JP4160138B2 - 熱可塑性樹脂成形品、および成形品用材料、成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品、および成形品用材料、成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性を有し、しかも耐熱性、機械的諸物性のいずれにも優れたガラス長繊維強化導電性樹脂成形品、当該成形品の製造に用いるガラス長繊維強化導電性樹脂成形品用材料およびガラス長繊維強化導電性樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
本発明のガラス長繊維強化導電性樹脂成形品は、特に、静電気散逸材や電磁波シールド材として好ましく用いられる。
【0003】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は導電性材料との複合化により、導電性が付与され、静電気散逸用途、電磁波遮蔽用途などに幅広く利用されている。
導電性材料を含有する熱可塑性樹脂は、射出成形法、射出圧縮成形法などによって、様々な形状に成形可能であり、しかも安価な成形加工費用で大量生産できるため、静電気散逸用途、電磁波遮蔽用途に使用されている金属加工品、または導電塗料塗布材料や金属めっき品などの表面導電性加工品に比べ、コスト的に安価であり、工業的価値が高い。
【0004】
しかしその反面、導電性材料を含有する熱可塑性樹脂を用いた成形品は、機械的強度が不十分であり、検討の余地が残されていた。
このため、従来は、ガラス繊維など繊維状の補強材添加による、強度向上の検討が行われている。
強度向上には、成形品中の繊維長の影響が顕著であり、成形品用材料として、例えば1mm以上の長繊維を使用しても、成形加工工程中に繊維が折損を受け、大部分の長繊維は0.2 mm以下になってしまい、顕著な補強効果は見られなかった。
【0005】
以下に、具体例を、従来技術に基づき説明する。
特開昭63−90564 号公報においては、熱可塑性樹脂、ステンレス繊維、ガラス繊維からなる樹脂組成物が提案されている。
上記技術においては、繊維直径5〜50μm、アスペクト比50〜500 のガラス繊維が使用されており、換算すると、該ガラス繊維のガラス繊維長は0.25〜25mmに相当する。
【0006】
しかし、このような繊維長のガラス繊維を使用しても、上記の組成物を押出機により溶融混練し、射出成形用のペレットを得たのでは、溶融混練工程時にガラス繊維が折損し、短化してしまう。
特開昭59−23595 号公報、特公昭62−36069 号公報、特開昭60−88064 号公報、特公平4−68348 号公報、特開昭63−132959号公報、特公平5−55961 号公報においても、ガラス繊維が添加された導電性樹脂組成物が開示されているが、これらは2軸あるいは1軸の押出機により溶融混練され、ペレット化されており、ガラス繊維は短化してしまう。
【0007】
このように、従来技術では、樹脂成形品中での均一分散性を考慮して、導電性材料、熱可塑性樹脂およびガラス繊維を押出機により溶融混練し、ペレット化しているため、ガラス繊維は短化し、機械的強度は不十分であった。
また、特開昭63−90564 号公報においては、収束剤で収束されたガラス繊維束をペレット化し、そのまま射出成形に供する方法が開示されている。
【0008】
特開昭60−18315 号公報には、繊維状導電性材料と無機繊維(ガラス繊維)を束ねた表面に樹脂層を形成させたペレット状導電性成形用材料が開示されている。
しかし、ガラス繊維束の表面のみを、収束剤あるいは熱可塑性樹脂でコーティングした成形品用材料は、ガラス繊維束内に樹脂が含浸されていないため、これを射出成形した場合、溶融混練時に、ガラス繊維同士の擦れ合いや未溶融樹脂、スクリューなどによる剪断のため、ガラス繊維は短化してしまう。
【0009】
以上のように、従来技術では、強度向上のために添加したガラス繊維が成形加工時に短化してしまい、得られる成形品の強度が不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、機械的強度に優れ、導電性を有する熱可塑性樹脂成形品、該成形品を得るのに適した成形品用材料および前記成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、成形品中のガラス繊維を長繊維化することによって、ガラス繊維と導電性材料を含有する熱可塑性樹脂成形品の高強度化を達成できると考え、鋭意検討した。
成形加工工程中におけるガラス繊維の折損をできるだけ抑制し、成形品中のガラス繊維長を長くするためには、成形加工装置や成形加工条件の検討が考えられる。
【0012】
例えば、射出成形法の場合、スクリューのデザインを変え、深溝タイプとすると共に圧縮比を下げるといった成形加工装置の工夫が挙げられる。
また、ガラス繊維長を長く保つ成形加工条件として、スクリュー回転数を落とし、剪断力を下げる方法、背圧を下げる方法などが挙げられる。
このような方法を組み合わせると、繊維長は長く保持される方向に向かうが、その反面、ガラス繊維と導電性材料の均一分散性が低下し、成形品の強度、導電性が不均一になる。
【0013】
このため本発明者は、材料、特にガラス繊維含有ペレットの樹脂含浸に着目した。
前記したように、従来技術においては、ガラス繊維束を収束剤や熱可塑性樹脂でコーティングしたものが用いられている。
しかし、上記したペレットは、基本的に、ガラス繊維束内に樹脂が含浸されておらず、加工成形時に、ガラス同士が擦れ合い、短化する。
【0014】
本発明者は、ガラス繊維束内に十分に樹脂が含浸した、すなわちガラス繊維が十分に樹脂で濡れたガラス繊維を含有する樹脂ペレットを用いることによって、ガラス繊維が長い繊維長を有した状態で、成形品中に残存し、導電性材料を含有する熱可塑性樹脂成形品の高強度化が達成可能であることを見い出した。
これは、ガラス繊維束内に樹脂を含浸することによって、▲1▼溶融混練時におけるガラス同士の擦れ合いを低減できること、▲2▼剪断力が働いた場合、ガラス繊維間に存在する樹脂がずれて、剪断エネルギーを吸収することによって、ガラス繊維の折損が抑制されるためと考えられる。
