JP2003342474A - 導電性樹脂材料 - Google Patents
導電性樹脂材料Info
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Abstract
樹脂中に分散させてなることを特徴とする導電性樹脂材
料。 【解決手段】 本発明によれば、少量の導電性フィラー
(直径1μm以下の繊維状カーボン)の配合量でも十分
な導電性を付与する。
Description
防止フィルム用、静電防止パッケージ用等の成形用樹脂
材料として有効な導電性樹脂材料に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂に対し、導電性
を付与するため、導電性カーボンブラック、カーボン繊
維、金属粉等の導電性フィラーをブレンドすることが行
われていた。
抵抗率1010Ω・cm以下)を付与するには、コンパウ
ンド中に少なくとも5重量%の導電性フィラーを添加す
る必要があることから、これによりベース樹脂本来の物
性が変わってしまう。また、導電性フィラーは、カーボ
ンブラックやカーボン繊維(黒色)、金属粉(金属色)
等、有色のものが多く、多量の配合により導電性樹脂材
料を薄膜化しても不透明なフィルムしか得られない。
も、必要な導電性を与えることができる導電性樹脂組成
物が望まれていた。
少量の導電性フィラーの使用で、体積抵抗率1010Ω・
cm以下のレベルの導電性を与えることができる導電性
樹脂材料を提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行っ
た結果、従来用いられていた導電性フィラーの代わり
に、直径1μm以下の繊維状カーボン(CNT、VGC
F等)を用いて、熱可塑性樹脂コンパウンドを作製する
ことにより、このような非常に微細かつ繊維状のカーボ
ンを用いることで、少量の添加量でもコンパウンド中に
導電パスを形成することが可能となり、0.2重量%程
度の添加量でも良好な導電性を発現させることに成功し
たものである。またこの場合、マトリックス樹脂の種類
によっては、カーボン凝集のために導電性が芳しくない
ケースもあるが、高せん断速度下で混練することによ
り、分散性を改善して導電性を向上させることができる
ことを見出し、本発明をなすに至ったものである。
提供する。 [請求項1] 直径1μm以下の繊維状カーボンを熱可
塑性樹脂中に分散させてなることを特徴とする導電性樹
脂材料、[請求項2] 繊維状カーボンと熱可塑性樹脂
とを500/sec以上のせん断速度で混練することに
より得られたものである請求項1記載の導電性樹脂材
料、[請求項3] 繊維状カーボンのアスペクト比が1
0〜10000である請求項1又は2記載の導電性樹脂
材料、[請求項4] 繊維状カーボンが多層CNT又は
気相成長カーボン繊維である請求項1、2又は3記載の
導電性樹脂材料、[請求項5] 繊維状カーボンの配合
量が材料全体の0.01〜10重量%である請求項1乃
至4のいずれか1項記載の導電性樹脂材料、[請求項
6] 体積抵抗率1010Ω・cm以下である請求項1乃
至5のいずれか1項記載の導電性樹脂材料。
本発明の導電性樹脂材料は、繊維状カーボンを熱可塑性
樹脂中に分散させたものである。ここで、本発明におい
ては、繊維状カーボンとして、直径1μm以下、好まし
くは1nm〜1μm、更に好ましくは0.01〜0.2
μmのものを用いる。直径が1μmより大きいものは、
本発明の目的を達成し得ない。この場合、この繊維状カ
ーボンのアスペクト比(長さL/直径D)が10〜10
000、特に100〜1000のものを使用することが
好ましい。
を用いる場合は、少量添加で十分な導電パスを形成する
ことが困難である。アスペクト比が大きすぎると、繊維
同士のからみあいにより分散不良が生じる場合がある。
このような繊維状カーボンとしては、多層カーボンナノ
チューブ(SWNT、MWNT)、気相成長カーボン繊
維(VGNF、VGCF)等を使用することができる。
され、特に制限されるものではないが、導電性樹脂材料
全体の0.01〜10重量%の範囲とすることができ、
特に5重量%以下の配合量でも十分な導電性を付与する
ことができるので、0.01〜5重量%、より好ましく
は0.1〜2重量%とすることが望ましい。
ては、特に制限されず、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リブチレンテレフタレートなどが好ましい例として挙げ
られるほか、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリアセタール、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタクリ
レート、ポリアクリロニトリル等を使用することができ
る。
カーボンを熱可塑性樹脂に混練分散させたもので、その
混練、分散方法は特に制限されないが、繊維状カーボン
を均一分散させる点から、バッチ式の場合はラボプラス
トミルミキサ、連続式の場合は二軸押出機による混練等
の方法を採用することが好ましい。
好ましくは1000/sec以上の高せん断速度下で混
練することにより、例えばカーボン配合量2重量%以
下、特に1重量%以下の少量の使用でも十分な導電性を
付与することができる。
静電防止フィルム用、静電防止パッケージ用等として好
適に使用され、1010Ω・cm以下、特に107Ω・c
m以下の体積抵抗率を与えるものであることが好まし
い。
(直径1μm以下の繊維状カーボン)の配合量でも十分
な導電性を付与する。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
て、多層CNT(MWNT:直径50nm程度、L/D
100程度)、気相成長カーボン繊維(VGCF:直径
0.2μm程度、L/D100程度)及びHAFカーボ
ンブラック(CB:球形、比較例)を使用し、樹脂とし
て、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、
ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)を用い、カーボン量を変えて様々なカーボンと熱可
塑性樹脂を東洋精機製ラボプラストミルR60で混練し
てコンパウンドを作製し、混練後、プレスにて1mm厚
シートを成形し、三菱化学製ロレスタ及びハイレスタで
体積抵抗率を測定した。結果を図1〜2及び表1に示
す。
系では、1010Ω・cmを実現するのに約6wt%、1
07Ω・cmには約11wt%が必要であるのに対し、
VGCF系では、1010Ω・cmを実現するのに4〜5
wt%、107Ω・cmにも5〜7wt%で済み、CN
T系では、1010Ω・cmで0.25〜3wt%、10
7Ω・cmにも1.5〜4wt%で済むことが認められ
る。
洋精機製ラボプラストミルR60で混練してコンパウン
ドを作製し、東洋精機製フローテスタを用いてコンパウ
ンドに一定のせん断速度を与えながらストランド化し
た。この場合、カーボンは多層CNT(MWNT:直径
50nm程度、L/D100程度)、樹脂はPBTを使
用し、重量比15:85で用いた。得られた組成物につ
いて、ストランドにドータイトで電極を付けた後、デジ
タルマルチメータにて抵抗測定した。分散状態はサンプ
ルに適切な前処理を施した後、TEM及びSEMにて確
認した。カーボン15wt%コンパウンドの各せん断速
度での体積抵抗率及び分散の関係を表2に示す。
ーボンが凝集し、体積抵抗は1Ω・cm程度だが、高せ
ん断速度下では、カーボンが均一分散し、体積抵抗0.
35Ω・cm程度と、導電性は約3倍に向上することが
認められる。
抗率との関係を示すグラフである。
との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 直径1μm以下の繊維状カーボンを熱可
塑性樹脂中に分散させてなることを特徴とする導電性樹
脂材料。 - 【請求項2】 繊維状カーボンと熱可塑性樹脂とを50
0/sec以上のせん断速度で混練することにより得ら
れたものである請求項1記載の導電性樹脂材料。 - 【請求項3】 繊維状カーボンのアスペクト比が10〜
10000である請求項1又は2記載の導電性樹脂材
料。 - 【請求項4】 繊維状カーボンが多層CNT又は気相成
長カーボン繊維である請求項1、2又は3記載の導電性
樹脂材料。 - 【請求項5】 繊維状カーボンの配合量が材料全体の
0.01〜10重量%である請求項1乃至4のいずれか
1項記載の導電性樹脂材料。 - 【請求項6】 体積抵抗率1010Ω・cm以下である請
求項1乃至5のいずれか1項記載の導電性樹脂材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151865A JP2003342474A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 導電性樹脂材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002151865A JP2003342474A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 導電性樹脂材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342474A true JP2003342474A (ja) | 2003-12-03 |
Family
ID=29769326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002151865A Pending JP2003342474A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 導電性樹脂材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003342474A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193649A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Takiron Co Ltd | 炭素繊維含有樹脂成形体 |
JP2007015333A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-01-25 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 導電性成形品の製造方法及び導電性成形品 |
JP2009527630A (ja) * | 2006-02-22 | 2009-07-30 | インテグリス・インコーポレーテッド | ナノチューブポリマー複合材料組成物および作製方法 |
-
2002
- 2002-05-27 JP JP2002151865A patent/JP2003342474A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193649A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Takiron Co Ltd | 炭素繊維含有樹脂成形体 |
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JP4589834B2 (ja) * | 2005-07-11 | 2010-12-01 | 出光興産株式会社 | 導電性成形品の製造方法及び導電性成形品 |
JP2009527630A (ja) * | 2006-02-22 | 2009-07-30 | インテグリス・インコーポレーテッド | ナノチューブポリマー複合材料組成物および作製方法 |
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