図である。 図3は、図2に示すタッチパネルにおける透明導電体の配置例を示す概略平面図である。 図4は、タッチパネルの更に他の一例を示す概略断面図である。
(導電性組成物)
本発明の導電性組成物は、導電性繊維、及び非水溶性ポリマーを含有し、分散剤、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
<導電性繊維>
前記導電性繊維の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中実構造及び中空構造のいずれかであることが好ましい。
ここで、前記中実構造の繊維をワイヤーと呼ぶことがあり、前記中空構造の繊維をチューブと呼ぶことがある。
短軸径が5nm〜1,000nmであって、長軸径が1μm〜100μmの導電性繊維をナノワイヤーと呼ぶことがある。
また、短軸径が1nm〜1,000nm、長軸径が0.1μm〜1,000μmであって、中空構造を持つ導電性繊維をナノチューブと呼ぶことがある。
前記導電性繊維の材料としては、導電性を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属及びカーボンの少なくともいずれかであることが好ましく、これらの中でも、前記導電性繊維は、金属ナノワイヤー、金属ナノチューブ、及びカーボンナノチューブの少なくともいずれかであることが好ましい。
<<金属ナノワイヤー>>
−金属−
前記金属ナノワイヤーの材料としては、特に制限はなく、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で、銀、及び銀と銀以外の金属との合金が好ましい。
前記銀との合金で使用する金属としては、白金、オスミウム、パラジウム及びイリジウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−形状−
前記金属ナノワイヤーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状をとることができるが、高い透明性が必要とされる用途では、円柱状や断面の多角形の角が丸まっている断面形状であることが好ましい。
前記金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより調べることができる。
−平均短軸径及び平均長軸径−
前記導電性繊維としての前記金属ナノワイヤーの平均短軸径(以下、平均短軸径を「平均直径」と称することがある)としては、5nm〜45nmであり、10nm〜40nmが好ましく、15nm〜35nmがより好ましい。
前記平均短軸径が、5nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがあり、45nmを超えると、金属ナノワイヤー起因の散乱が生じ、十分な透明性を得ることができないことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸径(平均直径)は、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸径を求められる。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸径は、最も長い径を短軸径とする。
前記導電性繊維としての金属ナノワイヤーの平均長軸径(以下、平均長軸径を「平均長さ」と称することがある)としては、1μm〜40μmが好ましく、3μm〜35μmがより好ましく、5μm〜30μmが特に好ましい。
前記平均長軸径が、1μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しく、十分な導電性を得ることができないことがあり、40μmを超えると、金属ナノワイヤーが長すぎて製造時に絡まり、製造過程で凝集物が生じてしまうことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸径は、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸径を求められる。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、及び曲率から算出される値を長軸径とする。
−製造方法−
前記金属ナノワイヤーの製造方法としては、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよいが、以下のようにハロゲン化合物と分散添加剤とを溶解した溶媒中で加熱しながら金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。
前記溶媒としては、親水性溶媒が好ましく、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
前記エーテル類としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記ケトン類としては、例えば、アセトンなどが挙げられる。
前記加熱時の加熱温度としては、250℃以下が好ましく、20℃〜200℃がより好ましく、30℃〜180℃が更に好ましく、40℃〜170℃が特に好ましい。
前記加熱温度が、20℃未満であると、前記加熱温度が低くなる程、核形成確率が下がり金属ナノワイヤーが長くなりすぎるので金属ナノワイヤーが絡みやすく、分散安定性が悪くなることがあり、250℃を超えると、金属ナノワイヤーの断面の角が急峻になり、塗布膜評価での透過率が低くなることがある。
必要であれば、金属ナノワイヤー形成過程で温度を変更してもよく、途中での温度変更により、金属ナノワイヤーの核形成の制御や再核発生の抑制、選択成長の促進による単分散性向上の効果を向上させることができる。
前記加熱の際には、還元剤を添加して行うことが好ましい。
前記還元剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものの中から適宜選択することができ、例えば、水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウム塩、アルカノールアミン、脂肪族アミン、ヘテロ環式アミン、芳香族アミン、アラルキルアミン、アルコール、有機酸類、還元糖類、糖アルコール類、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、エチレングリコール、グルタチオンなどが挙げられる。これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、エチレングリコールが特に好ましい。
前記水素化ホウ素金属塩としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムなどが挙げられる。
前記水素化アルミニウム塩としては、例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウムなどが挙げられる。
前記アルカノールアミンとしては、例えば、ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノールなどが挙げられる。
前記脂肪族アミンとしては、例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミンなどが挙げられる。
前記ヘテロ環式アミンとしては、例えば、ピペリジン、ピロリジン、Nメチルピロリジン、モルホリンなどが挙げられる。
前記芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジンなどが挙げられる。
前記アラルキルアミンとしては、例えば、ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
前記有機酸類としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、又はそれらの塩などが挙げられる。
前記還元糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオースなどが挙げられる。
前記糖アルコール類としては、例えば、ソルビトールなどが挙げられる。
前記還元剤によっては、機能として分散添加剤、溶媒としても働く場合があり、同様に好ましく用いることができる。
前記金属ナノワイヤー製造の際には、分散添加剤と、ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子とを添加して行うことが好ましい。
前記分散添加剤と、ハロゲン化合物との添加のタイミングとしては、還元剤の添加前でも添加後でもよく、金属イオンあるいはハロゲン化金属微粒子の添加前でも添加後でもよいが、単分散性のよりよい金属ナノワイヤーを得るためには、ハロゲン化合物の添加を2段階以上に分けることが好ましい。
