JP2010075178A - ミルク入り飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミルク入り飲料の高温殺菌時及び/又は加温状態で保存される際に発生する乳加熱臭や酸化臭を抑制した、ドリンカビリティの高いミルク入り飲料、特に容器詰めミルク入り飲料を提供すること。
【解決手段】イソ吉草酸エチル又はイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物をミルク入り飲料に適量含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳分を含有するミルク入り飲料に関し、内容液の風味を良好としながら、特に高温殺菌、長期間の保存および冬季の製品ウォーマーでの加熱にも品質的に耐えうる、ミルク入り容器詰め飲料に関する。
ミルク入りコーヒー飲料、ミルク入り紅茶飲料などのミルク入り飲料は、一年を通して飲用される嗜好性の高い飲料であり、長期にわたって常温保存可能な容器詰めミルク入り飲料が多数流通されている。容器詰めミルク飲料は、通常、コーヒー豆抽出液、インスタントコーヒー等のコーヒー原料(本明細書中、コーヒー分とも表記する)や紅茶葉抽出液等の紅茶原料(本明細書中、紅茶分とも表記する)に、牛乳、濃縮乳、全脂乳又は全脂粉乳、脱脂乳又は脱脂粉乳、練乳、クリーム、或いは乳タンパク質等のミルク成分を含有する乳原料(本明細書中、乳分とも表記する)などを混合溶解して調合液を得、保存容器に充填される前、または充填された後のいずれかに、高温殺菌をして製造されている。このように高温殺菌を経て製造されるミルク入り飲料では、ミルク成分が熱変性し、乳加熱臭、具体的には、乳独特の劣化臭(すえ臭)や乳独特のむれっぽい味を発生させ、コク(クリーミー感)が消失して、ミルク入り飲料の品質を低下させることが知られている。
また、ミルク入り飲料は、冬季にはウォーマー等により加温状態(50〜60℃)で販売されるが、常温では12ヶ月以上も品質が安定しているミルク入り飲料であっても、加温状態におくと急速に製品の香味が劣化してしまうことが知られている。これは、ミルク入り飲料のミルク成分が熱変性することと、ミルク成分に含まれる乳脂肪やコーヒー油脂などが加温によって複雑な酸化反応を起こして変化することが原因であると考えられている。この酸化臭は、乳加熱臭とともに不快なものであり、ミルク入り飲料にとって品質上好ましくない。
そこで、ミルク入り飲料において、乳加熱臭や酸化臭を抑制する方法が種々開発されている。例えば、乳又は乳製品にα―グリコシルトレハロースを含有せしめ、加熱処理工程を経て製造することを特徴とする乳加熱臭の生成が抑制された乳又は乳製品の製造方法(特許文献1)や、糖分を含むコーヒー抽出液に、単糖およびアミノ酸からなる混合物ならびに乳成分を添加し、容器に充填後、レトルト殺菌することを特徴とする、加温状態でも長期間にわたり香味劣化のないミルク入りコーヒー飲料(特許文献2)や、乳成分を配合したコーヒー抽出液に、クロロゲン酸またはクロロゲン酸類を添加することを特徴とする、加温状態でも長期間にわたり香味劣化のないミルク入りコーヒー飲料(特許文献3)等が挙げられる。また、ミルク成分として乳代替成分を使用した、加温状態でも長期間にわたり香味劣化のない乳風味飲料(特許文献4)も開発されている。
一方、イソ吉草酸エチル(Ethyl Isovalerate)には、リンゴの香りの様な果実様の芳香があり、シトラス香料など香料用途として食品に添加することが知られている(例えば特許文献5)が、ミルク入り飲料の風味改善に用いることは知られていない。
特開2006−94856号公報 特開平11−9190号公報 特開平11−9189号公報 特開平11−243859号公報 特開2005−15686号公報
上記のとおり、容器詰めミルク入り飲料の高温殺菌や加温保存時における香味劣化の抑制方法が種々開発されているが、未だ十分に満足できるものではなかった。本発明の目的は、ミルク入り飲料の高温殺菌時及び/又は加温状態で保存される際に発生する乳加熱臭や酸化臭を抑制した、ドリンカビリティの高いミルク入り飲料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、果実様の芳香をもつイソ吉草酸エチルを、ごく微量の濃度でミルク入り飲料に添加することにより、嗅覚により知覚されるミルク入り飲料のオフフレーバーをマスキングできることを見出した。そして、さらに驚くべきことに、イソ吉草酸エチルをごく微量添加するだけで、ミルク成分のコクをも付与できることも見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のものに関する。
1.イソ吉草酸エチル又はイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物を含有し、飲料全体に対するイソ吉草酸エチルの割合が0.1ppb〜25ppbである、ミルク入り飲料。
2.UHT殺菌又はレトルト殺菌処理された容器詰め飲料である、1に記載のミルク入り飲料。
3.飲料がコーヒー飲料である、1又は2に記載のミルク入り飲料。
4.イソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物が、醗酵処理が施されたコーヒー豆の抽出物である1〜3のいずれかに記載のミルク入り飲料。
5.pHが5.5〜7.0である、1〜4のいずれかに記載のミルク入り飲料。
6.ミルク入り飲料に、イソ吉草酸エチル又はイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物を含有せしめ、高温殺菌工程に付すことを含む、乳加熱臭の抑制されたミルク入り飲料の製造方法。
7.ミルク入り飲料に、イソ吉草酸エチルを含有せしめることを特徴とする乳加熱臭の抑制方法。
本発明により、高温殺菌、長期間の保存および冬季の製品ウォーマーでの加熱にも香味の観点から品質的に耐えうる、ミルク入り飲料が得られる。本発明のミルク入り飲料は、ミルク入り飲料のオフフレーバー(乳加熱臭や酸化臭)がマスキングされ、ミルク成分のコクが付与されたドリンカビリティの高い飲料である。
