JP2003337495A - オイル塗布部材 - Google Patents

オイル塗布部材

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JP2003337495A
JP2003337495A JP2002145191A JP2002145191A JP2003337495A JP 2003337495 A JP2003337495 A JP 2003337495A JP 2002145191 A JP2002145191 A JP 2002145191A JP 2002145191 A JP2002145191 A JP 2002145191A JP 2003337495 A JP2003337495 A JP 2003337495A
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Hiroyasu Kikukawa
裕康 菊川
Hisashi Maniwa
尚志 馬庭
Akihiro Motoda
明宏 元田
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Japan Gore Tex Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したオイル塗布性能を維持しながら、省
スペースに対応し、さらに、再利用、または分別廃棄が
容易にできるオイル塗布部材を提供する。 【解決手段】 離型作用を有するオイルをゲル化剤を用
いてゲル化させることにより形成したオイル固形化物と
該オイル固形化物の表面の少なくとも一部に形成された
多孔質樹脂シートとからなり、該多孔質樹脂シートの表
面の少なくとも一部をオイル塗布面とするロール状オイ
ル塗布部体Aと、該ロール状オイル塗布部体A表面に当
接し、該表面に付着された汚染物を該表面より取り去る
クリーニング部体Bとから構成されることを特徴とする
オイル塗布部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機等に配設さ
れているオイル塗布部材及びそれを用いるトナー画像定
着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等のトナ
ー画像定着装置におけるオフセット現象を防止するため
に、シリコーンオイル等の離型性オイルを加熱ロールや
加圧ロール等の定着装置に塗布することが広く行われて
いる。このオイル塗布装置としては、種々のものが知ら
れており、例えば、織布、不織布、フェルト等の布帛に
離型性オイルを含浸させ、これを回動する定着装置に当
接させて塗布するもの、穴開き中空パイプに離型性オイ
ルを保持させ、この中空パイプの外周を布帛等で被覆し
て塗布ロールとし、これを定着装置に当接、従動回転さ
せて塗布するもの、合成樹脂発泡体(スポンジ)等にオ
イルを保持させ、合成樹脂発泡体(オイル保持層)の表
面を多孔質PTFEシート等で被覆してこの多孔質シー
ト(オイル透過制御層)を介してオイルを塗布するもの
等である。しかしながら、これらのオイル塗布装置はい
ずれの場合もオイルを保持するための支持体(布帛やス
ポンジ)または容器(穴開き中空パイプ)が必要であっ
た。一方、主にオイル塗布量の制御を目的として、シリ
コーンオイルをシリコーンゴムと混合させ、この混合体
を前記したオイル塗布装置の多孔質シート(オイル透過
制御層)や合成樹脂発泡体(オイル保持層)に含浸させ
た後架橋させてオイル塗布装置とすることも知られてい
る(特公平6−73051号、特開平4−139477
号、特開平6−269711号等)。しかしながら、こ
の技術もオイルを保持する支持体が必要である点では前
記したオイル塗布装置と同様であった。オイルを保持す
るための支持体や容器を用いるときには、そのオイル塗
布部材(装置)の構造が複雑かつ大型のものになる等の
問題が生じる。
【0003】このように従来のオイル塗布装置は、装置
を構成する材料が多かったり、駆動システムが複雑であ
ったりして、定着部に占める容積の割合が大きいもので
あった。これに対し、省エネルギーの観点や、使い易さ
の観点から、機械容積を縮小化したいというダウンサイ
ジングの技術的要求も高まっている。また、環境思考の
高まりにより、部品を再利用することや、材料別廃棄が
容易にできることへの要求も併せて高まってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安定したオ
イル塗布性能を維持しながら、省スペースに対応し、さ
らに、再利用、または分別廃棄が容易にできるオイル塗
布部材及びトナー画像定着装置を提供することをその課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、以下に示すオイル塗
布部材及び画像定着装置が提供される。
【0006】(1)離型作用を有するオイルをゲル化剤
を用いてゲル化させることにより形成したオイル固形化
物と該オイル固形化物の表面の少なくとも一部に形成さ
れた多孔質樹脂シートとからなり、該多孔質樹脂シート
の表面の少なくとも一部をオイル塗布面とするロール状
オイル塗布部体Aと、該ロール状オイル塗布部体A表面
に当接し、該表面に付着された汚染物を該表面より取り
去るクリーニング部体Bとから構成されることを特徴と
するオイル塗布部材。 (2)該オイル塗布部体Aのオイル固形化物を構成する
離型作用を有するオイルの粘度(25℃)が、10〜6
0000csである前記(1)に記載のオイル塗布部
材。 (3)該オイル塗布部体Aのオイル固形化物を構成する
離型作用を有するオイルが、シリコーンオイル、変性シ
リコーンオイル又はフッ素オイルである前記(1)又は
(2)に記載のオイル塗布部材。 (4)該オイル塗布部体Aのオイルゲル化剤が、シリコ
ーンゴムからなる前記(1)〜(3)のいずれかに記載
のオイル塗布部材。 (5)該オイル塗布部体Aの多孔質樹脂シートの空孔内
に、離型作用を有するオイルをオイルゲル化剤を用いて
ゲル化させて形成したゲル化オイルが保持されている前
記(1)〜(4)のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (6)該オイル塗布部体Aの多孔質樹脂シートの空孔内
に保持されたゲル化オイルにおけるオイルゲル化剤/オ
イル重量比Xと該オイル固形化物におけるオイルゲル化
剤/オイル重量比Yとの比X/Yが、少なくとも1であ
る前記(5)に記載のオイル塗布部材。 (7)該オイル塗布部体Aの該多孔質樹脂シートが、多
孔質ポリテトラフルオロエチレン製シートである前記
(1)〜(6)のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (8)該オイル塗布部体Aの表面に当接される該クリー
ニング部体Bの数が2個以上である前記(1)〜(7)
のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (9)該クリーニング部体Bの当接角度が、該オイル塗
布部体の回転方向に対し90°以下である前記(1)〜
(8)のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (10)該クリーニング部体Bの当接位置が、該ロール
状オイル塗布部体の中心位置と同じ水平位置ないしはそ