前記分散添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、合成高分子、これらに由来するゲルなどが挙げられる。これらの中でも、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレンアミン、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体が特に好ましい。
前記分散添加剤として使用可能な構造については、例えば、「顔料の事典」(伊藤征司郎編、株式会社朝倉書院発行、2000年)の記載を参照できる。
また、使用する分散添加剤の種類によって、得られる金属ナノワイヤーの形状を変化させることもできる。
前記ハロゲン化合物としては、臭素、塩素、ヨウ素を含有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウムなどのアルカリハライドや下記の分散添加剤と併用できる化合物が好ましい。
前記ハロゲン化合物によっては、分散添加剤として機能するものがありうるが、同様に好ましく用いることができる。
前記ハロゲン化合物の代替としてハロゲン化銀微粒子を使用してもよいし、ハロゲン化合物とハロゲン化銀微粒子を共に使用してもよい。
前記分散添加剤と、ハロゲン化合物、或いはハロゲン化銀微粒子とは、同一物質で併用してもよい。分散添加剤と、ハロゲン化合物とを併用した化合物としては、例えば、アミノ基と臭化物イオンを含むHTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、アミノ基と塩化物イオンを含むHTAC(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムクロライド)などが挙げられる。
前記脱塩処理は、金属ナノワイヤーを形成した後、例えば限外ろ過、透析、ゲルろ過、デカンテーション、遠心分離などの手法により行うことができる。
<<金属ナノチューブ>>
−金属−
前記金属ナノチューブの材料としては、特に制限はなく、いかなる金属であってもよく、例えば、前記した金属ナノワイヤーの材料などを使用することができる。
−形状−
前記金属ナノチューブの形状としては、単層であってもよく、多層であってもよいが、単層が、導電性及び熱伝導性に優れる点で好ましい。
−平均短軸径、平均長軸径、厚み−
前記金属ナノチューブの厚み(外径と内径との差)としては、3nm〜80nmが好ましいが、30nm以下がより好ましく、20nm以下が更に好ましく、10nm以下が特に好ましい。
前記厚みが、3nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがあり、80nmを超えると、金属ナノチューブ起因の散乱が生じることがある。
また、前記金属ナノチューブの平均長軸径は、1μm〜40μmが好ましく、3μm〜35μmがより好ましく、5μm〜30μmが特に好ましい。
−製造方法−
前記金属ナノチューブの製造方法としては、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよく、例えば、米国出願公開2005/0056118号公報等の公知の方法などを用いることができる。
<<カーボンナノチューブ>>
−形状−
前記カーボンナノチューブ(CNT)は、グラファイト状炭素原子面(グラフェンシート)が、単層あるいは多層の同軸管状になった物質である。単層のカーボンナノチューブはシングルウォールナノチューブ(SWNT)、多層のカーボンナノチューブはマルチウォールナノチューブ(MWNT)と呼ばれ、特に、2層のカーボンナノチューブはダブルウォールナノチューブ(DWNT)とも呼ばれる。本発明の導電性繊維において、前記カーボンナノチューブは、単層であってもよく、多層であってもよいが、単層が、導電性及び熱伝導性に優れる点で好ましい。
−製造方法−
前記カーボンナノチューブの製造方法としては、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよく、例えば、二酸化炭素の接触水素還元、アーク放電法、レーザー蒸発法、熱CVD法、プラズマCVD法、気相成長法、一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応させて気相で成長させるHiPco法等の公知の方法を用いることができる。
また、これらの方法で得られたカーボンナノチューブは、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、クロマトグラフ等の方法により、副生成物や触媒金属等の残留物を除去することが、高純度化されたカーボンナノチューブを得ることができる点で好ましい。
<<アスペクト比>>
前記導電性繊維のアスペクト比としては、10以上であることが好ましい。前記アスペクト比とは、一般的には繊維状の物質の長辺と短辺との比(長軸径/短軸径の比)を意味する。
前記アスペクト比の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡等により測定する方法などが挙げられる。
前記導電性繊維のアスペクト比を電子顕微鏡で測定する場合、前記導電性繊維のアスペクト比が10以上であるか否かは、電子顕微鏡の1視野で確認できればよい。また、前記導電性繊維の長軸径と短軸径とを各々別に測定することによって、前記導電性繊維全体のアスペクト比を見積もることができる。
なお、前記導電性繊維がチューブ状の場合には、前記アスペクト比を算出するための直径としては、該チューブの外径を用いる。
前記導電性繊維のアスペクト比としては、10以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜1,000,000が好ましく、100〜1,000,000がより好ましい。
前記アスペクト比が、10未満であると、前記導電性繊維によるネットワーク形成がなされず導電性が十分取れないことがあり、1,000,000を超えると、導電性繊維形成時やその後の取り扱いにおいて、成膜前に導電性繊維が絡まり凝集するため、安定な液が得られないことがある。
<<アスペクト比が10以上の導電性繊維の比率>>
前記アスペクト比が10以上の導電性繊維の比率としては、全導電性組成物中に体積比で、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、75%以上が特に好ましい。これらの導電性繊維の割合を、以下、「導電性繊維の比率」と呼ぶことがある。
前記導電性繊維の比率が、50%未満であると、導電性に寄与する導電性物質が減少し導電性が低下してしまうことがあり、同時に密なネットワークを形成できないために電圧集中が生じ、耐久性が低下してしまうことがある。また、導電性繊維以外の形状の粒子は、導電性に大きく寄与しない上に吸収を持つため好ましくない。特に金属の場合で、球形などのプラズモン吸収が強い場合には透明度が悪化してしまうことがある。
ここで、前記導電性繊維の比率は、例えば、導電性繊維が銀ナノワイヤーである場合には、銀ナノワイヤー水分散液をろ過して、銀ナノワイヤーと、それ以外の粒子とを分離し、ICP発光分析装置を用いてろ紙に残っている銀の量と、ろ紙を透過した銀の量とを各々測定することで、導電性繊維の比率を求めることができる。ろ紙に残っている導電性繊維を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、300個の導電性繊維の平均短軸径を観察し、その分布を調べることにより、平均短軸径が200nm以下であり、かつ平均長軸径が1μm以上である導電性繊維であることを確認する。なお、ろ紙は、TEM像で平均短軸径が200nm以下であり、かつ平均長軸径が1μm以上である導電性繊維以外の粒子の最長軸を計測し、その最長軸の2倍以上であり、かつ導電性繊維の長軸の最短長以下の径のものを用いることが好ましい。
ここで、前記導電性繊維の平均短軸径及び平均長軸径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や光学顕微鏡を用い、TEM像や光学顕微鏡像を観察することにより求めることができ、本発明においては、導電性繊維の平均短軸径及び平均長軸径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により300個の導電性繊維を観察し、その平均値から求めたものである。
<非水溶性ポリマー>
前記非水溶性ポリマーは、バインダーとしての機能を有しており、中性付近の水に実質的に溶解しないポリマーである。前記非水溶性ポリマーとは、具体的には、SP値(沖津法により算出)が、18MPa1/2〜30MPa1/2のポリマーを意味する。
前記SP値としては、18MPa1/2〜30MPa1/2であり、19MPa1/2〜28MPa1/2が好ましく、19.5MPa1/2〜27MPa1/2がより好ましい。
前記SP値が、18MPa1/2未満であると、付着した有機汚れを洗浄するのが困難になる場合があり、30MPa1/2を超えると、水との親和性が高くなり、塗布膜の含水率上昇に起因し、赤外線領域の吸収が高くなるためか、太陽電池を作製したときに変換効率が減少してしまうことがある。
ここで、前記SP値は、沖津法(沖津俊直著「日本接着学会誌」29(3)(1993))によって算出したものである。具体的には、SP値は以下の式で計算されるものである。なお、ΔFは文献記載の値である。
