JP2001131426A - 導電性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

導電性樹脂組成物およびその成形品

Info

Publication number
JP2001131426A
JP2001131426A JP31088799A JP31088799A JP2001131426A JP 2001131426 A JP2001131426 A JP 2001131426A JP 31088799 A JP31088799 A JP 31088799A JP 31088799 A JP31088799 A JP 31088799A JP 2001131426 A JP2001131426 A JP 2001131426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin composition
component
metal
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31088799A
Other languages
English (en)
Inventor
Eisuke Wadahara
英輔 和田原
Yasunori Nagashima
泰憲 長嶋
Ryuji Sawaoka
竜治 澤岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP31088799A priority Critical patent/JP2001131426A/ja
Publication of JP2001131426A publication Critical patent/JP2001131426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B7/00Mixing; Kneading
    • B29B7/80Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29B7/88Adding charges, i.e. additives
    • B29B7/90Fillers or reinforcements, e.g. fibres
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B7/00Mixing; Kneading
    • B29B7/002Methods
    • B29B7/007Methods for continuous mixing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B7/00Mixing; Kneading
    • B29B7/30Mixing; Kneading continuous, with mechanical mixing or kneading devices
    • B29B7/58Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29B7/72Measuring, controlling or regulating
    • B29B7/726Measuring properties of mixture, e.g. temperature or density

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い導電性、力学的特性(特に衝撃強度、剛
性など)、外観品位を有する成形品を得ることができ、
かつ成形性(成形時の流動性など)に優れた低比重の導
電性樹脂組成物およびそれにより成形された成形品を提
供する。 【解決手段】 少なくとも次の構成要素[A]、
[B]、[C]からなる導電性樹脂組成物において、I
CP発光分光分析法または原子吸光分析法により測定さ
れた該構成要素[B]が、20〜10000μg/gの
範囲であることを特徴とする導電性樹脂組成物、および
それにより成形された成形品。 [A]:実質上炭素元素のみからなる単体 [B]:金属元素 [C]:樹脂

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い導電性、力学
的特性、成形性、外観品位を兼ね備えた低比重の導電性
樹脂組成物、およびそれから得られた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、樹脂にカーボンやグラファイ
ト(例えば炭素繊維やカーボンブラックなど)などを配
合することによって、所望の導電性を有する導電性樹脂
組成物の製造が行われている。これに対して近年、更に
高い導電性を得るために、カーボンやグラファイトなど
の配合量の増量、複数のカーボンやグラファイトの併
用、あるいはカーボンやグラファイトと金属とを併用す
るなどの各種試みが行われてきた。
【0003】前述のカーボンやグラファイトなどの増量
による高導電化においては、組成物が高粘度化するとい
った問題点が挙げられ、例えば特開平7−330987
号公報で、各種のカーボンブラックを物理的に大量に配
合する技術が提案されている。しかし、前記技術等にお
いては、高粘度化の問題の解消についてはある程度の効
果が認められるものの、特に衝撃強度などの力学的特性
の大幅な低下、更には成形品の外観品位をも損なうとい
った問題が生じる場合がほとんどであった。
【0004】また、前述の複数のカーボンやグラファイ
トの併用による高導電化としては、炭素繊維とカーボン
ブラックを併用する技術が例として挙げられ、例えば特
開昭59−217395号公報、特公平3−44583
号公報、特開平6−240049号公報、特公平8−1
9256号公報、特開平9−87417号公報などで提
案されている。しかし、これらの提案のいずれも、やは
り成形時の流動性の大幅な低下などの問題が生じるた
め、高い導電性と成形性とを同時に満足させるものでは
なかった。
【0005】更に、前述のカーボンやグラファイトと金
属との併用による高導電化としては、炭素繊維と金属繊
維や金属被覆繊維とを併用する技術が例として挙げら
れ、例えば特開昭60−260651号公報、特開平4
−279638号公報、特開平4−321298号公報
などで提案されている。しかし、金属繊維や金属被覆繊
維の配合は、結果的に多くの金属を組成物中に配合する
ことになり、導電性樹脂組成物のいたずらな高比重化、
高コスト化を招き、更には衝撃強度などの力学的特性の
大幅な低下を招くといった問題が生じるため、やはり高
い導電性と力学的特性とを同時に満足させるものではな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、高い導電性、力学的特性(特に衝撃
強度、剛性など)、外観品位を有する成形品を得ること
ができ、かつ成形性(成形時の流動性など)に優れた低
比重の導電性樹脂組成物およびそれにより成形された成
形品を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。即ち、本発明の導電性樹脂組成物は、少なくとも次
の構成要素[A]、[B]、[C]からなり、ICP発
光分光分析法または原子吸光分析法により測定された該
構成要素[B]が、20〜10000μg/gの範囲で
あることを特徴とする。 [A]:実質上炭素元素のみからなる単体 [B]:金属元素 [C]:樹脂 また、本発明の導電性成形品は、上記導電性樹脂組成物
により成形されてなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0009】まず、本発明の構成要素[A]とは、実質
上炭素元素のみからなる単体である。本発明の構成要素
[A]は、本発明の導電性樹脂組成物100重量%に対
して2〜50重量%の範囲で配合されていることが好ま
しい。構成要素[A]が2重量%未満であると、所望の
導電性が得にくく、50重量%を越えると、成形時の流
動性が低下し、薄肉成形性に劣る。より好ましくは5〜
45重量%であり、更に好ましくは10〜40重量%で
ある。とりわけ15〜30重量%であるのが好ましい。
【0010】例えば炭素繊維、黒鉛繊維、カーボンブラ
ック、カーボン粉末、黒鉛粉末、黒鉛微細粉末、鱗片状
黒鉛、膨張黒鉛などが挙げられ、これらを単独で使用し
ても、2種類以上を併用してもよい。実質上炭素原子の
みからなるとは、特に限定されるものではないが、文字
通りの純粋な炭素元素のみよりなる単体が含まれること
は勿論、化学結合している炭素元素以外の原子(例えば
窒素元素や水素元素など)が12重量%以下(好ましく
は10重量%以下、更に好ましくは7重量%以下)であ
る炭素単体も含まれる。
【0011】かかる炭素繊維や黒鉛繊維(以下、両者を
まとめて炭素繊維と記する場合がある)としては、例え
ば、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ(等方
性、メソフェーズなど)系、セルロース(ビスコースレ
ーヨンなど)系、気相成長系等の炭素繊維を挙げること
ができる。これらの中でも、強度と弾性率などの力学的
特性と価格とのバランスに優れるPAN系炭素繊維が好
ましい。
【0012】本発明で使用する炭素繊維としては、広角
X線回折法により測定された結晶サイズ(以下、Lcと
記す)が、1〜4nmの範囲であることが好ましい。L
cが1nm未満である場合、炭素繊維の炭化もしくは黒
鉛化が十分ではなく、炭素繊維自体の導電性が低くな
る。このことに起因して、得られた成形品の導電性が劣
る場合があるため好ましくない。一方、Lcが4nmを
越える場合、炭素繊維の炭化もしくは黒鉛化は十分であ
り、炭素繊維自体の導電性には優れるものの脆く繊維折
損しやすくなる。このことに起因して、成形品中の繊維
長さが短くなり、高い導電性が期待できないため好まし
くない。より好ましくは1.3〜3.5nmの範囲であ
り、さらに好ましくは1.6〜3nmの範囲である。と
りわけ好ましくは1.8〜2.5nmの範囲であるもの
がよい。なお、広角X線回折法によるLcの測定は、日
本学術振興会第117委員会、炭素、36、p25(1
963)に記載された方法にて行った。
【0013】かかる炭素繊維としては、X線光電子分光
法により測定される炭素繊維表面の酸素(O)と炭素
(C)の原子数の比である表面官能基量(O/C)が、
0.02〜0.2の範囲であるのが好ましい。(O/
C)が0.02より小さいことは、炭素繊維表面に樹脂
との接着に寄与するような官能基が非常に少ないことを
意味する。炭素繊維と樹脂との接着性が劣ると、所望の
力学的特性が得られないため好ましくない。逆に(O/
C)が0.2より大きいことは、炭素繊維表面の酸性水
溶液、もしくはアルカリ水溶液での電解処理などによる
表面処理が必要以上に行われており、炭素や黒鉛の結晶
構造が破壊されて、炭素繊維表面に脆弱層が形成されて
いることを意味する。この場合、炭素繊維同士が接触し
た接触抵抗が高くなり、成形品に高い導電性が期待でき
ないため好ましくない。
【0014】更に、(O/C)を0.02〜0.2の範
囲にすることは、成形品中の炭素繊維の分散性など、炭
素繊維と樹脂との接着性以外にも好ましい効果をもたら
す。より好ましい(O/C)は0.03〜0.17の範
囲であり、さらに好ましくは0.04〜0.15の範囲
である。とりわけ0.05〜0.13の範囲が好まし
い。
【0015】表面官能基(O/C)は、X線光電子分光
法により次のような手順によって測定した。なお、本発
明では島津製作所(株)製ESCA−750を用いて測
定を行い、前記感度補正値は2.85であった。
【0016】(1)まず、サイジング剤などを溶媒で除
去した炭素繊維を銅製の試料支持台上に拡げて並べた
後、光電子脱出角度を90°とし、X線源としてMgK
α1、2を用い、試料チャンバー中を1×10-8Tor
rに保つ。
【0017】(2)測定時の帯電に伴うピークの補正と
してC1Sの主ピークの運動エネルギー値B.E.を28
4.6eVに合わせる。C1Sピーク面積は、282〜2
96eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより
求める。O1Sピーク面積は、528〜540eVの範囲
で直線のベースラインを引くことにより求める。
【0018】(3)ここで表面官能基量(O/C)と
は、前記O1Sピーク面積とC1Sピーク面積の比から、装
置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出する。
【0019】かかる炭素繊維は、表面官能基(O/C)
が0.02〜0.2の範囲であれば、炭素繊維は酸性水
