JP2010106251A - 疎水化されたセルロース系繊維を含む樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

疎水化されたセルロース系繊維を含む樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】疎水性マトリックス樹脂などを用いる場合であっても、樹脂成形体の機械的強度を改善可能な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とで構成されている。また、樹脂組成物は、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、溶媒中で、機械的に剪断して得られ、かつセルロース系繊維(A)の微小繊維及び微小化された合成樹脂(B)(合成樹脂(B)の微小繊維など)を含有し、少なくともセルロース系繊維(A)の微小繊維が疎水化剤(C)(サイズ剤、紙力増強剤、油脂類、ワックス、疎水性樹脂など)により疎水化されている樹脂組成物であってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、疎水化されたセルロース系繊維を含む樹脂組成物及びその製造方法、並びに前記樹脂組成物で形成された成形体に関する。
繊維径が小さい微小繊維状樹脂(又は微小繊維)は、種々の添加剤、例えば、樹脂成形体の強度を向上させるためのフィラーとして、また、不織布状シートの強度を改善するための強化剤又は紙力強化剤、濾過性能を向上させるための濾過助剤、食品添加物などに広く利用されている。
また、微小繊維状樹脂は、表面積の大きさ、均一分散性、絡み合い、粉体保持性などの特性を利用して、物質強度の向上以外にも、隠蔽性、絶縁性、軽量化などの改善において、広く実用化されている。
しかし、微小繊維状樹脂を、ベース樹脂に混合する場合、ベース樹脂及び/又は微小繊維状樹脂の種類などによっては、微小繊維状樹脂を、ベース樹脂に均一に分散するのが困難であり、併用効果を十分に得られない場合がある。特に、セルロース系樹脂は、親水性基を有するため、セルロース系微小繊維の樹脂に対する分散性は低い。
例えば、特表平9−509694号公報(特許文献1)には、熱可塑性ポリマーマトリックスとセルロース充填材とを含む組成物において、セルロース充填材が個別化されたミクロフィブリルセルロースを含むことが開示されている。この文献には、ポリマーマトリックスとしてポリマー粒子を含むポリマーラテックスが記載され、ポリマーラテックスとミクロフィブリルセルロースの水溶性懸濁液とを撹拌下で混合して水溶性組成物を得ることが記載されている。さらに、この文献では、セルロースのミクロフィブリル化において、ホモジナイザーを使用することが記載されている。しかし、この方法では、樹脂の種類が親水性又は水分散性樹脂に制限され、用途が著しく限定される。また、コスト面においても有用でない。
また、特開2008−179922号公報(特許文献2)には、相分離した複数の樹脂で構成された複合繊維を叩解処理により分割して得られるフィブリル化繊維が記載されており、このようなフィブリル化繊維が水に対して高い分散性を有することが開示されている。しかし、特許文献2には、マトリックス樹脂に対するフィブリル化繊維の分散性及び補強性については開示されていない。
特表平9−509694号公報(請求項1、6、第8頁第7〜9行) 特開2008−179922号公報(請求項1、段落番号[0071][0075][0076])
従って、本発明の目的は、疎水性マトリックス樹脂であっても、樹脂成形体の機械的強度を改善可能な疎水化されたセルロース系繊維を含む樹脂組成物及びその製造方法、並びに機械的強度が改善された樹脂成形体を提供することにある。
本発明の他の目的は、マトリックス樹脂への分散性又はマトリックス樹脂の補強性が改善された樹脂組成物又はその製造方法、並びに樹脂成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、幅広い種類の樹脂に対して、均一に分散可能で、樹脂成形体の機械的強度を改善可能な樹脂組成物及びその製造方法、並びに機械的強度が改善された樹脂成形体を提供することにある。
本発明の別の目的は、マトリックス樹脂に微小繊維が高い分散性で分散し、機械的強度が改善された繊維強化樹脂又は成形体(樹脂成形体)を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂とを組み合わせると、マトリックス樹脂が疎水性である場合にも、マトリックス樹脂の機械的強度などを改善できること、また、疎水化された微小繊維状セルロース系繊維と、微小化された合成樹脂とを組み合わせると、マトリックス樹脂に対して均一に分散可能で、マトリックス樹脂を効果的に補強できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維と、合成樹脂(B)とを含有する。疎水化されたセルロース系繊維は、サイズ剤、紙力増強剤、油脂類、ワックス及び疎水性樹脂から選択された少なくとも一種の疎水化剤(C)で処理されたセルロース系繊維(A)であってもよい。合成樹脂(B)は、繊維状、粉粒状又はペレット状であってもよい。前記樹脂組成物は、溶融混練物であってもよく、また、溶融混練可能な組成物であってもよい。
前記樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維の微小繊維と、微小化された合成樹脂(B)とを含有してもよい。前記樹脂組成物は、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、溶媒中で、機械的に剪断して得られ、かつセルロース系繊維(A)の微小繊維及び合成樹脂(B)の微小樹脂を含有し、少なくともセルロース系繊維(A)の微小繊維が疎水化されている樹脂組成物であってもよい。
セルロース系繊維(A)は、下記の処理(i)又は(ii)により疎水化されていてもよい。
(i)疎水化剤(C)の存在下、溶媒中でのセルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)の機械的剪断処理、又は
(ii)セルロース系繊維(A)の微小繊維及び合成樹脂(B)の微小樹脂の疎水化剤(C)による処理。
合成樹脂(B)は、オレフィン系樹脂を含有してもよい。疎水化されたセルロース系繊維は、疎水化剤(C)で処理されたセルロース系繊維(A)であってもよく、セルロース系繊維(A)100重量部に対して、固形分換算で、疎水化剤(C)の割合が0.1〜20重量部であり、合成樹脂(B)の割合が0.1〜5000重量部程度であってもよい。
前記樹脂組成物は、(i)疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合するか、又は(ii)セルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合し、少なくともセルロース系繊維を疎水化することにより製造できる。特に、この製造方法は、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、機械的に剪断処理して、セルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)を含む樹脂組成物を製造する方法であって、少なくとも前記セルロース系繊維(A)を疎水化剤により処理する製造方法であってもよい。
本発明の製造方法は、回転羽根を有するミキサーに、疎水化されたセルロース系繊維及び合成樹脂(B)を投入して高速撹拌し、両者の混合物を調製する高速撹拌工程、及び得られた混合物をミキサーで冷却しながら低速撹拌して造粒する低速撹拌工程を含む製造方法であってもよい。この方法において、疎水化されたセルロース系繊維は、ホモジナイズ処理によりミクロフィブリル化されたセルロース系繊維を疎水化したセルロース系繊維であってもよい。
また、本発明の製造方法は、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、溶媒中で機械的に剪断処理して、懸濁液を調製し、この懸濁液から溶媒を除去して、セルロース系繊維(A)の微小繊維及び合成樹脂(B)の微小樹脂を含む樹脂組成物を製造する方法において、少なくとも前記セルロース系繊維(A)の微小繊維を疎水化剤により処理することにより得てもよい。なお、前記機械的剪断処理は、ホモジナイズ処理であってもよい。
本発明には、前記樹脂組成物で形成された樹脂成形体も含まれる。
本発明の樹脂組成物では、疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂とを組み合わせるので、疎水性マトリックス樹脂場合であっても、マトリックス樹脂又は樹脂成形体の機械的強度を改善することが可能である。例えば、疎水化されたセルロース系繊維を合成樹脂とともに高速撹拌して得られた混合物を冷却しながら低速撹拌することにより、効果的に機械的強度の改善された樹脂成形体を得ることができる。また、疎水化された微小繊維状セルロース系繊維と、微小化された合成樹脂とを組み合わせると、マトリックス樹脂への分散性又はマトリックス樹脂の補強性を改善できる。さらに、幅広い種類の樹脂に対して、疎水化されたセルロース系繊維を、均一に分散することができ、樹脂成形体の機械的強度を効果的に改善することができる。なお、樹脂組成物が、微小化されたセルロース系繊維及び合成樹脂[例えば、セルロース系繊維と、合成樹脂(繊維状、粉粒状又はペレット状の樹脂など)とを、溶媒中で機械的に剪断することにより得られる両樹脂の微小樹脂(セルロース系繊維の微小繊維及び微小化された合成樹脂)]を含む繊維状の組成物である場合にも、少なくともセルロース系繊維の微小繊維が疎水化剤により疎水化されているので、疎水性マトリックス樹脂であっても、マトリックス樹脂への分散性又はマトリックス樹脂の補強性が大きく改善されている。しかも、本発明では、このような樹脂組成物を簡便にかつ効率よく製造することができる。また、前記繊維状の組成物は、マトリックス樹脂に高い分散性で分散するため、成形体(樹脂成形体)の機械的強度をさらに大きく改善できる。
本発明の樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維と、合成樹脂(B)とを含有する。このような樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)との混合物であってもよく、溶融混練物であってもよい。前記混合物は、溶融混練可能であってもよい。前記混合物としては、例えば、疎水化されたセルロース系繊維と、繊維状、粉粒状又はペレット状の合成樹脂(B)との混合物であってもよい。