SP値(δ)=ΣΔF(Molar Attraction Constants)/V(モル容積)
複数の非水溶性ポリマーを用いた場合のSP値(σ)及びSP値の水素結合項(σh)は次の式により算出する。
(ただし、σnは、非水溶性ポリマーと水のSP値又はSP値の水素結合項を、Mnは混合液中における非水溶性ポリマーと水のモル分率を、Vnは溶媒のモル体積を、nは溶媒の種類を表す2以上の整数を表す。)
前記非水溶性ポリマーとしては、前記SP値が18MPa1/2〜30MPa1/2であれば特に制限されないが、塗膜の基板への密着性、摺りなどに対する耐久性という点で、エチレン性不飽和基を有するポリマーが好ましい。これらの中でも、主鎖に連結する側鎖に、エチレン性不飽和結合を少なくとも1種含むことが好ましい。前記エチレン性不飽和結合は、側鎖中に複数含まれていてもよい。また、前記エチレン性不飽和結合は、非水溶性ポリマーの側鎖中に、前記分岐及び/又は脂環構造、並びに/又は前記酸性基とともに含まれていてもよい。
また、前記非水溶性ポリマーとして、前記SP値が18MPa1/2〜30MPa1/2であれば、下記ポリマーラテックスの中から適宜使用することができる。
アクリル系ポリマーとしては、例えば、Nipol LX855、857x2(以上、日本ゼオン社製);Voncoat R3370(大日本インキ化学社製);ジュリマーET−410(日本純薬社製);AE116、AE119、AE121、AE125、AE134、AE137、AE140、AE173(以上、JSR社製);アロンA−104(東亞合成社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリエステル類としては、例えば、FINETEX ES650、611、675、850(以上、大日本インキ化学社製);WD−size、WMS(以上、イーストマンケミカル社製);A−110、A−115GE、A−120、A−121、A−124GP、A−124S、A−160P、A−210、A−215GE、A−510、A−513E、A−515GE、A−520、A−610、A−613、A−615GE、A−620、WAC−10、WAC−15、WAC−17XC、WAC−20、S−110、S−110EA、S−111SL、S−120、S−140、S−140A、S−250、S−252G、S−250S、S−320、S−680、DNS−63P、NS−122L、NS−122LX、NS−244LX、NS−140L、NS−141LX、NS−282LX(以上、高松油脂社製);アロンメルトPES−1000シリーズ、PES−2000シリーズ(以上、東亞合成社製);バイロナールMD−1100、MD−1200、MD−1220、MD−1245、MD−1250、MD−1335、MD−1400、MD−1480、MD−1500、MD−1930、MD−1985(以上、東洋紡社製);セポルジョンES(住友精化社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリウレタン類としては、例えば、HYDRAN AP10、AP20、AP30、AP40、101H、Vondic 1320NS、1610NS(以上、大日本インキ化学社製);D−1000、D−2000、D−6000、D−4000、D−9000(以上、大日精化社製);NS−155X、NS−310A、NS−310X、NS−311X(以上、高松油脂社製);エラストロン(第一工業製薬社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ゴム類としては、例えば、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学社製)、Nipol LX416、LX410、LX430、LX435、LX110、LX415A、LX415M、LX438C、2507H、LX303A、LX407BPシリーズ、V1004、MH5055(以上、日本ゼオン社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリ塩化ビニル類としては、例えば、G351、G576(以上、日本ゼオン社製);ビニブラン 240、270、277、375、386、609、550、601、602、630、660、671、683、680、680S、681N、685R、277、380、381、410、430、432、860、863、865、867、900、900GT、938、950、SOLBIN C、SOLBIN CL、SOLBIN CH、SOLBIN CN、SOLBIN C5、SOLBIN M、SOLBIN MF、SOLBIN A、SOLBIN AL(以上、日信化学工業社製);エスレックA、エスレックC、エスレックM(以上、積水化学工業社製);デンカビニル1000GKT、デンカビニル1000L、デンカビニル1000CK、デンカビニル1000A、デンカビニル1000LK2、デンカビニル1000AS、デンカビニル1000GS、デンカビニル1000LT3、デンカビニル1000D、デンカビニル1000W(以上、電気化学工業社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリ塩化ビニリデン類としては、例えば、L502、L513(以上、旭化成工業社製);D−5071(大日本インキ化学社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリオレフィン類としては、例えば、ケミパール S120、SA100、V300(以上、三井石油化学社製);Voncoat 2830、2210、2960(以上、大日本インキ化学社製)、ザイクセン、セポルジョンG(以上、住友精化社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
共重合ナイロン類としては、例えば、セポルジョンPA(住友精化社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリ酢酸ビニル類としては、例えば、ビニブラン 1080、1082、1085W、1108W、1108S、1563M、1566、1570、1588C、A22J7−F2、1128C、1137、1138、A20J2、A23J1、A23J1、A23K1、A23P2E、A68J1N、1086A、1086、1086D、1108S、1187、1241LT、1580N、1083、1571、1572、1581、4465、4466、4468W、4468S、4470、4485LL、4495LL、1023、1042、1060、1060S、1080M、1084W、1084S、1096、1570K、1050、1050S、3290、1017AD、1002、1006、1008、1107L、1225、1245L、GV−6170、GV−6181、4468W、4468S(以上、日信化学工業社製)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
更に、ポリマーラテックスとしては、例えばポリアクリル類、ポリ乳酸エステル類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアセタール類、SBR類、ポリ塩化ビニル類などが挙げられる。これらのポリマーラテックスは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアクリル類、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、SBR類が好ましく、ポリアクリル類、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、SBR類がより好ましく、ポリアクリル類が特に好ましい。
前記エチレン性不飽和結合としては、非水溶性ポリマーの主鎖との間に少なくとも1つのエステル基(−COO−)を介して結合し、エチレン性不飽和結合とエステル基のみで非水溶性ポリマーの側鎖を構成していてもよい。また、非水溶性ポリマーの主鎖とエステル基との間、及びエステル基とエチレン性不飽和結合との間のいずれかに、更に2価の有機連結基を有してもよく、エチレン性不飽和結合は「エチレン性不飽和結合を有する基」として非水溶性ポリマーの側鎖を構成していてもよい。
前記2価の有機連結基としては、例えば、スチレン類、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリレート類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類が好ましく、(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
前記エチレン性不飽和結合としては、(メタ)アクリロイル基を導入して構成されることが好ましい。