溶液中もしくはアルカリ水溶液中での電解処理が施され
ていてもよいが、より(O/C)を好ましい範囲に制御
しやすい酸性水溶液中で電解処理されているのが好まし
い。使用される好ましい酸性水溶液としては、水溶液中
で酸性を示すものであればよく、例えば硫酸、硝酸、塩
酸、リン酸、ホウ酸、炭酸などの無機酸、酢酸、酪酸、
シュウ酸、アクリル酸、マレイン酸などの有機酸、また
は硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムなどの塩な
どが挙げられる。中でも、強い酸性を示す硫酸、硝酸が
好ましい。
【0020】また、本発明で使用する炭素繊維として
は、引張破断伸度は少なくとも1.5%以上の炭素繊維
がよい。引張破断伸度が1.5%未満である場合、本発
明の導電性樹脂組成物を用いた成形材料の製造工程(特
に樹脂含浸工程)や成形工程で炭素繊維が切断されやす
く、成形材料中、およびその成形品中の炭素繊維長さを
大きくすることができないため、高い導電性、力学的特
性に劣るだけでなく、成形材料の高い生産性が達成でき
ない。前記問題を解決するためには、引張破断伸度が
1.5%以上、より好ましくは引張破断伸度が1.7%
以上、更に好ましくは引張破断伸度が1.9%以上の炭
素繊維を用いるのがよい。本発明で使用する炭素繊維の
引張破断伸度に上限はないが、一般的には5%未満であ
る。
【0021】これら炭素繊維の平均単繊維直径は1〜2
0μmであることが好ましく、3〜17μmであること
がより好ましく、4〜12μmであることが更に好まし
い。平均繊維直径が1μm未満では、樹脂の炭素繊維束
中への含浸が困難となり、成形品中での炭素繊維の分散
性に劣るなどの問題を生じる場合がある。一方、平均繊
維直径が20μmを超えると、炭素繊維の力学的特性に
劣り、所望の導電化効果や補強効果が得られない。
【0022】かかるPAN系炭素繊維の紡糸方法として
は、湿式紡糸、乾湿式紡糸などが挙げられ、所望の特性
により任意の紡糸方法を選択することができる。接着性
が低い構成要素[C](例えば不飽和ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂など)と組
み合わせて使用する場合には、繊維表面のフィブリル形
状によるアンカー効果が期待できる湿式紡糸によるもの
が好ましく、接着性が高い構成要素[C](例えばエポ
キシ樹脂、ポリアミド樹脂など)と組み合わせて使用す
る場合には、より高い力学的特性(引張強度、衝撃強度
など)を発現することが期待できる乾湿式紡糸によるも
のが好ましい。
【0023】かかる気相成長炭素繊維とは、気相で結晶
を成長させる製造方法により得られる炭素繊維もしくは
黒鉛繊維を指し、針状やコイル状の形態など任意の形態
をとることができる。かかる製造方法としては、例えば
特開平5−221622号公報などに開示されているよ
うに、ベンゼン、メタン、一酸化炭素などの炭素化合物
と、触媒であるフェロセン、メタロセンなどの鉄系、ニ
ッケル系の有機遷移金属化合物とを水素などのキャリア
ガス中で高温焼成(一般的には800〜1300℃)す
る方法が例として挙げられる。これら気相成長炭素繊維
は、アスペクト比が5〜1000の範囲であり、かつ平
均単繊維直径が0.01〜1μmの範囲、好ましくは
0.1〜0.5μmの範囲であると、その導電性付与効
果が高いため好ましい。
【0024】また、かかるカーボンブラックやカーボン
粉末(以下、両者をまとめてカーボンブラックと記する
場合がある)としては、少なくとも次の条件[CB
1]、[CB2]のいずれか、もしくは両方を満たすカ
ーボンブラックを選択して使用するのが好ましい。 [CB1]:ラマン散乱強度比I2 /I1 が、0.4〜
0.8の範囲である。 [CB2]:ラマン散乱強度比I2 /I3 が、0.4〜
0.7の範囲である。 I1:ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマン
散乱強度の極大値 I2:ラマンシフト1480cm-1付近に現れるラマン
散乱強度の極小値 I3:ラマンシフト1580cm-1付近に現れるラマン
散乱強度の極大値 なお、前記I1、I2 、I3は、ベースライン補正後のラ
マン散乱強度についてのものである。上記ベースライン
補正とは、600cm-1〜2200cm-1のラマンシフ
ト範囲において、ラマンスペクトルのベースラインを直
線近似し、その近似直線からの距離をラマン散乱強度と
し、測定時のベースラインの傾きを補正する操作のこと
をいう。
【0025】かかる特定なラマンスペクトルを有するカ
ーボンブラックを使用した場合、特異的に高い力学的特
性、導電性、薄肉成形性(特に成形時の流動性)、およ
び外観品位を兼ね備えた導電性樹脂組成物を得ることが
できるため好ましい。
【0026】かかるカーボンブラックとしては、その一
つの選択要件である条件[CB1]は、I2 /I1 が、
0.4〜0.8であるが、望ましくは0.5〜0.7
7、さらに望ましくは0.65〜0.75の範囲にある
ものを使用するのがよい。とりわけ好ましくは0.66
〜0.71の範囲である。すなわち、このI2 /I
1 が、0.4〜0.8の範囲外のカーボンブラックを用
いた場合には、高い力学的特性、導電性はある程度達成
できるものの、薄肉成形性(成形時の流動性)、外観品
位に著しく劣るものとなり、導電性と薄肉成形性と外観
品位とを兼ね備えた導電性樹脂組成物が得られない。特
に、I2 /I1 が0.4未満であるカーボンブラックの
場合は、導電性はともかく、成形時の流動性が大きく劣
るものとなる。
【0027】また、本発明で使用するカーボンブラック
としての別の選択方法の一つである条件[CB2]は、
2 /I3 が、0.4〜0.7、好ましくは0.5〜
0.67、更に好ましくは0.56〜0.65の範囲に
あるカーボンブラックを選択して使用するのがよい。と
りわけ好ましくは0.57〜0.61の範囲である。
【0028】かかるカーボンブラック、つまりI2 /I
3 が、0.4〜0.7の範囲にあるカーボンブラック
と、その範囲外のカーボンブラックとの効果的な違い
は、前記方法で選択したもの場合と同様であり、該範囲
外のものは、高い導電性はある程度達成できるものの、
成形時の流動性に著しく劣り、導電性と薄肉成形性を兼
ね備えた導電性樹脂組成物が得られない。流動性におい
て、該範囲内のものに比して、範囲外の場合には極めて
低い流動性を示す点で、更に流動性にシビアな性質を示
すカーボンブラックを選ぶことができる。
【0029】ラマンスペクトルの測定法は、レーザーラ
マン分光法により測定する。ラマンスペクトルの測定
は、樹脂に配合する前のカーボンブラックから測定して
もよいし、樹脂組成物、もしくはその成形品中からカー
ボンブラックを分離した後に測定してもよい。前者から
測定する場合は、マクロラマン(レーザースポット径が
100μm程度)、後者から測定する場合は、顕微ラマ
ン(レーザースポット径が5μm程度)にて測定を行う
のが好ましい。本発明では、JobinYvon社製R
amaonor T−64000を用いて測定を行っ
た。
【0030】成形品からのカーボンブラックの分離は、
配合物の比重差を利用して行うのがよい。かかるカーボ
ンブラックの分離手法の具体的手段の一例を以下に記述
する。
【0031】まず、樹脂成形品をカーボンブラックを侵
さずに樹脂を溶解する溶媒に浸漬し、完全に樹脂を溶解
させる。その後、5000rpmにて30分間遠心分離
を行い、更に遠心分離後の上澄み液を30000rpm
にて30分間超遠心分離を行う。超遠心分離後の上澄み
液を、PTFEフィルター(0.2μm)などで濾過す
ることによりカーボンブラックを分離する。この場合の
ラマンスペクトルの測定は、顕微ラマンにより上記分離
による回収物中の黒色微粒子部分について行うのが好ま
しい。なお、上述の分離した場合のカーボンブラックの
ラマンスペクトルは、PTFEフィルターなどのラマン
スペクトルを差し引いたものを指す。
【0032】かかるカーボンブラックは、上述の各条件
の範囲であるカーボンブラックであれば種類は特に限定
されず、例えば、ファーネスブラック(原料油を高温炉
で燃焼させて製造)、アセチレンブラック(アセチレン
ガスの発熱分解により製造)、サーマルブラック、チャ
ンネルブラック等を使用することができ、これらを2種
類以上ブレンドしたカーボンブラックでもよい。供給・
価格の面から、生産量が多く低価格であるファーネスブ
ラックが好ましい。
【0033】本発明で使用するカーボンブラックの配合
率は、導電性樹脂組成物全量を100重量%とした場
合、0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは
0.5〜8重量%、更に好ましくは1〜7重量%であ
る。カーボンブラックの配合率が該範囲を超えて少なす
ぎたり、多すぎたりする場合、成形品における導電性、
成形性、かつ衝撃強度などの力学的特性のバランスのと
れた材料が得られないので好ましくない。
【0034】かかるグラファイトとしては、鱗片状、膨
張粒子状、塊状粒子状、粉末状、微細粉末状など任意の
形状をとることができるが、それらの中でも導電性付与
効果の面から微細粉末状であるのが好ましい。かかる微
細粉末状のグラファイトとしては、鱗片状、塊状粒子状
などの任意のグラファイトを、例えば機械粉砕法(例え
ばスタンプミル、ボールミル、渦流ミル、カージングミ
ル、ピンミル、ジェットミルなど)で微粉砕したもの
や、メソカーボンマイクロビーズを前駆体としてそれを
黒鉛化したものなどを例として挙げることができる。
【0035】また、かかるグラファイトは、天然型であ
っても人造型であってもよく、特に人造型の場合、例え
ばピッチ系(等方性、メソフェーズなど)などの前駆体
を任意に使用することができるが、その中でも導電性付
与効果の面からメソフェーズピッチから得られるグラフ
ァイトが好ましい。
【0036】上述のカーボンやグラファイトの中で、好
ましい構成要素[A]としては、導電性付与効果、力学
的特性の補強効果、価格などの総合的なバランスから、
炭素繊維、黒鉛繊維、カーボンブラック、カーボン粉末
が挙げられる。
【0037】更に高い導電性を達成するためには、これ
らカーボンやグラファイトを併用するのが好ましい。こ
の併用により、これらのサイズ(繊維長さ、繊維直径、
粒子径など)を段階的に広い範囲にわたって分布させる
ことにより、これら導電体のネットワークをより効率的
に形成させることができる。このカーボンやグラファイ
トの併用の好ましい例としては、繊維状のものと粒子状
のものとの併用が挙げられ、より具体的には炭素繊維や
黒鉛繊維とカーボンブラックやカーボン粉末や黒鉛粉末
との併用が、構成要素[A]のサイズを段階的により広
い範囲にわたって分布させることができるため好まし
い。この併用例における大きいサイズの構成要素[A]
としては繊維状の炭素繊維、小さいサイズの構成要素
[A]としてはミルド状の炭素繊維、カーボンブラッ
ク、カーボン粉末、黒鉛粉末がそれに相当する。尚、特
に限定されるわけではないが、ここでいう大きいサイズ
とは1μm〜26mm(より好ましくは5μm〜15m
m、更に好ましくは15μm〜10mm)の範囲であ
り、アスペクト比としては10〜5000(より好まし
くは15〜3000、更に好ましくは20〜1000)
の範囲である。また、小さいサイズとは1nm〜500
μm(より好ましくは10nm〜100μm、更に好ま
しくは20nm〜50μm)の範囲である。とりわけ好
ましい併用例としては、繊維状の炭素繊維とカーボンブ
ラックとの併用、繊維状のPAN系炭素繊維と気相成長
炭素繊維とカーボンブラックとの併用が挙げられる。
【0038】また、前述の様にカーボンやグラファイト
を2種類以上併用して、それらのサイズを段階的に広い
範囲にわたって分布させる場合、大きなサイズの構成要
素[A]は2〜40重量%の範囲、小さなサイズの構成
要素[A]は0.1〜10重量%の範囲、更に小さなサ
イズの構成要素[A]を併用する場合は0.1〜10重
量%の範囲で配合するのが好ましい。更に好ましくは、
大きなサイズの構成要素[A]は5〜30重量%の範
囲、小さなサイズの構成要素[A]は1〜8重量%の範
囲、更に小さなサイズの構成要素[A]を併用する場合
は1〜8重量%の範囲で配合するのがよい。
【0039】かかる構成要素[A]は、表面処理剤で表
面処理がしてあっても、無処理でもよい。表面処理剤と
しては、例えば、ステアリン酸などの飽和高級脂肪酸、
オレイン酸などの不飽和高級脂肪酸、そのアルカリ金属
塩、構成要素[C]や変性した構成要素[C]、構成要
素[C]と親和性(好ましくは溶解度パラメーターの差