本発明の乳加熱臭抑制の有効成分であるイソ吉草酸エチルは、果実様の芳香を持つが、本発明のミルク入り飲料では、イソ吉草酸エチル自体の果実様フレーバーが感じられないような低濃度あるいはそれ以下の濃度で効果を発現することから、飲料自体の香味に影響を及ぼさないという利点もある。
ミルク入り飲料
本発明において、ミルク入り飲料とは、乳分を原料として使用し、UHT殺菌やレトルト殺菌等の高温殺菌工程を経て製造される飲料製品のことをいい、例えば、缶、紙パック、PETボトル等の保存容器に充填された、長期間の保存可能な容器詰め飲料が挙げられる。
本発明において飲料との関連で用いられる「乳分」との用語は、飲料にミルク風味やミルク感を付与するために添加する成分を指し、主に乳等省令に定義されている乳、牛乳及び乳製品のことをいう。例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料等が挙げられ、乳製品としては、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳などが挙げられる。これらの中では風味の面から、牛乳を用いる事が好ましい。また、発酵乳や乳酸菌飲料も、乳分として挙げられる。
本発明のミルク入り飲料は、上記乳分を原料として含む飲料であれば、その種類を限定されるものではなく、例えば、コーヒー分を含むミルク入りコーヒー飲料、紅茶分を含むミルク入り紅茶飲料の他、ココア、発酵乳風味飲料などが含まれる。ここで、「コーヒー分」とは、コーヒー豆由来の成分を含有する溶液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した溶液や、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調整した溶液が挙げられる。また、「紅茶分」とは、紅茶葉由来の成分を含有する溶液のことをいい、例えば、紅茶葉抽出液、すなわち紅茶葉を温水などを用いて抽出した溶液や、紅茶葉抽出液を濃縮した紅茶エキス、紅茶葉抽出液を乾燥した粉末紅茶などを水や温水などで適量に調整した溶液が挙げられる。
本発明のミルク入り飲料における乳分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは固形分換算で0.1〜10質量%である。ここでいう固形分とは、乳分を一般的な乾燥法(凍結乾燥、蒸発乾固等)を用いて乾燥させて水分を除いた後の、乾固物のことをいう。
イソ吉草酸エチル及びそれを含有する植物抽出物
乳加熱臭や酸化臭を抑制する有効成分であるイソ吉草酸エチル(Ethyl Isovalerate)(別名:Butanoic acid 3-methyl- ethyl ester、Butyric acid 3-methyl- ethyl ester、Isovaleric acid ethyl esterとも表記される)は、下記式(I)
Figure 2010075178
で示される化合物であり、パイナップル、イチゴ、柑橘類等の果実に存在する化合物である。本発明のミルク入り飲料には、このようなものを含む植物から公知の方法を含む任意の方法で抽出したイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物をそのまま用いることもできるし、当該抽出物中のイソ吉草酸エチルを濃縮又は精製して得られるイソ吉草酸エチルの濃縮物又は精製物を用いることもできるが、果実抽出物をそのままミルク入り飲料に添加すると、果実の風味がミルク入り飲料に影響を及ぼすことがあるので、イソ吉草酸エチルを果実抽出物として用いる場合には、イソ吉草酸エチルの濃縮物又は精製物を用いるのが好ましい。
また、本発明者らは検討により、醗酵処理を施したコーヒー豆に、イソ吉草酸エチルが含まれることを確認している。醗酵処理をしていないコーヒー生豆やそれを焙煎したコーヒー豆、或いは市販のコーヒー飲料でイソ吉草酸エチルが含まれるものは見出されなかったことから、イソ吉草酸エチルは、醗酵処理を施すことによって特異的に生成される化合物であるといえる。ここで、醗酵処理を施したコーヒー豆(以後、「醗酵コーヒー豆」という)とは、収穫されたコーヒー果実に対して微生物の働きを利用した何らかの醗酵に基づく加工を施して得られるものであり、以下の方法で検出できる濃度のイソ吉草酸エチルを含有するコーヒー豆(焙煎コーヒー豆を含む)をいう。
(コーヒー豆中のイソ吉草酸エチルの検出方法)
まず、コーヒー生豆5gを中挽きで粉砕した後、蒸留水50mLを加えて水蒸気蒸留し、留液100mLを得、その留液を分液ロートに入れ、塩化ナトリウム25g及びジエチルエーテル50mLを加え、20分間振とうする。ジエチルエーテル層を回収し、水層のみ分液ロートに入れ、再度、ジエチルエーテル50mLを加え、20分間振とう後、ジエチルエーテル層のみ回収する。得られたジエチルエーテル層計100mLを分液ロートに戻し、蒸留水50mLで分液ロートを共洗いした後、ジエチルエーテル層のみ回収し、硫酸ナトリウム30gを加え、脱水を行い、KD(クデルナーダーニッシュ)濃縮法により1mLまで濃縮した後、GC−MSに導入してイソ吉草酸エチルを検出する。GC−MS条件は以下の通り。
<GC-MS条件>
・装置:Agilent社製 6890N(GC)+5973inert(MS)
・カラム:GERSTEL社製 MACH HP-INNOWAX(10m*0.20mm*0.20μm)
・カラム温度 :40℃(3min)-50℃/min-250℃(10min)
・キャリアガス:He
・注入口温度:250℃
・トランスファーライン:250℃
・イオン源温度:230℃
・Scan Parameter:m/z=35〜350
・SIM Parameter :m/z=70,88,102
醗酵コーヒー豆は、例えば以下のいずれかの方法で得ることができる。
1)収穫後のコーヒー果実に微生物を接触させて醗酵させた後、水洗式又は非水洗式に脱穀(精製)する方法。
2)収穫後のコーヒー果実を天日又は機械で乾燥させた後、微生物を接触させて醗酵させ、水洗式又は非水洗式に脱穀(精製)する方法。
3)収穫後のコーヒー果実を天日で乾燥させるとともに微生物醗酵させ、脱穀(精製)する方法。
4)収穫したコーヒー果実を果肉除去機に入れて果肉を除去した後、水槽に入れてパーティメントに付いた粘液を取り除くとともに、資化成分を添加して微生物醗酵させ、その後天日又は機械で乾燥させ脱穀する方法。
