JP6868861B2 - カーボンナノチューブを含有する三次元多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はカーボンナノチューブ(CNT)を含有する多孔質体及びその製造方法に関するものである。
従来、三次元多孔質体は、キャパシタータイプの蓄電デバイス、燃料電池、二次電池、フィルター、触媒、又はクロマトグラフィーの固定相などへの利用が研究されてきた。
特に、三次元多孔質体とカーボンナノチューブのような電気伝導性や熱伝導性を有する材料とを組み合わせた、電気伝導性や熱伝導性を有する三次元多孔質体の研究が行われ、例えば、カーボンナノチューブを含有する三次元多孔質体を実現する方法として、成形後の三次元多孔質体にカーボンナノチューブ分散液を含浸させ又はコーティングする方法が研究されてきた。
しかしながら、三次元多孔質体にカーボンナノチューブ分散液を含浸させ又はコーティングする方法の場合、多孔質体内にカーボンナノチューブを安定的に担持することができず、また、多孔質体へのカーボンナノチューブの積載効率も低いという問題があった(非特許文献1)。
また、従来の方法では、高い電気伝導性や熱伝導性を実現するために、三次元多孔質体にカーボンナノチューブ分散液を含浸させ又はコーティングした後に、さらにこれを炭化させる工程が必要であり、また、強酸などの酸化剤によって酸化処理をすることによってカーボンナノチューブを化学的に修飾する必要があった(非特許文献2)。そのため、カーボンナノチューブがダメージを受けることで電気伝導性や熱伝導性は大きく損なわれ、また、大量生産を実現することも困難であった。
M.T.Byrne et al., Recent Advances in reasearch on carbon nanotubepolymer composites, Adv.Mater 22 (2010) 1672 S. Nardecchia, et al., Three dimensional macroporous architectures and aerogels built of carbon nanotubes and/or graphene: synthesis and applications, Chem Soc. Rev. 42 (2013) 794-830
本発明は、カーボンナノチューブを含有する多孔質体及びその製造方法を提供するものである。
従来のカーボンナノチューブ含有多孔質体では、カーボンナノチューブの含浸後又はコーティング後にさらなる炭化を行っていたり、使用するカーボンナノチューブに対して酸化処理を行ったりする必要があったところ、本発明者は、多孔質体の母材とカーボンナノチューブ分散液とを混合した後に、相分離(phase separation)を生じさせて多孔質体を形成することで、カーボンナノチューブの分散液とカーボンナノチューブを安定的にかつ高い積載効率で含有させた新規な多孔質体(図1)を実現し、本発明を完成させた。
本発明では、カーボンナノチューブの含浸後又はコーティング後のカーボンナノチューブ含有多孔質体に対してさらなる炭化を行ったり、カーボンナノチューブに対して酸化処理を行ったりする工程を経る必要がないため、カーボンナノチューブにダメージを与えることなく、その高い電気伝導性や熱伝導性を維持したまま利用することができ、かかるカーボンナノチューブを含有する多孔質体の電気伝導性と熱伝導性を高くすることができる。
また、従来の方法と異なり、多孔質体を炭化させることはないため、多孔質体の表面積が大きいままに維持できる。
本発明によれば、カーボンナノチューブにより実現される高い電気伝導性と熱伝導性を有する多孔質体を実現することができる。また、多孔質体の表面積を大きいままに維持することができる。また、本発明によれば、鋳型を用いずに多孔質体を形成することができるため、様々な形状のカーボンナノチューブ含有多孔質体を形成することができる(図2参照)。
図1は、カーボンナノチューブ含有多孔質体であるポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの断面のSEM画像である。 図2は、23.7wt%カーボンナノチューブ含有多孔質体であるポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの写真である。 図3は、カーボンナノチューブが管状レベルで分散した、多層カーボンナノチューブ濃度が2wt%であるDMSOのSEM画像である。 図4は、ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液を、動的光散乱サイズ分布解析(DLS size distribution analysis)によって分析した結果である。ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液においてカーボンナノチューブの分散状態が維持されていることが示されている。 図5は、(a)乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリス及び(b)乾燥したポリアクリロニトリルモノリスの、それぞれのX線回折(XRD)パターンの測定結果である。 図6は、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスをフーリエ変換赤外分光法(FTIR法)で分析した結果である。 図7は、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの窒素吸着/脱着等温線である。 図8は、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの熱安定性(thermal stability)を測定した結果である。 図9は、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの電気伝導性を測定した結果である。 図10は、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの熱伝導性を測定した結果である。