の絶対値が0〜6の範囲)を有する高分子などが挙げら
れる。また、樹脂との接着性向上のために、シラン系カ
ップリング剤、アルミネート系カップリング剤、チタネ
ート系カップリング剤、ウレタン系、アミド系などの高
極性樹脂で表面処理してもよく、集束のために、アクリ
ル系樹脂(例えばスチレン/アクリル酸、エチレン/メ
タクリル酸、スチレン/メチルメタクリレートなどの共
重合樹脂)、スチレン系樹脂(例えばスチレン/ブタジ
エンなどの共重合樹脂)、フェノール系樹脂(例えばフ
ェノールノボラック、クレゾールノボラック、オクチル
フェノール、フェニルフェノール、ナフトールノボラッ
ク、フェノールアラルキル、ナフトールアラルキル、ア
ルキルベンゼン変性フェノール、カシュー変性フェノー
ル、テルペン変性フェノールなど)、ウレタン系樹脂、
エポキシ系樹脂、液晶性樹脂、アルコールまたは水可溶
性樹脂、あるいは最も配合量の多い樹脂よりも低分子量
である樹脂から選ばれる少なくとも1種類などで表面処
理されていてもよい。表面処理剤の表面処理量は、構成
要素[A]100重量部当たり0.1〜10重量部が好
ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0040】次に、本発明の構成要素[B]とは、20
〜10000μg/gの範囲で配合された金属元素であ
る。ここでいう金属元素とは、金属結合状態である場合
も、酸素やハロゲン原子等の原子や、その他無機性乃至
は有機性の原子団とイオン結合、配位結合あるいは共有
結合している場合も、いずれの場合も含む。かかる金属
元素の配合量は、ICP発光分光分析法もしくは原子吸
光分析法により、樹脂組成物またはその成形品から測定
される値である。ここで、上記ICP発光分光分析もし
くは原子吸光分析にて定量分析する前に蛍光X線分析を
行い、樹脂組成物中もしくは成形品中に存在する元素を
分析し、蛍光X線強度からある程度の精度で定量してお
くと、上述の定量分析の精度が高まるだけでなく、定量
分析が迅速に行えるため好ましい。本発明における蛍光
X線分析は、樹脂組成物もしくは成形品約3.5gを直
径35mmの塩化ビニル製リングに採取して加圧成形し
た後、固体用試料セルに固定して、真空雰囲気中で直径
30mmの円状領域について測定を行った。なお本発明
では、理学製自動蛍光X線分析装置RIX3000を用
い、X線管球としてはRhを用い、励起電圧50kV、
励起電流50mAの条件にて測定した。
【0041】構成要素[B]が20μg/g未満である
場合には、導電性付与効果が十分でないため本発明の効
果が十分に発現しない。また、構成要素[B]が100
00μg/gを超える場合には、金属の多大な配合によ
り導電性樹脂組成物のいたずらな高比重化、高コスト化
を招き、更には衝撃強度などの力学的特性の大幅な低下
を招くといった問題が生じる。好ましくは35〜500
0μg/gの範囲であり、より好ましくは70〜300
0μg/gの範囲である。とりわけ150〜2000μ
g/gの範囲であるのが好ましい。
【0042】本発明におけるICP発光分光分析は、樹
脂組成物もしくは成形品をプラズマリアクターなどによ
り低温灰化して樹脂成分を除去した残分、もしくは樹脂
組成物もしくは成形品の樹脂成分が可溶な溶媒(例えば
硝酸、硫酸など)による加熱溶解などにより樹脂成分を
除去した残分について、残分が可溶な溶媒(例えば希硝
酸、王水など)にて加熱溶解して可溶性成分を抽出後に
冷却、濾過し、濾液を定容として分析を行う。なお本発
明では、日立社製ICP発光分光分析装置P−4000
形(超音波ネブライザー使用)およびヤマト化学製プラ
ズマリアクターPR41を用いた。
【0043】本発明における構成要素[B]の配合量の
測定は、ICP発光分光分析で厳密な定量分析(測定誤
差が5μg/g以下)が可能である限りICP発光分光
分析にて行うが、特にICP発光分光分析では厳密な定
量分析が困難な場合があるアルカリ金属については、原
子吸光分析を併用して定量分析を行い、ICP発光分光
分析法か原子吸光分析法かのいずれか測定誤差がより少
ない分析法の値を用いるのがよい。本発明における原子
吸光分析は、ICP発光分光分析と同様の方法で準備さ
れた濾液について定容として分析を行った。なお本発明
では、日立社製偏光ゼーマン原子吸光分析装置180−
80およびヤマト化学製プラズマリアクターPR41を
用いた。
【0044】かかる金属としては、例えばリチウム、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属や、ベリリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウムなどのアルカリ土類金属や、チタン、バナジウム、
クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデ
ン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングス
テン、オスミウム、白金、金などの遷移金属や、アルミ
ニウムなどの3B族元素や、ケイ素、錫、鉛などの4B
族元素、ヒ素、アンチモン、ビスマスなどの5B族元
素、およびこれら2種類以上の組み合わせた合金や化合
物、これらを主成分とする合金や化合物、これらとリン
との化合物などが挙げられ、これらは単独で使用して
も、2種類以上を併用してもよい。中でも、アルカリ金
属、アルカリ土類金属が導電性付与効果が大きいため好
ましい。
【0045】上述のアルカリ金属、アルカリ土類金属が
高い導電性付与効果を発現するメカニズムのについては
現在のところその詳細は明らかになっていないが、その
メカニズムとしては、金属元素の大きさに起因して樹脂
中で錯体が形成されにくく、金属イオンとして電荷を移
動しやすいことに起因することが考えられる。また、上
述のアルカリ金属、アルカリ土類金属が構成要素[A]
にインターカレートし、構成要素[A]自体の導電性向
上に寄与していることも考えられる。この場合、全体的
にインターカレートしていても、部分的にインターカレ
ートしていてもよく、特に構成要素[A]の表面の結晶
層間だけにインターカレートしている場合でも、構成要
素[A]同士の接触抵抗が低くなることから導電性の向
上に寄与することが期待される。ここでインターカレー
トとは、炭素材料や黒鉛材料中の結晶層間などに金属イ
オン、金属、金属合金、金属化合物が入り込むことを指
す。
【0046】かかるアルカリ金属としては、リチウム、
ナトリウム、カリウムが好ましく、とりわけリチウム、
ナトリウムが導電性付与効果に優れるため好ましい。ま
た、かかるアルカリ土類金属としては、マグネシウム、
カルシウム、バリウムが好ましく、とりわけマグネシウ
ムが好ましい。
【0047】また、かかる金属としては、遷移金属や3
B、4B、5B族元素であってもよい。上述の遷移金属
や3B、4B、5B族元素が優れた導電性付与効果を発
現するメカニズムについても現在のところその詳細は明
らかになっていないが、そのメカニズムはアルカリ金
属、アルカリ土類金属のものとは異なり、金属イオンと
いうよりはむしろ金属や金属合金や金属化合物として安
定して存在しやすいため、金属や金属合金や金属化合物
として安定して電荷移動しやすいことに起因することが
考えられる。また、上述の遷移金属、3B、4B、5B
族元素が構成要素[A]にインターカレートし、構成要
素[A]自体の導電性向上に寄与していることも考えら
れる。この場合、全体的にインターカレートしていて
も、部分的にインターカレートしていてもよく、特に構
成要素[A]の表面の結晶層間だけだけにインターカレ
ートしている場合でも、構成要素[A]同士の接触抵抗
が低くなることから導電性の向上に寄与することが期待
される。
【0048】かかる遷移金属としては、チタン、鉄、ニ
ッケル、銅、亜鉛、銀が導電性付与効果に優れるため好
ましい。とりわけニッケル、チタン、銅、銀が好まし
い。また3B族元素としてはアルミニウム、4B族元素
としてはケイ素、錫、5B族元素としてはヒ素、アンチ
モン、ビスマスが好ましく、とりわけアルミニウム、
錫、アンチモンが好ましい。
【0049】かかる金属元素は、例えば金属(金属結合
を形成している単体状態)および/または金属合金や、
例えば水素化金属、ハロゲン化金属(フッ化金属、塩化
金属、臭素化金属、ヨウ素化金属)、酸化金属、硫化金
属、窒化金属、水酸化金属、無機酸(硫酸、硫酸アンモ
ニウム、硫酸水素アンモニウム、硝酸、塩酸、リン酸、
ホウ酸、炭酸、炭酸水素、アンモニアなど)金属塩、有
機酸(酢酸、酪酸、シュウ酸、アクリル酸、マレイン
酸、安息香酸など)金属塩、脂肪酸(ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸など)金属塩などの
金属化合物など、任意の形態にて導電性樹脂組成物に配
合することができるが、それらの中でも金属および/ま
たは金属合金、塩化金属、脂肪酸金属塩から選ばれる少
なくとも1種の形態により配合されているのが好まし
い。
【0050】特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属
は、塩化金属、フッ化金属、脂肪酸金属塩などの形態に
より配合されていると容易に樹脂中で金属イオンとなり
やすい、または構成要素[A]の結晶層間にインターカ
レートしやすいため好ましい。また、遷移金属または3
B、4B、5B族元素は、金属または金属合金、ハロゲ
ン化金属(とりわけ好ましくは塩化金属)、フッ化金属
などの形態により配合されているのが、樹脂中で安定し
た導電体として存在できる、または構成要素[A]の結
晶層間にインターカレートしやすいため好ましい。
【0051】特に金属、金属合金または金属化合物は形
状に特に制限はなく、粒子状、フレーク状、リボン状な
どの任意の形状をとることができる。その中でも導電性
付与効果の面から、粒子状および/またはフレーク状で
あるのが好ましい。特に粒子状である場合、球状粉、粒
状粉、樹枝状粉、片状粉、角状粉、海綿状粉、不規則型
粉などの任意の形状をとることができるが、中でも樹枝
状粉、片状粉、角状粉が導電性付与効果、加工コスト抑
制効果に優れるため好ましい。また、サイズは特に限定
されるものではないが、1μm〜3mmであることが好
ましく、3μm〜500μmであることがより好まし
く、5μm〜300μmであることが特に好ましい。前
記下限値を下回ると導電性付与効果に劣りだけでなく成
形性にも悪影響を及ぼすため好ましくない。また、前記
上限値を上回ると導電性付与効果に劣るため好ましくな
い。尚サイズの定量方法としては、走査型または透過型
電子顕微鏡(場合によっては光学顕微鏡)にて観察され
る少なくとも500個以上のものの平均値を算出する方
法が、好ましい例として挙げられる。
【0052】これら金属、金属合金または金属化合物の
粒子、フレークは、例えば機械粉砕法(例えばスタンプ
ミル、ボールミル、渦流ミル、カージングミル、ピンミ
ル、ジェットミルなど)、湿式や乾式の電解法、ガスや
固体の還元法、塩化物や酸化物や水素化物の熱分解法、
カーボニル法、蒸発・凝着法、アマルガム法、アトマイ
ズ法、噴霧法、回転電極法、水素化脱水素法およびこれ
らの組み合わせなどの任意の方法によって製造される
が、中でも製造する金属元素の種類に制約を受けない機
械粉砕法、安価に特定の金属元素を得られる電解法など
の製造方法が好ましい。
【0053】更に、本発明の構成要素[C]とは樹脂で
あり、熱可塑性、熱硬化性のどちらでも使用することが
できる。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエ
ステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾ
ール型など)、ユリア・メラミンポリイミド等や、これ
らの共重合体、変性体、および、2種類以上ブレンドし
た樹脂なども使用することができる。
【0054】構成要素[C]としては、耐衝撃性に優
れ、かつ、生産性の高いプレス成形や射出成形が可能な
熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレ
フィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチレンメタ
クリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエー
テルケトン、フェノール(ノボラック型など)等や、こ
れらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドし
た樹脂などであってもよい。また、更に耐衝撃性向上の