樹脂組成物において、疎水化されたセルロース系繊維及び/又は合成樹脂(B)は、微小化された樹脂(微小繊維、微小化された粉粒状又はペレット状などの樹脂など)であってもよい。
樹脂組成物において、合成樹脂(B)は、樹脂組成物のマトリックス樹脂を構成してもよい。また、樹脂組成物は、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)のマスターバッチと、合成樹脂(B)とを含有する樹脂組成物であってもよい。
樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維及び合成樹脂(B)を含有すればよく、疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合することにより得てもよく、セルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合し、疎水化処理により、少なくともセルロース系繊維を疎水化することにより得てもよい。
樹脂組成物は、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、溶媒中で、機械的に剪断して得られ、かつセルロース系繊維(A)の微小繊維及び合成樹脂(B)の微小樹脂を含有し、かつ少なくともセルロース系繊維(A)の微小繊維が、疎水化剤(C)により疎水化されている樹脂組成物であってもよい。
(A)セルロース系繊維
疎水化されたセルロース系繊維を構成するセルロース系繊維(セルロース系繊維(A))としては、高等植物由来のセルロース繊維[例えば、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻など)などの天然セルロース繊維(パルプ繊維)など]、動物由来のセルロース繊維(ホヤセルロースなど)、バクテリア由来のセルロース繊維、化学的に合成されたセルロース繊維[セルロースアセテート(酢酸セルロース)、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの有機酸エステル;硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロースなどの無機酸エステル;硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロースなど);カルボキシアルキルセルロース(カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロースなど);アルキルセルロース(メチルセルロース、エチルセルロースなど);再生セルロース(レーヨン、セロファンなど)などのセルロース誘導体など]などが挙げられる。これらのセルロース系繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、セルロース系繊維として、パルプを用いる場合、パルプは、機械的方法で得られたパルプ(砕木パルプ、リファイナ・グランド・パルプ、サーモメカニカルパルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプなど)、または化学的方法で得られたパルプ(クラフトパルプ、亜硫酸パルプなど)などであってもよく、必要に応じて叩解(予備叩解)処理された叩解繊維(叩解パルプなど)であってもよい。なお、セルロース系繊維は、慣用の精製処理、例えば、脱脂処理などが施された繊維(例えば、脱脂綿など)であってもよい。
セルロース系繊維の平均繊維長は、0.01〜5mm(例えば、0.01〜3mm)、好ましくは0.03〜4mm(例えば、0.05〜2.5mm)、さらに好ましくは0.06〜3mm(特に、0.1〜2mm)程度であり、通常0.1〜5mm程度である。また、原料セルロース系繊維の平均繊維径は、0.01〜500μm(例えば、0.03〜400μm)、好ましくは0.05〜450μm(例えば、0.06〜400μm)、さらに好ましくは0.1〜300μm(例えば、0.2〜250μm)程度である。
なお、セルロース系繊維は、微小繊維であってもよい。微小繊維状セルロースは、原料セルロース繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化することにより得られる。セルロース系繊維のミクロフィブリル化は、後述する樹脂組成物の製造方法の項で記載した機械的剪断処理方法に準じて得ることができる。
前記セルロース系繊維の微小繊維の平均繊維長(L)は、0.01〜1mm(例えば、0.02〜0.7mm)、好ましくは0.03〜0.9mm、さらに好ましくは0.05〜0.8mm(特に、0.06〜0.7mm)程度であってもよい。また、セルロース系繊維の微小繊維の平均繊維径(D)は、0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.8μm、さらに好ましくは0.01〜0.6μm(特に、0.1〜0.4μm)程度であってもよい。微小繊維のアスペクト比(L/D)は、100〜10000、好ましくは200〜8000、さらに好ましくは400〜6000(特に、600〜4000)程度であってもよい。
なお、前記微小繊維の平均繊維長及び平均繊維径は、機械的に剪断処理を行う前の原料繊維の平均繊維長及び平均繊維径と同じか又はそれ以下である。
(B)合成樹脂
セルロース系繊維(A)と組み合わせて用いる合成樹脂(B)としては、各種合成樹脂、例えば、熱硬化性樹脂[フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなど)、マレイミド系樹脂、ポリベンゾイミダゾール(PBI)系樹脂など]、熱可塑性樹脂などが挙げられる。合成樹脂(B)は、セルロース系繊維(A)とともに機械的剪断処理することにより、微小化可能な種類の樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂又はその誘導体、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(環状オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などが挙げられる。上記の合成樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの合成樹脂のうち、熱可塑性樹脂、例えば、ポリアミド系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリケトン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、脂肪酸ビニルエステル系樹脂(ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニルなどのポリ脂肪酸ビニルエステル;脂肪酸ビニルエステルと他の共重合性単量体との共重合体など)、ビニル系樹脂などを用いる場合が多い。これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリアミド系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂などが好ましい。
ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド46、ポリアミド5、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリアミド6/11などの脂肪族ポリアミド;脂環族ポリアミド;ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXDなどの芳香族ポリアミド;これらのポリアミドのうち少なくとも二種の異なったポリアミド形成成分により形成されるコポリアミドなどが挙げられる。なお、ポリアミド系樹脂には、ポリアミドエラストマーも含まれる。
飽和ポリエステル系樹脂としては、芳香族ポリエステル(テレフタル酸単位を含むポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート;ナフタレン酸単位を含むポリエステル、例えば、ポリエチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレートなど);脂肪族ポリエステル(アジピン酸単位を含むポリエステル、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペートなどのポリアルキレンアジペート;ポリ乳酸など)、ポリアリレート、液晶性ポリエステルなどが挙げられる。これらのポリエステルは、通常、結晶性を有している。なお、結晶性ポリエステルは、構成成分以外のジカルボン酸成分及び/又はグリコール成分により変性されていてもよい。また、前記ポリエステル系樹脂には、ポリエステルエラストマーも含まれる。
ポリフェニレンオキシド系樹脂としては、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)オキシドなどの単独重合体、これらの単独重合体をベースとして構成された変性ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリフェニレンオキシド又はその共重合体にスチレン系重合体がグラフトしている変性グラフト共重合体などが挙げられる。
ポリフェニレンスルフィド系樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどが挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、オレフィン系単量体の単独重合体の他、オレフィン系単量体の共重合体、オレフィン系単量体と他の共重合性単量体との共重合体が含まれる。オレフィン系単量体としては、例えば、鎖状オレフィン類[エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−C2−20オレフィン(好ましくはα−C2−10オレフィン、さらに好ましくはα−C2−4オレフィン)など]、環状オレフィン類[例えば、シクロペンテンなどのシクロアルケン(C4−10シクロアルケンなど);シクロペンタジエンなどのシクロアルカジエン(C4−10シクロアルカジエンなど);ノルボルネン、ノルボルナジエンなどのビシクロアルケン又はビシクロアルカジエン(C8−20ビシクロアルケン又はビシクロアルカジエンなど);ジヒドロジシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどのトリシクロアルケン又はトリシクロアルカジエン(C10−25トリシクロアルケン又はトリシクロアルカジエンなど)など]などが挙げられる。これらのオレフィン系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。上記オレフィン系単量体のうち、エチレン、プロピレンなどのα−C2−4オレフィンなどの鎖状オレフィン類が好ましい。
