JP2005264134A - 導電性ポリマー、その製造方法及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性フィラーとして気相法炭素繊維を用い、従来よりも少ない気相法炭素繊維の配合量で優れた導電性を示す導電性ポリマーを製造する。
【解決手段】 溶融粘度がせん断速度100s−1で600Pa・s以下の状態にあるポリマーに、気相法炭素繊維1〜15質量%を1000mJ/m以下の混合エネルギーで溶融混合する工程を含む導電性ポリマーの製造方法及びその方法で得られた導電性ポリマー。気相法炭素繊維として好ましいのは、繊維外径が80〜500nm、アスペクト比が40〜1000、BET比表面積が4〜30m/g、X線回折法によるd002が0.345nm以下、ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm−1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm−1のバンドのピーク高さ(Ig)の比:(Id/Ig)が0.1〜2のものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性フィラーとして気相法炭素繊維を用いた導電性ポリマーの製造方法に関し、さらに詳しく言えば、従来より気相法炭素繊維の配合量が少なくても、従来と同等かそれ以上の導電性を示す導電性ポリマーを製造する方法に関する。また、本発明は、前記方法により得られた導電性、機械強度等に優れた導電性ポリマー及びその用途に関する。
従来、電気絶縁性である熱可塑性樹脂に導電性フィラーを混合し、導電性や帯電防止性などの特性を付与することは古くから行われており、そのために各種導電性フィラーが用いられている。
通常絶縁体である樹脂やゴムなどに、導電性を付与するために導電性物質を充填してゆくとき、充填量の増加に対して緩やかな導電性の増加の現象が、ある臨界の充填量で導電性は劇的に増加し、その後再び緩やかな増加が進行する、絶縁体から導電体に転移するパーコレーションと呼ばれる現象が見られる。この現象は絶縁体のマトリックス内で導電体が3次元のネットワークを形成するためと説明されており、この充填量をパーコレーションしきい値(以下単に「しきい値」という。)と呼ばれている。このしきい値はマトリックスとなる樹脂の種類および導電体の種類により、その充填量はそれぞれほぼ決まった充填量をとるとされている。
一般に使用される導電性フィラーとしては、カーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(以下「CF」と略記する。)、炭素繊維等のグラファイト構造を有する炭素材料、金属繊維、金属粉末、金属箔等の金属材料、および金属酸化物、金属をコーティングした無機フィラーなどが挙げられる。特に、少量の導電性フィラーの混合で高い導電性を得るために、カーボンブラックおよび中空炭素フィブリルの使用が進みつつある。
しかしながら、それらの樹脂組成物は、高い導電性を得るために、導電性フィラーの配合量を増やすと溶融流動性が低下し成形加工が困難となり、ショートショットになりやすい。また成形出来ても表面外観が悪い、ショット毎の質量のばらつき等満足な成形品が得られず、衝撃強度等の機械的性質の劣った成形品しか得られない場合がある。少量の充填で導電性を高める目的で、導電性フィラーの高導電化が図られている(例えば、特許文献1)。
また、導電性フィラーが導電性樹脂組成物中で導電性ネットワークを形成し、少量の配合量で導電性が良好および安定になるしきい値を下げるために、主として3つの方法が検討されている。
i)導電性フィラー自身の形状効果の検討
導電性フィラーの微細化、アスペクト比増加、表面積の増加により、しきい値を下げることができることが明らかになっている。
ii)ポリマーブレンド手法の検討
ブレンド樹脂の海島構造または相互連続構造をとるミクロ形態において、カーボンブラックと親和性を有する海相(マトリックス相、連続相)の樹脂中に、高濃度、高密度で且つ均一にカーボンブラックを複合化する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。また、CFを親和性を有する海相(マトリックス相、連続相)の樹脂中に、高濃度、高密度で且つ均一にCFを複合化する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
iii)界面エネルギーを上げる方法
各種樹脂とカーボンブラックの複合組成物において、ナイロン/カーボンブラック界面エネルギーに比べ、ポリプロピレン/カーボンブラックのように界面エネルギーが大きいもの程、しきい値は小さくなることが明らかにされている。また、カーボンブラックでは酸化処理をして、カーボンブラックの表面エネルギーを上げ、樹脂との界面エネルギーを上げることが試みられている。
以上のような検討が活発になされており、導電性フィラーの高導電化およびポリマーブレンド法等で着実に改良がなされてきているが、ポリマーブレンドによって、もとの材料の性質が変化するのを許容出来ない場合は、ポリマーブレンド法は適用できない。導電性フィラーの形状を微細化、高アスペクト比化、高表面積化すると、成形加工時の流動性が逆に悪化する。界面エネルギーを上げる方法はあまり効果がみとめられない。このように、単一樹脂系で高導電性を得るためには、物性低下、成形時の流動性低下、成形品の外観問題等が残されているのが現状である。
具体的には、OA機器や電子機器では小型軽量化や高集積化、高精度化が進み、これに伴い、電気電子部品への塵や埃の付着を極力低減させるという、導電性樹脂に対する市場からの要求は年々多く且つ厳しくなってきている。
例えば、半導体に使われるICチップや、ウェハー、コンピューターに使われるハードディスクの内部部品などは、その要求が一層厳しく、帯電防止性を付与し、塵や埃の付着を完全に防止することが必要である。この様な用途には、ポリカーボネート樹脂を主成分としたアロイ(ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのブレンド物)やポリフェニレンエーテル系樹脂を主成分としたアロイ(ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とのブレンド物)にカーボンブラック等の導電性フィラーが配合された導電性樹脂が使用されている。しかしながら、優れた導電性を付与するためには、多量のカーボンブラックを配合する必要があるため、導電性樹脂の機械的強度や流動性が低下するという問題点がある。
