JP2017132988A - 微細セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
微細セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017132988A JP2017132988A JP2016248616A JP2016248616A JP2017132988A JP 2017132988 A JP2017132988 A JP 2017132988A JP 2016248616 A JP2016248616 A JP 2016248616A JP 2016248616 A JP2016248616 A JP 2016248616A JP 2017132988 A JP2017132988 A JP 2017132988A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- mass
- thermoplastic resin
- resin composition
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
Abstract
Description
(1) 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを含む、樹脂組成物。
(2) 微細セルロース繊維の数平均繊維幅が1μm以下である、(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 微細セルロース繊維の繊維長が1mm以下である、(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物が、微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む混抄シートである、(1)から(3)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(5) 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物における微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維との質量比が、40:60〜90:10である、(1)から(4)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(6) 第一の熱可塑性樹脂を構成するモノマー単位と、第二の熱可塑性樹脂を構成するモノマー単位とが同一である、(1)から(5)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(7) 第一の熱可塑性樹脂繊維が、ポリオレフィン繊維又はポリアミド繊維である、(1)から(6)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(8) 第二の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂又はポリアミド樹脂である、(1)から(7)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(9) 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物又はその粉砕物と
、第二の熱可塑性樹脂との質量比率が、5:95〜70:30である、(1)から(8)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(10) 樹脂組成物が、溶融混練物である、(1)から(9)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(11) JIS K7161に規定される引張弾性率が1000MPa以上7000MPa以下である、(1)から(10)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(12) JIS K7161に規定される引張降伏強度が30MPa以上200MPa以下である、(1)から(11)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(13) JIS K7191−1に規定される1.8MPaの曲げ荷重を加えた時の熱変形温度が70℃以上である、(1)から(12)の何れか一に記載の樹脂組成物。
(14) (a)微細セルロース繊維を含有する分散液と、第一の熱可塑性樹脂繊維を含有する分散液とを混合して成形することにより成形物を製造する工程;及び
(b)工程(a)で得られた成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを混合する工程:
を含む、(1)から(13)の何れか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
微細セルロース繊維は、セルロースを含有する原料(セルロース原料)を微細化して得ることが可能である。例えば、微細セルロース繊維の製造方法としては、セルロース原料を、機械的作用を利用する湿式粉砕で微細化する方法が挙げられる。機械的作用を利用して湿式粉砕する方法としては、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー等を用いる方法が挙げられる。
木材を微粉砕後、脱リグニンなどの処理を行ってセルロース原料を得ることも可能である。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
セルロース繊維原料と反応するような化合物としてリン酸由来の基を有する化合物を用いる場合、特に限定されないが、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸又はこれらの塩またはエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、低コストであり、扱いやすく、また、セルロース繊維原料にリン酸由来の基を導入して微細化(解繊)効率をより向上できることから、リン酸由来の基を有する化合物が好ましいが、特に限定されない。
上記アルカリ化合物は1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明で用いる成形物は、微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む。第一の熱可塑性樹脂繊維を構成する熱可塑性樹脂の種類は特に限定されず、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、ポリアクリル、ABS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂)、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、フッ素樹脂などが挙げられる。
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン116、ナイロン4、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられるが特に限定されない。
第一の熱可塑性樹脂繊維は、1種単独でもよいし、2種以上の併用でもよい。
熱可塑性樹脂の繊維を調製する方法は特に限定されない。例えば、原料の熱可塑性樹脂をエクストルーダー等で溶融し、吐出孔より吐出した後、適当な濃度のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷することにより未延伸糸を得ることができる。この未延伸糸を、温水中において1〜数回(好ましくは1〜3回)延伸することにより、熱可塑性樹脂の繊維を調製することができる。
本発明においては、微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物又はその粉砕物を調製する。成形物の種類は特に限定されないが、シート(混抄シートなど)、塊状物、ペレット状物等が好ましく、上記の中でもシートがより好ましい。即ち、微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物としては、微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む混抄シートが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記した成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを含む。
