JP3673759B2 - 自動二輪車の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、強制空冷式のエンジンを有する自動二輪車のような車両に係り、特にそのエンジンの排出ガス中に含まれる未燃焼成分を浄化するための装置、殊にその二次空気フィルタと制御ユニット(二次空気取入用バルブユニット。以下同じ)の配置に関するものであり、収納ボックス周辺のデッドスペースを有効に利用してこれらを合理的に配置することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、1台当りの排出ガス量が少ない自動二輪車においても、排出ガス規制が強化されつつある。このため、一部の自動二輪車では、エンジンの排気系に二次空気を導入し、排出ガス中に含まれるHCやCO等の未燃焼成分を燃焼させるための排気浄化対策が採用されている。
この二次空気を利用して排出ガスを浄化する場合には、二次空気と排出ガス中に含まれる未燃焼成分との混合が重要であり、この二次空気は排気系のなるべく上流側、すなわち、排気弁の直後で排出ガスの流れに対向するようにして噴射するのが望ましいとされている。このため、二次空気を導入するための導入管は、排気弁を有するシリンダヘッドに直接接続されている。
【0003】
ところで、スクータ形の自動二輪車は、フロントフォークとシートとの間が運転者の足を収めるスペースとして占有され、このフロントフォークとシートとの間にエンジンやその補機類を設置することが甚だ困難である。このため、エンジンは、後輪やこの後輪を駆動するVベルト変速機と一体化されて、上記シートの下方に配置されている。
そして、この種の自動二輪車では、エンジンがシートの下方の奥まった位置に入り込むので、これらシリンダブロックやシリンダヘッドの周囲に冷却風を強制的に送風する、いわゆる強制空冷式のエンジンが採用されている。このエンジンは、シリンダブロックやシリンダヘッドがエアシュラウドで覆われており、このエアシュラウドの内側の導風通路に、クランク軸に直結されたファンを介して冷却風が強制的に送風されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この強制空冷式エンジンの排気系に二次空気を導入する場合に、上記のように二次空気の導入管をシリンダヘッドに接続すると、この導入管がエアシュラウドの内側の導風通路に配管されることになる。
すると、この導入管がエアシュラウドを貫通することになるので、エンジンの保守点検の毎に導入管をエアシュラウドから取り外さなくてはならず、作業に多大な手間を要することになる。
しかも、導入管が導風通路内に位置されるので、この導入管の存在によって導風通路内での冷却風の流れが阻害される虞れがある。このため、冷却風の流通抵抗が増大し、シリンダヘッド回りの冷却効率が低下するといった問題が生じてくる。その上、導入管は高温の排出ガスによって加熱されるので、この導入管からの発熱も大きなものとなり、エアシュラウドを始めとして導風通路内を流れる冷却風に多大な熱影響を及ぼすことになる。このことから、特にアイドリング運転時のようにファンの回転数が低い時には、導風通路内を流れる冷却風の風量が少ないので、上記導入管からの熱影響を受けてエアシュラウド内が高温となり、エンジンの冷却性能が悪化するといった問題が生じてくる。
さらに、関係機器を配置する空間に制約がある自動二輪車については、二次空気導入による排気浄化装置のための二次空気フィルタ及び制御ユニットの配置、これらの間の配管を如何にデッドスペースを有効に利用しつつ、合理的に配置するかが問題である。
【0005】
本発明の課題は、二次空気の導入による車両の排気浄化装置について、その二次空気フィルタ及び制御ユニットをデッドスペースを有効に利用して合理的に配置し、かつその配管を無理なく合理的に行えるようにこれらの配置を工夫することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のために講じた手段は、自動二輪車の排気浄化装置を、次のように構成したことである。
車体のメインパイプ上に燃料タンクとその後部に周面が略円形の収納ボクッスを設け、
上記メインパイプの下にエンジンと、このエンジンのクランクケースの一側部から後方に延び、その後端部に後輪が支持された伝動ケースを有するパワーユニットを設け、
このパワーユニットの前部を、車体に揺動可能に枢支するとともに、
上記パワーユニットのクランクケースの後方に、上記伝動ケースとは後輪を挟んだ反対側に位置して上記エンジンの排気消音器を配置した自動二輪車において、
