JP2010129254A - プラズマディスプレイパネルの製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前面パネルを保持・搬送するためのトレイを保護膜成膜のための成膜室に投入する前に、成膜室の前段に設けた予備加熱室において水分と炭酸ガスとを十分に取り除くことで、成膜室内におけるトレイからの水分と炭酸ガスの発生を軽減し、もって、成膜室での保護膜の成膜を安定して行うことを可能とするPDPの製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】前面パネル100およびそれを保持するトレイ35を加熱する予備加熱室31と、それに続く、金属酸化物材料を真空容器内で蒸散させることで前記前面パネル100に成膜する成膜室32とを有し、前記予備加熱室31は、その内部を排気する排気ポンプ36として、ターボ分子ポンプとクライオトラップとを備え、クライオトラップは、50K以上80K以下に温度制御される、ことを特徴とするPDPの製造装置である。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造装置に関し、特に、前面板の保護膜を形成する製造装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)は、前面パネルと背面パネルとを対向配置してその周縁部を封着部材によって封着した構造を有し、前面パネルと背面パネルとの間に形成された放電空間には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガスが封入されている。
前面パネルは、ガラスの基板に形成されたストライプ状の走査電極と維持電極とからなる複数の表示電極対と、表示電極対を覆う誘電体層と、誘電体層を覆う保護膜とを備えている。表示電極対は、それぞれ透明電極とその透明電極上に形成された金属材料のバス電極とによって構成されている。
一方、背面パネルは、ガラスの基板に形成されたストライプ状の複数のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成され放電空間をアドレス電極毎に区画するストライプ状の隔壁と、隔壁間の下地誘電体層上と隔壁側面に形成された赤色、緑色、青色の蛍光体層とを備えている。
前面パネルと背面パネルとは、表示電極対とアドレス電極とが交差するように対向配置され、それらの電極が交差する交差部に放電セルを形成している。放電セルはマトリクス状に配列されて、表示電極対の方向に並ぶ赤色、緑色、青色の蛍光体層を有する3個の放電セルがカラー表示のための画素を形成している。
以上の構成においてPDPは、走査電極とアドレス電極間、および、走査電極と維持電極間に所定の電圧を印加してガス放電を発生させ、そのガス放電で生じる紫外線によって蛍光体層を励起して発光させることによりカラー画像を表示している。
上述の構造のPDPにおいて、保護膜は、誘電体層のスパッタを防止する目的から、耐スパッタ特性が大きいこと、かつ、放電電圧を低くする目的から、2次電子放出係数の大きいこと、が要求され、例えば、酸化マグネシウム(MgO)のような金属酸化物による保護膜が一般的に用いられている。
ここで、MgO材料により保護膜を形成する手段としては、MgO材料が備える耐スパッタ性を考慮すると、電子ビーム蒸着法やプラズマガンによる成膜法などを挙げることが可能であるが、これらの成膜法により形成したMgO材料による保護膜の特性は、成膜条件によって大きく影響を受けることがわかっている。
そこで、上述した成膜法によりMgO材料の保護膜を形成する際には、成膜室内の、酸素ガスを始めとする各種ガスの分圧を一定の範囲に制御することによって、保護膜の特性を良好かつ安定なものとするための取り組みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
さらには、成膜室内の水素ガス及び水蒸気にも注目し、酸素ガスを含め、これらガスの分圧を一定にしようとする取り組みも成されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−50804号公報 特開2007−109539号公報
ところで、上述した成膜法の場合、MgO材料源の形態は、タブレット形状など、粒状であり、したがって成膜時の形態としてはデポアップとなることから、前面パネルにMgO材料による保護膜を上述した成膜法により形成する際には、前面パネル(のガラス基板)の保護膜形成面が下方向きとなるように前面パネルの周辺部のみで保持して搬送するトレイが用いられる。
