JP2010065552A - 内燃機関の補機配設構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このため、多気筒内燃機関の各気筒に繋がるエキゾーストマニホルドを被覆するエキマニカバーを設け、エキゾーストマニホルドの集合部より下流側に設ける触媒を、内燃機関の外壁面に対応させて配設する一方、内燃機関の外壁面にオイルフィルタを配設した内燃機関の補機配設構造において、エキゾーストマニホルドの集合部を気筒列の中心より気筒列方向の一方にオフセットさせて設け、集合部を被覆するように設けたエキマニカバーの気筒列の中心側となる外縁部に挟まれた部分を形成し、外縁部に囲まれる内側位置にオイルフィルタを配置した。
【選択図】図1
Description
特に、エンジンケーシングの外表面に面して取り付けられる潤滑装置、排気装置に関わり、さらに内燃機関によって駆動される内燃機関補機類および内燃機関を搭載するマウント部の配置に関わる内燃機関の補機配設構造に関するものである。
前記パワーユニットでは、内燃機関そのものの搭載位置を下げたり、内燃機関補機類を低い位置に搭載したりすることになる。
しかし、単純に平面的に広げることは物理的に困難であるほかに、伝達効率や熱影響、干渉防止や整備性、コストなどにおいて様々な不具合が生ずるという理由によって、全ての物を低い位置に搭載することは難しい。
そのため、優先度の高いものが低い位置となり、ほかのものは相対的に高い位置に配設することになる。
けれども、オイルフィルタ位置が高いことは、上からの交換作業がし易くなるけれども、仮に内燃機関の最上部に配設すれば、美観を損ねるだけでなく、オイルを汲み上げてからろ過するまでの搬送経路が長くなり、分配するまでの経路が長くなる。
さらに、シリンダヘッドに油圧駆動の可変バルブ機構(VVT)を備える場合には、オイル制御弁(OCV)および制御用オイル通路を潤滑通路とは別に設ける必要があり、それらの場合、内部の通路形成のために内燃機関そのものが大きく重くなるという不都合が生じてしまう。
さらに妨げとなる構成としては、シリンダヘッドやシリンダブロックの壁面の排気側に設けられる冷却水通路ないし冷却水ポンプが考えられる。
内燃機関の出力を向上させるためには、燃焼室を構成するシリンダヘッド周りを冷却して、燃焼を安定化させなければならない。
オイルフィルタをエキマニより下方に位置させることにより、クランクケース部より幅の狭いシリンダブロックの壁面に配設することで美観を損ねることなく、オイルを汲み上げてからろ過するまでの搬送経路を比較的短くできる。
けれども、メンテナンス性や冷却性(過熱回避)については、更なる改良を要するし、可能である。
従って、エンジンの壁面の比較的高い位置であって、排気管の開始位置であるエキゾーストマニホルドの中央に近い位置、さらには、エンジン幅(気筒列方向とは直交する方向の長さ)が相対的に狭い位置に、オイルフィルタを配設できる。
オイルフィルタのシール面の面積を大きく確保できる。
図2〜図5において、1は車両、2は車両1の前部に形成されるエンジンルーム、3はこのエンジンルーム2内に配設されるパワーユニットである。
前記車両1の前部に形成されるエンジンルーム2は、図4に示す如く、車両前側にラジエータファン(「ラジファン」ともいう。)4を備えたラジエータ5が配設される。
また、前記車両1のエンジンルーム2の底部においては、図5に示す如く、車両前側部位に車幅方向に延びるサブフレーム6が配設されるとともに、車両両側部位に車両前後方向に延びる左右の第1、第2サイドフレーム7、8が夫々配設される。
このとき、前記ラジエータ5の車両前側部位には、図2及び図3に示す如く、バンパ9が配設され、このバンパ9のバンパメンバ10や前記ラジエータ5の取付高さ位置が前記車両1に搭載されるパワーユニット3によって理解できる。
そして、前記ラジエータ5の上部には、図4に示す如く、車幅方向に延びるアッパクロスメンバ11が配設されている。
そして、前記パワーユニット3の内燃機関12は、図3に示す如く、シリンダブロック14と、このシリンダブロック14の上面に装着されるシリンダヘッド15と、このシリンダヘッド15の上面に装着されるシリンダヘッドカバー16と、前記シリンダブロック14の下面に装着されるクランクケースロア17と、このクランクケースロア17の下面に装着されるオイルパン18とを有している。
