JP5020515B2 - 耐熱性摺動用樹脂組成物、製造方法及びその用途 - Google Patents

耐熱性摺動用樹脂組成物、製造方法及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性、放熱性及び摺動特性に優れた樹脂組成物に関する。さらに詳しく言えば、高温、高発熱環境下で、軸受等の各種摺動部材の相手材である軟質金属を摩擦摩耗しない耐熱性摺動用樹脂組成物に関する。
一般に樹脂は、ガラス転移温度あるいは融点以上の温度になると分子の運動が激しくなり、固体状態を維持することが難しくなり、液化してしまう。自動車のブレーキやベアリングなど摺動部品や燃料電池セパレータに使用される樹脂は、使用条件により80℃〜120℃の環境にさらされる。このような環境下において使用するためには、樹脂に耐熱性と放熱性を付与することが必要となる。
耐熱性を付与する方法としては、樹脂に無機充填材を添加する方法が知られている。樹脂中に無機粒子を混入させることにより、樹脂の運動が拘束、制限され、樹脂の軟化点温度を上昇させることができる。また、無機充填材を添加することにより樹脂の熱伝導性を改善することが可能となる。これまでセラミックス粉末やカーボン系材料(カーボン粒子、炭素繊維)が充填材として用いられてきた。特にカーボン系材料が化学的に不活性であること、自己潤滑性が高い、導電性が高いという理由で摺動部材や燃料電池用セパレータに用いられてきた。
しかし、カーボン粒子は点接触によって熱伝導の経路を形成するため、十分な熱伝導性を得るためには多量のカーボン粒子を充填しなければならず、そのため力学強度の低下を抑えることが困難であった。一方、炭素繊維は結晶が発達しにくい難黒鉛化性炭素からなるため、熱の伝播が悪く、炭素繊維の形状的利点を十分発揮することができず、カーボン粒子同様50質量%以上添加しなければ十分な熱伝導性(例えば、熱伝導率が0.8W/mK以上)を得ることが難しい。また、剛直であるため成形時の収縮率の異方性が大きく、寸法精度を制御することが難しいという問題もあった。
近年、高温雰囲気下で良好な摺動特性を発揮する耐熱性の合成樹脂製すべり軸受が強く要望されており、いくつかの提案がなされている。例えば、特開2000−169738号公報(特許文献1)及び特開2001−40225号公報(特許文献2)には、優れた耐熱性、機械的特性を有しており、各種産業分野において広く使用されているポリエーテルエーテルケトン樹脂に四ふっ化エチレン樹脂を添加した樹脂組成物からなる摺動部材が開示されている。これは、潤滑性物質として四ふっ化エチレン樹脂を添加して摺動特性の向上を図ったものであるが、耐摩耗性、機械的強度が充分でなく、さらに炭素繊維やガラス繊維などの補強材を添加して欠点を補っているのが実情である。炭素繊維及びガラス繊維を添加してなる複合材は相手材が鋼材(SUS45)として実績があるが、鋼材を磨耗する欠点を有する。
特開2000−169738号公報 特開2001−40225号公報
最近では、軸受等の各種摺動部材の一層の軽量化を図るために相手材としてアルミニウが使用されるケースが増加しているが、軟質金属の場合は損傷による減少が著しく、相手材の損傷と共に摺動部材自身の耐磨耗性も低下する恐れがある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、高結晶性、高アスペクト比の気相法炭素繊維を耐熱性樹脂に低剪断力で混合することで、耐熱性、高放熱性、耐摩耗性の樹脂組成物を開発するに至った。
すなわち、本発明は以下に示す樹脂組成物、その製造方法及びその用途に関する。
[1]比表面積が10〜50m2/g、平均アスペクト比が20〜500、平均繊維径が50〜200nmである気相法炭素繊維および合成樹脂を含み、大荷重熱変形温度(ASTM D648)が160℃以上であり、熱伝導率が0.8W/mK以上であることを特徴とする耐熱性摺動用樹脂組成物。
[2]気相法炭素繊維の含有量が、合成樹脂を100質量部に対して5〜370質量部である前記1に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
[3]平均繊維径が1〜30μmの炭素繊維を合成樹脂を100質量部に対して5〜200質量部配合する前記1または2に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
[4]合成樹脂100質量部に対して、気相法炭素繊維が5〜75質量部、平均繊維径が1〜30μmの炭素繊維が5〜75質量部である前記3に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
[5]合成樹脂100質量部に対して、気相法炭素繊維が45〜370質量部、平均繊維径が1〜30μmの炭素繊維が8〜200質量部である前記3に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