上記エンジンは、水平又は水平に近い角度にまで前傾されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの前方において下向きに開口された排気通路を有し、
この排気通路の開口端に、上記シリンダブロックよりも低い位置を通って後方の排気消音器に連なる排気管を接続するとともに、
上記排気通路から排気管に至るエンジンの排気系に、排出ガス中に含まれる未燃焼成分を燃焼させるための二次空気を導入する二次空気導入管を接続し、
この二次空気導入管に、排気脈動に応じて開閉するリード弁及び減速運転時に上記排気系へ二次空気の流通を遮断する常開型のカット弁を含む制御ユニットを設け、
この制御ユニットが設けられた側とは反対側の車体他側の上記収納ボックスと燃料タンクとの間のスペースに上記二次空気のエアフィルタを設けるとともに、
上記収納ボックスと燃料タンクとの間の隙間部分を車体の一側から他側に横切って、上記制御ユニットと上記エアフィルタに連なる二次空気配管を設けたこと。
【0007】
【作用】
収納ボックスの周面が略円形であるので、車体外側部において収納ボックスと燃料タンクとの間にスペースが存在する。空間的に余裕が少ない自動二輪車において、上記スペースを有効に利用して二次空気のエアフィルタを無理なく合理的に配置することができる。
また、上記収納ボックスと燃料タンクとの間の隙間を通して、制御ユニットと上記エアフィルタに繋ぐ配管を無理なく配管することができる。
さらに、上記のスペース及び収納ボックスと燃料タンクとの間の隙間を有効に利用して、上記エアフィルタを配置し、また当該エアフィルタと上記制御ユニットとの間の配管を行うことで、自動二輪車の各種機器の配置をコンパクトにすることができる。
なお、上記「自動二輪車」は、自動二輪車のような車両をも意味するものである。
【0008】
【実施例】
以下本発明の第1実施例を、図1ないし図10に基づいて説明する。
図10は、スクータ形の自動二輪車を示しており、図中符号1は、その車体を構成するフレーム、2はフロントフォーク、3は前輪である。フレーム1は、左右一対のメインパイプ4a,4bを備えている。メインパイプ4a,4bは、前輪3の後方において前後方向に略水平に延びる水平部5と、この水平部5の後端から立ち上がる起立部6と、この起立部6の上端から後方に延びる支持部7とを有している。支持部7の後半部は、後方斜め上向きに傾斜された傾斜部7aをなしている。メインパイプ4a,4bの傾斜部7aの後端は、略U字状の連結部8によって一体に結合されており、この傾斜部7aの後端上面には、連結部8の上方に張り出す補助パイプ9が溶接されている。
なお、メインパイプ4a,4bの水平部5には、運転者の足載せとなるステップボード10が設けられている。
【0009】
図1および図2に示すように、メインパイプ4a,4bの支持部7には、燃料タンク11と、ヘルメット等を収納するための収納ボックス12が前後に並んで支持されている。燃料タンク11は、前部が先細り状をなす箱形をなしており、上記支持部7の前半部上に位置されている。
収納ボックス12は、上面に略円形の開口部12aを有しており、支持部7の後半部上に位置されている。そして、収納ボックス12の周壁12bは、開口部12aの開口形状に沿うように円弧状に彎曲されている。このことから、図1に示すように、収納ボックス12と燃料タンク11との間の左右両側部には、側方に進むに従い拡開する如き形状のスペース13a,13bが形成されている。
燃料タンク11と収納ボックス12の上方には、シート14が配置されている。シート14は、燃料タンク11と収納ボックス12を上方から覆っており、前端を枢支点としてシート14を上向きに回動させると、燃料タンク11や収納ボックス12の開口部12aが露出されるようになっている。
【0010】
メインパイプ4a,4bの支持部7の下方には、ユニットスイング式のパワーユニット16が配置されている。このパワーユニット16は、図7に示すように、4サイクルエンジン17と、このエンジン17のクランクケース18の左側部から後方に延びる伝動ケース19を備えている。そして、このパワーユニット16の前部、つまり、クランクケース18の上部は、メインパイプ4a,4bの支持部7に溶接したエンジンブラケット20にピボット軸21を介して揺動可能に枢支されている。
伝動ケース19の後部と、クランクケース18の右側部から後方に延びる補助アーム22との間には、後輪23が支持されている。これら伝動ケース19の後部と補助アーム22の後部は、メインパイプ4a,4bとの間に架設した一対の緩衝器24a,24bを介して懸架されている。