【0015】
また、上記した本発明に係わる樹脂ペレットから得られた成形品について鋭意分析したところ、成形品中のガラス繊維のうち、残存繊維長として0.4mm 以上の繊維が強度に対する寄与が大きく、0.4mm 以上のガラス繊維を、成形品中に5〜60重量%存在せしめることで、強度特性に優れた成形品が得られることが分かった。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
第1の発明は、ガラス繊維と導電性材料と熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂成形品であって、該成形品中に、長さ0.4mm 以上のガラス繊維を5〜60重量%、ガラス繊維を合計量で5〜75重量%、導電性材料を3〜60重量%含有することを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品である。
【0017】
前記した第1の発明においては、前記導電性材料が、カーボンブラック、炭素繊維、ステンレス繊維、銅繊維および黄銅繊維の内から選ばれる一種以上であることが好ましい。
また、前記した第1の発明においては、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびABS系樹脂の内から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【0018】
さらに、前記した第1の発明においては、前記ガラス繊維がカップリング剤で処理されていることが好ましい。
第2の発明は、ガラス繊維束および導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットを含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有量が3〜60重量%であることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0019】
第3の発明は、ガラス繊維束および導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットと、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有量が3〜60重量%であることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0020】
第4の発明は、ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペレットと、導電性材料を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有量が3〜60重量%であることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0021】
第5の発明は、ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペレットと、導電性材料と、熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有量が3〜60重量%であることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0022】
前記した第2の発明〜第5の発明においては、前記熱可塑性樹脂ペレットの平均長さが1〜150mm であり、該ペレット中のガラス繊維がペレットの長さ方向に整列し、かつ、ガラス繊維が該ペレットと実質的に同一長さを有することが好ましい。
第6の発明は、導電性材料を含有するガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットであることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0023】
第7の発明は、導電性材料を含有するガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットであることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0024】
第8の発明は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、導電性材料を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットであることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0025】
第9の発明は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットを含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットであることを特徴とする熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0026】
第10の発明は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、導電性材料と、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットであることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0027】
前記した第2の発明〜第10の発明においては、前記導電性材料が、カーボンブラック、炭素繊維、ステンレス繊維、銅繊維および黄銅繊維の内から選ばれる一種以上であることが好ましい。
