JP3312927B2 - 自動二輪車の排気浄化装置 - Google Patents

自動二輪車の排気浄化装置

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JP3312927B2
JP3312927B2 JP13719492A JP13719492A JP3312927B2 JP 3312927 B2 JP3312927 B2 JP 3312927B2 JP 13719492 A JP13719492 A JP 13719492A JP 13719492 A JP13719492 A JP 13719492A JP 3312927 B2 JP3312927 B2 JP 3312927B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユニットスイング式の
パワーユニットを備えた自動二輪車において、特にその
エンジンの排出ガス中に含まれる未燃焼成分を浄化する
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、1台当りの排出ガス量が少ない自
動二輪車においても、排出ガス規制が強化されつつあ
る。このため、一部の自動二輪車では、例えば「実公昭
60−33292号公報」に見られるように、エンジンの排気
系に二次空気を導入し、排出ガス中に含まれるHCやCO等
の未燃焼成分を燃焼させるための排気浄化対策が採用さ
れている。
【0003】従来の二次空気導入装置は、エンジンの排
気管に接続される二次空気供給管を備えている。二次空
気供給管の上流端は、エアクリーナに連なっており、こ
の二次空気導入管の途中に、排気脈動に応じて開閉され
るリード弁が設けられている。そして、上記従来の二次
空気導入装置では、二次空気供給管に連なるエアクリー
ナが気化器用のエアクリーナと共用されているが、この
他の例として、気化器用のエアクリーナとは別に二次空
気供給管が連なる専用のエアフィルタを備えたものが知
られている。
【0004】この専用のエアフィルタを有する二次空気
導入装置は、二次空気供給管を流れる二次空気が吸気負
圧の影響を受けずに済むことになり、二次空気を排気系
に供給するタイミングや供給量にばらつきが生じるのを
防止できる。したがって、排出ガスの浄化効率の点を考
慮すると、二次空気専用のエアフィルタを設けることが
望ましいものとなる。
【0005】ところで、従来の二次空気導入装置は、エ
ンジンがフレームに固定されている一般的な自動二輪車
に採用されており、フレームに対するエンジンや二次空
気供給管およびエアクリーナ等の位置が固定的に定めら
れている。
【0006】一方、スクータ形の自動二輪車では、フロ
ントフォークとシートとの間が運転者の足を収めるスペ
ースとして占有されている。このため、フロントフォー
クとシートとの間にエンジンやその補機類を設置するこ
とが甚だ困難となり、それ故、エンジンは、後輪やこの
後輪を駆動するVベルト変速機と一体化されて、シート
の下方に配置されている。
【0007】エンジンとVベルト変速機とが一体化され
たパワーユニットは、エンジンの一側部にVベルト変速
機を収容して後方に延びる伝動ケースを備えており、こ
の伝動ケースの後端部に後輪が支持されている。そし
て、パワーユニットは、そのエンジン側の前部がフレー
ムに揺動可能に枢支されており、後輪が路面から衝撃を
受けた際に、エンジンを含むパワーユニット全体が上下
に揺動するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このユニッ
トスイング式のパワーユニットを備えた自動二輪車に上
記の如き二次空気導入装置を付設しようとすると、次の
ような問題が生じてくる。すなわち、ユニットスイング
式のパワーユニットでは、自動二輪車の走行中、エンジ
ンの位置が上下に刻々と変動する。このため、従来のよ
うにエンジンに二次空気導入装置を固定した場合に、こ
の二次空気導入装置とエンジンの周囲部品およびフレー
ムとの干渉が問題となるといった不具合が生じてくる。
【0009】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、走行中にエンジンが上下に揺動する構成
