JP2012036247A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】通電時の電気抵抗値の変動が少なく、軽量性と機械強度のバランスに優れる射出成形用樹脂組成物を得ること。
【解決手段】(a)ポリプロピレン樹脂と(b)PAN系炭素繊維の合計を100重量部として(a)ポリプロピレン樹脂組成物60〜85重量部、(b)PAN系炭素繊維15〜40重量部、(c)中実のカーボンブラック0.1〜5.0重量部を配合してなり、電気抵抗値が0.01〜100Ω・cmである樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂と炭素繊維からなる高強度の樹脂組成物において、炭素繊維とカーボンブラックが高分散したポリプロピレン樹脂組成物からなる射出成形材料に関するものである。更に詳しくは、高強度、高剛性、高耐衝撃性に優れながら、通電時の電気抵抗が安定した、樹脂組成物に関するものである。
ポリプロピレン樹脂は、機械的特性、靭性、熱的特性、静電性などに優れた特性を有しており、汎用プラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形などにより各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などの用途に広く使用されている。また、近年、高剛性で軽量な材料として、ポリプロピレンを無機フィラーで強化したFRP素材が注目されている。特にポリプロピレンを炭素繊維で強化した熱可塑性CFRPは、軽量化と高剛性および制電性を兼ね備えた材料として特に電気機器のシャーシ部品や自動車用の準構造部材として適用され始めている。
炭素繊維で強化した熱可塑性材料は優れた導電性材料となるが、炭素繊維で強化したポリプロピレンの電気抵抗値が特定の範囲内となる場合、他の熱可塑性樹脂、例えばナイロン、ABS、PPSとは特異的に異なり、印加時間とともに材料の電気抵抗値が変化し、ポリプロピレン樹脂を炭素繊維で強化した構造体を利用したヒーター部品やアースをとる部品に用いた場合、組成物の電気抵抗値が変化するために回路やヒューズなどの性能に影響する場合がある。
炭素繊維で強化した熱可塑性樹脂の導電性樹脂組成物として特許文献1にナイロン樹脂と炭素繊維あるいは/又はカーボンブラックと特定の金属塩からなる組成物が記載されているが、炭素繊強化ポリプロピレン樹脂の電気特性、特に通電時の電気抵抗値の変化については何ら記載されていない。また特許文献2にはポリプロピレンと変性ポリプロピレンのブレンド物を強化繊維とカーボンブラックでは強化されたポリプロピレンが記載されているが、強化繊維がカラス繊維であり導電性についてはなんら記載されていない。
特許文献3には黒着色した場合の物性保持率の高い樹脂組成物として、ポリプロピレン樹脂と炭素繊維強化および特定のカーボンブラックからなる組成物が記載されているが、炭素繊維の特性や電気特性については何ら記載されておらず、通電時の電気抵抗値の安定性については何ら示唆していない。
特開2001−131426号公報 特開2005−89706号公報 特開平8−269228号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであり、機械的特性、靭性、熱的特性と通電時の電気抵抗が安定した材料を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、ポリプロピレン樹脂とPAN系炭素繊維からなる高強度の樹脂組成物において、炭素繊維とカーボンブラックが高分散し、特定の体積抵抗値範囲にあるポリプロピレン樹脂組成物とすることで、通電時の体積抵抗値が時間ともに変化し難い樹脂組成物を提供するものである。
本発明は以下のとおりである。
1.(a)ポリプロピレン樹脂と(b)PAN系炭素繊維の合計を100重量部として(a)ポリプロピレン樹脂組成物60〜85重量部、(b)PAN系炭素繊維15〜40重量部、(c)中実のカーボンブラック0.1〜5.0重量部を配合してなり、電気抵抗値が0.01〜100Ω・cmである樹脂組成物。
2.前記(a)ポリプロピレン樹脂が(a−1)未変性のポリオレフィン樹脂と(a−2)変性されたポリプロピレンのブレンドであり、その比率がポリプロピレン樹脂を100重量部として(a−1)未変性のポリオレフィン樹脂が92〜70重量部、(a−2)変性されたポリプロピレンが8〜30重量部あることを特徴とする1に記載の樹脂組成物。
3.前記(b)PAN炭素繊維の直径が1〜20μm、樹脂組成物(ペレット)中の重量平均繊維長が0.5mm以上であることを特徴とする1または2記載の樹脂組成物。
4.前記(c)中実のカーボンブラックが、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、およびチャネルブラックから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物は、軽量で機械的特性、靭性、熱的特性と通電時の電気抵抗が安定し、ヒーター部品や電気機器、自動車用途において使用することができる。