微生物の接触は人為的な添加によって行ってもよいし、果実表面等に付着している微生物を利用して行ってもよい。人為的に微生物を接触させる場合、その微生物としては、ワイン醗酵用酵母(例えば、サッカロマイッセス(Saccharomyces)属セレビシアエ(Cerevisiae)種のLalvin L2323株(セティカンパニー社)やCK S102株(Bio Springer社)、サッカロマイッセス(Saccharomyces)属のバイヤヌス(bayanus)種の酵母等)、ビール醗酵用酵母、パン用醗酵酵母などの酵母、ラクトバシラス属(Lactobacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)などの乳酸菌、清酒用麹菌、焼酎用麹菌、みそ用麹などのコウジカビ(麹菌)、ゲオトリクム(Geotrichum)属に属する微生物(不完全菌類)などが挙げられる。ゲオトリクム属に属する微生物としては、ゲオトリクム キャンディダム(Geotrichum candidum)、ゲオトリクム レクタングラタム(Geotrichum rectangulatum)、ゲオトリクム クレバニ(Geotrichum klebahnii)、ゲオトリクム スピーシーズ(Geotrichum sp.)が例示でき、特にゲオトリクム スピーシーズ(Geotrichum sp.)SAM2421(国際寄託番号:FERM BP-10300)又はその変異体が好適である。これらゲオトリクム属に属する微生物は、コーヒー果実から単離して得ることができる。
微生物の接触は、コーヒー果実に微生物を噴霧又は散布したり、微生物を含む懸濁液にコーヒー果実を浸漬させたりして行うことができる。醗酵条件は選択した微生物に応じて適宜選択すればよい。
上記のとおり、コーヒー果実には、ゲオトリクム属に属する微生物やサッカロマイッセス属に属する微生物が存在しうるので、微生物を接触させる等の人為的な微生物醗酵を行わなくても、ゲオトリクム属やサッカロマイッセス属に属する微生物の働きを制御して醗酵させることによって醗酵コーヒー豆を得ることもできる。
コーヒー果実の産地は、イエメン、ブラジルなど収穫時期が乾季で雨の心配のない場所と、中南米、アフリカ、アジアなど湿度が高く天日での乾燥に時間を要する場所とがある。イエメン、ブラジルなどでは、上記1)2)4)等(好ましくは、上記1)又は2))の方法にて人為的に醗酵コーヒー豆を製造することができるし、中南米、アフリカ、アジアなどでは、人為的な醗酵コーヒーの製造に加えて、上記3)のように、収穫後の果実を天日で乾燥させながら、果実表面に付着した微生物を利用して醗酵させ、醗酵コーヒー豆を製造することもできる。ただし、本発明でいう「醗酵」では、「腐敗」の状態、すなわち硫化物やアンモニアなどの悪臭を発生させないよう、上記微生物の繁殖条件を制御することが重要である。上記3)の場合には、腐敗が起こらないように、天日で乾燥させる(すなわち微生物醗酵を行う)際には、果実の畝の厚さを一定値以下(例えば10cm以下)にする、乾燥開始直後は薄め(例えば5cm以下)に敷き果実中の水分が少なくなるに従い厚く(例えば5〜10cm)する、果実の畝を定期的に攪拌する(例えば1時間に1回程度)等の工夫を行って、腐敗させないことが重要である。
醗酵コーヒー豆の抽出物は、好ましくは、通常のコーヒーと同様に、焙煎し、必要に応じて粉砕し、これを水又は温水で抽出して得られる。醗酵コーヒー豆の焙煎は、L値が16〜30、好ましくは18〜22程度となるように焙煎を行うとよい。L値が16未満となる焙煎では、焙煎に伴って生成される環状ジペプチド等の存在により、本発明の有効成分であるイソ吉草酸エチルの効果が阻害されることがある。また、イソ吉草酸エチルは安定な化合物であるが、焙煎醗酵コーヒー豆は、通常の(醗酵処理を施していない)焙煎コーヒー豆と同様に酸化劣化を受け易いことから、焙煎後の保存期間は短いほどよく、醗酵コーヒー豆の焙煎後、14日未満、好ましくは7日未満で抽出に供すことが好ましい。
抽出には、通常、粉砕されたコーヒー豆を用いるが、粉砕の度合(通常、粗挽き、中挽き、細挽きなど)は特に限定されず、各種の粒度分布の粉砕豆を用いることができる。また、抽出方法についても何ら限定されず、各種コーヒー抽出装置(ドリップ式、サイフォン式、ボイリング式、ジェット式、連続式など)で行うことができるが、中でもドリップ式で行うことが好ましい。ここでいうドリップ式とは、流下式抽出であり、原料(焙煎して粉砕したコーヒー豆)の層に温水をシャワー、流下して原料中を通過させる抽出方法である。ドリップ式抽出では、コーヒー豆は、通常、金属製のメッシュの上に置かれるが、金属メッシュでなくとも、布やペーパーなど、コーヒー豆層を支え、コーヒー豆層から抽出液を分離できるものであれば特に限定されない。なお、抽出装置内を密閉にして、圧力をかけて抽出を行ってもよい。上記ドリップ式の抽出では、通常、コーヒー豆粉砕物1重量部に対して、5〜15重量部、好ましくは7〜10重量部の中温水を加水、流下してコーヒーを抽出する。抽出時間は、抽出装置の種類・大きさ等により異なるが、通常、15〜50分、好ましくは20〜40分程度である。
醗酵コーヒー豆の抽出物(好ましくは、焙煎された醗酵コーヒー豆の抽出物)は、公知の方法によって、濃縮して用いてもよいし、濃縮物を噴霧乾燥、凍結乾燥等により乾燥して粉末状にして用いてもよい。
醗酵コーヒー豆は、本発明のミルク入り飲料における乳加熱臭や酸化臭を抑制するのに有効な成分であるイソ吉草酸エチルの他に、ミルク入り飲料のボディ感(コク味、量感)を増強するのに有用な成分である酢酸エチル(Ethyl Acetate))を多く含む。したがって、醗酵コーヒー豆の抽出物、特に焙煎された醗酵コーヒー豆の抽出物は、高温殺菌処理により消失する乳分のコクを付与する目的からも、本発明のミルク入り飲料における植物抽出物として好適に用いられる。なお、イソ吉草酸エチルとしては、上記の天然物由来のイソ吉草酸エチル又はイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物の他、合成品を用いることもできる。
イソ吉草酸エチルを含有するミルク入り飲料
