JP2019137711A - 繊維状セルロース及びその製造方法、並びに樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂の補強効果に優れる繊維状セルロース及びその製造方法、並びに強度の高い樹脂組成物を提供する。【解決手段】繊維状セルロースは、平均繊維径が1μm以上のマイクロ繊維セルロースであって、疎水変性している。また、繊維状セルロースの製造にあたっては、原料繊維を解繊して平均繊維径が1μm以上のマイクロ繊維セルロースとし、かつ疎水変性する。さらに、樹脂組成物は、上記繊維状セルロースと樹脂とを含有するものとする。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維状セルロース及びその製造方法、並びに樹脂組成物に関するものである。
近年、物質をナノメートルレベルまで微細化し、物質が持つ従来の性状とは異なる新たな物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。化学処理、粉砕処理等によりセルロース系原料であるパルプ繊維から製造されるセルロースナノファイバー(微細セルロース繊維)は、強度、弾性、熱安定性等に優れているため、ろ過材、ろ過助剤、イオン交換体の基材、クロマトグラフィー分析機器の充填材、樹脂及びゴムの配合用充填剤等としての工業上の用途や、口紅、粉末化粧料、乳化化粧料等の化粧品の配合剤の用途に用いられることが期待されている。また、セルロースナノファイバー(CNF)は、水系分散性に優れているため、食品、化粧品、塗料等の粘度の保持剤、食品原料生地の強化剤、水分保持剤、食品安定化剤、低カロリー添加物、乳化安定化助剤などの多くの用途における利用が期待されている。特に、現在では、植物繊維を微細化して得られるセルロースナノファイバーを樹脂の補強材として使用する提案がされている。このセルロースナノファイバーは、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を有するともいわれている。
しかしながら、樹脂の補強材としてセルロースナノファイバーを使用する場合、当該セルロースナノファイバーが多糖類の水酸基に由来する分子間水素結合により不可逆的に凝集する。したがって、セルロースナノファイバーを補強材として使用しても、樹脂中における当該セルロースナノファイバーの分散性が悪いことを原因として、樹脂の補強効果が十分に発揮されないとの問題がある。
そこで、特許文献1や特許文献2は、パルプ繊維にアルカノイル基を修飾し、このアルカノイル基を修飾したパルプ繊維を樹脂と混練する方法を提案している。この方法は、樹脂に分散し易くするためにパルプ繊維にアルカノイル基を修飾するとしており、また、アルカノイル基を修飾したパルプと樹脂とを混練するに際して、同時にアルカノイル基を修飾したパルプを微細化(ナノ化)してしまうとしている。しかしながら、アルカノイル基によってパルプ繊維を修飾するには多量の薬品や溶媒が必要になるため経済性に問題がある。また、アルカノイル基によって修飾したパルプ繊維であっても樹脂と混練する際に際して同時に微細化するには、大きなエネルギーが必要になる。
また、特許文献3は、リン酸基導入工程と、解繊工程と、有機基導入工程(表面改質剤を混合する工程)をこの順で含み、有機基導入工程の前に溶媒置換工程を有する微細繊維状セルロース含有物の製造方法、このようにして得られた微細繊維状セルロース含有物と樹脂とを混練して樹脂組成物を製造する方法を提案している。また、同文献は、樹脂に対する微細繊維状セルロース含有物の相溶性を向上させるために、微細繊維状セルロース含有物をシート化し、この微細繊維状セルロース含有物のシートを粉砕して樹脂と混合することを推奨している。しかしながら、同工法によると、有機基導入工程の前に溶媒置換工程を有するため溶媒処理の問題が生じ、また、微細繊維状セルロース含有物を樹脂と混練する前にシート化、粉砕等するため、エネルギー効率が悪い。
さらに、特許文献4は、樹脂中でセルロースを微細化してセルロースナノファイバーとしつつ、樹脂中のセルロースナノファイバーに環状無水多塩基酸を反応させて変性セルロースナノファイバーとする方法を提案している。しかしながら、得られた変性セルロースナノファイバーは、樹脂中での分散性が良好ではないため、補強効果が十分でない
特開2016−176052号公報 特開2017−25338号号公報 特開2017−66274号公報 国際公開第2013/147063号
本発明が解決しようとする主たる課題は、樹脂の補強効果に優れる繊維状セルロース及びその製造方法、並びに強度の高い樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するためにセルロースナノファイバーに様々な処理を施し、またセルロースナノファイバーと樹脂との混練方法を模索した。つまり、セルロースナノファイバーの使用を前提として様々な研究を行った。しかるに、セルロースナノファイバーを樹脂に複合する際、疎水変性を施しても樹脂中での分散性が十分でなく、樹脂中で十分な三次元ネットワークを形成することが困難で、十分な補強効果が得られなかった。しかしながら、その研究の過程において、原料繊維を疎水変性する場合においては、原料繊維がセルロースナノファイバーであるよりもマイクロ繊維セルロースである方が、樹脂中での分散性が良好であり、樹脂中で十分な三次元ネットワークを形成させることが可能であり、良好な補強効果を得ることを見出し、上記課題を解決するうえで好ましいことを知見し、本発明を想到するに至った。
上記課題を解決するための手段は、次のとおりである。
(請求項1に記載の手段)
平均繊維径が1μm以上のマイクロ繊維セルロースであって、前記マイクロ繊維セルロースが疎水変性している、
ことを特徴とする繊維状セルロース。
(請求項2に記載の手段)
前記マイクロ繊維セルロースは、平均繊維径が1μm以上、繊維長0.2mm以下の割合が12%以上であり、かつ繊維を構成するセルロースのヒドロキシル基の一部が下記構造式(1)又は構造式(2)に示す官能基で置換されている、
請求項1に記載の繊維状セルロース。
Figure 2019137711
構造式中のRは、直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の飽和炭化水素基又はその誘導基;直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の不飽和炭化水素基又はその誘導基;芳香族基又はその誘導基;のいずれかである。
(請求項3に記載の手段)
請求項1又は請求項2に記載の繊維状セルロースと、樹脂とを含有する、
ことを特徴とする樹脂組成物。
(請求項4に記載の手段)
原料繊維を解繊して平均繊維径が1μm以上のマイクロ繊維セルロースとし、
前記マイクロ繊維セルロースを疎水変性する、
ことを特徴とする繊維状セルロースの製造方法。
(請求項5に記載の手段)
前記疎水変性を前記マイクロ繊維セルロースと無水多塩基酸との反応で行い、当該無水多塩基酸として下記の構造式(3)又は構造式(4)を示すものを使用する、
請求項4に記載の繊維状セルロースの製造方法。