前記非水溶性ポリマーの側鎖に(メタ)アクリロイル基を導入する方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、ヒドロキシル基を持つ繰り返し単位にイソシアネート基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、イソシアネート基を持つ繰り返し単位にヒドロキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法などが挙げられる。
これらの中でも、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法が最も製造が容易であり、低コストである点で特に好ましい。
前記エチレン性不飽和結合及びエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、これらを有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(1)で表される化合物、及び下記構造式(2)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記構造式(1)中、Rは、水素原子又は炭化水素基を表す。前記炭化水素基としては、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基が特に好ましい。前記炭化水素基としては、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Lは、有機基を表す。前記有機基としては、炭化水素基が好ましく、炭素数1〜4の炭化水素基がより好ましい。前記炭化水素基の具体例としては、アルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
ただし、前記構造式(2)中、Rは、水素原子又は炭化水素基を表す。前記炭化水素基としては、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基が特に好ましい。前記炭化水素基としては、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Lは、有機基を表す。前記有機基としては、炭化水素基が好ましく、炭素数1〜4の炭化水素基がより好ましい。前記炭化水素基の具体例としては、アルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。Wは、4〜7員環の脂肪族炭化水素基を表す。前記4〜7員環の脂肪族炭化水素基としては、4〜6員環が好ましく、5〜6員環が特に好ましい。
前記構造式(1)及び構造式(2)で表される化合物の中でも、光硬化樹脂と組み合わせて、ネガ型、ポジ型のレジストとして使用した場合、良現像性、及び膜強度という点で、構造式(1)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(1)及び構造式(2)で表される化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の化合物(1)〜(10)が挙げられる。
前記非水溶性ポリマーの含有比率としては、前記導電性繊維の含有量(A)と前記非水溶性ポリマーの含有量(B)との質量比(A/B)は、0.1〜5が好ましく、0.25〜3.5がより好ましく、0.5〜2.5が特に好ましい。
前記質量比(A/B)が、0.1未満であると、抵抗値の面内分布が不均一になることがあり、5を超えると、導電性繊維分散液の経時安定性が低下することがある。
<分散剤>
前記分散剤は、導電性繊維の凝集を防ぎ、分散させるために用いる。前記分散剤としては、導電性繊維を分散させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販の低分子顔料分散剤、高分子顔料分散剤などが挙げられる。これらの中でも、高分子分散剤で導電性繊維に吸着する性質を持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドン、BYKシリーズ(ビックケミー社製)、ソルスパースシリーズ(日本ルーブリゾール社製など)、アジスパーシリーズ(味の素社製)などが挙げられる。
前記分散剤の含有量としては、前記非水溶性ポリマー100質量部に対し、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.5質量部〜40質量部がより好ましく、1質量部〜30質量部が特に好ましい。
前記含有量が、0.1質量部未満であると、分散液中で導電性繊維が凝集してしまうことがあり、50質量部を超えると、塗布工程において安定な液膜が形成できず、塗布ムラが発生することがある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、硫化防止剤、金属腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤等の各種の添加剤などが挙げられる。これらの成分は、必要に応じて適宜含んでいてもよい。
(透明導電体)
本発明の透明導電体は、前記導電性組成物を含んでなる。前記導電性組成物は、支持体上に透明導電層として形成されていることが好ましい。ここで、前記透明導電体とは、例えば、層状に配置される素子間を導通するために設ける膜(層間導電膜)や、面内での導通を確保する導電膜等をいう。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明ガラス基板、合成樹脂性シート、フィルム、金属基板、セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板などが挙げられる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤などの薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着などの前処理を行うことができる。
前記透明ガラス基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラスなどが挙げられる。
前記合成樹脂製シート、フィルムとしては、例えば、PET、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが挙げられる。
前記金属基板としては、例えば、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板などが挙げられる。
前記支持体の全可視光透過率としては、70%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
前記全可視光透過率が、70%未満であると、透過率が低く実用上問題となることがある。
なお、本発明では、支持体として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
前記支持体の厚みとしては、1μm〜5,000μmが好ましく、3μm〜4,000μmがより好ましく、5μm〜3,000μmが更に好ましく、50μm〜300μmが特に好ましく、60μm〜200μmが最も好ましい。
前記厚みが、1μm未満であると、塗布工程においてのハンドリングの困難さに起因し、歩留まりが低下することがあり、5,000μmを超えると、ポータブルなアプリケーションにおいてその支持体の厚みや質量が問題となることがある。
<形成方法>
−透明導電体の形成−
前記透明導電体の形成方法としては、本発明の前記導電性組成物を、スピンコート、ロールコート、スリットコートなど公知の方法により支持体上に塗布する方法、導電性組成物を支持体上に転写する方法などが挙げられる。
前記透明導電体の形態としては、前記支持体の片面に前記導電性組成物を塗布することで前記支持体の片面に透明導電層を形成させてもよい。
また、例えば、前記支持体上に、誘電体層を介して透明導電層を2層以上積層させた構造であってもよい。
更に、前記支持体の両面に前記導電性組成物を塗布して前記支持体の両面に前記透明導電層を形成させてもよい。
前記導電性繊維の塗布量としては、0.005g/m〜0.5g/mが好ましく、0.01g/m〜0.45g/mがより好ましく、0.015g/m〜0.4g/mが特に好ましい。
前記塗布量が、0.005g/m未満であると、局所的に抵抗が高くなってしまう箇所ができ、面内の抵抗分布が悪化することがあり、0.5g/mを超えると、塗布後の乾燥中に導電性繊維同士の凝集により、ヘイズが悪化することがある。
前記透明導電層の厚みとしては、20nm〜5,000nmが好ましく、25nm〜4,000nmがより好ましく、30nm〜3,500nmが特に好ましい。
前記厚みが、20nm未満であると、導電性繊維の短軸径と変わらない領域となり、膜強度が低下することがあり、5,000nmを超えると、膜のヒビ割れ、透過率やヘイズが悪化することがある。
また、前記透明導電層は、必要に応じてパターニングすることもできる。