また、自動車外装部品に関しては、導電性を付与した樹脂成形品に電気を流し、それと反対の電荷を付加した塗料を吹き付ける「静電塗装」が行われている。これは、成形品表面と塗料とに反対の電荷を持たせることによって互いに引き合う性質を利用し、塗料の成形品表面への付着率を向上させたものである。自動車の外装、外板部品には、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とのブレンド物、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂とのブレンド物が多く使用されている。しかしながら、これら成形樹脂材料も導電性付与のために導電性フィラーを混入させることによる機械的強度や流動性が低下するという問題点がある。
特開2001−200096号公報 特開平02−201811号公報 特開平01−263156号公報
本発明の目的は、導電性フィラーとして気相成長炭素繊維を使用し、かつ機械的強度を維持すると共に、混練時の粘度の増大を防ぐために従来より少ない導電性フィラー配合量で、従来と同等もしくはそれ以上の導電性を得ることができる導電性ポリマーの製造方法およびそれにより得られる導電性ポリマーとその用途を提供することにある。
本発明者は、従来より少ない気相法炭素繊維の配合量で、従来と同等、もしくはそれ以上の導電性を得るためには、ポリマーの溶融粘度が特定の値以下の状態において、ポリマーと炭素繊維とを低いエネルギーで混合することが重要であることを見出し本発明を完成した。
本発明は、以下の導電性ポリマーおよびその製造方法を提供する。
1.溶融粘度がせん断速度100s-1で600Pa・s以下の状態にあるポリマーに、気相法炭素繊維1〜15質量%を1000mJ/m3以下の混合エネルギーで溶融混合する工程を含む導電性ポリマーの製造方法。
2.前記ポリマーが、その溶融粘度がせん断速度100s-1で200Pa・s以下の状態にある未硬化の熱硬化性ポリマーであり、混合エネルギーが400mJ/m3以下である前記1に記載の導電性ポリマーの製造方法。
3.前記ポリマーが、その溶融粘度がせん断速度100s-1で200〜600Pa・sの状態にある熱可塑性ポリマーであり、混合エネルギーが200〜1000mJ/m3である前記1に記載の導電性ポリマーの製造方法。
4.気相成長炭素繊維が、繊維外径80〜500nm、アスペクト比が40〜1000、BET比表面積が4〜30m2/g、X線回折法によるd002が0.345nm以下、ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比:(Id/Ig)が0.1〜2である前記1〜3のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
5.気相成長炭素繊維が、不活性雰囲気下、2000〜3500℃で熱処理したものである前記1〜4のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
6.気相法炭素繊維の表面エネルギーが115mJ/m2以下である前記1〜5のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
7.気相法炭素繊維が、湿式法または乾式法により表面エネルギー低下処理を施したものである前記6に記載の導電性ポリマーの製造方法。
8.気相法炭素繊維の表面エネルギー低下のための処理方法が、フッ素化処理、ホウ素添加処理、シリル化処理のいずれかである前記7に記載の導電性ポリマーの製造方法。
9.熱硬化性ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂またはメラミン樹脂である前記2に記載の導電性ポリマーの製造方法。
10.熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリエステル、液晶ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドまたはポリスチレンである前記3に記載の導電性ポリマーの製造方法。
11.溶融粘度がせん断速度100s-1で600Pa・s以下の状態にあるポリマーに、表面エネルギーが115mJ/m2以下の気相法炭素繊維を溶融混合する工程を含む導電性ポリマーの製造方法。
12.ポリマーが、熱可塑性樹脂および未硬化の熱硬化性樹脂から選ばれた少なくとも1種である前記11に記載の導電性ポリマーの製造方法。
13.気相法炭素繊維が、湿式法または乾式法により表面エネルギー低下処理を施したものである前記11または12に記載の導電性ポリマーの製造方法。
14.気相法炭素繊維の平均繊維径が5μm以下である前記11〜13のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
15.気相法炭素繊維の表面エネルギー低下のための処理方法が、フッ素化処理、ホウ素添加処理またはシリル化処理である前記13に記載の導電性ポリマーの製造方法。
16.前記1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマー。
17.前記1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーにより構成される成形品。
18.前記1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた自動車の外装品。
19.前記1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた電磁波遮蔽材。
20.前記1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた帯電防止材。
21.前記1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた導電性接着材。
本発明の導電性ポリマーは、導電性付与剤として経済性が良好で大量供給が可能な気相成長炭素繊維を使用するものである。この導電性ポリマーは、マトリックスポリマーと気相法炭素繊維との混練時のエネルギーを低く制御することにより気相成長炭素繊維の切断を抑えて、導電性の連結骨格構造を形成・維持することができ、その結果、気相法炭素繊維の配合量が少なくても、優れた導電性を発現することができる。したがって、ポリマー本来がもつ流動性を失うことがなく良好な成形体を作製することができる。さらに、気相法炭素繊維の添加量が少ないことから、機械的強度の低下も最小限に抑えられ、信頼性ある製品を提供することができる。