Figure 2019137711
構造式中のRは、直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の飽和炭化水素基又はその誘導基;直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の不飽和炭化水素基又はその誘導基;芳香族基又はその誘導基;のいずれかである。
本発明によると、樹脂の補強効果に優れる繊維状セルロース及びその製造方法、並びに強度の高い樹脂組成物となる。
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、本実施の形態は本発明の一例であり、本発明の範囲は本実施の形態の範囲に限定されない。
本形態の繊維状セルロースは、平均繊維径が1μm以上、好ましくは1〜15μmのマイクロ繊維セルロースを疎水変性したものである。この繊維状セルロースは樹脂の補強効果に優れるため、樹脂と混合して使用するのが好適であり、得られる樹脂組成物は強度が強いものとなる。
(原料繊維)
マイクロ繊維セルロース(MFC)は、原料繊維(パルプ繊維)を叩解(解繊)処理して得ることができる。原料となる繊維としては、植物由来の繊維、動物由来の繊維、微生物由来の繊維等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。ただし、植物繊維であるパルプ繊維を使用するのが好ましい。原料繊維がパルプ繊維であると、安価であり、また、サーマルリサイクルの問題を避けることができる。
植物由来の繊維としては、広葉樹、針葉樹等を原料とする木材パルプ、ワラ・バガス等を原料とする非木材パルプ、回収古紙、損紙等を原料とする古紙パルプ(DIP)等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
木材パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ、機械パルプ(TMP)、古紙パルプ(DIP)の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。これらのパルプは、製紙用途で使用されているパルプであり、これらのパルプを使用することで、既存設備を有効に活用することができる。
なお、広葉樹クラフトパルプ(LKP)は、広葉樹晒クラフトパルプであっても、広葉樹未晒クラフトパルプであっても、広葉樹半晒クラフトパルプであってもよい。同様に、針葉樹クラフトパルプ(NKP)は、針葉樹晒クラフトパルプであっても、針葉樹未晒クラフトパルプであっても、針葉樹半晒クラフトパルプであってもよい。
また、古紙パルプ(DIP)は、雑誌古紙パルプ(MDIP)であっても、新聞古紙パルプ(NDIP)であっても、段古紙パルプ(WP)であっても、その他の古紙パルプであってもよい。
さらに、機械パルプとしては、例えば、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、漂白サーモメカニカルパルプ(BTMP)等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
(前処理工程)
原料繊維は化学的手法によって、前処理するのが好ましい。叩解(解繊)処理に先立って化学的手法によって前処理することで、叩解処理の回数を大幅に減らすことができ、叩解処理のエネルギーを大幅に削減することができる。
化学的手法による前処理としては、酸による多糖の加水分解(酸処理)、酵素による多糖の加水分解(酵素処理)、アルカリによる多糖の膨潤(アルカリ処理)、酸化剤による多糖の酸化(酸化処理)、還元剤による多糖の還元(還元処理)等を例示することができる。
叩解処理に先立ってアルカリ処理を施すことで、パルプが持つヘミセルロースやセルロースの水酸基が一部解離し、分子がアニオン化することで分子内及び分子間水素結合が弱まり、叩解処理におけるパルプ繊維の分散を促進する効果がある。
アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の有機アルカリ等を使用することができるが、製造コストの観点から、水酸化ナトリウムを使用するのが好ましい。
叩解処理に先立って酵素処理や酸処理、酸化処理を施すと、マイクロ繊維セルロースの保水度を低く、結晶化度を高くすることができ、かつ均質性を高くすることができる。この点、マイクロ繊維セルロースの保水度が低いほど樹脂への分散性が向上し、マイクロ繊維セルロースの均質性が高いほど樹脂組成物の破壊要因となる欠点が減少すると考えられ、結果として樹脂の延性を保持することができる強度の大きい樹脂組成物が得られると考えられる。また、酵素処理や酸処理、酸化処理により、パルプが持つヘミセルロースやセルロースの非晶領域が分解され、結果、叩解処理のエネルギーを低減することができ、繊維の均質性や分散性を向上することができる。しかも、分子鎖が整列していて剛直かつ保水度の低いと考えられるセルロース結晶領域の繊維全体に占める割合が上がると、分散性が向上し、アスペクト比は減少すると見られるものの、延性を保持しつつ機械的強度の大きい樹脂組成物が得られる。
以上の各種処理の中では、酵素処理を行うのが好ましく、加えて酸処理、アルカリ処理、及び酸化処理の中から選択された1又は2以上の処理を行うのがより好ましい。
ここで、酵素処理について、詳細に説明する。
酵素処理は、セルロース系繊維を解し易くするために行う。酵素としては、セルラーゼ系酵素及びヘミセルラーゼ系酵素の少なくともいずれか一方を使用するのが好ましく、両者を併用するのがより好ましい。
セルラーゼ系酵素は、水共存下でセルロースの分解を引き起こす酵素である。
セルラーゼ系酵素としては、トリコデルマ(Trichoderma、糸状菌)属、アクレモニウム(Acremonium、糸状菌)属、アスペルギルス(Aspergillus、糸状菌)属、ファネロケエテ(Phanerochaete、担子菌)属、トラメテス(Trametes、担子菌)属、フーミコラ(Humicola、糸状菌)属、バチルス(Bacillus、細菌)属、スエヒロタケ(Schizophyllum、担子菌)属、ストレプトミセス(Streptomyces、細菌)属、シュードモナス(Pseudomonas、細菌)属、等が産生する酵素を例示することができる。
これらのセルラーゼ系酵素は、試薬や市販品として購入可能である。例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラ−ゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、セルラーゼ系酵素GC220(ジェネンコア社製)等を例示することができる。
これらのセルラーゼ系酵素の中でも糸状菌セルラーゼ系酵素が好ましく、糸状菌セルラーゼ系酵素の中でもトリコデルマ菌(Trichoderma reesei、あるいはHyporea jerorina、糸状菌の一種である子嚢菌)が産生するセルラーゼ系酵素が好ましい。これらのセルラーゼ系酵素は、種類が豊富で、産生性も高い。