[6]体積抵抗値が1×10-3〜1×102Ωcmの範囲内にあり、熱伝導率が1.5W/mK以上である前記1〜5のいずれかに記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
[7]合成樹脂が、ガラス転移温度160℃以上及び/または融点160℃以上の耐熱性樹脂である前記1〜6のいずれかに記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
[8]耐熱性樹脂が、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種である前記7に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
[9]前記1〜7のいずれかに記載の耐熱性摺動用樹脂組成物の製造方法であって、溶融した合成樹脂または硬化により合成樹脂となる液状樹脂原料に、気相法炭素繊維を混合することを特徴とする製造方法。
[10]混合時における気相法炭素繊維の破断を20%以下に抑える前記9に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物の製造方法。
[11]5000MJ/m3以下のエネルギーで混合する前記9に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物の製造方法。
[12]前記1〜6のいずれかに記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなることを特徴とする摺動材。
[13]成形が射出成形である前記12に記載の摺動材。
[14]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いたギア。
[15]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いたすべり摩擦または転がり摩擦機構のベアリング。
[16]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いた軸受け。
[17]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いたブレーキ。
[18]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いたクラッチ部品。
[19]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いたシール部材。
[20]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いたピストンリング。
[21]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いた機械的伝導機構用樹脂製部品。
[22]前記4に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる摺動材を用いた時計用機構部品。
[23]前記5に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる固体高分子形燃料電池用セパレータ。
本発明の樹脂組成物は、炭素繊維よりも熱伝導性に優れ、さらに摩擦抵抗が低い気相法炭素繊維を配合してなるものであって、自動車のブレーキやベアリングなどの摺動材として用いた場合に相手材の摩耗を大幅に低減することができ、しかも高温環境下であっても、優れた耐熱性、放熱性を有し、長期にわたって潤滑性を維持できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する気相法炭素繊維は、BET比表面積が10〜50m2/gであり、好ましくは12〜45m2/g、より好ましくは15〜40m2/gである。BET比表面積が50m2/gより大きくなると、炭素繊維の表面エネルギーや凝集エネルギーが大きくなり、繊維同士の付着・凝集力が強くなるため合成樹脂への分散性が低下する。樹脂中に凝集体が残留すると、樹脂中に均一な熱伝導、導電用の経路を形成することができず、十分な熱伝導性(例えば、熱伝導率が0.8W/mK以上)を有する組成物を得ることができなくなる。
本発明で使用する気相法炭素繊維の平均繊維径は、50〜200nmであり、好ましくは50〜130nmである。平均繊維径が50nmより小さくなると表面エネルギーが指数関数的に大きくなり、繊維同士の凝集力が急激に増大する。このような気相法炭素繊維は、単純な混練では樹脂中に十分に分散させることができず、樹脂中に凝集物が点在し、効率的に導電ネットワークを形成することができない。また、分散不良により残留した凝集体は衝撃や荷重がかかったときに応力集中の場となり、樹脂組成物の破壊源となるので好ましくない。また、平均繊維径が200nmを超えると、所望の熱伝導性等を得るためにより多くの気相法炭素繊維を配合することが必要となり、機械的強度や他の物性に悪影響を及ぼす。