本発明の導電性ポリマーは、導電性、帯電防止性などの電気的特性や、表面平滑性、寸法精度、光沢性、機械的強度、塗装性、熱安定性、衝撃強度等に優れているので、電気電子部品の搬送、包装用部品、電気電子分野やOA機器用部品、静電塗装用の自動車部品などの多くの分野に有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用する気相成長炭素繊維は、有機遷移金属化合物を用いて有機化合物を熱分解することにより得ることができる。
気相成長炭素繊維の原料として用いる有機化合物は、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物などが使用可能である。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物としては、有機化合物の熱分解に際し触媒となる遷移金属を含むものを用いる。遷移金属としては、周期律表第4〜10族の金属を含む有機化合物である。中でもフェロセン、ニッケロセン等の化合物が好ましい。
気相成長炭素繊維は、上記有機化合物と有機遷移金属化合物を水素などの還元性ガスと混合し、800〜1300℃に加熱した反応炉へ供給し、熱分解反応させて製造する。
この様にして製造した気相成長炭素繊維は、繊維軸に沿って中空を有していてもよく、また、分岐状の気相成長炭素繊維であってもよいが、樹脂などのマトリックス樹脂との密着性を改善するために、不活性雰囲気中で900〜1300℃で熱処理を行い、製造工程中で表面に付着したタールなどの有機物を除去した焼成気相成長炭素繊維が好ましい。特に気相成長炭素繊維自身の導電率を向上させるためにさらに不活性雰囲気下で2000〜3500℃で熱処理を行い、気相成長炭素繊維中の黒鉛結晶を発達させることが好ましい。なお必要に応じて気相成長炭素繊維を熱処理する場合、気相成長炭素繊維を押し固めて、例えば円柱状の固体(成形体という。)として処理することもできる。
成形体の熱処理に使用する熱処理炉は、2000℃以上、好ましくは2300℃以上の目的とする温度が保持できる炉であればよく、通常のアチソン炉、抵抗炉、高周波炉等、他の何れの装置でもよい。また、場合によっては成形体に直接通電して加熱する方法も使用できる。熱処理後、成形体は軽く解砕または粉砕して微細炭素繊維(繊維外径80〜500nm、アスペクト比が40〜1000、BET比表面積が4〜30m2/gの範囲)とすることができる。
これら2000℃以上の熱処理の雰囲気は、非酸化性の雰囲気、好ましくはアルゴン、ヘリウム、ネオン等の1種もしくは2種以上の希ガス雰囲気がよい。熱処理の時間は、生産性の面からは出来るだけ、短い方が好ましい。特に長時間加熱していると、炭素繊維が燒結し固まってくるので、製品収率も悪化する。従って、成形体の中心部の温度が目標温度に達した後、その温度領域において1時間以下の保持時間で十分に目的を達成できる。
このようにして得られた炭素繊維の表面を処理し、その表面エネルギーを下げることが好ましい。表面エネルギーが小さい気相法炭素繊維を用いることにより、混練・成形時のマトリックス樹脂の流動性を大幅に向上させてせん断速度を下げることができ、導電性ネットワークを維持することができる。
具体的な気相法炭素繊維の表面エネルギーとしては115mJ/m2以下が好ましい。115mJ/m2を超えるものでは、気相法炭素繊維の添加量の低減化および流動性の改良が図れない。気相法炭素繊維の表面エネルギーとしては、好ましくは20〜115mJ/m2、より好ましくは30〜110mJ/m2、さらに好ましくは40〜100mJ/m2である。
表面エネルギーの測定は逆相クロマトグラフィーにより行う。具体的には、日本ゴム協会誌,第67巻,第11号,752−759頁(1994年)に記載されている。
気相法炭素繊維の表面エネルギーを低下させる処理方法としては、一般に乾式法(放電処理、電離活性線処理等)と湿式法(化学薬品処理、ポリマーコーティング、触媒によるグラフト法等)に分けられ、それぞれの方法により、表面エネルギーを低下させることができるが、簡便さ、後処理工程、生産性、環境問題等で乾式法が好ましい。
具体的には、例えば直接フッ素化処理、化学気相蒸着法(CVD)(プラズマ、光、レーザー)によるフッ素化処理、ホウ素添加処理、シリル化処理などの表面処理が挙げられる。
(1)フッ素化処理
直接フッ素化
フッ素は極端に強い電気陰性度と、水素に次ぐ小さいサイズの原子であり、非常に強い反応性を示すのが特徴的である。したがって、フッ素ガスを用いて直接フッ素化が可能である。また、反応性のコントロールのためには、フッ素ガス単独ではなく、窒素やヘリウムなどの不活性ガスで0.1〜5%程度に希釈して用いることが一般的である。温度領域の適性な設定も重要であり、一般に室温かそれ以下の温度で行われる。
CVD法(プラズマ、光、レーザー)によるフッ素化
気相中に存在する物質が化学反応によって、固体物質として堆積することをCVD(chemical vaper deposition)という。以下、広く普及しているプラズマCVD法によるフッ素化について説明する。
使用可能なプラズマ装置として、直流プラズマ、低周波プラズマ、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、3極構造によるプラズマ、マイクロ波プラズマ、ダウンストリームプラズマ、カラムナープラズマ等が使用可能である。また、最近では大気圧プラズマ装置も開発され、操作の、装置の簡便さから注目されているが、装置としても有用である。
プラズマ装置によるフッ素化表面処理は、VGCFをプラズマ不活性ガス雰囲気にさらし、その表面を以下の処理ガスで処理することでフッ素化が可能である。
CVD法におけるフッ素化するための処理ガスとして、ヘキサフルオロアセトン、C26、C24、SF6、CF4、CF2Cl2、CF3H,NF3およびF/C比1.5以上のフッ素含有モノマー等を使用することができる。
励起源としてプラズマではなく、エキシマ光およびレーザー処理法も適用可能で、特に限定されるものではない。
(2)ホウ素添加処理
