JP2010061021A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部加熱方式の定着装置において、ベルト部材が傷付いたり、ベルト部材のスリップが生じたりすることを抑制する。
【解決手段】加熱ローラ4aおよび4bに懸架された外部加熱ベルト3を定着ローラ1に当接させてこの定着ローラ1を加熱する定着装置30において、外部加熱ベルト3の表面をクリーニングするためのスクレーパ7を、外部加熱ベルト3の内側面が加熱ローラ4aおよび4bに当接していない位置において外部加熱ベルト3の外側面に当接させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置およびこの定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、熱ローラ定着方式の定着装置が多用されている。熱ローラ定着方式の定着装置は、一般に、互いに圧接されたローラ対(定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対の両方あるいはいずれか一方の内部に配置されたハロゲンヒータ等からなる加熱手段によりローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録用紙をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行うようになっている。
ところで、カラー画像形成装置に備えられる定着装置においては、定着ローラ表層にシリコンゴム等からなる弾性層を設けた弾性ローラを用いることが一般的である。定着ローラを弾性ローラとすることにより、定着ローラ表面が、未定着トナー画像の凹凸に対応して弾性変形し、この未定着トナー画像を覆い包むように接触するため、モノクロに比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー画像を適切に定着させることができる。また、定着ニップ部での弾性層の歪み解放効果により、モノクロに比べてオフセットしやすいカラートナーに対して定着ローラからの離型性を向上することができる。さらに、定着ローラの弾性層が凹むことにより、定着ニップ部のニップ形状が上(定着ローラ側)に凸(所謂、逆ニップ形状)となるので、用紙の定着ローラからの剥離性能を向上させることができ、剥離爪等の剥離手段を用いずとも用紙の剥離が可能となり(セルフストリッピング)、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
ところが、このようなカラー画像形成装置に備えられる定着装置において、プロセス速度(定着ニップ部における用紙の移動速度;定着速度)を高速化すると、未定着トナー画像に十分な熱を付与できず、適切に定着させることができない場合がある。このため、プロセス速度を高速化する場合、未定着トナー画像に十分な熱を付与して定着処理を適切に行うためには、定着ニップ部のニップ幅を広くする必要がある。また、ニップ幅を広くする手段としては、(1)定着ローラの弾性層を厚くする方法、または(2)定着ローラ径を大きくする方法が考えられる。
しかしながら、弾性層の熱伝導性は非常に低いため、弾性層を具備し、従来のように内部に加熱手段を設ける定着ローラの構成では、プロセス速度を高速化したときに表面温度が上記加熱手段の温度変化に追従しなくなるという問題がある。このため、上記(1)のように弾性層を厚くすると、この定着ローラ表面の温度追従性の問題がより顕著になる。また、上記(1)の方法では、弾性層の熱伝導性が低いので、加熱のためのウォームアップ時間が長くなるという問題、および消費電力が増大するという問題がある。
また、上記(2)のように定着ローラ径を大きくした場合には、定着ローラのサイズが大きくなるので熱容量が大きくなり、加熱のためのウォームアップ時間が長くなるという問題、および消費電力が増大するという問題がある。
そこで、このような問題を解決するための技術として、定着ローラ表面に外部加熱手段を当接させ、定着ローラを外部から加熱する技術(外部加熱定着方式)が提案されている。
例えば、特許文献1には、定着部材と、複数の懸架ローラに懸架された無端ベルト(外部加熱ベルト)と、上記無端ベルトを加熱する加熱手段とを備え、上記無端ベルトを上記定着部材に圧接させることで上記定着部材を加熱する外部ベルト加熱定着方式の定着装置が開示されている。
また、特許文献2には、定着ローラと、加熱ローラと、定着ローラの外周面と加熱ローラの外周面との間に張架された無端状の定着ベルトと、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラとを備え、未定着トナー画像が形成された記録用紙を定着ベルトと加圧ローラとの圧接部(定着ニップ部)に給紙して通過させることで定着処理を行うベルト定着方式の定着装置が開示されている。このベルト定着方式についても、加熱ローラで加熱した定着ベルトを定着ローラの表面(外側)に搬送することで定着ローラを外部から加熱する構成なので、外部加熱方式の一種と考えられる。
これらの外部加熱方式を採用した定着装置では、熱容量の小さなベルトを用いることにより、定着ローラを外部から加熱するため、定着ローラを迅速に加熱することができ、ウォームアップ時間を短くすることができる。それゆえ、定着ローラの温度追従性の低下やウォームアップ時間の増大といった問題を抑制しつつ、定着ローラに低硬度の弾性層を厚く設けたり定着ローラの径を大きくしたりするなどして広いニップ幅を確保することができる。
特開2007−212896号公報(2007年8月23日公開) 特開2007−279344号公報(2007年10月25日公開)
しかしながら、上記特許文献1の技術では、定着ローラにおける外部加熱ベルトの当接位置よりも定着ローラの回転方向上流側の位置において定着ローラにクリーニングウェブを当接させることにより、定着ローラの表面に付着したトナーや紙粉等を除去し、トナーや紙粉等によって外部加熱ベルトが汚れることを防止している。このため、クリーニングウェブと定着ローラ表面とが摺擦することで定着ローラに傷が入り、画像欠陥が生じるという問題がある。
また、特許文献2の技術では、定着ベルトが加熱ローラに懸架されている位置において定着ベルトにクリーニングローラを押圧して定着ベルトに従動回転させることで定着ベルトの表面に付着したトナーや紙粉等を除去している。すなわち、特許文献2の技術では、定着ベルトを介してクリーニングローラと加熱ローラとが圧接する構成になっている。
このため、クリーニングローラと定着ベルトとの間、および定着ベルトと加熱ローラとの間に生じる摩擦抵抗やこれら各部材間に生じる摺擦などによって定着ベルトに傷が発生し、画像欠陥が生じやすいという問題がある。また、定着ベルトがクリーニングローラと加熱ローラとの圧接部に挟持される構成なので、定着ベルトには回転を妨げる方向に大きな負荷が生じる。このため、定着ベルトと定着ローラおよび加熱ローラとの間でスリップが生じやすくなるという問題もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部加熱方式の定着装置において、ベルト部材が傷付いたり、ベルト部材のスリップが生じたりすることを抑制することにある。
本発明の定着装置は、上記の課題を解決するために、定着ローラと、上記定着ローラを押圧する加圧部材と、上記定着ローラの表面に当接してこの定着ローラを加熱するための回転可能に支持された無端ベルトと、上記無端ベルトを加熱する加熱手段とを備え、上記定着ローラと上記加圧部材との間に未定着トナー画像が転写された記録材を供給して通過させることで上記未定着トナー画像を上記記録材に定着させる定着装置であって、上記無端ベルトが支持されていない位置においてこの無端ベルトの表面に当接してこの無端ベルトの表面に付着した汚れを除去するクリーニング部材を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記無端ベルトが支持されていない位置においてこの無端ベルトの表面に当接してこの無端ベルトの表面に付着した汚れを除去するクリーニング部材を備えている。これにより、従来のように無端ベルトが懸架ローラに支持されている位置においてクリーニング部材を無端ベルトに当接させる構成よりも、クリーニング部材と無端ベルトとの間に生じる摺動負荷を小さくすることができる。したがって、クリーニング部材と無端ベルトとの摺擦によって無端ベルトに傷が生じたり、無端ベルトの回転を妨げる方向の負荷が大きくなって無端ベルトのスリップが生じたりすることを抑制できる。
なお、上記クリーニング部材は、板状部材のエッジ部分を上記無端ベルトの表面に当接させてこの無端ベルトの表面に付着した汚れを除去するスクレーパであってもよい。
上記の構成によれば、無端ベルトが無端ベルトの表面に垂直な方向への移動を規制されていない位置において無端ベルトにスクレーパのエッジ部分を当接させて無端ベルトの表面に付着した汚れを除去できる。それゆえ、スクレーパの加工精度や取り付け精度にかかわらずスクレーパのエッジ部分が無端ベルトに柔軟に密着するため、無端ベルトに付着しているトナー等の汚れを適切に除去できる。また、クリーニング部材としてクリーニングウェブ等を用いる場合に比べてクリーニング部材の構成を簡略化することができるので、定着装置を小型化することができる。また、クリーニング部材としてクリーニングウェブを用いる場合に生じていた、クリーニングウェブが含有するシリコンオイルによって記録材の剥離性が低下するという問題を解消できる。
また、上記無端ベルトは、複数の懸架ローラに懸架されることで支持されており、上記無端ベルトにおける上記懸架ローラと当接しない側の表面である外側面が上記定着ローラに当接する構成であってもよい。