ために、上記樹脂にエラストマー、もしくは、ゴム成分
を添加した樹脂であってもよい。構成要素[C]として
は、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹
脂もしくは液晶性樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱
可塑性樹脂がより好ましい。
【0055】本発明における熱可塑性樹脂としては、結
晶性の熱可塑性樹脂(以下、結晶性樹脂と呼ぶ)より
も、非晶性の熱可塑性樹脂(以下、非晶性樹脂と呼ぶ)
の方が本発明の効果を最大限に利用できる場合が多い。
一般的に非晶性樹脂は、結晶性樹脂より寸法安定性に優
れ、耐衝撃性にも優れるものの、溶融粘度が高いため、
高い導電性を得るために必要な量の構成要素[A]を単
に配合すると、成形性に著しく劣るのが一般的であっ
た。しかし、本発明の導電性樹脂組成物において、熱可
塑性樹脂として非晶性樹脂を使用した場合、構成要素
[B]を構成要素[A]と併用することにより、構成要
素[A]の配合量を低減することができ、上記の成形性
の問題を大幅に改善することができるだけでなく、コス
トをも改善でき、本発明の効果が最大限に発現される。
【0056】前記非晶性樹脂としては、スチレン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、もしくはポリフェニレンエ
ーテル樹脂の少なくとも1種類が配合されていることが
好ましい。
【0057】かかるスチレン系樹脂とは、スチレンおよ
び/またはその誘導体(これらを総称して芳香族ビニル
系単量体と称する場合がある)から生成した単位を含有
するものである。
【0058】かかるスチレン系樹脂としては、スチレン
系(共)重合体、ゴム強化スチレン(共)重合体が挙げ
られる。スチレン系(共)重合体としては芳香族ビニル
系単量体の1種または2種以上を重合した重合体、芳香
族ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合
可能な単量体の1種または2種以上を共重合した共重合
体が挙げられる。ゴム強化スチレン(共)重合体として
は、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または
2種以上をグラフト重合したゴム強化グラフト重合体、
ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または2種
以上とそれと共重合可能な単量体の1種または2種以上
をグラフト共重合したグラフト共重合体が挙げられる。
【0059】上記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な
単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、シアン
化ビニルなどが挙げられる。かかる(メタ)アクリル酸
エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル等が挙げられるが、メタクリル酸メチルが好まし
く用いられる。また、かかるシアン化ビニル化合物とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙
げられる。
【0060】上記ゴム状重合体としては、ブタジエンゴ
ム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ア
クリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム(NBR)な
どのジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリ
ル系ゴムおよびエチレン・プロピレン・非共役ジエン三
元共重合体ゴム(EPDM)などのポリオレフィン系ゴ
ムが挙げられ、なかでもポリブタジエン、エチレン・プ
ロピレン・非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)
が好ましく用いられる。
【0061】本発明において好ましいスチレン系樹脂と
しては、PS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、
HIPS(高衝撃ポリスチレン)等のゴム強化スチレン
系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合
体)等のスチレン系共重合体、AES(アクリロニトリ
ル/エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴム/スチレ
ン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン
/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル/
ブタジエン/スチレン共重合体)、ASA(アクリロニ
トリル/スチレン/アクリルゴム共重合体)などのゴム
強化(共)重合体等が挙げられ、なかでも特にPS(ポ
リスチレン)等のスチレン系重合体、AS(アクリロニ
トリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、
ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重
合体)、ASA(アクリロニトリル/スチレン/アクリ
ルゴム共重合体)が好ましい。
【0062】かかるポリカーボネート樹脂としては、芳
香族二価フェノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエ
ステルとを反応させることにより得られる粘度平均分子
量が10000〜1000000の範囲の芳香族ホモま
たはコポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0063】ここでいう二価フェノール系化合物の具体
例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ンおよび1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタンなどが挙げられ、これらは単独あるい
は混合物として使用することができる。
【0064】かかるポリフェニレンエーテル系樹脂とし
ては、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が
0.01〜0.8dl/gの重合体が好ましく用いられ
る。具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/
2,4,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−
ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノー
ル共重合体などを例として挙げることができる。
【0065】これら非晶性樹脂は2種以上を併用しても
よく、具体的には、ABS樹脂またはASA樹脂または
AS樹脂とポリカーボネート樹脂との組み合わせ、ポリ
フェニレンエーテル樹脂とPS樹脂またはHIPS樹脂
との組み合わせ、ポリカーボネート樹脂とPS樹脂また
はHIPS樹脂との組み合わせなどの例を好ましく挙げ
ることができる。
【0066】また、その他の特性、例えば耐薬品性、成
形時の流動性などを付与させるためにこれら非晶性樹
脂、または2種類以上の非晶性樹脂を併用したものの一
部(通常、樹脂成分の70重量%以下、好ましくは60
重量%以下、特に好ましくは50重量%以下)を結晶性
樹脂に置き換えることが可能である。このような結晶性
樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹
脂、液晶性樹脂などが挙げられ、具体的には、ポリカー
ボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂とABS樹脂
との組み合わせまたはポリカーボネート樹脂とASA樹
脂との組み合わせとポリブチレンテレフタレートおよび
/またはポリエチレンテレフタレートとの組み合わせ、
ABS樹脂とナイロン6および/またはナイロン66お
よび/または芳香族含有ポリアミド樹脂との組み合わ
せ、ポリカーボネート樹脂とナイロン6および/または
ナイロン66との組み合わせ、ポリカーボネート樹脂ま
たはポリカーボネート樹脂とABS樹脂との組み合わせ
またはポリカーボネート樹脂とASA樹脂との組み合わ
せと液晶性樹脂との組み合わせ、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂とナイロン6および/またはナイロン66との組
み合わせ、ポリフェニレンエーテル樹脂と液晶性樹脂と
の組み合わせなどの例を好ましく挙げることができる。
【0067】一方、結晶性樹脂を使用した場合にも、成
形品中での構成要素[A]、[B]の更なる分散性向上
と、導電性樹脂組成物から得られる成形材料の更なる生
産性の向上を達成することができる。前記結晶性樹脂と
しては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、液晶性樹脂の少なくとも1種類が配合されて
いることが好ましい。これら結晶性樹脂は2種以上を併
用してもよく、具体的には、ポリアミド樹脂と液晶性樹
脂との組み合わせ、ポリエステル樹脂と液晶性樹脂との
組み合わせ、ポリプロピレン樹脂と液晶性樹脂との組み
合わせなどの例を好ましく挙げることができる。
【0068】なお、本発明における液晶性樹脂とは、溶
融時に異方性を形成し得る樹脂であり、液晶ポリエステ
ル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリカーボネート、
液晶ポリエステルエラストマーなどが挙げられ、中でも
液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミドなどが好ま
しく用いられる。とりわけ好ましい液晶性樹脂として
は、液晶ポリエステルが挙げられる。
【0069】本発明における結晶性の熱可塑性樹脂とし
て、特に好ましくは構成要素[A]との界面接着性の面
から、ポリアミド樹脂を使用するのがよい。本発明にお
いて、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の融
点を有する上に、耐熱性や強度に優れたナイロン樹脂で
あり、具体的な例としてはナイロン6、ナイロン66、
ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイ
ロン9T、ナイロン66/6T、ナイロン6T/6、ナ
イロン6I/6、ナイロン66/6T、ナイロン66/
6I、ナイロン12/6T、ナイロン66/6T/6
I、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/M5T、ナイ
ロンXD6、およびこれらの混合物ないし共重合体など
を好ましく使用することができる。
【0070】また、特性(特に耐衝撃性)改良の必要性
に応じて、無水マレイン酸などによる酸変性オレフィン
系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/
1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジ
エン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、
エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン
/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体および
エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、
ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリ
エーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラ
ストマーなどのエラストマーから選ばれる1種または2
種以上の混合物を添加して、所望の特性をさらに付与し
た樹脂も使用することもできる。
【0071】これらのポリアミド樹脂の重合度に関して
は、特に制限はないが、薄肉成形品を得るために成形時
の流動性に優れるものがよく、硫酸相対粘度ηrが1.