れより鉛直方向に下位である前記(1)〜(9)のいず
れかに記載のオイル塗布部材。 (11)該クリーニング部体Bが、棒状形状である前記
(1)〜(10)のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (12)該棒状形状のクリーニング部体Bが、最低厚さ
が0.5mm以上で、金属または樹脂で構成されている
前記(11)に記載のオイル塗布部材。 (13)該クリーニング部体Bの該オイル塗布部体Aと
当接する表面が、表面粗さ[Ra]0.01μm以上2
00μm以下の表面に形成されている前記(1)〜(1
2)のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (14)該クリーニング部体Bの該オイル塗布部体Aと
当接する表面が、不織布で形成されている前記(1)〜
(13)のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (15)該クリーニング部体Bの該オイル塗布部体Aと
当接する表面が、不織布と多孔質樹脂シートとが積層接
着された積層体で形成されている前記(1)〜(14)
のいずれかに記載のオイル塗布部材。 (16)該クリーニング部体Bの該多孔質樹脂シート
が、多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートである前
記(15)に記載のオイル塗布部材。 (17)オイル塗布部材と定着部材とを有するトナー画
像定着装置において、該オイル塗布部材として前記
(1)〜(16)のいずれかに記載のオイル塗布部材を
用いることを特徴とするトナー画像定着装置。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる離型作用を有する
オイル(離型性オイル)は、好ましくは、定着の温度に
耐える耐熱性(180℃〜200℃)を有するオイルで
ある。この離型性オイルにおいて、その粘度(25℃)
は10〜60000センチストークス(cs)、好まし
くは50〜10000センチストークスである。前記離
型性オイルには、従来公知の各種のものを用いることが
できる。このようなものには、例えば、シリコーンオイ
ル、変性シリコーンオイル及びフッ素オイル等が包含さ
れる。また、シリコーンオイルには、ジメチルシリコー
ンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル水
素シリコーンオイル、環状ポリジメチルシロキサン、フ
ロロシリコーンオイル等が包含される。変性シリコーン
オイルには、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変
性シリコーンオイル、シリコーンポリエーテル共重合
体、脂肪酸変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル等が包含される。フッ素オイルには、フッ素
オイル又は、フッ素によって一部変性されたシリコーン
オイル等が包含される。
【0008】本発明で用いるオイルゲル化剤は、前記し
た離型性オイルを、寒天状等の自己保形性の固形物にゲ
ル化し得るものであればよく、従来公知の各種のものが
用いられる。このようなものには、オイル中で三次元網
状高分子を形成する三次元架橋性低分子又は高分子物質
が包含される。その具体例としては、シリコーンゴム
(信越化学社製、「KE−1031」、「KE−180
0」等)や、シリコーンレジン、脂肪酸類、パラフィン
炭化水素類等が包含される。このような三次元架橋性物
質は、これをオイル中で三次元架橋させて三次元網状構
造とすることにより、オイルをその三次元網状体中に取
り込み、オイルの流動性を抑え、全体として寒天状の自
己保形性固形物を与える。本明細書では、このような寒
天状の自己保形性、即ち、支持体や容器等を用いること
なく、その固体形状を保持できる固形物をオイル固形化
物と称する。離型性オイルがシリコーンオイルの場合に
は、そのゲル化剤として同族系のシリコーン樹脂系ゴム
を用いるのが好ましい。これにより、オイル塗布部材の
分別廃棄が容易になる。
【0009】本発明で用いるオイル固形化物は、前記し
たように、その内部に離型性オイルを含有するにもかか
わらず、全体としては自己保形性を有する寒天状固形物
である。このものは、これを中空に置いても、その内部
オイルが滴下するようなことはないが、紙等のオイル濃
度がその固形物中のオイル濃度よりも低い物体へは拡散
移動することができる。即ち、このオイル固形化物を定
着ロールや加圧ロール等の固体表面に接触させると、そ
の固形物中のオイルはそのロール表面に移行し、そのロ
ールにオイルを塗布することができる。オイルゲル化剤
の使用割合は、ゲル化する対象オイルの種類によって変
り、一義的に決められないが、オイル100重量部当
り、通常、3重量部以上、好ましくは11重量部以上で
ある。その上限値は、通常、1900重量部程度であ
る。いずれにしても、ゲル化物が自己保形性の固形物と
なるような割合であれがよい。
【0010】本発明で用いるオイル塗布部体Aは、離型
作用を有するオイルをオイルゲル化剤を用いてゲル化さ
せることにより形成したオイル固形化物と該オイル固形
化物の表面の少なくとも一部に形成された多孔質樹脂シ
ートとからなる。このオイル固形化物において、その硬
度はアスカーC硬度計(高分子計器(株)社製)によれ
ば、2度から98度、好ましくは10度から80度であ
る。前記オイル固形化物は、その内部にオイルを含有
し、このオイルは、そのオイル固形化物に他の固体が接
触したときに、そのオイル固形化物表面からその固体表
面へ移行し、その固体表面にオイルが塗布される。本発
明で用いるオイル固形化物の場合、オイルの含有量は、
オイル固形化物中、通常、5〜97%、好ましくは30
〜90%の範囲である。
【0011】次に、本発明のロール状オイル塗布部体A
について詳述する。本発明のオイル塗布部体Aは、ロー
ル状の形状を有する。この場合、ロール状とは、該塗布
部体自身で回転運動が可能である形態であれば特に制限
はないが、通常、円柱状ないしは、中心に軸芯を配置さ
せたマカロニ状である。寸法として、その直径は、所望
に応じて適宜決定するが、通常は、8〜40mm程度で
ある。
【0012】本発明のロール状オイル塗布部体Aの好ま
しい形態は、多層構造のものであり、例えば、オイル固
形物からなるオイル保持部の上に、オイル透過制御層と
して多孔質樹脂シートを積層した構造を有するものであ
る。ロール状オイル塗布部体Aのオイル透過制御層に用
いられる多孔質樹脂シートは、オイル透過性を有するも
のであれば特に制限はないが、定着装置に用いられる場
合には、定着の温度に耐える耐熱性(180℃〜200
℃)を有するものが好ましく、連続多孔性の多孔質フッ
素樹脂シートが最適である。このような多孔質フッ素樹
脂シートの好ましい例は、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)多孔質シートや、PFA多孔質シート等が
包含される。本発明では、特に、延伸多孔質PTFEシ
ートが耐熱性、離型性に優れており、孔径の制御が容易
であるため好ましい。ロール状オイル塗布部体Aのオイ
ル透過制御層として用いる多孔質樹脂シートにおいて、
その最大細孔径は0.05〜15μm、好ましくは0.
