JP5517050B2 - 架橋樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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該架橋樹脂組成物は、前記架橋樹脂(B)により形成された分散相と、前記その他の樹脂(C)により形成された連続相とを備えるものであり、
前記分散相には前記導電性ナノフィラー(A)が存在し、
前記架橋樹脂組成物全体に対する前記分散相の割合をX(単位:容量%)、および全導電性ナノフィラー(A)に対する前記分散相中に含まれる導電性ナノフィラー(Adsp)の割合をY(単位:容量%)としたとき、Yが20容量%以上であり、Y/Xが1.1以上であることを特徴とするものである。
前記導電性ナノフィラー(A)の存在下で前記架橋樹脂(B)の前駆体を架橋(好ましくは動的架橋)させる架橋工程を含み、
前記架橋工程において、前記導電性ナノフィラー(A)の少なくとも一部と前記架橋樹脂(B)の前駆体の少なくとも一部とを混合し、得られた混合物を混練して前記架橋樹脂(B)の前駆体を架橋させた後、
前記架橋工程において得られた前記導電性ナノフィラー(A)と前記架橋樹脂(B)との混合物と前記その他の樹脂(C)とを混合することによって、前記架橋樹脂(B)からなる分散相と前記その他の樹脂(C)からなる連続相とを形成させ、前記分散相に前記導電性ナノフィラー(A)を存在させることを特徴とするものである。
本発明に用いられる導電性ナノフィラー(A)としては特に制限はないが、例えば、カーボン系ナノフィラー、金属系ナノフィラー、および金属や導電性高分子などで被覆されたナノフィラーなどが好ましい。これらの導電性ナノフィラーは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。このような導電性ナノフィラーのうち、熱伝導性および機械強度の向上という観点から、異方性の導電性ナノフィラーが好ましく、異方性のカーボン系ナノフィラー、異方性の金属系ナノフィラーがより好ましく、異方性のカーボン系ナノフィラーが特に好ましい。
本発明の架橋樹脂組成物において、架橋樹脂(B)とは、少なくとも一部に架橋構造を有する樹脂を意味し、架橋樹脂(B)の前駆体(B1)(以下、「架橋樹脂前駆体(B1)」という)に架橋処理を施して得られるものをいう。このような架橋樹脂前駆体(B1)としては、架橋剤や電子線により架橋構造を形成し得るものであれば特に制限はないが、エラストマーが好ましく、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴム、プロピレン−ブテンゴム、イソプレン−ブチレンゴム、ポリイソブチレン、イソブテン−イソプレンゴム(ブチルゴム)、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ノルボルネンゴム、アクリルゴムといったゴム;シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、スチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレンプロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)といった熱可塑性エラストマー;カルボキシル基変性スチレン−ブタジエンゴム、水酸基変性スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシル基水酸基変性スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシル基末端ブタジエン−ニトリルゴム(CTBN)、水酸基末端ブタジエン−ニトリルゴムといった変性ゴムなどの変性エラストマー;水素化ニトリルゴム、水素化CTBNといった水素化ゴム;水素化シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンといった水素化熱可塑性エラストマーなどがより好ましい。これらのエラストマーは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。このようなエラストマーのうち、架橋性に優れているという観点からゴム(ゴム、変性ゴムおよび水素化ゴム)がより好ましく、EPM、EPDMがさらに好ましく、EPDMが特に好ましい。
架橋樹脂(B)のゲル分率(質量%)=y/x×100
により求められる。
本発明においては、前記架橋樹脂(B)以外にその他の樹脂(以下、「その他の樹脂(C)」という)を使用する。