本発明の初期電気抵抗値測定方法(4端子方)の回路図面および概略図である。 本発明の電気抵抗変動測定装置の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、(a)ポリプロピレン樹脂と(b)PAN系炭素繊維の合計を100重量部として(a)ポリプロピレン樹脂60〜85重量部、(b)PAN系炭素繊維15〜40重量部、(c)中実のカーボンブラック0.1〜5.0重量部を配合してなり、電気抵抗値が0.01〜100Ω・cmであることを特徴とする。
本発明に用いる(a)ポリプロピレン樹脂は、(a−1)未変性のポリプロピレンと(a−2)変性ポリプロプレンからなるブレンドであることが好ましい。
(a−1)未変性ポリプロピレン樹脂は、特に制限はなく、アイソタクティック、アタクティック、シンジオタクティックなどのプロピレン単独重合体、ホモポリマー以外にプロピレン成分を70重量%以上含む他のオレフィン成分とのプロピレンランダム共重合体(例えばプロピレン・エチレンランダム共重合体)、プロピレンブロック共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体など)が挙げられる。
かかる(a−1)未変性ポリプロピレン樹脂の粘度は特に制限は無いが、JIS K 7210−1999に準拠した230℃、2.16kgの条件下でのMFR値が1〜300g/10分、より好ましくは5〜200g/10分である。成形性の点で、MFR値が1g/10分以上のものが好ましく、成形品中の繊維破断、強度の低下、電気抵抗値の上昇を防ぐことができる。MFRが600g/10分以下のものをもちいることで、衝撃強度の低下、繊維分散不良による電気抵抗値のばらつきを防ぐことができるので好ましい。MFRは、重合されたポリオレフィン樹脂を有機過酸化物とともに加熱分解し調製したものであっても差し支えない。
(a−1)未変性ポリオレフィン樹脂の製造方法については特に制限はなく、ラジカル重合、チーグラー・ナッタ触媒を用いた配位重合、アニオン重合、メタロセン触媒を用いた配位重合などいずれの方法でも用いることができる。
また(a−1)未変性ポリプロピレン樹脂は市販品を用いることも可能であり、例えばJ37G(ホモポリプロピレン:プライムポリマー社製)、MA1B(ホモポリプロピレン:日本ポリプロ社製)、J226T(ランダムポリプロピレン:プライムポリマー社製)、J707G(ブロックポリプロピレン:プライムポリマー社製)などが挙げられる。
本発明に用いる(a−2)変性ポリプロピレンは、分子中にカルボキシル基や無水カルボン酸基を有するポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレンを不飽和カルボン酸、その無水物またはその誘導体から選ばれる少なくとも1種類の化合物で変性をして用いる事が好ましい。
変性したポリプロピレンを用いる事により、繊維の分散が良好となり機械特性が向上するとともに、電気抵抗値が安定した組成物を得る事が出来る。変性剤として使用される不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物の例を挙げると、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸およびこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸水素メチル、イタコン酸水素メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル、および5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などである。これらの中では、不飽和ジカルボン酸およびその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸またはこれらの酸無水物が好適である。
また、これらの不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物をポリプロピレンに導入する方法は特に制限なく、予め主成分であるポリプロピレンと不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物を共重合せしめたり、未変性ポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物をラジカル開始剤を用いてグラフト導入するなどの方法を用いることができる。変性剤成分の導入量は変性ポリプロピレン樹脂中のオレフィンモノマ全体に対して好ましくは0.001〜40モル%、より好ましくは0.01〜35モル%の範囲内であることが適当である。
本発明に用いる(a−2)変性ポリプロピレン樹脂の粘度は特に制限は無いが、(前記の方法で測定)MFR値が0.5〜600g/10分、より好ましくは1〜200g/10分である。MFR値が0.5g/10分未満では繊維の分散不良が生じ、MFRが600g/10分以上にでは衝撃強度の低下が生じ好ましくない。
また本変性ポリプロピレン樹脂は市販品を用いることも可能であり、例えばQE800(酸変性ポリプロピレン:三井化学社製)、QE500(酸変性ポリプロピレン:三井化学社製)などが挙げられる。