1〜2μmである。最大細孔径が上記範囲を下回る場合
は、シート製造が困難となる。他方、最大細孔径が上記
範囲を超える場合は、シート強度が低下するため、取り
扱い性が低下する傾向にある。なお、ここでいう多孔質
樹脂シートの最大細孔径は、ASTM F−316の規
定に準拠して測定した値である。また、多孔質樹脂シー
トの空孔率は20〜98%、好ましくは50〜90%で
ある。空孔率が上記範囲を下回る場合は、多孔質樹脂シ
ートのオイル透過量が小さくなり、他方、空孔率が上記
範囲を超える場合には、該シートの強度が低下してしま
う。なお、ここでいう多孔質樹脂シートの空孔率は、J
IS K 6885の見掛け密度測定に準拠して得られ
る見掛け密度ρから、樹脂の比重を用いて、下式(1)
によって求めた値である。 空孔率(%)=100×(樹脂比重−ρ)/樹脂比重 (1) 多孔質樹脂シートの厚みは、3〜1000μm、好まし
くは5〜300μmである。厚みが上記範囲を下回る
と、製造時の取り扱い性が低下する傾向にあり、他方、
厚みが上記範囲を超えると、シートの柔軟性が損なわれ
ると共に、オイル透過量が低下する傾向にある。ここで
いう多孔質樹脂シートの厚みは、ダイヤルゲージ(例え
ば、テクノロック社製1/1000mmダイヤルシック
ネスゲージ)で測定した平均厚さ(本体バネ荷重以外の
荷重をかけない状態で測定した値)である。
【0013】該多孔質樹脂シートをロール状オイル固形
化物上に積層させる方法としては、使用上そのシートが
脱落せずかつ下層のロール状オイル固形化物より被塗布
体に移行する離型性オイルの移動に支障がない方法であ
ればその制限はない。延伸多孔質PTFEシートを用い
た場合の好適な例としては、50μm程度の厚みのもの
3〜5周回層巻きし、下層のロール状オイル固形化物よ
り被塗布体に移行する離型性オイルのタックによって固
定する方法、またシリコーンゴム系等の耐熱弾性接着剤
を点状に配置し、たばこ巻きの如く合わせ目を周長の1
〜5%積層させて接着する方法等がある。前者の積層方
法を用いた場合、接着剤等による透過阻害が全くないの
で、非常に均様なオイル塗布が可能となるオイル塗布部
体Aを得ることができる。また、上述のように50μm
程度の厚みのもの3〜5周回層巻きし、総厚150〜2
50μm程度にした場合、該オイルによるタックのみで
の形状保持も容易で、使用下での表層メクレ、脱落等の
懸念も無くなる。また更に、巻き付ける該多孔質樹脂シ
ートの仕様や巻き付け条件を変えることにより、よりオ
イル透過の制御が可能となる利点をもつ。後者の積層方
法の場合には、該多孔質樹脂シートの巻き付け回層数
が、大凡1回層なので、50μm以下程度のシートを用
いた場合には、速やかな離型性オイルの移行が期待で
き、高いオイル塗布量が必要とされるケースには有効で
ある。
【0014】上記延伸多孔質PTFEシートは、その材
料特性よりもたらされる低表面エネルギーによる離型
性、剥離性が優れていることにより、後述されるそのシ
ート表面への付着・蓄積物を有効かつ経時安定的に排除
させることができる。即ち、このロール状オイル塗布部
体Aにおいて、その表面に該延伸多孔質PTFEシート
を形成したものは、紙粉やトナーカス等の汚染物の付着
を抑制することができる他、オイル塗布量の調節が容易
である等の利点を有するのである。
【0015】本発明のオイル塗布部体Aの好ましい態様
は、前記オイル固形化物の少なくとも一部を前記多孔質
樹脂シートで被覆した構造のものにおいて、その多孔質
樹脂シートの多孔空間(空孔)内に、離型性作用を有す
るオイルBとオイルゲル化剤Bとの混合物を充填し、こ
の多孔空間内でオイルBをゲル化させた構造のものであ
ることができる。この場合、オイルBは、前記したオイ
ル固形化物を得るために用いたオイルAと同じもの又は
異なるものであることができる。また、オイルゲル化剤
Bも、前記オイル固形物を得るために用いたオイルゲル
化剤Aと同じもの又は異なったものであることができ
る。但し、オイルゲル化剤Bの使用割合は、前記オイル
固形化物を得るために用いたオイルゲル化剤Aの使用割
合よりも多くして、剛性及び表面硬度が高められたゲル
化オイルとするのがよい。これにより、オイルの多孔質
樹脂シート中の拡散移動速度を低下させることができ、
オイル塗布量を制御することが容易になる。オイルBに
対するオイルゲル化剤Bの重量比Xと、オイルAに対す
るオイルゲル化剤Aの重量比Yとの比X/Yは、少なく
とも1、好ましくは1〜30、より好ましくは1.5〜
20の範囲になるように選定するのがよい。比X/Yが
上記範囲を下回ると、オイル塗布量の制御が難しくな
り、他方、比X/Yが上記範囲を超えると、オイル塗布
量が不十分になる。
【0016】本発明のオイル塗布部材におけるクリーニ
ング部体Bに関し、以下において詳述する。
【0017】本発明で用いるクリーニング部体Bは、オ
イル塗布部体Aの表面に付着した汚染物を該表面から除
去するためのものである。オイル塗布部体Aを、画像定
着装置における定着ロールや加圧ロールに接触させて長
時間使用すると、そのオイル塗布部体Aの表面には、紙
粉やトナー等の汚染物が付着蓄積するようになる。これ
らの汚染物は、オイル塗布部体Aから定着ロールや加圧
ロールへのオイルの円滑な移行塗布を妨害する。本発明
で用いるクリーニング部体Bは、そのオイル塗布部体A
のロール表面に付着した汚染物を除去して、オイル塗布
部体Aに安定したオイル塗布性能を保持させる作用を示
す。
【0018】クリーニング部体Bは、オイル塗布部体A
のロール表面に当接したときにそのロール表面の汚染物
を除去し得る構造のものであればどのようなものでもよ