したがって、後輪23が凹凸を乗り越えたような場合には、エンジン17を含むパワーユニット16全体がピボット軸21を中心に上下に揺動するようになっており、伝動ケース19がリヤアームとしての機能を兼ねている。
伝動ケース19の左側面は、ケースカバー25によって覆われている。伝動ケース19とケースカバー25との間には、変速室26が形成されており、この変速室26には、エンジン17のクランク軸27と後輪23とを連動させるVベルト自動変速機28が収容されている。
【0011】
図7に示すように、エンジン17は、クランクケース18の前端から前方に向って略水平に延びるシリンダブロック30を備えている。シリンダブロック30は、そのシリンダ30aの軸線X1 が水平に近い角度にまで大きく前傾されており、このシリンダ30a内にはピストン31が収容されている。ピストン31は、コンロッド32を介してクランク軸27に連結されており、このシリンダブロック30の外周面には、多数の冷却フィン33が形成されている。
【0012】
シリンダブロック30の前端面には、シリンダヘッド34が連結されている。このシリンダヘッド34は、上記シリンダ30aの前傾により、上記ステップボード10の直後に位置されている。図9に示すように、シリンダヘッド34の内部には、燃焼室35に連なる吸気通路36と排気通路37が形成されている。これら吸気通路36と排気通路37は、燃焼室35に開口する吸気口36aと排気口37aを備えており、これら吸気口36aと排気口37aは、吸気弁38および排気弁39によって個別に開閉されるようになっている。
シリンダヘッド34の内部には、動弁室41が形成されている。動弁室41には、吸気弁38および排気弁39を開閉駆動するカム軸42が収容されており、このカム軸42は、タイミングチェーン43を介してクランク軸27に連動されている。
【0013】
吸気通路36は、図9に示すようにシリンダヘッド34の上方に導出されており、この吸気通路36の上流端は、後方に向けて開口されている。吸気通路36の上流開口端には、吸気管45が接続されている。吸気管45は、図1や図2に示すように、シリンダブロック30の上方を通って後方に延びており、この吸気管45の上流端には、気化器46が接続されている。気化器46は、ジョイント47を介してエアクリーナ48に連なっている。エアクリーナ48は、上記伝動ケース19の上面に取り付けられており、このエアクリーナ48から吸気管45までの一連の吸気系は、パワーユニット16と一体に揺動されるようになっている。
【0014】
また、排気通路37は、シリンダヘッド34の下面に開口されている。この排気通路37の開口端には、排気管50が接続されている。排気管50は、図2に示すように、シリンダブロック30の下方からクランクケース18の下部側方を通って後方に導かれている。排気管50の後端部には消音器51が接続されている。消音器51は、クランクケース18の右側部の直後に位置されて、このクランクケース18や上記補助アーム22にボルト締めされている。したがって、排気通路37から消音器51までの一連の排気系も、パワーユニット16と一体に揺動されるようになっている。
そして、本実施例の場合、クランクケース18の右側部の後面は、クランク軸27を中心とする円弧状に彎曲されているとともに、この後面と対向し合う消音器51の前面は、上方に進むに従い後方に位置するように傾斜されている。このことから、クランクケース18と消音器51との間には、上方に進むに従って拡開する如き形状のデッドスペース52が存在している。
【0015】
図7および図8に示すように、エンジン17のシリンダブロック30の周囲は、エアシュラウド55によって覆われている。このエアシュラウド55とシリンダブロック30との間には、導風通路55aが形成されている。エアシュラウド55の右端部には、ファンカバー56が連続して設けられている。このファンカバー56の内側には、軸流形のファン57が配置されており、このファン57は、シリンダブロック30の右側方に位置されている。そして、ファン57の回転軸58は、クランクケース18から延びる支持ステー59のボス部60に軸受61を介して軸支されており、この回転軸58上には従動プーリ62が取り付けられている。
【0016】
ファンカバー56は、クランク軸27の右端部に固定したフライホイールマグネット63も一体に覆っている。フライホイールマグネット63は、これと一体に回転する駆動プーリ64を備えており、この駆動プーリ64と従動プーリ62との間には、Vベルト65が巻回されている。このため、ファン57はクランク軸27からの動力伝達によって増速駆動されるようになっており、このファン57が回転駆動されると、ファンカバー56の右側面の吸い込み口66を通じて外気が吸引され、この外気が冷却風となってエアシュラウド55の内側の導風通路55aに強制的に送風される。