したがって、保護膜形成時には、同時にこのトレイにもMgO材料の膜が付着してしまうこととなる。またこのトレイは、MgO成膜の工程において繰り返し使用されるものであることから、トレイに付着するMgO膜は、その厚みは工程ごとに変化し、且つ、その履歴として、大気雰囲気下、真空雰囲気下を幾度も繰り返すことになる。
ここで、MgO材料は、大気中に放置すると、大気中の水分と結合して水酸化マグネシウム(Mg(OH))に、また、炭酸ガスと結合して炭酸マグネシウム(MgCO)となる傾向が強い。一方、これらマグネシウム塩を加熱すると、250℃〜350℃となるあたりから水蒸気あるいは炭酸ガスが離脱し、再び、MgOとなることから、上述したトレイに付着したMgO膜にも、成膜後、大気雰囲気下において、水分と結合することでMg(OH)が、また、炭酸ガスと結合することでMgCOが生成された状態となっており、その状態で再び、成膜のために成膜室内に投入されると、成膜時には前面パネルは温度上昇することから前面パネルを保持するトレイも温度上昇することとなり、その結果、トレイに付着しているMgO膜からは、吸着していた水分、炭酸ガスが脱離し、成膜室内の雰囲気を大きく変化させてしまうという不具合の原因となっていた。
そこで、成膜室内において、トレイのMgO膜からガス放出がなされないように、成膜室での成膜に先立って、トレイを加熱しトレイのMgO膜に吸着している水分および炭酸ガスを離脱させることを目的に、成膜室の前段に予備加熱室を設けてこの予備加熱室内において、前面パネルを保持した状態のトレイを真空雰囲気下で加熱することが行われる。
このように、成膜室の前段に設けた予備加熱室において、トレイを真空雰囲気下で加熱することで、その後に続く、成膜室でのトレイからのガスの発生を大幅に低減させることを可能にしようとしているのであるが、このような効果を確実に得ようとするには、予備加熱室内においてトレイから放出された水分と炭酸ガスとを、予備加熱室外に効率的に排出することが求められる。
本発明は以上の状況に鑑みなされたものであり、前面パネルを保持・搬送するためのトレイを保護膜成膜のための成膜室に投入する前に、成膜室の前段に設けた予備加熱室において水分と炭酸ガスとを十分に取り除くことで、成膜室内におけるトレイからの水分と炭酸ガスの発生を軽減し、もって、成膜室での保護膜の成膜を安定して行うことを可能とするPDPの製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を実現するために本発明のPDPの製造装置は、金属酸化物による保護膜を前面パネルに形成するプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、前面パネルおよびそれを保持するトレイを加熱する予備加熱室と、それに続く、金属酸化物材料を真空容器内で蒸散させることで前記前面パネルに成膜する成膜室とを有し、前記予備加熱室は、予備加熱室内を排気する排気ポンプとして、ターボ分子ポンプとクライオトラップとを備え、クライオトラップは、50K以上80K以下に温度制御される、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、前面パネルを保持・搬送するためのトレイを保護膜成膜のための成膜室に投入する前に、成膜室の前段に設けた予備加熱室において水分と炭酸ガスとを十分に取り除くことが可能となり、成膜室内におけるトレイからの水分と炭酸ガスの発生を軽減することができるようになるので、もって、成膜室での保護膜の成膜を安定して行うことが可能なPDPの製造装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置により製造される交流面放電型PDPの概略構成を示す断面斜視図である。PDPの前面パネル100は、前面ガラス基板11の一主面上に形成したN本の走査電極12aとN本の維持電極12bとからなる表示電極対12と、その表示電極対12を覆うように形成した誘電体層13と、さらにその誘電体層13を覆うように形成した酸化マグネシウム(MgO)薄膜からなる保護膜14とを有している。走査電極12aと維持電極12bとは、透明電極に金属のバス電極をそれぞれ積層した構造である。
背面パネル200は、背面ガラス基板16の一主面上に形成したM本のアドレス電極17と、そのアドレス電極17を覆うように形成した下地誘電体層18と、下地誘電体層18上のアドレス電極17間に形成した隔壁19と、隔壁19間に塗布された蛍光体層20とを有する構造である。
前面パネル100と背面パネル200とを隔壁19を挟んで、表示電極対12とアドレス電極17とが交差するように対向させ、画像表示領域の周囲を封止部材により封止している。そして、前面パネル100と背面パネル200との間に形成された放電空間21には、例えばネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスの放電ガスが45kPa〜80kPaの圧力で封入されている。表示電極対12とアドレス電極17との交差部が放電セルとして動作する。