上記の構成によれば、無端ベルトの外側面を定着ローラに当接させることによって定着ローラの表面を加熱することができる。また、定着ローラから無端ベルトに移行したトナー等の汚れをクリーニング部材によって除去できる。また、定着ローラに付着したトナー等の汚れを無端ベルトに移行させ、無端ベルトに移行したトナー等の汚れをクリーニング部材によって除去することができるので、無端ベルトによって定着ローラの表面をクリーニングできる。したがって、定着ローラの表面をクリーニングするためのクリーニング手段を省略あるいは簡略化することができる。
また、上記無端ベルトは、上記定着ローラと1つ以上の懸架ローラとに懸架されることで支持されており、上記加圧部材は上記無端ベルトを介して上記定着ローラを押圧しており、上記無端ベルトにおける上記定着ローラに当接しない側の表面である外側面と上記加圧部材との間に上記未定着トナー画像が転写された記録材を供給して通過させることで上記未定着トナー画像を上記記録材に定着させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、無端ベルトの内側面を定着ローラに当接させることによって定着ローラの表面を加熱し、定着ローラから無端ベルトを介して伝達される熱によって記録材上のトナーを定着させることができる。また、記録材から無端ベルトに移行したトナー等の汚れをクリーニング部材によって除去できる。
また、上記スクレーパは金属製であってもよい。
上記の構成によれば、金属性のスクレーパを用いることにより、スクレーパの加工精度を高くすることができるので、スクレーパのエッジ部分を均一に無端ベルトに当接させることができる。したがって、無端ベルトの表面に付着したトナー等の汚れをより適切に除去することができる。また、スクレーパと無端ベルトとの当接によって無端ベルトに作用する摩擦力(摺動負荷)を小さくできるので、無端ベルトに傷が生じたり、無端ベルトのスリップが生じたりすることを抑制できる。
また、上記スクレーパは、板状部材を折り曲げた折り曲げ部と、上記折り曲げ部に対して上記エッジ部を有する側であるクリーニング部と、上記折り曲げ部に対して上記クリーニング部とは異なる側である保持部とを有し、上記保持部がこの定着装置の筐体に固定されており、上記折り曲げ部には、この折り曲げ部がなす直線の延伸方向に交差する方向に上記板状部材を切り込んだ開口部が設けられている構成であってもよい。
上記の構成によれば、無端ベルトからの熱によってスクレーパが加熱され、スクレーパに熱膨張による変形が生じた場合であっても、上記開口部によってこの熱膨張に起因する変形を吸収できる。したがってスクレーパのエッジ部分が熱膨張に起因する変形によって波打つなどしてスクレーパと無端ベルトとが均一に密着しなくなり、トナー等の汚れがスクレーパと無端ベルトとの間をすり抜けることを防止できる。これにより、無端ベルトの表面をより効果的にクリーニングすることができ、無端ベルトに付着したトナー等の汚れに起因する画像欠陥の発生を防止できる。
また、上記スクレーパは、板状部材を折り曲げた互いに平行な複数の折り曲げ部と、上記複数の折り曲げ部に対して上記エッジ部を有する側であるクリーニング部と、上記複数の折り曲げ部に対して上記クリーニング部とは異なる側である保持部とを有し、上記保持部がこの定着装置の筐体に固定されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、折り曲げ部を複数設けることによってスクレーパにおける各平面部分の面積を小さくすることができ、スクレーパの剛性を向上させることができる。これにより、スクレーパに対する曲げ等の加工時にスクレーパにそりやひずみが生じることを抑制し、スクレーパにおけるエッジ部分の寸法精度(真直度)を向上させることができる。したがって、スクレーパのエッジ部分を無端ベルトに略均一に当接させることができるので、スクレーパと無端ベルトとの間に部分的に隙間が生じ、掻き取った汚れがスクレーパと無端ベルトとの間をすり抜けることを抑制できる。
また、上記無端ベルトに対する当接位置が上記無端ベルトの回転方向に沿って順次並ぶように配置された複数の上記スクレーパを備えている構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記無端ベルトの回転方向上流側のスクレーパで掻き取った汚れがこのスクレーパと上記無端ベルトとの間をすり抜けたとしても、この汚れを回転方向下流側のスクレーパで回収することができる。したがって、無端ベルト上の汚れをより適切に取り除くことができる。
また、上記各スクレーパを上記無端ベルトに押し当てて当接させることによって上記無端ベルトにおける上記各スクレーパとの当接部が変位する距離である上記各スクレーパによる上記無端ベルトの押下量は、上記無端ベルトに対する当接位置が上記無端ベルトの回転方向下流側であるほど大きい構成としてもよい。
上記の構成によれば、各スクレーパによる無端ベルトの押下量は無端ベルトに対する当接位置が回転方向下流側であるほど大きくなるので、これら各スクレーパを無端ベルトに確実に当接させることができる。これにより、上記無端ベルトの回転方向上流側のスクレーパで掻き取った汚れがこのスクレーパと上記無端ベルトとの間をすり抜けたとしても、この汚れを回転方向下流側のスクレーパによって回収することができるので、無端ベルト上の汚れをより適切に取り除くことができる。
本発明に係る定着装置は、上記スクレーパの表面に、フッ素樹脂によるコーティングが施されていてもよい。
上記の構成によれば、トナー等の汚れがスクレーパのエッジ部分に堆積することを抑制できるので、堆積したトナーによってスクレーパが押し上げられ、無端ベルトとスクレーパとの間をトナー等の汚れがすり抜けてしまうことを防止できる。また、スクレーパのエッジ部分に堆積したトナー等の汚れによってスクレーパのエッジ部分に局所的な荷重が作用することを抑制し、スクレーパの寿命を延ばすことができる。
また、上記コーティングは、上記無端ベルトにおける上記スクレーパに当接する面の表層材とは異なる材料で施されていてもよい。
上記の構成によれば、スクレーパの表層と無端ベルトの表層との親和性が高くなることによってスクレーパと無端ベルトとの摩擦係数が大きくなることを防止できる。これにより、無端ベルトのスリップを防止することができる。また、スクレーパが摩擦力によって無端ベルトの回転に引っ張られて変形することを防止できる。
また、上記無端ベルトにおける上記スクレーパとの当接部から上記無端ベルトの回転方向上流側部分の表面に対する、上記スクレーパにおける上記無端ベルトとの当接部を含む表面であって上記無端ベルトにおける上記当接部から回転方向上流側部分の表面に対向する側の表面の傾斜角度である当接角度が90°より大きい構成としてもよい。
上記当接角度が90度未満である場合、スクレーパによって掻き取ったトナー等の汚れが無端ベルトとスクレーパとの当接部分に堆積してしまい、堆積したトナーによってスクレーパが押し上げられて無端ベルトとスクレーパとの間をトナー等の汚れがすり抜けてしまったり、トナー等の汚れが無端ベルトおよびスクレーパの当接部に固着して無端ベルトの回転を阻害してしまったりする場合がある。これに対して、上記の構成によれば、スクレーパによって掻き取られたトナー等の汚れはこのスクレーパの面上にすくい上げられるので、トナー等の汚れがスクレーパのエッジ部分に堆積することを抑制できる。これにより、トナー等の汚れが無端ベルトとスクレーパとの間をすり抜けることを防止してクリーニング性能が低下するとともに、トナー等の汚れが無端ベルトおよびスクレーパの当接部に固着して無端ベルトの回転を阻害してしまうことを防止できる。
また、上記当接角度は135°以上165°以下の範囲であってもよい。
上記の構成によれば、上記当接角度を135°以上にすることにより、スクレーパのエッジ部分が無端ベルトの回転に引きずられ変形してしまうことを防止できる。また、上記当接角度を165°以下にすることにより、スクレーパと無端ベルトとが面接触に近い状態で当接することによって無端ベルト上のトナー等の汚れを適切に掻き取ることができなくなり、クリーニング性能が低下することを防止できる。
また、上記スクレーパを上記無端ベルトに押し当てて当接させることによって上記無端ベルトにおける上記スクレーパとの当接部が変位する距離である上記スクレーパによる上記無端ベルトの押下量は、0.3mm以上1mm以下であってもよい。
上記押下量が小さすぎる場合、無端ベルトに対するスクレーパの押圧力が弱いので、例えば無端ベルトが波打ちながら回転する場合などにスクレーパのエッジ部分を無端ベルトの幅方向について均一に当接させることができない場合がある。一方、上記押下量が大きすぎる場合、無端ベルトに対するスクレーパの押圧力が強いために無端ベルトにダメージ(傷付き)が生じたり、無端ベルトの回転を妨げる方向の負荷が大きいために無端ベルトのスリップが生じたりする場合がある。これに対して、上記の構成によれば、スクレーパによる無端ベルトの押下量を0.3mm以上1mm以下とすることにより、スクレーパのエッジ部分を無端ベルトの幅方向について均一に当接させるとともに、スクレーパの当接によって無端ベルトにダメージが生じることや無端ベルトのスリップが生じることを抑制できる。
また、上記無端ベルトの外側面が上記定着ローラに当接する構成において、上記無端ベルトの外側面は上記定着ローラの表面と同じ材料で形成されていてもよい。
上記の構成によれば、無端ベルトの方が定着ローラよりも温度が高いため、定着ローラに付着したトナーを無端ベルトに移行させることができる。また、無端ベルトの外側面を定着ローラの表面よりもトナーの離型性が低い材料で形成する場合に比べて、定着ローラから無端ベルトに移行するトナーの量を低減させることができる。したがって、クリーニング部材に過大な量のトナーが付着してその後のクリーニングが困難になることを防止できる。
また、上記無端ベルトの外側面が上記定着ローラに当接する構成において、上記無端ベルトの外側面は上記定着ローラの表面よりもトナーの離型性が低い材料で形成されていてもよい。
上記の構成によれば、無端ベルトに付着したトナーが定着ローラに移行することを抑制できるので、定着ローラにトナーが付着することによって画像欠陥が生じることを抑制できる。
また、上記クリーニング部材の下方に、上記クリーニング部材によって上記無端ベルトから除去された汚れを収容するための収容部材を備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、クリーニング部材によって除去したトナー等の汚れを収容部材に収容できるので、除去したトナー等の汚れが無端ベルト、定着ローラ、あるいは記録材等に再付着することを防止できる。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの定着装置を備えている。
上記の構成によれば、クリーニング部材と無端ベルトとの摺擦によって無端ベルトに傷が生じたり、無端ベルトの回転を妨げる方向の負荷が大きくなって無端ベルトのスリップが生じたりすることを抑制できる。
以上のように、本発明の定着装置は、上記無端ベルトが支持されていない位置においてこの無端ベルトの表面に当接してこの無端ベルトの表面に付着した汚れを除去するクリーニング部材を備えている。
それゆえ、クリーニング部材と無端ベルトとの摺擦によって無端ベルトに傷が生じたり、無端ベルトの回転を妨げる方向の負荷が大きくなって無端ベルトのスリップが生じたりすることを抑制できる。
[実施の形態1]
本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明を、外部から伝達された画像データに応じて記録用紙または記録用フィルム等の記録材に対して多色または単色の画像を形成するカラータンデム方式の画像形成装置に適用する場合について説明する。ただし、本発明の適用対象はこれに限るものではなく、ベルト定着方式あるいは外部ベルト加熱定着方式を用いた定着装置を有する画像形成装置であれば適用できる。
<画像形成装置の構成>
図2は、本実施形態にかかる画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。
この図に示すように、画像形成装置100は、露光ユニット(光学系ユニット)E、4組の可視画像形成ユニットpa〜pd、中間転写ベルトユニット110、二次転写ユニット114、定着装置30、内部給紙ユニット116、および手差し給紙ユニット117を備えている。なお、画像形成装置100に備えられる各部材の動作は、図示しないCPU等からなる制御部によって制御される。
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。このため、図2に示すように、上記各色に対応する4組の可視画像形成ユニットpa〜pdが設けられており、これら4組の可視画像形成ユニットpa〜pdによって形成された4色のトナー画像が中間転写ベルト111上で重ね合わされるようになっている。
可視画像形成ユニットpaは、トナー画像担持体である回転可能に備えられた感光体101aの周囲に、帯電ユニット103a、現像ユニット102a、およびクリーニングユニット104aが感光体101aの回転方向に沿ってこの順で配置された構成である。
帯電ユニット103aは、感光体101aの表面を所定の電位に均一に帯電させるためのものである。本実施形態では、帯電ユニット103aとして、オゾンを極力発生させることなく感光体101aの表面を一様に帯電させるために、帯電ローラ方式(接触帯電方式)を採用している。ただし、帯電ユニット103aの構成はこれに限るものではなく、例えば、コロナ放電方式などの非接触型の帯電器を用いてもよく、ブラシ帯電などの接触型の帯電器を用いてもよい。
現像ユニット102aは、感光体101a上に形成された静電潜像をトナーによって顕像化する現像処理を行う。上記トナーとしては、例えば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤(磁性トナー)等を用いることができる。
クリーニングユニット104aは、トナー画像を中間転写ベルト111に転写した後に感光体101a表面に残留したトナーを除去・回収するためのものである。
なお、可視画像形成ユニットpb〜pdは現像処理に用いるトナーの色が異なる以外は可視画像形成ユニットpaと実質的に同様の構成である。すなわち、各可視画像形成ユニットpa,pb,pc,pdの現像ユニットにはそれぞれブラック(B),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)のトナーが収容されている。
露光ユニットEは、帯電ユニット103a〜103dによって帯電された感光体101a〜101dを画像データに応じて露光することにより、各感光体101a〜101dの表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。露光ユニットEには、レーザ照射部140および反射ミラー141などを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)が用いられている。なお、露光ユニットEとして、発光素子をアレイ状に並べた、例えばELやLED書込みヘッドなどを用いてもよい。
中間転写ベルトユニット110は、中間転写ベルト111、中間転写ベルト駆動ローラ(テンションローラ)111a、中間転写ベルト従動ローラ(テンションローラ)111b、中間転写ベルトクリーニングユニット112、および中間転写ローラ113a〜113dを備えている。
中間転写ベルト111は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムからなる無端状のベルトであり、中間転写ローラ113a〜113d、中間転写ベルト駆動ローラ111a、および中間転写ベルト従動ローラ111bに張架され、図2に示した矢印B方向に回転駆動される。また、感光体101a〜101d上に形成された各色のトナー画像は中間転写ベルト111に順次重ね合うように転写され、この中間転写ベルト111上にカラーのトナー画像(多色トナー画像)が形成されるようになっている。なお、中間転写ローラ113a〜113dは、感光体101a〜101dにおけるユニット102a〜102dとの対向部とクリーニングユニット104a〜104dとの対向部との間の位置において中間転写ベルト111を介して感光体101a〜101dに対向するように配置されておち、これら中間転写ローラ113a〜113dにトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧を印加することによって感光体101a〜101d上のトナー画像が中間転写ベルト111上に転写されるようになっている。また、中間転写ベルト111上に形成されたトナー画像は、中間転写ベルト駆動ローラ111aと二次転写ユニット114との対向部に搬送され、この対向部に搬送される記録用紙上に転写されるようになっている。なお、中間転写ベルトクリーニングユニット112は中間転写ベルト111に当接し、記録用紙上へのトナー画像の転写後に中間転写ベルト111上に残留したトナーを除去・回収する。
定着装置30は定着ローラ1と、この定着ローラ1に対して図示しない加圧手段によって所定の荷重で圧接された加圧ローラ(加圧部材)2とを備えている。そして、二次転写ユニット114によってトナー画像を転写された記録用紙を定着ローラ1と加圧ローラ2との圧接部(定着ニップ部)に給紙し、この圧接部を通過させることで熱と圧力とによりトナー画像の定着を行う。なお、記録用紙における未定着トナー画像が形成された面は定着ローラ1に当接し、記録用紙における未定着トナー画像が形成された面とは反対側の面は加圧ローラ2に当接する。定着装置30の詳細については後述する。
内部給紙ユニット116は、画像形成に使用する記録用紙(記録材)を蓄積しておくためのものである。また、手差し給紙ユニット117は、画像形成装置100の側壁に折り畳み自在に設けられ、手差しによる記録用紙の給紙を行うためのものである。また、排紙トレイ118は、画像形成済みの記録用紙を載置するためのトレイである。
また、画像形成装置100には、内部給紙ユニット116からピックアップローラ116aによって給紙される記録用紙、および手差し給紙ユニット117からピックアップローラ117aによって給紙される記録用紙を二次転写ユニット114や定着装置30を経由させて排紙トレイ18に送るための用紙搬送路が設けられている。用紙搬送路には、記録用紙を搬送するためのローラ部材が多数配置されている。
<定着装置>
図1は、定着装置30の構成を示す断面図である。この図に示すように、定着装置30は、定着ローラ(定着部材)1と、加圧ローラ(加圧部材)2と、外部加熱ユニット(外部加熱装置)13とを備えている。
定着ローラ1は、所定の定着温度(本実施形態では180℃)に加熱されるとともに、図示しない回転駆動手段によって図1に示した矢印方向に回転駆動されるローラであり、金属製の中空円筒形状の芯金1a、芯金1aの外周面を覆う弾性層1b、弾性層1bを覆う離型層1cの3層構造によって構成されている。なお、本実施形態では定着ローラ1の表面の移動速度、すなわち定着速度(プロセス速度)を225mm/secに設定しており、これによって複写速度(印刷速度)40枚/分で画像形成を行えるようになっている。
芯金1aは、厚さ2mmのアルミニウムからなるものであり、筒状の形状をしている。なお、芯金1aの材質はアルミニウムに限定されるものではなく、例えば、鉄やステンレス等からなるものであってもよい。弾性層1bは厚さ2.5mmの耐熱性を有するシリコンゴムからなる。なお、弾性層1bの材質はシリコンゴム限定されるものではなく、例えば、フッ素ゴム等を用いてもよい。離型層1cは厚さ40μmのPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)チューブからなる。なお、離型層1cの材質としては、耐熱性および耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れているものであればよく、PFAの他、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用してもよい。こうして構成された定着ローラ1の外径は40mmである。