【0017】
なお、エアシュラウド55の左端部には、図8に示すように、下向きに開口する吐出口67が設けられており、この吐出口67を通じて導風通路55aに送風された冷却風が外方に排出されるようになっている。
また、本実施例のエンジン17は、そのシリンダヘッド34が水冷式となっており、このシリンダヘッド34の大部分がエアシュラウド55で覆われることなく、そのまま外方に露出されている。シリンダヘッド34の内部には、燃焼室35の周囲に位置して冷却水通路70が設けられている。冷却水通路70は、図示しない配管を介してラジエータ71に連なっている。ラジエータ71は、ファンカバー56の吸い込み口66の外側に設置されている。このため、ラジエータ71は、エンジン冷却風の吸い込み経路に位置されており、エンジン運転中、ラジエータ71には常に冷却風が導かれるようになっている。
【0018】
シリンダヘッド34には、ラジエータ71で熱交換された冷却水を冷却水通路70に導く冷却水ポンプ72が設けられており、この冷却水ポンプ72はカム軸42によって駆動される。
上記エンジン17の周囲から燃料タンク11および収納ボックス12の周囲にかけては、カバー73によって覆われている。カバー73の上端はシート14に連なっており、このカバー73の後面には、テールランプ74が組み込まれている。テールランプ74の下方には、リヤフェンダ75が連続して設けられている。リヤフェンダ75は、後輪23の後方から上方にかけての範囲を覆っている。リヤフェンダ75の上部は、メインパイプ4a,4bの傾斜部7aの間に入り込むとともに、この傾斜部7aに沿って前方に延出されており、上記収納ボックス12を下方から覆っている。
【0019】
ところで、上記パワーユニット16には、エンジン17の排出ガス中に含まれるHCやCO等の未燃焼成分を燃焼させるための二次空気導入装置80が付設されている。二次空気導入装置80は、図1ないし図3に示すように、二次空気導入管81を備えている。二次空気導入管81は、金属パイプ製の第1の配管81aと、ゴムホースのような可撓性パイプからなる第2の配管81bとを結合して構成されている。第1の配管81aの先端部には、接続金具82が設けられている。接続金具82は、図9に示すように、シリンダヘッド34の装着口83にねじ込まれている。装着口83は、上記エアシュラウド55で覆われることなく、外方に露出されており、この装着口83は排気通路37の開口端に隣接してシリンダヘッド34の下面に位置されている。そして、装着口83は排気通路37に開口されており、この装着口83の排気通路37への開口端は、排気口37aの直後で排気の流れ方向に対向するような位置に設けられている。シリンダヘッド34に接続された第1の配管81aは、図2に示すように、シリンダヘッド34の下方に導出された後、後方に向けて屈曲されており、そのまま排気管50に沿って後方に導かれている。
【0020】
第1の配管81aの後部は、ラジエータ71の後方において上向きに折り曲げられている。この第1の配管81aに連なる第2の配管81bは、図1ないし図3に示すように、クランクケース18の右側方を通して消音器51の上方に導かれるとともに、ここから右側のメインパイプ4bの内側を通して上記燃料タンク11と収納ボックス12の間の隙間に導かれ、この隙間部分を右側から左側に向って横切っている。そして、第2の配管81bの先端部は、燃料タンク11と収納ボックス12との間に生じた左側のスペース13aに導かれている。
このスペース13aには、二次空気専用のエアフィルタ85が配置されている。エアフィルタ85は、図3や図4に示すように、上下方向に縦長をなす筒状のフィルタケース86を備えている。フィルタケース86は、平面的に見て側方に進むに従い拡開するような三角形状をなしており、上記スペース13aに効率良く収められている。
【0021】
フィルタケース86の周面の下部には、二次空気の導入口87が形成されているとともに、この導入口87よりも高い位置にあるフィルタケース86の上面中央部には、二次空気の導出口88が形成されている。また、フィルタケース86の内部には、エレメント89が収容されている。エレメント89は、底面が閉塞された中空筒状をなしており、その内部に濾過された二次空気の流入路89aを備えている。このようなエレメント89は、フィルタケース86の底板86aとの間に介装したスプリング90によって上向きに押圧されており、この押圧によりエレメント89の流入路89aの上端が、導出口88に嵌合保持されている。導出口88は上向きに延びており、この導出口88の開口端に上記第2の配管81bが接続されている。