樹脂中に凝集体を残存させることなく、分散させるためには、混練時に大きなエネルギーを投入する方法がある。具体的には混練時の樹脂温度をできるだけ低くして、樹脂の溶融粘度を高くしたり、スクリュー回転数を大きくするなどのトルクを大きくする方法や、ニーディングディスクの形状を石臼状にして高剪断力をかける方法などがある。この場合の分散機構は、ビーズミルなどの湿式粉砕方法にきわめて類似しており、凝集体を粉砕しながら微粒子化して、再凝集する力より大きな剪断力により粒子同士を引き離すという方法である。この方法を気相法炭素繊維により形成された凝集体に適用すると、気相法炭素繊維を短繊維化しながら凝集体が破壊され、破断した短気相法炭素繊維が樹脂中に分散・分配される。次項の気相法炭素繊維のアスペクト比でも言及するが、破断した短気相法炭素繊維は当然のことながら、粉砕前の高アスペクト比気相法炭素繊維が本来有する熱伝導性、導電付与能力を失うので好ましくない。
本発明で使用し、かつ本発明の組成物中に存在する気相法炭素繊維のアスペクト比は20〜500である。好ましくは50〜300であり、より好ましくは100〜200である。樹脂に添加する気相法炭素繊維のアスペクト比を種々変えて検討を行った結果、アスペクト比を大きくすることにより、樹脂に付与される熱伝導性や導電性はより高くなること、アスペクト比をより大きくしていくと次第にその向上効果が小さくなること、アスペクト比がある値以上になると逆に熱伝導性等が低下し始め、多量の気相法炭素繊維の添加が必要になることが分かった。
気相法炭素繊維は炭素六角網面からなるシートが丸まった管が入れ子状に入った構造を有している。したがって、シートの面内つまり気相法炭素繊維の長さ方向の熱および電子の移動は非常に大きいが、シートの積層方向、つまり繊維の径方向は非連続であるため、熱および電子の移動は前述の気相法炭素繊維の長さ方向に比べはるかに小さい。したがって、樹脂に高い熱伝導性および導電性を付与するためには長い繊維同士を繋ぎ合わせることが必要となる。
しかし、アスペクト比が500を超えると繊維同士の絡まり合いが一層強くなり、繊維の破断が起きない範囲の剪断力では繊維を一本、一本を十分解すことが困難になり、効率的な熱伝導性および導電のネットワークを形成することができなくなる。一方、アスペクト比が20より小さいと、樹脂への分散性は非常に良好であるが、逆に繊維が拡散しすぎて繊維同士の接触を保持することが難しくなる。導電性の導電ネットワーク、つまり繊維同士の接触を形成・維持するためには、気相法炭素繊維を樹脂100質量部に対して5質量部以上を添加しなければならず、樹脂の流動性や引張強度の低下が顕著になるので好ましくない。また、アスペクト比が20より小さいと、樹脂組成物の摩耗強度が低下し、摺動材としての用途に向かなくなる。
本発明で使用する気相法炭素繊維のX線回折法による平均面間隔d002は、好ましくは0.345nm以下、より好ましくは0.343nm以下、さらに好ましくは0.340nm以下である。
合成により得られる気相法炭素繊維は、先に説明したようにホローチューブに平行にカーボンが堆積し、年輪状に径方向の成長を遂げる。そして、この年輪の間隔に相当するものを面間隔d002と称している。反応直後ではホローチューブに堆積したカーボンのグラフェンは非常に乱雑に配置されており、また、繊維表面も微視的には凹凸を有している。これを熱処理することでグラフェンの並び、および繊維表面を平坦に整えることができる。その結果、電子の移動度の増大や接触抵抗の低減を図ることができ、少量の繊維添加で樹脂に導電性の付与が可能となる。つまり、平均面間隔d002が0.345nmを超えるものは、結晶が十分発達していないため、平均面間隔d002が0.340nm以下のような結晶化した気相法炭素繊維に比べて10倍以上抵抗率が増大しており、樹脂などに混合した際、繊維/樹脂/繊維間の電子の移動が困難となる。したがって、結晶が発達した気相法炭素繊維に比べ、2倍以上の量を添加しなければ同程度の熱伝導性、導電性を得ることができない。
本発明で使用する気相法炭素繊維のラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)は、0.1〜1.3が好ましい。より好ましくは0.15〜1.2、さらに好ましくは0.2〜1.15である。