セルラーゼ系酵素は、加水分解反応機能を有する触媒ドメインの高次構造に基づく糖質加水分解酵素ファミリー(Glycoside Hydorolase Families:GHファミリー)に分類される。また、セルラーゼ系酵素はセルロース分解特性によってエンド型グルカナーゼ(endo−glucanase:EG)とセロビオヒドラーゼ(cellobiohydrolase:CBH)に分類される。
EGは、セルロースの非晶部分や可溶性セロオリゴ糖、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体に対する加水分解性が高く、それらの分子鎖を内側からランダムに切断し、重合度を低下させるが、結晶性を有するセルロースミクロフィブリルとの反応性が低い。
これに対して、CBHは、セルロースの結晶部分も分解し、セロビオースを与える。CBHは、セルロース分子の末端から加水分解し、エキソ型あるいはプロセッシブ酵素とも呼ばれる。なお、EGは、非プロセッシブ酵素とも呼ばれる。
本形態において、セルラーゼ系酵素としては、EG及びCBHのいずれも使用することができる。それぞれを単体で使用しても、EG及びCBHを混合して使用してもよい。また、ヘミセルラーゼ系酵素と混合して用いてもよい。EG及びCBHを好適に組み合わせることで、セルロースナノファイバーの結晶化度を調節することができる。
ヘミセルラーゼ系酵素とは、水共存下でヘミセルロースの分解を引き起こす酵素である。
ヘミセルラーゼ系酵素としては、キシランを分解する酵素であるキシラナーゼ(xylanase)、マンナンを分解する酵素であるマンナーゼ(mannase)、アラバンを分解する酵素であるアラバナーゼ(arabanase)等を例示することができる。また、ペクチンを分解する酵素であるペクチナーゼもヘミセルラ−ゼ系酵素として使用することができる。ヘミセルラーゼ系酵素を産生する微生物は、セルラーゼ系酵素も産生する場合が多い。
ヘミセルロースは、植物細胞壁のセルロースミクロフィブリル間にあるペクチン類を除いた多糖類である。ヘミセルロースは多種多様で木材の種類や細胞壁の壁層間でも異なる。針葉樹の2次壁では、グルコマンナンが主成分であり、広葉樹2次壁では4−O−メチルグルクロノキシランが主成分である。そのため、針葉樹の漂白クラフトパルプ(NBKP)からマイクロ繊維セルロースを得るためにはマンナーゼを使用するのが好ましく、広葉樹の漂白クラフトパルプ(LBKP)の場合はキシラナーゼを使用するのが好ましい。
原料繊維に対する酵素の添加量は特に限定されるものではなく、酵素の種類や、木材の種類(針葉樹か広葉樹か)、機械パルプの種類等によって適宜調整して添加することができる。ただし、酵素は原料繊維(原料パルプ)に対して0.1質量%〜3質量%を添加するのが好ましく、0.3質量%〜2.5質量%を添加するのがより好ましく、0.5質量%〜2質量%を添加するのが特に好ましい。添加量が0.1質量%未満では、酵素による効果が低下するおそれがある。他方、添加量が3質量%を超えるとセルロースが糖化され、マイクロ繊維セルロースの収率が低下するおそれがあり、また、過剰に添加しても、添加量の増大に見合う効果の向上が認められない。
セルラーゼ系酵素処理時の原料繊維のpHは、酵素反応の反応性の点から、弱酸性領域(pH=3.0〜6.9)であることが好ましい。他方、ヘミセルラ−ゼ系酵素処理時のパルプ繊維のpHは、弱アルカリ性領域(pH=7.1〜10.0)であることが好ましい。
酵素処理時の温度は特に限定されるものではないが、セルラーゼ系酵素やヘミセルラーゼ系酵素の処理時の温度は、30℃〜70℃であるのが好ましく、35℃〜65℃であるのがより好ましく、40℃〜60℃であるのが特に好ましい。酵素処理時の温度が下限値以上であれば、酵素活性が低下しにくく、処理時間の長期化を防止することができる。また、上限値以下であれば、酵素の失活を防止することができる。
酵素処理時間は、酵素の種類、温度、pH等によって調整することができる。酵素処理時間は、0.5〜24時間であるのが好ましい。処理時間が0.5時間未満では酵素処理の効果がほとんど出ないおそれがある。24時間以下であると酵素によりセルロース繊維の分解による繊維長の短小化を抑制でき、樹脂に配合した際の強度向上効果を充分に得ることができる。
酵素処理した後には酵素を失活させた方が好ましい。酵素を失活させないと、酵素反応が進み繊維の糖化が進んで収率が低下したり、繊維長が短くなり過ぎたりして好ましくない。
酵素を失活させる方法としては、アルカリ水溶液(好ましくはpH10以上、より好ましくはpH11以上)を添加する方法、80〜100℃の熱水を添加する方法が挙げられる。
(叩解処理工程)
叩解処理は、例えば、ビーター、高圧ホモジナイザー、高圧均質化装置等のホモジナイザー、グラインダー、摩砕機等の石臼式摩擦機、単軸混練機、多軸混練機、ニーダーリファイナー等を使用して行うことができ、リファイナーを使用して行うことが好ましい。リファイナーとは、パルプ繊維を叩解する装置であり、公知のものを用いることができる。リファイナーとしては、パルプ繊維に対して効率的に剪断力を付与し、予備的な解繊を進めることができること等の点から、コニカルタイプやダブルディスクリファイナー(DDR)及びシングルディスクリファイナー(SDR)が好ましい。なお、解繊処理工程において、リファイナーを用いると、処理後の分離や洗浄が不要となる点からも好ましい。
なお、マイクロ繊維セルロースは、セルロースやセルロースの誘導体からなる繊維である。通常のマイクロ繊維セルロースは、強い水和性を有し、水系媒体中において水和することで安定的に分散状態(分散液の状態)を維持する。マイクロ繊維セルロースを構成する単繊維は、水系媒体中において複数条が集合して繊維状をなす場合もある。通常のマイクロ繊維セルロースの平均繊維径(単繊維の直径平均)は、1〜15μmである。また、平均繊維長は、5〜0.03mmである。
マイクロ繊維セルロースの数平均繊維径(単繊維の直径平均)は、1〜15μmであるのが好ましく、1〜9μmであるのがより好ましい。平均繊維径が1〜15μmであれば、樹脂組成物の補強効果に優れる。
具体的には、平均繊維径を1μm未満にすると、セルロースナノファイバーであるのと変わらなくなり、補強効果(特に曲げ弾性率)が十分に得られなくなる。また、微細化処理の時間が長くなり、大きなエネルギーが必要になり、製造コストの増加につながる。他方、平均繊維径が15μmを超えると、繊維の分散性に劣る傾向がある。繊維の分散性が不十分であると、樹脂組成物の補強効果に劣る傾向がある。
マイクロ繊維セルロースの平均繊維長(単繊維の長さ)は、5〜0.03mmであるのが好ましく、2〜0.05mmであるのがより好ましく、1〜0.1mmであるのが特に好ましい。平均繊維長が0.03mm未満であると、繊維同士の三次元ネットワークを形成できず、補強効果が著しく低下する恐れがある。なお、平均繊維長は、例えば、原料繊維の選定、前処理、叩解処理で任意に調整可能である。
本形態において、マイクロ繊維セルロースの繊維長は、0.2mm以下の割合が12%以上であるのが好ましく、16%以上であるのがより好ましく、26%以上であるのが特に好ましい。当該割合が12%未満の場合、十分な補強効果を得られない。マイクロ繊維セルロースの繊維長は、0.2mm以下の割合の上限はなく、全て0.2mm以下であっても良い。