このようなエアフィルタ85は、図3や図4に示すように、左側のメインパイプ4a上に位置されている。この場合、左右のメインパイプ4a,4bには、燃料タンク11やシート14を支持するための上向きに延びるブラケット90a,90bが溶接されており、この左側のブラケット90aの内側面に、フィルタケース86の上面に突設した舌片91がボルト締めされている。
【0022】
フィルタケース86の導入口87には、二次空気の吸入管93が接続されている。吸入管93は、例えばゴムホースのような可撓性パイプにて構成されている。この吸入管93は、燃料タンク11と収納ボックス12の間の隙間部分を、上記第2の配管81bの下方を通して左側から右側に引き回されている。そして、吸入管93の先端部は、右側のブラケット90bを貫通した後、収納ボックス12の右側面に沿って後方に導かれている。すなわち、吸入管93は、図1や図3に示すように、収納ボックス12の前面から右側面に沿うようにして後方に導かれており、この吸入管93の後端部は、右側のメインパイプ4bの後端上方に位置されている。
吸入管93の後端部には、下向きに折れ曲がる吸入口94が差し込まれている。吸人口94は、例えばスポンジのような通気性を有するダンパ95で覆われている。このダンパ95で覆われた吸入口94は、上記カバー73、右側のメインパイプ4b、補助パイプ9およびリヤフェンダ75の上部とで囲まれた隙間部分に押し込まれており、この押し込みによってダンパ95がメインパイプ4bの上面側に保持されている。
【0023】
二次空気導入管81の第2の配管81bは、前半部98aと後半部98bとに分割されている。この第2の配管81b分割部分には、エンジン17の排気通路37に二次空気を供給するための制御ユニット100が設けられている。制御ユニット100は、図6に示すように、箱状をなす本体ケース101を備えている。本体ケース101には、二次空気の入口102と出口103が形成されている。これら入口102と出口103は、本体ケース101内の空気室104に開口されている。入口102には、第2の配管81bの後半部98bが接続されているとともに、出口103には、第2の配管81bの前半部98aが接続されている。
【0024】
本体ケース101の空気室104には、リード弁105が設けられている。リード弁105は、排気の脈動圧に応じて開閉されるもので、空気室104に二次空気導入管81を介して排気通路37内の負圧が作用すると、リード弁105が開かれ、入口102と出口103とが連通される。
【0025】
また、本体ケース101には、エンジン17の運転状況に応じた適切な二次空気量を得るためのカット弁108と、このカット弁108を駆動するためのアクチュエータ109が組み込まれている。カット弁108は、上記入口102の空気室104への開口部分102aに接離する弁体110と、この弁体110を支持する弁軸111を備えている。アクチュエータ109は、本体ケース101に被せられたカバー112を備えており、このカバー112の内側にはダイアフラム113が収容されている。ダイアフラム113は、カバー112の内部を負圧室114と大気圧室115とに区画している。負圧室114は、負圧導人ホース116を介して吸気管45に連なっており、この負圧室114には、エンジン運転中、吸気管45内の吸気負圧が導入されるようになっている。
【0026】
カット弁108の弁軸111は、本体ケース101を摺動可能に貫通してダイアフラム113に連結されている。ダイアフラム113は、スプリング117によって大気圧室115側に押圧されており、この押圧により、弁体110が入口102の開口部分102aから離脱され、カット弁108が常時開状態に維持されている。
【0027】
このような制御ユニット100は、消音器51の前端とともにクランクケース18に支持されている。したがって、制御ユニット100は、丁度消音器51とクランクケース18との間に生じたデッドスペース52に収められて、パワーユニット16と一体に揺動するようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。
【0028】
エンジン運転中、排気通路37内には排気脈動が生じるので、この排気通路37内の負圧が二次空気導入管81を介して制御ユニット100のリード弁105に伝わった時に、このリード弁105が開かれる。すると、シート14の後端下方に位置された吸入口94から外気が二次空気として吸入される。この二次空気は、吸入管93を通じてエアフィルタ85に導かれ、そのエレメント89を通過する過程で塵埃等が濾過される。エアフィルタ85で濾過された清浄な二次空気は、二次空気導入管81を介して排気通路37に噴射され、この排気通路37を流れる排出ガスと混合される。