第二の熱可塑性樹脂の種類は特に限定されず、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、ポリアクリル、ABS樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、フッ素樹脂などが挙げられる。ポリオレフィン及びポリアミドの具体例は、第一の熱可塑性樹脂についての説明と同義である。
第二の熱可塑性樹脂は、好ましくは、ポリオレフィン樹脂又はポリアミド樹脂である。
第二の熱可塑性樹脂繊維は、1種単独でもよいし、2種以上の併用でもよい。
本発明の樹脂組成物における、「微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物又はその粉砕物」と「第二の熱可塑性樹脂」との質量比率は、特に限定されないが、好ましくは5:95〜70:30である。上記比率は、より好ましくは、8:92〜60:40である。上記比率を5:95以上にすることにより微細セルロース繊維による強化作用が十分に発揮されるようになるので好ましい。上記比率を70:30以下にすることにより得られる樹脂組成物の靭性低下を抑制できるので、好ましい。
本発明の樹脂組成物のJIS K7161に規定される引張弾性率は、好ましくは1000MPa以上7000MPa以下であり、より好ましくは1500MPa以上6000MPa以下である。
本発明の樹脂組成物のJIS K7191−1に規定される1.8MPaの曲げ荷重を加えた時の熱変形温度は、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは73℃以上である。上記熱変形温度の上限は特に限定されないが、一般的には200℃以下である。
本発明の樹脂組成物は、
(a)微細セルロース繊維を含有する分散液と、第一の熱可塑性樹脂繊維を含有する分散液とを混合して成形することにより成形物を製造する工程;及び
(b)工程(a)で得られた成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを混合する工程:
により製造することができる。
成形物を製造する工程は、微細セルロース繊維を含有する分散液と、第一の熱可塑性樹脂繊維を含有する分散液とを混合して得た混合分散液から、成形物を製造する工程である。成形物がシートである場合には、混合分散液を抄紙することによって成形物を製造する
ことができる。
この中でもセルロース繊維同士の水素結合を阻害する嵩高剤を配合すると樹脂より溶融混練する際にセルロース繊維の分散性が向上する。嵩高剤としては例えば化合物で例示すると油脂系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、高級アルコールあるいは高級脂肪酸のポリオキシアルキレン不可物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン不可物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン不可物、脂肪酸ポリアミドアミン、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロルヒドリン重縮合物などが上げられる。配合量としては0.05%〜10%が好ましく、0,1%〜8%がより好ましい。
乾燥セクションとしては、紙の製造で用いられている公知の方法を採用することができる。例えば、シリンダードライヤー、ヤンキードライヤー、熱風乾燥、赤外線ヒーターなどの乾燥装置を用いた方法が挙げられる。
粉砕物の面積が前記下限値未満、前記上限値超のいずれであっても、後述する溶融混練工程において、第二の熱可塑性樹脂との混合が不均一になるおそれがあり、また、溶融混練装置への供給が困難になることがある。
工程(b)は、成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを混合する工程である。好ましくは、工程(b)は、成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを混合し、溶融混練する工程である。第二の熱可塑性樹脂との混合には、成形物をそのまま用いてもよいし、上記のように成形物を粉砕した成形物の粉砕物を用いてもよいが、シート粉砕物を用いることが好ましい。即ち、工程(b)においては、具体的には、成形物の粉砕物と第二の熱可塑性樹脂とを各々計量して所定の割合で混合し、溶融混練装置を用いて溶融混練することが好ましい。また、溶融混練後には、ダイより棒状に吐出させ、冷却し、裁断して、ペレット状にすることが好ましい。
溶融混練時の温度は、第二の熱可塑性樹脂の溶融温度に応じて適宜設定されるが、例え
ば、90〜300℃の範囲内とすることができる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明の範囲は、実施例によって限定され
ない。
(セルロース繊維分散液Aの調製)
針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50質量%)を濃度4.0質量%になるように水を加えて、分散した後、ダブルディスクレファイナーで5.5時間連続循環叩解をおこなった。得られたセルロース繊維の長さ荷重平均繊維長は0.48mm、繊維幅は330nmであった。得られたセルロース繊維分散液Aのセルロース繊維含有濃度は3.95質量%であった。
高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ製、J311)をエクストルーダーで溶融し、240℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1質量%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、2.2倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPE繊維を得た。
セルロース繊維とPE繊維の質量比率が8:2となるようにセルロース繊維分散液A20kgとPE繊維分散液5.2kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1質量%に希釈したものを4.94kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PE繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量35g/m2の混抄シートAを得た。
混抄シートAを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物10質量部と高密度ポリエチレン(J321)90質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(PE繊維の作製)
高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ製、J311)をエクストルーダーで溶融し、240℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1質量%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、1.8倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPE繊維を得た。
セルロース繊維とPE繊維の質量比率が6:4となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液A15.2kgとPE繊維分散液10.53kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1質量%に希釈したものを2.0kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PE繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量25g/m2の混抄シートBを得た。
混抄シートBを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物30質量部と高密度ポリエチレン(J321)70質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(セルロース繊維/PE繊維混抄シートの作製)