本発明に用いる(a)ポリプロピレン樹脂は(a−1)未変性のポリオレフィン樹脂と(a−2)変性されたポリプロピレンのブレンドであることが好ましく、その比率は、(a)ポリプロピレン樹脂を100重量部として、(a−1)未変性のポリオレフィン樹脂が92〜70重量部、(a−2)変性されたポリプロピレンが8〜30重量部であることが好ましい。
この範囲とすることで、炭素繊維の濡れ性を好適にすることができるので、機械特性に優れた樹脂組成物をえることができる。(a−2)変性されたポリプロピレンを30重量部以下とすることで、流動性の低下による成形性の低下を防ぐことができるので好ましい。(a−2)変性されたポリプロピレンは、好ましくは10重量部〜25重量部であり、更に好ましい範囲は10重量部〜20重量部である。
炭素繊維には、例えばポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、セルロース系などがあるが、本発明では、(b)炭素繊維として、これらの中でも、強度や弾性率などに優れるPAN系炭素繊維を使用する。
本発明に使用するPAN系炭素繊維としては、引張破断伸びが1.5%以上の炭素繊維が好ましい。引張破断伸びが1.5%以上のものを用いることで、樹脂組成物の製造工程や射出成形工程で炭素繊維の破断を防ぎ、炭素繊維の長さを長く維持することができるため、機械特性に優れる樹脂組成物を得ることができる。引張破断伸びは好ましくは1.7%以上、更に好ましくは1.9%以上の炭素繊維を用いるのが良い。本発明に用いるPAN系炭素繊維の引張破断伸びに上限は無いが、一般的には5%未満である。
これらPAN系炭素繊維の平均繊維直径は1〜20μmである事が好ましく、3〜17μmであることがより好ましく、4〜12μmであることが更に好ましい。平均繊維直径が1μm以上であると、樹脂の炭素繊維束への含浸を容易に行うことができ、成形品中での炭素繊維の分散不良などの問題を生じることがない。一方平均繊維直径が20μm以下のものを用いることで、炭素繊維の力学特性が優れ、所望の電気特性や補強効果を得ることができる。
かかるPAN系炭素繊維の紡糸方法としては、湿式紡糸、乾湿式紡糸などが挙げられ、所望の特性により任意の紡糸方法を選択する事ができる。
本発明に用いるPAN系炭素繊維の含有量は(a)ポリプロピレン樹脂と(b)炭素繊維の合計を100重量部として、15重量部〜40重量部である。15重量部未満では強度と導電性が劣り、40重量部以上では増粘による成形性の低下が大きい。好ましくは15重量部〜35重量部、更に好ましくは15重量部〜30重量部が導電性、強度、経済性の観点から好ましい。
かかる炭素繊維の繊維長はペレット中の重量平均繊維長で0.5mm以上が好ましく、重量平均繊維長が0.5mm未満では十分な導電性が得られず、さらに補強強化も小さく経済性に劣る樹脂組成物となる。
好ましい重量平均繊維長としては射出成形材料(ペレット)と同じ長さとする事が好ましく、一般的には15mm以下である。
本発明に用いる(c)中実カーボンブラックはファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャネルブラック等を中空でないカーボンブラックを使用することができる。本発明の樹脂組成物の通電時の体積抵抗値の変化防止効果は、前記PAN系炭素繊維長と中実カーボンブラックの組み合わせで、樹脂組成物の体積抵抗値を0.01〜100Ω・cmとすることで初めて達成可能である。
本発明に用いる中実カーボンブラックの配合量は、(a)ポリプロピレン樹脂と(b)炭素繊維の合計を100重量部として、0.1重量部〜5重量部であり、中実カーボンブラック量が0.1重量部未満では通電時の体積抵抗値の変化防止効果が小さく、5重量部以上では樹脂組成物の増粘が著しく成形性が低下する。好ましくは0.3重量部〜3重量部であり、更に好ましい範囲は0.5重量部〜2重量部である。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、たとえば、(a)ポリプロピレン樹脂と3〜15mmにカットした(b)PAN系炭素繊維束、(c)中実カーボンブラックを規定量計量しブレンドしたものを、既知の単軸あるいは2軸押出機で溶融混錬した後、冷却して3〜15mmにペレタイズする方法、あるいはポリプロピレン樹脂とカーボンブラックを規定量計量ブレンドしたものを2軸押出機のホッパーに投入し、3〜15mmにカットしたPAN系炭素繊維束あるいはロービングを押出機の途中からサイドフィードする方法でも良い。また、ポリプロピレン樹脂とPAN系炭素繊維を溶融混錬して得られた強化ポリプロピレン樹脂とポリプロピレン樹脂にあらかじめ中実カーボンブラックを練り込んだカーボンブラックマスターバッチをブレンドしたものでも良い。
好ましくは、PAN系炭素繊維のロービングを(a)ポリプロピレン樹脂と(c)中実カーボンブラックを溶融混錬した樹脂組成物で満たした含浸ダイに導き、フィラメント間に該樹脂組成物を均一に含浸させた後ノズルを通して引き抜き、冷却固化後所定の長さにペレタイズして樹脂組組成物を得る方法である。