ミルク入り飲料は、通常、高温殺菌、長期間の保存および冬季の製品ウォーマーでの加熱等により、乳成分が変性し、乳加熱臭や酸化臭、具体的には、乳独特の劣化臭(すえ臭)や乳独特のむれっぽい味を発生させ、コク(クリーミー感)を消失させ、ミルク入り飲料の品質を低下させることが知られている。本発明のイソ吉草酸エチルを含有するミルク入り飲料は、飲料全体に対するイソ吉草酸エチルの割合が0.1〜25ppb、好ましくは0.1〜22.5ppb、より好ましくは0.1〜20ppb、さらに好ましくは0.2〜10ppb、特に好ましくは0.4〜10ppb、さらにより好ましくは0.6〜7.5ppbとなるようにイソ吉草酸エチルを含有させることにより、高温殺菌される飲料における乳分由来の乳加熱臭や酸化臭(いわゆるオフフレーバー)を抑制し、乳分のコクをも付与した、ドリンカビリティの高いミルク入り飲料である。
ここで、飲料中のイソ吉草酸エチルの濃度は、後述する実施例のようにガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定することができる。
本明細書における高温殺菌とは、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)と、調合液を缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法とをいう。高温殺菌の条件は、ミルク入り飲料の調合液の特性や使用する保存容器に応じて適宜選択すればよいが、UHT殺菌法の場合、通常120〜150℃で1〜120秒間程度、好ましくは130〜145℃で30〜120秒間程度の条件であり、レトルト殺菌法の場合、通常110〜130℃で10〜30分程度、好ましくは120〜125℃で10〜20分間程度の条件である。
本発明のミルク入り飲料は、上記したとおり、高温殺菌、長期間の保存および冬季の製品ウォーマーでの加熱等による不快な香りや風味を改善した飲料であるが、中性領域にpHが調整された飲料の風味を向上したミルク入り飲料、例えばミルク入りコーヒーやミルク入り紅茶として、特に好適に提供されるものである。通常、コーヒー分(例えばコーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した溶液)や、紅茶分(例えば紅茶葉抽出液、すなわち紅茶葉を温水などを用いて抽出した溶液)は弱酸性であるが、乳分の安定性を保つために、容器詰めされるミルク入り飲料では通常、pH調整剤が添加され、pHが5.5〜7.0程度、好ましくはpH6.0〜7.0、より好ましくはpH6.0〜6.5の中性領域になるようpH調整が行われている。しかし、このpH調整の段階では、コーヒー分や紅茶分が本来持つ風味(例えば、ほのかな酸味)や味わいが失われるという問題があった。しかし、本発明のイソ吉草酸エチルを配合したミルク入り飲料は、pHが5.5〜7.0程度、好ましくはpH6.0〜7.0、より好ましくはpH6.0〜6.5の中性領域になるよう調整されたミルク入り飲料(例えばミルク入りコーヒーやミルク入り紅茶)であっても、コーヒー分や紅茶分の味わいが付与されており、また乳分のコクも増強されるので、コーヒー或いは紅茶とミルクとがそれぞれの良さを引き立てあう、従来になかった広がりかつメリハリのある味わいを創出したミルク入り飲料となる。ここで、用いられるpH調整剤としては、水に溶解した時にアルカリ性を示す物質であれば限定されず、具体的には、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウムなどが挙げられる。
高温殺菌されるミルク入り飲料は、乳分の安定性を保つために、上記pH調整の他、乳化剤が添加されることが多い。乳化剤は特有の雑味やぬめりを呈し、後味のキレを悪くして飲料の香味を低下させるが、本発明のミルク入り飲料に乳化剤を添加した場合には、イソ吉草酸エチルが乳化剤特有の不快な味(雑味やぬめり)を緩和するので、飲料の香味を低下させることがないという特徴もある。ここで、用いられる乳化剤としては、乳化の効果を持つ添加物であれば限定されず、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
一般的に、コーヒーの香りは、とても繊細、不安定なものであり、抽出直後の香り、風味は時間の経過とともに変化していき、長時間保持できるものではないことが知られている。高温殺菌される容器詰め飲料では、特に、コーヒーの香りや風味の消失、変性が著しいが、本発明者らが見出したミルク入り飲料の風味改善作用として有効な成分であるイソ吉草酸エチルは、不安定なコーヒーの香りを維持(保持)するのに有用であるという知見を得ている。したがって、ミルク入りコーヒー飲料の態様は、本発明の好適な態様の一つであり、本発明のミルク入りコーヒー飲料は、コーヒー分の風味が維持、増強され、かつ、乳分由来の劣化臭がマスキングされた飲料となる。
イソ吉草酸エチルは、ミルク入り飲料製造工程のいずれかで飲料に含有させればよく、本発明のミルク入り飲料の製造方法は、特にその方法を限定するものではなく、通常知られた方法、具体的には、1)イソ吉草酸エチルを含有する調合液を得る工程、2)調合液を高温殺菌する工程、3)容器に充填する工程を含む工程により製造される。イソ吉草酸エチルは、イソ吉草酸エチル又はイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物を添加剤として調合液に含有させることもできるし、ミルク入りコーヒー飲料やミルク入り紅茶飲料の場合には、イソ吉草酸エチルを含有する植物(例えば、醗酵コーヒー豆)をコーヒー豆や紅茶葉と一緒に抽出に供し、イソ吉草酸エチル含有のコーヒー抽出液又は紅茶抽出液を得て調合液に含有させることもできる。
イソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物として、上述の醗酵コーヒー豆の抽出物を用いると、乳加熱臭や酸化臭を抑制するのに有効な成分であるイソ吉草酸エチルだけでなく、ミルク入り飲料のボディ感(コク味、量感)を増強するのに有用な成分で高温殺菌により消失する乳分のコクを付与しうる成分である酢酸エチル(Ethyl Acetate)を多く含有することから、本発明のミルク入り飲料に好適に用いられる。