でありながら、二次空気用のエアフィルタの容量を確保
しつつ、このエアフィルタの配置を容易に行うことがで
き、しかも、二次空気の吸い込み音が乗員に聞こえ難く
なるとともに、吸入管が塵埃を吸い込み難くなる自動二
輪車の排気浄化装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、前後方向に延びる左右一対のメインパイ
プを有するフレームと、上記メインパイプの後半部の下
方に配置され、エンジンおよび後輪が一体化されたパワ
ーユニットと、上記メインパイプの後半部の上に前後方
向に並べて配置された燃料タンクおよび収納ボックス
と、これら燃料タンクおよび収納ボックスの上に配置さ
れたシートと、を具備した自動二輪車を前提としてい
る。
【0011】そして、本発明においては、上記エンジン
の排気系に、排出ガス中の未燃焼成分を燃焼させる二次
空気を導入する二次空気導入管を接続し、この二次空気
導入管に、その上流側から順にエアフィルタと、排気脈
動に応じて開閉するリード弁および減速運転時に上記エ
アフィルタと上記エンジンの排気系との連通を遮断する
常開形のカット弁を含む制御ユニットとを設置し、上記
制御ユニットは、上記パワーユニットに取り付けるとと
もに、上記エアフィルタは、上記燃料タンクと収納ボッ
クスとの間に生じたスペースに配置し、このエアフィル
タに連なる二次空気の吸入管は、上記燃料タンクと収納
ボックスとの間を通して収納ボックスの側方に引き回す
とともに、この収納ボックスの側面に沿って後方に導
き、この吸入管の後端に、上記メインパイプの後端部よ
りも上方にて大気に連通される吸入口を設けたことを特
徴としている。
【0012】
【作用】このような構成によれば、パワーユニットに追
従してエアフィルタが上下動されずに済むので、エアフ
ィルタを燃料タンクと収納ボックスとの間に生じたスペ
ースを利用して配置できる。このため、燃料タンクや収
納ボックスの周囲にエアフィルタを収める専用のスペー
スを確保する必要はないとともに、このエアフィルタ自
体を大型化して、その容量を充分に確保することができ
る。
【0013】さらに、エアフィルタに連なる吸入管は、
メインパイプの後部で二次空気としての外気を吸入する
ので、この二次空気の吸い込み端がシート上に着座され
た乗員から遠ざかる。このため、二次空気が吸入される
際に生じる脈動的な吸気音が低く抑えられて乗員に聞こ
え難くなり、静粛な運転が可能となる。
【0014】それとともに、二次空気の吸い込み端とな
る吸入管の後端は、後輪よりも高い位置にあるので、吸
入管が塵埃を吸い込み難くなる。よって、エアフィルタ
の早期の目詰まりを防止することができる。
【0015】
【実施例】以下本発明を、図面に示す一実施例にもとづ
いて説明する。
【0016】図10は、スクータ形の自動二輪車を開示
している。この図10において、符号1は車体を構成す
るフレーム、2はフロントフォーク、3は前輪である。
フレーム1は、左右一対のメインパイプ4a,4bを備
えている。メインパイプ4a,4bは、前輪3の後方に
おいて前後方向に延びる水平部5と、この水平部5の後
端から立ち上がる起立部6と、この起立部6の上端から
後方に延びる支持部7とを有している。
【0017】支持部7の後半部は、後方斜め上向きに傾
斜された傾斜部7aとなっている。メインパイプ4a,
4bの傾斜部7aの後端は、略U字状の連結部8によっ
て一体に結合されており、この傾斜部7aの後端上面に
連結部8の上方に張り出す補助パイプ9が溶接されてい
る。なお、メインパイプ4a,4bの水平部5には、運
転者の足載せとなるステップボード10が設けられてい
る。
【0018】図1および図2に示すように、メインパイ
プ4a,4bの支持部7に、燃料タンク11とヘルメッ
ト等を収納するための収納ボックス12が前後に並んで
支持されている。燃料タンク11は、前部が先細り状を
なす箱形であり、上記支持部7の前半部の上に位置され
ている。
【0019】収納ボックス12は、上端に略円形の開口
部12aを有しており、支持部7の後半部の上に位置さ
れている。収納ボックス12の周壁12bは、開口部1