更に好ましくは、クロスヘッドダイを用いて(b)PAN系炭素繊維ロービングに(a)ポリプロピレン樹脂と(c)中実カーボンブラックを溶融混錬した樹脂組成物を含浸被覆した後、冷却固化して所定の長さにペレタイズして樹脂組成物を得る方法である。
樹脂組組成物のペレット形状は特に制限はないが、通常3〜15mmの範囲である。ペレット長が短すぎると、繊維が短くなり強度、衝撃、導電性が低下する恐れがあり、ペレット長が長すぎると成形機での噛み込み不良を生じる場合がある。ペレット長は3〜12mmが好ましく、6〜10mmが更に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で炭素繊維以外の充填材を配合して使用することも可能である。かかる充填材の具体例としてはガラス繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、ワラステナイトウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材、あるいはタルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、およびシリカなどの非繊維状充填材が用いられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これらの充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用してもよい。
また用途に応じ各種添加剤、例えば分散剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、結晶化促進剤、発泡剤、着色剤、架橋剤、抗菌剤、など公知の添加剤を使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、公知の方法により成形し、各種用途に用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、軽量性と機械強度特性および通電時の電気抵抗値の安定性がバランスして優れることから、アースが必要な電気機器部品やヒーター部品、電気端子が接触する可能性のある部品などに適用でき、携帯用電気・電子機器部品や自動車の電機機器部品としての使用に特に適している。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。材料特性評価については下記の方法に従って行った。
[引張破断強さ]
射出成形(日本製鋼所社製J110AD、シリンダー温度230℃、金型温度60℃)により、ISO型試験片(4mmt)を得た。得られた試験片をインストロン社製5581型試験にてISO527に準拠して引張試験を実施し、引張破断強さ(MPa)を得た。
[曲げ弾性率]
前記方法にて作成したISO型試験片の平行部を切り出し、インストロン社製5566型試験にてISO178に準拠して曲げ試験を実施し、曲げ弾性率(GPa)を得た。
[シャルピー衝撃試験]
前記方法にて作成したISO型試験片の平行部を切り出し、東京試験機社製C1−4−01型試験機を用い、ISO179に準拠してVノッチ付きシャルピー衝撃試験を実施し衝撃値(kJ/cm)を算出した。
[繊維長分布]
前記方法にて作成した射出成形用樹脂組組成物のペレットを0.8g、500℃で2時間灰化処理して、成形品中の炭素繊維を取り出した。取り出した炭素繊維を3リッターの水とともにビーカーに入れ、超音波洗浄機を用い炭素繊維を水に均一分散させた。先端8Φのスポイトで炭素繊維が均一分散した水溶液を1cc吸い取り、10×10mmの窪みを持つシャーレにサンプリンリングした後乾燥させた。シャーレ中の炭素繊維の写真を撮り、約1000本の長さを計測して平均繊維長を算出した。計算式は下記の通り。
重量平均繊維長=Σ(Mi×Ni)/Σ(Mi×Ni)
Mi:繊維長(mm)
Ni:個数。
[初期電気抵抗値]
射出成形(日本製鋼所社製J110AD、シリンダー温度230℃、金型温度60℃)により、縦80mm、横80mm、厚さ3mmの角板を作成した。得られた角板の両端10mmを帯ノコで切断し、切断面を荒さ400番のサンドペーパーで平滑化し、電気抵抗測定用試験片を得た。
得られた試験片を図1に示す4端子法で試験片の電気抵抗値を測定した。
[電気抵抗変動性]
前記方法にて作成した角板を図2に示す電気回路で印加試験を実施した。電圧10Vの電圧を付加させ、流れた電流値が2倍となるまでの時間を計測した。
時間が1分未満を×、1分〜5分未満を△、5分〜30分未満を○、30分以上◎とランク付けして評価した。
[実施例1]
まず構成要素(b)である連続したPAN系炭素繊維束を200℃に過熱しながら開繊させ、溶融させたフェノール系樹脂をギアポンプにて計量し、カーテンコーターにて塗布した。次いで、フェノール系樹脂の溶融温度より50℃高い温度に加熱した雰囲気中の複数のスクイーズバーを通過させることによりフェノール系樹脂を炭素繊維束中に十分含浸させ、連続した炭素繊維束とフェノール系樹脂との複合体を得た(含浸工程)