図2は、本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。
図2に示すように、本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置は、上述した、前面ガラス基板11に形成した誘電体層13上に保護膜14を形成するための、基板搬送型の電子ビーム蒸着装置である。
本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置は、基板搬入室30、予備加熱室31、成膜室32、基板冷却室33、基板取出室34、を備える。PDPの誘電体層13までが形成された前面パネル100がトレイ35に載せられて、まず基板搬入室30に搬入される。その後、予備加熱室31に搬送されて予備加熱され、成膜室32に搬送されて保護膜としてのMgO膜が前面パネル100の誘電体層13上に成膜される。ここで、予備加熱室31の排気ポンプ36は、ターボ分子ポンプとクライオトラップとを備え、且つ、このクライオトラップのクライオパネル(図示せず)は、50K以上80K以下、望ましくは50K以上60K以下に制御できる構成となっている。
成膜室32には、蒸着材料40が収納された蒸着ハース41と電子銃42とが設置されていて、内部を高真空に排気するための複数の排気ポンプ43が接続されている。また、図2に示すように、成膜室での成膜はデポアップ方式であり、したがって前面パネル100は、その周辺部のみをトレイ35によって保護膜形成面が下方向きとなるように保持されて搬送される。
また、成膜室32には成膜中の各種のガス成分を測定するための、例えばガス分析手段である四重極質量分析器(QMS)などのガス分析装置44が設置されている。成膜室32内には成膜室32に少なくとも酸素を導入する第2のガス導入手段であるガス導入口45とガス導入口45から成膜室32内に導入する酸素流量を制御する第2のガス導入量可変手段である流量バルブ46が設けられている。
成膜室32においては、排気ポンプ43によって成膜室32内を高真空状態とし、電子銃42から発射される電子ビーム47によって蒸着材料40を加熱して、その蒸気を前面パネル100に堆積させることによってMgO膜の保護膜が成膜される。なお、成膜室32内の、前面パネル100と蒸着ハース41との間には、蒸着材料の蒸気の前面ガラス基板11への到達領域を制御するシャッター48が設けられている。
予備加熱室31には、酸素、窒素、水素、水蒸気、二酸化炭素のうちの少なくとも一つのガスを導入する第1のガス導入手段となるガス導入口50と、ガス導入口50のガス導入量を制御する第1のガス導入量可変手段となる流量バルブ51と、予備加熱室31内を減圧にするための排気ポンプ36とが設けられている。
また、基板冷却室33にも、内部を減圧状態にするための排気ポンプ(図示せず)が接続されているとともに、予備加熱室31に接続される流量バルブ51と成膜室32に接続される流量バルブ46とは、成膜室32に設けられたガス分析装置44のガス分析結果に基づいてその開度などが制御されるように構成されている。
次に、PDPの保護膜14であるMgO膜の成膜工程について以下、説明する。誘電体層13まで形成された前面パネル100をトレイ35に載せて基板搬入室30に投入する。次に予備加熱室31に搬送し、そこで真空に排気しながら前面パネル100を加熱ヒータによって加熱した後、成膜室32内に搬送する。
成膜室32では、一定の速度で搬送されながら誘電体層13上に保護膜14が形成される。この際に、成膜室32の圧力を一定にするために、成膜室32内に設置した真空計(図示せず)の値が一定になるようにプロセスガスである酸素ガスを流量バルブ46で調整を行った後、ガス導入口45より導入する、あるいは、排気ポンプ43の排気能力を調整する、あるいはこれらの組合せなどの方法により、圧力が一定になるように調整を行っている。
保護膜14の形成が終了した後、前面パネル100はトレイ35とともに基板冷却室33に搬送され、真空中で所定の温度まで冷却した後、基板取出室34に搬送されて取り出され一連の作業が完了する。
成膜室32においては、電子銃42から出射された電子ビーム47を偏向させるとともに複数のビーム照射部49に集束させて、蒸着ハース41上に収納されたMgO粒塊の蒸着材料40に照射する。これにより蒸着材料40が加熱されて蒸発し、上方を移動する前面パネル100の誘電体層13上に保護膜14としての酸化マグネシウム(MgO)膜が堆積される。蒸着ハース41は低速度で回転して、電子ビーム47による蒸着材料40の加熱位置が常に移動するようにして局所的な蒸発消失を防いでいる。