本発明者らは、酢酸エチルを1.0ppb(w/v)以上、好ましくは2.0ppb以上、より好ましくは4.0ppb以上含有せしめることにより、ミルク入り飲料のボディ感を増強し、乳分のコクを付与できることを確認している。また、酢酸エチルを40ppbの濃度で添加した場合にも、ミルク入り飲料の風味にほとんど影響を与えることがなく、上記作用が得られることを確認している。また、20ppbと40ppbの濃度では、上記作用に大きな差異がなかった。これらのことから、ミルク入り飲料中の酢酸エチル濃度は、特に限定されないが、好ましくは1.0〜40ppb程度、より好ましくは2.0〜40ppb程度、さらにより好ましくは4.0〜40ppb又は4.0〜20ppb程度である。なお、飲料中の酢酸エチルの濃度は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定することができる。
本発明のミルク入り飲料には、イソ吉草酸エチル、乳分に加えて、上記の各成分(例えば、コーヒー分、紅茶分、乳化剤、pH調整剤等)の他、ミルク入り飲料に通常配合される成分、例えば甘味成分(糖類(ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖等)、オリゴ糖類、及び糖アルコール類のような糖質甘味料、あるいは天然非糖質甘味料(ステビア抽出物、カンゾウ抽出物等)や合成非糖質甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK)のような高甘味度甘味料など)や各種添加剤(香料、酸化防止剤)等、イソ吉草酸エチルの作用を損なわない限り、どのような成分を添加してもよい。
本発明のミルク入り飲料が充填される容器としては、殺菌方法や保存方法に合わせて適宜選択すればよく、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。
イソ吉草酸エチルを含有するミルク入りコーヒー飲料
本発明の好適な態様の一つであるミルク入りコーヒー飲料について、詳述する。簡易かつ効率的な製造方法として、イソ吉草酸エチルを含有する植物として醗酵コーヒー豆を用い、コーヒー豆(コーヒー飲料のベースとなる焙煎コーヒー豆;以後、「ベースとなる焙煎コーヒー豆」という)と一緒に抽出してイソ吉草酸エチル含有のコーヒー抽出液を得て調合液を得る方法が挙げられる。醗酵コーヒー豆としては、上述のとおり、収穫されたコーヒー果実に対して微生物の働きを利用した何らかの醗酵に基づく加工を施して得られるもので、イソ吉草酸エチルを含有するものであれば、どのようなものでも使用できる。醗酵過程において、微生物の代謝によりイソ吉草酸エチルや酢酸エチルが生成し、コーヒー生豆に移行する。
醗酵コーヒー豆は、風味の観点から、焙煎、粉砕して用いるのがよい。焙煎(通常、浅煎り、中煎り、深煎りなど)及び粉砕の度合(通常、粗挽き、中挽き、細挽きなど)については、特に限定されず、ベースとなる焙煎コーヒー豆の種類や焙煎度、粉砕の度合い等により適宜設定すればよい。焙煎された醗酵コーヒー豆の配合割合も、ベースとなる焙煎コーヒー豆に応じて適宜選択すればよいが、飲料全体に対し、イソ吉草酸エチルを0.1ppb〜25ppbを含有させる観点から、コーヒー豆の全量(ベースとなる焙煎コーヒー豆と醗酵コーヒー豆の総量)に対して焙煎された醗酵コーヒー豆を0.1〜20重量%程度、好ましくは0.1〜10重量%程度、より好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%程度配合する。
次いで、この醗酵コーヒー豆含有の焙煎コーヒー豆を抽出工程に供す。抽出溶媒(水)の温度は、特に制限されないが、通常、30〜98℃程度である。また、抽出方法についても何ら限定されず、各種コーヒー抽出装置(ドリップ式、サイフォン式、ボイリング式、ジェット式、連続式など)で行うことができるが、中でもドリップ式で行うことが好ましい。ここでいうドリップ式とは、流下式抽出であり、原料(焙煎して粉砕したコーヒー豆)の層に温水をシャワー、流下して原料中を通過させる抽出方法である。ドリップ式抽出では、コーヒー豆は、通常、金属製のメッシュの上に置かれるが、金属メッシュでなくとも、布やペーパーなど、コーヒー豆層を支え、コーヒー豆層から抽出液が分離できるものであれば特に限定されない。なお、抽出装置を密閉して、圧力をかけて抽出を行ってもよい。上記ドリップ式の抽出では、通常、コーヒー豆粉砕物1重量部に対して、5〜15重量部、好ましくは7〜10重量部の中温水を加水、流下してコーヒーを抽出する。抽出時間は、抽出装置の種類・大きさ等により異なるが、通常、15〜50分、好ましくは15〜40分程度である。
なお、抽出時において、コーヒーの香気成分が酸化を受けやすいものであることを考慮し、抽出は不活性気体中にて行ってもよい。また、工業的な抽出装置全体を不活性気体にてパージしてもよく、一旦装置全体を減圧して酸素を除去しその後不活性気体にて常圧にする方法を行ってもかまわない。
コーヒー中に含まれるクロロゲン酸は、その抗酸化作用によりコーヒー飲料の保存安定性を向上させるが、クロロゲン酸の独特の苦味がコーヒー飲料の香味形成に大きく影響し、過剰に存在すると飲料本来の香味が損なわれて嗜好性が低下する。特に、加熱殺菌を伴う容器詰めコーヒー飲料で、加温状態や長期間(例えば2ヶ月以上)に渡り常温保存されるようなコーヒー飲料では、熱に伴う加熱臭や雑味、乳の加熱劣化臭とクロロゲン酸の苦味とが相俟ってより不快な後味に感じられることがある。本発明の飲料は、クロロゲン酸とイソ吉草酸エチルの相乗効果により容器詰め飲料中のクロロゲン酸の総量を低減でき、かつ、同一のクロロゲン酸総量(濃度)であっても苦味強度が低減でき、特に後味に感じられるコーヒー風味を増強でき、また乳の加熱劣化臭などの不快な風味も緩和できるものである。
なお、本発明で、クロロゲン酸の総量をいうときは、モノカフェオイルキナ酸成分(3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸)、フェルラキナ酸成分(3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸、5−フェルラキナ酸)及びジカフェオイルキナ酸成分(3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸)の三種の合計を意味する。なお、飲料中のクロロゲン酸類の含量は、当業者であれば、例えばHPLCを用いて、適宜測定することができる。