また、前記した第2の発明〜第10の発明においては、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびABS系樹脂の内から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【0028】
また、前記した第2の発明〜第10の発明においては、前記ガラス繊維束が、カップリング剤で処理されたガラス繊維束であることが好ましい。
第11の発明は、前記した第2の発明〜第10の発明の内、少なくともいずれかの発明のガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料を成形することを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品の製造方法である。
【0029】
前記した第11の発明においては、前記熱可塑性樹脂成形品用材料の成形法として射出成形法を用いることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者は、前記した従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも、ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂が含浸されたガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、導電性カーボンブラック、導電性繊維などの導電性材料を含む成形品用材料を用い、成形品中の0.4mm 以上のガラス繊維の含有量が特定の範囲となるように成形することによって、導電性を有し、かつ、耐熱性、および、耐衝撃性、引張強度、引張弾性率、曲げ強度および曲げ弾性率などの機械的諸物性のいずれにも優れた繊維強化熱可塑性樹脂成形品が得られることを見出した。
【0031】
本発明のガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品は、最終的な熱可塑性樹脂成形品中に、繊維長が0.4mm 以上のガラス長繊維と、導電性材料が特定量含有されていればよく、いかなる製造方法、成形方法を用いても良い。
しかしながら、成形品の特性の均一性、経済性の観点からは、以下のような方法で製造するのが好ましい。
【0032】
すなわち、ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂が含浸され、かつ導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットを成形品用材料として、低圧射出成形、射出圧縮成形などの射出成形法により成形し、成形品を得ることが好ましい。
また、ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂が含浸された熱可塑性樹脂ペレットと、導電性材料を含有した熱可塑性樹脂ペレットをそれぞれ製造し、両ペレットを混合した成形品用材料を、低圧射出成形、射出圧縮成形などの射出成形法により成形し、成形品を得ることが好ましい。
【0033】
以下、本発明の成形品用材料、成形品、およびそれらの原料、製造方法について述べる。
(ガラス繊維:)
本発明で用いるガラス繊維の種類は、一般的に用いられるガラス繊維でよい。例えば、E−ガラス、AR−ガラス、T−ガラス、D−ガラスやS−ガラス、C−ガラス、R−ガラスなどが例示される。
【0034】
本発明に用いるガラス繊維の形態としては、引抜き法で使用可能な連続したガラス繊維束が好ましく、例えば、数千〜数万本のガラスフィラメントを集めた束をコイル状に巻き取った、所謂ガラスロービングが例示される。
ガラス繊維の直径は、5〜35μmのものが適している。
ガラス繊維の直径が5μm未満の場合、同一ガラス含有量にする場合、相対的にガラス繊維数が増加するため樹脂のガラス繊維束への含浸が困難となり、逆に35μmを超えると成形品の表面外観が著しく悪化する。
【0035】
最適なガラス繊維の直径は9〜20μmである。
なお、ガラス繊維の断面形状が円形でない場合は、その断面積と等しい面積の円の直径である面積相当直径が好ましくは5〜35μm、さらには面積相当直径が9〜20μmのガラス繊維を用いることが好ましい。
本発明に用いるガラス繊維は、カップリング剤を含む表面処理剤で表面処理されていると好ましい。
【0036】
ガラス繊維をカップリング剤で表面処理すると、ガラス繊維束中への樹脂の含浸が良好になり、さらにはガラス繊維と樹脂との接着が良好になり、成形品の強度も向上する。
カップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、アミドシラン、アジドシラン、アクリルシランのようなシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの混合物が利用できる。
【0037】
これらのうち、アミノシランとエポキシシランが好ましく、特にアミノシランカップリング剤が好ましい。
表面処理剤にはカップリング剤以外に、界面活性剤、帯電防止剤などが含まれていてもよい。
(導電性材料:)
導電性材料としては、好ましくは、カーボンブラック、炭素繊維、ステンレス繊維、黄銅繊維、銅繊維などが例示される。
【0038】
これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラックなどが例示される。
ファーネスブラック、アセチレンブラックなどの導電性カーボンブラックは、100 〜102 Ωcm程度の高い体積抵抗率を有し、導電性材料としてこれらを用いた本発明の成形品はICチップトレーの用途に用いた場合、静電気散逸の面で優れた性能を発揮する。
【0039】
ファーネスブラックは原油をファーネス式不完全燃焼法により燃焼することにより製造され、例えばバルカンXC−72、ケッチェンブラックEC(いずれも商品名)などを用いることができる。
本発明においては、カーボンブラックを、本発明の成形品用材料、成形品中に3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜25重量%含有せしめることにより、良好な導電性を有する成形品を得ることができる。