セルロース繊維とPE繊維の質量比率が6:4となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液A15.2kgとPE繊維分散液B10.53kgを混合した。このようにして得られたセルロース繊維/PE繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量20g/m2の混抄シートCを得た。
混抄シートCを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物30質量部と高密度ポリエチレン(J321)70質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(PE繊維の作製)
高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ製、J311)をエクストルーダーで溶融し、240℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1質量%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、1.2倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPE繊維を得た。
セルロース繊維とPE繊維の質量比率が5:5となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液A12.7kgとPE繊維分散液13.2kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1質量%に希釈したものを2.0kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PE繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量25g/m2の混抄シートDを得た。
混抄シートDを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物30質量部と高密度ポリエチレン(J321)70質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(PP(ポリプロピレン)繊維の作製)
ポリプロピレン(サンアロマー、PM900C)をエクストルーダーで溶融し、240℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、2倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPP繊維を得た。
さらにこのPP繊維を水中に濃度4質量%となるように分散し、ダブルディスクレファイナーで6時間連続循環叩解をおこなった。得られたPP繊維分散液Aの繊維径は0.35μmであった。PP繊維分散液AのPP繊維含有濃度は3.7質量%であった。
セルロース繊維とPP繊維の質量比率が7:3となるように実施例1で得られたセルロ
ース繊維分散液A17.7kgとPP繊維分散液8.1kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1質量%に希釈したものを4.0kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PP繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量30g/m2の混抄シートEを得た。
混抄シートEを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物20質量部とポリプロピレン(PM900C)80質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(PP繊維の作製)
ポリプロピレン(サンアロマー、PM900C)をエクストルーダーで溶融し、240℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1質量%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、1.5倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPP繊維を得た。
セルロース繊維とPP繊維の質量比率が6:4となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液A15.2kgとPP繊維分散液B10.8kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1質量%に希釈したものを2.0kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PP繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量30g/m2の混抄シートFを得た。
混抄シートBを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物30質量部とポリプロピレン(PM900C)70質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(PP繊維の作製)
ポリプロピレン(サンアロマー、PM900C)をエクストルーダーで溶融し、240℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1質量%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、1.1倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPP繊維を得た。
セルロース繊維とPP繊維の質量比率が5:5となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液A12.7kgとPP繊維分散液C13.5kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1%に希釈したものを1.0kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PP繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量30g/m2の混抄シートGを得た。
混抄シートBを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物50質量部とポリプロピレン(PM900C)50質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(セルロース繊維/PP繊維混抄シートの作製)
セルロース繊維とPP繊維の質量比率が5:5となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液A12.7kgとPP繊維分散液C13.5kgを混合し、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PP繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量30g/m2の混抄シートHを得た。
混抄シートBを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物50質量部とポリプロピレン(PM900C)50質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(セルロース繊維分散液Bの調製)
実施例1で調製したセルロース繊維分散液Aを濃度2質量%に希釈し、エムテクニックス社製クレアミックス11Sにて2時間解繊処理を行ってセルロース繊維分散液Bを得た。得られたセルロース繊維の長さ荷重平均繊維長は0.4mm、繊維幅は220nmであった。
セルロース繊維分散液Bの固形分濃度は1.9質量%であった。
PA6(UBEナイロン、1013B)をエクストルーダーで溶融し、260℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、2倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPA6繊維を得た。