他の共重合性単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系単量体;マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物;カルボン酸のビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)など];ノルボルネン、シクロペンタジエンなどの環状オレフィン;及びブタジエン、イソプレンなどのジエン類などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記オレフィン系樹脂の具体例としては、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度又は線状低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1などの三元共重合体などの鎖状オレフィン類(特にα−C2−4オレフィン)の共重合体などが挙げられる。また、オレフィン系単量体と他の共重合性単量体との共重合体の具体例としては、例えば、鎖状オレフィン類(特に、エチレン、プロピレンなどのα−C2−4オレフィン)と脂肪酸ビニルエステル単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンープロピオン酸ビニル共重合体など);鎖状オレフィン類と(メタ)アクリル系単量体との共重合体[鎖状オレフィン類(特にα−C2−4オレフィン)と(メタ)アクリル酸との共重合体(例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーなど);鎖状オレフィン類(特にα−C2−4オレフィン)とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体(例えば、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体など);など];鎖状オレフィン類(特にα−C2−4オレフィン)とジエン類との共重合体(例えば、エチレン−ブタジエン共重合体など);エポキシ変性ポリオレフィン(例えば、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体)、カルボキシ変性ポリオレフィン(例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合体)、エポキシ及びカルボキシ変性ポリオレフィン(例えば、エチレン−無水マレイン酸−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体)などの変性ポリオレフィン;オレフィン系エラストマー(エチレンプロピレンゴムなど)などが挙げられる。オレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシルなどの(メタ)アクリル酸C1−10アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;(メタ)アクリル酸グリシジルエステルなど]、アクリロニトリルなどのアクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体;アクリル系モノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
前記アクリル系単独重合体又は共重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。アクリル系モノマーと他のモノマーとの共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
ビニル系樹脂としては、塩化ビニル系樹脂[塩化ビニル系モノマーの単独重合体(ポリ塩化ビニル系樹脂など)、塩化ビニル系モノマーと他のモノマーとの共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)など]、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系モノマーの単独重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系モノマーと他のモノマーとの共重合体など)、ポリビニルホルマールなどのポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。これらのビニル系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
疎水化されたセルロース系繊維と混合する合成樹脂(B)の形態は、特に制限されず、固体状であってもよく、溶融状であってもよい。また、固体状の合成樹脂(B)の形状は、特に制限されず、繊維状、ペレット状又は粉粒状などのいずれであってもよい。また、疎水化されたセルロース系繊維と混合する合成樹脂(B)は、微小化樹脂であってもよい。微小化樹脂は、合成樹脂(B)を溶媒中で機械的に剪断処理することにより得ることができる。機械的剪断処理は、前記セルロース系繊維のミクロフィブリル化と同様の方法により行うことができる。なお、繊維状の合成樹脂(B)を機械的に剪断処理すると、微小繊維(フィブリル化又はミクロフィブリル化繊維)が得られ、ペレット状又は粉粒状の合成樹脂(B)を機械的に剪断処理すると、微小化された合成樹脂(B)(微小ペレット状、微小粉粒状など)が得られる。
なお、合成樹脂(B)は、二種以上の樹脂繊維が複合化された複合繊維(例えば、相分離した複数の樹脂で構成された複合繊維)を用いてもよく、このような複合繊維を叩解処理して得られる繊維(分割繊維)を用いてもよい。なお、分割繊維では、繊維の叩解処理により、各樹脂の相が分割された状態となる。なお、分割繊維の詳細は、例えば、特開2008−179922号公報を参照できる。
前記複合繊維を構成する樹脂は、特に制限されず、熱硬化性樹脂であってもよいが、通常、熱可塑性樹脂(オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂など)などを用いる場合が多い。これらの樹脂のうち、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが好ましい。これらの樹脂としては、前記合成樹脂(B)を構成する熱可塑性樹脂の項で例示の各樹脂が使用できる。
前記オレフィン系樹脂のうち、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが好ましく、前記ポリエステル系樹脂のうち、芳香族ポリエステル(テレフタル酸単位を含むポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート);脂肪族ポリエステル(アジピン酸単位を含むポリエステル、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペートなどのポリアルキレンアジペート;ポリ乳酸など)などが好ましい。また、好ましいポリアミド系樹脂には、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド系樹脂などが含まれる。また、ビニル系樹脂としては、塩化ビニル系樹脂などが好ましい。
これらの複合繊維を構成する樹脂のうち、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂、特に、オレフィン系樹脂などが好ましい。なお、前記複合繊維は、通常、相分離した二種の樹脂で構成されている場合が多い。
好ましい組み合わせとしては、(a)相分離可能な複数のオレフィン系樹脂の組み合わせ(例えば、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との組み合わせなどの異なるオレフィン系樹脂の組み合わせ、相分離可能な異なるポリプロピレン系樹脂の組み合わせなど)の他、(b)オレフィン系樹脂と、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂から選択された少なくとも一種との組み合わせ、(c)ビニル系樹脂と、ポリアミド系樹脂との組み合わせなどが挙げられる。
特に、ポリプロピレン系樹脂と、このポリプロピレン系樹脂と相分離可能な他の樹脂(ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂など)との組み合わせが好ましい。ポリプロピレン系樹脂と、相分離可能な他の樹脂(ポリエチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂など)との割合(重量比)は、例えば、ポリプロピレン系樹脂/相分離可能な他の樹脂=10/90〜90/10、好ましくは30/70〜85/15、さらに好ましくは50/50〜80/20程度であってもよい。
前記複合繊維の断面構造(横断面構造)は、特に制限されず、例えば、放射状配列型(例えば、複数の樹脂のうち一方の成分と他方の成分とが放射状に配置された形状、一方の成分が薄層状で放射状に配置され、この薄層状の成分により他方の成分が放射状に分割された形状、接着剤層などにより、一方の成分と他方の成分とが放射状に分割された形態など)、サイドバイサイド型(又は並列型又は多層積層型)、海島型、芯鞘型などであってもよい。また、前記複合繊維は、中実であってもよく、中空であってもよい。
また、前記複合繊維の断面形状(横断面形状)は、特に制限されず、例えば、円形、多角形(三角形、四角形など)などであってもよい。
前記複合繊維の平均繊維径は、特に制限されず、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜40μm、さらに好ましくは1〜30μm程度であってもよい。また、前記複合繊維の平均繊維長は、例えば、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜8mm、さらに好ましくは0.8〜6mm程度であってもよい。
なお、前記複合繊維は、必要により、他の繊維[天然繊維(セルロース繊維など)、合成繊維、半合成繊維(アセテートなど)]を含んでいてもよく、添加剤(例えば、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、芳香剤、脱臭剤、抗菌剤など)を併用してもよい。
前記複合繊維を叩解処理した分割繊維を合成樹脂(B)として用いる場合、複合繊維の叩解処理は、慣用の叩解処理方法、例えば、リファイナー処理及びホモジナイズ処理から選択された少なくとも一種の処理方法などにより行うことができる。このような叩解処理の詳細は、特開2008−179922号公報を参照できる。