先述の面間隔が炭素の積層構造に関する情報であるのに対して、ラマン散乱スペクトルの(Id/Ig)は炭素の面内方向の結晶性に対する情報である。ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1に見られるラマンバンドはカーボンの結晶構造の乱れに起因するといわれ、一方、1570〜1578cm-1に見られるラマンバンドはカーボンの結晶性に起因するといわれている。この両者の比はグラフェンの規則的な配列の大きさを表す指標として用いられる。つまり、この両者の比(Id/Ig)が小さくなればなるほどグラフェンで構成されるグラフェンシート内の欠陥が少ないということを表す。(Id/Ig)が1.3以上になるとグラフェンがランダムに継ぎはぎ状に配列していることを表し、熱およびπ電子移動における拡散点が増大し、熱伝導性および導電性が低下するので好ましくない。
本発明で使用する上記の特性を有する気相法炭素繊維は、有機遷移金属化合物の存在下、炭素源(有機化合物)を熱分解することにより製造することができる。
気相法炭素繊維の原料となる炭素源(有機化合物)は、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物も可能である。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含む。遷移金属は、周期律表第4〜10の元素である。好ましい有機遷移金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等が挙げられる。
熱分解反応雰囲気下で、遷移金属触媒粒子表面に吸着した水素などのガスを効率的に除去し、触媒活性を高めるための助触媒として、硫黄、チオフェンなどの硫黄化合物を用いることができる。
水素などの還元性ガスをキャリアガスに用い、上記有機化合物と有機遷移金属化合物、及び硫黄化合物を800〜1300℃に加熱した反応炉(例えば、管状反応炉)へ供給し、熱分解反応させて炭素繊維を得る。
原料の形態としては、芳香族炭化水素に有機遷移金属化合物および硫黄化合物を溶解させたものや、500℃以下で気化させたものを用いることができる。しかし、液体原料の場合、反応管壁において原料の気化・分解が起き、反応管内に局所的に原料濃度分布が生じるため、生成した炭素繊維同士が凝集する傾向を示す。したがって、原料の形態としては、反応管中における原料濃度を一定化した気化原料が好ましい。
遷移金属触媒と硫黄化合物助触媒との比(硫黄/遷移金属+硫黄)としては10〜35質量%が好ましい。10質量%未満の場合、触媒に吸着した水素を十分除去できないため、触媒への炭素源供給が阻害され炭素繊維以外の炭素粒子が発生するため好ましくない。また、35質量%を超える場合、触媒活性が高まり、繊維の分岐が増大したり、放射状に繊維が生成したりする等、繊維同士の相互作用が増加して強固な凝集体を形成するため好ましくない。
繊維の分岐数および凝集体のほぐれ具合は、合成時の原料濃度により決定される。すなわち、気相中の原料濃度が高いと、生成した繊維表面に触媒粒子の不均一な核が発生し、繊維表面からさらに繊維が生成し、樹氷状の繊維が形成される。また、高濃度で生成した繊維同士が絡み合い、容易にほぐすことができない。したがって、反応管中の原料供給量とキャリアガス流量の比は、1g/リットル以下が好ましく、0.5g/リットル以下がより好ましく、さらに0.2g/リットル以下が好ましい。
反応で生成した繊維表面に付着したタールなどの有機物を除去するために不活性雰囲気中で900〜1300℃で熱処理することが好ましい。炭素繊維の導電率を向上させるためには、さらに不活性雰囲気下で2000〜3500℃で熱処理を行い、結晶を発達させることが好ましい。
結晶を発達させるために使用する熱処理炉は、2000℃以上、好ましくは2300℃以上の所望する温度に保持できる炉であればよく、通常の、アチソン炉、抵抗炉、高周波炉他の何れの装置でもよい。また、場合によっては、粉体または成形体に直接通電して加熱する方法も使用できる。
熱処理の雰囲気は非酸化性の雰囲気、好ましくはアルゴン、ヘリウム、ネオン等の1種もしくは2種以上の希ガス雰囲気がよい。熱処理の時間は、生産性の面からは出来るだけ短い方が好ましい。長時間加熱を続けると、焼結し固まってくるので、製品収率も悪化する。従って、成形体等の中心部の温度が目標温度に達した後、その温度に10分〜1時間保持すれば十分である。
気相法炭素繊維の結晶をさらに発達させ、導電性を向上させるために、不活性雰囲気下で2000〜3500℃で加熱する黒鉛化処理を行うことができる。その際に、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B23)、元素状ホウ素、ホウ酸(H3BO3)、ホウ酸塩等のホウ素化合物を混合してもよい。
ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するため一概に規定できないが、例えば炭化ホウ素(B4C)を使用した場合には、気相法炭素繊維に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲がよい。
ホウ素化合物との熱処理により、気相法炭素繊維の炭素の結晶性が向上し、導電性が向上する。炭素繊維の結晶内あるいは結晶表面に含まれるホウ素量としては0.01〜5質量%がよい。炭素繊維の導電性や樹脂との親和性を改善するには、より好ましくは0.1質量%以上のホウ素が必要である。また、グラフェンシートに置換し得るホウ素量は3質量%程度であり、それ以上特に5質量%以上のホウ素はホウ素炭化物やホウ素酸化物として存在し、導電性の低下の要因となりうるので好ましくない。
本発明に用いられる合成樹脂は、耐熱性を有する樹脂であり、具体的にはガラス転移温度が160℃以上及び/または融点が160℃以上が好ましい。
このような耐熱性樹脂としては、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独に使用しても、あるいは2種類以上を組み合わせて使用してもいい。
本発明の組成物にはさらに炭素繊維を含有させても良い。炭素繊維に特に制限はないが、PAN系もしくはピッチ系の炭素繊維が好ましい。また、炭素繊維の断面形状も特に制限はない。炭素繊維の平均繊維径は1〜30μmであり、好ましくは1〜20μm、特に好ましくは3〜10μmである。炭素繊維の長さは0.1〜30mm、好ましくは1〜20mm、特に好ましくは3〜15mmである。繊維径が3μm以上あれば、成形時の繊維の切断が抑制され、10μm以下であれば高い導電性を保つことが可能である。
本発明の組成物において、気相法炭素繊維に加えて上記炭素繊維を配合することにより、成形体中の導電性、熱伝導性の不均一を低減し、安定化させることができる。
また、炭素繊維と樹脂との親和性を向上させるために炭素繊維を酸化処理して繊維表面にフェノール性水酸基、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基を導入することもできる。さらに、シラン系あるいはチタネート系、アルミニウム系、リン酸エステル系のカップリング剤等により、表面処理を施してもよい。
気相法炭素繊維の配合量は、合成樹脂の量100質量部に対して、5〜370質量部が好ましい。樹脂組成物の用途が、固体高分子形燃料電池用セパレータなどの熱伝導性を重視する用途である場合には、気相法炭素繊維の量は45〜370質量部が好ましく、更に好ましくは150〜250質量部である。気相法炭素繊維の量が370質量部を超えるとその用途における成形品の寸法精度、形状精度が所望の程度に収めることが困難となり、反対に45質量部未満だとその用途に必要な熱伝導性が得られない場合がある。樹脂組成物の用途が各種摺動材などの耐摩耗性を重視する用途である場合には、気相法炭素繊維の量は5〜75質量部が好ましく、更に好ましくは25〜50質量部である。気相法炭素繊維の量が75質量部を超えると摺動材としての強度及び耐摩耗性が不十分となる場合があり、反対に5質量部未満だと熱伝導性が不十分となる。
炭素繊維を添加する場合には、その添加量は合成樹脂の量100質量部に対して5〜200質量部とすることが好ましい。より好ましくは10〜100質量部であり、さらに好ましくは30〜50質量部である。炭素繊維の量が5質量部未満だと熱伝導性及び導電性の均一性が保てないことがあり、一方、200質量部を超えると、成形体としたときにその表面外観が低下し、平滑な接触面が得られなくなり、相手材を傷つけ、研削してしまうことがある。また、樹脂組成物の用途が熱伝導性を重視する用途である場合には炭素繊維の量は8〜200質量部が好ましく、樹脂組成物の用途が耐摩耗性を重視する用途である場合には炭素繊維の量は5〜75質量部が好ましい。
気相法炭素繊維を合成樹脂との混合は、気相法炭素繊維の破断を極力抑えるように行うことが好ましい。具体的には、気相法炭素繊維の破断率を20%以下に抑えることが好ましく、15%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましい。破断率は、混合・混練の前後での炭素繊維のアスペクト比(例えば電子顕微鏡(SEM)写真像により測定)を比較することにより評価できる。
気相法炭素繊維の破断を極力抑えた混練を行うには、例えば、以下のような手法を用いることができる。
