JP6394321B2 - 内燃機関のオイル通路構造 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関のオイル通路構造に関する。
シリンダヘッド内に、動弁機構の潤滑用オイル通路と分岐してヘッド側冷却用オイル通路が設けられ、シリンダに、ヘッド側冷却用オイル通路からのオイルをクランクケースに導くオイル戻し通路が設けられた内燃機関のオイル通路構造が知られている。ヘッド側冷却用オイル通路は、点火プラグの周囲と排気ポートの周囲とへオイルを順次に流通させる(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−072353号公報
ところで、オイルでエンジンを冷却する油冷エンジンは、空冷エンジンに比べて高負荷時の過熱によるトラブルを防ぎやすく、水冷エンジンに比べて少ない部品点数で安価に冷却性能を高められる。
しかし、従来のオイル通路構造は、暖気時にもオイル通路にオイルが流れ続けるため、空冷エンジンよりも暖気性能が悪化する虞がある。
また、従来のオイル通路構造は、過熱対策のためにオイルの流量を増すと、冷機始動時のオイル流量も増してしまい、暖気性能が悪化する。
さらに、従来のオイル通路構造は、過熱対策のためにオイルポンプが吐出するオイルのうちエンジンを冷却するため冷却用流量を増すと、動弁機構のような駆動部分を潤滑するための潤滑用流量が低下して潤滑不足に陥る虞もある。
さらにまた、従来のオイル通路構造は、高負荷運転時に突然エンジンを停止させた場合には、オイル通路内のオイルの流動が止まり、滞留するオイルがエンジンの余熱によって加熱され、劣化してしまう虞もある。
そこで、本発明は、暖気性能に優れ、潤滑用オイル流量に影響が少なく、急なエンジン停止時にもオイルの劣化しにくい内燃機関のオイル通路構造を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明に係る内燃機関のオイル通路構造は、クランクケース、シリンダ、および動弁機構が収容されるシリンダヘッドに設けられるオイル通路と、前記クランクケース内のオイルを前記オイル通路へ供給するオイルポンプと、前記オイル通路に設けられる開放弁と、を備え、前記シリンダヘッド内のオイル通路は、前記動弁機構の下方を経由して前記オイルを流通させる下方経由部を含み、前記開放弁は、前記下方経由部のうち最も高い箇所に配置され、前記オイルポンプの出力は、前記内燃機関の回転数に依存し、前記開放弁は、前記内燃機関の停止状態からアイドリング状態にかけて開放され、前記アイドリング状態よりも高回転状態では閉鎖されている。
本発明によれば、暖気性能に優れ、潤滑用オイル流量に影響が少なく、急なエンジン停止時にもオイルの劣化しにくい内燃機関のオイル通路構造を提供できる。
本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造が適用される自動二輪車の一例を示す左側面図。 本発明の実施形態に係る内燃機関を示す正面図。 本発明の実施形態に係る内燃機関を示す左側面図。 本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造を示す正面図。 本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造を示す右側面図。 本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造を示す左側面図。 本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル系統を模式的に示す系統図。 本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造の一部を示す斜視図。 本発明の実施形態に係るシリンダを示す平面図。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドを示す底面図。 本発明の実施形態に係るシリンダにガスケットを組み合わせて示す平面図。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドにガスケットを組み合わせて示す底面図。