ホウ素添加処理は、炭素繊維の結晶をさらに発達させることにより炭素繊維の表面エネルギーを下げ、導電性を向上させる。処理方法としては、不活性雰囲気下で好ましくはアルゴン、ヘリウムネオン等の1種若しくは2種以上の希ガス雰囲気下、2000〜3500℃で熱処理を行う際に、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B23)、元素状ホウ素、ホウ酸(H3BO3)、ホウ酸塩等のホウ素化合物を炭素繊維に混合することができる。
ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するために限定されないが、例えば炭化ホウ素(B4C)を使用した場合には、粉砕後の炭素繊維に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲がよい。
ホウ素化合物による熱処理を行うときは、炭素繊維の炭素の結晶性が向上し、導電性が向上する。炭素繊維の結晶内あるいは結晶表面に含まれるホウ素量としては0.01〜5質量%がよい。炭素繊維の導電性や樹脂との親和性を改善するにはより好ましくは0.1質量%以上のホウ素が必要である。また、グラフェンシート(炭素網面六角構造)に置換し得るホウ素量は3質量%程度であるのでそれ以上、特に5質量%以上のホウ素はホウ素炭化物やホウ素酸化物として存在し、導電性の低下の要因となりうるので好ましくない。
(3)シリル化処理
CVD法におけるシリル化するための処理ガスとして、ヘキサメチルジシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、テトラメチルシラン等を使用することができる。
また、気相成長炭素繊維とマトリックスポリマーとの親和性を向上させるために気相法炭素繊維を酸化処理して繊維表面にフェノール性水酸基、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基を導入することもできる。
さらに気相成長炭素繊維は、チタネート系、アルミニウム系、リン酸エステル系のカップリング剤等により、表面処理を施すこともできる。
本発明に用いる気相成長炭素繊維は、繊維外径が80〜500nmであり、好ましくは90〜250nmであり、より好ましくは100〜200nmである。繊維外径が80nmより細くなると単位体積当たりの表面エネルギーが指数関数的に大きくなり、繊維同士の凝集力が急激に増大する。樹脂と凝集した気相成長炭素繊維を単純に混練した場合、十分な分散が得られず、樹脂マトリックス中に凝集物が点在し、導電ネットワークを形成することができない。分散を得るために混練時に大きな剪断力を加えると、凝集物が破壊され、マトリックス中に拡散することができる。しかし、凝集物が破壊するときに繊維の破断が進行し、所望の導電性を得ることができなくなる。
アスペクト比は40〜1000、好ましくは50〜800、より好ましくは60〜500、特に好ましくは60〜200である。
アスペクト比が大きくなる、すなわち繊維長が長くなると繊維同士が絡まりあい、容易に解すことができなくなり、十分な分散が得られなくなる。一方、アスペクト比が40以下になると、導電性の連結骨格構造を形成するために大量のフィラーを添加しなければならず、樹脂の流動性や引張強度の低下が顕著になるので好ましくない。
BET比表面積は4〜30m2/g、好ましくは、8〜25m2/g、より好ましくは10〜20m2/gである。
BET比表面積が大きくなると単位体積当たりの表面エネルギーが大きくなり、分散が困難になるだけでなく、母材が十分に繊維を被覆することができなくなる。その結果、複合体を作製した場合、電気伝導性、機械的強度の劣化を招くので好ましくない。
X線回折法の面間隔d002は0.345nm以下、好ましくは0.343nm以下、より好ましくは0.340nm以下である。面間隔d002は小さいほど黒鉛としての結晶性が高くなり、気相成長炭素繊維の電気伝導性が高くなるので好ましい。
ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)が0.1〜2、好ましくは0.15〜1.5、より好ましくは0.2〜1がいい。
導電性を得るためには、気相成長炭素繊維の積層方向及び面内方向の結晶性は高い方が好ましい。ただし、繊維外径が小さ過ぎるとき、曲率の影響により面間隔が小さくならない場合がある。すなわち、樹脂に導電性を付与するために必要な導電性の連結骨格構造を形成するためには、気相成長炭素繊維の分散性(導電性ネットワーク)が重要で、そのためには単位体積当たりの表面積、アスペクト比、高結晶度が重要であり、好適な繊維外径、アスペクト比、BET比表面積、X線回折法のd002、ラマン散乱スペクトルの(Id/Ig)が定められる。
本発明に用いるポリマーとしては、特に限定されるものではないが、混練時の溶融粘度が、剪断速度100s-1のとき600Pa・s以下のポリマー、具体的には熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂から選ばれ、単独もしくは2種類以上のポリマーを組み合わせて使用することができる。
本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等の脂肪族ポリオレフィンや脂環族ポリオレフィン、芳香族ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、各種ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、液晶性ポリエステル等の非オレフィン系樹脂ポリエチレン樹脂などを用いることができる。
樹脂としては気相成長炭素繊維の混練の際にできるだけ低粘度の樹脂が好ましく、低粘度で混練できる点からは熱硬化性樹脂が好ましい。また熱可塑性樹脂としては溶融粘度の低いポリアミド、ポリエステル、液晶ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、或いはポリスチレン等の樹脂が好ましい。
なお混練の際、気相成長炭素繊維は温度に対して極めて安定であり、高温であってもかまわないので、樹脂の粘度を低粘度にするために樹脂が劣化、分解、変質しない範囲で混練温度を上昇させて行うこともできる。
導電性ポリマーを製造する方法としては、一般的な押出し機やニーダーなどで各成分を混練する方法を用いることができる。また、成形法としては、熱可塑性樹脂であればプレス成形、押し出し成形、真空成形、ブロー成形、射出成形など、熱硬化性樹脂であればトランスファー成形を挙げることができる。