前記パターニングの方法としては、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂やネガ型あるいはポジ型レジストを用いたパターニング法、インクジェット法、スクリーン印刷、グラビア印刷やオフセット印刷による印刷法、レーザースクライブ法、その他マイクロコンタクトプリント等を用いた親疎水パターン又は親銀パターンを形成した後に銀ナノワイヤー分散液を塗布あるいは前記支持体を銀ナノワイヤー分散液に浸漬することにより固定する方法などが挙げられる。
また、前記透明導電体としては、使用目的に応じて、透明導電層以外に機能層を積層させてもよい。
前記機能層としては、例えば、下塗り層、密着層、クッション層、オーバーコート保護層、保護層、防汚層、撥水層、撥油層、ハードコート層、粘着層、バリア層などが挙げられる。これらは単層であってもよく、複数を積層してもよい。
また、前記透明導電体としては、例えば、アンチグレア層、反射防止層、低反射層、λ/4層、偏光層、位相差層などを積層させることで、光学的な機能を付与することができる。これらは単層であってもよく、複数を積層してもよい。
(タッチパネル)
本発明のタッチパネルは、本発明の導電性組成物を含んでなる透明導電体を有してなる。
前記タッチパネルとしては、前記透明導電体を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投影型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。
前記表面型静電容量方式タッチパネルの一例について図1を用いて説明する。この図1において、タッチパネル10は、透明基板11の表面を一様に覆うように透明導電体12を配してなり、透明基板11の端部の透明導電体12上に、図示しない外部検知回路との電気接続のための電極端子18が形成されている。
なお、図中、13は、シールド電極となる透明導電体を示し、14、及び17は、保護膜を示し、15は、中間保護膜を示し、16は、グレア防止膜を示す。
透明導電体12上の任意の点を指でタッチ等すると、前記透明導電体12は、タッチされた点で人体を介して接地され、各電極端子18と接地ラインとの間の抵抗値に変化が生じる。この抵抗値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
前記表面型静電容量方式タッチパネルの他の一例を図2を用いて説明する。この図2においてタッチパネル20は、透明基板21の表面を覆うように配された透明導電体22と透明導電体23と、該透明導電体22と該透明導電体23とを絶縁する絶縁層24と、指等の接触対象と透明導電体22又は透明導電体23の間に静電容量を生じる絶縁カバー層25からなり、指等の接触対象に対して位置検知する。構成によっては、透明導電体22,23を一体として構成することもでき、また、絶縁層24又は絶縁カバー層25を空気層として構成してもよい。
絶縁カバー層25を指等でタッチすると、指等と透明導電体22又は透明導電体23の間の静電容量の値に変化が生じる。この静電容量値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
また、図3により、投影型静電容量方式タッチパネルとしてのタッチパネル20を透明導電体22と透明導電体23とを平面から視た配置を通じて模式的に説明する。
タッチパネル20は、X軸方向の位置を検出可能とする複数の透明導電体22と、Y軸方向の複数の透明導電体23とが、外部端子に接続可能に配されている。透明導電体22と透明導電体23とは、指先等の接触対象に対し複数接触して、接触情報が多点で入力されることを可能とされる。
このタッチパネル20上の任意の点を指でタッチ等すると、X軸方向及びY軸方向の座標が位置精度よく特定される。
なお、透明基板、保護層等のその他の構成としては、前記表面型静電容量方式タッチパネルの構成を適宜選択して適用することができる。また、タッチパネル20において、複数の透明導電体22と、複数の透明導電体23とによる透明導電体のパターンの例を示したが、その形状、配置等としては、これらに限られない。
前記抵抗膜式タッチパネルの一例について図4を用いて説明する。この図4において、タッチパネル30は、透明導電体32が配された基板31と、該透明導電体32上に複数配されたスペーサ36と、空気層34を介して、透明導電体32と接触可能な透明導電体33と、該透明導電体33上に配される透明フィルム35とが支持されて構成される。
このタッチパネル30に対して、透明フィルム35側からタッチすると、透明フィルム35が押圧され、押し込まれた透明導電体32と透明導電体33とが接触し、この位置での電位変化を図示しない外部検知回路で検出することで、タッチした点の座標が特定される。
(集積型太陽電池)
本発明の集積型太陽電池は、本発明の前記導電性組成物を有することを特徴とする。
前記集積型太陽電池(以下、太陽電池デバイスと称することもある)としては、特に制限はなく、太陽電池デバイスとして一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、単結晶シリコン系太陽電池デバイス、多結晶シリコン系太陽電池デバイス、シングル接合型、又はタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイス、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池デバイス、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池デバイス、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池デバイス、色素増感型太陽電池デバイス、有機太陽電池デバイスなどが挙げられる。これらの中でも、本発明においては、上記太陽電池デバイスが、タンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイス、及び銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池デバイスであることが好ましい。
タンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイスの場合、アモルファスシリコン、微結晶シリコン薄膜層、また、これらにゲルマニウムを含んだ薄膜、更に、これらの2層以上のタンデム構造が光電変換層として用いられる。成膜はプラズマCVD等を用いる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
−非水溶性ポリマー(1)の調製−
反応容器中に、1−メトキシ−2−プロパノール(MMPGAC、ダイセル化学工業社製)8.57質量部をあらかじめ加え90℃に昇温し、モノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸(添加質量比は順に45.5mol%:2mol%:19mol%:33.5mol%となるように、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、及び後述のグリシジルメタクリレートを調整した)、アゾ系重合開始剤(和光純薬工業社製、V−601)1質量部、及び1−メトキシ−2−プロパノール8.57質量部からなる混合溶液を窒素ガス雰囲気下、90℃の反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
次いで、前記アクリル樹脂溶液に、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.025質量部、及びテトラエチルアンモニウムブロマイド0.084質量部を加えた後、グリシジルメタクリレートを2時間かけて滴下した。滴下後、空気を吹き込みながら90℃で4時間反応させた後、固形分濃度が45%になるように溶媒(1−メトキシ−2−プロパノール)を添加することにより調製し、不飽和基を有する非水溶性ポリマー(1)の溶液(重量平均分子量(Mw);30,000、1−メトキシ−2−プロパノール45%溶液)を得た。
なお、前記重量平均分子量の測定方法としては、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。
非水溶性ポリマー(1)のSP値は、沖津法により算出し、22MPa1/2であった。
(調製例1)
−銀ナノワイヤー分散物(1)の調製−
硝酸銀粉末0.51gを純水50mLに溶解した硝酸銀溶液を調製した。その後、前記硝酸銀溶液に1Nのアンモニア水を透明になるまで添加し、全量が100mLになるように、純水を添加して、溶液Aを調製した。
グルコース粉末0.5gを140mLの純水で溶解して、溶液Bを調製した。
HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)粉末0.5gを27.5
mLの純水で溶解して、溶液Cを調製した。
溶液A 20.6mLを三口フラスコ内に入れ室温にて攪拌した。この液に純水41mL、溶液C 20.6mL及び溶液B 16.5mLの順でロートにて添加し、90℃で5時間、200rpmで攪拌しながら加熱することで、銀ナノワイヤー水分散物(1)を得た。