定着ローラ1の周面には当該周面の温度を検出するサーミスタ6bが配置されており、定着ローラ1の内部には、電力を供給されることによって熱輻射を行うヒータランプ5cが設置されている。ヒータランプ5cは定着ローラ1の熱源であり、制御部(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ5cに供給する電力を制御することにより、ヒータランプ5cを発光させて赤外線を放射させる。これにより、定着ローラ1の内周面がヒータランプ5cから放射される赤外線を吸収して加熱され、定着ローラ1の全体が加熱されるようになっている。
加圧ローラ2は、図示しないばね等の加圧部材によって定着ローラ1に所定の荷重(本実施形態では360N)で圧接されて定着ローラ1との間で定着ニップ部8(本実施形態では定着ニップ幅(定着ニップ部8における記録用紙9の搬送方向の幅)8mm)を形成するとともに、定着ローラ1に従動回転するローラであり、定着ローラ1と同様、金属製の中空円筒形状の芯金2a、芯金2aの外周面を覆う弾性層2b、弾性層2bを覆う離型層2cの3層構造によって構成されている。
なお、本実施形態では、加圧ローラ2として、定着ローラ1と同様、厚さ2mmのアルミニウムからなる芯金2a上に厚さ2.5mmのシリコンゴムからなる弾性層2bを形成し、さらに弾性層2b上に厚さ40μmのPFAチューブからなる離型層2cを形成したものを用いた。ただし、加圧ローラ2の構成はこれに限るものではなく、例えば、鉄やステンレス等からなる芯金2aを用いてもよく、フッ素ゴム等からなる弾性層2bを用いてもよく、PTFE等のフッ素系材料からなる離型層2cを用いてもよい。また、本実施形態では、加圧ローラ2として、定着ローラ1と同形状、同材質のものを用いているが、これに限るものではない。例えば、加圧ローラ2の硬度を定着ローラ1の硬度よりも高くしてもよい。この場合、加圧ローラ2と定着ローラ1との間に形成される定着ニップ部を逆ニップ形状(加圧ローラ2の形状は殆ど変わらず定着ローラ1が若干凹む形状)にすることができ、記録用紙が定着ニップ部から排出される際の定着ローラ1に対する自己剥離性を向上させることができる。
また、加圧ローラ2の周面には当該周面の温度を検出するサーミスタ6cが配置されており、加圧ローラ2の内部にはヒータランプ5dが設置されている。ヒータランプ5dは加圧ローラ2の熱源であり、制御部(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ5dに供給する電力を制御することにより、ヒータランプ5dから赤外線を放射させて加圧ローラ2の内周面を加熱するようになっている。
外部加熱ユニット13は、定着ローラ1の外周面を加熱するためのものであり、加熱ローラ4aおよび4b、外部加熱ベルト(無端ベルト)3、ヒータランプ(加熱手段)5aおよび5b、サーミスタ6a、スクレーパ(クリーニング部材)7、トナー受け(収容部材)12、およびこれら各部材を収容する外部加熱ユニットホルダ(筐体)11を備えている。
加熱ローラ4aおよび4bは、直径16mmで、厚さ0.75mmのアルミニウムからなる中空円筒状の芯材である。なお、加熱ローラ4aおよび4bの材質はアルミニウムに限るものではなく、例えば鉄やステンレス等の金属製芯材を用いてもよい。また、加熱ローラ4aおよび4bのサイズは上記のサイズに限るものではなく、適宜変更してもよい。
外部加熱ベルト3は加熱ローラ4aおよび4bに懸架された無端状のベルト部材である。本実施形態では、外部加熱ベルト3として、直径31.5mm、厚さ90μmのポリイミドのベルト基材に厚さ20μmのPTFEコートを施したものを用いた。ただし、外部加熱ベルト3の構成はこれに限るものではない。例えば、ポリイミドからなるベルト基材に代えて、他の耐熱樹脂、あるいはステンレスまたはニッケル等の金属材料からなる中空円筒状(無端状)のベルト基材を用いてもよい。また、ベルト基材の外側面に離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(例えばPFAまたはPTFE等のフッ素樹脂)を形成した2層構造としてもよい。また、本実施形態では、外部加熱ベルト3の寄り力(外部加熱ベルト3の回転時にこの外部加熱ベルト3を回転軸方向(幅方向)に移動させるように作用する力)を低減するためにベルト基材の内側面にPTFEからなるコーティングを施したが、これに限らず、例えばPFA等の他のフッ素樹脂によってコーティングしてもよく、コーティングを省略してもよい。
また、外部加熱ベルト3は、定着ローラ1表面における定着ニップ部よりも定着ローラ1の回転方向下流側、かつサーミスタ6bよりも定着ローラ1の回転方向上流側の位置において、図示しないばね等の加圧手段によって定着ローラ1に所定の荷重(本実施形態では40N)で圧接するように設けられている。これにより、定着ローラ1との間に加熱ニップ部(定着ローラ1と外部加熱ベルト3とが互いに当接する部分)10が形成される。また、外部加熱ベルト3は、定着ローラ1の回転時には、定着ローラ1に従動回転するようになっており、加熱ローラ4aおよび4bは外部加熱ベルト3従動回転するようになっている。なお、加熱ニップ部10の加熱ニップ幅(加熱ニップ部10の定着ローラ回転方向の幅)は、外部加熱ベルト3が定着ローラ1を適切に加熱することができ、かつ外部加熱ベルト3が定着ローラ1に適切に従動回転できるように適宜設定すればよい。本実施形態では、加熱ニップ幅を20mmとしている。
ヒータランプ5aは加熱ローラ4aの内部に備えられてこの加熱ローラ4aを内面側から加熱する熱源であり、ヒータランプ5bは加熱ローラ4bの内部に備えられてこの加熱ローラ4bを内面側から加熱する熱源であり、制御部(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ5aおよび5bに供給する電力を制御することにより、ヒータランプ5aおよび5bから赤外線が放射され、それによって加熱ローラ4aおよび4bの内周面が加熱される。そして、加熱ローラ4aおよび4bを介して外部加熱ベルト3が所定の温度(本実施形態では220℃)に加熱され、外部加熱ベルト3を所定の温度に加熱した状態で定着ローラ1表面に当接させることによって定着ローラ1の表面を外部から加熱するようになっている。
サーミスタ6aは、外部加熱ベルト3の表面温度を検出するためのものである。
スクレーパ(クリーニング部材)7は、定着ローラ1から外部加熱ベルト3に移行したトナーや紙粉等の汚れを除去して定着ローラ1の表面をクリーニングするためのものである。
つまり、図1に示したように、定着ローラ1は、未定着のトナーを定着させるために、記録用紙9における未定着トナー画像が形成された面に当接する。このため、記録用紙9上のトナーや紙粉等の汚れが定着ローラ1に付着する。そして、定着ローラ1に付着したトナーや紙粉等の汚れは、定着ローラ1と外部加熱ベルト3との当接部において外部加熱ベルト3に付着する。スクレーパ7は、このようにして外部加熱ベルト3に付着したトナーや紙粉等の汚れを掻き取って取り除くものである。
トナー受け12は、スクレーパ7によって外部加熱ベルト3から除去されたトナーや紙粉等を収容するためのものであり、スクレーパ7の下方における外部加熱ユニットホルダ11と外部加熱ベルト3との隙間の部分に設けられている。トナー受け12の材質は特に限定されるものではないが、例えば、りん青銅またはステンレス等の金属板を折り曲げて形成してもよい。トナー受け12がない場合、スクレーパ7によってすくい上げられたトナー汚れがスクレーパ7から脱落して外部加熱ユニット13から排出されて定着ローラ1に付着し、記録用紙9がトナーで汚れてしまう恐れがある。これに対して、トナー受け12を設けることにより、スクレーパ7で掻き取られたトナー等の汚れがスクレーパ7の先端から脱落した場合でも、脱落したトナーをトナー受け12で回収できるので、脱落したトナーが定着ローラ1に再度付着して記録用紙9を汚すことを抑制できる。
上記制御部は、サーミスタ6a,6b,6cの温度検出結果に応じて、外部加熱ベルト3、定着ローラ1、および加圧ローラ2の温度を所定の温度に近づけるように、あるいは所定の温度に保つようにヒータランプ5a〜5dのそれぞれに対する供給電力を制御する。
このようにして、定着装置30では、所定の温度に加熱されて所定の荷重で圧接された定着ローラ1と加圧ローラ2との間に未定着トナー画像が形成された記録用紙9を給紙して通過させ、未定着トナー画像を記録用紙9に定着させるようになっている。
なお、本実施形態では、定着ローラ1および加圧ローラ2の内部に加熱手段としてのヒータランプを備えているが、これに限らず、例えば定着ローラ1および加圧ローラの一方のみにヒータランプを設けてもよく、定着ローラ1および加圧ローラのいずれにもヒータランプを設けない構成としてもよい。
また、本実施形態では、外部加熱ベルト3が2つの加熱ローラ4aおよび4bに懸架されている構成について説明したが、これに限るものではなく、3つ以上のローラに懸架されていてもよい。
また、本実施形態では、定着ローラ1を押圧する加圧部材として加圧ローラ2を用いているが、加圧部材の構成はこれに限るものではなく、例えばベルト形状の加圧部材を用いてもよい。
<スクレーパの詳細説明>
図3は、スクレーパ7の正面図および側面図である。スクレーパ7は、厚さ0.3mmのステンレスからなる保持部7bと、保持部7bの先端部を鋭角(角度η。本実施形態ではη=30°)に折り曲げたクリーニング部(スクレーパ部)7aとからなるV字形状を有している。また、図3に示すように、保持部7bおよびクリーニング部7aにおける上記折り曲げ部を含む位置には、外部加熱ベルト3の幅方向に沿って所定の間隔でスリット(開口部)7c(折り曲げ部がなす直線と交差する方向の切り込み)が設けられている。なお、本実施形態では上記折り曲げ部がなす直線に略垂直な方向に切り込んだ幅1mmのスリット7cを10mmピッチの間隔で設けた。また、本実施形態では、スクレーパ7の表面をPFAでコーティングした。
図4は外部加熱ユニット13の断面図である。この図に示すように、スクレーパ7におけるクリーニング部7aの先端が外部加熱ベルト3に当接するように、スクレーパ7の保持部7bが外部加熱ユニットホルダ11の内側面に固定されている。なお、クリーニング部7aの先端は、2本の加熱ローラ4aおよび4bの間にテンションを付与された状態で懸架された外部加熱ベルト3のフリーな状態の位置(外部加熱ベルト3の内側面が加熱ローラ4aおよび4bと接していない位置)で、外部加熱ベルト3の外側面と当接している。また、クリーニング部7aの先端(エッジ部分)は、外部加熱ベルト3の回転方向に対してカウンタ方向になるように、すなわち、外部加熱ベルト3におけるスクレーパ7との当接部から外部加熱ベルト3の回転方向上流側部分の外側面に対する、スクレーパ7における外部加熱ベルト3との当接部を含む表面であって外部加熱ベルト3における上記当接部から回転方向上流側部分の外側面に対向する側の表面の傾斜角度である当接角度θ(本実施形態ではθ=150°)が90°より大きくなるように当接している。
図5は、外部加熱ユニット13における外部加熱ベルト3とスクレーパ7との当接部の要部拡大図である。この図に示すように、スクレーパ7の形状および設置位置は、このスクレーパ7におけるクリーニング部7aの先端が外部加熱ベルト3を当該外部加熱ベルト3の理想軌道(すなわち、スクレーパ7と外部加熱ベルト3との当接部に対して外部加熱ベルト3の回転方向上流側および下流側に位置する2つの外部加熱ローラ4a・4bの共通接線)に対して所定の押下量d(本実施形態ではd=0.6mm)だけ押下するように設定されている。
以上のように、本実施形態にかかる定着装置30では、外部加熱ベルト3の表面をクリーニングするためのスクレーパ7を、外部加熱ベルト3の内側面が加熱ローラ4aおよび4bに接していない位置において外部加熱ベルト3の外側面に当接させる。
これにより、従来のように外部加熱ベルトが懸架ローラに懸架されている位置においてクリーニング部材を外部加熱ベルトに当接させる構成よりも、クリーニング部材と外部加熱ベルトとの間に生じる摺動負荷を小さくすることができる。したがって、クリーニング部材と外部加熱ベルトとの摺擦によって外部加熱ベルトに傷が生じたり、外部加熱ベルトの回転を妨げる方向の負荷が大きくなって外部加熱ベルトのスリップが生じたりすることを抑制できる。
なお、本実施形態では、クリーニング部材として板状部材のエッジ部分を外部加熱ベルト3に当接(線接触)させて外部加熱ベルト3の表面(外側面)に付着したトナー等を掻き取って除去するスクレーパ7を用いているが、これに限らず、外部加熱ベルト3に当接してこの外部加熱ベルト3の表面をクリーニングするものであればよい。例えば、スポンジ状の部材やローラ状の部材を用いてもよく、クリーニングウェブを用いてもよい。
ただし、本実施形態のようにスクレーパ7を用いていることにより、クレーニング部材としてクリーニングウェブを用いる場合に生じていた、クリーニングウェブが含有するシリコンオイルによって定着ローラからの用紙の剥離性が低下するという問題を解消できるという利点がある。また、クリーニング部材としてスクレーパを用いることにより、クリーニングウェブを用いた構成に比べてクリーニング部材の構成を簡略化および小型化できるので、定着装置30を小型化できるという利点もある。
また、本実施形態では、ステンレスからなるスクレーパ7を用いるものとしたが、スクレーパ7の材質はこれに限るものではなく、例えばりん青銅等の他の金属板を用いてもよく、耐熱性樹脂や耐熱性高硬度ゴム等の非金属材料を使用してもよい。ただし、ゴムまたは樹脂等の他の材料に比べて加工精度が高く、スクレーパ7の先端を均一に外部加熱ベルト3に当接させることが容易になり、それによって外部加熱ベルト3とスクレーパ7との摺動負荷を小さくして外部加熱ベルト3のスリップを抑制できるので、スクレーパ7の材質は金属にすることが好ましい。
また、スクレーパ7の厚さについても上記した厚さに限るものではなく、適宜変更してもよい。また、スクレーパ7の形状についてもV字形状に限らず、外部加熱ベルト3と当接してこの外部加熱ベルト3の表面をクリーニングできる構成であればよい。
また、金属等の熱膨張を生じる材質からなるスクレーパ7を用いる場合、上記のようにクリーニング部7aと保持部7bとの間の折り曲げ部にスリット7cを設けることが好ましい。これにより、スクレーパ7の熱膨張によってクリーニング部7aの先端部に歪みが生じて波打つことにより外部加熱ベルト3とスクレーパ7との間に部分的な隙間が生じることを抑制し、クリーニング部7aの先端を外部加熱ベルト3に均等に当接させることができる。なお、スリット7cの形状、個数、および間隔は図3に示した例に限るものではなく、スクレーパ7の熱膨張が生じた場合でもエッジ部分を外部加熱ベルト3に均等に当接させることができるように適宜変更してもよい。
また、本実施形態では、外部加熱ベルト3に対するスクレーパ7の先端の当接角度θを150°としているがこれに限るものではない。ただし、外部加熱ベルト3に対するスクレーパ7の先端の当接角度θは、外部加熱ベルト3の回転方向に対してカウンタ方向であり、かつ135°以上165°以下であることが好ましい。スクレーパ7の当接角度θが135°より小さい場合、スクレーパ7の先端が外部加熱ベルト3に引きずられ反転してしまう(外部加熱ベルト3の回転方向に対してウィズ方向(当接角度θが90°未満になる方向)に当接するようになる)おそれがある。また、当接角度θが165°より大きい場合、外部加熱ベルト3に対してスクレーパ7の先端が寝過ぎているため、外部加熱ベルト3に対して腹当り気味(スクレーパ部7aの先端部が外部加熱ベルト3に線接触する状態ではなく、スクレーパ7aの板状部分が外部加熱ベルト3に面接触する状態)となり、十分なクリーニング性能を発揮できないおそれがある。
また、本実施形態では、外部加熱ベルト3に対するスクレーパ7の先端の押下量dを0.6mmとしているがこれに限るものではない。ただし、外部加熱ベルト3に対するスクレーパ7の先端の押下量dは、0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。スクレーパ7の押下量dが0.3mmより小さい場合、外部加熱ベルト3が波打ちながら回転したときに、スクレーパ7と外部加熱ベルト3の間に隙間が生じ、外部加熱ベルト3からかきとった汚れがスクレーパ7と外部加熱ベルト3との間をすり抜けるおそれがある。また、上記押下量が1mmより大きい場合、スクレーパ7によって外部加熱ベルト3に加えられる荷重が大きくなり、スクレーパ7の先端によって外部加熱ベルト3にダメージ(傷付き)が生じたり、外部加熱ベルト3の回転を妨げる方向の負荷が大きくなって外部加熱ベルト3が加熱ローラ4a・4bとスリップしたりするおそれがある。
また、本実施形態では、スクレーパ7の表面をPFAによってコーティングしている。これにより、スクレーパ7の先端で掻き取ったトナーがスクレーパ7の先端に付着して堆積することを抑制し、堆積したトナー等の汚れによってスクレーパに局所的な荷重が作用することを抑制し、スクレーパ7の寿命を延ばすことができる。なお、スクレーパ7をコーティングする材料はPFAに限るものではない、例えば、PTFE等の他のフッ素樹脂材料、あるいは複数種類のフッ素樹脂材料をブレンドしたものなどを用いることができる。
なお、スクレーパ7をコーティングする材料としては、外部加熱ベルト3の離型層に用いられているフッ素樹脂材料とは異なるものを用いることがより好ましい。これは、スクレーパ7のコーティングと外部加熱ベルト3の離型層とに同じ種類のフッ素樹脂材料を使用した場合、材料同士の親和性が高くなり、スクレーパ7と外部加熱ベルト3との摩擦係数が高くなって外部加熱ベルト3と定着ローラ1との間でスリップが生じたり、スクレーパ7が摩擦力によって外部加熱ベルト3に引っ張られて反転したりするといった問題が起こりうるためである。
また、本実施形態では、定着ローラ1の表層(離型層)としてPFAチューブを用い、外部加熱ベルト3の表層(離型層)材としてPFAチューブよりもトナーに対する離型性が低いPTFEを用いている。このように、外部加熱ベルト3の表面におけるトナーの離型性を定着ローラ1の表面におけるトナーの離型性よりも低くしておくことで、定着ローラ1に付着したトナー汚れが外部加熱ベルトに移行しやすくなる。したがって、外部加熱ベルト3による定着ローラ1の表面のクリーニング効果を向上させ、定着ローラ1の表面がトナーで汚れることを抑制できる。なお、外部加熱ベルト3の表面におけるトナーの離型性を定着ローラ1の表面におけるトナーの離型性よりも低くするための組み合わせとしては、例えば、(1)定着ローラ1の離型層にPFAチューブ、外部加熱ベルト3の離型層にPTFEコーティングを用いた構成(本実施形態の構成)、(2)定着ローラ1の離型層にPFAチューブ、外部加熱ベルト3の離型層にPFAコーティングを用いた構成、(3)定着ローラ1の離型層にPFAコーティング、外部加熱ベルト3の離型層にPTFEコーティングを用いた構成などが挙げられる。
ただし、スペース的な制約等によりスクレーパ7でトナーを掻き取れる量に限界がある場合、定着ローラ1から外部加熱ベルト3にトナーが移行しすぎると、スクレーパ7がトナーや紙粉等の汚れでパンクしてしまうおそれ、すなわちスクレーパ7に掻き取ったトナーや紙粉等をトナー受け12に収容しきれないおそれがある。このような場合は、外部加熱ベルト3の外側面の表層材料を定着ローラ1の表層材料と同じ材料にしてもよい。この場合、外部加熱ベルト3の表面と定着ローラ1の表面とはトナーの離型性は同じであるが、通常、定着ローラ1に比べて外部加熱ベルト3の方が高温なので、トナーは外部加熱ベルト3に移行しにくい。したがって、トナー受け12の設置スペースが限られている場合であっても、定着ローラ1から外部加熱ベルト3にトナーが過剰に移行することを抑制してスクレーパ7あるいはトナー受け12がトナー汚れでパンクすることを防止できる。
なお、トナーの離型性の評価方法としては、例えば、以下に示す方法を用いることができる。図6は、表層材の離型性を評価するための装置の構成を示す側面図である。