マイクロ繊維セルロースのアスペクト比は、樹脂の延性をある程度保持しつつ機械的強度を向上させるために、2〜5,000であるのが好ましく、100〜1,000であるのがより好ましい。
なお、アスペクト比とは、平均繊維長を平均繊維幅で除した値である。アスペクト比が大きいほど樹脂中において引っかかりが生じる箇所が多くなるため補強効果が上がるが、他方で引っかかりが多い分樹脂の延性が低下するものと考えられる。なお、無機フィラーを樹脂に混練した場合、フィラーのアスペクト比が大きいほど引張強度が向上するが、引張破断伸びは著しく低下するとの知見が存在する。
マイクロ繊維セルロースの結晶化度は、50%以上であるのが好ましく、55%以上であるのがより好ましく、60%以上であるのが特に好ましい。結晶化度が50%未満であると、樹脂との相溶性は向上するものの、繊維自体の強度が低下するため、樹脂組成物の補強効果に劣る傾向がある。
他方、マイクロ繊維セルロースの結晶化度は、90%以下であるのが好ましく、88%以下であるのがより好ましく、86%以下であるのが特に好ましい。結晶化度が90%を超えると、分子内の強固な水素結合割合が多くなり繊維自体は剛直となるが、樹脂との相溶性が低下し、樹脂組成物の補強効果に劣る傾向がある。また、マイクロ繊維セルロースの化学修飾がし難くなる傾向もある。なお、結晶化度は、例えば、原料繊維の選定、前処理、微細化処理で任意に調整可能である。
また、マイクロ繊維セルロースのパルプ粘度は、2cps以上であるのが好ましく、4cps以上であるのがより好ましい。パルプ粘度が2cps未満であると、マイクロ繊維セルロースを樹脂と混練した際に、マイクロ繊維セルロースの凝集を十分に抑制できず、樹脂組成物の補強効果が劣る傾向にある。
マイクロ繊維セルロースのフリーネスは、500cc以下が好ましく、300cc以下がより好ましく、100cc以下が特に好ましい。500ccを超えるとマイクロ繊維セルロースの繊維幅が15μmを超え、補強効果が十分でない。
(疎水変性)
マイクロ繊維セルロースを疎水変性する方法としては、例えば、エステル化、エーテル化、アミド化、スルフィド化等が挙げることができる。ただし、マイクロ繊維セルロースを疎水変性する方法としては、エステル化を採用するのが好ましい。
エステル化の方法としては、例えば、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、リン酸、スルホン酸、無水多塩基酸及びこれらの誘導体等の疎水化剤によるエステル化を挙げることができる。ただし、疎水化剤としては、無水多塩基酸や、その誘導体を使用するのが好ましい。
疎水変性の方法としては、パルプ繊維の状態で疎水変性する方法(その後、叩解処理によってマイクロ繊維セルロースにする)、マイクロ繊維セルロースの状態で疎水変性する方法、パルプ繊維をマイクロ繊維セルロースに解しながら(叩解処理しながら)疎水変性する方法を挙げることができる。ただし、マイクロ繊維セルロースの状態で疎水変性するのが好ましい。
マイクロ繊維セルロースの状態で疎水変性する方法においては、疎水変性する工程として、マイクロ繊維セルロースの脱水工程、乾燥工程、粉砕工程や、樹脂との混練工程を挙げることができる。ただし、樹脂と混錬する場合、つまり、樹脂組成物とする場合は、混練工程において疎水変性するのが好ましい。
マイクロ繊維セルロース又はパルプ繊維を疎水変性する場合の溶媒としては、溶媒なし、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、非極性溶媒、樹脂等を挙げることができる。ただし、溶媒としては、樹脂を使用するのが好ましい。
プロトン性極性溶媒としては、例えば、ギ酸、ブタノール、イソブタノール、ニトロメタン、エタノール、メタノール、酢酸、水等を使用することができる。
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン等を使用することができる。
非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、等を使用することができる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれをも使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、脂肪族ポリエステル樹脂や芳香族ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、メタアクリレート、アクリレート等のポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
ただし、ポリオレフィン及びポリエステル樹脂の少なくともいずれか一方を使用するのが好ましい。また、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレンを使用するのが好ましい。さらに、ポリエステル樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂として、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等を例示することができ、芳香族ポリエステル樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等を例示することができるが、生分解性を有するポリエステル樹脂(単に「生分解性樹脂」ともいう。)を使用するのが好ましい。
生分解性樹脂としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル、カプロラクトン系脂肪族ポリエステル、二塩基酸ポリエステル等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステルとしては、例えば、乳酸、リンゴ酸、グルコース酸、3−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体や、これらのヒドロキシカルボン酸のうちの少なくとも1種を用いた共重合体等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。ただし、ポリ乳酸、乳酸と乳酸を除く上記ヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリカプロラクトン、上記ヒドロキシカルボン酸のうちの少なくとも1種とカプロラクトンとの共重合体を使用するのが好ましく、ポリ乳酸を使用するのが特に好ましい。
この乳酸としては、例えば、L−乳酸やD−乳酸等を使用することができ、これらの乳酸を単独で使用しても、2種以上を選択して使用してもよい。
カプロラクトン系脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリカプロラクトンの単独重合体や、ポリカプロラクトン等と上記ヒドロキシカルボン酸との共重合体等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