複合繊維の叩解処理により得られる分割繊維(フィブリル化繊維)の平均繊維径は、0.01〜30μmの広い範囲から選択でき、例えば、0.05〜25μm、好ましくは、0.1〜20μm、さらに好ましくは0.3〜20μm程度であってもよい。また、前記フィブリル化繊維の平均繊維長は、0.1〜5mmの広い範囲から選択でき、例えば、0.1〜4mm、好ましくは0.3〜4mm、さらに好ましくは0.3〜3mm程度であってもよい。
合成樹脂(B)の割合は、固形分換算で、例えば、セルロース系繊維(A)100重量部に対して、0.1〜5000重量部、好ましくは0.5〜3000重量部、さらに好ましくは1〜2000重量部程度の範囲から選択できる。例えば、マトリックス樹脂を補強するための用途では、上記割合は、セルロース系繊維(A)100重量部に対して、固形分換算で、1〜1000重量部、好ましくは10〜500重量部、さらに好ましくは20〜200重量部、特に、50〜150重量部程度であってもよい。なお、このような割合は、機械的剪断処理後のセルロース系繊維(A)の微小繊維に対する微小化された合成樹脂(B)の割合にも対応している。
繊維状の合成樹脂(B)の平均繊維長(L)は、0.01〜1mm(例えば、0.02〜0.7mm)、好ましくは0.03〜0.9mm、さらに好ましくは0.05〜0.8mm(特に、0.06〜0.7mm)程度であってもよい。また、微小化された繊維状合成樹脂(B)(合成樹脂(B)の微小繊維)の平均繊維径(D)は、0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.8μm、さらに好ましくは0.01〜0.6μm(特に、0.1〜0.4μm)程度であってもよい。微小繊維のアスペクト比(L/D)は、100〜10000、好ましくは200〜8000、さらに好ましくは400〜6000(特に、600〜4000)程度であってもよい。また、前記微小繊維の平均繊維長及び平均繊維径は、機械的に剪断処理を行う前の原料繊維の平均繊維長及び平均繊維径と同じか又はそれ以下である。
合成樹脂(B)がペレット状又は粉粒状である場合、平均径は、例えば、0.01〜50mm、好ましくは0.05〜45mm、さらに好ましくは0.1〜40mm程度である。なお、合成樹脂(B)の少なくとも一部がペレット状又は粉粒状樹脂である場合、前記ペレット状又は粉粒状樹脂と繊維状樹脂との割合(固形分重量比)は、前者/後者=10/90〜99.9/0.1、好ましくは15/85〜95/5、さらに好ましくは20/80〜90/10(特に、30/70〜80/20)程度であってもよい。
ペレット状又は粉粒状の微小樹脂の平均粒子径は、1mm以下(例えば、0.001〜1mm)、好ましくは0.005〜0.9mm、さらに好ましくは0.01〜0.8mm(特に、0.1〜0.7mm)程度であってもよく、特に0.5mm以下が好ましい。なお、前記ペレット状又は粉粒状微小樹脂の平均粒子径は、叩解処理前のペレット状又は粉粒状樹脂の平均径と同じか又はそれ以下である。
(C)疎水化剤
疎水化剤(C)としては、セルロース系繊維(A)(微小繊維(微小繊維状セルロース)も含む)を少なくとも疎水化できる化合物であればよく、例えば、セルロース系繊維の親水性基(ヒドロキシル基など)に適当な疎水性基(疎水性保護基)を結合させて疎水性基を導入することにより疎水化可能な化合物であってもよく、セルロース系繊維の表面の少なくとも一部に付着させる(又は表面の少なくとも一部を被覆する)ことにより疎水化可能な疎水性化合物であってもよい。
前記疎水性基(疎水性保護基)としては、例えば、ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基(C3−26アルキル基、好ましくはC6−24アルキル基など);シクロヘキシル基などのシクロアルキル基(C5−10シクロアルキル基など);フェニル基、トリル基などのアルキル基を置換基として有していてもよいアリール基(C6−20アリール基、C1−26アルキル−C6−20アリール基(好ましくはC6−24アルキル−C6−14アリール基)など);ベンジル基などのアラルキル基(C6−20アリール−C1−6アルキル基など);アシル基(アセチル基、ビニルカルボニル基などのC2−20脂肪族アシル基;ベンゾイル基などの芳香族アシル基など);エポキシ基などが挙げられる。疎水性基を有する化合物(保護剤又は疎水性保護剤)としては、前記保護基に対応する化合物であって、セルロース系繊維の親水性基(ヒドロキシル基など)と反応して結合を形成可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、金属カップリング剤(例えば、金属アルキルアルコキシド、金属アリールアルコキシド(例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤など)など)、アシル化剤[酸ハライド(例えば、酢酸クロライド、プロピオン酸クロライドなどのアルキルカルボニルクロライドなど)、酸無水物(無水酢酸など)、アルケニルアシレート(例えば、1−アルケニルアシレート(例えば、酢酸イソプロペニルなどのC2−6アルカンカルボン酸イソプロペニルエステル)など)など]、イソシアン酸誘導体[例えば、イソシアン酸エステル(イソシアン酸メチル、イソシアン酸エチルなどのイソシアン酸アルキルエステル;イソシアン酸ベンジルなどのイソシアン酸アラルキルエステルなど)など]、サイズ剤などが挙げられる。
また、セルロース系繊維の表面に付着可能な疎水性化合物としては、例えば、油脂類[高級脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などのC8−35飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸などのC10−35不飽和脂肪酸など)、高級脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどのC8−35脂肪酸金属塩など)、前記高級脂肪酸塩と多価アルコールとのエステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどのC8−35脂肪酸エステルなど)、高級脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどのC8−35脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドなど)、シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなどのポリアルキルアリールシロキサンなど)など]、ワックス類[脂肪族炭化水素系ワックス(ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリC2−4オレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、植物性又は動物性ワックス(カルナウバワックス、ミツロウ、セラックワックス、モンタンワックスなど)など]、疎水性(又は水不溶性)樹脂(例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(チオ)エーテル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂など)などが挙げられる。これらの疎水性化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
セルロース系繊維の疎水化を均一かつ効率よく行うため、疎水化剤は、通常、溶液、分散液、又はエマルションなどの形態で使用され、特に、水系の疎水化剤(分散液又はエマルション)であるのが好ましい。
疎水化剤としては、例えば、サイズ剤、紙力増強剤、前記疎水性化合物のエマルションなどを用いるのが実用上有利である。なお、疎水化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記サイズ剤としては、抄紙などの紙の製造に使用される慣用のサイズ剤(サイジング剤)が使用でき、酸性サイズ剤[ロジン系サイズ剤(例えば、ロジンをアルカリでけん化したけん化ロジンサイズ剤、無水マレイン酸などの不飽和二塩基酸を付加した後、けん化した強化ロジンサイズ剤など)、石油系サイズ剤など]、中性サイズ剤などが挙げられる。これらのサイズ剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。サイズ剤のうち、ハンドリングの点から、中性サイズ剤を用いる場合が多い。
中性サイズ剤としては、例えば、炭化水素基[アルキル基(長鎖アルキル基など)、アルケニル基(長鎖アルケニル基など)などの脂肪族炭化水素基;アルキル基を置換基として有していてもよいシクロアルキル基などの脂環族炭化水素基;アルキル基を置換基として有していてもよいアリール基、アラルキル基などの芳香族炭化水素基など]を有するケテンダイマー類、炭化水素基(前記炭化水素基など)を有する無水コハク酸類などが挙げられる。
炭化水素基を有するケテンダイマー類としては、例えば、アルキルケテンダイマー(AKD)[例えば、デシルケテンダイマー、ドデシルケテンダイマー、テトラデシルケテンダイマー、ヘキサデシルケテンダイマー、ステアリルケテンダイマー、エイコシルケテンダイマーなどのC8−30アルキル−ケテンダイマー(好ましくはC10−26アルキル−ケテンダイマーなど)など]、アルケニルケテンダイマー[長鎖アルケニル基を有するケテンダイマー、例えば、オクテニルケテンダイマー、デセニルケテンダイマー、ドデセニルケテンダイマー、テトラデセニルケテンダイマー、ヘキサデセニルケテンダイマー、オクタデセニルケテンダイマー、エイコセニルケテンダイマーなどのC8−30アルケニル−ケテンダイマー(好ましくはC10−26アルケニル−ケテンダイマーなど)など]、アルキル−シクロアルキルケテンダイマー[例えば、ノニルシクロヘキシルケテンダイマーなどのC4−30アルキル−C4−10シクロアルキル−ケテンダイマー(好ましくはC6−26アルキル−C5−8シクロアルキル−ケテンダイマーなど)など]、アルキル−アリールケテンダイマー[例えば、オクチルフェニルケテンダイマー、ノニルフェニルケテンダイマー、ドデシルフェニルケテンダイマーなどのC4−30アルキル−C6−20アリール−ケテンダイマー(好ましくはC6−26アルキル−C6−14アリール−ケテンダイマーなど)など]、アラルキルケテンダイマー[例えば、フェネチルケテンダイマーなどのC6−10アリール−C1−4アルキル−ケテンダイマー(好ましくはC6−8アリール−C1−2アルキル−ケテンダイマーなど)など]などが挙げられる。これらのケテンダイマー類のうち、長鎖脂肪族炭化水素基(例えば、C10−30脂肪族炭化水素基など)を有するケテンダイマー類[例えば、長鎖アルキル基を有するケテンダイマー類(例えば、C10−24アルキル−ケテンダイマーなど)など]が好ましい。