さらにこのPA6繊維を水中に濃度4質量%となるように分散し、ダブルディスクレファイナーで6時間連続循環叩解をおこなった。得られたPA6繊維分散液Aの繊維径は0.18μmであった。PA6繊維分散液AのPA6繊維含有濃度は3.7質量%であった。
セルロース繊維とPA6繊維の質量比率が85:15となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液B44.7kgとPA6繊維分散液4.1kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1質量%に希釈したものを5.0kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PA6繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量40g/m2の混抄シートIを得た。
混抄シートBを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物8質量部とPA6(UBEナイロン、1013B)92質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(PA6繊維の作製)
PA6(UBEナイロン、1013B)をエクストルーダーで溶融し、260℃で溶融して円形の吐出孔より吐出した後、濃度1%のポリビニルアルコール溶液を吹き付けつつ空冷して未延伸糸を得た。この未延伸糸を75℃の温水中において3.00倍で延伸し、引き続いて85℃の温水中において、1.3倍で延伸した後5mmの繊維長にカットしてPA6繊維を得た。
さらにこのPA6繊維を水中に濃度4%となるように分散し、ダブルディスクレファイナーで6時間連続循環叩解をおこなった。得られたPA6繊維分散液Aの繊維径は12μmであった。PA6繊維分散液BのPA6繊維含有濃度は3.8質量%であった。
セルロース繊維とPA6繊維の質量比率が50:50となるように実施例1で得られたセルロース繊維分散液A12.7kgとPA6繊維分散液13.2kgを混合した。更に嵩高剤(荒川化学製、DL-FA20)を1質量%に希釈したものを1.0kg添加した後、水を添加して330kgに希釈した。
このようにして得られたセルロース繊維/PA6繊維分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量35g/m2の混抄シートJを得た。
混抄シートBを鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物8質量部とPA6(UBEナイロン、1013B)92質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
実施例1で得られたセルロース繊維A分散液を濃度0.3重量%になるように希釈して330kgを長網抄紙機にて抄紙して坪量20g/m2のセルロース繊維シートAを作成し、鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物8質量部と高密度ポリエチレン(J321)92質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例1で得られたセルロース繊維シートA粉砕物18質量部と高密度ポリエチレン(J321)82質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例1で得られたセルロース繊維シートA粉砕物30質量部と高密度ポリエチレン(J321)70質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(セルロース繊維/PEエマルション混抄シートの作製)
セルロース繊維AとPEエマルション(三井化学製、商品名:ケミパールW700、エマルション濃度5質量%)の質量比率が8:2となるようにセルロース繊維分散液A20.3kgとPEエマルション4.0kgを混合し水を添加して330kgに希釈した。このようにして得られたセルロース繊維/PEエマルション分散液を長網抄紙機にて抄紙して坪量30g/m2の混抄シートKを得た。
混抄シートKを鋏で2mm角に裁断した。この粉砕物10質量部と高密度ポリエチレン(J321)90質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例4で作製した混抄シートKの粉砕物22.5質量部と高密度ポリエチレン(J321)77.5質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例4で作製した混抄シートKの粉砕物37.5質量部と高密度ポリエチレン(J321)62.5質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度160℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例1で作製したセルロース繊維シートAの粉砕物8質量部とポリプロピレン(PM900C)92質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例1で作製したセルロース繊維シートAの粉砕物18質量部とポリプロピレン(PM900C)82質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例1で作製したセルロース繊維シートAの粉砕物25質量部とポリプロピレン(PM900C)82質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
実施例9で得られたセルロース繊維B分散液を濃度0.3重量%になるように希釈して330kgを長網抄紙機にて抄紙して坪量20g/m2のセルロース繊維シートBを作成し、鋏で2mm角に裁断した。次いでこの粉砕物20質量部とPA6(UBEナイロン、1013B)80質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
比較例1でセルロース繊維シートA粉砕物20質量部とPA6(UBEナイロン、1013B)80質量部、安定剤として、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製Irgafos168)0.05質量部をドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX30α)にて300rpm、バレル温度200℃にて溶融混練して得られたストランドをカットしてペレットを作製した。得られたペレットを金型温度40℃、シリンダ温度200℃の条件で射出成形し、試験片を得た。
(1)セルロース繊維の平均繊維長
「JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52:2000 パルプ及び紙―繊維長試験方法―光学的自動計測法」に準ずるカヤーニ社製:繊維長測定装置「FiberLab」で測定して得られる長さ荷重平均繊維長を平均繊維長とした。
(2)セルロース繊維の平均繊維径
濃度0.05〜0.1質量%のセルロース繊維水懸濁液をガラス上にキャストした表面を走査型電子顕微鏡にて観察した。この際、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料及び観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維幅を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で観察し、各々2つの軸の交錯する繊維の繊維幅の値を読み取り(最低20本×2×3=120本の繊維幅)平均値を測定した。
濃度0.05〜0.1質量%の樹脂繊維水懸濁液をガラス上にキャストした表面を走査型電子顕微鏡にて観察した。この際、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料及び観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維幅を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で観察し、各々2つの軸の交錯する繊維の繊維幅の値を読み取り(最低20本×2×3=120本の繊維幅)平均値を測定した。
JIS P8124に準拠して坪量を測定した。
(5)引張り弾性率及び引張強度
JIS K 7161を参考に、引張降伏強度および引張弾性率を測定した。引張試験機として株式会社エーアンドディー社製のテンシロン(型式:RTG−1250)を用いた。引張降伏強度測定時の引張速度は1.0mm/分、引張弾性率の引張速度は0.2mm/分とした。