まず、外部加熱ベルト53を所定の大きさ(ここでは30mm×30mm)に切り出し、ホットプレート51上に外部加熱ベルト53の表層材が上になる向きで設置し、所定の温度(ここでは100℃〜150℃)に加熱する。その後、外部加熱ベルト53の表層材に、カウンターウエイト52を用いて所定の未定着トナー画像を形成した用紙59を所定の荷重(ここでは10N)で押し当てる。なお、荷重が用紙59に均等に加わるようにカウンターウエイト52と用紙59との間にシリコンゴム層64を設ける。そして、所定時間(ここでは1分)経過した後、用紙59を外部加熱ベルト53から引き剥がし、溶融したトナーが外部加熱ベルト53の表層材にどの程度残っているかを確認する。
これにより、トナー汚れは一般的に材料の離型性が高い(優れている)ほど、また温度が高いほど付着しにくいので、加熱温度が同じ場合、トナーが外部加熱ベルト53の表層材に残っている量が少ないほど表層材の離型性が高い(良い)と判断できる。また、トナーが外部加熱ベルト53の表層材に残っている量が同じ場合、加熱温度が高いほど表層材の離型性が低い(悪い)と判断できる。
<実験結果>
次に、スクレーパ7の外部加熱ベルト3に対する当接位置、当接角度、およびスクレーパ形状とクリーニング性能との関係を調べるために行った実験の結果について説明する。
この実験では、図4に示した外部加熱ユニット13(実施例1)、図7に示す外部加熱ユニット13a(実施例2)、図8に示す外部加熱ユニット13b(実施例3)、図9に示す外部加熱ユニット13c(実施例4)、図10に示す外部加熱ユニット13d(比較例)の5種類の外部加熱ユニットについて、クリーニング性能、エージングによる外部加熱ベルトの表面粗さ(中心線平均粗さRa)の変化、および外部加熱ベルト3の定着ローラ1に対するスリップの有無について調べた。
実施例2は、スクレーパ7におけるクリーニング部7aの外部加熱ベルト3に対する当接方向をウィズ方向、具体的にはクリーニング部7aの外部加熱ベルト3に対する当接角度をθ=30°にした以外は実施例1と同様の構成である。
実施例3は、実施例1におけるスクレーパ7に代えてスクレーパ40を備えている。スクレーパ40は、厚さ0.3mmのステンレスからなる板状部材を互いに略平行な2つの折り曲げ部で折り曲げたものである。つまり、スクレーパ40は、1段曲げから2段曲げ(コの字形状)にした以外は実施例1におけるスクレーパ7と略同様の構成である。クリーニング部40aの外部加熱ベルト3に対する当接角度はθ=150°であり、外部加熱ベルト3の押下量dは0.6mmである。
実施例4は、実施例1のスクレーパ7に加えて、実施例3のスクレーパ40を備えている以外は実施例1と略同様の構成である。なお、スクレーパ7およびスクレーパ40は外部加熱ローラ4aおよび4bの共通接線に対応する位置において外部加熱ベルト3に当接しており、スクレーパ7はスクレーパ40よりも外部加熱ベルト3の回転方向上流側で外部加熱ベルト3に当接している。また、スクレーパ7による外部加熱ベルト3の押下量は0.3mm、スクレーパ40による外部加熱ベルト3の押下量は0.6mmに設定されている。また、スクレーパ7の外部加熱ベルト3に対する当接角度θ1はθ1=150°であり、スクレーパ40の外部加熱ベルト3に対する当接角度θ2はθ2=150°である。
比較例は、スクレーパ7におけるクリーニング部7aの外部加熱ベルト3に対する当接位置を外部加熱ベルト3の内側面が加熱ローラ4aに当接している位置にした以外は実施例1と同様の構成である。
クリーニング性能の評価方法としては、各色(B、Y、M、C)5%、トータル20%の印字率の原稿を用いて120K枚(12万枚)の実写エージングを行い、クリーニング不良による画像汚れおよび画像傷の2種類の画像欠陥について評価を行った。なお、画像汚れは、主にスクレーパでかきとったトナー汚れがスクレーパをすり抜けて記録用紙を汚してしまうことに起因する画像欠陥である。この画像汚れについては、20K枚毎に画像汚れが発生した記録用紙の枚数をカウントすることで評価した。また、画像傷は、主にスクレーパでかきとった紙粉汚れがスクレーパをすり抜けて外部加熱ベルト表面に固着し、それが定着ローラ表面を傷つけることで生じる筋状の画像欠陥(特に厚紙の記録用紙に印刷した際に目立ちやすい)である。この画像傷については、20K枚毎に画像傷の程度(レベル)を目視により評価した。具体的には、目視検査に基づいて、厚紙においても傷が見られないレベル(○印)、厚紙において細かい傷が見られるが問題ないレベル(△(白三角)印)、厚紙の傷はよく目立つが他の記録用紙では問題ないレベル(▲(黒三角)印)、および厚紙以外の記録用紙でも傷が目立つレベル(×印)のいずれかに評価した。
また、エージングによる外部加熱ベルト3の表面粗さ(中心線平均粗さRa)の変化については、小坂研究所製の触針式表面粗さ計「SE−3500」を使用して120K枚(12万枚)の実写エージング後の外部加熱ベルト3の表面粗さを測定した。また、スリップの有無については、エージング中に外部加熱ベルト3が定着ローラ1に対してスリップしているかどうかを目視により確認した。
表1は上記実験の実験結果を示している。
Figure 2010061021
表1に示すように、比較例では、エージングの初期からクリーニング不良による画像欠陥(画像汚れ及び画像傷)が発生し、エージング枚数が増えるにつれて画像欠陥のレベルが悪化した。また、エージング後の外部加熱ベルトの表面粗さRaは12μmであり、初期の表面粗さRa(0.5μm)に比べて非常に大きくなった。さらに、エージング初期から外部加熱ベルト3の定着ローラ1に対するスリップが発生した。
これは、図10に示したように、外部加熱ベルト3における内側面が加熱ローラ4aに当接している位置でスクレーパ7を当接させているので、スクレーパ7の先端の加工精度やスクレーパ7の取付精度等の制約によって外部加熱ベルト3の幅方向(回転方向に垂直な方向)に対してスクレーパ7を均一に(隙間無く)当接させることが困難であり、クレーパ7と外部加熱ベルト3との隙間から部分的にトナー汚れがすり抜けてしまうためであると考えられる。
また、スクレーパ7との当接位置における外部加熱ベルト3の内側面に加熱ローラ4aが当接しているため、外部加熱ベルト3に対するスクレーパ7の当接圧力が高くなって外部加熱ベルト3に大きな摩擦力が働き、その結果、外部加熱ベルト3がスリップしたり、外部加熱ベルト3の表面(外側面)に傷が付いたりしやすくなると考えられる。なお、外部加熱ベルト3における内側面が加熱ローラ4aに当接している位置にスクレーパ7を当接させる構成においてスクレーパ7の当接圧力を低くできるようにスクレーパ7を精度よく固定するのは困難である。
外部加熱ベルト3の定着ローラ1に対するスリップが生じると、外部加熱ベルト3から定着ローラ1への熱供給が減少し、定着ローラ1を所定の定着温度に維持することが困難になる。このため、トナーの定着性が低下し、その結果、記録用紙から定着ローラ1に対するトナー付着量が増加する。また、外部加熱ベルト3が定着ローラ1に対してスリップすると、定着ローラ1の表面が傷つけられて定着ローラ1にトナー汚れが付着しやすくなる。また、外部加熱ベルト3の表面粗さが粗くなると、外部加熱ベルト3に付着したトナーのクリーニング性能が低下して外部加熱ベルト3にトナー汚れが付着しやすくなり、定着ローラ1のトナー汚れも増大する。その結果、定着ローラ1のクリーニング不良による画像欠陥が発生する。
一方、表1に示すように、実施例1〜実施例4では、比較例に比べてクリーニング不良による画像欠陥が大幅に減少した。特に、実施例4では120K枚のエージングを通じて全く画像欠陥が発生しなかった。また、エージング後の外部加熱ベルトの表面粗さRaも実施例1〜実施例4では1〜3μmであり、比較例(表面粗さRa、12μm)に比べて非常に小さかった。また、実施例1〜実施例4では外部加熱ベルト3の定着ローラ1に対するスリップも発生しなかった。
これは、実施例1〜実施例4では、外部加熱ベルト3における内側面が加熱ローラ4aに当接していない位置、すなわち外部加熱ベルト3がベルト表面に垂直な方向への移動を拘束されていないフリーな位置でスクレーパ7を当接させているので、スクレーパ7の加工精度や取付精度が多少低くても、外部加熱ベルト3がスクレーパ7(クリーニング部7a)の先端形状に応じて柔軟に密着するため、スクレーパ7の先端部と外部加熱ベルト3との間に隙間が発生せず、比較例のように外部加熱ベルト3上のトナー汚れがスクレーパ7を部分的にすり抜けることを抑制できるためであると考えられる。
また、実施例1〜実施例4では、外部加熱ベルト3における内側面が加熱ローラ4aに当接していない位置にスクレーパ7を当接させているので、スクレーパ7の外部加熱ベルト3に対する当接圧力が高くなることを抑制できる。このため、外部加熱ベルト3の回転に対する負荷(スクレーパ7による摩擦力)を小さくすることができ、外部加熱ベルト3が定着ローラ1に対してスリップしたり、外部加熱ベルト3の表面が傷付いたりすることを抑制できたものと考えられる。これにより、クリーニング不良による画像欠陥の発生を抑制できる。
なお、表1に示したように、スクレーパ7を外部加熱ベルト3の回転方向に対してウィズ方向(実施例2)に当接させるよりもカウンタ方向(実施例1)に当接させた方がクリーニング不良の発生が少なかった。これは、スクレーパ7をウィズ方向に当接させた場合、掻き取ったトナー汚れが外部加熱ベルト3とスクレーパ7との当接部分に堆積してしまい、堆積したトナーによってスクレーパ7が押し上げられ、外部加熱ベルト3とスクレーパ7との間をトナーがすり抜けてしまう場合があるからであると考えられる。また、スクレーパ7をウィズ方向に当接させた場合、電源OFFにより定着装置30の各部の温度が冷えたときに、トナー汚れが外部加熱ベルト3とスクレーパ7との両方に固着して、外部加熱ベルト3を再び回転駆動するときの回転負荷が非常に大きくなってしまうという問題が生じるおそれもある。これに対して、スクレーパ7をカウンタ方向に当接させる場合、スクレーパ7のクリーニング部7aの先端で掻き取られたトナー汚れはこのクリーニング部7aの側面上にすくい上げられるため、外部加熱ベルト3とスクレーパ7との当接部分にトナーが堆積したり固着したりすることを抑制できる。