一般に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に無機フィラーを溶融混練する場合、凝集した無機フィラーに高せん断力を加え、無機フィラーを破壊し、微細化して、溶融樹脂中へ無機フィラーを均一に分散させる。高せん断力を発生させる混練機としては、石臼機構を利用したものや、同方向2軸押出機でスクリューエレメント中に高せん断力のかかるニーディングディスクを導入したものが数多く使用されている。しかし、このような混練機を使用すると、混練工程中に気相法炭素繊維が破断してしまう。また、せん断力の弱い単軸押出機の場合は、繊維の破断は抑えられるが、繊維の分散が均一にならない。したがって、繊維の破断を抑えながら、均一な分散を図るためには、ニーディングディスクを使用しない同方向2軸押出機でせん断力を低減したり、加圧ニーダーのような、高せん断力がかからなくて、時間を掛けて分散が達成できるものや、単軸押出機において特殊なミキシングエレメントを使用することが望ましい。さらに、混練時の樹脂温度は樹脂が分解しない温度範囲で上限に設定することが望ましい。一般に樹脂温度が高くなるにしたがい、樹脂の溶融粘度は低下するのでフィラーにかかる剪断力を低減する作用を有している。混合のためのエネルギーとしては5000MJ/m3以下が好ましい。
また、気相法炭素繊維を混練機に投入する方法としては、溶融した合成樹脂または硬化により合成樹脂となる液状樹脂原料に気相法炭素繊維を導入する方法が好ましい。例えば、気相法炭素繊維と熱可塑性樹脂を同方向二軸押出機で混練する場合、混練機上流のホッパーに樹脂ペレットを投入する、スクリューで搬送された樹脂ペレットはヒータの加熱とスクリューの剪断発熱により溶融する。混練機中流より気相法炭素繊維を溶融した樹脂にサイドフィードし、溶融樹脂と気相法炭素繊維の混練を行う。ホッパーから気相法炭素繊維と樹脂ペレットを同時に押出機へ投入すると、ペレットが溶融するまでの間に気相法炭素繊維のペレットによる粉砕が進行するため好ましくない。
炭素繊維も、気相法炭素繊維と同様に、繊維の破断を抑制するために溶融した合成樹脂または硬化により合成樹脂となる液状樹脂原料に導入する方法が好ましい。
本発明で使用する気相法炭素繊維は、嵩比重が0.01〜0.1g/cm3程度であり、空気を巻き込みやすいため、通常の単軸押出機や同方向二軸押出機では脱気が難しく、充填に困難を伴う。このような場合には、充填性が良好で、繊維の破断を極力抑える混練機として、バッチ式の加圧ニーダーを用いることができる。バッチ式加圧ニーダーで混練したものは、固化する前に単軸押出機に投入して、ペレット化することもできる。
このようにして得られた本発明の樹脂組成物は、大荷重熱変形温度(ASTM D648)が160℃以上であり、熱伝導率が0.8W/mK以上であり、さらには体積抵抗値を1×10-3〜1×102Ωcm、熱伝導率を1.5W/mK以上とすることもできる。
本発明の樹脂組成物は、優れた摺動特性を有し、また優れた耐熱性及び放熱性を有するので、高温、高発熱環境下で使用可能な摺動材や、固体高分子型燃料電池用セパレータ等として用いることができる。
摺動材を含む製品としては、各種ギア、すべり摩擦または転がり摩擦機構のベアリング、軸受け等、ブレーキ、クラッチ部品等、スクロールコンプレッサー等の各種シール部材、ピストンリング、機械的伝導機構用樹脂製部品(歯車、摩擦車、カム等)、時計用機構部品等が挙げられる。これらの製品の摺動材に本発明の樹脂組成物が好適に使用できる。各種摺動材は、従来から知られている樹脂組成物の成形法により製造することができる。好ましい成形法としては、射出成形法が挙げられる。
以下、本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものでない。
実施例および比較例に使用した気相法炭素繊維は以下の方法により作製した。
(1)気相法炭素繊維−1
昭和電工社製の気相成長炭素繊維VGCF(登録商標)を用いた。
(2)気相法炭素繊維−2
ベンゼンとフェロセンとチオフェンを質量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を400℃に設定した蒸発器に供給し、気化させる。この気化させた原料ガスをキャリア水素ガスにより1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は10g/分、水素流量は60リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
(3)気相法炭素繊維−3
気相法炭素繊維1を60gと10mmφのSUS製ボール3kgを内容積2リットルのSUS製容器に入れ、振動ミル(中央化工機製:MB1型振動ミル)粉砕を1000cpm、180分の条件で実施した。
気相法炭素繊維−1〜気相法炭素繊維−3の物性を以下の通りに測定し、その結果を表1に示す。
(i)平均繊維径:走査型電子顕微鏡の3万倍像を30視野分撮影し、画像解析装置(ニレコ社製LUZEX−AP)により300本の繊維径を計測して、数平均の平均繊維径として求めた。
(ii)平均繊維長:走査型顕電子顕微鏡の3千倍像を連続的にパノラマ状に30視野分撮影し、画像解析装置により300本の繊維長を計測して、数平均繊維長として求めた。
(iii)アスペクト比:平均繊維長/平均繊維径により求めた。
(iv)繊維の分岐度:前記繊維長の観察において、Σ繊維300本中の総分岐数/Σ繊維300本の総繊維長を計算し、繊維1μmあたりの分岐数として求めた。