以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、発明内容の理解を助けるためのものであり、本発明を限定するものではない。
<カーボンナノチューブ含有多孔質体>
本発明におけるカーボンナノチューブ含有多孔質体は、カーボンナノチューブと多孔質体の母材とを含む。
本発明に使用できるカーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又はこれらの混合物が挙げられる。カーボンナノチューブの平均の直径は、0.4nm〜1μm程度であればよく、好ましくは1nm〜50nmである。また平均の長さは、長い方が好ましいが、50nm以上であればよく、好ましくは、1μm以上である。カーボンナノチューブは酸化処理等の化学的修飾がされていても良いが、カーボンナノチューブの高い電気伝導性や熱伝導性を維持するという観点からは、酸化処理のような、カーボンナノチューブの性質を損なう化学的修飾については、行われないことが望ましい。
本発明における多孔質体の母材は、多孔質体を構成できる材料であれば特に限定されないが、ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリロニトリル(PAN)などのアクリル、ゴム、プラスチック、熱可塑性プラスチック、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリ塩化ビニル、ビニルニトリル、シリコン、ラテックス、それらの誘導体及びそれらの組み合わせの材料から形成することができる。
本発明のカーボンナノチューブ含有多孔質体におけるカーボンナノチューブ濃度は、0.1〜98質量%であればよく、多孔質体内でのカーボンナノチューブネットワーク形成の観点から、好ましくは、25質量%以上である。
<カーボンナノチューブを含有する多孔質体の製造方法>
本発明におけるカーボンナノチューブを含有する多孔質体は、多孔質体の母材とカーボンナノチューブ分散液を混合した後に、相分離を生じさせることにより多孔質体を形成することで製造することができる。
本発明におけるカーボンナノチューブ分散液とは、カーボンナノチューブをジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶媒に分散させた溶液を意味する。ここでのカーボンナノチューブの分散は、管状レベルまで行われていることが望ましい(図3参照)。
また、カーボンナノチューブを分散させる際には、公知の分散剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等や胆汁酸等の界面活性剤)を用いても良く、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリビニルピロリドン(PVP)等の安定剤を用いても良い。
本発明における多孔質体の母材とカーボンナノチューブ分散液とを混合する工程においては、カーボンナノチューブ分散液に少量の水、エタノール、アセトニトリル等の溶媒を添加した上で、多孔質体の母材を添加した後、加熱して混合液を作製することもできるし、多孔質体の母材にカーボンナノチューブ分散液を混合させた後に、少量の水、エタノール、アセトニトリル等の溶媒を添加した後、加熱して混合液を作製することもできる。
本発明における多孔質体の母材とカーボンナノチューブ分散液とを混合する工程では、相分離に伴う多孔質体の生成における好適条件の観点から、多孔質体の母材とカーボンナノチューブ分散液との混合溶液中のDMSOと水との体積比は、90:10〜85:15となるように調製すればよく、より好ましくは、88:12〜87:13である。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体における孔のサイズ(孔径)は、平均約5nm〜500nmであることが望ましい。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体のBET(Brunauer, Emmett and Teller)比表面積は、130〜250m/gであることが望ましく、より好ましくは、210〜240m/gである。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体の気孔率は、約85〜95%であることが望ましく、より好ましくは、約90〜95%である。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体の平均かさ密度(bulk density)は、0.75〜0.85g/cmであることが望ましく、より好ましくは、0.8g/cmである。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体の機械強度は、約0.5〜1.5MPaであることが望ましく、より好ましくは、1.1〜1.5MPaである。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体の電気伝導性は、1.5〜3.5S/cmであることが望ましく、好ましくは、2.7〜3.5S/cmである。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体の熱伝導性は、0.05〜0.5W/(m.K)であることが望ましく、好ましくは、0.148〜0.5W/(m.K)である。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体は、モノリス形状や薄膜形状など、様々な形状のものにすることができる(図2参照)。