前記その他の樹脂(C)としては、架橋樹脂(B)として使用した樹脂以外の樹脂であって架橋樹脂(B)が分散相を形成するものあれば特に制限はないが、架橋樹脂(B)が分散相を形成しやすいという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性イミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミド、熱硬化性シリコーン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂およびウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−スチレン樹脂といった芳香族ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸、これらの共重合体といったアクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−アクリル酸メチル樹脂といったシアン化ビニル系樹脂、イミド環含有ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、環状ポリオレフィンといったポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体といったエチレン系共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチルテレフタレート、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルアミドなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。このような樹脂は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の架橋樹脂組成物においては相溶化剤(D)を含有させることが好ましい。これにより、熱伝導性および絶縁性をより高水準で兼ね備える架橋樹脂組成物が得られる。このような相溶化剤(D)としては、架橋樹脂(B)により形成される分散相とその他の樹脂(C)により形成される連続相の相溶性が向上する限り特に制限はなく、架橋樹脂(B)およびその他の樹脂(C)のうちの少なくとも一方との親和性および/または反応性を示す公知の相溶化剤が挙げられ、使用する架橋樹脂(B)およびその他の樹脂(C)によって適宜選択される。
本発明の架橋樹脂組成物においては、必要に応じて充填材(E)を含有させてもよい。これにより、得られる架橋樹脂組成物の強度、剛性、耐熱性、熱伝導性などを向上させることができる。このような充填材(E)は繊維状のものであっても粒状などの非繊維状のものであってもよい。その具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、セルロース繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、モンモリロナイトに代表される粘土鉱物、マイカ(雲母)鉱物およびカオリン鉱物に代表される層状ケイ酸塩、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよびドロマイトなどが挙げられる。本発明の架橋樹脂組成物における充填材(E)の含有率としては、充填材の種類によって異なるため一概に規定はできないが、例えば、架橋樹脂組成物全体に対して0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、また、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下が特に好ましい。
本発明の架橋樹脂組成物には、カーボンブラック、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリ(パラフェニレン)、ポリチオフェンおよびポリフェニレンビニレンといった導電性ポリマーなどの導電性物質、および前記導電性物質で被覆されたフィラーなどを含有させることもできる。このような導電性物質および導電性物質で被覆されたフィラーの添加量としては特に制限はないが、絶縁性(体積抵抗率が好ましくは1013Ω・cm以上)を維持できる範囲内であることが好ましい。また、前記導電性物質および前記導電性物質で被覆されたフィラーの分散状態としては特に制限はないが、絶縁性を維持したまま、これらの添加による効果を得るという観点からは、これらの少なくとも一部が架橋樹脂(B)により形成された分散相中に含まれていることが好ましく、これらの添加量の半分以上が架橋樹脂(B)により形成された分散相中に含まれていることがより好ましい。
次に、本発明の架橋樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の架橋樹脂組成物の製造方法は、導電性ナノフィラー(A)の存在下で架橋樹脂前駆体(B1)を架橋させる工程(架橋工程)を含むものである。このような製造方法としては、例えば、前記架橋工程において、導電性ナノフィラー(A)、架橋樹脂前駆体(B1)、その他の樹脂(C)、および必要に応じて、相溶化剤(D)、充填材(E)、その他の添加剤を一括で混合した後、前記架橋樹脂前駆体(B1)に架橋処理を施す方法(以下、「第一の製造方法」という);前記架橋工程において、導電性ナノフィラー(A)と架橋樹脂前駆体(B1)との混合物を予め調製した後、前記架橋樹脂前駆体(B1)に架橋処理を施し、得られた前記導電性ナノフィラー(A)と前記架橋樹脂(B)との混合物と残りの成分(その他の樹脂(C)、および必要に応じて、相溶化剤(D)、充填材(E)、その他の添加剤)とを混合する方法(以下、「第二の製造方法」という)などが挙げられる。このような製造方法のうち、本発明にかかる相構造が好適に形成され、得られる架橋樹脂組成物が熱伝導性および絶縁性を高水準で兼ね備えるという観点から、前記第二の製造方法が好ましい。