(熱変形温度(HDT))
JIS K7191−1に準拠して、試験片の中央に一定の曲げ荷重(1.8MPa)を加え(フラットワイズ方向)、等速度で昇温させ、中央部のひずみが0.34mmに達したときの温度(℃)を測定した。熱変形温度測定装置は、(株)東洋精機製作所製HDTテスタ6M−2を用いた。測定は3回測定の平均値である。
試験片をミクロトームで2μmに薄切し200倍で光学顕微鏡にて観察したときに、凝集物が観察される場合を×、1000倍で観察したときに、凝集物が観察される場合を△、凝集物が観察されない場合を○とした。
Claims (14)
- 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを含む、樹脂組成物。
- 微細セルロース繊維の数平均繊維幅が1μm以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 微細セルロース繊維の繊維長が1mm以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物が、微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む混抄シートである、請求項1から3の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物における微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維との質量比が、40:60〜90:10である、請求項1から4の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 第一の熱可塑性樹脂を構成するモノマー単位と、第二の熱可塑性樹脂を構成するモノマー単位とが同一である、請求項1から5の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 第一の熱可塑性樹脂繊維が、ポリオレフィン繊維又はポリアミド繊維である、請求項1から6の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 第二の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂又はポリアミド樹脂である、請求項1から7の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 微細セルロース繊維と第一の熱可塑性樹脂繊維とを含む成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂との質量比率が、5:95〜70:30である、請求項1から8の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物が、溶融混練物である、請求項1から9の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- JIS K7161に規定される引張弾性率が1000MPa以上7000MPa以下である、請求項1から10の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- JIS K7161に規定される引張降伏強度が30MPa以上200MPa以下である、請求項1から11の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- JIS K7191−1に規定される1.8MPaの曲げ荷重を加えた時の熱変形温度が70℃以上である、請求項1から12の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- (a)微細セルロース繊維を含有する分散液と、第一の熱可塑性樹脂繊維を含有する分散液とを混合して成形することにより成形物を製造する工程;及び
(b)工程(a)で得られた成形物又はその粉砕物と、第二の熱可塑性樹脂とを混合する工程:
を含む、請求項1から13の何れか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016011602 | 2016-01-25 | ||
JP2016011602 | 2016-01-25 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017132988A true JP2017132988A (ja) | 2017-08-03 |
JP7244983B2 JP7244983B2 (ja) | 2023-03-23 |
Family
ID=59504857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016248616A Active JP7244983B2 (ja) | 2016-01-25 | 2016-12-22 | 微細セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7244983B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020011452A (ja) * | 2018-07-18 | 2020-01-23 | 住友林業株式会社 | セルロース繊維の圧縮成形体の製造方法 |
WO2020116315A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | 阿波製紙株式会社 | 繊維強化樹脂シート及びその製造方法 |
JPWO2019088140A1 (ja) * | 2017-10-31 | 2020-09-24 | 古河電気工業株式会社 | 成形品 |
US11746215B2 (en) | 2017-09-29 | 2023-09-05 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Molded article |
WO2023233955A1 (ja) * | 2022-05-30 | 2023-12-07 | 日本製紙株式会社 | 樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009530462A (ja) * | 2006-03-22 | 2009-08-27 | コンサート ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 繊維強化熱可塑性樹脂 |
JP2010084281A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Daicel Chem Ind Ltd | 繊維状補強剤及びその製造方法 |
JP2010106251A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-05-13 | Daicel Chem Ind Ltd | 疎水化されたセルロース系繊維を含む樹脂組成物及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5916842B2 (ja) | 2012-03-16 | 2016-05-11 | 王子ホールディングス株式会社 | 植物繊維含有樹脂組成物の製造方法および成形物の粉砕物の製造方法 |
JP6160244B2 (ja) | 2013-05-27 | 2017-07-12 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細セルロース繊維含有材料及びその製造方法、複合材料及びその製造方法 |
JP6225760B2 (ja) | 2014-03-11 | 2017-11-08 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法 |
-
2016
- 2016-12-22 JP JP2016248616A patent/JP7244983B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009530462A (ja) * | 2006-03-22 | 2009-08-27 | コンサート ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 繊維強化熱可塑性樹脂 |