本発明において形成されるカーボンナノチューブ含有多孔質体は、成形後に炭化させて用いることもできる。
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。ただし、以下の実施例及び比較例は、発明の内容の理解を助けるためのものであり、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
単分散カーボンナノチューブ分散液の調製工程
多層カーボンナノチューブ(NC7000、Nanocyl社製)20g、ジメチルスルホキシド(DMSO)1000ml、ポリビニルピロリドン5g、カルボキシメチルセルロース3g、及びFS−30(デュポン社製)5mlを、ボールミルにて混合し、次いで、ビーズミルを用いて十分に混合してカーボンナノチューブを管状レベルまで分散(単分散)させ、カーボンナノチューブ濃度が2wt%である単分散カーボンナノチューブ分散液を調整した。
ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液の調製工程
ねじ込み型ボトル中に、調整した単分散カーボンナノチューブ分散液8.7ml及び脱イオン水1.3mlを加え、そこに0.6gのポリアクリロニトリル(PAN)粉末を加えた。その後、1時間かけて、オイルバス中で110℃まで加熱しながら、スターラーで撹拌し、ポリアクリロニトリルを完全に溶解させ、ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液を調製した。
ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの形成工程
調整したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液を型容器に注ぎ、45分間、室温にて冷却しながら、相分離を生じさせ、ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの形成させた。
ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの洗浄工程
形成されたポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスを型容器から取り出し、ビーカー内にメタノール200mlと共に入れ、ボルテックス社製攪拌機を用いて150rpmで8時間撹拌して洗浄した。同様の洗浄工程を繰り返し、合計4度のメタノール洗浄を行った。
次いで、ビーカー内に水200mlと共に入れ、ボルテックス社製攪拌機を用いて150rpmで6時間撹拌して洗浄した。同様の洗浄工程を繰り返し、合計6度の水洗浄を行った。
ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの乾燥工程
洗浄後のポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスを、20Paの減圧下で、48時間乾燥させ、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスを得た。なお、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスにおけるカーボンナノチューブ濃度は、32.8wt%である。
(実施例2ないし4)
実施例1の単分散カーボンナノチューブ分散液の調製工程における単分散カーボンナノチューブ分散液中のカーボンナノチューブ濃度を、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスにおけるカーボンナノチューブ濃度が7.6wt%、15.7wt%、及び23.7wt%になるよう調製し、実施例1と同様の方法で単分散カーボンナノチューブ分散液をそれぞれ調製した。その後、他の工程については、実施例1と同様の工程を経ることで、乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスにおけるカーボンナノチューブ濃度が7.6wt%、15.7wt%、及び23.7wt%である、実施例2ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスをそれぞれ得た。
カーボンナノチューブ含有ポリアクリロニトリル溶液におけるカーボンナノチューブの分散状態の確認
実施例1ないし実施例4における、ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液の調製工程を経て得た、ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液を、動的光散乱サイズ分布解析(DLS size distribution analysis)によって分析したところ、いずれのポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ混合溶液においても、カーボンナノチューブは凝集することなく、その分散状態が維持されていることが確認された(図4参照)。
(比較例1)
ポリアクリロニトリル溶液の調製工程
ねじ込み型ボトル中に、脱イオン水1.3mLを加え、そこに0.6gのポリアクリロニトリル(PAN)粉末を加えた。その後、1時間かけて、オイルバス中で110℃まで加熱しながら、スターラーで撹拌し、ポリアクリロニトリルを完全に溶解させ、ポリアクリロニトリル溶液を調製した。
ポリアクリロニトリルモノリスの形成工程
調整したポリアクリロニトリル溶液を型容器に注ぎ、45分間、室温にて冷却しながら、相分離を生じさせ、ポリアクリロニトリルモノリスの形成させた。
ポリアクリロニトリルモノリスの洗浄工程
形成されたポリアクリロニトリルモノリスを型容器から取り出し、ビーカー内にメタノール200mlと共に入れ、ボルテックス社製攪拌機を用いて150rpmで8時間撹拌して洗浄した。同様の洗浄工程を繰り返し、合計4度のメタノール洗浄を行った。