2aの開口形状に沿うように円弧状に曲がっている。こ
のことから、図2に示すように、収納ボックス12と燃
料タンク11との間の左右両側部には、側方に進むに従
い拡開する如き形状のスペース13a,13bが形成さ
れている。
【0020】燃料タンク11と収納ボックス12の上方
にシート14が配置されている。シート14は、燃料タ
ンク11および収納ボックス12を上方から覆ってい
る。そのため、シート14の前端を支点としてこのシー
ト14を上向きに回動させると、燃料タンク11や収納
ボックス12の開口部12aが外方に露出されるように
なっている。
【0021】メインパイプ4a,4bの支持部7の下方
に、ユニットスイング式のパワーユニット16が配置さ
れている。図7に示すように、パワーユニット16は、
4サイクルエンジン17と、このエンジン17のクラン
クケース18の左側部から後方に延びる伝動ケース19
を備えている。このパワーユニット18の前部、つまり
クランクケース18の上部は、メインパイプ4a,4b
の支持部7に溶接したエンジンブラケット20にピボッ
ト軸21を介して揺動可能に枢支されている。
【0022】伝動ケース19の後部と、クランクケース
18の右側部から後方に延びる補助アーム22との間に
後輪23が支持されている。これら伝動ケース19の後
部と補助アーム22の後部は、メインパイプ4a,4b
との間に架設した一対の緩衝器24a,24bを介して
懸架されている。
【0023】したがって、自動二輪車の走行中に後輪2
3が凹凸を乗り越えたような場合、エンジン17を含む
パワーユニット16全体がピボット軸21を中心に上下
に揺動するようになっており、伝動ケース19がリヤア
ームとしての機能を兼ねている。
【0024】伝動ケース19の左側面は、ケースカバー
25によって覆われている。伝動ケース19とケースカ
バー25との間には、変速室26が形成されており、こ
の変速室26にエンジン17のクランク軸27と後輪2
3とを連動させるVベルト自動変速機28が収容されて
いる。
【0025】図7に示すように、エンジン17は、クラ
ンクケース18の前端から前方に向けて略水平に延びる
シリンダブロック30を備えている。シリンダブロック
30内のピストン31は、コンロッド32を介してクラ
ンク軸27に連結されている。シリンダブロック30の
外周面には、多数の冷却フィン33が形成されている。
【0026】シリンダブロック30の前端面にシリンダ
ヘッド34が連結されている。図9に示すように、シリ
ンダヘッド34の内部に燃焼室35に連なる吸気通路3
6と排気通路37が形成されている。吸気通路36は、
燃焼室35に開口する吸気口36aを有するとともに、
排気通路37は、燃焼室35に開口する排気口37aを
有している。吸気口36aおよび排気口37aは、吸気
弁38および排気弁39によって個別に開閉されるよう
になっている。
【0027】シリンダヘッド34の内部に動弁室41が
形成されている。動弁室41には、吸気弁38および排
気弁39を開閉駆動するカム軸42が収容されている。
カム軸42は、タイミングチェーン43を介してクラン
ク軸27に連動されている。
【0028】図9に示すように、吸気通路36は、シリ
ンダヘッド34の上方に導出されている。この吸気通路
36の上流端は、後方に向けて開口されている。吸気通
路36の上流端に吸気管45が接続されている。図1や
図2に示すように、吸気管45は、シリンダブロック3
0の上方を通って後方に延びており、この吸気管45の
上流端に気化器46が接続されている。気化器46は、
ジョイント47を介してエアクリーナ48に連なってい
る。エアクリーナ48は、伝動ケース19の上面に取り
付けられている。そのため、エアクリーナ48から吸気
管45に至る一連の吸気系は、パワーユニット16と一
体に揺動するようになっている。
【0029】排気通路37は、シリンダヘッド34の下
面に開口されている。この排気通路37の開口端に排気
管50が接続されている。図1に示すように、排気管5
0は、シリンダブロック30の下方からクランクケース
18の下部側方を通って後方に導かれている。排気管5