このため、排出ガス中の未燃焼成分が排気通路37や排気管50のような排気系内で燃焼され、排出ガスの浄化が促進される。
【0029】
一方、気化器46の絞り弁を急激に閉じた時のような減速運転時には、気化器46のベンチュリー通路が絞られて吸気の流速が早くなり、燃料の吸い出し量が多くなる。すると、混合気が一時的に過濃な状態となって、燃焼室35内で失火が生じることがあり、排気通路37内に多量の未燃混合気が排出されてしまう。この時、排気通路37内に二次空気が噴射されると、未燃混合気が二次空気との混合により適性な空燃比となって爆発的に燃焼する、いわゆるアフターバーンが発生する。
【0030】
しかるに、上記構成においては、制御ユニット100の負圧室114と吸気管45とが負圧導入ホース116を介して連通されているので、減速運転時に吸気管45内の負圧が高くなると、ダイアフラム113がスプリング117の付勢力に抗して負圧室114に向けて変形する。この変形により、カット弁108の弁体110が、エアフィルタ85からの二次空気を空気室104に導く入口102を閉塞する。この結果、減速運転時には、排気通路37への二次空気の供給が停止され、アフターバーンの発生が防止される。
【0031】
ところで、上記強制空冷式のエンジン17では、そのシリンダヘッド34がエアシュラウド55の外方に導出され、この導出部分に排気管50に沿って配管された二次空気導入管81が接続されている。このため、二次空気導入管81がエアシュラウド55を貫通することはなく、シリンダヘッド34やシリンダブロック30回りを保守点検する毎に、二次空気導入管81をエアシュラウド55から取り外す必要はない。よって、強制空冷式のエンジン17に二次空気導入装置80を付設しても、整備性が損なわれずに済む。
【0032】
また、二次空気導入管81が導風通路55aから外れているので、この二次空気導入管81によって導風通路55a内での冷却風の流れが遮られたり邪魔されることはなく、その分、冷却風の流れが円滑となる。それとともに、エンジン運転中、排出ガスの流入によって高温となる二次空気導入管81は、エアシュラウド55の外方に直接露出されているので、この二次空気導入管81の熱は大気中に自然放熱されることになり、上記導風通路55aやここを流れる冷却風に対する熱影響が少なくなる。
【0033】
その上、シリンダブロック30を大きく前傾させたことにより、シリンダヘッド34がステップボード10の直後に位置することになり、このシリンダヘッド34自体が、ステップボード10の下面に沿って前方から流れてくる走行風の流れにさらされる。このため、シリンダヘッド34がエアシュラウド55で覆われることなく外方に導出されていても、このシリンダヘッド34の冷却性を充分に確保することができ、上記冷却風の流れが円滑となったり、導風通路55aへの熱影響が少なくなることと合わせて、エンジン17全体を効率良く冷却することができる。
【0034】
なお、上記第1実施例では、エンジンのシリンダヘッドを水冷式としたが、本発明はこれに限らず、図11に示す本発明の第2実施例のように、シリンダヘッド130を空冷式としても良い。
すなわち、この第2実施例においても、図11の(a)に示すように、シリンダヘッド130全体がエアシュラウド55で覆われることなく外方に導出されており、このシリンダヘッド130の外周面には、放熱用の冷却フィン131が突設されている。そして、この第2実施例では、二次空気導入管81が接続される装着口83は、シリンダヘッド130の側面に設けられており、上記吸気通路36と排気通路37との間に位置されている。
【0035】
なお、シリンダヘッド130の上面から上方に導出された吸気通路36は、エアシュラウド55との干渉を避けるために、上方に進むに従い側方に彎曲されている。
また、上記各実施例では、シリンダヘッド全体をエアシュラウドの外方に導出させたが、本発明はこれに限らず、例えばシリンダヘッドのなかでも排気通路の開口端の付近のみを部分的に外方に導出させ、ここに二次空気導入管が接続される装着口を設けても良い。
さらに、上記第1実施例では、排気系に二次空気のみを導入したが、この排気系に排気浄化用の触媒を設けても良い。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、シリンダヘッドやシリンタブロック回りを保守点検する毎に、二次空気導入管をエアシュラウドから取り外す必要はないので、強制空冷式のエンジンに二次空気を導入するようにしても、整備性が損なわれずに済む。