得られた銀ナノワイヤー水分散物(1)を冷却した後、遠心分離し、伝導度が50μS/cm以下になるまで精製し、分散剤としてソルスパース24000(日本ルーブリゾール社製)を銀に対し2質量%添加し、プロピレングリコールモノメチルエーテルで更に遠心分離を行い水を除去し、最終的にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、銀ナノワイヤー分散物(1)を得た。
得られた銀ナノワイヤー(1)の平均短軸径、平均長軸径、短軸径の変動係数、アスペクト比が10以上の導電性繊維(銀ナノワイヤー)の比率は、以下に示すようにして測定した。結果を表1に示す。
(調製例2)
−銀ナノワイヤー分散物(2)の調製−
エチレングリコール30mLを三口フラスコに入れ160℃に加熱した。その後、36mMのポリビニルピロリドン(PVP;K−55)、3μMのアセチルアセトナート鉄、60μMの塩化ナトリウムエチレングリコール溶液18mLと、24mMの硝酸銀エチレングリコール溶液18mLを毎分1mLの速度で添加した。160℃で60分加熱後室温まで冷却した。水を加えて遠心分離し、伝導度が50μS/cm以下になるまで精製し、銀ナノワイヤー水分散物(2)を得た。
得られた銀ナノワイヤーの水分散物(2)を遠心分離の後、デカンテーションにより水を除去し、分散剤として、ソルスパース24000(日本ルーブリゾール社製)を銀に対し2質量%添加し、プロピレングリコールモノメチルエーテルで更に遠心分離を行い水を除去し、最終的にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、銀ナノワイヤー分散物(2)を得た。
得られた銀ナノワイヤー(2)の平均短軸径、平均長軸径、短軸径の変動係数、アスペクト比が10以上の導電性繊維(銀ナノワイヤー)の比率は、以下に示すようにして測定した。結果を表1に示す。
(調製例3)
−銀ナノワイヤー分散物(3)の調製−
調製例1において、ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミドを、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミドに変更した以外は、調製例1と同様にして、銀ナノワイヤー分散物(3)を得た。得られた銀ナノワイヤー分散物(3)中の銀ナノワイヤーは、平均短軸径14nm、平均長軸径32μmのワイヤー状であった。
得られた銀ナノワイヤー分散物(3)の平均短軸径、平均長軸径、短軸径の変動係数、アスペクト比が10以上の導電性繊維(銀ナノワイヤー)の比率は、以下に示すようにして測定した。結果を表1に示す。
(調製例4)
−銀ナノワイヤー分散物(4)の調製−
調製例1において、三口フラスコにあらかじめシクロヘキサノールを6.9mL添加した以外は、調製例1と同様にして、銀ナノワイヤー分散物(4)を得た。得られた銀ナノワイヤー分散物(4)中の銀ナノワイヤーは、平均短軸径42nm、平均長軸径29μmのワイヤー状であった。
得られた銀ナノワイヤー分散物(4)の平均短軸径、平均長軸径、短軸径の変動係数、アスペクト比が10以上の導電性繊維(銀ナノワイヤー)の比率は、以下に示すようにして測定した。結果を表1に示す。
(調製例5)
調製例1において、三口フラスコにあらかじめシクロヘキサノールを10.4mL添加した以外は、調製例1と同様にして、銀ナノワイヤー分散物(5)を得た。得られた銀ナノワイヤー分散物(5)中の銀ナノワイヤーは、平均短軸径52nm、平均長軸径24μmのワイヤー状であった。
得られた銀ナノワイヤー分散物(5)の平均短軸径、平均長軸径、短軸径の変動係数、アスペクト比が10以上の導電性繊維(銀ナノワイヤー)の比率は、以下に示すようにして測定した。結果を表1に示す。
<銀ナノワイヤーの平均短軸径(直径)及び平均長軸径>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の銀ナノワイヤーを観察し、その平均値から銀ナノワイヤーの平均短軸径及び平均長軸径を求めた。
<銀ナノワイヤー短軸径の変動係数>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、銀ナノワイヤーの短軸径を300個観察し、その平均値から銀ナノワイヤーの短軸径を計測し、その標準偏差と平均値を計算することにより変動係数を求めた。
<アスペクト比が10以上の導電性繊維の比率>
各銀ナノワイヤー水分散物をろ過して銀ナノワイヤーとそれ以外の粒子を分離し、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPS−8000)を用いてろ紙に残っている銀の量と、ろ紙を透過した銀の量を各々測定し、平均短軸径が45nm以下であり、かつ平均長軸径が5μm以上である銀ナノワイヤーをアスペクト比が10以上の導電性繊維の比率(%)として求めた。
なお、導電性繊維の比率を求める際の銀ナノワイヤーの分離は、メンブレンフィルター(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
表1中、「導電性繊維の比率」とは、アスペクト比が10以上の導電性繊維(銀ナノワイヤー)の比率を表す。
(実施例1)
−透明導電体1の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
銀ナノワイヤー分散物(1)と非水溶性ポリマー(1)の含有比率(銀ナノワイヤー/非水溶性ポリマー)を1/2となるように混合させて、導電性組成物1を調製した。この導電性組成物1中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。
市販の二軸延伸熱固定済の厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)支持体の表面にドクターコーターを用いて、前記導電性組成物1を平均厚みが15μmとなるように塗布し、温度25℃、湿度55%RHの条件下で乾燥させることで、透明導電体1を作製した。透明導電体1中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
以下の実施例2から7及び比較例1から7では、実施例1における導電性組成物1中に含まれる銀ナノワイヤー量0.27質量%と同じ量になるようにして導電性組成物2から14を調製した。また、実施例1における透明導電体1中に含まれる銀ナノワイヤー量0.04g/mと同じ量になるようにして透明導電体2から14を作製した。
(実施例2)
−透明導電体2の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例1において、銀ナノワイヤー分散物(1)と非水溶性ポリマー(1)の含有比率(銀ナノワイヤー/非水溶性ポリマー)を1/2から1/5に変えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物2、及び透明導電体2を得た。なお、導電性組成物2中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体2中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(実施例3)
−透明導電体3の作製(非水溶性ポリマー(2)を使用)−
実施例1において、非水溶性ポリマー(1)を非水溶性ポリマー(2)としてのポリメタクリル酸メチル(和光純薬工業社製、SP値18.5MPa1/2)に代え、塗布溶媒の半分の体積分をTHF(テトラヒドロフラン、和光純薬工業社製)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物3、及び透明導電体3を得た。なお、導電性組成物3中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ;株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体3中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(実施例4)
−透明導電体4の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例1において、分散剤をソルスパース24000からポリビニルピロリドンK−30(和光純薬工業社製)に代え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをプロピレングリコールモノメチルエーテルに代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物4、及び透明導電体4を得た。なお、導電性組成物4中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体4中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(実施例5)