本発明に係る内燃機関のオイル通路構造の実施形態について図1から図9を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造が適用される自動二輪車の一例を示す左側面図である。
なお、本実施形態における前後、上下、左右の表現は、自動二輪車1の乗員を基準にする。
図1に示すように、本実施形態に係る自動二輪車1は、前後に延びる車体フレーム2と、車体フレーム2の前方に配置される前輪5と、車体フレーム2の前端部に配置されて前輪5を回転自在に支えるステアリング機構6と、車体フレーム2の後方に配置される後輪7と、車体フレーム2の後部に配置されて後輪7を回転自在に支えるスイングアーム8と、車体フレーム2に搭載される内燃機関11(以下、単に「エンジン11」と言う。)と、を備えている。また、自動二輪車1は、車体フレーム2の前半部上方に配置されてエンジン11へ供給される燃料を貯蔵する燃料タンク12と、車体フレーム2の後半部上方に配置されて搭乗者を着座させるシート13と、車体フレーム2の一部を覆い隠す車体カバー15と、を備えている。
車体フレーム2は、所謂クレードルタイプであり、複数の鋼鉄製中空管を一体に組み合わせられている。車体フレーム2は、主にヘッドパイプ21と、メインチューブ22と、ダウンチューブ23と、左右一対のシートレール25と、左右一対のシートピラー26と、を備えている。
ヘッドパイプ21は、車体フレーム2の前端上部に配置されている。ヘッドパイプ21は、ステアリング機構6を車両の左右方向へ操舵自在に支持する。
メインチューブ22は、ヘッドパイプ21の後面上部に接続される前端部から斜め後ろ下方へ傾斜して延び、途中で湾曲して下方へ垂れ下がっている。
ダウンチューブ23は、ヘッドパイプ21の後面下方に接続される前端部からメインチューブ22よりもさらに下方へ傾斜しながら後方へ延び、途中で湾曲して後方へ向かっている。
左右一対のシートレール25は、メインチューブ22の湾曲部に接続される前端部から分岐し、かつ斜め後ろ上方へ緩く傾斜して延びている。
左右一対のシートピラー26は、メインチューブ22の下端部に接続される前端部から分岐し、かつ斜め後ろ上方へ傾斜して延び、シートレール25の長さの中間部位に合流してシートレール25を支えている。
ステアリング機構6は、サスペンション機構(図示省略)が内装されて、前輪5を回転自在に支持する左右一対のフロントフォーク31と、前輪5の上方に覆い被さるフロントフェンダ32と、フロントフォーク31の頂部に接続するハンドル33と、を備えている。
前輪5は、左右のフロントフォーク31に挟まり、左右のフロントフォーク31の下端部に架設される車軸を中心に回転する。
スイングアーム8は、車体フレーム2に設けられるピボット軸(図示省略)によって、上下方向へ揺動自在に支持されている。スイングアーム8の後端部には、後輪7を回転自在に支持する車軸を備えている。リアクッションユニット34は、車体フレーム2とスイングアーム8との間に架設されて後輪7から車体フレーム2に伝わる力を緩衝する。
後輪7は、エンジン11との間に巻掛かるドライブチェーン35を介してエンジン11から駆動力を得る。
エンジン11は、50ccクラスや250ccクラスの小排気量で、例えば4サイクル単気筒の内燃機関である。エンジン11は、メインチューブ22とダウンチューブ23との間に配置されて、メインチューブ22およびダウンチューブ23に固定されている。
エンジン11の斜め前上方には、エンジン11各部の冷却と潤滑を行うオイルを冷却するオイルクーラー36が配置されている。オイルクーラー36は、自動二輪車1の走行風に晒されやすいように、フロントフェンダ32および前輪5を正面に臨む位置を避けて配置されることが好ましい。
燃料タンク12は、ヘッドパイプ21の直後からシートレール25の前端部近傍に渡って膨らみ、もっぱらメインチューブ22に支持されている。
シート13は、燃料タンク12の後方に配置されて、左右のシートレール25に跨がり、シートレール25の後端部へ至る。
車体カバー15は、それぞれ合成樹脂製のフロントカバー37と、左右一対のサイドカバー38と、リアカバー39と、を含んでいる。