また、前記内燃機関12には、吸気系の一部を構成するインテークマニホルド(「吸気マニホルド」ともいう。)19が取り付けられる一方、排気系の一部を構成するエキゾーストマニホルド(「排気マニホルド」ともいう。)20が取り付けられる。
このとき、前記エンジンルーム2内にパワーユニット3を配設する際には、車両前側に前記内燃機関12のエキゾーストマニホルド20を位置させる一方、車両後側に前記内燃機関12のインテークマニホルド19を位置させるように、横置き状態に配設する。
なお、前記エキゾーストマニホルド20には、図5に示す如く、前記内燃機関12の下方を通過して車両前側から車両後側に延びるエキパイ(「エキゾーストパイプ」または「排気管」ともいう。)21が取り付けられる。
このとき、前記前側エンジンマウント22は、車体側マウントブラケット23と内燃機関側マウントブラケット24とを有している。
また、前記パワーユニット3の車両左側においては、図5に示す如く、前記変速機側エンジンマウントである左側エンジンマウント25を介してパワーユニット3の変速機13を左側の第1サイドフレーム7に取り付ける。
更に、前記パワーユニット3の車両右側においては、図5に示す如く、前記内燃機関側エンジンマウントである右側エンジンマウント26を介してパワーユニット3の内燃機関12を右側の第2サイドフレーム8に取り付ける。
振動を吸収する円筒状のゴムマウントである前側エンジンマウント22は、触媒ケース部34の表面から前方側方に離間した位置で、車体側マウントブラケット23を介してサブフレーム6上面に取り付けてある。
このとき、前側エンジンマウント22は、前記内燃機関12に対して比較的近い位置であっても、内燃機関側マウントブラケケット24形状などによって熱影響を少なくしている。
そして、前記エキゾーストマニホルド20の集合部28を気筒列の中心C(図3参照)より気筒列方向の一方にオフセットさせて設け、この集合部28を被覆するように設けたエキマニカバー27の気筒列の中心C側となる外縁部31に挟まれた部分を形成し、この外縁部31に囲まれる内側位置にオイルフィルタ30を配置した構成とする。
詳述すれば、前記エキマニカバー27の形状は、図1〜図5に示す如く、正面視で、T字ないしY字形状を呈する。
これは、被覆された内部の前記エキゾーストマニホルド20(あるいは触媒一体型のマニバータ32)のブランチ33が集合部28に集合する際の形態を「4−2−1集合」としていることにより、排気行程が連続しない気筒のブランチ同士を集合連結し、それらのブランチ同士を集合連結する構造において、ブランチ33を等長化して配策することになります。
前記エキマニカバー27が、全てのブランチ33を被覆するとともに集合した前記エキパイ21ないし触媒29やマニバータ32、スタートキャット(図示せず)を含む触媒ケース部34を被覆する一方、それらの間に生ずる空間は開放するように形成し、必要最小限の表面積を覆うことに因るためである。
また、前記オイルフィルタ30を配設するために、「2−1集合」部分を離反側にオフセットする形状となる。
その結果、前記エキゾーストマニホルド20の下流側となる配管(ここでは、触媒ケース部34となる。)の位置が、気筒列の並びの中心から外れるほど大きくオフセットすることとなっている。
また、前記触媒29の直上流となる「2−1集合」部分は、2本のブランチ33の並びが内燃機関12の外壁面12fに垂直方向(近づいたり離れたりする方向)に並んでおり、気筒列方向に幅狭く設けてある。
そして、前記エキゾーストマニホルド20(あるいは触媒一体型のマニバータ32)では、ブランチ33の等長化を図り、ブランチ33の長さによって容量の確保ができ、出力を高く確保することに繋がり、前記内燃機関12の出力・トルクを確保することと、前記触媒29の燃焼室に近い上流位置として、その早期活性化による排ガス浄化性能の向上・確保に繋がる。
このオイルフィルタ30の内筒面と、その上方ないし側方を遠巻きに囲むようにして設けた前記エキゾーストマニホルド20の外縁(その外縁を通る仮想面)との間に、湾曲する空間(通気路)を確保することができる。
これにより、熱気の滞留を低減している。
従って、重量マスの大きい補機類を集中的に下方に配設することにより、補機類を含めた内燃機関全体の重心を下げることができる。
前記内燃機関12の外壁面12fの下部に前記オイルフィルタ30のシール面を確保せずに済ませられるので、他の補機類を大型化したり、間の空間を広げて温度影響を避けたりすることができる。
この内燃機関12のクランク軸36は、上下半割構造となったクランクケース(図示せず)の割面(合わせ面)によって、その上下位置を把握できる。
そして、前記オイルフィルタ30はそれらの並びとは異なり、上方にオフセットした配置としてある。
これらによって、占有空間の干渉といった問題をなくし、補機や触媒の容量確保、補機の取付剛性アップ、相互間の隙間拡大といった作用に繋がる。
また、補機であるA/Cコンプレッサ37、触媒ケース部34の並びは、オイルフィルタ30周りに向かった風が、前記内燃機関12の下方に回り込むことを妨げる。
車両前方側となる前記ラジエータ5側からの風(走行風や排風)が、直接、触媒ケース部34表面や補機の表面に当たる。
当たった風は、熱伝導により熱を奪って冷却しながら、表面上を流れる。
そして、前記オイルフィルタ30にも、直接、車両前方側となる前記ラジエータ5側からの風(走行風や排風)が表面に当たる。
当たった風は、熱伝導により熱を奪って冷却しながら、慣性や圧力の低いところへ逃げるように表面上を流れる。
このウォータポンプケース38には、図示はしないが、前記ラジエータ5に繋がる冷却水ホースが前方に設けられる。
前記オイルフィルタ30の上方に対応する露出する形状のエキマニカバー27の一部を略平面的に凹部39として、図4に示す如く、ラジエータ5との間に生ずる空間40を利用してオイルフィルタ30の交換作業をし易くするとともに、一見して目立たなくして内燃機関12の外観を向上している。
なお、前記オイルフィルタ30位置がエキゾーストマニホルド20のブランチ33の集合部28付近となることには、シリンダブロック14の壁面の排気側に冷却水通路ないし冷却水ポンプがあることも影響している。
従って、前記エキマニカバー27内部を流れ前記エキゾーストマニホルド20や触媒ケース部34からの熱により高温となる通風を、オイルフィルタ30側に流れないように遮断できる。
エンジン幅(気筒列方向とは直交する方向の長さ)の狭い位置にオイルフィルタ30を配設しても、メンテナンス性を確保できる。
このアダプターケース41の役割は、主に、オイルフィルタ30の配設位置を、周辺に配置される部品に対して不都合のない所望の位置にすることである。
ここでは、付加的な機能として、前記オイルフィルタ30の着脱に伴って流れる可能性のあるオイルを案内すること、熱風、冷却風の案内をすることなどがある。
取付座は、前記内燃機関12の側面視(車両1の正面視)において、図2及び図3に示す如く、丁度、第2気筒(前記エキゾーストマニホルド20のブランチ33において、第2ブランチ33b位置から推察可能。)の中心に対応している。
この縦壁42の高さは、丁度、エキマニカバー27の端縁43と近接するような形で斜めにカットされており、縦壁42が円筒状をなすように湾曲している。
この縦壁42の外面により、前方からの走行風や前記ラジエータ5からの排風を、シリンダブロック14等の内燃機関12(例えば、「エンジンケース」とも換言できる。)の表面に沿うように、例えば上下方向に向けて案内可能となる。
特に、下から上に前記触媒ケース部34に沿って流れてきた熱風からオイルフィルタ30をガードするように触媒ケース部34に対向する側を遮蔽するような指向形状と高さになっている。
より低い位置まで延出する排気系の特に前記触媒ケース部34などによって温度が上がった上昇風を縦壁42の外面で案内する形状となっている。
一方、前記縦壁42の内面側は、オイルフィルタ30の交換時に垂れたオイルが前記エキゾーストマニホルド20側に向かわず遠ざけるように案内している。
前記縦壁42は、オイルフィルタ30の円形シール面である突出端面30sに対してほぼ1/4周に対応するようにして、突出高さが高くなるように3方を閉塞した略コ字状の壁を設けている。
前記エキゾーストマニホルド20ないしマニバータ32と、エキマニカバー27との間に入り込み、温度が上昇しながら上方に向かって流れる熱風を、車両幅方向に逃し難くして、エキマニカバー27の上部中央に多数設けた孔35から内燃機関12の上方へ向けて逃す構造としてある。