次に構成要素(a−1)と(a−2)と(c)を72:13:1の比率でブレンドし、押出機のホッパーに投入し、溶融混錬した状態で被覆ダイに押出すと同時に、前記の被覆した複合体を前記被覆ダイ中に連続して供給することにより、構成要素(a−1)と(a−2)と(c)からなる樹脂組成物を前記の複合体に被覆し、押出機の吐出量と複合体の供給量を調整しCF含有量が15wt%の連続繊維強化樹脂ストランドを得た(コーティング工程)。
その後、前記連続繊維強化樹脂組ストランドを100℃以下まで冷却・固化させ、カッターを用いて6.0mm長に切断して芯鞘型の長繊維ペレットを得た。
本ペレットの評価結果は表1に示す通り、機械特性と電気抵抗値のバランスに優れるものであった。
[実施例2〜4、7〜11および比較例1〜3]
押出機のホッパーに投入する構成要素(a−1)と(a−2)と(c)および、被覆ダイに供給する複合体量を表1、表2に示す比率とした以外は実施例1と同等とした。
本ペレットの評価結果を表1、表2に示す。
本実施例は比較例1〜6に比べ機械特性と電気抵抗値のバランスに優れるものであった。
[実施例5、6]
実施例1で得られた前記連続繊維強化樹脂組ストランドを100℃以下まで冷却・固化させ、カッターを用いて表1に示すペレット長とした以外は実施例1同等とした。
本ペレットの評価結果は表1に示す通り、機械特性と電気抵抗値のバランスに優れるものであった。
[比較例5]
構成要素(a−1)と(a−2)と(c)を68:12:1の比率でブレンドし2軸押出機のホッパーに投入し、構成要素(b)の連続繊維を押出機のサイドから(a−1)と(a−2)100に対し20wt%となる量を供給し、230℃で溶融混錬した後ガット状に押出し、冷却・固化させ、カッターを用いて3.0mm長に切断して短繊維ペレットを得た。
本ペレットの結果を表2に示すが、機械特性が低く、電気抵抗値が高くバランスの悪いものであった。
[比較例6]
まず構成要素(b)である連続したピッチ系炭素繊維束を用い、連続した炭素繊維束とフェノール系樹脂との複合体を得た以外は実施例2と同様とした。
本ペレットの評価結果を表2に示すが、電気抵抗値は優れるものの、衝撃値が低くバランスの悪いものであった。
本実施例および比較例に用いた(a)ポリプロピレン樹脂は以下の通りである。
(a−1−1):ホモポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製“プライムポリプロ”J137
(a−1−2):ブロックプロピレン樹脂(プライムポリマー社製“プライムポリプロ”J707G
(a−2):変性ポリプロピレン樹脂(三井化学社製“アドマー”QE800)。
同様に、(b)炭素繊維は以下の通りである。
(b):直径7μ、PAN系炭素繊維(東レ社製“トレカ”T700S)。
同様に、(c)カーボンブラックは以下の通りである。
(c−1): ファーネスブッラク(三菱化学社製“三菱カーボンブッラク”MA100)
(c−2):中空導電性カーボン(ライオン社製“ケッチェンブッラク”EC600JD)。
同様に、(d)分散剤は以下の通りである。
(d−1):軟化点125℃のフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製“クリアロンP”125)。
同様に、(e)酸化防止剤は以下の化合物を用いた。
(e−1):ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](東レ・ファインケミカル製TTHP)。
(e−2):ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト−ル−ジ−ホスファイト(旭電化製アデカスタブPEP−36)。
Figure 2012036247
Figure 2012036247
1.試験片
2.電極
3.電流計
4.電圧計
5.スライダック
6.電源

Claims (4)

  1. (a)ポリプロピレン樹脂と(b)PAN系炭素繊維の合計を100重量部として(a)ポリプロピレン樹脂組成物60〜85重量部、(b)PAN系炭素繊維15〜40重量部、(c)中実のカーボンブラック0.1〜5.0重量部を配合してなり、電気抵抗値が0.01〜100Ω・cmである樹脂組成物。
  2. 前記(a)ポリプロピレン樹脂が(a−1)未変性のポリオレフィン樹脂と(a−2)変性されたポリプロピレンのブレンドであり、その比率がポリプロピレン樹脂を100重量部として(a−1)未変性のポリオレフィン樹脂が92〜70重量部、(a−2)変性されたポリプロピレンが8〜30重量部あることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(b)PAN炭素繊維の直径が1〜20μm、樹脂組成物(ペレット)中の重量平均繊維長が0.5mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 前記(c)中実のカーボンブラックが、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、およびチャネルブラックから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
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