【0040】
炭素繊維は、PAN系、ピッチ系の2種類に大別されるが、いずれも導電性に優れ、10-4〜10-3Ω・cmの体積抵抗率を有する。
本発明にはいかなる炭素繊維も利用することができ、黒鉛化炭素繊維も好ましく用いられる。
また、ニッケルなど金属をメッキした炭素繊維も使用でき、これは上記のPAN系、ピッチ系の炭素繊維にメッキ処理を行うことにより得られる。
【0041】
ニッケルをメッキした炭素繊維は体積抵抗率が小さいため、電磁波シールド性向け用途として有用である。
ステンレス繊維、黄銅繊維、銅繊維は、引抜き法やビビリ法により製造される。
炭素繊維、ステンレス繊維、銅繊維、黄銅繊維、ニッケルなど金属をメッキした炭素繊維などの導電性繊維を含有した樹脂複合材は、これら導電性材料の少量の添加で非常に高い導電性を付与することが可能であることから、電磁波シールド材料としての低電気抵抗樹脂複合材に欠かせない導電性材料である。
【0042】
上記した繊維状の導電性材料は、成形品中での均一な分散を達成するため、予め樹脂と複合化させたペレットとして用いることが好ましい。
炭素繊維、ステンレス繊維、銅繊維、黄銅繊維、ニッケルなど金属をメッキした炭素繊維などの導電性繊維の含有率は、本発明の成形品用材料、成形品において、3〜60重量%、好ましくは3〜50重量%、さらには3〜30重量%であることがより好ましい。
【0043】
電磁波シールド性(EMIシールド性)を得るためには、上記成形品において、ステンレス繊維の場合、含有率を7重量%以上、炭素繊維の場合、含有率を10重量%以上とすることがより好ましい。
また、ビビリ法により得られた金属繊維の場合には、EMIシールド性を得るためには、上記成形品において、含有率を15重量%以上とすることがより好ましい。
【0044】
(熱可塑性樹脂:)
本発明に用いる熱可塑性樹脂の種類は、特に制限されるものではない。
ただし、ポリオレフィン系樹脂やシンジオタクチックポリスチレン、6−ナイロン、6、6−ナイロンなどのポリアミド樹脂など結晶性樹脂を用いた場合、長繊維との複合化により、加重たわみ温度(HDT)に代表される熱的特性が向上するため、有利である。
【0045】
特に、ポリオレフィン系樹脂は、安価であり、リサイクルなどの観点から工業的、経済的にも優れているため、特に好ましい。
以下、ポリオレフィン系樹脂について詳細に記載する。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチルペンテンなどの単独重合体が例示され、さらにはこれらのモノマーと酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、無水マレイン酸などの極性モノマーとのランダム、交互、ブロック、またはグラフト共重合体も含まれる。
【0046】
また、これらの重合体にエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴムなどの合成ゴムを50重量%未満添加した組成物も含まれる。
具体的には、高圧法エチレン単独重合体、高圧法エチレン−プロピレン共重合体、低圧法エチレン単独重合体、低圧法エチレン−プロピレン共重合体、低圧法エチレン−1−ブテン共重合体、低圧法エチレン−1−ヘキセン共重合体、中圧法エチレン共重合体、高圧法エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−エチレンのランダムまたはブロック共重合体などが例示される。
【0047】
また、上記したポリオレフィン系樹脂の中でも結晶性プロピレン系重合体、特にポリプロピレンが好ましい。
ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体のほか、プロピレンを主体としてエチレン成分を含む共重合体、例えばプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレンとエチレン−プロピレンゴムとのブロック共重合体などであってもよい。
【0048】
また、本発明においては、熱可塑性樹脂として、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリサルフォン(PSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの非結晶性樹脂を用いた場合でも、ガラス長繊維との複合化をはかることにより、衝撃強度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率などの機械的強度が向上する。
【0049】
特にアイゾット衝撃強度などについては大幅に向上するため、ハウジングや電子回路の筺体など耐衝撃性の要求される用途に好ましく用いることができる。
(ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペレット、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット:)
本発明に用いるガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペレット(:第2の発明〜第5の発明)もしくはガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(:第6の発明〜第10の発明)は、ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂が含浸され、かつガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上であればいかなる方法で製造してもよい。
【0050】
ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂を含浸した後、所望の長さに切断することによって本発明に係わるペレットが得られる。