次いで、ビーカー内に水200mlと共に入れ、ボルテックス社製攪拌機を用いて150rpmで6時間撹拌して洗浄した。同様の洗浄工程を繰り返し、合計6度の水洗浄を行った。
ポリアクリロニトリルモノリスの乾燥工程
洗浄後のポリアクリロニトリルモノリスを、20Paの減圧下で、48時間乾燥させ、乾燥したポリアクリロニトリル複合体モノリスを得た。
ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの特性評価
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの断面を電子顕微鏡で確認したところ、いずれのも三次元構造となっており、相互に架橋し合う重合化が生じていることを確認した(図1参照)。また、ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスにおける孔の大きさは、約0.6〜1μmであった。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスのX線回折(XRD)パターンを測定したところ、いずれも、16.71°の2θ値に強いピークが現れた(図5参照)。これは、ポリアクリロニトリル分子の整ったラメラ相((010)面)を示すものである。また、25.58°及び29.36°にブロードなピークが現れた。これは、(210)面や(300)面にそれぞれ対応するポリアクリロニトリル分子内の鎖状配列における無秩序相(disordered phase)を示すものである。25.92°におけるピークは、ポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスにおけるラメラカーボン構造の002反射を示すものである。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスをフーリエ変換赤外分光法(FTIR法)で分析したところ、図6のとおり、ポリアクリロニトリルの存在が確認された。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの窒素吸着/脱着等温線は、いずれも第4型の等温線を示した(図7)。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスのBET比表面積は、約210〜240m/gであり、平均孔径は5〜6nmであった。これは、BET比表面積が約160〜180m/gである純粋なポリアクリルニトリルのモノリスと比べ、いずれも優れた比表面積を有することを意味する。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスは、いずれも約90〜95%の気孔率を有しており、水よりも比重が小さく、水に浮かぶものであった。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの平均かさ密度は、約0.8g/cmであり、自重の13倍の重さの水を吸収することができた。また、水を吸収させた後に、再度乾燥させれば、元の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体に戻すことができた。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体の機械強度を測定したところ、約1.1〜1.5MPaであった。この数値は、自重の約2万倍の重さを支えることを意味する高い数値である。すなわち、高い気孔率と非常に低い比重を示しながらも、高い機械強度を有していることを意味する。
実施例1ないし4の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの熱安定性(thermal stability)を測定したところ、図8のとおりであった。得られた各実施例のポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスは、不活性雰囲気中では、極めて高い温度であっても高い安定性を有していた。また、酸素存在下では、645℃以下であれば、安定的であることが分かった。
実施例1ないし4及び比較例1の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの電気伝導性を測定したところ、結果は、図9のとおりであった。実施例1では、約2.7S/cmであった。
実施例1ないし4及び比較例1の乾燥したポリアクリロニトリル/カーボンナノチューブ複合体モノリスの熱伝導性を測定したところ、結果は、図10のとおりであった。実施例1では、約0.148W/(m.K)であった。

Claims (3)

  1. カーボンナノチューブ含有多孔質体の製造方法であって、相分離を生じさせることにより多孔質体を形成する工程を含む方法であり、多孔質体の母材とカーボンナノチューブ分散液とを混合する工程において、多孔質体の母材とカーボンナノチューブ分散液との混合溶液中のDMSOと水との体積比が90:10〜85:15になるよう調製する工程をさらに含む、カーボンナノチューブ含有多孔質体の製造方法。
  2. 多孔質体の母材がポリアクリロニトリルである、請求項1記載の、カーボンナノチューブ含有多孔質体の製造方法。
  3. カーボンナノチューブ含有多孔質体であって、カーボンナノチューブと多孔質体の母材とを含み、BET比表面積が130〜250m2/gであり、電気伝導性が1.5〜3.5S/cmであり、熱伝導性が0.05〜0.5W/(m.K)である、カーボンナノチューブ含有多孔質体であって、
    多孔質体の母材がポリアクリロニトリルである、カーボンナノチューブ含有多孔質体。
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