二塩基酸ポリエステルとしては、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
生分解性樹脂は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
樹脂には、無機充填剤が、好ましくはサーマルリサイクルに支障が出ない割合で含有されていてもよい。
無機充填剤としては、例えば、Fe、Na、K、Cu、Mg、Ca、Zn、Ba、Al、Ti、ケイ素元素等の周期律表第I族〜第VIII族中の金属元素の単体、酸化物、水酸化物、炭素塩、硫酸塩、ケイ酸塩、亜硫酸塩、これらの化合物よりなる各種粘土鉱物等を例示することができる。
具体的には、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ほう酸アルミニウム、アルミナ、酸化鉄、チタン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、クレーワラストナイト、ガラスビーズ、ガラスパウダー、珪砂、硅石、石英粉、珪藻土、ホワイトカーボン、ガラスファイバー等を例示することができる。これらの無機充填剤は、複数が含有されていてもよい。また、古紙パルプに含まれるものであってもよい。
(無水多塩基酸)
マイクロ繊維セルロースをエステル化するに際して使用する無水多塩基酸としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水クエン酸等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。ただし、好適には無水マレイン酸、より好適には無水フタル酸を使用するのが好ましい。
なお、無水多塩基酸を使用すると、マイクロ繊維セルロースが変性され(ヒドロキシル基の一部が所定の官能基によって置換され)、マイクロ繊維セルロース及び樹脂の相溶性が向上する。結果、得られる樹脂組成物の強度、特に曲げ強度が向上する。
無水多塩基酸としては、下記の構造式(3)又は構造式(4)を示すものを使用するのが好ましい。
Figure 2019137711
構造式中のRは、直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の飽和炭化水素基又はその誘導基;直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の不飽和炭化水素基又はその誘導基;芳香族基又はその誘導基;のいずれかである。
上記構造式(3)又は構造式(4)を示す無水多塩基酸を使用することによってマイクロ繊維セルロース及び熱可塑性樹脂の相溶性が向上する。
なお、無水多塩基酸としては、マイクロ繊維セルロースの脱水・乾燥工程や混練工程において多塩基酸から生成したものを使用しても良い。
(溶解パラメータ)
マイクロ繊維セルロースと樹脂の溶解パラメータ(cal/cm31/2(SP値)の差、つまり、マイクロ繊維セルロースのSPMFC値、樹脂のSPPOL値とすると、SP値の差=SPMFC値−SPPOL値とすることができる。SP値の差は10〜0.1が好ましく、8〜0.5がより好ましく、5〜1が特に好ましい。SP値の差が10を超えると、樹脂中でマイクロ繊維セルロースが分散せず、補強効果を得ることはできない。他方、SP値の差が0.1未満であるとマイクロ繊維セルロースが樹脂に溶解してしまい、フィラーとして機能せず、補強効果が得られない。この点、樹脂(溶媒)のSPPOL値とマイクロ繊維セルロース(溶質)のSPMFC値の差が小さい程、補強効果が大きい。なお、溶解パラメータ(cal/cm31/2(SP値)とは、溶媒−溶質間に作用する分子間力を表す尺度であり、SP値が近い溶媒と溶質であるほど、溶解度が増す。
(その他の繊維)
マイクロ繊維セルロースには、セルロースナノファイバー、ミクロフィブリルセルロース、ミクロフィブリル状微細繊維、微少繊維セルロース、ミクロフィブリル化セルロース、スーパーミクロフィブリルセルロース等と称される各種微細繊維の中から1種又は2種以上を含ませることができ、また、これらの微細繊維が含まれていてもよい。また、これらの微細繊維を更に微細化した繊維をも含ませることもでき、また、含まれていてもよい。ただし、全原料繊維中におけるマイクロ繊維セルロースの割合が10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは60質量%以上となるようにする必要がある。
また、以上のほか、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)、広葉樹及び綿花などの各種植物体から得られた植物材料に由来する繊維を含ませることもでき、含まれていてもよい。
次に、以上のようにして得られたマイクロ繊維セルロース、あるいは変性マイクロ繊維セルロースを樹脂と混錬して樹脂組成物とする場合について説明する。
叩解処理して得られたマイクロ繊維セルロースは、水系媒体中に分散して分散液とする。水系媒体は、全量が水であるのが特に好ましいが、一部が水と相溶性を有する他の液体である水系媒体も好ましく使用することができる。他の液体としては、炭素数3以下の低級アルコール類等を使用することができる。
分散液の固形分濃度は、1.0質量%以上であるのが好ましく、1.5質量%以上であるのがより好ましく、2.0質量%以上であるのが特に好ましい。また、分散液の固形分濃度は、70質量%以下であるのが好ましく、60質量%以下であるのがより好ましく、50質量%以下であるのが特に好ましい。
樹脂組成物の原料としては、マイクロ繊維セルロース(又は変性マイクロ繊維セルロース)及び樹脂の他、例えば、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、ラジカル捕捉剤、発泡剤等の中から1種又は2種以上を選択して、本発明の効果を阻害しない範囲で使用することができる。
これらの原料は、マイクロ繊維セルロースの分散液、マイクロ繊維セルロース及び樹脂の混練の際に併せて混練しても、これらの混練物に混練しても、その他の方法で混練してもよい。ただし、製造効率の面からは、マイクロ繊維セルロース及び樹脂の混練の際に併せて混練するのが好ましい。
マイクロ繊維セルロース及び樹脂の配合割合は、マイクロ繊維セルロースが1質量部以上、樹脂が99質量部以下であるのが好ましく、マイクロ繊維セルロースが2質量部以上、樹脂が98質量部以下であるのがより好ましく、マイクロ繊維セルロースが3質量部以上、樹脂が97質量部以下であるのが特に好ましい。
また、マイクロ繊維セルロースが50質量部以下、樹脂が50質量部以上であるのが好ましく、マイクロ繊維セルロースが40質量部以下、樹脂が60質量部以上であるのがより好ましく、マイクロ繊維セルロースが30質量部以下、樹脂が70質量部以上であるのが特に好ましい。ただし、マイクロ繊維セルロースの配合割合が10〜50質量部であると、樹脂組成物の強度、特に曲げ強度及び引張り弾性率の強度を著しく向上させることができる。
なお、最終的に得られ樹脂組成物に含まれるマイクロ繊維セルロース及び樹脂の含有割合は、通常、マイクロ繊維セルロース及び樹脂の上記配合割合と同じとなる。
(脱水・乾燥処理工程)