5〜2.7の範囲であるポリアミド樹脂が好ましい。η
rが2.7を超える場合は成形時の流動性に劣り、成形
時の流動性が有効に発現しない。特に薄肉成形品を成形
した場合、成形品表面にフローマークや構成要素
[A]、[B]の浮き出し等が発生し、表面平滑性が損
なわれると共に、強いウェルドラインが発生し、外観品
位が大きく劣るものを提供する可能性がでてくる。ま
た、ηrが1.5未満の場合は流動性には優れるもの
の、力学的特性(特に衝撃強度、伸度など)に劣るだけ
でなく、低分子量成分が多くなるため成形時にガスが大
量に発生し、逆に成形性を阻害する場合があるため好ま
しくない。より好ましくはηrが1.8〜2.6の範囲
であり、更に好ましくはηrが2〜2.5の範囲である
ポリアミド樹脂である。ηrが2.1〜2.4の範囲で
あるポリアミド樹脂がとりわけ好ましい。ここで、硫酸
相対粘度ηrは、98%硫酸で溶液濃度が1g/100
mlになるように溶かした後、25℃の恒温槽内でオス
トワルド粘度計で流下速度を測定し、98%硫酸に対す
る試料溶液の粘度比(流下秒数比)で表される。
【0072】本発明で使用するポリアミド樹脂として更
に有用なものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン6/ナイロン66の共重合体、それらの混合物、
および/もしくは芳香族含有ポリアミド樹脂が挙げられ
る。
【0073】ここで芳香族含有ポリアミドとは、分子鎖
中に芳香環を有しているものを指し、一般的にはジアミ
ン、もしくはジカルボン酸などの原料の内、一方が芳香
環を有し、他方がα、ω−直鎖脂肪族であるものなどを
指す。かかる芳香族含有ポリアミド樹脂として、更に有
用なものとしては、ナイロンXD6、ナイロン6T/6
I、またはナイロン66/6I/6コポリマー、および
それらの混合物などが挙げられ、一層有用なものとして
は、メタキシリレンジアミドとアジピン酸との縮重合体
であるポリメタキシリレンアジパミドが挙げられる。
【0074】本発明で使用するポリアミド樹脂としてと
りわけ有用なものとしては、ナイロン6および/または
ポリメタキシリレンアジパミドが挙げられる。ナイロン
6を使用した場合、薄肉成形性(成形時の流動性)を更
に一層高く発現することができる。また、ポリメタキシ
リレンアジパミドを使用した場合、成形後の成形品収縮
が抑制され、ヒケやウェルド部の膨らみなど外観上の欠
陥を最小限に留めることができ、外観品位に優れる。
【0075】特にナイロン6などの脂肪族ポリアミド樹
脂とポリメタキシリレンアジパミドなどの芳香族含有ポ
リアミド樹脂とを併用する場合、その配合比率は、ポリ
アミド樹脂全量を100重量%とした場合、脂肪族ポリ
アミド樹脂が10〜100重量%であることが好まし
く、より好ましくは脂肪族ポリアミド樹脂が30〜10
0重量%、更に好ましくは脂肪族ポリアミド樹脂が60
〜100重量%である。脂肪族ポリアミド樹脂の配合比
率が該範囲をよりも少ない場合、衝撃強度、引張強度な
どの力学的特性のバランスのとれた材料が得られないの
で好ましくない。
【0076】脂肪族ポリアミド樹脂と芳香族含有ポリア
ミドとを併用する使用する場合、それらの混合形態に関
して特に制限はないが、両成分がお互いに相溶し、両樹
脂が海島構造などの相分離した形態をとらないことが本
発明の効果を十分に発現するため好ましい。また、それ
らの混合方法に関しても特にその制限はないが、両樹脂
成分を十分に相溶させるために、2軸押出機を用いて混
合する方法を利用するのが好ましい。なお、両樹脂の混
合において、構成要素[A]、[B]は同時に混合され
ても、別途混合されてもよい。
【0077】本発明の導電性樹脂組成物には、その目的
に応じて、充填材、難燃剤(例えば、リン系(好ましく
はポリリン酸アンモニウム、芳香族ホスフェート、赤リ
ン)、金属水酸化物系(好ましくは水酸化マグネシウ
ム)、ハロゲン系(好ましくは臭素化ポリフェニレンエ
ーテル、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカボネー
ト)、窒素系(好ましくはメラミンシアヌレート塩)、
シリコン系(好ましくはポリオルガノシロキサン樹脂状
重合体または共重合体)、など)、難燃助剤(例えば、
フッ素系(好ましくはPTFE)、など)、顔料、染
料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤(例え
ばマイカ、タルク、カオリンなど)、可塑剤(例えばリ
ン酸エステルなど)、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止
剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制
振剤、防臭剤、摺動性改質剤、導電性付与剤、帯電防止
剤(例えばポリエーテルエステルアミドなど)等の任意
の添加剤を、単独でも、2種類以上ブレンドしたもので
も使用することができる。
【0078】ここでいう充填材とは、力学的特性(例え
ば引張強度、弾性率、伸度、衝撃強度、線膨張率、熱変
形温度など)、熱的特性(例えば熱膨張率、熱伝導率な
ど)、成形加工性(例えばスクリューへの噛込、粘度、
充填度、成形収縮、バリ、ヒケ、表面平滑性など)、比
重、異方性などの制御や、コストの低減など、本発明の
導電性樹脂組成物に用途に応じた効果を付与するために
配合される。かかる充填材としては、例えば、マイカ、
タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、ゾノト
ライト、セピオライト、スメクタイト、モンモリロナイ
ト、ワラステナイト、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロ
バルーン、クレー、二硫化モリブデン、酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化アンチモン、ポリリン酸カルシウム、グラ
ファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸亜
鉛、ホウ酸亜カルシウム、ホウ酸アルミニウムウィス
カ、チタン酸カリウムウィスカ、高分子などを使用でき
る。これらの充填材は単独でも、2種類以上ブレンドし
たものでもよい。かかる充填材の形状は粒子状(中実、
中空)、粉末状、鱗片状、フレーク状、バルーン状、ウ
イスカ状(二次元、三次元)、繊維状、などの任意の形
状を目的に応じて選択できる。また、かかる充填材は天
然型であっても、合成型であってもよく、目的に応じて
任意に選択できる。樹脂中での分散性、力学的特性、コ
スト、導電性などのバランスから、ガラス繊維、ワラス
テナイト、モンモリロナイト、酸化チタン、チタン酸カ
リウムが好ましい。特にガラス繊維を用いる場合は、連
続糸で配合されても、連続繊維で配合した後に切断して
も、不連続糸で配合されてもよいが、特に後述の長繊維
ペレットの形態で配合されているのが好ましい。
【0079】かかる充填材などは、表面処理剤で表面処
理がしてあっても、無処理でもよい。表面処理剤として
は、例えば、ステアリン酸などの飽和高級脂肪酸、オレ
イン酸などの不飽和高級脂肪酸、そのアルカリ金属塩、
オルトリン酸とステアリルアルコールとのモノ、または
ジエステルであって、それらの酸、またはアルカリ金属
塩などのリン酸部分エステルなどが挙げられる。また、
樹脂との接着性向上のために、シランカップリング剤、
アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング
剤、ウレタン系、アミド系などの高極性樹脂で被覆して
もよく、集束のために、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン
系樹脂、アミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系
樹脂、液晶性樹脂などで被覆されていてもよい。より好
ましくは、成形中に樹脂と化学的相互反応を起こさない
表面処理剤で表面処理が施されているのがよい。成形中
に化学的相互反応を起こす表面処理が施されている場
合、成形時の流動性に劣り、本発明の効果を十分に発現
できない可能性がある。表面処理剤の表面処理量は、充
填材など100重量部当たり0.1〜10重量部が好ま
しく、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0080】また、かかる充填材などは、膨潤化剤によ
り膨潤されていてもよいし、有機化剤により有機化され
ていてもよい。膨潤化剤または有機化剤としては、イオ
ン交換などにより充填材などを膨潤化または有機化し得
るものなら特に制限はなく、具体的にはε−カプロラク
タム、12−アミノドデカン酸、12−アミノラウリン
酸、アルキルアンモニウム塩(ジメチルジアルキルアン
モニウムなど)などが挙げられる。特にポリアミド樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂などに膨潤化もしくは有機化
された充填材(好ましくはモンモリロナイト、マイカ、
サポナイト、ヘクトライト、セピオライト)が配合され
ていると、充填材のナノオーダーでの分散が可能とな
り、より少ない配合量で所望の特性が得られるため好ま
しい。
【0081】なお、本発明の導電性樹脂組成物に上記充
填材、導電性付与剤、難燃剤などを配合する場合には、
樹脂などに予め押出機などにより混練してもよいし、樹
脂組成物とは別にドライブレンド、塗布などにより配合
してもよい。また、樹脂の重合時に予め混合しておいて
もよい。
【0082】次に、本発明の導電性樹脂組成物を用いて
なる成形品は、例えばプレス成形、射出成形(射出圧縮
成形、ガスアシスト射出成形、インサート成形など)、
ブロー成形、押出成形、トランスファー成形(RTM成
形、RIM成形、SCRIMP成形など)、フィラメン
トワインディング成形などの成形方法によって成形さ
れ、かかる成形に用いられる成形材料の形態としては、
BMC、SMC、スタンパブルシート、プリプレグ(ス
トランド状、シート状、テープ状など)、ペレットなど
の例を挙げることができる。これらの中で好ましい成形
方法は、生産性の高いプレス成形、射出成形である。
【0083】本発明の導電性成形品をプレス成形にて成
形する場合には、本発明の導電性樹脂組成物は、ストラ
ンド、テープ、シートのいずれかの形態を有している成
形材料として用いるのが好ましい。特に該構成要素
[A]として炭素繊維を用いた場合、前記形態を有する
樹脂組成物の中の炭素繊維は、連続糸を用いて炭素繊維
の長さが成形材料の長さとほぼ同一になるように、成形
材料の長手方向にほぼ平行に配列されていてもよく、チ
ョップド糸やミルド糸に代表される不連続糸を用いて成
形材料中にランダムに配置されていてもよい。成形材料
中の炭素繊維が連続糸である場合、より高い導電性、力
学的特性を有する成形品を得られるため好ましい。ここ
で、少なくとも樹脂を含む本発明中の各成分は、炭素繊
維中に含浸されていても、コーティングされていてもよ
いし、炭素繊維上に塗布されていてもよい。
【0084】かかる炭素繊維が含浸される場合、例え
ば、(1)樹脂のエマルジョン、サスペンジョン、溶液
あるいは溶融物の入った含浸槽中を用いて、樹脂などの
各成分を含浸させる方法、(2)樹脂粉末などを炭素繊
維束中に分散させた後に加熱して、樹脂などの各成分を
含浸させる方法、(3)溶融樹脂を押し出したクロスヘ
ッドダイを用いて、炭素繊維束を引き抜きながら、樹脂
などの各成分を含浸させる方法、などの含浸方法を利用
することができるが、本発明で用いられる各成分を均
一、かつ所望量配合するためには、上記(3)に記載の
含浸方法を用いることが好ましい。但し、この含浸方法
を利用する場合、炭素繊維の強度、伸度が高いものでな
ければ、導電性、力学的強度の高い成形品が得られない
だけではなく、成形材料の高い生産性が達成しにくいと
いう問題点を有する。
【0085】かかる炭素繊維がコーティングされる場
合、少なくとも炭素繊維束からなる芯部と、少なくとも
樹脂からなる鞘部とからなる芯鞘型の構造を有する形態
のものが好ましい。前記芯鞘型の形態を有する場合、炭
素繊維束は最も配合量が多い樹脂の溶融粘度以下の溶融
粘度を有する樹脂(以下、低粘度樹脂と記す)で予め含
浸され、炭素繊維と低粘度樹脂との複合体を形成した後
に、少なくとも最も配合量の多い樹脂を含む本発明中の
各成分でコーティングされていることが好ましい。本発
明の導電性樹脂組成物としては、上記芯鞘型の構造を有
する成形材料として用いるのが、本発明の効果を最大限
に発現できるためとりわけ好ましい。
【0086】かかる低粘度樹脂とは、最も配合量が多い
樹脂と同一(同一の場合、「低粘度樹脂」との名称は不
自然ではあるが、便宜上この名称を用いる)であっても
異なってもよいが、より成形材料の生産性を高くするた
めに、最も配合量の多い樹脂より低い溶融粘度の樹脂で
あるのが好ましい。かかる低粘度樹脂としては、例えば
アクリル系樹脂(例えばスチレン/アクリル酸、エチレ
ン/メタクリル酸、スチレン/メチルメタクリレートな
どの共重合樹脂)、スチレン系樹脂(例えばスチレン/
ブタジエンなどの共重合樹脂)、フェノール系樹脂(例
えばフェノールノボラック、クレゾールノボラック、オ
クチルフェノール、フェニルフェノール、ナフトールノ
ボラック、フェノールアラルキル、ナフトールアラルキ
ル、アルキルベンゼン変性フェノール、カシュー変性フ
ェノール、テルペン変性フェノールなど)、ウレタン系
樹脂、エポキシ系樹脂、液晶性樹脂、アルコールまたは
水可溶性樹脂、あるいは最も配合量の多い樹脂よりも低
分子量である樹脂が挙げられ、これらから選ばれる少な
くとも1種類、もしくはそれらを複数種併用したものも
使用することができる。
【0087】本発明の導電性成形品を射出成形にて成形
する場合には、本発明の導電性樹脂組成物は、ペレット
の形態を有しているのが好ましい。本発明でいうペレッ
トとは、前述のストランド、テープ、シートのいずれか
の形態を有する本発明の成形材料を、所望長さに切断し
たものを指す。また、少なくとも構成要素[A]、
[B]とを含み前記低粘度樹脂や構成要素[C]などで
ペレタイズされたペレットと、構成要素[A]、[B]
とを含まないペレット(例えば構成要素[C]のみ)と
をドライブレンドすることによって得られたものも同様
にペレットと呼ぶ。なおペレタイズとは、上述の成形材
料の形成方法だけに限定されず、一般的なコンパウンド
(例えば、押出機を用いて各構成要素など必要な成分を
一括して押し出して切断する方法)などの任意の方法で
樹脂組成物をペレットの形態にすることを指す。
【0088】本発明で用いられるペレットを成形してな
る導電性成形品が、高い導電性、力学的特性(衝撃強
度、剛性等)を兼ね備えるためには、特に該構成要素
[A]として炭素繊維を用いた場合、成形品中の炭素繊
維の長さを長くすることが有効であるが、そのためには
前記ペレットが長繊維ペレットの形態をとることが好ま
しい。かかる長繊維ペレットは、例えば、切断する前の
ストランド、テープ、シート中の炭素繊維が、長手方向
に配列された連続糸であるものを切断することにより、
炭素繊維が連続した繊維束である長繊維ペレットが得ら
れる。ペレットにおいて、炭素繊維が連続した繊維束で
あるとは、ペレット中にはペレット内部で途中で切断さ
れていたり、ペレット全長よりも有意に短い炭素繊維が
実質的に含まれないことである。その全長よりも短い炭
素繊維の量について、特に規定されているわけではない
が、全ペレットの70重量%以上のペレットが、ペレッ
ト全長の50%以下の長さの炭素繊維の含有量が30重
量%以下(好ましくは20重量%以下)であることが好
ましい。尚、ペレット全長とはペレット中の強化繊維配
向方向の長さである。本発明で用いられる長繊維ペレッ
トとしては、前述の芯鞘型の構造を有するストランド、
テープ、シート状の成形材料を切断した芯鞘型の長繊維
ペレットが、本発明の効果を最大限に発現できるためと
りわけ好ましい。
【0089】また、長繊維ペレットとそれ以外のペレッ
ト(例えば、ペレット中で不連続な繊維やカーボンブラ
ックなどを含むペレット、あるいは、炭素繊維などを含
まないペレット)とをドライブレンドしたものも、同様
に長繊維ペレットに含まれる。ドライブレンドする時の
ブレンド比は、全ペレット中に含まれる炭素繊維(連続
繊維や不連続繊維など)を100重量%とした場合、ペ
レット中で連続繊維である炭素繊維が50重量%以上と
なるようにするのが好ましい。50%未満である場合、
長繊維ペレットの形態をとる効果を十分に発現しにくい
ため好ましくない。より好ましくは70重量%以上であ
り、更に好ましくは80重量%以上である。
【0090】本発明で用いられる長繊維ペレットのペレ
ット長さとしては、2〜26mmの範囲であると、成形
品中の炭素繊維長さを長くすることができるため好まし
い。より好ましくは4〜15mmの範囲であり、更に好
ましくは5〜10mmの範囲である。また、その配合形
態は特に制限されないが、特に構成要素[A]として炭
素繊維を用いた場合、少なくとも構成要素[C]を含
み、構成要素[A]、[B]とを含まなくてもよいペレ
ットと、低粘度樹脂で炭素繊維束を含浸して形成した複
合体を少なくとも最も配合量の多い樹脂でコーティング
した芯鞘型の長繊維ペレットとをドライブレンドしたも
のが、生産性を高くすることができるため好ましい。さ
らに好ましくは、少なくとも樹脂、難燃剤などをコンパ
ウンドしているが炭素繊維を含まなくてもよいペレット
と、予め低粘度樹脂として上述のフェノール系樹脂によ
り炭素繊維束が含浸された複合体を、少なくとも最も配
合量の多い樹脂、難燃剤などでコーティングした芯鞘型
の長繊維ペレットとを、ドライブレンドしたものが挙げ
られる。
【0091】本発明の導電性成形品の好ましい成形方法
は、生産性の高いプレス成形、射出成形であることは前
述の通りである。特に射出成形により成形された導電性
成形品において、高い導電性、力学的特性(特に強度、
衝撃強度)を同時に達成するためには、特に構成要素
[A]として炭素繊維を用いた場合、成形品中の炭素繊
維の長さを長くすることが有効であるのは上述の通りで
あるが、この場合、成形条件、射出成形機および金型の
影響を考慮しなければならない。成形条件に関していえ
ば、背圧が低いほど、射出速度が遅いほど、スクリュー
回転数が遅いほど、成形品中の炭素繊維の長さが長くな
る傾向があり、特に背圧は、計量性が不安定にならない
程度に、できるだけ低く設定するのが好ましく、具体的
には0.1〜1MPaの範囲が好ましい。射出成形機に
ついては、ノズル径が太いほど、ノズルのテーパー角度
が小さいほど、スクリュー溝深さが深いほど、圧縮比が
低いほど、成形品中の炭素繊維の長さが長くなる傾向が
あるため好ましい。特に圧縮比は、炭素繊維の分散不良
が発生しない程度にできるだけ低く設定するのが好まし
く、具体的には1〜2.2の範囲が好ましい。金型につ
いては、スプルー径、ランナー径、ゲート径を大きくす
るほど、成形品中の炭素繊維の長さが長くなる傾向があ
るため好ましい。
【0092】前述の成形方法により得られた本発明の導
電性成形品が、高い導電性、力学的特性を兼ね備えるた
めには、特に構成要素[A]として炭素繊維を用いた場
合、成形品中に含まれる炭素繊維の総量を100重量%
とすると、少なくともその3重量%が1〜15mmの範
囲の繊維長を有すと導電性、力学的特性(特に衝撃強
度、引張強度など)に著しく優れるため好ましい。より
好ましくは、少なくともその5重量%が1〜10mmの
範囲の繊維長を有する場合であり、一層好ましくは少な
くともその5重量%が1〜7mmの範囲の繊維長を有す
る場合である。とりわけ好ましくは、少なくともその8
重量%が1〜7mmの範囲の繊維長を有する場合であ
る。
【0093】本発明における導電性成形品は、上述の通
り構成要素[A]だけでなく、少量の構成要素[B]に
起因して高い導電性を達成できるため、体積固有抵抗値
が、100Ω・cm以下である導電性成形品として用い
るのが最適である。体積固有抵抗値が100Ω・cmを
越える場合、電磁波シールド材などの用途には適応しに
くく、用途が限定されるといった問題を有する。より好
ましい体積固有抵抗値は10Ω・cm以下であり、更に
好ましい体積固有抵抗値は5Ω・cm以下である導電性
成形品として用いるのが本発明の効果をより発揮でき
る。とりわけ好ましくは、0.5Ω・cm以下である。
【0094】ここでいう体積固有抵抗値とは、直方体形
状を有している試験片の導電ペーストを塗布された両端
部の電気抵抗値から、測定機器、治具などの接触抵抗値
を減じた値について、前記試験片の端部面積を乗じ、試
験片長さで除すことにより算出する。本発明では、単位
はΩ・cmを用いた。
【0095】本発明における導電性成形品は、構成要素
[A]だけでなく、少量の構成要素[B]に起因して高
い導電性だけでなく、低い比重をも達成できるため、A
STM D 792規格における比重が、1〜1.7の
範囲である導電性成形品として用いるのが最適である。
好ましくは1.1〜1.6の範囲、特に好ましくは1.
1〜1.5の範囲である導電性成形品として用いるのが
本発明の効果をより発揮できる。とりわけ1.1〜1.
4の範囲であるのが好ましい。
【0096】本発明における導電性成形品は、特に構成
要素[A]として炭素繊維を用いた場合、高い導電性だ
けではなく、主に炭素繊維、更には繊維長の長い炭素繊
維に起因する高い衝撃強度を兼ね備えているため、AS
TM D 256規格におけるIzod衝撃強度が、1
/8インチ厚で70〜250J/mの範囲である導電性
成形品として用いるのが最適である。好ましくは80〜
200J/mの範囲、特に好ましくは85〜180J/
mの範囲である導電性成形品として用いるのが本発明の
効果をより発揮できる。
【0097】本発明における導電性成形品は、特に該構
成要素[A]として炭素繊維を用いた場合、高い導電性
だけではなく、主に炭素繊維に起因する高い剛性を兼ね
備えているため、ASTM D 790規格(スパン間
距離L/板厚D=16)において、板厚1/4インチで
の曲げ剛性が8〜40GPaの範囲である導電性成形品
として用いるのが最適である。好ましくは10〜30G
Paの範囲、特に好ましくは12〜25GPaの範囲で
ある導電性成形品として用いるのが本発明の効果をより
発揮できる。
【0098】本発明における導電性成形品は、高い導電
性に加え、薄肉成形性(成形時の流動性)を兼ね備えて
いるので、従来の導電性成形品より肉厚を薄くすること
が可能であり、肉厚が0.3〜4mmの範囲である導電
性成形品として用いるのが最適である。好ましくは、肉
厚0.5〜3mm、更に好ましくは0.6〜2mm、と
りわけ好ましくは肉厚0.7〜1.6mmの範囲である
導電性成形品として用いるのが本発明の効果をより発揮
できる。ここでいう肉厚とは、成形品のうち、リブ部分
やボス部分などの突起物などを除いた平板部分の肉厚を
指す。
【0099】本発明における導電性成形品の用途として
は、高い導電性、成形性、力学的特性(特に剛性)が求
められる電子・電気機器、OA機器、家電機器、自動車
用部材、例えばハウジングやその部品などが挙げられ
る。本発明の導電性成形品は、高い剛性、軽量化、電磁
波シールド性などが達成できるため、特に携帯用の電子
・電気機器のハウジングなどの用途に有効である。より
具体的には、ディスプレイ、ノート型パソコン、携帯用
電話機、PHS、PDA(電子手帳などの携帯情報端
末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯用ラ
ジオカセット再生機、インバーターなどのハウジングな
どに好んで使用される。
【0100】また、高い導電性を有しているため、少量
の構成要素[A]、少量の構成要素[B]の配合で帯電
/放電防止性を付与することができ、それらの特性が必
要とされる部材、例えばICトレー、シリコンウェーハ
ー運搬用バスケット、電着塗装などの塗装向け部品など
への適応にも有用である。
【0101】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。
【0102】まず、各実施例の実施に当たり、導電性樹
脂組成物およびそれを成形してなる導電性成形品の評価
項目、およびその方法は下記の通りとした。
【0103】得られた導電性成形品の評価項目、および
その方法は下記の通り。
【0104】(A)構成要素[B]の配合量 下述の(Ba)項記載の方法にて成形された試験片につ
いて、下記手順に従い定量分析を行った(単位はμg/
g)。なお、アルカリ土類金属、遷移金属、3B、4
B、5B族元素についてはICP発光分光分析、アルカ
リ金属についてはICP発光分光分析と原子吸光分析と
の併用により定量分析を行った。なお本発明では、IC
P発光分光分析には日立社製ICP発光分光分析装置P
−4000形(超音波ネブライザー使用)を、原子吸光
分析には日立社製偏光ゼーマン原子吸光分析装置180
−80を、低温灰化にはヤマト化学製プラズマリアクタ
ーPR41を用いた。
【0105】(Aa)ICP発光分光分析 (Aa1)樹脂組成物もしくは成形品をプラズマリアク
ターにより低温灰化して樹脂成分を除去した残分、もし
くは樹脂組成物もしくは成形品の樹脂成分が可溶な溶媒
(例えば硝酸、硫酸など)による加熱溶解などにより樹
脂成分を除去する。 (Aa2)前記残分について、残分が可溶な溶媒(例え
ば希硝酸、王水など)にて加熱溶解して可溶性成分を抽
出する。 (Aa3)前記抽出液を冷却、濾過し、濾液を定容とし
て分析を行った。
【0106】(Ab)原子吸光分析 (Ab1)特にアルカリ金属について定量分析する場
合、前記(Aa3)項記載の濾液について定容として分
析を行った。
【0107】(B)成形品の特性 (Ba)体積固有抵抗 ファンゲートにて射出成形した試験片(幅12.7mm
×長さ65mm×厚さ2mm)について、絶乾状態(水
分率0.1%以下)にて、下記手順に従い測定した(単
位はΩ・cm)。なお射出成形は、シリンダ温度280
℃、金型温度70℃にて行った。 (Ba1)まず、幅×厚さ面に導電性ペースト(日本ア
チソン(株)製Electrodag415)を塗布
し、十分に導電性ペーストを乾燥させる。 (Ba2)次いで、その面を銅製電極に圧着し、電極間
の電気抵抗値をデジタルマルチメーター(FLUKE社
製)にて測定する。 (Ba3)前記電気抵抗値から測定機器、治具等の接触
抵抗を減じた値に、導電性ペースト塗布面の面積を乗
じ、その値を試験片長さで除したものを体積固有抵抗値
とする。
【0108】(Bb)比重 ASTM D 792規格に準拠した比重にて評価し
た。なお、評価は上述(Ba)項記載の方法にて成形さ
れた試験片について行った。
【0109】(Bc)衝撃強度 ASTM D 256規格に準拠したモールドノッチ有
りIzod衝撃強度にて評価した(単位はJ/m)。用
いた試験片の板厚は1/8インチ厚で、水分率0.1%
以下で試験に供した。なお射出成形は、シリンダ温度2
80℃、金型温度70℃にて行った。
【0110】(Bd)曲げ剛性 ASTM D 790規格(スパン間距離L/板厚D=
16)に準拠した曲げ剛性にて評価した(単位はGP
a)。用いた試験片の板厚は1/4インチ厚で、水分率
0.1%以下で試験に供した。なお射出成形は、シリン
ダ温度280℃、金型温度70℃にて行った。
【0111】(Be)外観品位 ファンゲートにて、幅150mm×長さ150mm×厚
さ1mmの薄肉平板を成形(下記の(Ca)項参照)
し、表面光沢の有無、ヒケ、ウェルド、構成要素
[A]、[B]の浮き・分散などの欠陥について、 ◎(前述欠陥なし)、 ○(前述欠陥のいずれか1つ有する)、 △(前述欠陥をいずれか2つ有する)、 ×(前述欠陥を全て有する)、 により相対的に評価した。なお射出成形は、シリンダ温
度290℃、金型温度70℃にて行った。
【0112】(C)薄肉成形性 (Ca)射出圧力 ファンゲートにて、幅150mm×長さ150mm×厚
さ1mmの薄肉平板を射出成形する際の射出圧力で、薄
肉成形性を評価した(単位はMPa)。射出圧力が低い
ほど、薄肉成形性(成形時の流動性)に優れるといえ
る。なお射出成形は、射出成形機J150EII−P
(日本製鋼所製)を用いて、シリンダ温度290℃、金
型温度70℃にて行った。
【0113】(実施例1)まず、構成要素[A]である
連続した炭素繊維束を200℃に加熱しながら開繊さ
せ、溶融させたフェノール系樹脂をギアポンプにて計量
し、カーテンコータにて塗布した。次いで、フェノール
系樹脂の溶融温度より50℃高い温度に加熱した雰囲気
中の複数のスクイーズバーを通過させることによりフェ
ノール系重合体を炭素繊維束中に十分含浸させ、連続し
た炭素繊維束とフェノール系重合体との複合体を得た
(含浸工程)。
【0114】次に、構成要素[B]と構成要素[C]と
を所望の比率にてドライブレンドした後にホッパーに投
入し、2軸押出機を用いて溶融混練し、マスターペレッ
ト1を得る。前記マスターペレット1を1軸押出機を用
いてその先端に取り付けられた被覆ダイ中に十分溶融混
練された状態で押し出すのと同時に、構成要素[C]の
溶融温度より80℃低い温度以下まで冷却した前記複合
体を前記被覆ダイ中に連続して供給することにより、構
成要素[B]と溶融した構成要素[C]とを前記複合体
の表面に被覆し、連続繊維強化樹脂ストランドを得た
(コーティング工程)。
【0115】その後、前記連続繊維強化樹脂ストランド
を100℃以下まで冷却し、カッターを用いて7mmに
切断して芯鞘型の長繊維ペレットを得た(切断工程)。
前述芯鞘型の長繊維ペレットの製造は、含浸工程、コー
ティング工程、切断工程についてそれぞれ連続してオン
ラインで行った。
【0116】得られた前記芯鞘型の長繊維ペレットを、
80℃にて5時間以上真空中で乾燥させた後、上述
(A)〜(C)項の各試験に供した。
【0117】(実施例2)以上に説明した実施例1にお
いて、構成要素[A]として炭素繊維とカーボンブラッ
クを併用したこと以外は実施例1と同様の方法で芯鞘型
の長繊維ペレットを得た。また、構成要素[A]である
カーボンブラックは、予め2軸押出機を用いて所望の比
率にて構成要素[C]と溶融混練し、マスターペレット
2を得た後、前記マスターペレット1と所望の比率にて
ドライブレンドして、一軸押出機にて押し出し、前記複
合体に被覆することにより配合した。
【0118】なお、実施例1と同様の方法で上述(A)
〜(C)項の各試験に供した。
【0119】(実施例3〜5)以上に説明した実施例2
において、構成要素[B]、[C]の種類を変更したこ
と以外は実施例2と同様の方法で芯鞘型の長繊維ペレッ
トを得た。
【0120】なお、実施例1と同様の方法で上述(A)
〜(C)項の各試験に供した。
【0121】(比較例1)以上に説明した実施例1にお
いて、構成要素[B]を配合しなかったこと以外は実施
例1と同様の方法で芯鞘型の長繊維ペレットを得た。
【0122】なお、実施例1と同様の方法で上述(A)
〜(C)項の各試験に供した。
【0123】(実施例6)まず、構成要素[A]として
チョップド糸にされた炭素繊維とカーボンブラック、構
成要素[B]、構成要素[C]を2軸押出機にて、溶融
した構成要素[B]、[C]を炭素繊維に含浸させなが
ら押し出し、炭素繊維としては不連続のもののみを含有
する前述のようにして得られた不連続繊維強化樹脂ガッ
トを得た(含浸工程)。次いで、前記不連続繊維強化ガ
ットを100℃以下まで冷却し、カッターを用いて5m
mに切断してペレットを得た(切断工程)。前述ペレッ
トの製造は、含浸工程、切断工程をそれぞれ連続してオ
ンラインで行った。
【0124】なお、実施例1と同様の方法で上述(A)
〜(C)項の各試験に供した。
【0125】(比較例2)以上に説明した実施例6にお
いて、構成要素[A]として炭素繊維を配合しないかわ
りに、構成要素[B]としてチョップド糸にされたステ
ンレス鋼繊維を用いたこと以外は実施例6と同様の方法
でペレットを得た。
【0126】なお、実施例1と同様の方法で上述(A)
〜(C)項の各試験に供した。
【0127】(比較例3)以上に説明した実施例6にお
いて、構成要素[B]を配合しなかったこと以外は実施
例6と同様の方法でペレットを得た。
【0128】なお、実施例1と同様の方法で上述(A)
〜(C)項の各試験に供した。
【0129】実施例1〜6で用いた樹脂組成物中の各構
成要素の配合率、および評価結果を表1に、比較例1〜
3で用いた樹脂組成物中の各構成要素の配合率、および
評価結果を表2に示す。
【0130】
【表1】
【表2】 なお、表1における各成分の表記は下記に準じる。
【0131】構成要素[A] CF:PAN系炭素繊維[平均短繊維径=7μm、引張
破断伸度=2.1%、Lc=1.9nm、表面官能基
(O/C)=0.07] CB:カーボンブラック[I2 /I1 =0.68、I2
/I3 =0.60] 構成要素[B] Li:塩化リチウム Ti:チタン粒子[東邦チタニウム(株)製Ti粒子:
平均粒径=20μm以下] Ag:銀フレーク[福田金属箔粉工業(株)製シルコー
トAgC−209:50%平均粒径=8μm] SUS:ステンレス鋼繊維[日本精線(株)製ナスロン
トウ:平均単繊維直径=8μm] 構成要素[C] N6:ナイロン6樹脂[ηr=2.35] MXD6:ポリメタキシリレンアジパミド[ηr=2.