また、二次空気導入管が導風通路から外れているので、この二次空気導入管によって導風通路内での冷却風の流れが遮られたり邪魔されることはなく、その分、冷却風の流れが円滑となる。それとともに、この二次空気導入管自体がエァシュラウドの外方に直接露出され、この二次空気導入管の熱は大気中に自然放熱されるので、上記導風通路やここを流れる冷却風に対する熱影響が少なくなる。その上、シリンダブロックを大きく前傾させたことにより、シリンダヘッド自体が前方から流れてくる走行風の流れにさらされるので、このシリンダヘッドの冷却性を充分に確保することができる。したがって、上記冷却風の流れが円滑となったり、導風通路への熱影響が少なくなることと合わせて、エンジン全体を効率良く冷却することができる。
【0037】
さらに、周面が略円形の収納ボックス12と燃料タンク11との間に残存するスペース13aを有効に利用して二次空気のエアフィルタ85を無理なく合理的に配置することができる。
また、上記収納ボックス12と燃料タンク11との間の隙間を通して、制御ユニット100と上記エアフィルタ85とを繋ぐ配管を無理なく配管することができ、さらに、上記のスペース13a及び収納ボックス12と燃料タンク11との間の隙間を有効に利用して上記エアフィルタ85と上記制御ユニット100との間の配管を行うことで、自動二輪車の二次空気のエアフィルタ85とその制御ユニット100およびこれらの間の配管を、狭い空間に合理的、コンパクトに収めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるパワーユニット、燃料タンクおよび収納ボックスに対する二次空気導入装置のレイアウトを示す平面図である。
【図2】パワーユニットに、二次空気導入装置を組み込んだ状態を示す側面図である。
【図3】フレームに対する二次空気導入装置のレイアウトを示す平面図である。
【図4】図3のA線方向から見た矢視図である。
【図5】フレームやカバーに対する二次空気の吸い込み端の位置関係を示す断面図である。
【図6】二次空気導入装置の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図7】パワーユニットのエンジン回りの断面図である。
【図8】シリンダブロックとファンおよびエアシュラウドとの位置関係を示す断面図である。
【図9】シリンダヘッドの断面図である。
【図10】スクータ形自動二輪車の側面図である。
【図11】(a)は、本発明の第2実施例におけるシリンダヘッドの側面図、(b)は、シリンダヘッドの正面図である。
【符号の説明】
1・・・車体(フレーム)
13a,13b・・・スペース
17・・・エンジン
33・・・冷却フィン
34・・・シリンダヘッド
37・・・排気通路
55・・・エアシュラウド
55a・・・導風通路
57・・・ファン
81・・・二次空気導入管
83・・・装着口
85・・・二次空気のエアフィルタ
100・・・制御ユニット
Claims (1)
- 車体のメインパイプ上に燃料タンクとその後部に周面が略円形の収納ボックスを設け、
上記メインパイプの下にエンジンと、このエンジンのクランクケースの一側部から後方に延び、その後端部に後輪が支持された伝動ケースを有するパワーユニットを設け、
このパワーユニットの前部を、車体に揺動可能に枢支するとともに、
上記パワーユニットのクランクケースの後方に、上記伝動ケースとは後輪を挟んだ反対側に位置して上記エンジンの排気消音器を配置した自動二輪車において、
上記エンジンは、水平又は水平に近い角度にまで前傾されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの前方において下向きに開口された排気通路を有し、
この排気通路の開口端に、上記シリンダブロックよりも低い位置を通って後方の排気消音器に連なる排気管を接続するとともに、
上記排気通路から排気管に至るエンジンの排気系に、排出ガス中に含まれる未燃焼成分を燃焼させるための二次空気を導入する二次空気導入管を接続し、
この二次空気導入管に、排気脈動に応じて開閉するリード弁及び減速運転時に上記排気系へ二次空気の流通を遮断する常開型のカット弁を含む制御ユニットを設け、
この制御ユニットが設けられた側とは反対側の車体他側の上記収納ボックスと燃料タンクとの間のスペースに上記二次空気のエアフィルタを設けるとともに、
上記収納ボックスと燃料タンクとの間の隙間部分を車体の一側から他側に横切って、上記制御ユニットと上記エアフィルタに連なる二次空気配管を設けたことを特徴とする自動二輪車の排気浄化装置。
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