マイクロ繊維セルロースは、混練に先立って脱水処理及び乾燥処理しても良い。つまり、マイクロ繊維セルロースの脱水・乾燥処理と混練や変性処理とは、一緒に行わなくても良く、混練する際に、同時にマイクロ繊維セルロースを乾燥しても良い。また、脱水処理及び乾燥処理は、一緒に行っても良いし、別々で行っても良い。
脱水処理には、例えば、ベルトプレス、スクリュープレス、フィルタープレス、ツインロール、ツインワイヤーフォーマ、バルブレスフィルタ、センターディスクフィルタ、膜処理、遠心分離機等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
乾燥処理には、例えば、ロータリーキルン乾燥、円板式乾燥、気流式乾燥、媒体流動乾燥、スプレー乾燥、ドラム乾燥、スクリューコンベア乾燥、パドル式乾燥、一軸混練乾燥、多軸混練乾燥、真空乾燥、攪拌乾燥等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
脱水・乾燥処理工程の後に粉砕処理工程を加えても良い。粉砕処理には、例えば、ビーズミル、ニーダー、ディスパー、ツイストミル、カットミル、ハンマーミル等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
脱水・乾燥したマイクロ繊維セルロースの形状は、粉末状、ペレット状、シート状等とすることができる。ただし、粉末状が好ましい。
粉末状とする場合、マイクロ繊維セルロースの平均粒子径は、10,000〜1μmが好ましく、5,000〜10μmがより好ましく、1,000〜100μmが特に好ましい。平均粒子径が10,000μmを超えると、粒子径が大きいため混練装置内に入らないおそれがある。他方、平均粒子径を1μm未満とするには粉砕処理にエネルギーを要するため、経済的でない。
粉末状とする場合、マイクロ繊維セルロースの嵩比重は、1.5〜0.01が好ましく、1〜0.04がより好ましく、0.5〜0.1が特に好ましい。嵩比重が1.5を超えるということはセルロースの比重が1.5を超えるということであるため、物理的に実現困難である。他方、嵩比重を0.01未満とするのは、移送コストの面から不利である。
脱水・乾燥したマイクロ繊維セルロースの水分率は、50%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0%が特に好ましい。水分率が50%を超えると、混練する際のエネルギーが膨大にかかるため経済的でない。
脱水・乾燥したマイクロ繊維セルロースには、疎水変性するための疎水化剤が含まれていても良く、脱水・乾燥工程で既に疎水変性されていても良い。
脱水・乾燥したマイクロ繊維セルロースには、樹脂が含まれていても良い。樹脂が含まれていると、脱水・乾燥したマイクロ繊維セルロース同士の水素結合が阻害され、混練の際の樹脂中での分散性を向上することができる。
脱水・乾燥したマイクロ繊維セルロースに含まれる樹脂の形態としては、例えば、粉末状、ペレット状、シート状等が挙げられる。ただし、粉末状が好ましい。
粉末状とする場合、脱水・乾燥したマイクロ繊維セルロースに含まれる樹脂粉末の平均粒子径は、10,000〜1μmが好ましく、5,000〜10μmがより好ましく、1,000〜100μmが特に好ましい。平均粒子径が10,000μmを超えると、粒子径が大きいために混練装置内に入らないおそれがある。他方、平均粒子径が1μm未満であると、微細なためにマイクロ繊維セルロース同士の水素結合を阻害することができないおそれがある。
(混練処理工程)
脱水・乾燥処理を経たマイクロ繊維セルロース及び樹脂は、混練処理する。この混練に際しては、マイクロ繊維セルロースを無水多塩基酸等の疎水化剤によって変性しても良い。好ましくは、無水多塩基酸をマイクロ繊維セルロースや樹脂と混ぜ合わせた時点で直ちに変性させず、脱水・乾燥処理を経た後、混練に際して樹脂を溶媒として使用し、もってマイクロ繊維セルロースを変性させる。なお、前述した特許文献1,2との関係では、この混錬に際して原料繊維を微細化するわけではない点で相違する。
マイクロ繊維セルロースの変性は、平均繊維径が1μm以上、繊維長0.2mm以下の割合が12%以上、繊維を構成するセルロースのヒドロキシル基の一部が下記構造式(1)又は構造式(2)に示す官能基で置換されるように行うのが好ましい。
Figure 2019137711
構造式中のRは、直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の飽和炭化水素基又はその誘導基;直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の不飽和炭化水素基又はその誘導基;芳香族基又はその誘導基;のいずれかである。
混練処理には、例えば、単軸又は二軸以上の多軸混練機、ミキシングロール、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、スクリュープレス、ディスパーザー等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。それらのなかで、二軸以上の多軸混練機を使用することが好ましい。二軸以上の多軸混練機を1機以上、並列又は直列にして、使用しても良い。
また、二軸以上の多軸混練機のスクリューの周速は、0.2〜200m/分が好ましく、0.5〜150m/分がさらに好ましく、1〜100m/分が特に好ましい。周速が0.2m/分未満の場合は、うまく樹脂中にマイクロ繊維セルロースを分散させることができない。他方、周速が200m/分を超える場合、マイクロ繊維セルロースへのせん断力が過多となり、補強効果が得られない。
本形態において使用される混練機のスクリュー径と混練部の長さの比は、15〜60が好ましい。比が15未満の場合は、混練部が短く、マイクロ繊維セルロースと樹脂を混ぜることができない恐れがある。比が60を超える場合は、混練部が長すぎるため、マイクロ繊維セルロースへのせん断的負荷が高くなり、補強効果が得られない恐れがある。
混練処理の温度は、樹脂のガラス転移点以上であり、樹脂の種類によって異なるが、80〜280℃とするのが好ましく、90〜260℃とするのがより好ましく、100〜240℃とするのが特に好ましい。
マイクロ繊維セルロースの固形分での配合質量割合は、70%〜1%あるのが好ましく、50%〜5%であるのがより好ましく、40%〜10%であるのが特に好ましい。
無水多塩基酸の固形分での配合質量割合は、30%〜0.1%であるのが好ましく、20%〜0.5%であるのがより好ましく、10%〜1%であるのが特に好ましい。
混練に際しては、無水マレイン酸ポリプロピレンを添加しても良い。無水マレイン酸ポリプロピレンの添加量は、マイクロ繊維セルロースの配合量を100として、好ましくは1〜1000質量%、より好ましくは5〜500質量%、特に好ましくは10〜200質量%である。添加量が1質量%を下回ると効果が不十分である。他方、添加量が1000質量%を上回ると過剰添加となり、逆に樹脂マトリックスの強度を低下させる恐れがある。