く、各種部体を用いることができる。このようなものと
しては、例えば、従来公知の各種クリーニング材を用い
ることができる(特開昭57−44168号、特開昭5
7−105760号、特開昭61−3168号、特開平
2−12183号、特開平4−125582号、特開平
3−273274号、特開平8−50425号等の各公
報)。
【0019】図1〜4に本発明のオイル塗布部材を被オ
イル塗布部体に接触させたときの状態図を示す。図1〜
4において、1はロール状オイル塗布部体A、2,2’
はクリーニング部体B、3はロール状オイル塗布部体A
の回転方向、4はロール状オイル塗布部体Aに対してク
リーニング部体Bが当接する角度、5はオイル塗布部体
の中心位置、6は鉛直方向、11は被オイル塗布部体、
12はその回転方向を示す。13は架台を示す。
【0020】図1において、クリーニング部体Bのオイ
ル塗布部体Aに対する当接角度は90度である。図2に
おいて、クリーニング部体Bのオイル塗布部体Aに対す
る当接位置は、オイル塗布部体Aの中心水平位置より鉛
直方向に下位である。図3において、クリーニング部体
Bのオイル塗布部体Aに対する当接角度は0度である。
図4において、上流側クリーニング部体Bのオイル塗布
部体Aに対する当接角度は60度である。また、下流側
クリーニング部体Bのオイル塗布部体Aに対する当接角
度は15度である。
【0021】本発明のオイル塗布部材におけるクリーニ
ング部体Bにおいて、その当接するロール状オイル塗布
部体Aとの当接角度は、該ロール状オイル塗布部体の回
転方向に対し、90°以下、好ましくは70°以下であ
る。これは、該クリーニング部体Bが、ロール状オイル
塗布部体Aに対し、順目方向に当接することを意味し、
カウンター(逆目)で当接する際のロール状オイル塗布
部体の表面のダメージを防ぐと同時に、該ロール状オイ
ル塗布部体Aの表面材質が多孔質樹脂シートであること
による付着汚染物の優れた剥離性により、該順目当接で
も十分機能する理由によるものである。このことによ
り、本発明の塗布部材は、長い期間十分な機能を発揮す
ることができる。
【0022】また、本発明のオイル塗布部材のクリーニ
ング部体Bにおいて、そのロール状オイル塗布部体Aと
当接する位置は、該ロール状オイル塗布部体の回転の中
心位置と同じ水平位置ないしはそれより鉛直方向に下位
であることが好ましい。これは、該クリーニング部材に
よって捕集された付着汚染物が、重力によって鉛直下方
向に移動することを助長し、一度捕集された該付着汚染
物が再度定着部ないしロール状オイル塗布部体Aに逆流
することを防ぐのに有効な為である。
【0023】本発明において、ロール状オイル塗布部体
Aと当接するクリーニング部体Bの数は、特に制約され
ず、定着装置の運転条件や再生紙の使用有無等の使用条
件に応じて適宜決定されればよいが、通常、1〜3個が
好ましい。クリーニング部体Bの数が上記範囲を超える
と、ロール状オイル塗布部体と組み合わせた定着部内の
占有容積が大きくなり、熱効率が悪くなるとともに、ロ
ール状オイル塗布部体の回転抵抗が大きくなり、被オイ
ル塗布部体の駆動トルクが増大してしまう。クリーニン
グ部体Bを2個以上用いた場合は、上流に設置されるク
リーニング部体によって一度捕集された付着汚染物が、
再度ロール状オイル塗布部体側に逆流したとしても、下
流に設置されるクリーニング部体によって捕集されるた
め、クリーニング効果が高まる利点がある。本発明に用
いるクリニーング部体Bの形状は、特に制約されず、各
種の形状であることができるが、その1つの形状は、棒
状形状である。具体的には、最低の厚みが0.5mm以
上の薄板状の物から、角柱ないしは円柱ないしはそれに
類する形状を包含する。これは、塗布幅方向に均一な当
接状態を実現するのに撓みを防ぐ理由より選定された。
好ましい厚み寸法としては、0.5mm以上20mm以
下のもので、更に好ましくは0.5mm以上10mm以
下のものである。0.5mm以下では剛性が乏しくなり
撓みによる均一当接が困難になる状況が考えられ、また
20mmを越える厚み寸法だと、ロール状オイル塗布部
体と組み合わせた定着部内の占有容積が大きくなり、熱
効率が悪くなることが考えれられ、双方不適である。
【0024】また、その材質も特に制約されず、各種の
材質であることができるが、金属、セラミック、耐熱性
樹脂、炭素材等であることができる。定着装置に用いら
れる場合には、定着温度雰囲気に耐えられるものであれ
ば制限されないが、ステンレス鋼、防錆処理された鋼
材、あるいはポリイミド、PPSまたはガラス繊維や炭
素繊維等を配合した樹脂等が該当する。
【0025】該クリーニング部体Bのロール状オイル塗
布部体Aとの当接幅(回転方向の当接長さ)、当接圧力
等は、該クリーニング部体Bの形状、構成、剛性等によ
り選択されるが、当接される該ロール状オイル塗布部体
Aの表面が多孔質樹脂シートで構成されているので、当
接すべき範囲においてその幅が0.5mm以上あれば機
能する。好ましい当接範囲としては、1mm以上10m
m以下であるが、更に好ましくは1.5mm以上5mm
以下である。これは0.5mm以下だと撓み等により当
接幅全域に対し均一な接触が得にくい状況になる。他方
該幅が20mm以上になると回転トルクが上がってしま
い、均一な従動回転が得にくい状況になってしまう。ま
た該ロール状オイル塗布部体Aの経時変化を想定し、該
クリーニング部体Bが、スプリングやバネ綱により一定
荷重で当接されていてもよい。
【0026】また、本発明に用いるクリーニング部体B
の表面形状は、表面粗さ[Ra]0.01μm以上20
0μm以下で構成されているものが好ましい。より好ま