0の後端部に消音器51が接続されている。消音器51
は、クランクケース18の右側部の直後に位置されてい
るとともに、このクランクケース18や上記補助アーム
22にボルト締めされている。したがって、排気通路3
7から消音器51に至る一連の排気系は、パワーユニッ
ト16と一体に揺動するようになっている。
【0030】本実施例の場合、クランクケース18の右
側部の後面は、クランク軸27を中心とする円弧状に湾
曲されている。このクランクケース18の後面と対向し
合う消音器51の前面は、上方に進むに従い後方に位置
するように傾斜されている。このことから、クランクケ
ース18と消音器51との間には、上方に進むに従って
拡開する如き形状のデッドスペース52が存在してい
る。
【0031】図7および図8に示すように、エンジン1
7のシリンダブロック30の周囲は、エアシュラウド5
5によって覆われている。エアシュラウド55の右端部
にファンカバー56が連続して設けられている。ファン
カバー56の内側に軸流形のファン57が配置されてい
る。ファン57は、シリンダブロック30の右側方に位
置されている。ファン57の回転軸58は、クランクケ
ース18から延びる支持ステー59のボス部60に軸受
61を介して支持されており、この回転軸58の上に従
動プーリ62が取り付けられている。
【0032】ファンカバー56は、クランク軸27の右
端部に固定したフライホイールマグネト63を一体に覆
っている。フライホイールマグネト63は、これと一体
に回転する駆動プーリ64を備えており、この駆動プー
リ64と従動プーリ62との間にVベルト65が巻回さ
れている。このため、ファン57は、クランク軸27か
らの動力伝達によって増速駆動されるようになってい
る。このファン57が回転駆動されると、ファンカバー
56の右側面の吸い込み口66を通じて外気が吸引さ
れ、この外気は冷却風となってシリンダブロック30の
周囲に強制的に送風される。
【0033】さらに、図8に示すように、エアシュラウ
ド55の左端部に下向きに開口する吐出口67が設けら
れており、この吐出口67を通じてシリンダブロック3
0の周囲に送風された冷却風が外方に排出されるように
なっている。
【0034】また、本実施例のエンジン17は、そのシ
リンダヘッド34が水冷式となっている。このため、シ
リンダヘッド34の大部分は、エアシュラウド55で覆
われることなく、そのまま外方に露出されている。シリ
ンダヘッド34の内部に冷却水通路70が設けられてい
る。冷却水通路70は、燃焼室35の周囲に位置されて
いるとともに、図示しない配管を介してラジエータ71
に連なっている。ラジエータ71は、ファンカバー56
の吸い込み口66の外側に設置されている。よって、ラ
ジエータ71は、エンジン冷却風の吸い込み経路に位置
されており、エンジン運転中、ラジエータ71には常に
冷却風が導かれるようになっている。
【0035】シリンダヘッド34に冷却水ポンプ72が
設けられている。冷却水ポンプ72は、ラジエータ71
で熱交換された冷却水を冷却水通路70に導くためのも
のである。この冷却水ポンプ72は、カム軸42によっ
て駆動される。
【0036】エンジン17の周囲から燃料タンク11お
よび収納ボックス12の周囲にかけては、カバー73に
よって覆われている。カバー73の上端は、シート14
に連なっており、このカバー73の後面にテールランプ
74が組み込まれている。テールランプ74の下方にリ
ヤフェンダ75が連続して設けられている。リヤフェン
ダ75は、後輪23の後方から上方にかけての範囲を覆
っている。リヤフェンダ75の上部は、メインパイプ4
a,4bの傾斜部7aの間に入り込むとともに、この傾
斜部7aに沿って前方に延出されており、上記収納ボッ
クス12を下方から覆っている。
【0037】ところで、上記パワーユニット16には、
エンジン17の排出ガス中に含まれるHCやCO等の未燃焼
成分を燃焼させるための二次空気導入装置80が付設さ
れている。図1ないし図3に示すように、二次空気導入
装置80は、二次空気導入管81を備えている。二次空
気導入管81は、金属パイプ製の第1の配管81aと、
ゴムホースのような可撓性パイプからなる第2の配管8