フロントカバー37は、ヘッドパイプ21の前方に位置し、ステアリング機構6に固定されている。
サイドカバー38は、燃料タンク12の後部下方に連接し、メインチューブ22、シートレール25およびシートピラー26に渡って逆三角形に拡がり、左右から挟み込む。
リアカバー39は、シート13の後半部の左右両側面の下端部にそれぞれ連接して後方へ拡がり、シート13の後方まで延びて合流する。
次に、本実施形態に係るエンジン11について詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る内燃機関を示す正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る内燃機関を示す左側面図である。
図2および図3に示すように、本実施形態に係るエンジン11は、4サイクル単気筒エンジンであり、下方に配置されるクランクケース41と、クランクケース41の上面前部に連結されるシリンダ42と、シリンダ42の頂部と塞ぐシリンダヘッド43と、シリンダヘッド43の頂部を塞ぐヘッドカバー45と、を備えている。
クランクケース41は、右側のクランクケース半体46と、左側のクランクケース半体47と、を備えている。つまり、クランクケース41は左右に分割できる。左右一対のクランクケース半体46、47は、クランクシャフト(図示省略)の回転中心線に略直交する結合面41aで組み合わされている。
また、クランクケース41は、左側のクランクケース半体46の左側に設けられる左側面壁としての左側クランクケースカバー48と、右側のクランクケース半体47の右側に設けられる右側面壁としての右側クランクケースカバー49と、を備えている。左側クランクケースカバー48はマグネトカバーであり、右側クランクケースカバー49はクラッチカバーである。
シリンダ42は、やや前傾姿勢でクランクケース41に結合されている。
シリンダヘッド43の正面には排気ポート(後述)の出口フランジ43aが設けられている。シリンダヘッド43の背面には吸気ポート(後述)の入口フランジ43bが設けられている。
エンジン11には、オイル通路構造51に含まれるオイルクーラー36、およびオイルホース52、53が接続されている。
オイルクーラー36は、冷却用の風を生じさせるファン55を備えている。オイルクーラー36は、オイルホース52から流れ込むオイルをファン55の風や自動二輪車1の走行風によって冷却し、オイルホース53からエンジン11へ冷却後のオイルを戻す。
オイルホース52、53は、シリンダ42の正面壁と左側面壁との角部からオイルクーラー36へ延びている。オイルホース52、53は、エンジン11とオイルクーラー36との間でオイルを流通させる。下方に配置されるオイルホース52は、エンジン11からオイルクーラー36へオイルを送る。上方に配置されるオイルホース53は、オイルクーラー36からエンジン11へオイルを戻す。
図4は、本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造を示す正面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造を示す右側面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造を示す左側面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル系統を模式的に示す系統図である。
図4および図7に示すように、本実施形態に係るエンジン11のオイル通路構造51は、クランクケース41、シリンダ42、およびシリンダヘッド43に設けられるオイル通路56と、オイル通路56を流通するオイル(図示省略)を冷却するオイルクーラー36と、を備えている。
ところで、エンジン11は、クランクケース41の下部に、オイルを貯溜するオイルパン57を備えている。エンジン11は、クランクシャフト58、ピストン59、動弁機構61、カウンタシャフト62、およびドライブシャフト63の各部へオイルパン57内のオイルを供給し、これらを潤滑する。クランクシャフト58は、クランクケース41のクランク室(図示省略)内に回転自在に支持されている。ピストン59は、シリンダ42内に往復運動自在に収容されている。動弁機構61は、シリンダヘッド43内に収容されている。カウンタシャフト62およびドライブシャフト63は、クランクケース41のミッション室(図示省略)内に回転自在に支持されている。
オイルクーラー36は、オイル通路56の最高点よりも上方に配置されている。
また、エンジン11は、クランクケース41内のオイル通路56a、シリンダ42内のオイル通路56b、およびシリンダヘッド43内のオイル通路56c、つまりオイル通路56を通じてエンジン11の排気ポート65の周囲へオイルを供給し、これを冷却する。
オイル通路56aは、クランクケース半体47に設けられてオイルパン57から上方へ延びている。
オイル通路56bは、シリンダ42の前壁を横断してオイルホース52へ至るシリンダ横断オイル通路71と、シリンダ42の正面壁と左側面壁との角部に配置されてシリンダ横断オイル通路71から分岐してシリンダヘッド43へ延びる第一オイル通路72と、シリンダ42の正面壁と左側面壁との角部に配置されてオイルクーラー36からオイルホース53を経てシリンダ42へ戻るオイルをシリンダヘッド43へ案内する第二オイル通路73と、を含んでいる。
オイル通路56cは、シリンダ42の第一オイル通路72から流れ込むオイルを動弁機構61へ導く第三オイル通路75と、シリンダ42の第二オイル通路73から流れ込むオイルで排気ポート65の周囲を冷却する第四オイル通路76と、を含んでいる。
また、オイル通路56bは、第四オイル通路76から流れ込むオイルを燃焼室85の周囲に環流させる第五オイル通路77と、第五オイル通路77からクランクケース41内へオイルを戻す戻りオイル通路78と、を備えている。
また、エンジン11は、クランクシャフト58の下方に配置されるオイルポンプ81と、オイル通路56aを通過するオイルから異物を除去するオイルフィルタ82と、を備えている。
オイルポンプ81は、クランクシャフト58に回転一体の補機ドライブギヤ(図示省略)によって駆動される。オイルポンプ81の出力は、クランクシャフト58の回転数、つまりエンジン11の回転数に依存し、回転数が高まるほど多くのオイルを吐出する。オイルポンプ81の駆動によって、オイルパン57内のオイルは昇圧され、オイル通路56aへ流し込まれてオイルフィルタ82へ至る。
オイルフィルタ82で異物が除去されたオイルは、シリンダ横断オイル通路71およびオイルホース52を経てオイルクーラー36で冷却される。オイルクーラー36で冷却されたオイルは、第二オイル通路73を経てシリンダヘッド43の第四オイル通路76へ至る。第四オイル通路76を通過して排気ポート65を冷却したオイルは、第五オイル通路77へ流れ込み、燃焼室85を冷却する。第五オイル通路77を通過して燃焼室85を冷却したオイルは、戻りオイル通路78からクランクケース41内へ排出されてオイルパン57へ到達する。
また、シリンダ横断オイル通路71で分岐して第一オイル通路72へ流れ込んだオイルは、シリンダ42を上方へ登りシリンダヘッド43の第三オイル通路75へ至り、動弁機構61を潤滑する。
図8は、本発明の実施形態に係る内燃機関のオイル通路構造の一部を示す斜視図である。
図9は、本発明の実施形態に係るシリンダを示す平面図である。
図10は、本発明の実施形態に係るシリンダヘッドを示す底面図である。
図11は、本発明の実施形態に係るシリンダにガスケットを組み合わせて示す平面図である。
図12は、本発明の実施形態に係るシリンダヘッドにガスケットを組み合わせて示す底面図である。
図8から図12に示すように、本実施形態に係るエンジン11のシリンダヘッド43は、正面壁側に配置されて燃焼室85から燃焼ガスを排気する排気ポート65と、背面壁側に配置されて燃焼室85へ混合気を吸気する吸気ポート86と、を備えている。排気ポート65は、燃焼室85の右寄り(図10、図12では左寄り)に配置されている。吸気ポート86は、燃焼室85の左右に一対、設けられている。
シリンダ42およびシリンダヘッド43は、右側面壁の内側にタイミングチェーンを配置するトンネル87を備えている。トンネル87には、クランクシャフトから動弁機構61へ駆動力を伝えるタイミングチェーン(図示省略)が配置される。
また、シリンダ42およびシリンダヘッド43の正面壁と左側面壁との角部、正面壁とトンネル87の内側壁との角部、背面壁と左側面壁との角部、および背面壁とトンネル87の内側壁との角部のそれぞれは、シリンダ42およびシリンダヘッド43をクランクケース41に固定するボルト(図示省略)を配置するボルト穴88を備えている。
シリンダ42は、ピストン59を上下方向へ摺動自在に収納する円筒形状のシリンダボア89を有している。
シリンダヘッド43は、シリンダ42に結合してシリンダボア89の上方を塞ぎ、ピストン59との間に燃焼室85を区画している。ピストン59は、燃焼室85内で周期的に起きる混合気の燃焼によってシリンダボア89内を往復運動する。
オイル通路構造51、具体的には、シリンダヘッド43内のオイル通路56cは、シリンダ42内のオイル通路56bから流れ込むオイルをシリンダヘッド43に設けられる排気ポート65の周囲に環流させてシリンダ42内のオイル通路56bへ送り返す排気ポート冷却部としての第四オイル通路76を備えている。
第四オイル通路76は、シリンダ42内の第二オイル通路73から流れ込むオイルをシリンダヘッド43の合わせ面に沿って排気ポート65の近傍へ導く導入溝91と、案内溝92から排気ポート65の左右両側方および上方を門形に囲む環流路93と、環流路93から流れ込むオイルをシリンダヘッド43の合わせ面に沿って排気ポート65と燃焼室85との間の領域へ導く排出溝95と、を備えている。導入溝91および排出溝95は、シリンダヘッド43側に窪んでおり、ガスケット96と協働してオイルの通路として機能している。
導入溝91は、シリンダ42の正面壁と左側面壁との角部に配置さている第二オイル通路73に通じる入口部から燃焼室85の近傍へ向かって延び、燃焼室85の縁に沿って折れ曲がり排気ポート65の左側方へ到達する。
環流路93および排出溝95は、排気ポート65の周囲を方形状に囲んで、オイルを一方向へ環流させる。環流路93は、導入溝91の下流端に通じて排気ポート65の左側方を直線的に延びて排気ポート65の上方へ達する第一直線部101と、第一直線部101に交わって、排気ポート65の上方を水平方向に延びる第二直線部102と、第二直線部102に交わって、排気ポート65の右側方を第一直線部101に対して略平行に延びる第三直線部103と、を備えている。
つまり、シリンダヘッド43内のオイル通路56cは、動弁機構61の下方を経由してオイルを流通させる下方経由部としての第二直線部102を含んでいる。第二直線部102は、環流路93のうち最も高い部位にある。
また、オイル通路56cは、排気ポート65上方、ひいては動弁機構61の下方を通過するため、吸気ポート86側に接近することなく、離間した位置で排気ポート65の周囲を冷却する。
これら、第一直線部101、第二直線部102、および第三直線部103を含む環流路93は、ドリルなどの工具を用いる切削加工によって形成される。特許文献1のように中子で形成される従来のオイル通路構造では、切削加工の場合に比べて流路断面積が大きくなってしまう。つまり、本実施形態に係るオイル通路構造51は、従来のオイル通路構造に比べてオイルの流速を高めやすく、ひいては冷却性能を向上させやすい。また、従来のオイル通路構造では、中子の倒れ込みによってオイル通路が吸気ポート側に傾いて吸気ポートに近づいてしまい、充填効率を低下させる恐れがある一方、本実施形態に係るオイル通路構造51は、環流路93を切削加工によって高精度に位置決めできるため、吸気ポート86に影響のない、高精度なオイル通路56を形成できる。
環流路93は、直線的な門形である一方、排出溝95は、蛇行することで直線状に延びる場合に比べて流路長を長くとり、当該箇所における熱交換効率を高められている。
排出溝95は、排気ポート65の下方をガスケット96に沿って水平方向に延びて、導入溝91の下流端近傍に達する。排出溝95の下流端部は、排気ポート65の下方投影領域のうち右寄りに配置されて第五オイル通路77に接続されている。
また、シリンダヘッド43内のオイル通路56cは、排気ポート65とシリンダ42との間に、流路断面積が他の部分よりも大きい拡張部105を備えている。拡張部105は、排出溝95の一部であって、排出溝95の流路断面積を部分的に拡張している。