また、表1に示したように、板状部材を1つの折り曲げ部で折り曲げた1段曲げ形状のスクレーパ7(実施例1)を用いるよりも、板状部材を互いに平行な2つの折り曲げ部で折り曲げた2段曲げ形状のスクレーパ40(実施例3)を用いた方が画像傷の発生が少なかった。
この理由について図11を用いて説明する。図11は、スクレーパ7およびスクレーパ40における外部加熱ベルト3に当接するエッジ部分のベルト幅方向についての真直度(そり量)を、株式会社ミツトヨ製のレーザースキャンマイクロメーター「LSM−406R/3000」を用いて測定し、ベルト幅方向の各位置についてプロットした結果を示す図である。この図に示すように、1段曲げ形状のスクレーパ7ではトータルのそり量(そり量の最大値と最小値との差)が約0.35mmあるのに対し、2段曲げ形状のスクレーパ40ではトータルのそり量は約0.125mmであり、2段曲げ形状のスクレーパ40の方が1段曲げ形状のスクレーパ7よりも真直度が高いことがわかる。これは、折り曲げ回数を増やすことによってクリーニング部40aにおける板状の部分(平面部分)の面積が小さくなるため、曲げ等の加工時に生じる各平面部分のそり量およびひずみ量が小さくなり、スクレーパのエッジ部分の寸法精度(真直度)が向上するためである。したがって、1段曲げ形状のスクレーパ7を用いる場合よりも、2段曲げ形状のスクレーパ40を用いた方が、スクレーパの先端を外部加熱ベルト3の幅方向について均一に当接させることができ、かきとった汚れがスクレーパと外部加熱ベルト3との間を部分的にすり抜けることを防止できる。
また、表1に示したように、スクレーパを1枚のみ備える場合(実施例1、実施例3)よりも、スクレーパを2枚備えた場合(実施例4)の方が画像傷の発生が少なかった。これは、外部加熱ベルト3の回転方向上流側に位置するスクレーパで汚れのすり抜けが発生しても、下流側のスクレーパでこの汚れを回収することができるためである。
なお、複数のスクレーパを外部加熱ベルト3に対してこの外部加熱ベルト3の回転方向に沿って順次当接させる場合、各スクレーパによる外部加熱ベルト3の押下量が外部加熱ベルト3の回転方向下流側に向かうほど大きくなるように各スクレーパの形状および設置位置を設定することが好ましい。これにより、回転方向上流側に配置されたスクレーパをすり抜けた汚れを、外部加熱ベルト3への当接圧力がより高い回転方向下流側に配置されたスクレーパによって除去することができるため、汚れのすり抜けをより確実に防止することができる。
[実施形態2]
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1と同様の機能を有する部材については実施形態1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施形態1では、本発明を外部ベルト加熱定着方式の定着装置に適用する場合について説明した。これに対して、本実施形態では、本発明をベルト定着方式の定着装置に適用する場合について説明する。
図12は、本実施形態にかかる定着装置31の構成を示す断面図である。この定着装置31は、画像形成装置100における定着装置30に代えて備えられるものである。
図12に示すように、定着装置31は、定着ローラ(定着部材)21と、加圧ローラ(加圧部材)2と、加熱ローラ(懸架ローラ)4cと、無端状の定着ベルト(無端ベルト)23とを備えている。定着ローラ21、加熱ローラ4cおよび定着ベルト23は外部加熱装置を構成している。
定着ローラ21は、図示しない回転駆動手段によって図12に示した矢印方向に回転駆動されるローラであり、金属製の芯金21a、および芯金21aの外周面を覆う弾性層21bの2層構造によって構成されている。なお、本実施形態では定着ローラ1の表面の移動速度、すなわち定着速度(プロセス速度)を225mm/secに設定しており、これによって複写速度(印刷速度)40枚/分で画像形成を行えるようになっている。
芯金21aは、直径15mmの円柱状のステンレス鋼からなる。なお、芯金21aの材質はステンレス鋼に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等からなるものであってもよい。また、芯金21aは円柱状の形状に限るものではなく、例えば中空円筒状の形状であってもよい。弾性層21bは厚さ7.5mmのシリコンスポンジゴム(シリコンゴム)からなる。なお、弾性層21bの材質はシリコンゴム限定されるものではなく、例えば、フッ素ゴム等の他のゴム材料や各種弾性材料を用いてもよい。
加圧ローラ2は、図示しないばね等の加圧部材によって定着ローラ21に定着ベルト23を介して所定の荷重(本実施形態では216N)で圧接されて定着ベルト23との間で定着ニップ部28(本実施形態では定着ニップ幅(定着ニップ部28における記録用紙9の搬送方向の幅)8mm)を形成するとともに、定着ベルト23に従動回転するローラであり、その内側から順に芯金2a、弾性層2b、離型層2cが形成された3層構造からなる。
なお、本実施形態では、加圧ローラ2として、直径24mm、肉厚2mmの鉄(STKM)からなる中空円筒状の芯金2a上に厚さ3mmのシリコンソリッドゴムからなる弾性層2bを形成し、さらに弾性層上に厚さ30μmのPFAチューブからなる離型層2cを形成したものを用いた。ただし、加圧ローラ2の構成はこれに限るものではなく、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属、あるいはこれらの金属の合金等からなる芯金2aを用いてもよい。また、弾性層2bとして、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料または弾性体を用いてもよい。また、離型層2cとしてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の他のフッ素樹脂を用いてもよい。
また、加圧ローラ2の周面には当該周面の温度を検出するサーミスタ6cが配置されており、加圧ローラ2の内部には、加圧ローラ2を加熱するヒータランプ5dが配置されている。ヒータランプ5dは加圧ローラ2の熱源であり、制御部(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ5dに供給する電力を制御することにより、ヒータランプ5dから赤外線を放射させて加圧ローラ2の内周面を加熱するようになっている。
加熱ローラ4cは、定着ローラ21とともに定着ベルト23を懸架するローラであり、厚さ0.75mmのアルミニウム製芯材の上に厚さ20μmのPTFEコートを施した直径30mmの中空円筒状からなる。なお、加熱ローラ4cの構成はこれに限るものではなく、例えばアルミニウム以外の鉄系材料等からなる芯材を用いてもよい。また、本実施形態では、定着ベルト23の寄り力(定着ベルト23の回転時にこの定着ベルト23を回転軸方向(定着ベルト23の幅方向)に移動させるように作用する力)を低減するために加熱ローラ4cの表面にPTFEからなるコーティングを施したが、これに限らず、例えばPFA等の他のフッ素樹脂によってコーティングしてもよく、コーティングを省略してもよい。
また、加熱ローラ4cの内部には電力を供給されることによって熱輻射を行うヒータランプ5eおよび5fが設置されている。ヒータランプ5eおよび5fは、加熱ローラ4cの熱源であり、制御部(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ5eおよび5fに供給する電力を制御することにより、ヒータランプ5eおよび5fを発光させて赤外線を放射させる。これにより、加熱ローラ4cがヒータランプ5eおよび5fから放射される赤外線を吸収して加熱され、それによって加熱ローラ4cに懸架された定着ベルト23が加熱されるようになっている。なお、加熱ローラ4cは、定着ベルト23に従動回転するようになっている。
定着ベルト23は、定着ローラ21と加熱ローラ4cとにテンションを付与されて懸架され、定着ローラ21に従動回転する無端ベルトである。また、上述したように、定着ローラ21と加圧ローラ2とは定着ベルト23を介して互いに圧接しており、これによって定着ベルト23と加圧ローラ2との間に定着ニップ部28が形成されている。定着装置31では、表面に未定着トナー画像を形成された記録用紙9を定着ベルト23と加圧ローラ2との間に供給して通過させることで上記未定着トナー画像を記録用紙9に定着させるようになっている。なお、記録用紙9における未定着トナー画像が形成された面が定着ベルト23に当接し、記録用紙9における未定着トナー画像が形成された面とは反対側の面が加圧ローラ2に当接する。
本実施形態では、定着ベルト23として、厚さ70μmのポリイミドからなる基材上に厚さ150μmのシリコンゴムからなる弾性層を形成し、さらにこの弾性層上に厚さ30μmのPFAチューブからなる離型層を型性したものを用いた。定着ベルト23のサイズは、円形にした状態で直径50mm(周長約157mm)とした。
なお、定着ベルト23の構成はこれに限るものではなく、例えば、ポリイミド以外の耐熱樹脂あるいはステンレスやニッケルなどの金属材料からなる中空円筒状の基材を用いてもよい。また、定着ベルト23と加熱ローラ4cとの間に生じる摺動負荷を低減するために、基材にフッ素樹脂を内添(添加)してもよい。また、弾性層は、シリコンゴムに限らず、耐熱性および弾性に優れたエラストマー材料であればよい。また、離型層は耐熱性および離型性に優れた材料であればよく、PFAに限らず、例えばPTFE等のフッ素樹脂を含む合成樹脂材料などを用いてもよい。
また、定着ベルト23の周囲には、定着ベルト23の周面の温度を検出するサーミスタ6d、および定着ベルト23の周面に付着したトナーや紙粉等を除去するためのスクレーパ(クリーニング部材)7が配置されている。制御部は、サーミスタ6cおよび6dの温度検出結果等に応じて定着ベルト23および加圧ローラ2の温度を所定の温度に近づけるように、あるいは所定の温度に維持するようにヒータランプ5d〜5eに供給する電力を制御する。