本発明の飲料では、(A)イソ吉草酸エチルの量(ppm)と(B)クロロゲン酸の総量(ppm)の積((A)×(B))が0.09以上、好ましくは0.13以上、より好ましくは0.17以上、さらに好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.4以上とするようにすると、有効にコーヒー風味を増強することができ、かつ乳劣化臭が抑制されるので、飲みやすい飲料となる。さらに、(B)クロロゲン酸の総量(ppm)に対する(A)イソ吉草酸エチルの量(ppm)の割合((A)/(B))が0.00003を超えるとイソ吉草酸エチルの香りがコーヒー本来の風味を阻害することがある。したがって、(A)/(B)が0.00003以下、好ましくは0.000025以下、より好ましくは0.00002以下となるように調整するとよい。飲料中のクロロゲン酸量は、原料となるコーヒー豆の種類、焙煎強度等により調節できる。また、コーヒー抽出物から、クロロゲン酸を選択的に除去する、又はコーヒー生豆抽出物などクロロゲン酸を添加する等によってもクロロゲン酸の総量を調節できる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1 イソ吉草酸エチル含有ミルク入りコーヒー飲料の調製
コーヒー飲料のベースとなるコーヒー豆としては、中煎りにしたブラジル産コーヒー豆を用いた。コーヒー豆を粉砕機(日本グラニュレーター社製)で粉砕し、94℃の熱水でドリップし、Brix2.8の抽出液を得た。このコーヒー抽出液を500メッシュで濾過して不溶性固形分を除き、使用した。
表1に示す配合のコーヒー抽出液、グラニュー糖、牛乳、乳化剤を混合して溶解し、更にpH調整剤として重曹を添加して、Bx9.0及びpH6.9のコーヒー飲料を調製した。このコーヒー飲料を対照とし、イソ吉草酸エチル(純度99.0%)を2.25ppb(w/v)となるように添加して、イソ吉草酸エチル含有コーヒー飲料(A)を調製した。これらコーヒー飲料を65〜70℃に加温し、均質化処理を行ない(総ゲージ20MPa、第1段(入口)15MPa、第2段(出口)5MPa)、スチール製容器に190gずつ充填し、120〜125℃、約25分の殺菌を行い(レトルト殺菌)、容器詰コーヒー飲料とした。得られた容器詰めコーヒー飲料を10℃にて1日保存後、官能評価した。評価は、レトルト殺菌処理された対照飲料を3点として、飲料Aの好ましさを比較した。
平均点を表2に示す。イソ吉草酸エチルを添加した飲料Aは、対照と比べて乳加熱臭が抑制され、乳分のコクやコーヒー風味が付与されており、ドリンカビリティの高い飲料であった。なお、官能評価したコーヒー飲料のpHは、6.4であった。
Figure 2010075178
Figure 2010075178
実施例2 容器詰めコーヒー飲料の保存試験(1)
イソ吉草酸エチル含量を0、0.6、2.3、5.6、22.5ppb(w/v)とする以外は、実施例1と同様の手法でコーヒー飲料を調製した。これを190g缶に詰めレトルト殺菌(120〜125℃、約25分)を行い、容器詰めコーヒー飲料を製造した。得られた容器詰め飲料を、保存試験に供した。保存試験は、70℃2週間で行った。これは、加温条件下での保存試験だけでなく、常温1年の保存に相当する試験である。保存後のコーヒー飲料について、実施例1と同様に、イソ吉草酸エチル無添加の飲料と比較して評価した。
評価結果を表3に示す。加温条件下での保存(或いは常温長期間保存)により、保存劣化に伴う乳分の加熱臭や酸化臭(乳劣化様の厭味)及びコーヒー分に起因する後口の不快な風味(収斂味、エグ味、苦味)が顕著に発生したが、イソ吉草酸エチルを0.6ppb以上添加することにより、これら劣化に伴う不快な風味を緩和することができた。特に、イソ吉草酸エチルを2.3ppb以上配合したコーヒー飲料では、パネラー全員が無添加のコーヒー飲料との明確な違いを感じ、イソ吉草酸エチルを添加したコーヒー飲料の方が好ましいと評価した。また、イソ吉草酸エチルを添加したコーヒー飲料では、劣化に伴う不快な風味を緩和するだけでなく、コーヒーの香り等の好ましい風味の消失を抑制できた。なお、官能評価したコーヒー飲料のpHは、6.2であった。
Figure 2010075178
実施例3 容器詰めコーヒー飲料の保存試験(2)
実施例2で調製したイソ吉草酸エチル含量が2.3ppb(w/v)のコーヒー飲料に、さらに酢酸エチル(純度:99.5%)を0、1.0、2.0、4.0、10.0、20.0、40.0ppb(w/v)となるように添加して、酢酸エチルを含有するコーヒー飲料を調製した。これを、実施例2と同様に容器に充填して高温殺菌し、保存試験に供した。保存後のコーヒー飲料について、実施例1と同様に、酢酸エチル無添加の飲料と比較して評価した。
高温殺菌され、加温条件下で保存されたミルク入り飲料(コーヒー飲料)で酢酸エチル無添加の飲料は、乳分のコクに欠けたボディ感のない飲料であった。一方、酢酸エチルを添加したミルク入り飲料は、1.0〜20ppbの添加では、その添加量に応じて乳分のコクが増加してボディ感を有する嗜好性の高い飲料となった。酢酸エチルを40ppb添加した飲料は、20ppb添加した飲料と同程度の呈味であった。
実施例4 容器詰めコーヒー飲料の保存試験(3)
(1)醗酵コーヒー豆の調製(1)
コーヒー生果実を100kg用意し、トンネル型の蒸気導入部分を設けた速度調節可能なコンベアを用いて、温度100℃、処理時間20秒の上記工程1)を行った。その後、送風によって40℃に急冷した(工程2))。コーヒー果実100kgに対してワイン醗酵用酵母であるLalvin EC1118株(Saccharomyces bayanus))の乾燥菌体50gに水200gを加えて溶解した酵母溶液を調製し、これとアジピン酸100gをコーヒー果実1粒あたりの酵母付着量が1.0×106〜7cellsとなるように満遍なく添加した(工程3)4))。これを35℃にて72時間静置して発酵処理した(工程5))後、乾燥機で乾燥させ(工程6))、脱穀機で果肉を除去して醗酵コーヒー豆(生豆)を得(工程7))、これを焙煎して焙煎された醗酵コーヒー豆を得た(試料1)。