−透明導電体5の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例1において、銀ナノワイヤー分散物(1)を銀ナノワイヤー分散物(3)に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物5、及び透明導電体5を得た。なお、導電性組成物5中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体5中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(実施例6)
−透明導電体6の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例1において、銀ナノワイヤー分散物(1)を銀ナノワイヤー分散物(4)に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物6、及び透明導電体6を得た。なお、導電性組成物6中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体6中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(実施例7)
−透明導電体7の作製(ポリマーラテックスを使用)−
実施例1において、銀ナノワイヤー分散物(1)の分散剤を、ソルスパース24000からポリビニルピロリドンK−30(和光純薬工業社製)に代え、最終分散溶媒を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートから水に代え、更に、非水溶性ポリマー(1)を、ポリマーラテックス(日本純薬社製、ジュリマーET−410、アクリルポリマーのSP値24MPa1/2)に代え、塗布溶媒を水に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物7、及び透明導電体7を得た。なお、導電性組成物7中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体7中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(比較例1)
−透明導電体8の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例1において、銀ナノワイヤー分散物(1)を銀ナノワイヤー分散物(5)に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物8、及び透明導電体8を得た。なお、導電性組成物8中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体8中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(比較例2)
−透明導電体9の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例1において、銀ナノワイヤー分散物(1)を銀ナノワイヤー分散物(2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物9、及び透明導電体9を得た。なお、導電性組成物9中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体9中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(比較例3)
−透明導電体10の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例2において、銀ナノワイヤー分散物(1)を銀ナノワイヤー分散物(2)に代えた以外は、実施例2と同様にして、導電性組成物10、及び透明導電体10を得た。なお、導電性組成物10中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ;株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体10中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(比較例4)
−透明導電体11の作製(水溶性ポリマーを使用)−
実施例1において、非水溶性ポリマー(1)を水溶性ポリマーとしてのポリビニルピロリドン(PVP;K−30、和光純薬工業社製、SP値31.5MPa1/2)に代え、銀ナノワイヤー分散物(1)を銀ナノワイヤー分散物(2)に代え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをプロピレングリコールモノメチルエーテルに代えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物11、及び透明導電体11を得た。なお、導電性組成物中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体11中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(比較例5)
−透明導電体12の作製(水溶性ポリマーを使用)−
比較例4において、銀ナノワイヤー分散物(2)を銀ナノワイヤー分散物(1)に代えた以外は、比較例4と同様にして、導電性組成物12、及び透明導電体12を得た。なお、導電性組成物12中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体12中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(比較例6)
−透明導電体13の作製(水溶性ポリマーを使用)−
比較例5において、銀ナノワイヤー分散物(1)と水溶性ポリマーとしてのポリビニルピロリドン(PVP)の含有比率(銀ナノワイヤー/PVP)を1/2から1/5に変えた以外は、比較例5と同様にして、導電性組成物13、及び透明導電体13を得た。なお、導電性組成物13中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体13中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(比較例7)
−透明導電体14の作製(非水溶性ポリマー(3)を使用)−
実施例1において、非水溶性ポリマー(1)を非水溶性ポリマー(3)としてのポリイソブチレン(和光純薬工業社製、SP値15.8MPa1/2)に代え、塗布溶媒の半分の体積分をTHF(テトラヒドロフラン、和光純薬工業社製)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物14、及び透明導電体14を得た。なお、導電性組成物14中に含まれる銀ナノワイヤー量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ、株式会社島津製作所製、ICPS−1000IV)にて測定したところ、0.27質量%であった。透明導電体14中に含まれる銀ナノワイヤー量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.04g/mであった。
(参考例1)
−透明導電体15の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例1において、調製例1の銀ナノワイヤー分散物(1)の調製で分散剤を含有させなかった以外は、実施例1と同様にして、透明導電体15を作製しようとしたが、分散させることができず、透明導電体15を作製することができなかった。
(参考例2)
−透明導電体16の作製(非水溶性ポリマー(1)を使用)−
実施例2において、調製例1の銀ナノワイヤー分散物(1)の調製で分散剤を含有させなかった以外は、実施例2と同様にして、透明導電体16を作製しようとしたが、分散させることができず、透明導電体16を作製することができなかった。
次に、実施例1〜実施例7、及び比較例1〜比較例7について、以下のようにして、導電性、透過率、ヘイズ、耐久性、及び可撓性を評価した。結果を表2に示す。
<透明導電体の導電性>
各透明導電体の導電性は、Loresta−GP MCP−T600(三菱化学株式会社製)を用い表面抵抗(Ω/□)の測定により求めた。
<透明導電体の光透過率>
各透明導電体の光透過率は、分光光度計(UV2400−PC、株式会社島津製作所製)を用いて空気をリファレンスとして波長450nm及び波長800nmにて求めた。
<透明導電体のヘイズ>
各透明導電体のヘイズは、ガードナー社製ヘイズガードプラスを用いて測定した。
<透明導電体の湿熱経時耐久性>
耐久性の評価として、湿熱経時試験を行った。透明導電体1〜透明導電体14を温度80℃、湿度85%RHで250時間経時した後、Loresta−GP MCP−T600(三菱化学株式会社製)を用い、表面抵抗(Ω/□)を測定し、以下のとおり評価した。
R1(経時後抵抗率)/R0(経時前抵抗率)×100=抵抗率変化(%)
[評価基準]
1:抵抗率変化が300%以上で、実用上問題のあるレベルである
2:抵抗率変化が300%未満200%以上で、実用上問題のあるレベルである