しい表面粗さ[Ra]は0.05〜100μmである。
これは、この範囲を示す表面粗度の物が、付着汚染物を
捕集するのに好適でることによる。その表面粗さ[R
a]が0.01μm未満であれば、該付着汚染物を捕集
する物理的スペースが小さすぎて、定着部ないしロール
状オイル塗布部体Aに逆流する危険が増大する。他方、
該表面粗さ[Ra]が200μmを超える場合には、表
面粗度が粗すぎて上手く該ロール状オイル塗布部体の表
面をクリーニングできないことになる。尚、上記表面粗
さは、JIS−B−0601に則って測定されたRa値
を示す。
【0027】上記表面粗度の好適例として、該クリーニ
ング部体Bの前記ロール状オイル塗布部体Aとの当接す
る表面が、耐熱樹脂製不織布や、カーボン繊維不織布等
の不織布で構成されているものがある。耐熱樹脂製不織
布の場合、ポリエステル樹脂やアラミド樹脂で構成され
ている不織布が好適である。一般的に、不織布の厚み
は、50〜1000μm、目付は、10〜500g/m
2が好適である。更に好ましくは、厚みは50〜500
μm、目付は10〜250g/m2が好適である。厚み
が50μmより薄いときや、目付が10g/m2より小
さいと、機械強度が不足し、長期間使用した場合の耐久
性に問題が発生する。また、厚みが1000μmより厚
いときや、目付が500g/m2より大きいと、該材料
占有容積が大きいことやコスト面または、該材料からの
ケバ等の脱落頻度が上昇する傾向が高くなるので適当と
は言えなくなる。なお、本明細書でいう不織布には、フ
ェルト状のものも包含される。これらの不織布は、前記
棒状物の全面ないし一部を覆い、その全面ないし一部を
ロール状オイル塗布部体Aの表面に当接させて用いる。
【0028】更に、該不織布としては、その裏面に多孔
質樹脂シートを積層接着させた積層体として用いるのが
好適である。その理由としては、不織布を上記多孔質樹
脂シートと積層させて用いることにより、該不織布から
の繊維片の脱落が防止されるのと、当接されているロー
ル状オイル塗布部体Aより供給されるオイル分をその多
孔質樹脂シートの多孔部が保持し、その不織布のクリー
ニング性能を一層高める効果があるからである。該多孔
質樹脂シートは、該不織布の表面に積層接着させてもよ
い。この場合にも前記裏面に用いた場合と同様の効果が
期待できる。この多孔質樹脂シートとしては、接着剤等
にて接着固定し易いことや、耐熱性、柔軟性等の観点よ
り、PTFE多孔質シート、特に、延伸多孔質PTFE
シートが好ましい。また、その最大細孔径は0.05〜
15μm、好ましくは0.1〜2μmである。最大細孔
径が上記範囲を下回る場合は、シート製造が困難とな
る。他方、最大細孔径が上記範囲を超える場合は、シー
ト強度が低下するため、取り扱い性が低下する傾向にあ
る。多孔質樹脂シートの空孔率は20〜98%、好まし
くは50〜90%である。空孔率が上記範囲を下回る場
合は、多孔質樹脂シートのオイル保持量が小さくなり、
他方、空孔率が上記範囲を超える場合には、該シートの
強度が低下してしまう。多孔質樹脂シートの厚みは、3
〜1000μm、好ましくは5〜300μmである。厚
みが上記範囲を下回ると、製造時の取り扱い性が低下す
る傾向にあり、他方、厚みが上記範囲を超えると、シー
トの柔軟性が損なわれると共に、材料コストが高くな
る。
【0029】該不織布に多孔質樹脂シートを積層接着さ
せる方法としては、機械締めも含め、使用時に不織布が
脱落するような支障がなければその制限はない。その好
適な積層方法としては、上述したように該多孔質樹脂シ
ートの空孔部にオイルを保持させてクリーニング性能を
サポートする為に、該空孔部より不織布に移行する離型
性オイルの移動に支障がない方法であればその制限はな
い。具体的には、点状の接着剤による接着積層、不織布
の一部を熱等で融かして該多孔質樹脂シート空孔部に投
錨効果で積層させる溶融接着積層、加熱溶融積層等があ
る。また、該不織布と多孔質樹脂シートとの積層接着品
は、これを前述の棒状物等の全面ないし一部に被覆さ
せ、その全面ないし一部をロール状オイル塗布部体Aの
表面に当接させて用いることができる。
【0030】本発明のオイル塗布部材は、複写機等の画
像形成装置に用いられている画像定着装置におけるオイ
ル塗布部材として用いることができる。本発明のオイル
塗布部材は、被オイル塗布体としての、定着ロールやベ
ルト、または加圧ロールやベルトないしはその機能に準
ずる加圧パッド等の定着部材に当接させて用いられる。
本発明の塗布部材を用いることにより、安定したオイル
塗布性能を保持しながらも、省スペースに対応し、また
再利用や分別廃棄が容易にできるオイル塗布機構であり
ながら、昨今のトナー細粒径化、再生紙及び裏面使用に
よる付着汚染物が多く発生する環境下でも、安定したオ
イル塗布性能を維持することができる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0032】実施例1 (1)ロール状オイル塗布部体 外径5mm、長さ235mmのステンレス製金属軸
を中心に配置された、内径15mm、外径22mm、長
さ260mmのPTFE製円筒を用意し、片端閉塞した
方を下にして該円筒を垂直に立てた。 ジメチルシリコーンオイル(KF96−60000
CS、信越化学工業社製)と3次元架橋材としてシリコ
ーンゴム(KE−106、信越化学工業社製)を用い
て、オイルと架橋材の重量比40:60で配合した物を
上記で設置した円筒に流し込んだ。 前記後、100℃/60minで加熱処理して、
オイル寒天状固体物とした。その後フッ素樹脂円筒から