この醗酵コーヒー焙煎豆を粉砕せずにそのままの形状でガスクロマトグラフィ(GC)用サンプルチューブに10gずつ入れ、ヘッドスペースの気体を成分分析した。その結果、試料1には、酢酸エチルが65ppm含まれており、イソ吉草酸エチルが含まれることが確認された。GCの分析条件は以下のとおり。
<GC分析条件>
・装置:Agilent 7694 HeadspaceSampler (Agilent Technologiess社製)
Agilent 6890 GC System (Agilent Technologiess社製)
・カラム:HP-INNOWAX(60mm×内径0.25mm×膜圧0.25μm)
・温度:40℃4分保持、3℃/分で220℃まで昇温、230℃30分保持
・検出器:MSD,FID
(2)コーヒー抽出液及び容器詰めコーヒー飲料の製造
実施例1で用いたコーヒー飲料のベースとなる焙煎豆に、上記の焙煎された醗酵コーヒー豆(試料1)を、コーヒー豆の全量に対し、4重量%又は15重量%となるように配合した(4%配合品、15%配合品)。この醗酵コーヒー焙煎豆混合の焙煎豆から、実施例1と同様にコーヒー抽出液を得てコーヒー飲料を調製し、実施例2と同様の保存試験に供した。対照として、醗酵コーヒー豆を配合しないコーヒー飲料を製造して保存試験に供し、保存後のコーヒー飲料について、醗酵コーヒー豆無添加の飲料と比較して評価した。
評価結果を表4に示す。醗酵コーヒー豆を配合して調製したコーヒー抽出液を含むコーヒー飲料(4%配合品、15%配合品)は、無添加のコーヒー飲料と比較して、コーヒーの香り、コク味、後口の余韻といったコーヒーの好ましい風味や乳分のコクを増強し、保存劣化に伴う後口の不快な風味(収斂味、エグ味、苦味)や乳劣化臭(乳劣化様の厭味)を抑制することができ、パネラー全員が、醗酵コーヒー豆を配合したコーヒー飲料(4%配合品、15%配合品)の方が大変好ましいと評価した。また、実施例2の精製されたイソ吉草酸エチルを添加した場合と比較して、醗酵コーヒー豆抽出物を含む本実施例の飲料(4%配合品、15%配合品)は、乳分のコクが増強された、ミルク入り飲料として嗜好性の高い飲料であった。
4%配合品と15%配合品とを比較すると、4%では醗酵コーヒー豆特有の香味がほとんど感じられないのに対し、15%配合品では、醗酵コーヒー豆特有のエステル香、アルコール香がやや感じられたことから、ベースとなるコーヒー豆の風味の維持、オフフレーバーの抑制を目的として使用する場合には、醗酵コーヒー豆15%相当が上限であることが示唆された。
このコーヒー飲料について、イソ吉草酸エチル含量及びクロロゲン酸含量を測定した。測定の結果、イソ吉草酸エチルを4%配合品は1.12ppb、15%配合品は7.5ppbの濃度で含有しおり、クロロゲン酸含量はいずれも1020ppmの濃度で含有していた。また、コーヒー飲料のpHを測定すると、pH6.2であった。
なお、イソ吉草酸エチル含量は、コーヒー飲料50mLにシリコーン5滴を添加した試料を60℃に加温し、窒素を吹き込み、吸着管(Tenax GR 35/60)に20分間吸着させた後、GC−MSに加熱導入した。HS条件、加熱脱着条件及びGC-MS条件は以下のとおり。
<HS条件 ※ヘッドスペース(パージ&トラップ法)>
・吸着剤 :Tenax-GR 35/60
・パージガス流量 :100mL/min
・パージ時間 :20min
・試料量 :50mL
・シリコーン添加量:消泡シリコーンを蒸留水で25倍に希釈したもの5滴
<加熱脱着条件>
・装置 :GERSTEL社製 Thermo Desorption System(TDS)
<GC-MS条件>
・装置 :Agilent社製 6890N(GC)+5973inert(MS)
・カラム :GERSTEL社製 MACH HP-INNOWAX(10m*0.20mm*0.20μm)
・カラム温度 :40℃(3min)-50℃/min-250℃(10min)
・キャリアガス :He
・トランスファーライン:250℃
・イオン源温度:230℃
・Scan Parameter:m/z=35〜350
・SIM Parameter :m/z=70,88,102
また、クロロゲン酸含量は、試料となる飲料を移動相Aで10倍希釈(w/w)した後、メンブランフィルター(ADVANTEC製 Cellulose Acetate 0.45μm)で濾過し、HPLCに注入して定量した。測定条件は以下の通り。
<HPLC測定条件>
・カラム:TSK-gel ODS-80TsQA(4.6mmφx150mm、東ソー株式会社)
・移動相:A:水:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
B:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
・流速:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・グラディエント条件;分析開始から5分後まではA液100%保持、
5分から10分まででB液7.5%、
10分から20分まででB液10.5%、
20分から32分までB液10.5%保持、
32分から45分まででB液26.3%、
45分から46分まででB液75.0%、
46分から51分までB液75.0%保持、
51分から52分まででB液0%
52分から58分までB液0%保持、
・注入量:5.0μL
・検出波長:325nm
・標準物質:クロロゲン酸0.5水和物(ナカライテスク株式会社)
リテンションタイムは、15.3分、18.9分、20.7分、30.3分、31.3分、32.3分、44.1分、44.8分、46.3分であり、クロロゲン酸はこれらリテンションタイムのピーク面積の和より求めた。
Figure 2010075178
実施例5 容器詰めコーヒー飲料の保存試験(4)
表5に示す処方にて、実施例4と同様にしてBx8.9及びpH6.8のコーヒー飲料を調製した。このコーヒー飲料を対照とし、イソ吉草酸エチル(純度99.0%)を0〜22.5ppb(=0.0225ppm)(w/v)となるように添加して、イソ吉草酸エチル含有コーヒー飲料を調製した。また、種々の濃度のイソ吉草酸エチル含有コーヒー飲料に、クロロゲン酸としてフレーバーホルダーRC30(長谷川香料)を0〜3.1mL/kgとなるように添加し、クロロゲン酸総量が異なるコーヒー飲料を調製した。