1bとを結合して構成されている。
【0038】第1の配管81aの先端部に接続金具82
が設けられている。図9に示すように、接続金具82
は、シリンダヘッド34の装着孔83にねじ込まれてい
る。装着孔83は、排気通路37に開口されており、こ
の装着孔83の排気通路37への開口端は、排気口37
aの直後において排気の流れ方向に対向するような位置
に設けられている。シリンダヘッド34に接続された第
1の配管81aは、シリンダヘッド34の下方に導出さ
れた後、排気管50に沿って後方に導かれている。この
第1の配管81aは、排気管50の下面よりも高い位置
においてラジエータ71の下方を通して配管されてい
る。
【0039】第1の配管81aの後部は、ラジエータ7
1の後方において上向きに折り曲げられている。この第
1の配管81aに連なる第2の配管81bは、図1ない
し図3に示すように、クランクケース18の右側方を通
して消音器51の上方に導かれ、ここからピボット軸2
1の後方を通してメインパイプ4a,4bの間に導かれ
ている。そして、この第2の配管81bは、上記燃料タ
ンク11と収納ボックス12との間の隙間に導かれ、こ
の隙間部分を右側から左側に向って引き回されている。
この第2の配管81bの先端部は、燃料タンク11と収
納ボックス12との間に生じた左側のスペース13aに
導かれている。
【0040】スペース13aに二次空気専用のエアフィ
ルタ85が配置されている。図3や図4に示すように、
エアフィルタ85は、上下方向に縦長をなす筒状のフィ
ルタケース86を備えている。フィルタケース86は、
平面的に見て燃料タンク11や収納ボックス12の側方
に進むに従い拡開するような三角形状をなしており、上
記スペース13aに効率良く収められている。
【0041】図6に示すように、フィルタケース86の
周面の下部に、二次空気の導入口87が形成されてい
る。さらに、導入口87よりも高い位置にあるフィルタ
ケース86の上面中央部に、二次空気の導出口88が形
成されている。フィルタケース86は、エレメント89
を収容している。エレメント89は、底面が閉塞された
中空筒状をなしており、その内部に濾過された二次空気
の流入路89aを備えている。
【0042】このようなエレメント89は、フィルタケ
ース86の底板86aとの間に介装したスプリング90
によって上向きに押圧されており、この押圧によりエレ
メント89の流入路89aの上端が導出口88に嵌合さ
れている。導出口88は、フィルタケース86の上面中
央部から上向きに突出されており、この導出口88の開
口端に第2の配管81bが接続されている。
【0043】図3や図4に示すように、エアフィルタ8
5は、左側のメインパイプ4aの上に位置されている。
この場合、左右のメインパイプ4a,4bには、燃料タ
ンク11やシート14を支持するための上向きに延びる
ブラケット90a,90bが溶接されており、この左側
のブラケット90aの内側面にフィルタケース86の上
面に突設した舌片91がボルト締めされている。したが
って、エアフィルタ85は、フレーム1に移動不能に固
定されている。
【0044】フィルタケース86の導入口87に、二次
空気の吸入管93が接続されている。吸入管93は、例
えばゴムホースのような可撓性パイプにて構成されてい
る。この吸入管93は、燃料タンク11と収納ボックス
12との間の隙間部分を、上記第2の配管81bの下方
を通して左側から右側に引き回されている。吸入管93
の先端部は、右側のブラケット90bを貫通した後、収
納ボックス12の右側面に沿って後方に導かれている。
すなわち、吸入管93は、図2や図3に示すように、収
納ボックス12の前面から右側面に沿うようにして後方
に導かれており、この吸入管93の後端部は、右側のメ
インパイプ4bの後端上方に位置されている。
【0045】吸入管93の後端部に、下向きに折れ曲が
る吸入口94が差し込まれている。吸入口94は、例え
ばスポンジのような通気性を有するダンパ95で覆われ
ている。このダンパ95で覆われた吸入口94は、上記
カバー73、右側のメインパイプ4b、補助パイプ9お
よびリヤフェンダ75の上部とで囲まれた隙間部分に押
し込まれており、これにより、ダンパ95がメインパイ
プ4bの上方に保持されている。
【0046】図1ないし図3に示すように、二次空気導
入管81の第2の配管81bは、前半部98aと後半部
98bとに分割されている。第2の配管81bの分割部
分にエンジン17の排気通路37に二次空気を供給する
ための制御ユニット100が設けられている。
【0047】図6に示すように、制御ユニット100
は、箱状の本体ケース101を備えている。本体ケース
101に二次空気の入口102と出口103が形成され
ている。これら入口102と出口103は、本体ケース
101内の空気室104に開口されている。入口102
に第2の配管81bの後半部98bが接続されていると
ともに、出口103に第2の配管81bの前半部98a
が接続されている。
【0048】本体ケース101の空気室104にリード
弁105が設けられている。リード弁105は、排気の
脈動圧に応じて開閉されるものである。そのため、空気
室104に二次空気導入管81を介して排気通路37内
の負圧が作用すると、リード弁105が開き、入口10
2と出口103とが連通される。
【0049】さらに、本体ケース101にカット弁10
8と、このカット弁108を駆動するためのアクチュエ
ータ109が組み込まれている。カット弁108は、エ
ンジン17の運転状況に応じた適切な二次空気量を得る
ためのものである。このカット弁108は、入口102
の空気室104への開口部分102aに接離する弁体1
10と、この弁体110を支持する弁軸111とを備え
ている。アクチュエータ109は、本体ケース101に
被せられたカバー112を備えており、このカバー11
2の内側にダイアフラム113が収容されている。ダイ
アフラム113は、カバー112の内部を負圧室114
と大気圧室115とに区画している。負圧室114は、
負圧導入ホース116を介して吸気管45に連なってい
る。この負圧室114には、エンジン運転中、吸気管4
5内の吸気負圧が導入されるようになっている。
【0050】カット弁108の弁軸111は、本体ケー
ス101を摺動可能に貫通してダイアフラム113に連
結されている。ダイアフラム113は、スプリング11
7によって大気圧室115に向けて押圧されており、こ
の押圧によりカット弁108の弁体110が常に入口1
02の開口部分102aから離脱している。
【0051】このような制御ユニット100は、消音器
51の前端と共にクランクケース18に支持されてい
る。したがって、制御ユニット100は、丁度消音器5
1とクランクケース18との間に生じたデッドスペース
52に収められて、パワーユニット16と一体に揺動す
るようになっている。そして、本実施例の場合、制御ユ
ニット100は、エンジン17の排気通路37よりも上
方に位置されている。
【0052】次に、上記構成の作用について説明する。
エンジン運転中、排気通路37内には排気脈動が生じる
ので、この排気通路37内の負圧が二次空気導入管81
を介して制御ユニット100のリード弁105に伝わっ
た時に、このリード弁105が開かれる。すると、シー
ト14の後端下方に位置された吸入口94から外気が二
次空気として吸入される。この二次空気は、吸入管93
を通じてエアフィルタ85に導かれ、そのエレメント8
9を通過する過程で塵埃等が除去される。エアフィルタ
85で濾過された清浄な二次空気は、二次空気導入管8
1を介して排気通路37に噴射され、この排気通路37
を流れる排出ガスと混合される。このため、排出ガス中
の未燃焼成分が排気通路37や排気管50のような排気
系内で燃焼され、排出ガスの浄化が促進される。
【0053】一方、気化器46の絞り弁を急激に閉じた
時のような減速運転時には、気化器46のベンチュリー
通路が絞られて吸気の流速が早くなるので、燃料の吸い
出し量が多くなる。すると、混合気が一時的に過濃な状
態となって、燃焼室35内で失火が生じることがあり、
排気通路37に多量の未燃混合気が排出されてしまう。
この時、排気通路37内に二次空気が噴射されると、未
燃混合気が二次空気との混合により適性な空燃比となっ
て爆発的に燃焼する、いわゆるアフターバーンが発生す
る。
【0054】しかるに、上記構成においては、制御ユニ