混練に際しては、マイクロ繊維セルローススラリーのpHを調整する方法として、アミン類を添加しても良い。アミン類としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、テトラメチルエチレンアミン、ヘキサメチルアミン、スペルミジン、スペルミン、アマンタジン、アニリン、フェネチルアミン、トルイジン、カテコールアミン、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オキサゾール、チアゾール、4−ジメチルアミノピリジン等を例示することができる。
アミン類の添加量は、マイクロ繊維セルロースの配合量を100として、好ましくは1〜1,000質量%、より好ましくは5〜500質量%、特に好ましくは10〜200質量%である。添加量が1質量%を下回るとpH調整が不十分である。他方、添加量が200質量%を上回ると過剰添加となり、逆に樹脂マトリックスの強度を低下する恐れがある。
(成形処理)
変性マイクロ繊維セルロース及び樹脂(混練物)は、必要により再度混練処理を行った後、所望の形状に成形する。なお、混練物には変性マイクロ繊維セルロースが分散しているが、成形加工性に優れている。
成形の大きさや厚さ、形状等は、特に限定されず、例えば、シート状、ペレット状、粉末状、繊維状等とすることができる。
成形処理の際の温度は、樹脂のガラス転移点以上であり、樹脂の種類によって異なるが、80〜280℃とするのが好ましく、90〜260℃とするのがより好ましく、100〜240℃とするのが特に好ましい。
成形処理の装置としては、例えば、射出成形機、吹込成形機、中空成形機、ブロー成形機、圧縮成形機、押出成形機、真空成形機、圧空成形機等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
成形処理は、公知の成形方法によることができ、例えば、金型成形、射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形等によることができる。また、混練物を紡糸して繊維状にし、前述した植物材料等と混繊してマット形状、ボード形状とすることもできる。混繊は、例えば、エアーレイにより同時堆積させる方法等によることができる。
なお、この成形処理は、混練処理に続いて行うことも、混練物をいったん冷却し、破砕機等を使用してチップ化した後、このチップを押出成形機や射出成形機等の成形機に投入して行うこともできる。
(用語の定義、測定方法等)
明細書中の用語は、特に断りのない限り、以下のとおりである。
(平均繊維径)
固形分濃度0.01〜0.1質量%のマイクロ繊維セルロースの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t−ブタノール20mlで3回溶媒置換する。次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍又は30000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の幅を目視で計測する。そして、計測値の中位径を平均繊維径とする。
(繊維分析)
数平均繊維径と繊維長0.2mm以下の割合は、バルメット社製の繊維分析計「FS5」によって測定する。
(アスペクト比)
上記平均繊維長を平均繊維幅(径)で除した値である。
(結晶化度)
JIS−K0131(1996)の「X線回折分析通則」に準拠して、X線回折法により測定した値である。なお、マイクロ繊維セルロースは、非晶質部分と結晶質部分とを有し、結晶化度は、マイクロ繊維セルロース全体における結晶質部分の割合を意味することになる。
(パルプ粘度)
JIS−P8215(1998)に準拠して測定する。なお、パルプ粘度が高いほどマイクロ繊維セルロースの重合度が高いことを意味する。
(フリーネス)
JIS P8121−2:2012に準拠して測定した値である。
次に、本発明の実施例を示し、本発明の作用効果、すなわち、無水多塩基酸等を使用して疎水変性する場合において、マイクロ繊維セルロース(MFC)を使用する方がセルロースナノファイバー(CNF)を使用するよりも樹脂の補強効果に優れることを明らかにする。
(実施例1)
針葉樹晒しクラフトパルプ(固形分3質量%)スラリーをリファイナーで60回処理して、マイクロ繊維セルローススラリーを得た。得られたマイクロ繊維セルロースの平均繊維幅をSEMで測定し、1μm以上であることを確認した。また、マイクロ繊維セルロースの繊維分析計「FS5」によって測定した数平均繊維長は0.16mm、繊維長0.2mm以下の割合は83%であった。
得られたマイクロ繊維セルローススラリー10質量部(固形分換算)とポリプロピレン粉末83質量部と無水フタル酸7質量部とを混合して、マイクロ繊維セルロース混合溶液を得た。得られたマイクロ繊維セルロース混合溶液を熱風乾燥機で105℃、24時間乾燥して、マイクロ繊維セルロース乾燥体を得た。得られたマイクロ繊維セルロース乾燥体を二軸混練機で混練してマクロ繊維セルロース複合ポリプロピレン(複合樹脂)を得た。
(実施例2)
リファイナー処理回数を10回に変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と同様に質量基準で10:7:83である。また、リファイナー処理回数10回で得られたマイクロ繊維セルロースの平均繊維幅をSEMで測定し、1μm以上であることを確認した。さらに、マイクロ繊維セルロースの繊維分析計「FS5」によって測定した数平均繊維長は1.60mm、繊維長0.2mm以下の割合は16%であった。
(実施例3)
リファイナー処理回数を20回に変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と同様に質量基準で10:7:83である。また、リファイナー処理回数20回で得られたマイクロ繊維セルロースの平均繊維幅をSEMで測定し、1μm以上であることを確認した。さらに、マイクロ繊維セルロースの繊維分析計「FS5」によって測定した数平均繊維長は1.08mm、繊維長0.2mm以下の割合は26%であった。
(実施例4)
リファイナー処理回数を30回に変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と同様に質量基準で10:7:83である。また、リファイナー処理回数30回で得られたマイクロ繊維セルロースの平均繊維幅をSEMで測定し、1μm以上であることを確認した。さらに、マイクロ繊維セルロースの繊維分析計「FS5」によって測定した数平均繊維長は0.65mm、繊維長0.2mm以下の割合は37%であった。
(実施例5)
リファイナー処理回数を40回に変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と同様に質量基準で10:7:83である。また、リファイナー処理回数40回で得られたマイクロ繊維セルロースの平均繊維幅をSEMで測定し、1μm以上であることを確認した。さらに、マイクロ繊維セルロースの繊維分析計「FS5」によって測定した数平均繊維長は0.55mm、繊維長0.2mm以下の割合は41%であった。
(実施例6)