以上のようにして形成される保護膜14であるMgO膜の物性は、その成膜過程での成膜室32内での不純ガスの量により影響を受け、そして特に、炭酸ガス及び水分(水蒸気)がMgO膜の物性に大きな影響を及ぼすことから、成膜室32内における炭酸ガス及び水分の存在は極力少なくすることが要求される。
ここで、図2に示す本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置においては、成膜室32の前段に予備加熱室31を設け、さらに、予備加熱室31内部を排気する排気ポンプ36として、ターボ分子ポンプと、50K以上80K以下、望ましくは50K以上60K以下に制御されたクライオパネルを備えるクライオトラップと、を有する構成であることから、予備加熱室31における予備加熱により、前面パネル100に付着するガスはもちろん、トレイ35のMgOに吸着する水分と炭酸ガスとをも十分に取り除くことができ、且つ、その取り除いた水分と炭酸ガスとを予備加熱室31外に効率的に排出することが可能となるので、もって、成膜室32に持ち込まれる水分と炭酸ガスの量を大幅に低減することが可能となり、成膜室での保護膜の成膜を安定して行うことが可能となる。
すなわち、従来においては、予備加熱室内を排気する目的での排気ポンプとして、クライオトラップとターボ分子ポンプとの組合せを用いることが多いが、従来においてはクライオトラップの温度は、通常、90〜120Kに設定されることから、そのため、水分を排気するためには非常に有効であるが、炭酸ガスの排気速度は非常に小さく、その結果、予備加熱室から炭酸ガスを排出させることが困難であるという欠点を持っていた。
ここで、本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置においては、クライオトラップの温度を、通常設定される90〜120Kという水を除去するための温度領域ではなく、80K以下の、炭酸ガスの排気も可能な温度領域に設定することを特徴とする。
これは具体的には、クライオトラップのクライオパネルを冷却するために通常用いられるコンプレッサーの能力より、1.5倍〜2倍の能力を有するコンプレッサーを用いることにより、従来より低温でのクライオトラップの制御が可能となる。
排気ポンプ36を上述のように構成することにより、予備加熱室31内の水分と炭酸ガスとを効果的に排出させることが可能となる。
図3に、本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置における予備加熱室31の内部排気のために設けられた排気ポンプ36を構成するクライオトラップの毎秒の排気速度と予備加熱室31である真空容器の体積との比と、その時の、成膜室32において成膜された保護膜の電子放出能との関係を示す。
これは、予備加熱室31での炭酸ガス排出の効果により、成膜室32への炭酸ガスの持ち込み量が減り、成膜室32に導入する酸素の量を一定以上確保することができるようになることにより、形成される保護膜の特性が向上することを示すものであり、より具体的には、高品質なPDPを提供するために必要な電子放出能である、図中の0.8以上を確保するためには、毎秒の排気体積と真空容器体積との比が1.5以上であることが、更に、フルハイビジョンパネルのシングルスキャン駆動等の非常にマージンの少ないPDPにおいては、望ましくは電子放出能が0.9以上、即ち、毎秒の排気体積と真空容器体積の比が、3以上であることが望ましいことを示す。
さらに図4に、本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置における予備加熱室31に設けられた排気ポンプ36を構成するクライオトラップの温度と、その温度の時の、成膜室32において成膜された保護膜の電子放出能との関係を示す。なお、前面パネルにMgOを成膜する際に、前面パネルを保持するためのトレイとしては、MgOが除去されてその付着がないトレイ(図中、トレイ交換直後)と、成膜に5000回使用し、その表面にMgOが付着しているトレイ(図中、トレイ交換5000枚経過後)との両方の場合を示す。
ここで、5000回成膜した後のトレイには、その表面に付着したMgO膜の膜厚が厚くなり、搬送中に膜剥がれを起こす可能性があるため、メンテナンスとして、5000回程度成膜に使用した後のトレイは、トレイ表面に付着するMgO膜の除去を行うのが常であり、したがって、5000回程度の成膜の使用の間、特性の安定が得られることが確認できれば、十分であるという判断からである。
図4に示すように、トレイ交換直後の場合は、クライオトラップの温度による電子放出能の依存性はそれほど大きくないが、トレイ交換5000枚経過後のトレイの場合は、温度の依存性が見られる。