ポリマーと気相成長炭素繊維を混合(混練)する際のエネルギーは、気相成長炭素繊維の切断および孤立分散を避けるために1000mJ/m3以下とする。好ましくは50〜1000mJ/m3、さらに好ましくは50〜800mJ/m3、より好ましくは50〜500mJ/m3である。
混合エネルギーは、ポリマーと気相成長炭素繊維からなる組成物の混練温度における粘度と混練機の回転速度と混練時間の3つの因子により主に決定される。従って、低粘度、低速度、短時間の混練が好ましい。しかし、50mJ/m3以下の条件では、マトリックス中に気相成長炭素繊維の濃度ムラ、不均一が解消できず、製品特性の信頼性欠如の原因となるので好ましくない。一方、1000mJ/m3以上では、気相成長炭素繊維の拡散と繊維の切断および孤立分散が生じ所望の特性を得ることができなくなる。
混合エネルギーは、マトリックスポリマーが熱硬化性ポリマーである場合、特にポリマーの溶融粘度がせん断速度100s-1で200Pa・s以下の状態で混合する場合には、400mJ/m3以下であることが好ましい。また、マトリックスポリマーが熱可塑性ポリマーである場合、特にポリマーの溶融粘度がせん断速度100s-1で200〜600Pa・sの状態で混合する場合には、200〜1000mJ/m3であることが好ましい。
このようにして得られた導電性プラスチックは、気相成長炭素繊維の配合量として1〜15質量%、好ましくは5〜10質量%であって、体積固有抵抗10〜108Ω・cm、好ましくは102〜105Ω・cmとなるように配合する。
気相成長炭素繊維の配合量が1質量%を下回るときは充分な導電性を得ることが出来ず、15質量%を超える配合量では、導電性は良好となるが、コストアップが避けられない他、プラスチックとしても物性の低下、押出または射出などの加工の際の樹脂の流れが阻害されるのでこの好ましくない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜2
(測定法)
i)繊維外径
気相成長炭素繊維の平均直径は走査型電子顕微鏡の2万倍像を30視野分観察し、画像解析装置(ニレコ社製LUZEX−AP)により300本の繊維外径を計測して平均繊維外径(平均繊維直径)を求めた。
ii)アスペクト比
アスペクト比は平均繊維長/平均直径により求めた。平均繊維長は走査型顕電子顕微鏡の2千倍像を30視野分観察し、画像解析装置により300本の繊維長を計測して求めた。
iii)BET比表面積
BET比表面積は、窒素ガス吸着法(ユアサアイオニクス社製NOVA1000)により測定した。
iv)X線回折法のd002
002はSiを内部標準とし粉末X線回折(理学社製Geigerflex)により計測した。
v)ラマン散乱スペクトルの(Id/Ig)
ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)はラマン分光測定装置(Jobin Yvon社製 LabRam HR)で測定した。
実施例に用いた気相成長炭素繊維Aの調製方法及びその特徴は以下の通りである。ベンゼンとフェロセンと硫黄を質量比91:7:2の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液をキャリア水素ガスにより1200℃に加熱した反応炉(内径100mm、高さ2500mm)に噴霧した。このときの原料供給量は10g/min、水素流量は60リットル/minである。上記方法で得られた反応生成物150gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ10mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中2800℃で1時間黒鉛化し、気相成長炭素繊維Aを得た。
気相成長炭素繊維Aは、平均繊維直径150nm、平均繊維長9.0μm、アスペクト比が60、BET比表面積13m2/g、d002は0.339nm、(Id/Ig)は0.2であった。
実施例に用いた気相成長炭素繊維Bの調製方法及びその特徴は以下の通りである。ベンゼンとフェロセンと硫黄を質量比97:2:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液をキャリア水素ガスにより1200℃に加熱した反応炉(内径100mm、高さ2500mm)に噴霧した。このときの原料供給量は5g/min、水素流量は90リットル/minである。
上記方法で得られた反応生成物150gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中2800℃で1時間黒鉛化し、気相成長炭素繊維Bを得た。
気相成長炭素繊維Bは、平均繊維直径80nm、平均繊維長12.0μm、アスペクト比が150、BET比表面積25m2/g、d002は0.340nm、(Id/Ig)は0.14であった。
実施例に用いた気相成長炭素繊維Cの調整方法及びその特徴は以下の通りである。ベンゼンとフェロセンと、硫黄を質量比92:6:2の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を300℃蒸発器により加熱し、気化させた。この気化させた原料ガスをキャリア水素ガスにより1200℃に加熱した反応炉(内径100mm、高さ2500mm)に供給した。このときの原料供給量は8g/min、水素流量は60リットル/minであった。上記方法で得られた反応生成物150gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中2800℃で1時間黒鉛化し、気相成長炭素繊維C(以下、VGCF−Sということがある。)を得た。
気相成長炭素繊維C(VGCF−S)は、平均繊維直径100nm、平均繊維長13μm、アスペクト比130、BET比表面積20m2/g、d002は0.340nm、(Id/Ig)は0.14であった。
ポリマーの評価方法
樹脂組成物の体積固有抵抗測定は、108Ωcm以下は四探針法(三菱化学社製Loresta HP MCP−T410)にて行った。108Ωcm以上は絶縁抵抗計(アドバンテスト社製 高抵抗計R8340)にて行った。
成形した導電性ポリマーをアルゴン雰囲気中1000℃で30分焼成し、気相成長炭素繊維を回収した。回収した気相成長炭素繊維を走査型電子顕微鏡により観察し、繊維の長さの平均を画像解析により求め、混練による繊維の切断を評価した。
マトリックスポリマーおよび組成物の粘度(流動性)測定は、JIS−K7119の測定法に準拠し、キャピログラフ(キャピラリー式のレオメーター)により行った。