熱可塑性樹脂をガラス繊維束に含浸する方法としては、例えば、▲1▼熱可塑性樹脂のエマルジョンをガラス繊維束に含浸し、被覆付着後、乾燥させる方法、▲2▼熱可塑性樹脂の粉末懸濁液をガラス繊維束に付着させ、乾燥後加熱溶融含浸させる方法、▲3▼ガラス繊維束を帯電させて、熱可塑性樹脂粉末を付着させた後、加熱溶融含浸させる方法、▲4▼溶媒に溶解した熱可塑性樹脂をガラス繊維束に含浸後、溶媒を除去する方法、▲5▼熱可塑性樹脂の連続繊維とガラスの連続繊維の混合繊維を加熱し、溶融した樹脂をガラス繊維束に含浸させる方法、および▲6▼加熱溶融した熱可塑性樹脂をバー、ロール、ダイス上でガラス繊維束を開繊させながら含浸させる方法などのいずれの方法でもよい。
【0051】
本発明においては、これらの方法の内、装置およびプロセスの簡便さから、加熱溶融した熱可塑性樹脂をバー、ロール、ダイス上でガラス繊維束を開繊させながら含浸させる方法(引き抜き法)が好ましい。
また、樹脂含浸時に、導電性材料や酸化防止剤、耐光安定剤、難燃剤などの添加剤や、マイカ、タルク、チタン酸ウイスカー、ウオラストナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズなどの補強材を添加してもよい。
【0052】
これらの添加方法は、特には制限されないが、例えば樹脂と上記各種添加剤とを混合、溶融させ、バー、ロール、ダイス上でガラス繊維束中に含浸させる方法(引き抜き法)などが例示される。
樹脂を含浸したガラス繊維束は、乾燥または冷却し、所望の長さに切断する。切断後のペレットの長さは、繊維方向の平均長さで1〜150mm であることが好ましく、より好ましくは2〜150mm 、さらに好ましくは2〜100mm 、さらに好ましくは6〜15mmである。
【0053】
ここで重要なことは、ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長を1mm以上とすることである。
ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm未満の場合、得られる成形品中の長さが0.4mm 以上のガラス繊維の量が少なくなり、機械的強度が不十分となる。
【0054】
このため、繊維方向のペレットの平均長さは1mm以上必要である。
また、逆に、ペレットの平均長さが150mm を超えると、成形機のホッパ内で詰まりが生じやすい。
なお、本発明における上記したペレットの平均長さは、ペレットの重量平均長さで定義される。
【0055】
さらに、上記したガラス長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットとしては、当該繊維強化熱可塑性樹脂ペレット中において、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さでかつ繊維がペレットの長さ方向に整列するのが好ましい。
本発明においては、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、さらに好ましくは30〜70重量%であるガラス長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを用いることが好ましい。
【0056】
(成形品用材料:)
本発明の成形品用材料は、下記構成とすることが好ましい。
(1) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット中に導電性材料を含有させたもの。
(2) (a) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット中に導電性材料を含有させたものと、(b) 熱可塑性樹脂とを混合したもの。
【0057】
なお、この場合、上記(a) と(b) を均一に混合するため、上記(b) としてはペレット状のものを用いることが好ましい。
(3) (a) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレットと、(b) 導電性材料とを混合したもの。
(4) (a) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレットと、(b) 導電性材料と、(c) 熱可塑性樹脂とを混合したもの。
【0058】
なお、上記(4) の場合、導電性材料を均一に混合するために、予め、導電性材料と熱可塑性樹脂を押出機あるいはニーダーなどの混練機を用いて混合し、成形して製造した導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレット(d) を前記した(b) 導電性材料として用いるのが好ましい。
上記した(1) 〜(4) の成形品用材料中の全ガラス繊維の含有量は、好ましくは、成形品用材料中において5〜75重量%、さらに好ましくは成形品用材料中において10〜60重量%である。
【0059】
ガラス繊維の含有量が5重量%未満の場合、成形品の強度が十分ではなく、逆に75重量%を超えると、成形が困難となり、さらには得られた成形品の外観も不良になる。
前記した(1) 〜(4) の成形品用材料中の導電性材料の含有量は、好ましくは、成形品用材料中において3〜60重量%、さらに好ましくは成形品用材料中において5〜50重量%である。
【0060】
導電性材料の含有量が3重量%未満の場合、得られる成形品の導電性が不十分で電磁波シールド材料などの用途に用いることができず、逆に導電性材料の含有量が60重量%を超えると、成形が困難になる。
なお、前記した(2) の成形品用材料における(a) ガラス長繊維で強化され導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットと(b) 熱可塑性樹脂の好ましい配合割合は、(a) ガラス長繊維で強化され導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレット100 重量部に対して、(b) 熱可塑性樹脂3〜300 重量部である。
【0061】