3:抵抗率変化が200%未満150%以上で、実用上問題のあるレベルである
4:抵抗率変化が150%未満110%以上で、実用上問題のないレベルである
5:抵抗率変化が110%未満で、実用上問題のないレベルである
<透明導電体の可撓性>
得られた各サンプルの導電層を付与した面を外側にし、直径9mmの金属棒に巻きつけ、15秒間静置させた。巻きつけ前後の各サンプルの表面抵抗を、Loresta−GP MCP−T600(三菱化学株式会社製)により測定し、その変化を、(巻きつけ後)/(巻きつけ前)×(100%)=抵抗率変化(%)とし、以下の基準で評価した。なお、可撓性は、数字が大きいほど優れていることを示す。
[評価基準]
1:抵抗率変化が300%以上で、実用上問題のあるレベルである
2:抵抗率変化が300%未満150%以上で、実用上問題のあるレベルである
3:抵抗率変化が150%未満130%以上で、実用上問題のないレベルである
4:抵抗率変化が130%未満115%以上で、実用上問題のないレベルである
5:抵抗率変化が115%未満で、実用上問題のないレベルである
表2の結果から、実施例1〜実施例7は、導電性、450nmの透過率、800nmの透過率、ヘイズ、耐久性、及び可撓性のすべてにおいて優れているのに対し、比較例1〜比較例7は、導電性、透過率、ヘイズ、耐久性及び可撓性のうち少なくとも1つは劣っていることが分かった。
(タッチパネルの作製)
実施例1〜実施例7の透明導電体は、長波長の透過率が高いことから実施例1〜実施例7の透明導電体を用いて作製したタッチパネルを使用した場合、透過率の向上により視認性に優れ、かつ導電性の向上により素手、手袋を嵌めた手、指示具のうち少なくとも1つによる文字等の入力又は画面操作に対し応答性に優れるタッチパネルを製作できることがわかった。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。
タッチパネルの作製に際しては、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行社)テクノタイムズ社)、三谷雄二監修,“タッチパネルの技術と開発”,シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に記載の公知な方法を用いた。
(集積型太陽電池の作製)
<作製例1>
−アモルファス太陽電池(スーパーストレート型)の作製−
ガラス基板上に、実施例1の導電性組成物1を塗布し、温度25℃、湿度55%RHの条件下で乾燥させることで、透明導電体1を形成した。この透明導電体1中の銀量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.05g/mであった。その上部にプラズマCVD法により厚み15nmのp型、前記p型の上部に厚み350nmのi型、前記i型の上部に厚み30nmのn型アモルファスシリコンを形成し、前記n型アモルファスシリコンの上部に裏面反射電極として厚み20nmのガリウム添加酸化亜鉛層、前記ガリウム添加酸化亜鉛層の上部に厚み200nmの銀層を形成し、光電変換素子1Aを作製した。
<作製例2〜7>
−アモルファス太陽電池(スーパーストレート型)の作製−
作製例1において、透明導電体1を透明導電体2及び9〜13にそれぞれ代えた以外は、作製例1と同様にして、光電変換素子2A〜7Aを作製した。
<作製例8>
−CIGS太陽電池(サブストレート型)の作製−
ガラス基板上に、直流マグネトロンスパッタ法により厚み500nm程度のモリブデン電極、前記電極の上部に真空蒸着法により厚み2.5μmのカルコパイライト系半導体材料であるCu(In0.6Ga0.4)Se薄膜、前記Cu(In0.6Ga0.4)Se薄膜の上部に溶液析出法により厚み50nmの硫化カドミニウム薄膜を形成し、前記硫化カドミニウム薄膜の上部に実施例1の導電性組成物1を塗布し、温度25℃、湿度55%RHの条件下で乾燥させることで、透明導電体1を形成した。この透明導電体1中の銀量を蛍光X線分析装置(SII社製、SEA1100)にて測定したところ、0.05g/mであった。前記透明導電体1の上部に直流マグネトロンスパッタ法により厚み100nmのホウ素添加酸化亜鉛薄膜(透明導電層)を形成し、光電変換素子1Bを作製した。
<作製例9〜14>
−CIGS太陽電池(サブストレート型)の作製−
作製例8において、透明導電体1を透明導電体2及び9〜13にそれぞれ代えた以外は、作製例8と同様にして、光電変換素子2B〜7Bを作製した。
(太陽電池特性(変換効率)の評価)
各太陽電池について、AM1.5、100mW/cmの疑似太陽光を照射することで太陽電池特性(変換効率)を測定し、評価した。アモルファス太陽電池の結果を表3に、CIGS太陽電池の結果を表4に示す。
表3及び表4の結果から、実施例1〜実施例2の透明導電体を使用した太陽電池は、比較例2〜比較例6の透明導電体を使用した太陽電池に比べて変換効率が極めて高いことが分かった。これは、非水溶性ポリマーを使用することで、透明導電体の含水率が低下し、長波長域の透過率が向上したためと考えられる。
本発明の導電性組成物は、優れた導電性及び透過率、ヘイズ、耐久性、及び可撓性を有しているので、例えば、タッチパネル、ディスプレイ用帯電防止、電磁波シールド、有機又は無機ELディスプレイ用電極、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ用電極、フレキシブルディスプレイ用帯電防止膜、太陽電池、その他の各種デバイスなどに幅広く利用可能である。
10、20、30 タッチパネル
11、21、31 透明基板
12、13、22、23、32、33 透明導電体
24 絶縁層
25 絶縁カバー層
14、17 保護膜
15 中間保護膜
16 グレア防止膜
18 電極端子
34 空気層
35 透明フィルム
36 スペーサ

Claims (19)

  1. 平均短軸径が5nm〜45nmの導電性繊維と、
    SP値が、18MPa1/2〜30MPa1/2である非水溶性ポリマーと、
    を含むことを特徴とする導電性組成物。
  2. 非水溶性ポリマーが、エチレン性不飽和基を有するポリマーである請求項1に記載の導電性組成物。
  3. エチレン性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である請求項2に記載の導電性組成物。
  4. 非水溶性ポリマーが、主鎖に連結する側鎖に、エチレン性不飽和結合を少なくとも1種含む請求項1から3のいずれかに記載の導電性組成物。
  5. エチレン性不飽和結合が下記構造式(1)で表される化合物を用いて導入される請求項4に記載の導電性組成物。
    ただし、前記構造式(1)中、Rは、水素原子又は炭化水素基を表す。Lは、有機基を表す。
  6. エチレン性不飽和結合が下記構造式(2)で表される化合物を用いて導入される請求項4に記載の導電性組成物。
    ただし、前記構造式(2)中、Rは、水素原子又は炭化水素基を表す。Lは、有機基を表す。Wは、4〜7員環の脂肪族炭化水素基を表す。
  7. 非水溶性ポリマーが、ポリマーラテックスである請求項1から6のいずれかに記載の導電性組成物。
  8. ポリマーラテックスが、アクリル系ポリマー、及びウレタン系ポリマーのいずれかである請求項7に記載の導電性組成物。
  9. 導電性繊維が、金属ナノワイヤーである請求項1から8のいずれかに記載の導電性組成物。
  10. 金属ナノワイヤーが、銀、及び、銀と銀以外の金属との合金、のいずれかからなる請求項9に記載の導電性組成物。
  11. 銀以外の金属が、金、パラジウム、イリジウム、白金及びオスミウムから選択される少なくとも1種である請求項10に記載の導電性組成物。
  12. 導電性繊維の平均長軸径が、1μm〜40μmである請求項1から11のいずれかに記載の導電性組成物。
  13. 導電性繊維の含有量(A)と非水溶性ポリマーの含有量(B)との質量比(A/B)が、0.1〜5である請求項1から12のいずれかに記載の導電性組成物。
  14. 導電性繊維を分散させる分散剤を更に含む請求項1から13のいずれかに記載の導電性組成物。
  15. 分散剤の含有量が、非水溶性ポリマー100質量部に対し、0.1質量部〜50質量部である請求項14に記載の導電性組成物。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の導電性組成物を含んでなることを特徴とする透明導電体。
  17. 導電性繊維の塗布量が、0.005g/m〜0.5g/mである請求項16に記載の透明導電体。
  18. 請求項1から15のいずれかに記載の導電性組成物を有することを特徴とするタッチパネル。
  19. 請求項1から15のいずれかに記載の導電性組成物を有することを特徴とする集積型太陽電池。
JP2010283452A 2009-12-25 2010-12-20 導電性組成物、並びに、それを用いた透明導電体、タッチパネル及び太陽電池 Active JP5639463B2 (ja)

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