実施例1:
ポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製サンアロマーPWB02N MFI:70)90質量%と気相成長炭素繊維A10質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて200℃、40回転、5分溶融混練した(混練エネルギー200mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて200℃、200kgf/cm2、30秒の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度200℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は100Pa・sである。
実施例2:
ポリアミド−6樹脂(三菱化学社製ノバミット1010)90質量%と気相成長炭素繊維A10質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて260℃、40回転、10分溶融混練した(混練エネルギー500mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて200℃、200kgf/cm2、30秒の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度260℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は80Pa・sである。
実施例3:
ポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製サンアロマーPWB02N MFI:70)54質量%とポリエチレン樹脂(日本ポリオレフィン社製ジェイレクスHD KMA90K MFI:30)46質量%と気相成長炭素繊維A10質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて180℃、40回転、5分溶融混練した(混練エネルギー180mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて200℃、200kgf/cm2、30秒の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度180℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は150Pa・sである。
実施例4:
ポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製サンアロマーPWB02N)95質量%と気相成長炭素繊維B5質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて200℃、40回転、5分溶融混練した(混練エネルギー150mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて200℃、200kgf/cm2、30秒の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度200℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は100Pa・sである。
実施例5:
エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製 EPICLON HP−7200)90質量%と気相成長炭素繊維A10質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて80℃、40回転、5分溶融混練した(混練エネルギー100mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて175℃、100kgf/cm2、5時間の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度80℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は30Pa・sである。
実施例6:
ポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製 サンアロマーPWB02N)95質量%と気相成長炭素繊維C5質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて200℃、
40回転、5分溶融混練した(混練エネルギー150mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて200℃、200kgf/cm2、30秒の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度200℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は100Pa・sである。
比較例1:
ポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製サンアロマーPWB02N MFI:70)90質量%と気相成長炭素繊維A10質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて180℃、40回転、20分溶融混練した(混練エネルギ−1100mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて200℃、200kgf/cm2、30秒の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度180℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は150Pa・sである。
比較例2:
ポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製サンアロマーPWB02N MFI:70)90質量%と気相成長炭素繊維A10質量%をラボプラストミルR100(東洋精機製)にて170℃、80回転、20分溶融混練した(混練エネルギー3000mJ/m3)後、50トン熱成形機(ニッポーエンジニアリング社製)にて200℃、200kgf/cm2、30秒の条件で10mmx10mmx2mmtの平板を成形した。なお、マトリックス樹脂の温度170℃、せん断速度100s-1における溶融粘度は180Pa・sである。