スクレーパ7の形状および材質は実施形態1と同様であり、定着ベルト23の回転方向に対して定着ニップ部28よりも上流側であって定着ベルト23の内側面が定着ローラ21および加熱ローラ4cに当接していない位置(定着ベルト23がフリーな状態の位置)において、クリーニング部7aが定着ベルト23の回転方向に対してカウンタ方向に当接するように配置され、定着ベルト23の外側面に当接している。なお、スクレーパ7の保持部7bは図示しない定着装置31の筐体に固定されている。また、スクレーパ7の下方には、スクレーパ7によって定着ベルト23から除去されたトナーや紙粉等を収容するためのトナー受け(図示せず;収容部材)が配置されている。
なお、スクレーパ7は、定着ベルト23の下方または側方に配置されることが好ましい。これにより、スクレーパ7によって定着ベルト23から除去されたトナー等がスクレーパ7からこぼれ、定着ベルト23に再付着して定着ベルト23を汚すことを防止できる。
以上のように、本実施形態にかかる定着装置31では、定着ベルト23の表面をクリーニングするためのスクレーパ7を、定着ベルト23の内側面が定着ローラ21および加熱ローラ4cに当接していない位置において定着ベルト23の外側面に当接させる。
これにより、従来のように定着ベルトが懸架ローラに懸架されている位置においてクリーニング部材を定着ベルトに当接させる構成よりも、クリーニング部材と定着ベルトとの間に生じる摺動力を小さくすることができる。したがって、クリーニング部材と定着ベルトとの摺擦にとって定着ベルトに傷が生じたり、定着ベルトの回転を妨げる方向の負荷が大きくなって定着ベルトのスリップが生じたりすることを抑制できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置に適用できる。
本発明の一実施形態にかかる定着装置の断面図である。 本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の断面図である。 図1の定着装置に備えられるスクレーパの正面図および側面図である。 図1の定着装置に備えられる外部加熱ユニットの断面図である。 図1の定着装置に備えられる外部加熱ユニットにおける外部加熱ベルトとスクレーパとの当接部の要部拡大図である。 表層材の離型性を評価するための装置の側面図である。 図1の定着装置に備えられる外部加熱ユニットの他の実施例を示す断面図である。 図1の定着装置に備えられる外部加熱ユニットのさらに他の実施例を示す断面図である。 図1の定着装置に備えられる外部加熱ユニットのさらに他の実施例を示す断面図である。 外部加熱ユニットの比較例を示す断面図である。 図4に示した外部加熱ユニットに備えられるスクレーパ、および図9に示した外部加熱ユニットに備えられるスクレーパにおけるエッジ部分のそり量の測定結果を示すグラフである。 本発明の他の実施形態にかかる定着装置の断面図である。
符号の説明
1 定着ローラ
2 加圧ローラ(加圧部材)
3 外部加熱ベルト(無端ベルト)
4a〜4c 加熱ローラ(懸架ローラ)
5a〜5f ヒータランプ(加熱手段)
6a〜6d サーミスタ
7、40、41 スクレーパ(クリーニング部材)
7a、40a クリーニング部
7b 保持部
7c スリット(開口部)
9 記録用紙(記録材)
11 外部加熱ユニットホルダ
12 トナー受け(収容部材)
13 外部加熱ユニット
21 定着ローラ
23 定着ベルト(無端ベルト)
30、31 定着装置
100 画像形成装置

Claims (18)

  1. 定着ローラと、上記定着ローラを押圧する加圧部材と、上記定着ローラの表面に当接してこの定着ローラを加熱するための回転可能に支持された無端ベルトと、上記無端ベルトを加熱する加熱手段とを備え、上記定着ローラと上記加圧部材との間に未定着トナー画像が転写された記録材を供給して通過させることで上記未定着トナー画像を上記記録材に定着させる定着装置であって、
    上記無端ベルトが支持されていない位置においてこの無端ベルトの表面に当接してこの無端ベルトの表面に付着した汚れを除去するクリーニング部材を備えていることを特徴とする定着装置。
  2. 上記クリーニング部材は、板状部材のエッジ部分を上記無端ベルトの表面に当接させてこの無端ベルトの表面に付着した汚れを除去するスクレーパであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記無端ベルトは、複数の懸架ローラに懸架されることで支持されており、上記無端ベルトにおける上記懸架ローラに当接しない側の表面である外側面が上記定着ローラに当接し、
    上記クリーニング部材は、上記無端ベルトの外側面に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 上記無端ベルトは、上記定着ローラと1つ以上の懸架ローラとに懸架されることで支持されており、
    上記加圧部材は上記無端ベルトを介して上記定着ローラを押圧しており、
    上記無端ベルトにおける上記定着ローラに当接しない側の表面である外側面と上記加圧部材との間に上記未定着トナー画像が転写された記録材を供給して通過させることで上記未定着トナー画像を上記記録材に定着させるようになっており、
    上記クリーニング部材は、上記無端ベルトの外側面に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  5. 上記スクレーパは、金属製であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  6. 上記スクレーパは、板状部材を折り曲げた折り曲げ部と、上記折り曲げ部に対して上記エッジ部を有する側であるクリーニング部と、上記折り曲げ部に対して上記クリーニング部とは異なる側である保持部とを有し、上記保持部がこの定着装置の筐体に固定されており、
    上記折り曲げ部には、この折り曲げ部がなす直線の延伸方向に交差する方向に上記板状部材を切り込んだ開口部が設けられていることを特徴とする請求項2または5に記載の定着装置。
  7. 上記スクレーパは、板状部材を折り曲げた互いに平行な複数の折り曲げ部と、上記複数の折り曲げ部に対して上記エッジ部を有する側であるクリーニング部と、上記複数の折り曲げ部に対して上記クリーニング部とは異なる側である保持部とを有し、上記保持部がこの定着装置の筐体に固定されていることを特徴とする請求項2、5、6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 上記無端ベルトに対する当接位置が上記無端ベルトの回転方向に沿って順次並ぶように配置された複数の上記スクレーパを備えていることを特徴とする請求項2、5、6、7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 上記各スクレーパを上記無端ベルトに押し当てて当接させることによって上記無端ベルトにおける上記各スクレーパとの当接部が変位する距離である上記各スクレーパによる上記無端ベルトの押下量は、上記無端ベルトに対する当接位置が上記無端ベルトの回転方向下流側であるほど大きいことを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 上記スクレーパの表面に、フッ素樹脂によるコーティングが施されていることを特徴とする請求項2、5、6、7、8、9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 上記コーティングは、上記無端ベルトにおける上記スクレーパに当接する面の表層材とは異なる材料で施されていることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 上記無端ベルトにおける上記スクレーパとの当接部から上記無端ベルトの回転方向上流側部分の表面に対する、上記スクレーパにおける上記無端ベルトとの当接部を含む表面であって上記無端ベルトにおける上記当接部から回転方向上流側部分の表面に対向する側の表面の傾斜角度である当接角度が90°より大きいことを特徴とする請求項2、5、6、7、8、9、10、11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 上記当接角度は135°以上165°以下の範囲であることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 上記スクレーパを上記無端ベルトに押し当てて当接させることによって上記無端ベルトにおける上記スクレーパとの当接部が変位する距離である上記スクレーパによる上記無端ベルトの押下量は、0.3mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項2、5、6、7、8、9、10、11、12、13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 上記無端ベルトの外側面は、上記定着ローラの表面と同じ材料で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  16. 上記無端ベルトの外側面は、上記定着ローラの表面よりもトナーの離型性が低い材料で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  17. 上記クリーニング部材の下方に、上記クリーニング部材によって上記無端ベルトから除去された汚れを収容するための収容部材を備えていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の定着装置。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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