ット100の負圧室114と吸気管45とが負圧導入ホ
ース116を介して連通されているので、減速運転時に
吸気管45内の負圧が高くなると、ダイアフラム113
がスプリング117の付勢力に抗して負圧室114に向
けて変形する。この変形により、カット弁108の弁体
110がエアフィルタ85からの二次空気を空気室10
4に導く導入口102を閉塞する。この結果、減速運転
時には、排気通路37への二次空気の供給が停止され、
アフターバーンの発生が防止される。
【0055】ところで、上記のような二次空気導入装置
80によると、二次空気を濾過するエアフィルタ85
は、フレーム1のメインパイプ4aに支持されている。
そのため、自動二輪車の走行中にパワーユニット16が
上下に揺動しても、エアフィルタ85がパワーユニット
16に追従して上下動することはない。
【0056】加えて、エアフィルタ85は、燃料タンク
11と収納ボックス12との間に生じたスペース13a
に収められているので、カバー73で囲まれた空間部分
にエアフィルタ85を収める専用のスペースを確保する
必要はない。
【0057】この結果、広さが限られたカバー73の内
側に、エンジン17の吸気系と共にエアフィルタ85を
無理なく配置することができる。よって、エンジン17
が後輪23と共に揺動するスクータ形の自動二輪車に好
適なレイアウトを有する二次空気導入装置80を得るこ
とができる。
【0058】さらに、エアフィルタ85の周囲に、この
エアフィルタ85の動きを許容するような広いスペース
を確保する必要がないので、エアフィルタ85自体を大
型化することができ、エアフィルタ85の容量を充分に
確保できる。それとともに、エアフィルタ85の導入口
87に連なる吸入管93は、フレーム1の後部に位置さ
れた吸入口94から二次空気としての外気を吸入し、こ
の吸入口94はシート14の後端下方に位置するので、
二次空気の吸い込み端がシート14に着座された乗員か
ら遠ざかる。
【0059】したがって、二次空気が吸入される際に生
じる脈動的な吸気音が低く抑えられて乗員に聞こえ難く
なり、静粛な運転が可能となる。
【0060】しかも、二次空気の吸い込み端となる吸入
管93の後端は、メインパイプ4bの後端上方に位置さ
れ、後輪23よりも高い位置にあるので、吸入管93が
塵埃を吸い込み難くなる。そのため、エアフィルタ85
のエレメント89が早期のうちに目詰まりを起こすのを
防止できる。
【0061】その上、上記構成によると、高温の排気が
導入される制御ユニット100は、エンジン17のクラ
ンクケース18に取り付けられているので、制御ユニッ
ト100とエンジン17のシリンダヘッド34とを極力
近づけることができる。したがって、高温の排気が導入
される二次空気導入管81の第1の配管81aの長さを
短くでき、二次空気導入管81の周囲に位置する部品へ
の熱影響を少なく抑えることができる。
【0062】なお、上記実施例では、エンジンの排気系
に二次空気のみを導入したが、この排気系に排気浄化用
の触媒を設けても良い。
【0063】また、上記実施例では、エアフィルタをフ
レームに直接固定したが、本発明はこれに限らず、この
エアフィルタを例えば燃料タンクや収納ボックスに取り
付け、フレームに対し間接的に固定するようにしても良
い。
【0064】さらに、本発明に係る自動二輪車は、エン
ジンの周囲をカバーで覆ったスクータ形に特定されるも
のではなく、ユニットスイング式のパワーユニットを備
えていれば、エンジン回りが外部に露出されている形式
の自動二輪車でも同様に実施することができる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、エアフィ
ルタの周囲にこのエアフィルタの動きを許容する広いス
ペースを確保したり、燃料タンクや収納ボックスの周囲
にエアフィルタを収める専用のスペースを確保する必要
はなく、パワーユニットの周囲にエアフィルタを無理な
く配置することができる。よって、エンジンが後輪と共
に揺動する形式の自動二輪車に好適なレイアウトを有す
る二次空気の導入経路を得ることができ、排出ガス規制
の強化に容易に対処することができる。
【0066】また、エアフィルタの周囲に広いスペース