実施例1〜6及び比較例1〜2の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005264134
実施例7〜14及び比較例3〜8:
VGCF:
気相法炭素繊維として昭和電工製VGCF(登録商標)(平均繊維径150nm、平均繊維長9μm、アスペクト比60、BET比表面積13m2/g、d002=0.339nm、Id/Ig=0.2)を使用した。表面処理においても同様のVGCFを使用した。
VGCF−S:
気相法炭素繊維として、VGCF−S(平均繊維径100nm、平均繊維長13μm、アスペクト比130、BET比表面積20m2/g、d002=0.340nm、Id/Ig=0.14)を使用した。表面処理においても同様のVGCF−Sを使用した。
表面処理方法
(1)フッ素化処理
(株)サムコインターナショナル研究所製プラズマ粉体処理装置を使用した。
キャリアガスとしてアルゴンを、反応ガスとしてCF4を使用し、プラズマを発生させる試料フラスコに気相法炭素繊維を入れ、ガス圧力を1Torrに調整し、周波数13.54MHzの高周波電源にて、放電電力を200Wの条件下で60秒間表面処理を行った。
(2)ホウ素添加処理
気相法炭素繊維2.88kgに平均粒径15μmのB4C粉末を120g添加し、ヘンシェルミキサーで十分混合した。この混合物を容量50リットルの円筒状の黒鉛ルツボへ詰め込み圧縮して、嵩密度を0.07g/cm3とした。黒鉛製の加圧板で圧縮したまま蓋をし、アチソン炉に入れて加熱処理した。このときの温度は2900℃であり、この温度に達した後にさらに同温度で60分間加熱を行った。加熱処理後冷却し、ルツボから処理済みの気相法炭素繊維を取り出し、バンタムミルで粉砕し、非繊維状物質を気流分級機で分離した。得られた繊維の繊維径は処理前と同等であった。
(3)シリル化処理
(株)サムコインターナショナル研究所製プラズマ粉体処理装置を使用した。
キャリアガスとしてアルゴンを、反応ガスとしてテトラメチルシランを使用し、プラズマを発生させる試料フラスコに気相法炭素繊維を入れ、ガス圧力を1Torrに調整し、周波数13.54MHzの高周波電源にて、放電電力を200Wの条件下で60秒間表面処理を行った。
表面エネルギー測定
表面エネルギーは日本ゴム協会誌,第67巻,第11号,752−759頁(1994年)に記載の逆相ガスクロマトグラフィーを用いた方法で測定した。この方法によれば、試料の形状に関係なく表面自由エネルギー(表面張力)を測定でき、また比較的簡単で、精度が高いという利点がある。具体的には、以下の方法により行った。
吸着相となる各種気相法炭素繊維は、内径3mm、長さ2.1mのガラスカラムに充填した。島津製作所製ガスクロマトグラフGC−7A(検出器TCD)を用い、キャリアーガスとして、ヘリウム、カラム温度90℃で測定した。プローブは、分散力成分の評価として、n−アルカン:ペンタン、ヘキサン、ヘプタンを用いた。また、極性を評価するために、塩基性溶液として、ベンゼン、テトラヒドロフラン、酸性溶液としてジクロロメタン、クロロホルムを用いた。
気相法炭素繊維および表面処理した気相法炭素繊維の表面エネルギーの測定結果を表2に示す。
Figure 2005264134
混練方法
東洋精機(株)製ラボプラストミル(容量100ml)のニーダーを使用した。
ラボプラストミルは、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、エラストマー等の加工特性をミキサ試験を通して行うものである。
加熱されたミキサの試料混練部内に回転比の異なる異方向回転する2本の混練用ブレードと樹脂温検出センサが取り付けられている。
ミキサに投入された樹脂は、せん断を受けながら混練が進むにしたがって、その樹脂、フィラーの特性により溶融、分散が起こり、ブレードにかかるトルクとして検出できる。
溶融粘度が高い樹脂を使用すると非常なトルク、つまり、高いせん断応力がかかり、フィラーは均一に分散される。
成形方法
i)熱可塑性樹脂
住友重機(株)製サイキャップ型締力75トン射出成形機を使用して、平板形状100x100x2mmを成形した。シリンダ温度は表2に示す温度で、金型温度は、PPは20℃、PA6は40℃、PPSは120℃で行った。
ii)熱硬化性樹脂
名機製作所(株)製M−70C−TSを使用して、平板形状100x100x2mmを成形した。成形条件は、アリルエステルではシリンダ温度を80℃、金型温度160℃、保持時間10分で行った。
使用した樹脂
i)熱可塑性樹脂
ポリプロピレン(PP) サンアロマー(株)製 PM900A(MI=30)
PW201N(MI=0.6)
ポリアミド6(PA6) 東レ(株)製 アミラン CM1007
ポリフェニレンサルファイド(PPS) 東ソー(株)製 サスティールF11
ii)熱硬化性樹脂
アリルエステル樹脂 昭和電工(株)製AA101,粘度630000cps(30℃)有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド 日本油脂製パークミルDを使用した。
使用した樹脂のせん断速度100s-1における溶融粘度を表3に示す。
Figure 2005264134
物性の測定
体積固有抵抗は、JIS−K7194の測定法に準拠し、四探針法により測定した。
曲げ特性 試験片100x10x2mmをスパン間隔64mm、曲げ速度2mm/minの条件で3点式曲げ強度測定法により測定した。
粘度測定法(キャピログラフ)
キャピログラフはキャピラリー式のレオメーターで、JIS−K7119の測定法に準拠している。これを使用してマトリックスポリマーおよび組成物の流動性を測定した。
これらの測定結果をマトリックスポリマーでは表3に、樹脂組成物では表4及び表5に示した。
各実施例および比較例の結果を表4〜5に示す。
Figure 2005264134
Figure 2005264134
各種の気相法炭素繊維および成形温度におけるしきい値の結果を表6に示す。
ポリプロピレン(PM900A)とVGCFの複合材において、220℃で成形した場合、しきい値は7%(VGCFの添加量が7%になると高導電性(導電ネットワークを形成する)になる)に対して、表面エネルギーを低下させたホウ素化VGCF、フッ素化VGCF、シリル化VGCFを使うと、しきい値が3%に低下し、効果が認められた。