Figure 2010075178
イソ吉草酸エチル総量及びクロロゲン酸総量の異なるコーヒー飲料を65〜70℃に加温し、均質化処理を行ない(総ゲージ20MPa、第1段(入口)15MPa、第2段(出口)5MPa)、スチール製容器に190gずつ充填し、120〜125℃、約25分の殺菌を行い(レトルト殺菌)、容器詰コーヒー飲料とした。得られた容器詰め飲料を、実施例5と同様の条件で保存試験に供した。イソ吉草酸エチル無添加、フレーバーホルダー無添加の飲料で、保存試験前の飲料を対照とし、対照と比較した場合の乳劣化臭の強さについて評価した。
評価結果を表6に示す。加温条件下での保存(或いは常温長期間保存)により、乳劣化臭が発生した。イソ吉草酸エチルが無添加(0ppb)の場合、クロロゲン酸の添加量に伴って、乳劣化臭の発生を抑制することができたが、その効果はクロロゲン酸を1700ppm含有した飲料で対照と同程度であった。クロロゲン酸を1700ppmを超える量で配合した場合には、その独特の風味からコーヒー飲料の嗜好性を損なうことがあり、1700ppm以下とすることが好ましいと考えられた。
一方、イソ吉草酸エチルを0.1ppb(0.0001ppm)以上添加することにより、コーヒーの好ましい風味を維持しながらも、加熱劣化に伴う不快な風味(例えば乳劣化臭)を緩和することができた。この効果はクロロゲン酸と相乗的に作用し、(A)イソ吉草酸エチルの量(ppm)と(B)クロロゲン酸の総量(ppm)の積((A)×(B))が0.09以上、好ましくは0.13以上、より好ましくは0.17以上、さらに好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.4以上とするようにすると、コーヒーの好ましい風味を増強し、不快な風味を緩和して、飲みやすい(嗜好性の高い)飲料となった。また、(B)クロロゲン酸の総量(ppm)に対する(A)イソ吉草酸エチルの量(ppm)の割合((A)/(B))が0.00003を超えるとイソ吉草酸エチルの香りがコーヒー本来の風味を阻害すると判断したパネラーがいた。したがって、(A)/(B)が0.00003以下、好ましくは0.000025以下、より好ましくは0.00002以下とすることが好ましいことが示唆された。
Figure 2010075178
実施例6 容器詰めコーヒー飲料の保存試験(5)
(1)醗酵コーヒー豆の調製(2)
グァテマラでは、通常、水洗式でコーヒー果実からコーヒー生豆を精製している。すなわち、収穫した果実を水槽に入れて不純物を取り除いた後、果肉除去機に入れて果肉を除去し、再度水槽に入れてパーティメントに付いた粘液を取り除き、その後天日又は機械で乾燥させ脱穀する方法を採用している。これは、栽培地が山の斜面で収穫後に果実を広げて干す場所がないため、必然的に取り入れられる方法である。
一方、ブラジルなど一度に大量の果実を乾燥させる広大な平地があり、かつ収穫時期が乾季で雨の心配がない場所では、非水洗式(ナチュラルとも呼ばれる)の精製が行われている。すなわち、収穫後の果実をそのまま広場に広げ天日で乾燥させた後、乾燥した果肉が付いたまま脱穀を行う方法で、時間を掛けて乾燥させる間に複雑な香味やコクがコーヒー生豆に付与されるという特徴を有する。
しかしながら、今回は、グァテマラにおいて、非水洗式でコーヒー生豆を得た。すなわち、収穫された果実の畝の厚さを一定値(5cm以下)以下となるように敷き、果実中の水分が少なくなるに従い厚く(5〜10cm)し、かつ果実の畝を1時間に1回攪拌することを行い、2週間かけて水分10%以下の乾燥果実を得、これを脱穀してコーヒー生豆を得た(試料2)。得られたコーヒー生豆を実施例4と同様にして分析したところ、イソ吉草酸エチル及び酢酸エチルが含まれることが確認された。
(2)コーヒー抽出液及び容器詰めコーヒー飲料の製造(2)
実施例1で用いたコーヒー飲料のベースとなる焙煎豆に、上記の焙煎された醗酵コーヒー豆(試料2)を、コーヒー豆の全量に対し、5重量%となるように配合した。この焙煎された醗酵コーヒー豆混合の焙煎豆から、実施例1と同様にコーヒー抽出液を得てコーヒー飲料を調製し、実施例2と同様の保存試験に供した。対照として、醗酵コーヒー豆を配合しないコーヒー飲料を製造して保存試験に供し、保存後のコーヒー飲料について、醗酵コーヒー豆無添加の飲料と比較して評価した。
醗酵コーヒー豆を配合して調製したコーヒー抽出液を含むコーヒー飲料は、無添加のコーヒー飲料と比較して、コーヒーの香り、コク味、後口の余韻といったコーヒーの好ましい風味を増強し、加熱に伴う乳劣化臭を抑制することができ、パネラー全員が、醗酵コーヒー豆を配合したコーヒー飲料の方が大変好ましいと評価した。
このコーヒー飲料について、イソ吉草酸エチル総量及びクロロゲン酸総量を測定した。測定の結果、イソ吉草酸エチルは0.13ppb、クロロゲン酸は1060ppmの濃度で含有していた。また、コーヒー飲料のpHを測定すると、pH6.2であった。

Claims (7)

  1. イソ吉草酸エチル又はイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物を含有し、飲料全体に対するイソ吉草酸エチルの割合が0.1ppb〜25ppbである、ミルク入り飲料。
  2. UHT殺菌又はレトルト殺菌処理された容器詰め飲料である、請求項1に記載のミルク入り飲料。
  3. 飲料がコーヒー飲料である、請求項1又は2に記載のミルク入り飲料。
  4. イソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物が、醗酵処理が施されたコーヒー豆の抽出物である請求項1〜3のいずれかに記載のミルク入り飲料。
  5. pHが5.5〜7.0である、請求項1〜4のいずれかに記載のミルク入り飲料。
  6. ミルク入り飲料に、イソ吉草酸エチル又はイソ吉草酸エチルを含有する植物抽出物を含有せしめ、高温殺菌工程に付すことを含む、乳加熱臭の抑制されたミルク入り飲料の製造方法。
  7. ミルク入り飲料に、イソ吉草酸エチルを含有せしめることを特徴とする乳加熱臭の抑制方法。
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