2] PC/ABS:ポリカーボネート樹脂とABS樹脂との
ポリマーアロイ樹脂[帝人化成(株)製マルチロンT−
3000] フェノール系樹脂 T/P1:テルペン/フェノール共重合樹脂[ヤスハラ
ケミカル(株)製YP90L] T/P2:テルペン/フェノール共重合樹脂[ヤスハラ
ケミカル(株)製マイティーエース G−150] 表1、2の結果から以下のことが明らかである。
【0132】1.構成要素[B]の効果(実施例1〜3
と比較例1、2との比較、実施例6と比較例3との比
較) 構成要素[B]を配合していない比較例1(または比較
例3)に比べて、本発明の構成要素[B]を配合してい
る実施例1〜3(または実施例6)は、導電性が著しく
高い成形品を得ることができ、その優位性は明らかであ
る。
【0133】また、構成要素[B]として金属繊維を大
量に配合した比較例2に比べて、実施例1〜3は、構成
要素[B]の配合率、および配合形態が最適であるた
め、比重の増加を最小限に抑えることができ、かつ高い
導電性を得ることができた。比較例2の導電性が良くな
かった理由は、主には長繊維ペレットではなかったた
め、ステンレス鋼繊維の長さが短くなりすぎたことによ
ると考えられる。
【0134】2.カーボンブラックの効果(実施例1と
実施例2、3との比較) カーボンブラックを配合していない実施例1に比べて、
本発明のカーボンブラックを配合している実施例2、3
は、より一層導電性に優れた成形品を得ることができ、
その更なる優位性は明らかである。
【0135】3.構成要素[C]の効果(実施例4と比
較例1との比較) 芳香族含有ポリアミド樹脂を配合していない比較例1に
比べて、本発明の芳香族含有ポリアミド樹脂を配合して
いる実施例4は、ヒケ、ウェルドなどを最小限に抑える
ことができるため、外観品位に大幅に優れた。
【0136】4.長繊維ペレットの効果(実施例5と比
較例3との比較) 通常のペレットを用いた比較例3に比べて、芯鞘型の長
繊維ペレットである実施例5は、得られた成形品の導電
性、力学的特性(特にIzod衝撃強度)を著しく改善
することができ、各特性をより高い次元で兼ね備えた成
形品を得ることができる。これは、比較例3よりも実施
例5の方が、構成要素[A]として配合された炭素繊維
の長さが成形品中で長いことによる。
【0137】つまり、実施例5の成形品中の重量的平均
繊維長さlw=0.431mm(1mm〜7mmの範囲
である繊維が8重量%以上)であったのに対して、比較
例4の場合には、lw=0.202mm(1mm以上の
炭素繊維は1重量%未満)であったことによる。なお、
lwの算出は、成形品から炭素繊維のフィラメントのみ
を、任意に少なくとも400以上抽出し、その長さを1
μm単位まで光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡にて
測定して、下記の(数式1)、もしくは(数式2)を用
いて算出した。但し、Wiは長さliの炭素繊維の重
量、Niは長さliの炭素繊維の数とする。 (数式1) lw=Σ(Wi×li)/ΣWi (数式1)は一定直径の炭素繊維に対しては、(数式
2)の様に表すことができる。 (数式2) lw=Σ(Ni×li2)/Σ(Ni×li) 本発明では、lwを測定する際の樹脂を除去する方法と
して、樹脂のみを溶解させ、含有される炭素繊維は溶解
させない溶媒などに成形品を一定時間浸漬し、樹脂を十
分溶解させた後、濾過などにより炭素繊維と分離する手
法を採用した。
【0138】上記比較から、導電性、力学的特性に及ぼ
す成形品中の炭素繊維の長さの重要性は明らかであり、
本発明で用いられる導電性樹脂組成物としては、長繊維
ペレット、とりわけ芯鞘型の長繊維ペレットの形態をと
ることが好ましい。
【0139】
【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物は、構成要素
[B]の配合率を、ICP発光分光分析法または原子吸
光分析法による測定で、20〜10000μg/gと範
囲とし、構成要素[B]の配合率、およびその配合形態
を最適なものとした。この導電性樹脂組成物により、高
い導電性、力学的特性(特に衝撃強度、剛性など)、外
観品位を有する成形品を得ることができ、かつ成形性
(成形時の流動性など)に優れた低比重の導電性樹脂組
成物およびそれにより成形された成形品を得ることがで
きる。
【0140】このような導電性樹脂組成物およびそれら
から得られた成形品は、特に電気・電子機器やOA機器
や家電機器用途類、自動車用途のハウジングやそれらの
部品などを始め、前記特性を必要とする幅広い産業分野
に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性樹脂組成物に配合されるカーボ
ンブラックのラマンスペクトルの一例図である。
【符号の説明】
1 :ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマン
散乱強度の極大値 I2 :ラマンシフト1480cm-1付近に現れるラマン
散乱強度の極小値 I3 :ラマンシフト1580cm-1付近に現れるラマン
散乱強度の極大値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA001 BB001 BC001 BD031 BG051 BN151 CB001 CC001 CD001 CE001 CF001 CG001 CH071 CH091 CL001 CM041 CN021 CN031 DA016 DA026 DA036 DA067 DB017 DC007 DD027 DE047 DE187 DF017 DG027 EG007 FA016 FA046 FA086 FB086 FB096 FB166 FB236 FB266 FD010 FD116 FD117 FD130 GQ02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも次の構成要素[A]、
    [B]、[C]からなる導電性樹脂組成物において、I
    CP発光分光分析法または原子吸光分析法により測定さ
    れた該構成要素[B]が、20〜10000μg/gの
    範囲であることを特徴とする導電性樹脂組成物。 [A]:実質上炭素元素のみからなる単体 [B]:金属元素 [C]:樹脂
  2. 【請求項2】 導電性樹脂組成物を100重量%とした
    場合、該構成要素[A]が2〜50重量%の範囲で配合
    されている請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該構成要素[A]が、炭素繊維、カーボ
    ンブラック、カーボン粉末、黒鉛粉末から選ばれる少な
    くとも1種である請求項1または2に記載の導電性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 該カーボンブラックまたはカーボン粉末
    が、少なくとも次の条件[CB1]および/または、
    [CB2]を満たす請求項3に記載の導電性樹脂組成
    物。 [CB1]:ラマン散乱強度比I2 /I1 が、0.4〜
    0.8の範囲である。 [CB2]:ラマン散乱強度比I2 /I3 が、0.4〜
    0.7の範囲である。 I1:ラマンシフト1360cm-1付近に現れるラマン
    散乱強度の極大値 I2:ラマンシフト1480cm-1付近に現れるラマン
    散乱強度の極小値 I3:ラマンシフト1580cm-1付近に現れるラマン
    散乱強度の極大値
  5. 【請求項5】 該構成要素[B]が、アルカリ金属、ア
    ルカリ土類金属、遷移金属、3B族元素、4B族元素、
    5B族元素から選ばれる少なくとも1種である請求項1
    〜4のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 該アルカリ金属がリチウム、ナトリウ
    ム、カリウムから選ばれる少なくとも1種であり、該ア
    ルカリ土類金属がマグネシウム、カルシウム、バリウム
    から選ばれる少なくとも1種であり、該遷移金属がニッ
    ケル、チタン、銅、銀から選ばれる少なくとも1種であ
    り、3B族元素がアルミニウムであり、4B族元素がケ
    イ素、錫であり、5B族元素がヒ素、アンチモン、ビス
    マスから選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載
    の導電性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 該構成要素[B]が、金属および/また
    は金属合金、ハロゲン化金属、酸化金属、脂肪酸金属塩
    から選ばれる少なくとも1種の形態により配合されてい
    る請求項1〜6のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 該構成要素[B]が、粒子状またはフレ
    ーク状の形態により配合されている請求項1〜7のいず
    れかに記載の導電性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 該構成要素[C]が、スチレン系樹脂、
    ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、
    ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンス
    ルフィド樹脂、ポリオレフィン樹脂もしくは液晶性樹脂
    から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である請求
    項1〜8に記載の導電性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 2〜26mmの範囲内の長さである長
    繊維ペレットの形態を有する請求項1〜9のいずれかに
    記載の導電性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の導
    電性樹脂組成物が、射出成形にて成形されてなる導電性
    成形品。
  12. 【請求項12】 体積固有抵抗値が100Ω・cm以下
    である請求項11に記載の導電性成形品。
  13. 【請求項13】 比重が1〜1.7である請求項11ま
    たは12に記載の導電性成形品。
JP31088799A 1999-11-01 1999-11-01 導電性樹脂組成物およびその成形品 Pending JP2001131426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31088799A JP2001131426A (ja) 1999-11-01 1999-11-01 導電性樹脂組成物およびその成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31088799A JP2001131426A (ja) 1999-11-01 1999-11-01 導電性樹脂組成物およびその成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001131426A true JP2001131426A (ja) 2001-05-15

Family

ID=18010586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31088799A Pending JP2001131426A (ja) 1999-11-01 1999-11-01 導電性樹脂組成物およびその成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001131426A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004107626A (ja) * 2002-07-16 2004-04-08 Toray Ind Inc 炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、成形材料および成形品
WO2004038263A1 (ja) * 2002-10-08 2004-05-06 Oiles Corporation 球帯状シール体
JP2005054087A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 導電性ポリアミド樹脂組成物
WO2005111146A1 (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Techno Polymer Co., Ltd. 熱伝導性樹脂組成物及びその製造方法並びにハウジング
JP2006170824A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Hitachi Cable Ltd 重金属元素の定量法
JP2007137963A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 光輝材含有樹脂組成物
JP2010018685A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Mitsubishi Plastics Inc 導電性樹脂フィルム
US7867615B2 (en) 1920-09-26 2011-01-11 Oiles Corporation Heat-resistant exfoliated graphite sheet
JP2012036247A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Toray Ind Inc 樹脂組成物
JP2013025120A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Konica Minolta Business Technologies Inc 発熱定着ベルト
WO2016063855A1 (ja) * 2014-10-21 2016-04-28 東レ株式会社 繊維強化熱可塑性樹脂成形品および繊維強化熱可塑性樹脂成形材料

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7867615B2 (en) 1920-09-26 2011-01-11 Oiles Corporation Heat-resistant exfoliated graphite sheet
JP2004107626A (ja) * 2002-07-16 2004-04-08 Toray Ind Inc 炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、成形材料および成形品
US7717435B2 (en) 2002-10-08 2010-05-18 Oiles Corporation Spherical annular seal member
WO2004038263A1 (ja) * 2002-10-08 2004-05-06 Oiles Corporation 球帯状シール体
US7413195B2 (en) 2002-10-08 2008-08-19 Oiles Corporation Spherical annular seal member
JP2005054087A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 導電性ポリアミド樹脂組成物
WO2005111146A1 (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Techno Polymer Co., Ltd. 熱伝導性樹脂組成物及びその製造方法並びにハウジング
JP2006170824A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Hitachi Cable Ltd 重金属元素の定量法
JP4552645B2 (ja) * 2004-12-16 2010-09-29 日立電線株式会社 重金属元素の定量法
JP2007137963A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 光輝材含有樹脂組成物
JP2010018685A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Mitsubishi Plastics Inc 導電性樹脂フィルム
JP2012036247A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Toray Ind Inc 樹脂組成物
JP2013025120A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Konica Minolta Business Technologies Inc 発熱定着ベルト
WO2016063855A1 (ja) * 2014-10-21 2016-04-28 東レ株式会社 繊維強化熱可塑性樹脂成形品および繊維強化熱可塑性樹脂成形材料
JPWO2016063855A1 (ja) * 2014-10-21 2017-08-03 東レ株式会社 繊維強化熱可塑性樹脂成形品および繊維強化熱可塑性樹脂成形材料
CN107075142A (zh) * 2014-10-21 2017-08-18 东丽株式会社 纤维增强热塑性树脂成型品及纤维增强热塑性树脂成型材料
US10583591B2 (en) 2014-10-21 2020-03-10 Toray Industries, Inc. Fiber-reinforced thermoplastic resin molded article and fiber-reinforced thermoplastic resin molding material
CN107075142B (zh) * 2014-10-21 2021-03-16 东丽株式会社 纤维增强热塑性树脂成型品及纤维增强热塑性树脂成型材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100649503B1 (ko) 탄소 섬유 강화 수지 조성물, 성형 재료 및 그의 성형품
JP4817772B2 (ja) 導電性樹脂組成物、その製造方法及び用途
US6384128B1 (en) Thermoplastic resin composition, molding material, and molded article thereof
JP4241070B2 (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
CN1802712A (zh) 导电热塑性复合材料及其制备方法
JP2001131426A (ja) 導電性樹脂組成物およびその成形品
JP4196567B2 (ja) 炭素繊維強化樹脂組成物、成形材料およびその成形品
EP0337487A1 (en) Electroconductive polymer composition
JP5517050B2 (ja) 架橋樹脂組成物およびその製造方法
US7569161B2 (en) Electrically conducting polymer and production method and use thereof
JP2002231051A (ja) 導電性樹脂組成物およびその成形品
JP2001081318A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびその成形品
KR101055620B1 (ko) 전기적 특성이 뛰어난 고분자/탄소나노튜브 복합체와 이의 제조방법
JP2002317384A (ja) 長繊維ペレット用導電性繊維束およびそれからなる長繊維ペレット、ならびにそれを用いた成形品
JP7055931B2 (ja) 耐熱性と電磁波遮蔽能に優れた熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれから製造された射出成形品
JP2001129826A (ja) 導電性繊維強化成形材料およびその製造方法
KR100532032B1 (ko) 나노복합재료의 제조방법
JP4161494B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、その長繊維ペレットおよびその成形品
JP5224686B2 (ja) 導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物およびこれを成形してなる成形品
JP4599211B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形体
JP2002146679A (ja) 炭素繊維束、樹脂組成物、成形材料およびそれを用いた成形品
JP4810734B2 (ja) 炭素繊維強化樹脂組成物、成形材料およびその成形品
JP2003128799A (ja) 熱可塑性樹脂組成物用炭素繊維およびそれを用いた熱可塑性樹脂組成物
JP2002155471A (ja) 炭素繊維およびそれを用いた樹脂組成物、成形材料ならびに成形品
WO2009069565A1 (en) Molded articles, process for producing the molded articles, and use of the molded articles