また、前記した(3) の成形品用材料における(a) ガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレットと(b) 導電性材料の好ましい配合割合は、(a) ガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット100 重量部に対して、(b) 導電性材料3〜150 重量部である。
また、前記した(4) の成形品用材料における(a) ガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレットと(b) 導電性材料と(c) 熱可塑性樹脂の好ましい配合割合は、(a) ガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット100 重量部に対して、(b) 導電性材料3〜150 重量部、(c) 熱可塑性樹脂1〜100 重量部である。
【0062】
さらに前記した(4) において、導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレット(d) を用いた場合、好ましい配合割合は、(a) ガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット100 重量部に対して、(d) 導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレット5〜300 重量部である。
本発明の成形品用材料中には、先に述べた酸化防止剤、耐光安定剤、難燃剤などの添加剤や、マイカ、タルク、チタン酸ウイスカー、ウオラストナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズなどの補強材が含まれていてもよい。
【0063】
(成形方法:)
本発明における成形方法としては、射出成形、ブロー成形、押出し成形など、樹脂を成形するいかなる方法も使用することができるが、ガラス繊維の切断を防止するために射出成形法を用いることが好ましく、射出圧縮成形法、低圧射出成形法が、射出時のガラス繊維の切断が少ないため適している。
【0064】
すなわち、本発明の成形品用材料を成形機に供給し、成形機内で溶融混練する。
本発明の成形品用材料を用いて成形すると、▲1▼成形品中のガラス繊維と導電性材料の配合率を所望の範囲に調整することが容易となり、▲2▼ガラス繊維が破断し難く、成形品中のガラス繊維が長くなり、強度が大きな成形品が得られ、さらには、▲3▼成形品中のガラス繊維および導電性材料の分散が均一となり、強度、導電性においてさらに優れた特性が得られる。
【0065】
(成形品:)
本発明の成形品は、成形品中に導電性材料を3〜60重量%含有する。
導電性材料の含有量が3重量%未満の場合、導電性が不十分で、電磁波シールド材料などの用途に用いることができず、逆に導電性材料の含有量が60重量%を超えると、成形品表面への導電性材料の浮き出しが多くなり、外観不良になる。
【0066】
本発明の成形品中の全ガラス繊維の含有率は、5〜75重量%である。
全ガラス繊維の含有率が5重量%未満の場合、機械的強度や耐熱性の向上が少なく、ガラス長繊維による優れた効果が得られない。
逆に、75重量%超えの場合は、溶融時の流動性が低く、成形加工が困難なうえ、成形品の外観が不良になる。
【0067】
特に本発明で重要なことは、繊維長が0.4mm 以上のガラス繊維を、成形品中に5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%残存させることである。
繊維長が0.4mm 未満のガラス繊維は、長繊維としての補強効果が少ない。
また、成形品中の0.4mm 以上のガラス繊維の含有量が5重量%未満の場合、補強効果が少なく、逆に60重量%を超えると成形加工が困難なうえ、成形品の外観が不良になる。
【0068】
次に、本発明の成形品の好適な用途について述べるが、本発明の成形品の用途は下記の例に限定されるものではない。
本発明の成形品は、その表面抵抗率により帯電防止材用、静電気散逸材用、電磁波シールド材用に分けられる。
帯電防止材用は表面抵抗率が1×109 〜1×1013Ω/cm2であり、静電気散逸材用は表面抵抗率が1×102 〜1×109 Ω/cm2であり、電磁波シールド材用は表面抵抗率が1×10-3〜1×102 Ω/cm2である。
【0069】
表面抵抗率は、カーボンブラック、炭素繊維、ニッケルメッキなど金属メッキされた炭素繊維、ステンレス繊維、黄銅繊維、銅繊維などを単独または2種以上を添加することにより、調整できる。
さらに本発明の成形品の用途を具体的に説明する。
導電性材料としてカーボンブラックを用いた本発明の樹脂複合材は、静電気散逸性を有する材料として有用である。
【0070】
静電気散逸性を有する成形品の用途としては、ICチップトレイが例示される。
ICチップトレイは、従来、導電性カーボンブラックを含有したポリスチレン、ポリプロピレンなどが用いられていた。
しかし、ポリプロピレンの場合、ガラス短繊維やマイカ、各種ミネラルを配合しても、耐熱性の指標である熱変形温度(HDT)は、後述の比較例に示すように、高々104 〜110 ℃であり、高温での使用が困難であった。
【0071】
また、要求されるHDTが150 ℃付近のICチップトレイ材としては、従来、ベース樹脂として、耐熱性を有する変性PPO(ポリフェニレンオキシド)、PSU(ポリサルフォン)、PCアロイ(ポリカーボネートのアロイ)など、高価な樹脂が使用されている。
本発明に係わるカーボンブラック含有ガラス長繊維ポリプロピレンの成形品は、ガラス長繊維により高度に樹脂複合材が補強されるため、そのHDTは150 ℃以上を示す。
【0072】
したがって、カーボンブラック含有ガラス長繊維ポリプロピレンの成形品は耐熱性ICチップトレイに使用でき、上記の高価な樹脂を用いた場合に比べ、コストダウンを図れ、工業的、経済的な意味は大きい。
また、携帯電話、パソコンの急速な普及に伴い、電磁波からの遮蔽、電磁波の漏洩防止などの電磁波シールド性(EMIシールド性)に関する注目は、益々高まっている。