(v)BET比表面積:窒素ガス吸着法(ユアサアイオニクス社製NOVA1000)により測定した。
(vi)平均面間隔d002:Siを内部標準とし粉末X線回折(理学社製Geigerflex)により計測した。
(vii)ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig):ラマン分光測定装置(Jobin Yvon社製 LabRamHR)により測定した。
Figure 0005020515
実施例1〜3,比較例1〜4
合成樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK:ヴィクトレクスMC社製)を用い、炭素繊維としてはチョップドファイバー(東邦テナックス社製HTA−C6−S)を使用した。
これらの原料成分を表2に示す配合量にしたがい混練した。混練は同方向二軸押出機(池貝社製PCM30、樹脂温度は380℃)を用い、気相法炭素繊維と炭素繊維はサイドフィードにより導入した。
成形は、サイキャップ型締力75トン射出成形機(住友重機社製)を使用して、平板(100×100×3mm厚)を成形した。成形温度は400℃、金型温度180℃、射出スピード50mm/秒の条件で成形を実施した。
この成形体について、動摩擦係数、アルミ摩耗量、複合材摩耗深さ、熱伝導率、体積固有抵抗及び熱変形温度を以下の通りに測定し、その結果を表2に併せて示す。
(i)動摩擦係数:JIS K7125に準じて測定した。
(ii)アルミ摩耗量及び複合材摩耗深さ:スラスト摩耗試験により測定した。具体的には、スラスト摩擦摩耗試験機(東洋精機製作所社製)を用いて、相手材料にアルミ材(中空円筒試験片)、試験荷重150N、回転速度0.5m/sで2時間実施した。測定方法はJIS−K7218のA法に準拠した。
(iii )熱伝導率:熱線法(京都電子工業社製迅速熱伝導率計)にて測定した。
(iv)体積固有抵抗:四探針法(三菱化学社製Loresta HP MCP−T410)により測定した。
(v)熱変形温度:試験片として成形した平板を10mm×100mm×3mmに切断したものを用い、東洋精機製作所社製HDT試験装置によりASTM D648に準拠し荷重たわみ温度として測定した。
Figure 0005020515

Claims (10)

  1. 比表面積が10〜50m2/g、平均アスペクト比が20〜500、平均繊維径が50〜200nmである気相法炭素繊維、平均繊維径が1〜30μmの炭素繊維及び合成樹脂を含み、前記気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対して5〜33質量部であり、前記炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対して30〜50質量部であり、且つ、前記気相法炭素繊維及び炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対して54質量部以上であり、大荷重熱変形温度(ASTM D648)が160℃以上であり、熱伝導率が0.8W/mK以上であることを特徴とする耐熱性摺動用樹脂組成物。
  2. 体積抵抗値が1×10-3〜1×102Ωcmの範囲内にあり、熱伝導率が1.5W/mK以上である請求項に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
  3. 合成樹脂が、ガラス転移温度160℃以上及び/または融点160℃以上の耐熱性樹脂である請求項1または2に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
  4. 耐熱性樹脂がポリエーテルエーテルケトンである請求項に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の耐熱性摺動用樹脂組成物の製造方法であって、溶融した合成樹脂または硬化により合成樹脂となる液状樹脂原料に、気相法炭素繊維及び炭素繊維を混合することを特徴とする製造方法。
  6. 混合時における気相法炭素繊維の破断を20%以下に抑える請求項に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物の製造方法。
  7. 5000MJ/m3以下のエネルギーで混合する請求項に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなることを特徴とする摺動材。
  9. 成形が射出成形である請求項に記載の摺動材。
  10. 請求項に記載の耐熱性摺動用樹脂組成物を成形してなる固体高分子形燃料電池用セパレータ。
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