また、シリンダ42内のオイル通路56bは、第四オイル通路76から流れ込むオイルを燃焼室85の周囲に環流させる燃焼室冷却部としての第五オイル通路77を備えている。
第五オイル通路77は、シリンダ42およびシリンダヘッド43のいずれか一方の合わせ面に設けられて燃焼室85を囲む環状のオイル溝106、およびシリンダ42とシリンダヘッド43との間に挟み込まれるガスケット96で区画されている。本実施形態は、第五オイル通路77がシリンダ42側の合わせ面に配置された形態を示している。
第五オイル通路77は、排気ポート65の下方投影領域のうち右寄りの位置で第四オイル通路76に接続され、燃焼室85を略一周してシリンダ42の正面壁と左側面壁との角部に配置されている第二オイル通路73の近傍に達する。
ガスケット96は、シリンダヘッド43の第四オイル通路76とシリンダ42の第五オイル通路77とを接続するオイル孔107を有している。オイル孔107は、第四オイル通路76から第五オイル通路77へオイルを円滑に導くよう、相応の穴径を有している。オイル孔107は、排気ポート65の下方投影領域のうち右寄りの位置であって、燃焼室85の略中央正面に配置さている。
また、ガスケット96は、排気ポート65が配置される位相側に設けられてオイル溝106に通じ、シリンダ42およびシリンダヘッド43のいずれか他方の合わせ面にオイルを接触させるオイル穴108を備えている。本実施形態は、ガスケット96のオイル穴108を通じてシリンダ42側のオイル溝106からシリンダヘッド43側の合わせ面にオイルを接触させる形態を示している。オイル穴108は、シリンダ42のオイル溝106に沿って円弧状に延びる長穴であり、シリンダヘッド43の排出溝95と協働して、シリンダ42とシリンダヘッド43の合わせ面近傍について、排気ポート65側の位相を半円弧以上に渡って断続的に囲んでいる。
さらに、ガスケット96は、シリンダ42の第一オイル通路72からシリンダヘッド43の第三オイル通路75へ流れ込むオイルの流量を絞るオリフィス109を備えている。オリフィス109は、動弁機構61を潤滑するオイルの流量を調整している。
シリンダ42内のオイル通路56bは、シリンダヘッド43の第四オイル通路76へオイルを供給する供給路としての第二オイル通路73と、第二オイル通路73に隣接して配置されて第五オイル通路77からオイルをクランクケース41へ戻す戻りオイル通路78と、を備えている。第二オイル通路73と戻りオイル通路78とは、シリンダ42の正面壁と左側面壁との角部に併設されている。戻りオイル通路78は、ガスケット96を隔ててシリンダヘッド43の導入溝91の真下に配置されている。
また、オイル通路構造51は、シリンダヘッド43内のオイル通路56cに設けられる開放弁111を備えている。
開放弁111は、第四オイル通路76の第二直線部102、つまり下方経由部のうち最も高い箇所に配置されている。
また、開放弁111は、エンジン11の停止状態からアイドリング状態にかけて開放される一方、アイドリング状態よりも高回転状態では閉鎖される。開放弁111は、エンジン11の回転数に基づいて電子制御によって開閉する電磁弁であってもよいし、スプリングなどの弾性体の弾性エネルギーを利用して開閉するものであっても良い。
また、開放弁111は、動弁機構61へ向けてオイルを吐出させる吐出口112を有している。なお、本実施形態に係る第四オイル通路76の第二直線部102はエンジン11の左右方向に延びているので、開放弁111は第二直線部102の全長に対して中央部に配置されて動弁機構61を臨んでいる。
吐出口112は、第四オイル通路76の第二直線部102、つまり下方経由部の流路断面積よりも小さい開口面積を有している。
このように構成された本実施形態に係るエンジン11のオイル通路構造51は、シリンダヘッド43内の環流路93のうち最も高い箇所に配置される開放弁111を備えているため、冷機始動時に当該箇所のオイルの流通を抑制し、空洞にすることによって空気の断熱層のような役割を果たして早期の暖気を可能にする。