【0073】
電磁波障害を無くすためには、電磁波を発生させる機器類の筺体をEMIシールド材とし、また、外部からの電磁波により誤動作する場合には電磁波を遮断するために筺体やハウジングをEMIシールド材とすることが要求される。
この場合、従来品であるステンレスファイバーなど金属繊維のみが添加された樹脂複合材は、強度が不足する上、耐衝撃性が極端に低いため、EMIシールド用のハウジングの要求特性に応えるためには、不十分である。
【0074】
これに対して、本発明に係わる炭素繊維、ニッケルメッキなど金属メッキされた炭素繊維、ステンレス繊維、黄銅繊維、銅繊維などを含有したガラス長繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、150 ℃以上の熱変形温度を有し、さらには、ガラス長繊維で補強されているため、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、耐衝撃性のいずれにも優れている。
【0075】
さらに、上記した本発明の成形品は、EMIシールド性を有することから、EMIシールド用のハウジングや筺体など強度を要求される部材にも好ましく適用できる。
【0076】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
本実施例、比較例では、ガラス長繊維を含有した熱可塑性樹脂ペレット(以下LGFと記す)、ガラス繊維(:ガラス長繊維)と導電性材料を含有した熱可塑性樹脂ペレット(以下LDGFと記す)、ガラス短繊維を含有した熱可塑性樹脂ペレット(以下SGFと記す)、および導電性材料を含有した熱可塑性樹脂ペレット(以下DPと記す)の4種類のペレットを、それぞれ下記の方法で製造し、それらのペレットを混合して用いるかまたは単独で用いた熱可塑性樹脂成形品用材料を、射出成形により成形し、試験片を得た。
【0077】
〔ガラス長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(LGF)の製造方法:〕
加熱溶融した熱可塑性樹脂をダイス上でガラス繊維束(:ガラス繊維モノフィラメントφ13μmをアミノシランカップリング剤で処理したガラス繊維束)を開繊させながら含浸し、冷却後、切断し、長さが9mmのペレットを得た(引抜き法)。
【0078】
使用した熱可塑性樹脂の種類、得られたペレット中のガラス繊維含有率およびガラス繊維長を表1−1に示す。
得られたペレットを軟X線により観察した結果、ペレット中において、ガラス繊維は相互に平行に整列し、ガラス繊維の長さはペレットと実質的に同じ長さであった。
【0079】
また、ペレットの断面を観察すると、ガラス繊維束中は樹脂で含浸されていた。
〔ガラス繊維(:ガラス長繊維)強化導電性熱可塑性樹脂ペレット(LDGF)の製造方法:〕
溶融混練した熱可塑性樹脂と導電性材料をダイス上でガラス繊維束(:ガラス繊維モノフィラメントφ13μmをアミノシランカップリング剤で処理したガラス繊維束)を開繊させながら含浸し、冷却後、任意の長さに切断しペレットを得た(引抜き法)。
【0080】
使用したポリプロピレンはホモタイプ、メルトフローレイト40g/10min のポリプロピレンで、導電性材料としては、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC)を用いた。
得られたペレットを軟X線により観察した結果、ペレット中において、ガラス繊維は相互に平行に整列し、ガラス繊維の長さはペレットと実質的に同じ長さであった。
【0081】
また、ペレットの断面を観察すると、ガラス繊維束中は樹脂で含浸されていた。
ペレット中の、導電性材料の含有量、ガラス繊維長、含有量を表1−2に示す。
〔ガラス短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(SGF)の製造方法:〕
熱可塑性樹脂ペレットとチョップ状のガラス繊維(ガラス繊維モノフィラメントφ16μm、長さ15mmをアミノシランカップリング剤で処理したチョップ状のガラス繊維)を2軸押し出し機( TEX30X, L/D=42 、日本製鋼(株)社製)を用い溶融混練、押出して、長さが3mmのペレットを得た。
【0082】
使用した熱可塑性樹脂の種類、得られたペレット中のガラス繊維含有率およびガラス繊維長を表1−1に示す。
押出機のシリンダー温度は、使用樹脂がポリプロピレンの場合は210 ℃、ポリスチレンの場合180 ℃、6、6−ナイロンの場合は300 ℃、6−ナイロンの場合250 ℃であった。
【0083】
ポリプロピレンは、ホモタイプ、メルトフローレイト40g/10min のポリプロピレンを用いた。
また、6、6−ナイロンはザイデル101 (商品名、デュポン社製)を用いた。
〔導電性ペレット(DP)の製造方法:〕
熱可塑性樹脂ペレットと導電性材料を2軸押出機( TEX30X, L/D=42 、日本製鋼(株)社製)を用い溶融混練、押出して、長さが3mmのペレットを得た。
【0084】
使用した熱可塑性樹脂および導電性材料の種類、得られたペレット中の導電性材料の含有率を表1−1に示す。
押出機のシリンダー温度は、使用樹脂がポリプロピレンの場合は210 ℃、6、6−ナイロンの場合は300 ℃であった。
ポリプロピレンは、ホモタイプ、メルトフローレイト40g/10min のポリプロピレンを用いた。
【0085】
また、6、6−ナイロンはザイデル101 (商品名、デュポン社製)を用いた。
(実施例1〜16、比較例1〜15:)
前記方法で製造した各種ペレットを、表2−1、表3−1、表4−1、表5−1に示す割合で乾式混合し、射出成形(型締め力50t)を行い、ASTM準拠の引張り、曲げ、アイゾット(ノッチ付)の試験片を得た。
【0086】
なお、本実施例、比較例における熱可塑性樹脂成形品用材料は下記の通りである。
実施例1〜10、実施例14〜16:ガラス長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと導電性ペレットとの混合物。