炭化水素基を有する無水コハク酸類としては、脂肪族炭化水素基を有する無水コハク酸類、例えば、アルケニル無水コハク酸(ASA)類[β−ブテニル無水コハク酸、β−オクテニル無水コハク酸、β−デセニル無水コハク酸、β−ドデセニル無水コハク酸、β−テトラデセニル無水コハク酸、β−ヘキサデセニル無水コハク酸、β−オクタデセニル無水コハク酸などのβ−C6−30アルケニル−無水コハク酸類(好ましくはβ−C8−26アルケニル−無水コハク酸類)、これらのアルケニル無水コハク酸類に対応するアルキル無水コハク酸類(アルケニル無水コハク酸類の水素添加物)などが挙げられる。これらの無水コハク酸類のうち、長鎖脂肪族炭化水素基(C10−30脂肪族炭化水素基など)を有する無水コハク酸類[例えば、長鎖アルケニル基を有する無水コハク酸類(例えば、β−C10−24アルケニル無水コハク酸類など)など]などが好ましい。
前記紙力増強剤としては、紙の製造に使用される慣用の紙力増強剤が使用でき、例えば、デンプン類(デンプン、カチオン化デンプン、ジアルデヒドデンプンなど)、アクリル系樹脂(カチオン性アクリル系樹脂、アクリルアミド樹脂、アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体など)、スチレン系樹脂(アニオン性スチレン系樹脂、カチオン性スチレン系樹脂など)、アミノ樹脂(尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂など)、アミン類又はポリアミド系樹脂[ポリアミン、ポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂、アミノポリアミド樹脂(ポリアミドポリアミン)、アミノポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂など]、多糖類(ローカストビーンガム又はその誘導体、グアーガムなどの植物性ガム、チトサン、カルボキシメチルセルロースなど)、合成ゴム(ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレンなど)などが挙げられる。これらの紙力増強剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの紙力増強剤のうち、分散性やセルロース系繊維に対する定着性などの点から、カチオン性紙力増強剤、例えば、カチオン性アクリル系樹脂、カチオン性ポリアミド系樹脂などが好ましい。
カチオン性アクリル系樹脂としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジC1−4アルキルアミノC2−6アルキル(メタ)アクリレート単位を含むジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート系樹脂と、エピクロロヒドリンとの反応物が好ましい。前記(メタ)アクリレート単位に対して共重合性単量体としては、アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C1−10アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2−4アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン系単量体[エチレン、プロピレンなどのC2−6オレフィンなど]などが挙げられる。これらのカチオン性アクリル系樹脂のうち、ジC1−3アルキルアミノC2−4アルキル(メタ)アクリレート系樹脂と、エピクロロヒドリンとの反応物(又はエピクロロヒドリン変性ジC1−3アルキルアミノC2−4アルキル(メタ)アクリレート系樹脂)が好ましい。
カチオン性ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリアミンとジカルボン酸とから得られるポリアミド(アミノ基含有ポリアミド樹脂又はアミノポリアミド樹脂)と、エピクロロヒドリンとの反応物(アミノポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂又はエピクロロヒドリン変性アミノポリアミド樹脂)が好ましい。ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミンなどのポリC2−4アルキレンポリアミンなどが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC2−10脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのカチオン性ポリアミド系樹脂のうち、ポリC2−4アルキレンポリアミンとC4−8脂肪族ジカルボン酸とから得られるアミノポリアミドと、エピクロロヒドリンとの反応物が好ましい。
疎水性化合物のエマルションのうち、アクリル系樹脂のエマルション(アクリルエマルション)、ワックスエマルションなどが好ましい。エマルション中の前記疎水性化合物の割合(濃度)は、特に制限されず、例えば、5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%程度であってもよい。なお、エマルションとしては、市販品を用いてもよく、上記疎水性化合物を水及び有機溶媒(水に対して非混和性の有機溶媒など)に分散(又は乳化)させることにより得られるエマルションを用いてもよい。なお、疎水性化合物の溶媒への分散には、必要により、慣用の添加剤、例えば、乳化剤、界面活性剤などを用いてもよい。
このような疎水化剤で、少なくともセルロース系繊維(A)(セルロース系繊維(A)、又はセルロース系繊維及び合成樹脂(B))を処理すると、少なくともセルロース系繊維(A)の親水性基(ヒドロキシル基など)が疎水化される。そのため、セルロース系繊維の親水性(及び吸湿性)を容易に抑制又は低減することができる。なお、合成樹脂(B)が親水性基を有する場合、セルロース系繊維及び合成樹脂(B)の疎水化剤での処理により、合成樹脂(B)(又は微小化された合成樹脂(B))が疎水化されてもよい。
セルロース系繊維を処理する疎水化剤の割合は、セルロース系繊維を所望の程度に疎水化できればよく、例えば、セルロース系繊維100重量部に対して、固形分換算で、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度である。
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とを含有すればよく、例えば、(i)疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合する方法、(ii)セルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合し、少なくともセルロース系繊維を疎水化する方法などにより製造できる。また、これらの方法の適当な段階で、必要により、セルロース系繊維及び/又は合成樹脂(B)を、機械的に剪断処理してもよい。また、このような方法により、得られる樹脂組成物を、マスターバッチとして用い、このマスターバッチを、さらに合成樹脂(B)と混合又は合成樹脂(B)で稀釈して本発明の樹脂組成物を製造してもよい。
また、前記樹脂組成物は、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、機械的に剪断処理する方法において、前記セルロース系繊維(A)を疎水化剤により処理することにより製造してもよい。このような方法において、セルロース系繊維の疎水化処理は、少なくともセルロース系繊維を疎水化剤(C)で処理すればよく、例えば、機械的剪断処理により得られた繊維(A)及び合成樹脂(B)を疎水化剤で処理してもよく(例えば、セルロース繊維又は機械的剪断により得られる微小セルロース繊維を含む懸濁液に疎水化剤を添加してもよく、前記懸濁液を脱液して得られる組成物を疎水化剤で処理してもよい)、セルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)の機械的剪断処理を、疎水化剤(C)の存在下で行うことにより処理してもよい。
セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを機械的に剪断処理する方法としては、両者を均一に混合できる限り特に限定されず、撹拌子として回転羽根を有するミキサー(撹拌機)で撹拌する方法、ホモジナイザーやリファイナーを用いて叩解処理する方法などが挙げられる。これらの方法のうち、ミキサーで撹拌する方法、ホモジナイザーでホモジナイズする方法、両者を組み合わせた方法が好ましい。
(ミキサーで撹拌する方法)
ミキサーで撹拌する方法としては、セルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)をミキサーに投入して高速撹拌し、両者の混合物を調製する高速撹拌工程、及び得られた混合物をミキサーで冷却しながら低速撹拌して造粒する低速撹拌工程を含む方法が好ましい。
セルロース系繊維(A)は、疎水化されていなくてもよいが、両者が充分に混合できる点から、疎水化されたセルロース系繊維を使用するのが好ましい。さらに、セルロース系繊維(A)は、後述するホモジナイズ処理により微小化された微小繊維を使用してもよい。
セルロース系繊維(A)は、ミクロフィブリル化や疎水化において使用された溶媒を含んでいてもよく、高速撹拌工程において、溶媒を除去することができる。
前記溶媒としては、原料となるセルロース系繊維(A)、合成樹脂(B)、及び/又は疎水化剤(C)に化学的又は物理的損傷を与えない限り特に制限されず、例えば、水、有機溶媒[アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソプロパノールなどC1−4アルカノールなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのジC1−4アルキルエーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル(環状C4−6エーテルなど))、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどのジアルキルケトン(ジC1−5アルキルケトンなど);シクロヘキサノンなどのシクロアルカノン(C4−10シクロアルカノンなど))、芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン系炭化水素類(塩化メチル、フッ化メチルなど)など]などが挙げられる。
これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。また、これらの溶媒のうち、生産性、コストの点から、水が好適であり、必要により、水と水性有機溶媒(C1−4アルカノール、アセトンなど)との混合溶媒を用いてもよい。
セルロース系繊維(A)の溶媒中における濃度は、50重量%以下(例えば、0.01〜50重量%)、好ましくは0.05〜40重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量%(特に1〜20重量%)程度であってもよい。溶媒の割合が多すぎる場合には、予め慣用の脱液処理(例えば、濾過、圧搾、遠心分離など)、乾燥処理などにより、脱液して、前記範囲に調整するのが好ましい。なお、必要により、高速撹拌に先だって、慣用の予備叩解処理を行ってもよい。
なお、溶媒中には、必要により、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、安定剤[酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤など)、収縮防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤など]、滑剤、離型剤、潤滑剤、衝撃改良剤、着色剤(染料や顔料など)、可塑剤、難燃剤、抗菌剤、防腐剤、防カビ剤、防虫剤、消臭剤などを含有していてもよい。
高速撹拌工程において、ミキサーとしては、例えば、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、リボンミキサー、V型ミキサーなどの慣用のミキサーなどが挙げられる。
回転羽根の形状は、特に限定されず、例えば、かい形、タービン形、プロペラ形などが利用できる。また、回転羽根の枚数は、特に限定されないが、通常、上羽根と下羽根との2枚羽根、又は上羽根と中間羽根と下羽根の3枚羽根である。さらに、このような複数枚の回転羽根を組み合わせるミキサーにおいて、回転羽根として、上羽根には混練用タイプ、下羽根には高循環・高負荷用タイプ、中間羽根を使用する場合は溶融液用タイプを用いて異なるタイプを組み合わせてもよい。
ミキサーは、さらに加熱手段を備えたヒーターミキサーが好ましい。
このようなミキサーとしては、例えば、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製、「FM20C/I」、容量20L)、スーパーミキサー((株)カワタ製、「SMV−20」、容量20L)などの市販品を利用できる。
高速撹拌工程では、セルロース系繊維(A)(又は微小及び/又は疎水化セルロース系繊維)と合成樹脂(B)とは、同時にミキサーに投入してもよく、一方の成分を投入した後に他方の成分を投入してもよいが、セルロース系繊維(A)を適度に分散させ、両者の均一性を向上できる点から、セルロース系繊維(A)の投入後に、合成樹脂(B)を投入するのが好ましい。さらに、必要であれば、セルロース系繊維(A)を所定時間(例えば、0.1〜10分間、好ましくは1〜5分間)撹拌して、セルロース系繊維(A)を解繊した後に、合成樹脂(B)を投入してもよい。このような解繊工程は、セルロース系繊維(A)が微粒状開繊繊維集合体である場合に有効である。
高速撹拌工程では、撹拌時の回転羽根の平均周速は、例えば、10〜100m/秒、好ましくは15〜90m/秒、さらに好ましくは20〜80m/秒(特に30〜70m/秒)程度である。
この工程では、このような高速で撹拌することにより、発生した摩擦熱により合成樹脂(B)が溶融し、合成樹脂(B)中にセルロース系繊維(A)が均一に分散した状態で両者を混合できる。撹拌を継続するとミキサー内の温度が上昇し続け、モーターの動力が上昇する。この動力の上昇及びミキサー内の温度に応じて撹拌速度を徐々に又は一気に減速して回転数を低下させるのが好ましく、その場合も平均周速が前記範囲になるようにするのが好ましい。この状態で撹拌を継続した場合、再び動力が上昇するので、連結する次の低速撹拌工程で使用するミキサーに混合物を排出する。次工程に供される混合物は、合成樹脂(B)中にセルロース系繊維(A)が略均一に分散している。
高速撹拌工程では、ミキサー内の昇温を補助し、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)との混合物の製造を容易にするため、加温手段により、ミキサーを加温することもできる。加温温度は、合成樹脂の種類に応じて選択できるが、例えば、100〜160℃、好ましくは110〜150℃、さらに好ましくは120〜140℃程度である。
低速撹拌工程では、高速撹拌工程で得られた混合物をミキサーで冷却しながら低速撹拌して造粒する。すなわち、この工程の処理により、前記工程で溶融された合成樹脂(B)は、低速で撹拌されながら、均一に繊維と混合された状態で固化してペレットが得られる。
この工程では、ミキサーの冷却効率を高めるため、高速撹拌工程で用いたミキサーとは別個のミキサーを用いるのが好ましい。ミキサーとしては、前記高速撹拌工程の項で例示された回転羽根を有するミキサーが利用できるが、冷却しながら撹拌するため、冷却手段を備えた冷却ミキサーが好ましい。このようなミキサーとしては、例えば、冷却ミキサー(日本コークス工業(株)製、「FD20C/K」、容量45L)などの市販品を利用できる。
低速撹拌工程では、撹拌時の回転羽根の平均周速は、高速撹拌工程の撹拌速度よりも小さく、例えば、1〜30m/秒、好ましくは2〜25m/秒、さらに好ましくは3〜20m/秒(特に5〜15m/秒)程度である。
低速撹拌工程における処理は、セルロース系繊維と合成樹脂との混合物が、成形用の材料として取り扱いできる程度に固化された時点で終了することができる。なお、摩擦熱の発生により、ミキサー内の温度が上がりすぎると一旦固化した合成樹脂が再溶融するため、低速撹拌工程においてもミキサー内の温度を管理するのが好ましい。
(ホモジナイズする方法)
ホモジナイズする方法としては、セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、溶媒中でホモジナイズ処理して、懸濁液を調製し、この懸濁液から溶媒を除去する方法が好ましい。ホモジナイズ処理に使用する溶媒としては、前記溶媒を使用できる。
セルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)の双方をホモジナイズ処理する場合、両者は、溶媒中に少なくとも共存した状態であればよく、ホモジナイズ処理に先だって、セルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)を、溶媒中に分散させてもよい。分散は、例えば、慣用の分散機(超音波分散機、ホモディスパー、スリーワンモーターなど)などを用いて行ってもよい。なお、前記分散機は、機械的撹拌手段(撹拌棒、撹拌子など)を備えていてもよい。
セルロース系繊維(A)及び/又は合成樹脂(B)の溶媒中における濃度は、0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜40重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量%程度であってもよい。
ホモジナイズ処理では、慣用の均質化装置(例えば、ホモジナイザー、特に、高圧ホモジナイザーなど)を使用することができる。
なお、高圧ホモジナイザーは、内部に狭まった流路(例えば、オリフィス(小径オリフィスなど)など)を備え、前記分散液を狭まった流路に通過させることにより、圧力を負荷し、容器内壁などの壁面に衝突させることにより、剪断応力又は切断作用を付与するタイプの装置であってもよい。
このような高圧ホモジナイザーにおいて、狭まった流路を通過させることにより負荷される圧力(又は高圧ホモジナイザーへ圧送する圧力(又は処理圧力))は、例えば、30〜100MPa、好ましくは35〜80MPa、さらに好ましくは40〜60MPa(例えば、45〜55MPa)程度であってもよい。
また、狭まった流路の通過と壁面への衝突とを繰り返して行うことにより、前記原料樹脂繊維の微小化、及び分散液の均質化の程度を適宜調整することができる。狭まった流路の通過と壁面への衝突との繰り返し数(又は処理回数(又はパス回数))は、5〜30回、好ましくは、7〜25回、さらに好ましくは10〜20回(例えば、12〜18回)程度であってもよい。
なお、このような高圧ホモジナイザーによる微小化の詳細は、例えば、特公昭60−19921号公報などを参照できる。
このような方法により得られる懸濁液では、セルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)が高度に微小化され、繊維(A)の微小繊維(又は疎水化された繊維(A)の微小繊維を少なくとも含む繊維(A))及び微小化された合成樹脂(B)(特に合成樹脂(B)の微小繊維)が互いに入り組んでいるため、微小繊維が溶媒中に均一に分散し、安定した懸濁液(又はスラリー状懸濁液)を形成している。
なお、懸濁液は、必要により、前述の添加剤を含んでいてもよい。
溶媒の除去方法としては、慣用の脱液処理(例えば、濾過、圧搾、遠心分離など)、乾燥処理などが挙げられる。これらの処理は、適宜組み合わせて使用してもよいが、少なくとも乾燥処理するのが好ましく、例えば、濾過などにより脱液した後、乾燥してもよい。また、樹脂組成物の製造に伴って、前記懸濁液の溶媒の種類を置換(溶媒置換)してもよい。溶媒置換を行う場合、例えば、水系溶媒を脱液した後、有機溶媒(前記例示の有機溶媒、例えば、C1−4アルカノール、アセトンなど)に微小繊維を分散させ、さらに脱液処理を行ってもよい。また、水系溶媒の脱液及び/又は有機溶媒の脱液の後、必要により、乾燥してもよい。
乾燥温度は、20〜300℃程度の広い範囲から選択できるが、複数の微小樹脂のガラス転移温度(Tg)より低い温度、例えば、25〜250℃、好ましくは28〜200℃、さらに好ましくは30〜150℃(特に40〜130℃)程度であってもよい。このような温度で乾燥すると、微小繊維が熱により接着することなく、微小化による効果を損わない。
乾燥には、必要に応じて、公知の乾燥機、例えば、ナウター型乾燥機、棚型乾燥機、加熱ジャケット付回転式混合機などが使用できる。
さらに、このホモジナイズ処理において、合成樹脂(B)を添加することなく、セルロース繊維(A)単独でミクロフィブリル化を行った後、得られた微小セルロース繊維と、合成樹脂(B)とを前記ミキサーで撹拌する2段階の処理に供してもよい。
(樹脂組成物及び成形体)
前記方法で得られた樹脂組成物は、必要に応じて、粉砕処理、ペレタイズ処理などに供してもよい。粉砕には、公知の粉砕機、例えば、サンプルミル、ハンマーミル、カッターミルなどを使用してもよい。また、ペレタイズ処理には、公知のペレット化装置、例えば、ペレタイザなどを使用してもよい。