一般的に、最高出力運転時を想定してエンジン11の冷却システムを設計すると、パーシャル領域では過冷却になって熱効率が低下してします。そこで、本実施形態に係るエンジン11のオイル通路構造51は、冷却用のオイル通路56を空洞にしてエンジン11の温度上昇を早めることによって、幅広い運転領域においてエンジン11の熱効率を高めることができる。
また、本実施形態に係るエンジン11のオイル通路構造51は、開放弁111をエンジン11の停止状態からアイドリング状態にかけて開放し、アイドリング状態よりも高回転状態では閉鎖することによって、高負荷運転時に突然エンジン11を停止させた場合にもオイル通路56から速やかにオイルを抜いて劣化を防ぐことができる。
さらに、本実施形態に係るエンジン11のオイル通路構造51は、動弁機構61へ向けてオイルを吐出させる吐出口112を有するため、冷機始動時のようにエンジン11の回転数が低く、オイルの潤滑用流量が低下する場合であっても、冷却用のオイルを活用して動弁機構61を潤滑できる。
さらにまた、本実施形態に係るエンジン11のオイル通路構造51は、オイル通路56、特に環流路93の流路断面積よりも小さい開口面積を有する吐出口112を備えることによって、動弁機構61へ向けて吐出するオイルの勢いを増すことができる。
したがって、本実施形態に係るエンジン11のオイル通路構造51によれば、暖気性能に優れ、潤滑用オイル流量に影響が少なく、急なエンジン停止時にもオイルが劣化しにくい。
1 自動二輪車
2 車体フレーム
5 前輪
6 ステアリング機構
7 後輪
8 スイングアーム
11 内燃機関(エンジン)
12 燃料タンク
13 シート
15 車体カバー
21 ヘッドパイプ
22 メインチューブ
23 ダウンチューブ
25 シートレール
26 シートピラー
31 フロントフォーク
32 フロントフェンダ
33 ハンドル
34 リアクッションユニット
35 ドライブチェーン
36 オイルクーラー
37 フロントカバー
38 サイドカバー
39 リアカバー
41 クランクケース
41a 結合面
42 シリンダ
43 シリンダヘッド
43a 出口フランジ
43b 入口フランジ
45 ヘッドカバー
46、47 クランクケース半体
48 左側クランクケースカバー
49 右側クランクケースカバー
51 オイル通路構造
52、53 オイルホース
55 ファン
56、56a、56b、56c オイル通路
57 オイルパン
58 クランクシャフト
59 ピストン
61 動弁機構
62 カウンタシャフト
63 ドライブシャフト
65 排気ポート
71 シリンダ横断オイル通路
72 第一 オイル通路
73 第二オイル通路
75 第三オイル通路
76 第四オイル通路
77 第五オイル通路
78 戻りオイル通路
81 オイルポンプ
82 オイルフィルタ
85 燃焼室
86 吸気ポート
87 トンネル
88 ボルト穴
89 シリンダボア
91 導入溝
92 案内溝
93 環流路
95 排出溝
96 ガスケット
101 第一直線部
102 第二直線部
103 第三直線部
105 拡張部
106 オイル溝
107 オイル孔
108 オイル穴
109 オリフィス
111 開放弁
112 吐出口

Claims (3)

  1. クランクケース、シリンダ、および動弁機構が収容されるシリンダヘッドに設けられるオイル通路と、
    前記クランクケース内のオイルを前記オイル通路へ供給するオイルポンプと、
    前記オイル通路に設けられる開放弁と、を備え、
    前記シリンダヘッド内のオイル通路は、前記動弁機構の下方を経由して前記オイルを流通させる下方経由部を含み、
    前記開放弁は、前記下方経由部のうち最も高い箇所に配置され
    前記オイルポンプの出力は、前記内燃機関の回転数に依存し、
    前記開放弁は、前記内燃機関の停止状態からアイドリング状態にかけて開放され、前記アイドリング状態よりも高回転状態では閉鎖される内燃機関のオイル通路構造。
  2. 前記開放弁は、前記動弁機構へ向けて前記オイルを吐出させる吐出口を有する請求項1に記載の内燃機関のオイル通路構造。
  3. 前記吐出口は、前記下方経由部の流路断面積よりも小さい開口面積を有する請求項に記載の内燃機関のオイル通路構造。
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