を確保する必要がないので、エアフィルタ自体を大型化
して、その容量を充分に確保できる。加えて、エアフィ
ルタの吸入管は、フレームの後部から二次空気としての
外気を吸入するので、この二次空気の吸い込み端がシー
トに着座された乗員から遠ざかる。このため、二次空気
が吸入される際に生じる脈動的な吸気音が低く抑えられ
て乗員に聞こえ難くなり、静粛な運転が可能となる。
【0067】さらに、二次空気の吸い込み端となる吸入
管の後端は、後輪よりも高い位置にあるので、吸入管が
塵埃を吸い込み難くなり、エアフィルタの早期の目詰ま
りを防止できるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるパワーユニットに、
二次空気導入装置を組み込んだ状態を示す自動二輪車の
側面図。
【図2】パワーユニット、燃料タンクおよび収納ボック
スに対する二次空気導入装置のレイアウトを示す平面
図。
【図3】フレームに対する二次空気導入装置のレイアウ
トを示す平面図。
【図4】図3のA線方向から見た矢視図。
【図5】フレームやカバーに対する二次空気の吸い込み
端の位置関係を示す断面図。
【図6】二次空気導入装置の全体構成を概略的に示す断
面図。
【図7】パワーユニットのエンジン回りの断面図。
【図8】シリンダブロック、ファンおよびシュラウドの
位置関係を示す断面図。
【図9】シリンダヘッドの断面図。
【図10】スクータ形自動二輪車の側面図。
【符号の説明】
1…フレーム 4a,4b…メインパイプ 11…燃料タンク 12…収納ボックス 13a…スペース 14…シート 16…パワーユニット 17…エンジン 23…後輪 81…二次空気導入管 85…エアフィルタ 93…吸入管 94…吸入口 100…制御ユニット 105…リード弁 108…カット弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−319353(JP,A) 特開 平5−321657(JP,A) 特開 平4−47114(JP,A) 特開 平4−54212(JP,A) 特開 平4−59493(JP,A) 特開 平5−139364(JP,A) 特開 昭55−146222(JP,A) 特開 昭55−69716(JP,A) 特開 昭58−96117(JP,A) 特開 平4−31189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62M 7/02 F01N 3/08 - 3/38 F01N 9/00 - 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に延びる左右一対のメインパイ
    プを有するフレームと、 上記メインパイプの後半部の下方に配置され、エンジン
    および後輪が一体化されたパワーユニットと、 上記メインパイプの後半部の上に前後方向に並べて配置
    された燃料タンクおよび収納ボックスと、 これら燃料タンクおよび収納ボックスの上に配置された
    シートと、を具備し、 上記エンジンの排気系に、排出ガス中の未燃焼成分を燃
    焼させる二次空気を導入する二次空気導入管を接続し、
    この二次空気導入管に、その上流側から順にエアフィル
    タと、排気脈動に応じて開閉するリード弁および減速運
    転時に上記エアフィルタと上記エンジンの排気系との連
    通を遮断する常開形のカット弁を含む制御ユニットとを
    設置し、 上記制御ユニットは、上記パワーユニットに取り付ける
    とともに、上記エアフィルタは、上記燃料タンクと収納
    ボックスとの間に生じたスペースに配置し、このエアフ
    ィルタに連なる二次空気の吸入管は、上記燃料タンクと
    収納ボックスとの間を通して収納ボックスの側方に引き
    回すとともに、この収納ボックスの側面に沿って後方に
    導き、この吸入管の後端に、上記メインパイプの後端部
    よりも上方にて大気に連通される吸入口を設けたことを
    特徴とする自動二輪車の排気浄化装置。
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