また、前記樹脂組成物は、さらに合成樹脂(B)又は他の樹脂(又はマトリックス樹脂)と組み合わせてもよい。特に、繊維状の樹脂組成物をマスターバッチとして使用し、マトリックス樹脂を用いて、混合(希釈)し、繊維強化樹脂(又は繊維強化樹脂組成物)として使用することもできる。なお、他の樹脂は、繊維状樹脂であってもよく、粉粒状樹脂又はペレット状樹脂であってもよい。また、繊維状樹脂組成物と混合するマトリックス樹脂(合成樹脂(B)又は他の樹脂)の形態は、固体状態及び溶融状態のいずれの形態であってもよい。本発明では、疎水化されたセルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)を用いるので、マトリックス樹脂が疎水性であっても、疎水化されたセルロース系繊維(及び合成樹脂(B))をマトリックス樹脂に均一に分散でき、マトリックス樹脂を効果的に補強できる。そのため、前記樹脂組成物は、幅広い種類のマトリックス樹脂に適用することができ、種々のマトリックス樹脂の補強剤又は強化剤としても有用である。
なお、マトリックス樹脂は、均質樹脂を構成してもよく、ポリマーアロイを形成してもよい。マトリックス樹脂は、合成樹脂(B)を構成する樹脂とは、異なる種類の樹脂であってもよいが、混練性の点からは、合成樹脂(B)と同種の樹脂(合成樹脂(B)を構成する少なくとも一種の樹脂と同種の樹脂など)であるのが好ましい。異種の樹脂の場合は、相溶化剤などを用いて混練するのが好ましい。
前記相溶化剤としては、例えば、極性基を有する化合物で変性した熱可塑性樹脂などが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド12など)、環状炭化水素系樹脂(環状オレフィンコポリマーなど)、ポリスチレン系樹脂{ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−共役ジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂など)、スチレン−共役ジエン共重合体及び/又はその水素添加樹脂(SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEPS、SEEPS、SBBSなど)、スチレン系熱可塑性エラストマー[スチレン−共役ジエン共重合体及び/又はその水素添加樹脂を含有する混合物又は部分架橋物(例えば、スチレン−共役ジエン共重合体及び/又はその水素添加樹脂と、オレフィン系樹脂及び/又はオイルとを配合した混合物など)など]など}などが挙げられる。これらのうち、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが好ましい。
これらの熱可塑性樹脂を変性するための変性剤としての極性基を有する化合物において、極性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボニル基(エステル基、アミド基、酸はライド基など)、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、グリシジル基、オキサゾリル基などが挙げられる。これらの極性基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。好ましい極性基は、カルボキシル基、酸無水物基、グリシジル基などである。
極性基を有する化合物としては、具体的には、カルボキシル基を有する化合物((メタ)アクリル酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸及びその無水物など)、不飽和グリシジル化合物及び/又はその誘導体(グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなど)が挙げられる。これらのうち、カルボキシル基を有する化合物(特に、無水マレイン酸(MAH)など)、不飽和グリシジル化合物及び/又はその誘導体(特に、グリシジルメタクリレート(GMA)など)などが好ましい。これらの相溶化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、樹脂組成物中のセルロース系繊維(A)(疎水化されていてもよいセルース系繊維(A)の微小繊維)の割合は、例えば、0.01〜99.9重量%程度の範囲から選択でき、通常、0.1〜90重量%(例えば、0.1〜80重量%)、好ましくは1〜70重量%、さらに好ましくは5〜60重量%、特に、10〜50重量%(例えば、20〜45重量%)程度であってもよい。また、樹脂組成物を補強剤(繊維状補強剤など)として用いる場合、樹脂組成物中のセルロース系繊維(A)の微小繊維の割合は、組成物全体に対して、10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは25〜60重量%程度であってもよい。
本発明の成形体は、前記樹脂組成物で形成されている。このような成形体は、樹脂組成物を、溶融混練し、慣用の成形方法(押出成形、射出成形、圧縮成形など)で成形することにより得ることができる。
溶融混練は、慣用の方法、すなわち、慣用の溶融混練機、例えば、一軸又はベント式二軸押出機などを用いて行うことができる。また、溶融混練に先だって、慣用の方法、例えば、混合機(タンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサー、リボンミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機など)を用いて、樹脂組成物と他の成分(前記例示の添加剤など)などとを予備混合してもよい。なお、溶融混練温度は、例えば、70〜300℃、好ましくは80〜280℃、さらに好ましくは85〜260℃程度であってもよい。
さらに、得られた成形体は、疎水化されたセルロース系繊維が成形体中(マトリックス樹脂など)に十分に分散されているため、高い強度を有している。
前記成形体は、高い強度を有するため、宇宙関連品[人工衛星(人工衛星本体、パラボラアンテナ、太陽電池用フレームなど)、スペースシャトル(機体、翼、遠隔操作棒、荷物室ドアなど)など]、航空機部品(機体、主翼、尾翼、方向舵など)、自動車部品(ボディ、フード、ドア、ドライブシャフトなど)、スポーツ用品(ゴルフシャフト、テニスラケットフレームなど)、レジャー用品(釣り竿など)などに有用である。また、必要に応じて、紡糸することも可能であり、衣服などにも用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」又は「%」は、特にことわりのない限り、重量基準であり、実施例及び比較例で得られた成形体を用いて、下記の物性試験を行った。
[引張強さ]
実施例及び比較例で得られた成形体について、ISO 527−1に準じて、引張強さ(MPa)を測定した。
[曲げ強さ及び曲げ弾性率]
実施例及び比較例で得られた成形体について、ISO178に準じて、曲げ強さ(MPa)及び曲げ弾性率(MPa)を測定した。
実施例1
市販のクラフトパルプ(平均繊維長3mm、平均繊維径12μm)100gに、水20Lを加え、よく撹拌した。得られた分散液を均質化装置(GAULIN(ゴーリン)(株)製、15M−8TA、高圧ホモジナイザー)に常温で仕込み、50MPaの圧力で15回通過させてスラリー状懸濁液を得た。このスラリー状懸濁液にアルキルケテンダイマー(荒川化学工業(株)製、商品名「サイズパイン 903−20」)を固形分で0.01g添加し、均一に撹拌した後、スラリーの固形分が20重量%になるまで脱液を行い、疎水化MFC(ミクロフィブリル化セルロース)を得た。
さらに、ヒーターミキサー(日本コークス工業(株)製、商品名「ヘンシェルミキサーFM20C/I」、上羽根:混練用タイプ、下羽根:高循環・高負荷用タイプ、ヒーター及び温度計付き、容量20L)を140℃に加温し、得られた疎水化MFCを投入し、平均周速50m/秒で撹拌した。疎水化MFCの投入完了後、直ちに、疎水化MFC(乾燥重量)の割合が40重量%となる割合で、ポリプロピレン(J139)を投入した後、平均周速50m/秒で撹拌を続けた。このときのモーターの動力は2.5kWであった。約10分経過時点において、動力が上昇し始めた。1分後に、動力は4kWに上昇したため、周速を25m/秒の低速に落とした。低速の撹拌を継続すると、動力が再度上昇し始めた。低速回転開始1分30秒後、電流値は5kWに達したため、ミキサーの排出口を開き、接続する冷却ミキサーに排出した。
冷却ミキサー(日本コークス工業(株)製、商品名「クーラーミキサーFD20C/K」、回転羽根:冷却用標準羽根、水冷手段(20℃)及び温度計付き、容量45L)を平均周速10m/秒の低速で撹拌を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で撹拌を終了した。低速撹拌工程の処理により、疎水化MFCとポリプロピレンとの混合物は固化して、直径が数mmから2cm程度の造粒物(ペレット)が得られた。
得られた造粒物を用いて、二軸押出機(日鋼(株)製、商品名「TEX30α」)を用いてシリンダー温度は190℃で押出成形して、疎水化MFCを含有する樹脂成形体を得た。
実施例2
アルキルケテンダイマーの代わりに、カチオン性紙力増強剤(荒川化学工業(株)製、商品名「ポリマロン360」)を固形分で0.1gで添加する以外は実施例1と同様にして、樹脂成形体を得た。
実施例3
アルキルケテンダイマーの代わりに、カチオン性紙力増強剤(荒川化学工業(株)製、商品名「アラフィックス 255LOX」)を固形分で0.5gで添加する以外は実施例1と同様にして、樹脂成形体を得た。
実施例4
ヒーターミキサー(ヘンシェルミキサーFM20C/I)を140℃に加温し、実施例1で得られた疎水化MFCを投入し、平均周速50m/秒で撹拌した。疎水化MFCの投入完了後、直ちに、疎水化MFC(乾燥重量)の割合が40重量%となる割合で、ポリプロピレン(J139)を投入した後、平均周速50m/秒で撹拌を続けた。このときのモーターの動力は2.5kWであった。ミキサーの温度が120℃に達したときに、酸変性ポリプロピレン(日本製紙ケミカル(株)製、商品名「アウローレンAE−301」)を、疎水化MFC及びポリプロピレンの合計100重量部に対して、固形分で2重量部の割合で投入し、撹拌を続けた。約10分経過時点において、動力が上昇し始めた。1分後に、動力は4kWに上昇したため、周速を25m/秒の低速に落とした。低速の撹拌を継続すると、動力が再度上昇し始めた。低速回転開始1分30秒後、電流値は5kWに達したため、ミキサーの排出口を開き、接続する冷却ミキサーに排出した。