このようにして調製された本発明の架橋樹脂組成物は、上述したように、架橋樹脂(B)により形成された分散相と前記その他の樹脂(C)により形成された連続相を備えており、前記分散相に導電性ナノフィラー(A)が存在するものである。これにより熱伝導性および絶縁性が向上する傾向にある。なお、本発明の架橋樹脂組成物において分散相とは、前記架橋樹脂(B)がその他の樹脂(C)に取り囲まれた部分を意味する。
ペレット状の樹脂組成物を80℃で12時間真空乾燥した後、250℃でプレス成形を行い、厚み2mmの成形品を得た。この成形品から直径100mm、厚み2mmの円盤状の試料を切り出し、ハイレジスタンスメータ(アジレント・テクノロジー(株)製「AGILENT4339B」)を用い、JIS K6911に準拠して500Vを印加し、1分後の体積抵抗率を測定した。
ペレット状の樹脂組成物を80℃で12時間真空乾燥した後、250℃でプレス成形を行い、厚み2mmの成形品を得た。この成形品から25mm×25mm×2mmの試料を切り出し、定常法熱伝導率測定装置(アルバック理工(株)製「GH−1」)を用い、40℃(上下の温度差24℃)で試料の厚み方向の熱伝導率(W/mK)を測定した。
ペレット状の樹脂組成物を80℃で12時間真空乾燥した後、成形温度250℃、金型温度50℃の条件で射出成形を行い、厚み2mmの成形品を得た。この成形品から25mm×25mm×2mmの試料を切り出し、定常法熱伝導率測定装置(アルバック理工(株)製「GH−1」)を用い、40℃(上下の温度差24℃)で試料の厚み方向の熱伝導率(W/mK)を測定した。
熱伝導率の異方性=(射出成形品の厚み方向の熱伝導率)/(前記(2)で
測定したプレス成形品の厚み方向の熱伝導率)
により熱伝導率の異方性を求めた。なお、プレス成形品においては、厚み方向とこれに垂直な方向の熱伝導率にほとんど差がない。従って、前記熱伝導率の比が1に近いほど、射出成形時の導電性ナノフィラーの流れ方向への配向が小さく、異方性が小さいといえる。
ペレット状の樹脂組成物を80℃で12時間真空乾燥した後、250℃でプレス成形を行い、厚み2mmの成形品を得た。この成形品から40mm×5mm×2mmの試料を切り出し、この試料の中央部の凍結破断面の中心部(表面から0.8〜1.2mmの範囲の部分)のうちの任意の部分を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、厚みが均一な印画紙に現像した。得られたSEM写真において、成形品の大きさで90μm×90μmの範囲を任意に5箇所抽出した。この抽出した範囲の写真の質量を測定した後、前記抽出範囲から架橋樹脂(B)により形成された分散相に相当する部分を切り取り、切り取った部分の写真の質量を測定し、前記抽出範囲に対する前記分散相に相当する部分の写真の質量割合(質量%)を算出した。この写真の質量割合は、使用した印画紙の厚みが均一であるため、前記抽出範囲における樹脂組成物に対する分散相の容量割合(容量%)とみなすことができる。以下の実施例および比較例においては、前記抽出した任意の5箇所について前記分散相の容量割合を求め、その平均値を、樹脂組成物全体に対する分散相の割合X(単位:容量%)とした。
・導電性ナノフィラー(a−1)
カーボンナノファイバー(昭和電工(株)製「VGCF」、平均直径150nm、アスペクト比60、G/D値9.6)。
・導電性ナノフィラー(a−2)
多層カーボンナノチューブ(ナノカーボンテクノロジーズ(株)製「MWNT−7」、直径分布40〜90nm、アスペクト比100以上、G/D値8.0)。
・架橋樹脂前駆体(b1−1)
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(三井化学(株)製「EPT3012」)。
・架橋剤(b2−1)
硫黄。
・架橋促進剤(b3−1)
N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーMSA−G」)。
・架橋促進剤(b3−2)
テトラメチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーTT」)。
・架橋促進助剤(b4−1)
酸化亜鉛(正同化学工業(株)製「活性亜鉛華アゾー」)。
・樹脂(c−1)
ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製「ノバテックPP MA3」)。
・樹脂(c−2)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ポリケム(株)製「ノバテックEVA」)。
・相溶化剤(d−1)
オレフィン結晶−エチレンブテン−オレフィン結晶ブロック共重合体(JSR(株)製「DYNARON6200P」)。
導電性ナノフィラー(a−1)10質量部、架橋樹脂前駆体(b1−1)70質量部、架橋剤(b2−1)0.5質量部、架橋促進剤(b3−1)0.5質量部、架橋促進剤(b3−2)0.5質量部、架橋促進助剤(b4−1)1質量部、および樹脂(c−1)20質量部を配合し、得られた混合物を、ベントを備えた二軸溶融混練押出機((株)テクノベル製、スクリュ径:15mm、L/D:60)に投入して、シリンダ設定温度230℃、スクリュ回転数300rpmの条件で溶融混練して動的架橋を施した。吐出された混練物をストランド状に押し出し、冷却後にカッターにより切断してペレット状の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物について、Y/X値、体積抵抗率、熱伝導率およびその異方性を前記方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
導電性ナノフィラー(a−1)10質量部および架橋樹脂前駆体(b1−1)70質量部を配合し、得られた混合物を、ベントとサイドフィーダーを備えた二軸溶融混練押出機((株)日本製鋼所製「TEX30」、スクリュ径:30mm、L/D:77)の最上流部のホッパーから投入して、シリンダ設定温度230℃、スクリュ回転数300rpmの条件で溶融混練を行い、この混練物に、架橋剤(b2−1)0.5質量部、架橋促進剤(b3−1)0.5質量部、架橋促進剤(b3−2)0.5質量部、架橋促進助剤(b4−1)1質量部、および樹脂(c−1)20質量部を配合した混合物を前記サイドフィーダーから投入してシリンダ設定温度230℃、スクリュ回転数300rpmの条件でさらに溶融混練して動的架橋を施した。吐出された混練物をストランド状に押し出し、冷却後にカッターにより切断してペレット状の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物について、Y/X値、体積抵抗率、熱伝導率およびその異方性を前記方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
表1に示す種類と配合量の導電性ナノフィラー(A)と架橋樹脂(B)の前駆体(B1)との混合物を前記ホッパーから投入し、表1に示す種類と配合量の架橋剤(B2)と架橋促進剤(B3)と架橋促進助剤(B4)とその他の樹脂(C)と相溶化剤(D)との混合物を前記サイドフィーダーから投入した以外は実施例2と同様にしてペレット状の樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物について、Y/X値、体積抵抗率、熱伝導率およびその異方性を前記方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
表1に示す種類と配合量の架橋樹脂(B)の前駆体(B1)と架橋剤(B2)と架橋促進剤(B3)と架橋促進助剤(B4)とその他の樹脂(C)との混合物を、ベントを備えた二軸溶融混練押出機((株)テクノベル製、スクリュ径:15mm、L/D:60)に投入して、シリンダ設定温度230℃、スクリュ回転数300rpmの条件で溶融混練して動的架橋を施した。吐出された混練物をストランド状に押し出し、冷却後にカッターにより切断してペレット状の樹脂組成物を得た。
Claims (7)
- 異方性の導電性ナノフィラー(A)、架橋樹脂(B)、および該架橋樹脂(B)以外のその他の樹脂(C)を含有する架橋樹脂組成物であり、
該架橋樹脂組成物は、前記架橋樹脂(B)により形成された分散相と、前記その他の樹脂(C)により形成された連続相とを備えるものであり、
前記分散相には前記導電性ナノフィラー(A)が存在し、
前記架橋樹脂組成物全体に対する前記分散相の割合をX(単位:容量%)、および全導電性ナノフィラー(A)に対する前記分散相中に含まれる導電性ナノフィラー(Adsp)の割合をY(単位:容量%)としたとき、Yが20容量%以上であり、Y/Xが1.1以上であることを特徴とする架橋樹脂組成物。 - 前記その他の樹脂(C)が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の架橋樹脂組成物。
- 相溶化剤(D)をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載の架橋樹脂組成物。
- 定常法により測定した、厚さ2mmの成形体の厚さ方向の熱伝導率が0.3W/mK以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の架橋樹脂組成物。
- JIS K6911に準拠して印加電圧500V、印加時間1分間の条件で測定した、厚さ2mmの成形体の体積抵抗率が1013Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の架橋樹脂組成物。
- 異方性の導電性ナノフィラー(A)、架橋樹脂(B)、および該架橋樹脂(B)以外のその他の樹脂(C)を含有する架橋樹脂組成物の製造方法であって、
前記導電性ナノフィラー(A)の存在下で前記架橋樹脂(B)の前駆体を架橋させる架橋工程を含み、
前記架橋工程において、前記導電性ナノフィラー(A)の少なくとも一部と前記架橋樹脂(B)の前駆体の少なくとも一部とを混合し、得られた混合物を混練して前記架橋樹脂(B)の前駆体を架橋させた後、
前記架橋工程において得られた前記導電性ナノフィラー(A)と前記架橋樹脂(B)との混合物と前記その他の樹脂(C)とを混合することによって、前記架橋樹脂(B)からなる分散相と前記その他の樹脂(C)からなる連続相とを形成させ、前記分散相に前記導電性ナノフィラー(A)を存在させることを特徴とする架橋樹脂組成物の製造方法。 - 前記架橋が動的架橋であることを特徴とする請求項6に記載の架橋樹脂組成物の製造方法。
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