該固体物を取り去り、外径22mm、オイル塗布体幅2
20mmの金属軸とオイル及びオイル3次元架橋材を用
いて、オイル流動性を抑え、かつ寒天状としたロール状
オイル固形化物を得た。 前記のオイル固形化物の表面に、幅228mm、
厚み30μm、空隙率80%、最大細孔径0.5μmの
延伸多孔質PTFEシート(ジャパンゴアテックス社
製、商標名「ゴアテックス」)を3.5周相当巻き付
け、オイル固形化物の表面粘着性を利用して粘着固定し
た。延伸多孔質PTFEシートのロール幅方向両端部
は、ロール状オイル固形化物の側端面に倒し込んで粘着
固定した。このようにして、外径15.2mm、オイル
塗布体幅220.2mmの金属軸とオイル及びオイル3
次元架橋材を用いて、オイル流動性を抑え、かつ寒天状
とされ、かつオイル塗布すべき表面に多孔質樹脂シート
が配置されているロール状オイル塗布部体Aを得た。
【0033】(2)クリーニング部体 厚み0.6mm、幅20mm、長さ310mmのス
テンレスを用意し、幅方向の中心線を起点に折り曲げ、
30°のくの字状板を用意した。 上記ステンレス鋼板の表面粗さをJIS−B−06
01により測定をした結果、表面粗さ[Ra]は、0.
15μmだった。
【0034】(3)オイル塗布部材 上記ロール状塗布部体の鉛直下方向の架台壁面に上
記クリーニング部体(くの字状板)を図3のような向き
で、該ロール状オイル塗布部体との当接幅が2mmにな
るように取り付けた。 上記組立により、多孔質PTFEシートが表面に配
置されたロール状オイル塗布部体と、厚み0.6mmの
SUS鋼板よりなるクリーニング部体から構成され、そ
のクリーニング部体は、該ロール回転方向に対し0°で
当接し、該当接箇所は配置されたロール状オイル塗布部
体の回転中心点水平位置より下位に位置しているオイル
塗布部材を得た。 前記のオイル塗布部材を、毎分3枚/分(A4判
フルカラー印刷モード)のフルカラーレーザービームプ
リンター(KL3015、コニカ社製)の定着部の加熱
ロール側にセットした。
【0035】(4)部体評価 上記(3)のオイル塗布部材を、該プリンターに
て、国内再生紙A4サイズ紙(KB−K39N、コクヨ
社製)にて、90秒毎に、6枚の印刷指示を送るプログ
ラムにて、1000枚までの印刷テストを行った。(印
刷画像は、5%文字画像のフルカラーチャートを使用) オイル塗布量として、200枚印字毎にオイル塗布
材の重量減量値を計り、1枚当たりの平均オイル塗布量
を算出した。 また、200枚印字毎の重量測定時にオイルロール
外観も併せて観察した。 上記の結果は以下の如くなり、多少のコンタミ
(異物)付着も認められたが良好なオイル塗布をしてい
ることが確認できた。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 (1)ロール状オイル塗布部体 実施例1と同様の外径15.2mm、オイル塗布体
幅220.2mmの金属軸とオイル及びオイル3次元架
橋材を用いて、オイル流動性を抑え、かつ寒天状とさ
れ、かつオイル塗布すべき表面に多孔質樹脂シートが配
置されているロール状オイル塗布部体を用意した。
【0038】(2)クリーニング部体 実施例1と同様の厚み0.6mmt、幅20mm、
長さ310mmのステンレスを用意し、幅方向の中心線
を起点に折り曲げ、30°のくの字状板を用意した。 上記鋼板の両面に、ポリプロピレン製の厚み400
μm、目付50g/m 2の不織布(PK−110、三井
石油化学工業社製)を耐熱両面粘着テープ(#909、
住友スリーエム社製)にて包みこむように固定し、総厚
1.4mmのクリーニング部体を得た。 上記不織布積層ステンレス鋼板の表面粗さをJIS
−B−0601により測定をした結果、表面粗さ[R
a]は、40μmだった。
【0039】(3)オイル塗布部材 上記ロール状塗布部体の鉛直下方向の架台壁面に上
記クリーニング部体を、実施例1と同様に、該ロール状
オイル塗布部体との当接幅が2mmになるように取り付
けた。 上記組立により、多孔質PTFEシートが表面に配
置されたロール状オイル塗布部体と、総厚み1.4mm
のSUS鋼板に担持された表面粗さ[Ra]40μmの
不織布表層よりなるクリーニング部体から構成され、そ
のクリーニング部体は、該ロール回転方向に対し0°で
当接し、該当接箇所は配置されたロール状オイル塗布部
体の回転中心点より下位に位置しているオイル塗布部材
を得た。 前記のオイル塗布部体を、実施例1同様に毎分3
枚/分(A4判フルカラー印刷モード)のフルカラーレ
ーザービームプリンター(KL3015、コニカ社製)
の定着部の加熱ロール側にセットした。
【0040】(4)部体評価 上記(3)のオイル塗布部材を、該プリンターに
て、国内再生紙A4サイズ紙(KB−K39N、コクヨ
社製)にて1000枚までの実施例1と同じ印刷テスト
を行った。 オイル塗布量として、200枚印字毎にオイル塗布
材の重量減量値を計り、1枚当たりの平均オイル塗布量
を算出した。 また、200枚印字毎の重量測定時にオイルロール
外観も併せて観察した。 上記の結果は以下の如くなり、若干のコンタミ付
着が認められたものの、実施例1より改善された状態が
確認された。オイル塗布量に関しては実施例1同様に良
好なオイル塗布をしていることが確認できた。
【0041】
【表2】
【0042】実施例3 (1)ロール状オイル塗布部体 実施例1と同様の外径15.2mm、オイル塗布体
幅220.2mmの金属軸とオイル及びオイル3次元架
橋材を用いて、オイル流動性を抑え、かつ寒天状とさ
れ、かつオイル塗布すべき表面に多孔質樹脂シートが配
置されているロール状オイル塗布部体を用意した。
【0043】(2)クリーニング部体 実施例1と同様の厚み0.6mm、幅20mm、長
さ310mmのステンレスを用意し、幅方向の中心線を
起点に折り曲げ、30°のくの字状板を用意した。 ポリエステル製の厚み110μm、目付43g/m
2の不織布(H8004、日本バイリーン社製)に、厚
み20μm、空隙率80%、最大孔径0.5μmの延伸
多孔質PTFEシート(ジャパンゴアテックス社製、商
標名「ゴアテックス」)を重ね合せて、加熱ロール間を
通過させ、熱融着によって積層された、厚み125μm
の多孔質PTFEシート/ポリエステル不織布積層ラミ
ネートを用意した。 上記鋼板の両面に、同じく上記の厚み125μm
の多孔質PTFEシート/ポリエステル不織布積層ラミ
ネートをポリエステル不織布が外面になるように耐熱両
面粘着テープ(#909、住友スリーエム社製)にて包
みこむように固定し、総厚0.85mmのクリーニング
部体を2個作製した。 上記多孔質PTFEシート/ポリエステル不織布積
層ステンレス鋼板の表面粗さをJIS−B−0601に
則った測定をした結果、表面粗さ[Ra]は、ポリエス
テル不織布積層側で6μmだった。
【0044】(3)オイル塗布部材 上記ロール状塗布部体の鉛直下方向の架台壁面に上
記クリーニング部体を2個、図4のような向きで、該ロ
ール状オイル塗布部体との当接幅が上流側クリーニング
部体で0.5mm、下流側クリーニング部体で1.5m
mになるように取り付けた。該ロール状塗布部体の回転
方向に対する該クリーニング部体の当接角度は、上流側
クリーニング部体が60°、下流側クリーニング部体が
15°とした。 上記組立により、多孔質PTFEシートが表面に配
置されたロール状オイル塗布部体と、総厚み1.4mm
のSUS鋼板に担持された表面粗さ[Ra]6μmの多
孔質PTFEシート/ポリエステル不織布よりなり、該
ポリエステル不織布が外面になる2個のクリーニング部
体から構成され、そのクリーニング部体は、該ロール回
転方向に対し上流側クリーニング部体が60°、下流側
クリーニング部体が15°で当接し、該当接箇所は配置
されたロール状オイル塗布部体の回転中心点水平位置よ
り下位に位置しているオイル塗布部材を得た。 前記のオイル塗布部材を、実施例1同様に毎分3
枚/分(A4判フルカラー印刷モード)のフルカラーレ
ーザービームプリンター(KL3015、コニカ社製)
の定着部の加熱ロール側にセットした。
【0045】(4)部体評価 上記(3)のオイル塗布部材を、該プリンターに
て、国内再生紙A4サイズ紙(KB−K39N、コクヨ
社製)にて1000枚までの実施例1と同じ印刷テスト
を行った。 オイル塗布量として、200枚印字毎にオイル塗布
材の重量減量値を計り、1枚当たりの平均オイル塗布量
を算出した。 また、200枚印字毎の重量測定時にオイルロール
外観も併せて観察した。 上記の結果は以下の如くなり、コンタミ付着は、
評価期間中その付着は認められず、実施例1及び2より
改善された状態が確認された。オイル塗布量に関しては
実施例1及び2同様に良好なオイル塗布をしていること
が確認できた。
【0046】
【表3】
【0047】比較例1 (1)ロール状オイル塗布部体 実施例1と同様の外径15.2mm、オイル塗布体
幅220.2mmの金属軸とオイル及びオイル3次元架
橋材を用いて、オイル流動性を抑え、かつ寒天状とさ
れ、かつオイル塗布すべき表面に多孔質樹脂シートが配
置されているロール状オイル塗布部体を用意した。
【0048】(2)オイル塗布部材 上記ロール状塗布部体の鉛直下方向の架台壁面には
クリーニング部体の取り付けを行わずに、多孔質PTF
Eシートが表面に配置されたロール状オイル塗布部体の
みで構成されているオイル塗布部材を得た。 前記オイル塗布部材を、実施例1同様に毎分3枚/
分(A4判フルカラー印刷モード)のフルカラーレーザ
ービームプリンター(KL3015、コニカ社製])の
定着部の加熱ロール側にセットした。
【0049】(3)部体評価 上記(2)のオイル塗布部材を、該プリンターに
て、国内再生紙A4サイズ紙(KB−K39N、コクヨ
社製)にて1000枚までの実施例1と同じ印刷テスト
を行った。 オイル塗布量として、200枚印字毎にオイル塗布
材の重量減量値を計り、1枚当たりの平均オイル塗布量
を算出した。 また、200枚印字毎の重量測定時にオイルロール
外観も併せて観察した。 上記の結果は以下の如くなり、コンタミ付着が通
紙後半で認められた。また、同時に表面に付着していた
ものと見られる2mmφ状の付着・蓄積物が、出力画像
上に幾つか確認された。オイル塗布量に関しては実施例
1同様に当初良好なオイル塗布をしているが、通紙後半
域で若干のオイル塗布の低下が確認された。
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】本発明により、安定したオイル塗布性能
を保持しながらも、省スペースに対応し、また再利用ま
た分別廃棄が容易にできるオイル塗布機構でありなが
ら、昨今のトナー細粒径化、再生紙及び裏面使用による
付着汚染物が多く発生する環境下でも、安定したオイル
塗布性能を発現するオイル塗布部材を提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオイル塗布部材と被オイル塗布部
体との接触状態図の1例を示す。
【図2】本発明によるオイル塗布部材と被オイル塗布部
体との接触状態図の他の例を示す。
【図3】本発明によるオイル塗布部材と被オイル塗布部
体との接触状態図のさらに他の例を示す。
【図4】本発明によるオイル塗布部材と被オイル塗布部
体との接触状態図のさらに他の例を示す。
【符号の説明】
1 オイル塗布部体A 2、2’ クリーニング部体B 3 オイル塗布部体Aの回転方向 4 オイル塗布部体Aに対するクリーニング部体Bの
当接角度 5 オイル塗布部体Aの中心位置 6 鉛直方向 11 被オイル塗布部体 13 架台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C10N 40:06 C10N 40:06 50:10 50:10 (72)発明者 元田 明宏 東京都世田谷区赤堤1丁目42番5号 ジャ パンゴアテックス株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA09 AA21 AA32 BA42 BA43 BA44 BA45 BA47 BA50 BA54 BA55 BA56 BB00 4F040 AA05 AB08 BA14 CB02 CB28 CB34 4H104 CD01A CD02C CD04A CJ02A PA04 RA03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型作用を有するオイルをゲル化剤を用
    いてゲル化させることにより形成したオイル固形化物と
    該オイル固形化物の表面の少なくとも一部に形成された
    多孔質樹脂シートとからなり、該多孔質樹脂シートの表
    面の少なくとも一部をオイル塗布面とするロール状オイ
    ル塗布部体Aと、該ロール状オイル塗布部体Aの表面に
    当接し、該表面に付着された汚染物を該表面より取り去
    るクリーニング部体Bとから構成されることを特徴とす
    るオイル塗布部材。
  2. 【請求項2】 該オイル塗布部体Aのオイル固形化物を
    構成する離型作用を有するオイルの粘度(25℃)が、
    10〜60000csである請求項1に記載のオイル塗
    布部材。
  3. 【請求項3】 該オイル塗布部体Aのオイル固形化物を
    構成する離型作用を有するオイルが、シリコーンオイ
    ル、変性シリコーンオイル又はフッ素オイルである請求
    項1又は2に記載のオイル塗布部材。
  4. 【請求項4】 該オイル塗布部体Aのオイルゲル化剤
    が、シリコーンゴムからなる請求項1〜3のいずれかに
    記載のオイル塗布部材。
  5. 【請求項5】 該オイル塗布部体Aの多孔質樹脂シート
    の空孔内に、離型作用を有するオイルをオイルゲル化剤
    を用いてゲル化させて形成したゲル化オイルが保持され
    ている請求項1〜4のいずれかに記載のオイル塗布部
    材。
  6. 【請求項6】 該オイル塗布部体Aの多孔質樹脂シート
    の空孔内に保持されたゲル化オイルにおけるオイルゲル
    化剤/オイル重量比Xと該オイル固形化物におけるオイ
    ルゲル化剤/オイル重量比Yとの比X/Yが、少なくと
    も1である請求項5に記載のオイル塗布部材。
  7. 【請求項7】 該オイル塗布部体Aの該多孔質樹脂シー
    トが、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製シートであ
    る請求項1〜6のいずれかに記載のオイル塗布部材。
  8. 【請求項8】 該オイル塗布部体Aの表面に当接される
    該クリーニング部体Bの数が2個以上である請求項1〜
    7のいずれかに記載のオイル塗布部材。
  9. 【請求項9】 該クリーニング部体Bの当接角度が、該
    オイル塗布部体の回転方向に対し90°以下である請求
    項1〜8のいずれかに記載のオイル塗布部材。
  10. 【請求項10】 該クリーニング部体Bの当接位置が、
    該ロール状オイル塗布部体の中心位置と同じ水平位置な
    いしはそれより鉛直方向に下位である請求項1〜9のい
    ずれかに記載のオイル塗布部材。
  11. 【請求項11】 該クリーニング部体Bが、棒状形状で
    ある請求項1〜10のいずれかに記載のオイル塗布部
    材。
  12. 【請求項12】 該棒状形状のクリーニング部体Bが、
    最低厚さが0.5mm以上で、金属または樹脂で構成さ
    れている請求項11に記載のオイル塗布部材。
  13. 【請求項13】 該クリーニング部体Bの該オイル塗布
    部体Aと当接する表面が、表面粗さ[Ra]0.01μ
    m以上200μm以下の表面に形成されている請求項1
    〜12のいずれかに記載のオイル塗布部材。
  14. 【請求項14】 該クリーニング部体Bの該オイル塗布
    部体Aと当接する表面が、不織布で形成されている請求
    項1〜13のいずれかに記載のオイル塗布部材。
  15. 【請求項15】 該クリーニング部体Bの該オイル塗布
    部体Aと当接する表面が、不織布と多孔質樹脂シートと
    が積層接着された積層体で形成されている請求項1〜1
    4のいずれかに記載のオイル塗布部材。
  16. 【請求項16】 該クリーニング部体Bの該多孔質樹脂
    シートが、多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートで
    ある請求項15に記載のオイル塗布部材。
  17. 【請求項17】 オイル塗布部材と定着部材とを有する
    トナー画像定着装置において、該オイル塗布部材として
    請求項1〜16のいずれかに記載のオイル塗布部材を用
    いることを特徴とするトナー画像定着装置。
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