比較例1〜10、比較例13〜15:ガラス短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと導電性ペレットとの混合物。
【0087】
実施例11〜13、比較例11、12:ガラス繊維強化導電性熱可塑性樹脂ペレットのみ。
射出成形温度は、使用樹脂がポリプロピレンの場合240 ℃、ポリスチレンの場合200 ℃、6−ナイロンの場合250 ℃、6、6−ナイロンの場合280 ℃であり、金型温度はポリプロピレンの場合60℃、ポリスチレンの場合70℃、6−ナイロンと6、6−ナイロンの場合100 ℃とした。
【0088】
機械的強度、熱変形温度、表面抵抗率はASTMに準じて測定した。
またペレット成形品を600 ℃で焼成後、拡大鏡を用いて重量平均ガラス繊維長を測定した。
なお、重量平均ガラス繊維長lw は、lw =Σ(wi ×li )/Σwi 、(wi :ガラス繊維の重量、li :ガラス繊維長)により算出した。
【0089】
得られた性能試験結果を、表2−2、表3−2、表4−2および表5−2に示す。
表2−2、表3−2、表4−2および表5−2に示されるように、本発明の成形品は、導電性を有し、しかも、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値で示される機械的強度のいずれにも優れ、さらには熱変形温度が高く耐熱性に優れていることが分かる。
【0090】
【表1】
Figure 0004160138
【0091】
【表2】
Figure 0004160138
【0092】
【表3】
Figure 0004160138
【0093】
【表4】
Figure 0004160138
【0094】
【表5】
Figure 0004160138
【0095】
【表6】
Figure 0004160138
【0096】
【表7】
Figure 0004160138
【0097】
【表8】
Figure 0004160138
【0098】
【表9】
Figure 0004160138
【0099】
【表10】
Figure 0004160138
【0100】
【発明の効果】
本発明の成形品は、従来品に比べ、機械的強度、耐熱性が優れ、しかも導電性を有する。
このため、本発明の成形品は、機械的強度、耐熱性が必要なハウジングや電子回路の筺体などの電磁波シールド材やICチップトレイなどの用途に最適である。
【0101】
さらに、本発明の成形品用材料、成形品の製造方法によれば、ガラス繊維の切断を防止し、しかも、成形品中のガラス繊維および導電性材料の分散が均一となり、上記した優れた特性を有する成形品を製造することができる。

Claims (10)

  1. ガラス繊維と導電性材料と熱可塑性樹脂とを含有する混合物を射出成形することによる、ガラス繊維と導電性材料と熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂成形品であって、長さ0 . 4mm以上のガラス繊維を5〜60重量%、ガラス繊維を合計量で5〜75重量%、導電性材料を3〜60重量%含有する射出成形品である熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、前記ガラス繊維が、予め、ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂を含浸させたガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(a)の形態で前記混合物中に含まれ、該ペレット(a)中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上であり、かつ該ペレット(a)中のガラス繊維同士が平行に整列していることを特徴とする製造方法。
  2. 前記導電性材料が、カーボンブラック、炭素繊維、ステンレス繊維、銅繊維および黄銅繊維の内から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびABS系樹脂の内から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法
  4. 前記長さ0.4mm以上のガラス繊維の含有量が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法
  5. 前記ペレット(a)の平均長さが1〜150mmであり、該ペレット(a)中のガラス繊維が該ペレット(a)と実質的に同一長さを有する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記ペレット(a)のガラス繊維含有率が10〜90重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記ペレット(a)中の前記ガラス繊維が、カップリング剤で処理されている請求項のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記ペレット(a)が、加熱溶融した熱可塑性樹脂をバー、ロール、ダイス上でガラス繊維束を開繊させながら含浸させる引き抜き法で作製される請求項1のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記射出成形に供される前記混合物が、予め前記導電性材料をさらに含む前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(a)として調製される請求項のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記混合物が、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(a)と前記導電性材料を含む熱可塑性樹脂ペレットとの混合物である請求項のいずれかに記載の製造方法。
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