冷却ミキサー(クーラーミキサーFD20C/K)を平均周速10m/秒の低速で撹拌を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で撹拌を終了した。低速撹拌工程の処理により、疎水化MFCとポリプロピレンとの混合物は固化して、直径が数mmから2cm程度の造粒物(ペレット)が得られた。
得られた造粒物を用いて、二軸押出機(日鋼(株)製、商品名「TEX30α」)を用いてシリンダー温度は190℃で押出成形して、疎水化MFCを含有する樹脂成形体を得た。
実施例5
市販のクラフトパルプ(平均繊維長3mm、平均繊維径12μm)100g及び繊維状のポリプロピレン(三菱化学(株)製、商品名「SWP Y600」)100gに、水20Lを加え、よく撹拌した。得られた分散液を均質化装置(GAULIN社製 15M−8TA、高圧ホモジナイザー)に常温で仕込み、50MPaの圧力で15回通過させてスラリー状懸濁液を得た。次いで、このスラリー状懸濁液に、アルキルケテンダイマー(サイズパイン 903−20)を固形分で0.01重量%添加し、よく撹拌した後、を遠心脱液機にかけ、固形分を30重量%に調整し、繊維状ポリプロピレン系樹脂及びMFCの混合物を得た。
さらに、ヒーターミキサー(ヘンシェルミキサーFM20C/I)を140℃に加温し、得られた疎水化MFCを投入し、平均周速50m/秒で撹拌した。このときのモーターの動力は2.5kWであった。約10分経過時点において、動力が上昇し始めた。1分後に、動力は4kWに上昇したため、周速を25m/秒の低速に落とした。低速の撹拌を継続すると、動力が再度上昇し始めた。低速回転開始1分30秒後、電流値は5kWに達したため、ミキサーの排出口を開き、接続する冷却ミキサーに排出した。
冷却ミキサー(クーラーミキサーFD20C/K)を平均周速10m/秒の低速で撹拌を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で撹拌を終了した。低速撹拌工程の処理により、疎水化MFCとポリプロピレンとの混合物は固化して、直径が数mmから2cm程度の造粒物(ペレット)が得られた。
得られた造粒物を用いて、二軸押出機(日鋼(株)製、商品名「TEX30α」)を用いてシリンダー温度は190℃で押出成形して、疎水化MFCを含有する樹脂成形体を得た。
実施例6
繊維状のポリプロピレンの代わりに、ペレット状のポリプロピレン(J139)を用いる以外は実施例5と同様にして、樹脂成形体を得た。
実施例7
市販のクラフトパルプ(平均繊維長3mm、平均繊維径12μm)100gに、水20Lを加え、よく撹拌した。このスラリー状懸濁液にアルキルケテンダイマー(荒川化学工業(株)製、商品名「サイズパイン 903−20」)を固形分で0.01g添加し、均一に攪拌した後、スラリーの固形分が20重量%になるまで脱液を行い、疎水化クラフトパルプを得た。
さらに、ヒーターミキサー(ヘンシェルミキサーFM20C/I)を140℃に加温し、得られた疎水化クラフトパルプを投入し、平均周速50m/秒で撹拌した。疎水化クラフトパルプの投入完了後、直ちに、疎水化クラフトパルプ(乾燥重量)の割合が40重量%となる割合で、ポリプロピレン(J139)を投入した後、平均周速50m/秒で撹拌を続けた。このときのモーターの動力は2.5kWであった。約10分経過時点において、動力が上昇し始めた。1分後に、動力は4kWに上昇したため、周速を25m/秒の低速に落とした。低速の撹拌を継続すると、動力が再度上昇し始めた。低速回転開始1分30秒後、電流値は5kWに達したため、ミキサーの排出口を開き、接続する冷却ミキサーに排出した。
冷却ミキサー(日本コークス工業(株)製、商品名「クーラーミキサーFD20C/K」、回転羽根:冷却用標準羽根、水冷手段(20℃)及び温度計付き、容量45L)を平均周速10m/秒の低速で撹拌を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で撹拌を終了した。低速撹拌工程の処理により、疎水化MFCとポリプロピレンとの混合物は固化して、直径が数mmから2cm程度の造粒物(ペレット)が得られた。
得られた造粒物を用いて、二軸押出機(日鋼(株)製、商品名「TEX30α」)を用いてシリンダー温度は190℃で押出成形して、疎水化セルロースを含有する樹脂成形体を得た。
実施例8
アルキルケテンダイマーの代わりに、カチオン性紙力増強剤(ポリマロン360)を固形分で0.1gで添加する以外は実施例7と同様にして、樹脂成形体を得た。
実施例9
アルキルケテンダイマーの代わりに、カチオン性紙力増強剤(アラフィックス 255LOX)を固形分で0.5gで添加する以外は実施例7と同様にして、樹脂成形体を得た。
比較例1
アルキルケテンダイマーを添加しない以外は実施例1と同様にして、樹脂成形体を得た。
比較例2
アルキルケテンダイマーを添加しない以外は実施例7と同様にして、樹脂成形体を得た。
実施例及び比較例で得られた樹脂成形体について、引張及び曲げ試験を行った結果を表1に示す。
Figure 2010106251
表1の結果から明らかなように、疎水化されたセルロース繊維を用いた実施例の樹脂成形体は、高い引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率を示す。
本発明の樹脂組成物は、疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とを含むため、樹脂(特に疎水性のマトリックス樹脂)への分散性が高く、マトリックス樹脂又は樹脂成形体の強度を改善できる。そのため、マトリックス樹脂と組み合わせて、補強するのに有用である。また、樹脂組成物又は得られる成形体は、高い強度を有するため、宇宙関連品(人工衛星、スペースシャトルなど)、航空機部品、自動車部品、スポーツ用品、レジャー用品などに用いることができる。

Claims (18)

  1. 疎水化されたセルロース系繊維と、合成樹脂(B)とを含有する樹脂組成物。
  2. 溶融混練物又は溶融混練可能な組成物である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 疎水化されたセルロース系繊維が、サイズ剤、紙力増強剤、油脂類、ワックス及び疎水性樹脂から選択された少なくとも一種の疎水化剤(C)で処理されたセルロース系繊維(A)である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 疎水化されたセルロース系繊維が、C10−30脂肪族炭化水素基を有するケテンダイマー類、およびC10−30脂肪族炭化水素基を有する無水コハク酸類から選択された少なくとも一種のサイズ剤で構成された疎水化剤(C)で処理されたセルロース系繊維(A)である請求項1〜3の何れかの項に記載の樹脂組成物。
  5. 疎水化されたセルロース系繊維が、ジC1−3アルキルアミノC2−4アルキル(メタ)アクリレート系樹脂と、エピクロロヒドリンとの反応物、およびポリC2−4アルキレンポリアミンとC4−8脂肪族ジカルボン酸とから得られるポリアミドと、エピクロロヒドリンとの反応物からなる群から選択された少なくとも一種の紙力増強剤で構成された疎水化剤(C)で処理されたセルロース系繊維(A)である請求項1〜3の何れかの項に記載の樹脂組成物。
  6. 合成樹脂(B)が、繊維状、粉粒状又はペレット状である請求項1〜5の何れかの項に記載の樹脂組成物。
  7. 疎水化されたセルロース系繊維の微小繊維と、微小化された合成樹脂(B)とを含有する請求項1〜6の何れかの項に記載の樹脂組成物。
  8. セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、溶媒中で、機械的に剪断して得られ、かつセルロース系繊維(A)の微小繊維及び合成樹脂(B)の微小樹脂を含有し、少なくともセルロース系繊維(A)の微小繊維が疎水化されている請求項1〜7の何れかの項に記載の樹脂組成物。
  9. セルロース系繊維が、下記の処理(i)又は(ii)により疎水化されている請求項1〜8の何れかの項に記載の樹脂組成物。
    (i)疎水化剤(C)の存在下、溶媒中でのセルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)の機械的剪断処理、又は
    (ii)セルロース系繊維(A)の微小繊維及び合成樹脂(B)の微小樹脂の疎水化剤(C)による処理
  10. 合成樹脂(B)が、オレフィン系樹脂を含有する請求項1〜9の何れかの項に記載の樹脂組成物。
  11. 疎水化されたセルロース系繊維が、疎水化剤(C)で処理されたセルロース系繊維(A)であり、セルロース系繊維(A)100重量部に対して、固形分換算で、疎水化剤(C)の割合が0.1〜20重量部であり、合成樹脂(B)の割合が0.1〜5000重量部である請求項1〜10の何れかの項に記載の樹脂組成物。
  12. 疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とを含む樹脂組成物を製造する方法であって、(i)疎水化されたセルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合するか、又は(ii)セルロース系繊維と合成樹脂(B)とを混合し、少なくともセルロース系繊維を疎水化する樹脂組成物の製造方法。
  13. セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、機械的に剪断処理して、セルロース系繊維(A)及び合成樹脂(B)を含む樹脂組成物を製造する方法であって、少なくとも前記セルロース系繊維(A)を疎水化剤により処理する請求項12記載の製造方法。
  14. 回転羽根を有するミキサーに、疎水化されたセルロース系繊維及び合成樹脂(B)を投入して高速撹拌し、両者の混合物を調製する高速撹拌工程、及び得られた混合物をミキサーで冷却しながら低速撹拌して造粒する低速撹拌工程を含む請求項13記載の樹脂組成物の製造方法。
  15. 疎水化されたセルロース系繊維が、ホモジナイズ処理によりミクロフィブリル化されたセルロース系繊維を疎水化したセルロース系繊維である請求項14記載の樹脂組成物の製造方法。
  16. セルロース系繊維(A)と合成樹脂(B)とを、溶媒中で機械的に剪断処理して、懸濁液を調製し、この懸濁液から溶媒を除去して、セルロース系繊維(A)の微小繊維及び合成樹脂(B)の微小樹脂を含む樹脂組成物を製造する方法であって、少なくとも前記セルロース系繊維(A)の微小繊維を疎水化剤により処理する請求項15記載の製造方法。
  17. 機械的剪断処理が、ホモジナイズ処理である請求項16記載の製造方法。
  18. 請求項1〜11の何れかの項に記載の樹脂組成物で形成された樹脂成形体。
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