高品質なPDPの特性を満足する範囲内の変化、即ち、ここでは、電子放出能が初期の80%以上の値を示すまでが高品質のパネル特性を満足することが、種々の実験より確認されているが、特に、80K以下にした際には電子放出能の変化が、初期の80%以内に収まっているため、80K以下にすることが必要であることが判る。
また、5000枚後のトレイでは、70K、60Kとクライオトラップの制御温度を低くするに伴って経時変化が小さくなるが、60Kから50Kではほとんど変化がない。このことから、クライオトラップによる炭酸ガス排気は、60K以下の制御温度とすることによって安定するものと考えられる。
ここで、50K以下にすると水素の一部の吸着が始まってしまい、このクライオトラップに吸着した水素が酸素と化合すると爆発を起こしてしまい非常に危険であることから、クライオトラップの制御温度は、水素吸着が始まらない50K以上とすることが重要である。
以上より、クライオトラップの制御温度は50K以上80K以下、望ましくは、50K以上60K以下とすることが良い。
尚、以上の説明における電子放出特性の測定方法としては、特開2003−51259号公報で記載された方法を用いている。
また、成膜装置の構成としては上述したもの以外に、例えば、温度プロファイルの設定条件に応じて、基板搬入室30と成膜室32の間に予備加熱室31が複数あるものや、また、成膜室32と基板取出室34の間にある基板冷却室33が複数あるものなどでも構わないし、ガス導入を成膜室32および予備加熱室31以外に導入しても構わない。
また、前面パネル100に対する成膜室32内での酸化マグネシウム(MgO)の成膜は、前面パネル100の搬送を停止して静止した状態で行っても、搬送しながら行ってもどちらでも構わない。
また、成膜室32に配置される蒸着ハース41、電子銃42、排気ポンプ43などは装置の搬送速度や成膜を行う前面パネル100の大きさなどにより適宜決定されるもので、図2に示す構成に限らない。
以上説明したように本発明によれば、PDPの基板へ金属酸化膜を成膜する工程を有するPDPの製造装置において、一定の品質の保護膜を安定して形成することができるPDPの製造装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置により製造される交流面放電型PDPの概略構成を示す断面斜視図 本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置の概略構成を模式的に示す側断面図 本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置における予備加熱室に設けられたポンプを構成するクライオトラップの毎秒の排気速度と予備加熱室である真空容器の体積との比と、その時の、成膜室において成膜された保護膜の電子放出能との関係を示す図 本発明の一実施の形態によるPDPの製造装置における予備加熱室に設けられたポンプを構成するクライオトラップの温度と、その温度の時の、成膜室において成膜された保護膜の電子放出能との関係を示す図
符号の説明
11 前面ガラス基板
12 表示電極対
12a 走査電極
12b 維持電極
13 誘電体層
14 保護膜
16 背面ガラス基板
17 アドレス電極
18 下地誘電体層
19 隔壁
20 蛍光体層
21 放電空間
30 基板搬入室
31 予備加熱室
32 成膜室
33 基板冷却室
34 基板取出室
35 トレイ
36 排気ポンプ
40 蒸着材料
41 蒸着ハース
42 電子銃
43 排気ポンプ
44 ガス分析装置
45、50 ガス導入口
46、51 流量バルブ
47 電子ビーム
48 シャッター
49 ビーム照射部
100 前面パネル
200 背面パネル

Claims (2)

  1. 金属酸化物による保護膜を前面パネルに形成するプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
    前面パネルおよびそれを保持するトレイを加熱する予備加熱室と、それに続く、金属酸化物材料を真空容器内で蒸散させることで前記前面パネルに成膜する成膜室とを有し、
    前記予備加熱室は、予備加熱室内を排気する排気ポンプとして、ターボ分子ポンプとクライオトラップとを備え、
    クライオトラップは、50K以上80K以下に温度制御される、
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  2. クライオトラップは、炭酸ガスの1秒当たりの排気量が、予備加熱室の内容積の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置。
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