リファイナー処理回数を50回に変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と同様に質量基準で10:7:83である。また、リファイナー処理回数50回で得られたマイクロ繊維セルロースの平均繊維幅をSEMで測定し、1μm以上であることを確認した。さらに、マイクロ繊維セルロースの繊維分析計「FS5」によって測定した数平均繊維長は0.29mm、繊維長0.2mm以下の割合は63%であった。
(実施例7)
ポリプロピレン粉末及び無水フタル酸との混合について、マイクロ繊維セルローススラリーからマイクロ繊維セルロースに変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と同様に質量基準で10:7:83である。
(実施例8)
無水フタル酸の添加量を4質量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と異なり質量基準で10:4:86である。
(実施例9)
無水フタル酸の添加量を9質量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、実施例1と異なり質量基準で10:9:81である。
(比較例1)
マイクロ繊維セルロースをCNFに変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、CNF、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、質量基準で10:7:83である。また、CNFは、実施例1と同様のマイクロ繊維セルローススラリーを対抗衝突式高圧ホモジナイザーを用いて、210MPaの圧力で5回処理して得た。CNFの平均繊維幅は、60nm以下であった。
(比較例2)
無水フタル酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、繊維状セルロース及びポリプロピレンの配合割合は、質量基準で10:90とした。
(比較例3)
無水フタル酸を添加しなかった以外は、比較例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、CNF及びポリプロピレンの配合割合は、質量基準で10:90とした。
(比較例4)
マイクロ繊維セルロースを針葉樹晒クラフトパルプに変えた以外は、実施例1と同様の方法で複合樹脂を得た。なお、クラフトパルプ、無水フタル酸、及びポリプロピレンの配合割合は、質量基準で10:7:83である。
表1に、曲げ試験の試験結果を示した。なお、曲げ試験の方法及び評価方法は、次のとおりである。
(曲げ試験)
各樹脂を曲げ試験片に成形し、この成形物について曲げ弾性率を調べた。曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に準拠して測定した。表中には、各複合樹脂の強度の評価を以下の基準で示した。
樹脂自体の曲げ弾性率を1として複合樹脂の曲げ弾性率(倍率)が1.5倍以上の場合 :○
樹脂自体の曲げ弾性率を1として複合樹脂の曲げ弾性率(倍率)が1.5未満〜1.3倍の場合:△
樹脂自体の曲げ弾性率を1として複合樹脂の曲げ弾性率(倍率)が1.3倍未満の場合 :×
Figure 2019137711
表1から、特に無水塩基酸を使用する場合においては、CNFを使用するよりもマイクロ繊維セルロースを使用する方が好ましいことが分かる。
本発明の樹脂組成物は、以上の通り、従来の樹脂よりも強度が強くなる(増強効果)。したがって、従来から樹脂が使用されていた用途に使用することができるだけでなく、従来、強度不足により使用が見合わされていた用途にも使用することができる。好適には自動車内装材や玩具等の延性を保持しつつ機械的強度の大きい素材が必須物性である熱可塑性樹脂に好適に利用することができる。
具体的には、例えば、自動車、電車、船舶、飛行機等の輸送機器の内装材、外装材、構造材等、
パソコン、テレビ、電話、時計等の電化製品等の筺体、構造材、内部部品等、
携帯電話等の移動通信機器等の筺体、構造材、内部部品等、
携帯音楽再生機器、映像再生機器、印刷機器、複写機器、スポーツ用品、オフィス機器、玩具、スポーツ用品等の筺体、構造材、内部部品等、
建築物、家具等の内装材、外装材、構造材等、
文具等の事務機器等、
その他、包装体、トレイ等の収容体、保護用部材、パーティション部材等、
として使用することができる。
以上のうち、自動車用途としては、内装材、インストルメントパネル、外装材等を例示することができる。具体的には、例えば、ドア基材、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレストの芯材、ドアトリム、シート構造材、コンソールボックス、ダッシュボード、各種インストルメントパネル、デッキトリム、バンパー、スポイラー、カウリング等を例示することができる。
また、建築物、家具用途としては、ドア表装材、ドア構造材、机、椅子、棚、箪笥等の各種家具の表装材等を例示することができる。

Claims (5)

  1. 平均繊維径が1μm以上のマイクロ繊維セルロースであって、前記マイクロ繊維セルロースが疎水変性している、
    ことを特徴とする繊維状セルロース。
  2. 前記マイクロ繊維セルロースは、平均繊維径が1μm以上、繊維長0.2mm以下の割合が12%以上であり、かつ繊維を構成するセルロースのヒドロキシル基の一部が下記構造式(1)又は構造式(2)に示す官能基で置換されている、
    請求項1に記載の繊維状セルロース。
    Figure 2019137711
    構造式中のRは、直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の飽和炭化水素基又はその誘導基;直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の不飽和炭化水素基又はその誘導基;芳香族基又はその誘導基;のいずれかである。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の繊維状セルロースと、樹脂とを含有する、
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 原料繊維を解繊して平均繊維径が1μm以上のマイクロ繊維セルロースとし、
    前記マイクロ繊維セルロースを疎水変性する、
    ことを特徴とする繊維状セルロースの製造方法。
  5. 前記疎水変性を前記マイクロ繊維セルロースと無水多塩基酸との反応で行い、当該無水多塩基酸として下記の構造式(3)又は構造式(4)を示すものを使用する、
    請求項4に記載の繊維状セルロースの製造方法。
    Figure 2019137711
    構造式中のRは、直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の飽和炭化水素基又はその誘導基;直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状の不飽和炭化水素基又はその誘導基;芳香族基又はその誘導基;のいずれかである。
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