ポリプロピレン(PW201N)とホウ素化VGCFの複合材において、220℃で成形した場合は、溶融粘度が高く導電ネットワークが破壊され、しきい値が15%まで上昇した。しかし、成形温度を上げることにより、溶融粘度の効果によりしきい値4%まで低下した。
ポリアミド6とVGCFの複合材において、240℃で成形した場合、しきい値は13%に対し、フッ素化VGCFを使用すると8%までしきい値が低下し、表面エネルギー低下の効果が認められる。
ポリフェニレンサルファイドとVGCFの複合材において、320℃で成形した場合は、しきい値が10%に対し、ホウ素化VGCFを使用すると7%までしきい値が低下した。
熱硬化性のアリルエステルとVGCFの複合材においても、VGCFではしきい値が8%、シリル化VGCFでは3%となり、VGCFの表面エネルギー低下の効果が認められる。
ポリプロピレン(PW201N)とVGCF−Sの複合材において、220℃で成形した場合、しきい値は3%に対して、表面エネルギーを低下させたフッ素化VGCF−Sを使うと1.5%まで低下し、効果が認められた。
Figure 2005264134

Claims (21)

  1. 溶融粘度がせん断速度100s-1で600Pa・s以下の状態にあるポリマーに、気相法炭素繊維1〜15質量%を1000mJ/m3以下の混合エネルギーで溶融混合する工程を含む導電性ポリマーの製造方法。
  2. 前記ポリマーが、その溶融粘度がせん断速度100s-1で200Pa・s以下の状態にある未硬化の熱硬化性ポリマーであり、混合エネルギーが400mJ/m3以下である請求項1に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  3. 前記ポリマーが、その溶融粘度がせん断速度100s-1で200〜600Pa・sの状態にある熱可塑性ポリマーであり、混合エネルギーが200〜1000mJ/m3である請求項1に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  4. 気相成長炭素繊維が、繊維外径80〜500nm、アスペクト比が40〜1000、BET比表面積が4〜30m2/g、X線回折法によるd002が0.345nm以下、ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比:(Id/Ig)が0.1〜2である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
  5. 気相成長炭素繊維が、不活性雰囲気下、2000〜3500℃で熱処理したものである請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
  6. 気相法炭素繊維の表面エネルギーが115mJ/m2以下である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
  7. 気相法炭素繊維が、湿式法または乾式法により表面エネルギー低下処理を施したものである請求項6に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  8. 気相法炭素繊維の表面エネルギー低下のための処理方法が、フッ素化処理、ホウ素添加処理、シリル化処理のいずれかである請求項7に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  9. 熱硬化性ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂またはメラミン樹脂である請求項2に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  10. 熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリエステル、液晶ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドまたはポリスチレンである請求項3に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  11. 溶融粘度がせん断速度100s-1で600Pa・s以下の状態にあるポリマーに、表面エネルギーが115mJ/m2以下の気相法炭素繊維を溶融混合する工程を含む導電性ポリマーの製造方法。
  12. ポリマーが、熱可塑性樹脂および未硬化の熱硬化性樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項11に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  13. 気相法炭素繊維が、湿式法または乾式法により表面エネルギー低下処理を施したものである請求項11または12に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  14. 気相法炭素繊維の平均繊維径が5μm以下である請求項11〜13のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法。
  15. 気相法炭素繊維の表面エネルギー低下のための処理方法が、フッ素化処理、ホウ素添加処理、またはシリル化処理である請求項13に記載の導電性ポリマーの製造方法。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマー。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーにより構成される成形品。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた自動車の外装品。
  19. 請求項1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた電磁波遮蔽材。
  20. 請求項1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた帯電防止材。
  21. 請求項1〜15のいずれかに記載の導電性ポリマーの製造方法により得られた導電性ポリマーを用いた導電性接着材。
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