従って、前記エキマニカバー27内部を流れエキゾーストマニホルド20からの熱により高温となる通風を、上部から上方に向けてスムーズに抜けるようにして、滞留を防ぐので、前記オイルフィルタ30側に流れないようにする遮断効果を向上できる。
このとき、オイルメインギャラリやサブギャラリは、クランク軸36付近のエンジン幅(気筒列方向とは直交するほぼ水平方向の長さ)、シリンダヘッド15付近でのエンジン幅に比べて幅の狭い、中心付近のデッドスペースを利用して設けている。
前記オイルフィルタ30は、ラジエータファン4(またはファンモータ)の中心軸付近に重なるように設けられる。
前記エキマニカバー27の外縁が、ラジエータファン4(またはファンモータ)の中心軸付近に重なるように設けられる。
つまり、このラジエータ5は、軽衝突で移動か脱落が可能となっており、破損を低減する構造である。
前記ラジエータコア44の後方には一体的にファンシュラウド(図示せず)が設けてあり、その上部後方にはやはり一体的に搭載するリザーバタンク(図示せず)を備えている。
そして、ラジエータ5は、図4に示す如く、前記内燃機関12に連絡する第1冷却水ホース45と、前記ウォータポンプケース38に連絡する第2冷却水ホース46とを備えている。
このウォータポンプケース38を通して内燃機関12内部の同等高さにはウォータジャケット(図示せず)が設けてあり、内燃機関12のシリンダブロック14ないしシリンダヘッド15を効率よく冷却する。
しかし、前述の実施例に比べて重心が高くなってしまうという不具合は残っているため、車両の仕様に応じて構成の採用を検討する必要がある。
3 パワーユニット
4 ラジエータファン(「ラジファン」ともいう。)
5 ラジエータ
6 サブフレーム
7、8 左右の第1、第2サイドフレーム
9 バンパ
10 バンパメンバ
12 内燃機関(「多気筒内燃機関」ともいう。)
13 変速機
20 エキゾーストマニホルド(「排気マニホルド」ともいう。)
21 エキパイ(「エキゾーストパイプ」または「排気管」ともいう。)
27 エキマニカバー
28 集合部
29 触媒
30 オイルフィルタ
31 外縁部
34 触媒ケース部
35 孔(「排気孔」ともいう。)
36 クランク軸
37 A/Cコンプレッサ
38 ウォータポンプケース
41 アダプターケース
48 発電器
49 補機駆動用ベルト
Claims (4)
- 多気筒内燃機関の各気筒に繋がるエキゾーストマニホルドを設け、このエキゾーストマニホルドを被覆するエキマニカバーを設け、前記エキゾーストマニホルドの集合部より下流側に設ける触媒を、前記内燃機関の外壁面に対応させて配設する一方、前記内燃機関の外壁面にオイルフィルタを配設した内燃機関の補機配設構造において、前記エキゾーストマニホルドの集合部を気筒列の中心より気筒列方向の一方にオフセットさせて設け、この集合部を被覆するように設けたエキマニカバーの気筒列の中心側となる外縁部に挟まれた部分を形成し、この外縁部に囲まれる内側位置にオイルフィルタを配置したことを特徴とする内燃機関の補機配設構造。
- 前記内燃機関の外壁面にはクランク軸高さに対応させてエンジン駆動補機と触媒ケース部とエンジンマウントとを並べて配設し、オイルフィルタをそれらの並びより上方位置かつエキマニカバーより下方位置に配設したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の補機配設構造。
- 前記オイルフィルタは、内燃機関の外壁面との間にアダプターケースを備え、このアダプターケースに縦壁を設け、この縦壁とエキマニカバーの端縁とを近接させて設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の補機配設構造。
- 前記エキマニカバーは、下部をオイルフィルタより下方となる触媒ケース部の中間部まで延出する一方、前記オイルフィルタより上方となる上部中央には通気孔を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の内燃機関の補機配設構造。
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