JP2010084281A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Daicel Chem Ind Ltd | 繊維状補強剤及びその製造方法 |
JP2010106251A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-05-13 | Daicel Chem Ind Ltd | 疎水化されたセルロース系繊維を含む樹脂組成物及びその製造方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11746215B2 (en) | 2017-09-29 | 2023-09-05 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Molded article |
JPWO2019088140A1 (ja) * | 2017-10-31 | 2020-09-24 | 古河電気工業株式会社 | 成形品 |
US11891498B2 (en) | 2017-10-31 | 2024-02-06 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Molded article provided with a resin part |
JP2020011452A (ja) * | 2018-07-18 | 2020-01-23 | 住友林業株式会社 | セルロース繊維の圧縮成形体の製造方法 |
WO2020116315A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | 阿波製紙株式会社 | 繊維強化樹脂シート及びその製造方法 |
JP7492457B2 (ja) | 2018-12-04 | 2024-05-29 | 阿波製紙株式会社 | 繊維強化樹脂シート及びその製造方法 |
WO2023233955A1 (ja) * | 2022-05-30 | 2023-12-07 | 日本製紙株式会社 | 樹脂複合物および樹脂複合物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7244983B2 (ja) | 2023-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7244983B2 (ja) | 微細セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP2017128717A (ja) | 微細セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP6586892B2 (ja) | 微細セルロース繊維含有シート及びその製造方法 | |
JP2009293167A (ja) | ナノ繊維の製造方法、ナノ繊維、混合ナノ繊維、複合化方法、複合材料および成形品 | |
JP5988843B2 (ja) | 複合材料 | |
JP6225760B2 (ja) | 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法 | |
JP6345925B2 (ja) | ナノ複合体及びナノ複合体の製造法 | |
JP6787136B2 (ja) | 微細セルロース繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP2020070379A (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂 | |
JP6136594B2 (ja) | 微細セルロース繊維の製造方法 | |
JP2017057291A (ja) | 微細繊維状セルロース含有物 | |
JP7324225B2 (ja) | アニオン変性セルロースナノファイバーを含有するマスターバッチおよびゴム組成物の製造方法 | |
WO2020090711A1 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP6572700B2 (ja) | 成形体及び成形体用シート | |
JP6799565B2 (ja) | 繊維状セルロース及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP2017133037A (ja) | 微細セルロース繊維の製造方法 | |
JP6796111B2 (ja) | 繊維状セルロース含有物及びその製造方法、繊維状セルロース乾燥体及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP7128660B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 | |
JP2021037769A (ja) | 繊維状セルロース含有物及びその製造方法、繊維状セルロース乾燥体及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP2021037769A5 (ja) | ||
JP2019210332A5 (ja) | ||
JP2020019874A (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及び繊維状セルロース含有物の製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂 | |
JP2020026460A (ja) | 繊維状セルロース及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP2020012021A5 (ja) | ||
JP2019147966A (ja) | 繊維強化樹脂成形体用シート及び繊維強化樹脂成形体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190912 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201104 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201223 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210406 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210705 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20210705 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20210713 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20210720 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20210827 |
|
C211 | Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211 Effective date: 20210831 |
|
C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22 Effective date: 20221004 |
|
C23 | Notice of termination of proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23 Effective date: 20230207 |
|
C03 | Trial/appeal decision taken |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03 Effective date: 20230307 |
|
C30A | Notification sent |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012 Effective date: 20230307 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230310 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7244983 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |