JP4440428B2 - 画像形成装置に使用されるオイル塗布ローラおよびそれを用いた画像定着ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットに使用されるオイル塗布ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式画像形成装置は、基本的に、所定の画像情報に基づいて感光ドラムを露光して感光ドラム上に静電潜像を形成するための静電潜像形成ユニットと、感光ドラム上に形成された静電潜像に現像ローラからトナーを供給・付着させて静電潜像に対応するトナー像(可視像)を形成するための現像ユニットと、感光ドラム上に形成されたトナー像を記録紙に転写させるための転写ユニットと、記録紙上に転写されたトナー像を記録紙に強固に固着させるための定着ユニットを備える。
【0003】
定着ユニットでは、未定着トナー像を担持する記録紙に定着ローラや定着ベルト(トナーと接する定着部材)を介して圧力と熱のエネルギーをトナー像に付与する。トナー像のトナーは、エネルギーの付与とともに半溶融状態になり、記録紙へ浸透し定着が完了する。この定着の際のトナーは、粘着性を帯びているので、トナーと接する定着部材の表面には、オフセットを防止するために、オイル塗布ローラからオフセット防止オイル(例えば、シリコーンオイル)が塗布される。
【0004】
従来、かかるオイル塗布ローラとして、芯金の回りにアラミドペーパー等の不織紙を巻きつけ、これにシリコーンオイルを含浸させるとともに、このオイル含浸不織紙を覆ってフッ素樹脂のような離型性に優れた多孔質樹脂層が設けられた構成のオイル塗布ローラが知られている。この離型性多孔質樹脂層は、オイル塗布ローラの離型性を高めてトナーによる汚染を防止するものである。しかしながら、このオイル塗布ローラは、定着部材との間のニップが狭いために、オイル塗布量が不均一になることがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、上記従来のオイル塗布ローラにおいて不織紙の代わりにシリコーンスポンジ層を設けた構成のオイル塗布ローラは、オイル塗布に必要な定着部材との間のニップを低荷重の下で形成し得るという利点を有する。
【0006】
しかしながら、このオイル塗布ローラにおいては、初期オイル吐出量が多すぎるとともに、シリコーンゴムスポンジが変形しやすいために使用中にニップが変化し、安定したオイル吐出量が得られないことが判明した。
【0007】
従って、本発明は、シリコーンゴムスポンジ(多孔質弾性体)の利点を保持しつつ、初期オイル吐出量の過多を抑制し、長期にわたって安定したオイル吐出量を達成し得るオイル塗布ローラを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明はかかるオイル塗布ローラを備えたトナー画像定着ユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の側面によれば、電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットにおいてトナー画像と接触する定着部材にオフセット防止オイルを塗布するためのオイル塗布ローラであって、芯金と、この芯金の外周面を覆うように設けられた、オフセット防止オイルを含浸させた多孔質弾性体を含むオイル保持層、最外層を構成する多孔質フッ素樹脂層、前記オイル保持層と前記多孔質フッ素樹脂層との間に設けられたフェルト層、および前記オイル保持層の外周面を覆うように設けられた第1の不織紙層を備え、前記フェルト層は、短冊状のフェルトを、前記第1の不織紙層13の上にスパイラル状に間隔を設けないで巻回させて形成されていることを特徴とするオイル塗布ローラが提供される。
【0010】
本発明のオイル塗布ローラは、フェルト層の外周面を覆うように設けられた第2の不織紙層をさらに備えることができる。
【0011】
本発明のオイル塗布ローラにおいて、多孔質弾性体が、シリコーンゴムスポンジまたはメラミン樹脂スポンジにより構成されること、第1の不織紙層がポリエステル繊維を含むこと、フェルト層がアラミド繊維を含むこと、第2の不織紙層がアラミド繊維を含むこと、および/または多孔質フッ素樹脂層がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことが好ましい。また、多孔質フッ素樹脂層は、通常、PTFE等の熱収縮性多孔質フッ素樹脂管状体の熱収縮により、接着手段を用いることなく形成される。
【0012】
また、本発明のオイル塗布ローラは、正クラウン表面形状を有することができる。
【0013】
本発明の第2の側面によれば、第1の定着部材と、該第1の定着部材との間に未定着トナー画像を担持するシートを挿通させて該第1の定着部材に該シートを押圧することにより該未定着トナー画像を該シート上に定着させるための加圧ローラからなる第2の定着部材とを含む画像定着手段、並びに該第1の定着部材に当接して該第1の定着部材にオフセット防止オイルを塗布するためのオイル塗布ローラを備える電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットであって、該オイル塗布ローラが本発明のオイル塗布ローラにより構成されることを特徴とするトナー画像定着ユニットが提供される。
【0014】
本発明のトナー画像定着ユニットにおいて、第1の定着部材は、通常、定着ローラにより構成される。
【0015】
本発明のトナー画像定着ユニットは、オイル塗布ローラに当接するように設けられたクリーニングローラを備えることができる。このクリーニングローラはそれ自体が回転駆動されることが好ましい。
【0016】
本発明のトナー画像定着ユニットにおいて、オイル塗布ローラまたはクリーニングローラのいずれか一方または両方が、正クラウン表面形状を有することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳しく説明する。全図にわたり、同様の要素には、同じ符号が付されている。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るオイル塗布ローラの一例を断面で示すものである。
【0019】
図1に示す本発明のオイル塗布ローラ10は、基本的に、円柱または円筒状の芯金(ローラ本体)11、この芯金11の外周面を実質的に全面的に覆って設けられた多孔質弾性体からなるオイル保持層12、最外層としての多孔質フッ素樹脂層16、およびオイル保持層12と多孔質フッ素樹脂層16との間に設けられたフェルト層14を備える。オイル保持層12には、オフセット防止オイルが含浸されている。図1に示すオイル塗布ローラは、これら要素に加えて、オイル保持層の外周面を覆うように設けられた第1の不織紙層13およびフェルト層14の外周面を覆うように設けられた第2の不織紙層15を備えており、この場合フェルト層14はいうまでもなく第1の不織紙層13の外周面を覆って形成されている。しかしながら、第2の不織紙層15を省略することができる。その場合、最外層としての多孔質フッ素樹脂層16はフェルト層14の外周面を覆って設けられる。オイル塗布ローラの両端面には、オフセットオイルの横漏れ防止とローラ端部の変形防止のためにカラー(フランジ)部材17a、17bを設けることができる。
【0020】
本発明において、芯金11は、通常の芯金と特に異なるものではなく、鉄等の金属で作製することができ、アルミニウムパイプ等の金属パイプで構成することもできる。
【0021】
芯金11を覆って設けられたオイル保持層12は、多孔質弾性体からなり、例えばジメチルシリコーンオイルのような通常のシリコーンオイル等のオフセット防止オイルを含浸させている。オイル保持層12を構成する多孔質弾性体は、通常のシリコーンゴム多孔質体(スポンジ)(半連続気泡型発泡体もしくは連続気孔体)またはメラミン樹脂スポンジにより構成することができるが、シリコーンゴムスポンジからなることが好ましい。かかるシリコーンゴム多孔質体は、20〜70%の気孔率を有し、自重量の0.3倍〜2倍のオフセットオイル(特に、シリコーンオイル)を含浸させ得る。ここで、この弾性体とは、JISハンドブック19 ゴム 1997の第29頁に定義されているゴム状弾性を有する弾性体であることを意味する。
【0022】
オイル保持層12は、3mm〜10mmの厚さを有することが好ましい。
【0023】
オイル保持層12上に必要に応じて設ける第1の不織紙層13は、耐熱性を有する合成繊維により構成されることが好ましい。そのような合成繊維としては、ポリエステル繊維、特にポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を好適に使用することができる。第1の不織紙層13は、50〜150g/m2 の目付量を有することが好ましい。また、第1の不織紙層13は、50〜150μmの厚さを有することが好ましい。第1の不織紙層13は、円筒状にオイル保持層12を覆うことができる。
【0024】
フェルト層14は、耐熱性を有する合成繊維により構成されることが好ましい。そのような合成繊維としては、アラミド繊維(デュポン社から入手し得るノーメックスまたは帝人社から入手し得るコーネックス等)を好適に使用することができる。フェルト層14は、300〜600g/m2 の目付量を有することが好ましい。また、フェルト層14は、1.0〜2.5mmの厚さを有することが好ましい。フェルト層14は、短冊状のフェルトを、第1の不織紙層13の上に、スパイラル状に、間隔を設けないで密に巻回させて設けることができる。かかるフェルト層14は、オイル吐出量の安定化に寄与する。
【0025】
フェルト層14を覆って必要に応じて設けられる第2の不織紙層15は、耐熱性を有する合成繊維により構成されることが好ましい。そのような合成繊維としては、上記アラミド繊維またはアラミド繊維とポリエステル繊維との混合物を好適に使用することができる。第2の不織紙層15は、10〜30g/m2 の目付量を有することが好ましい。また、第2の不織紙層15は、30〜60μmの厚さを有することが好ましい。第2の不織紙層15は、円筒状にフェルト層14を覆うことができる。
【0026】
多孔質フッ素樹脂層16は、熱収縮性多孔質フッ素樹脂管状体(チューブ)から構成されることが好ましい。そのようなフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が特に好適に使用される。かかる多孔質フッ素樹脂は、特許第2882767号掲載公報に記載されているように、最大径が0.1μm以下であり、透気度が50〜6000秒/100ccの範囲内にあり、かつ表面粗さRaが0.5μm未満であることが特に好ましく、熱収縮率が30%以上のものが好適である。多孔質フッ素樹脂層16は、熱収縮性多孔質フッ素樹脂チューブを、第2の不織紙層15を設けない場合にはフェルト層14の表面上に、第2の不織紙層15を設けた場合にはその表面上に、被せ、加熱収縮させることにより形成することができる。多孔質フッ素樹脂層16は、通常、この熱収縮のみにより、別段のスポット接着等の接着手段を用いることなく形成される。多孔質フッ素樹脂層16は、オイル塗布ローラ10に離型性を付与し、目詰まりを起こさずに長期にわたってオイルを吐出させることを可能とするものである。多孔質フッ素樹脂層16は、図1に示すように、フランジ部材17a、17bの表面をも覆うように設けられることが好ましい。
【0027】
さて、以上の構成のオイル塗布ローラ10において、フェルト層14は、上に述べたように、オイル吐出量の安定化に寄与するものであり、初期の過剰オイル吐出量を抑制し、所望量のオイル吐出を長期にわたって安定に行わせるものである。
【0028】
しかしながら、オイル保持層12がシリコーンオイル等のオフセット防止オイルにより膨潤するものである場合(例えばシリコーンゴムスポンジにより構成される場合)、そのオフセット防止オイルの含浸により膨潤し、径方向ばかりでなく長手方向(ローラ軸方向)にも膨張してしまう結果、フェルト層14を構成する互いに隣接する短冊状フェルト同士の間に隙間が生じ、オイル吐出量の安定性に欠けたり、多孔質フッ素樹脂層16の表面に凹凸を生じさせその凹部に未定着トナーが蓄積してクリーニング不良が発生したりすることがわかった。そのような場合に、第1の不織紙13を設けると、その第1の不織紙層13は、そのような多孔質弾性体オイル保持層12の膨潤による短冊状フェルト間の離間を防止し、隣接する短冊状フェルトの端面同士を隙間なく密接した状態に保つ作用をなす。フェルト層14を覆う第2の不織紙層15は、主にローラ表面のより一層の平滑化に寄与するものである。
【0029】
本発明のオイル塗布ローラは、多孔質弾性体の利点(低荷重下でのニップ形成の容易性)を保持しつつ、多孔質弾性体からのオイルオフセット防止オイルを初期オイル吐出量の過多を抑制しつつ長期にわたって安定に吐出することができる。
【0030】
本発明のオイル塗布ローラは、電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットにおけるオイル塗布ローラとして組み込むことができる。かかるトナー画像定着ユニットは、基本的に、第1の定着部材と、第1の定着部材との間に未定着トナー画像を担持するシートを挿通させて第1の定着部材に該シートを押圧することにより未定着トナー画像を該シート上に定着させるための加圧ローラからなる第2の定着部材とを含む画像定着手段、並びに第1の定着部材に当接して第1の定着部材にオフセット防止オイルを塗布するためのオイル塗布ローラを備える。
【0031】
図2は、本発明のオイル塗布ローラを組み込んだトナー画像定着ユニットの概略構成図であり、この定着ユニットは、第1の定着部材として定着ローラを備える。
【0032】
より具体的には、図2に示すトナー画像定着ユニット20は、第1の定着部材としての定着ローラ21と、この定着ローラ21に当接するように設けられた加圧ローラ(第2の定着部材)22とから構成される定着手段を備える。定着ローラ21は、シートS上に担持された未定着ドナー画像のトナーに熱を与えるために、その内部にヒータ等の加熱手段211を内蔵している。定着ローラ21、加圧ローラ22は、いずれも、通常の使用されているものと特に異なるところはない。
【0033】
定着ローラ21にオフセット防止オイルを塗布するために、定着ローラ21に当接してオイル塗布ローラ23が設けられている。このオイル塗布ローラ23は、本発明のオイル塗布ローラにより構成される。
【0034】
未定着トナー画像を担持するシート(紙等)Sは、そのトナー画像が定着ローラ21と接触するように、電子写真式画像形成装置の転写ユニット(図示せず)から搬送され、定着ローラ21と加圧ローラ22とのニップ部に挿入され、熱および圧力を受け、それにより未定着トナー画像はシートS上に強固に固着(定着)される。
【0035】
図2に示すトナー画像定着ユニット20は、オイル塗布ローラ23に当接してクリーニングローラ24を有することができる。このクリーニングローラ24は、トナー画像と接する定着ローラ21に付着し、オイル塗布ローラ23に移行した残存未定着トナー粒子をオイル塗布ローラ23から除去するものであり、芯金の外周面にフッ素ゴムの層を設けてなる。フッ素ゴム層の厚さは、通常、5〜20μmである。
【0036】
このようなクリーニングローラ24を設けた場合、オイル塗布ローラ23の最上層もフッ素樹脂からなるため、クリーニングローラ24がオイル塗布ローラ23に対してスリップし、オイル塗布ローラの従動回転に従動して回転しないことがあることがわかった。このクリーニングローラ24の空回転を防止するためには、クリーニングローラ24自体を駆動させることが好ましい。このクリーニングローラ24を回転駆動させるための機構自体は当該分野でよく知られているので詳しい説明は省略する。
【0037】
さらに、クリーニングローラ24を回転駆動させる場合には、塗布ローラ23またはクリーニングローラ24のいずれか一方または両方が正クラウン表面形状を有することが好ましい。塗布ローラ23またはクリーニングローラ24のいずれか一方または両方が正クラウン表面形状を有することにより、オイル塗布ローラ23の中央部におけるクリーニング不良を生ずることなくオイル塗布ローラ23をより一層均一にクリーニングすることができる。ここで、正クラウン表面形状とは、ローラの外径が、軸方向において、その両端部から中央または中央領域に向って、段階的ではなく、ほぼ直線状に漸増するローラ外形状を指す。これに対し、ストレート表面形状とは軸方向に沿ったローラ外形状が実質的に同一であるローラ外形状を指す。本明細書の記述において、ローラ外形状について特段の指摘がない場合は、そのローラはストレート表面形状を有するものと理解されるべきである。
【0038】
図3は、正クラウン表面形状を有する本発明のオイル塗布ローラの外形を示す。図3において、aは、いわゆるクラウン値であり、bは、平坦な中央面の軸方向の長さを示す。aは、上方傾斜面の起点から当該上方傾斜面が中央面までの垂直方向の距離を表す。クラウン値aは、0.05mm〜0.5mmであることが好ましく、長さbは、実質的に0である場合も含まれるが、50mm〜150mmであることが好ましい。
【0039】
図3に示すような正クラウン表面形状を有するオイル塗布ローラを作製するためには、図1を参照すると、オイル供給層12に正クラウン表面形状を研磨により付与し、その上に第1の不織紙層13、フェルト層14と第2の不織紙層15を設けてゆく方法、オイル供給層12上に第1の不織紙層13を正クラウン表面形状を有するように設け、その上にフェルト層14と第2の不織紙層15を設けてゆく方法、さらには厚さの異なる短冊状フェルトを用いて第1の不織紙13を巻回して正クラウン表面形状を得、その上に第2の不織紙層15を設ける方法(いずれの場合にも、最終的にローラ表面を熱収縮性多孔質樹脂チューブ16で収縮被覆することはいうまでもない)が考えられる。しかしながら、最も簡便で安定して正クラウン表面形状を得る方法は、図4(a)に示すような形状(二等辺台形部Xとその下底とその長辺を共通にした長方形部Yからなる六角形状、以下所定の六角形状という)に第2の不織紙をカットし、これを図4(b)に示すようにフェルト層14上に巻回する方法である。所定の六角形状の台形部Xの高さAを変えることによりクラウン値aを変えることができ、台形部Xの上底の長さBを変えることにより平坦面の軸方向の長さbを変えることができる。
【0040】
クリーニングローラに正クラウン表面形状を付す場合には、芯金自体に研磨等により正クラウン表面形状を付与し、その上をフッ素ゴム層で被覆すればよい。なお、第2の不織紙の展開形状は、上記所定の六角形状が好ましいが、これに限らず、台形状、二等辺三角形状、二等辺三角形部とその底辺を共通にした長方形部からなる五角形状であり得る。
【0041】
以上、図2に関して第1の定着部材が定着ローラからなる定着ユニットを説明したが、本発明のトナー画像定着ユニットにおける第1の定着部材は、互いに離間して配置された加熱ローラと定着ローラとの間にエンドレスに掛け渡された定着ベルトにより構成することもできる。その場合、定着ローラには加熱手段は不要であり、その定着ローラと当接するように第2の定着部材としての加圧ローラが設けられる。
【0042】
【実施例】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0043】
実施例および比較例
<オイル塗布ローラの作製>
実施例1
図1に示す構成のオイル塗布ローラを以下のようにして作製した。
【0044】
外径8mm、長さ342mmのステンレス鋼製芯金11をシリコーン多孔質弾性体(オイル供給層)12(厚さ5mm)で被覆した。このオイル供給層12上にPET繊維不織紙(厚さ100μm、目付量90g/m2 )を円筒状に巻いて第1の不織紙層13を形成し、その上に2デニールのノーメックス繊維からなる短冊状フェルト(厚さ1.5mm、目付量450g/m2 )をスパイラル状に巻きつけた。得られたフェルト層14上にコーネックス繊維50%と未延伸ポリエステル繊維50%からなる不織紙(厚さ40μm、目付量18g/m2 )を円筒状に巻いて第2の不織紙層15を形成した。この不織紙層15上に厚さ約100μmの熱収縮性多孔質PTFEチューブ16を被せ、加熱収縮させた後、ジメチルシリコーン油(粘度100CS)を含浸させて所望のオイル塗布ローラ本体を得た。
【0045】
比較例1
第1の不織紙層13とフェルト層14を設けなかった以外は実施例1と全く同様にしてオイル塗布ローラを作製した。
【0046】
<オイル塗布試験I>
実施例1および比較例1で作製したオイル塗布ローラをそれぞれ東芝テック製複写機FANTASIA22の定着ユニットにおけるオイル塗布ローラとして組み込んだ。
【0047】
I.オイル塗布(吐出)量の測定
上記複写機に連続通紙したときのオイル塗布量(A4紙当りのオイル塗布量)をオイル塗布ローラの通紙前後の重量を電子天秤で測定することによって算出した。その結果を図5に示す。図5において、線aは実施例1のオイル塗布ローラについての結果を示し、線bは比較例1のオイル塗布ローラについての結果を示す。図5に示す結果から、実施例1のオイル塗布ローラは通紙枚数1000枚から6000枚までほぼ一定のオイル吐出量を示すが、フェルト層を設けない比較例1のオイル塗布ローラは、初期のオイル吐出量が過剰であり、オイル吐出量の経時変化も大きいことがわかる。
【0048】
II.オイル塗布ローラの外径変化の測定
上記複写機に連続通紙したときのオイル塗布ローラの外径変化を各ローラについて5点測定した。各オイル塗布ローラの両端部を測定点1および5とし、中央を測定点3とし、測定点1と測定点3との中間を測定点2とし、測定点3と測定点5との中間を測定点4とした。実施例1のオイル塗布ローラについての結果を図6に示し、比較例1のオイル塗布ローラについての結果を図7に示す。図6において、線aはオイル塗布試験前の外径を示し、曲線bは1000枚通紙の値の外径を示し、線cは4000枚通紙後の外径を示す。図7において、線aはオイル塗布試験前の外径を示し、線bは1000枚通紙後の外径を示す。図7に示すように、フェルト層を設けていない比較例1のオイル塗布ローラは、1000枚通紙後でもスポンジ層の形状変化の影響でその外径が大きく変化していることがわかる。これに対し、図6に示すように、フェルト層を備えた実施例1のオイル塗布ローラは、通紙前後にわたって外径変化がほとんどなく安定している。
【0049】
実施例2
実施例1と同じ仕様で本発明のオイル塗布ローラを作製した。このオイル塗布ローラを用いて、上記と全く同様にしてその外径の変化を測定した。結果を図8に示す。図8において、線aは通紙前の外径を示し、線bは1000枚通紙後の外径を示し、線cは4万枚通紙後の外径を示す。この結果から、本発明のオイル塗布ローラは、4万枚通紙後でもその外径が実質的に変化しないことがわかる。
【0050】
実施例3〜5
実施例3および4では、図3に示す正クラウン表面形状を有する本発明のオイル塗布ローラを作製した。実施例3のオイル塗布ローラは、クラウン値aが0.05mmで、長さbが90mmであり、実施例4のオイル塗布ローラは、クラウン値aが0.15mmで、長さbが90mmであった。いずれも第2の不織紙15として所定の六角形状の不織紙を用いたこと以外の作製手法は実施例1に準じ、シリコーン多孔質弾性体12の硬度を変え、製品硬度(最終オイル塗布ローラの表面アスカー硬度)が45度未満、45度、60度、65度、80度となるオイル塗布ローラを作製した。また、実施例5として、図2に示す定着ユニットのクリーニングローラとして、芯金を研磨することにより25μmのクラウン値(長さbは0mm)を有する正クラウン表面形状を有するクリーニングローラを作製した。なお、実施例1のオイル塗布ローラについてもシリコーン多孔質弾性体12の硬度を変えて、上記と同様の製品硬度を有するオイル塗布ローラとした。
【0051】
これらオイル塗布ローラとクリーニングローラとの組み合わせを表1〜表3に示すように変え、上記条件の下で通紙し、クリーニング性能を調べた。クリーニング性能は、クリーニングローラ表面にトナー粒子が付着していないかどうかを目視により調べ以下の基準で評価した。
【0052】
○…トナー粒子の付着なし;
△…トナー粒子の付着ややあり;
×…トナー粒子の付着顕著にあり。
【0053】
結果を表1〜表3に併記する。
【0054】
【表1】
Figure 0004440428
【0055】
【表2】
Figure 0004440428
【0056】
【表3】
Figure 0004440428
【0057】
表1ないし表3に示す結果からわかるように、クリーニングローラとオイル塗布ローラのいずれか一方または両方に正クラウン表面形状を付与することにより、良好なクリーニング性能をもたらすことができる。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、初期オイル吐出量の過多を抑制し、長期にわたって安定したオイル吐出量を達成し得るオイル塗布ローラおよびかかるオイル塗布ローラを備えたトナー画像定着ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るオイル塗布ローラの概略断面図。
【図2】トナー画像定着ユニットの基本構成の一例を示す図。
【図3】本発明の他の実施の形態に係るオイル塗布ローラの概略断面図。
【図4】図3に示すオイル塗布ローラの作製方法を説明するための図。
【図5】本発明のオイル塗布ローラのオイル吐出量の経時変化を比較例のオイル塗布ローラのオイル吐出量の経時変化とともに示すグラフ。
【図6】本発明のオイル塗布ローラの外径の経時変化を示すグラフ。
【図7】比較例のオイル塗布ローラの外径の経時変化を示すグラフ。
【図8】本発明の他のオイル塗布ローラの外径の経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
10,23,30…オイル塗布ローラ
11…芯金
12…オイル保持
13…第1の不織紙層
14…フェルト層
15…第2の不織紙層
16…多孔質フッ素樹脂層
21…定着ローラ
22…加圧ローラ
24…クリーニングローラ
211…加熱手段

Claims (15)

  1. 電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットにおいてトナー画像と接触する定着部材にオフセット防止オイルを塗布するためのオイル塗布ローラであって、
    芯金と、この芯金の外周面を覆うように設けられた、オフセット防止オイルを含浸させた多孔質弾性体を含むオイル保持層、最外層を構成する多孔質フッ素樹脂層、前記オイル保持層と前記多孔質フッ素樹脂層との間に設けられたフェルト層、および前記オイル保持層の外周面を覆うように設けられた第1の不織紙層を備え、前記フェルト層は、短冊状のフェルトを、前記第1の不織紙層13の上にスパイラル状に間隔を設けないで巻回させて形成されていることを特徴とするオイル塗布ローラ。
  2. 前記フェルト層の外周面を覆うように設けられた第2の不織紙層をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のオイル塗布ローラ。
  3. 前記多孔質弾性体が、シリコーンゴムスポンジまたはメラミン樹脂スポンジにより構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のオイル塗布ローラ。
  4. 前記フェルト層が、アラミド繊維を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のオイル塗布ローラ。
  5. 前記多孔質フッ素樹脂層が、熱収縮性多孔質フッ素樹脂管状体の熱収縮により、接着手段を用いることなく形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のオイル塗布ローラ。
  6. 前記多孔質フッ素樹脂層が、ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のオイル塗布ローラ。
  7. 前記第1の不織紙層が、ポリエステル繊維を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のオイル塗布ローラ。
  8. 第2の不織紙層が、アラミド繊維を含むことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載のオイル塗布ローラ。
  9. 正クラウン表面形状を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載のオイル塗布ローラ。
  10. 第1の定着部材と、前記第1の定着部材との間に未定着トナー画像を担持するシートを挿通させて前記第1の定着部材に前記シートを押圧することにより前記未定着トナー画像を前記シート上に定着させるための加圧ローラからなる第2の定着部材とを含む画像定着手段、並びに前記第1の定着部材に当接して前記第1の定着部材にオフセット防止オイルを塗布するためのオイル塗布ローラを備える電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットであって、前記オイル塗布ローラが請求項1ないしのいずれか1項に記載のオイル塗布ローラにより構成されることを特徴とするトナー画像定着ユニット。
  11. 前記第1の定着部材が、定着ローラにより構成されることを特徴とする請求項10に記載のトナー画像定着ユニット。
  12. 前記オイル塗布ローラに当接するように設けられたクリーニングローラを備えることを特徴とする請求項11に記載のトナー画像定着ユニット。
  13. 前記クリーニングローラが回転駆動されることを特徴とする請求項12に記載のトナー画像定着ユニット。
  14. 前記オイル塗布ローラが、正クラウン表面形状を有することを特徴とする請求項13に記載のトナー画像定着ユニット。
  15. 前記クリーニングローラが、正クラウン表面形状を有することを特徴とする請求項13または14に記載のトナー画像定着ユニット。
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