JP3919677B2 - クリーニング部材およびそれを用いたクリーニング装置および方法 - Google Patents

クリーニング部材およびそれを用いたクリーニング装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不織布を用いてクリーニングする全般的な用途を包含しているが、特に複写機などに配設されているトナー画像定着装置のクリーニングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の定着装置に用いられる加熱ロールや加圧ロール、定着ベルト、給油ロールなどの各部材の周面部に付着した紙粉やトナーかすなどの汚染物を取り除く方法として、該周面に、薄板状の樹脂または金属のブレードを当接する方法(ブレード方式)や、フェルトを表層に用いたパッドを当接する方法(パッド方式)、ブラシ状のクリーニングロールやフェルトなどを軸材に巻き付けたクリーニングロールを当接する方法(ロール方式)などが一般的に用いられている。しかし、これらの方法では、長時間運転すると、クリーニング部材の当接面に汚染物が集積し、汚染物除去性能が低下するとともに、集積した汚染物が離脱して記録用紙に付着したり、定着装置の内部を汚してしまうため、定期的にクリーニング部材を交換する必要があり、メンテナンスにかかるコストが高いという問題があった。
【0003】
上記の問題を解決するために、特許文献1〜3などには、送出し軸から送り出されて巻取り軸によって巻き取られるクリーニングウェブと、導出されたウェブを定着ローラに加圧する加圧手段を備えたクリーニング部材(ウェブ方式)が開示されている。この方法によれば、クリーニング部材の当接面が時間と共に移動するため、前記の汚染物集積に起因する問題を改善することが可能であるが、この方法は機構が複雑になるため、イニシャルコストが高く、定着装置が大型化するという問題があった。
【0004】
特許文献4には、芯体の外周に切り取り可能なウェブを巻回し、このウェブを画像形成媒体にトナーを定着させる定着器の加熱ロールに接触させてこの加熱ロールに付着する付着物をクリーニングするクリーニングローラが開示されている。この方法によれば、クリーニングロールの当接面に汚染物が集積した際に、汚染されたウェブを切り取ることにより、ウェブの汚染されていない面を当接面として用いることができるため、前記の汚染物集積に起因する問題を改善することが可能であるが、ウェブを切り取るための機構が複雑になり、依然としてイニシャルコストが高く、定着装置が大型化するという問題があった。また、耐熱性繊維ウェブは、切断が困難であり、ウェブ切断時に片側からしか応力をかけられない切断歯では容易に切断できないため、結局、鋏などを用いることになり、メンテナンスに手間がかかること、切断面がケバ立ちやすいため、ウェブ切断面からの繊維屑の離脱によりクリーニング性能が低下することなど、実用化するには未だ十分なものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−182670号公報
【特許文献2】
特開平3−267978号公報
【特許文献3】
特開平7−234601号公報
【特許文献4】
特開平8−328420号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような状況で、現在提案されている各クリーニング手段には、後述のような課題がある。
【0007】
例えばブレード、各クリーニングロールでは、多くなった紙粉やトナーかすに対して、クリーニング部材の有効面積が小さく、長期間での安定したクリーニング性の維持が難しい。
【0008】
また、ウェブ方式のような手段だと、システムが複雑で、構成部品のコンパクト化に適用しにくいという課題がある。
【0009】
本発明は、省スペースに対応し、昨今のトナー細粒径化、再生紙および使用済みコピー紙の裏面使用などの汚染物が多く発生する環境下でも、安定したクリーニング性能を維持するクリーニング部材およびクリーニング手段を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明によれば、以下に示すクリーニング部材およびクリーニング手段が提供される。
【0012】
(1)ウェブを2回以上巻回してなるロール状ウェブであって、該ウェブが不織布と補強フィルムとの積層体からなり、かつウェブの部分の切り離しを容易にするために切り込み線を有し、その切り込み線がウェブの長さ方向に間隔をあけて配置され、かつウェブ巾方向に伸びる切り込み線であることを特徴とするクリーニング部材。
【0013】
(2)前記積層体の厚みが0.03〜1mmである上記(1)に記載のクリーニング部材。
【0014】
(3)前記不織布が耐熱性繊維からなるものである上記(1)(2)に記載のクリーニング部材。
【0015】
(4)前記耐熱性繊維がアラミド繊維またはポリエチレンテレフタレート繊維を含むものである上記(3)に記載のクリーニング部材。
【0016】
(5)前記補強フィルムの巻回方向の引き裂き強度が10gf以上(98.1mN以上)である上記(1)〜(4)に記載のクリーニング部材。
【0017】
(6)前記補強フィルムが多孔質フィルムである上記(1)〜(5)に記載のクリーニング部材。
【0018】
(7)前記多孔質フィルムがフッ素樹脂多孔質フィルムである上記(6)に記載のクリーニング部材。
【0019】
(8)前記フッ素樹脂多孔質フィルムが延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムである上記(7)に記載のクリーニング部材。
【0020】
(9)前記切り込み線がミシン目状であり、該ミシン目の切り込み要素の長さが1〜20mmである上記(1)〜(8)に記載のクリーニング部材。
【0021】
(10)前記切り込み線がミシン目状であり、ウェブ巾(X)に対するミシン目の切り込み要素の合計長さ巾(Y)の割合(Y/X)が0.5〜0.95である上記(1)〜(9)に記載のクリーニング部材。
【0022】
(11)前記不織布の製造時の機械進行方向(MD方向)をウェブの巻回方向(ウェブ長さ方向)に用いることを特徴とする上記(1)〜(10)に記載のクリーニング部材。
【0023】
(12)前記不織布の前記MD方向をウェブの巻回方向とし、かつ不織布を破り裂いた時に不織布が破断されて形成される両端部において、不織布構成繊維の破断状態、即ち、ケバ立ちの程度が実質的に異なる不織布を用い、かつ前記不織布を破断時の構成繊維のケバ立ちが大きい方の破断端部が前記ロール状ウェブの外周側にあるように巻回したことを特徴とする上記(1)〜(11)に記載のクリーニング部材。
【0024】
(13)前記ウェブの不織布側が被クリーニング部との当接面である上記(1)〜(12)に記載のクリーニング部材。
【0025】
(14)前記ウェブの多孔質フィルム側が被クリーニング部との当接面である上記(6)〜(12)に記載のクリーニング部材。
【0026】
(15)上記(1)〜(14)に記載のクリーニング部材をトナー画像定着用ロールのクリーニングに用いることを特徴とするトナー画像定着装置。
【0027】
(16)上記(1)〜(14)に記載のクリーニング部材をトナー画像定着用ロールの被クリーニング部に当接するとともに、該クリーニング部材の最外周面の少なくとも一部を前記切り込み線により切除して該クリーニング部材の新鮮な表面をクリーニングに用いる工程を含むことを特徴とするトナー画像定着装置のクリーニング方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明のクリーニング部材は不織布とフィルムとの積層体からなるウェブから構成される。
【0029】
図1および図2に本発明のクリーニング部材の1例を模式的に示す。図1を参照すると、本発明のクリーニング部材1はウェブ2を巻回してロール3としたものであり、かつウェブの部分の切り離しを容易にするために切り込み線4を有し、その切り込み線はウェブの長さ方向に間隔をあけて配置され、かつウェブ巾方向に伸びる切り込み線である。図1では切り込み線はウェブの長さ方向に垂直に形成されているが、斜めでもよいし、切り込み線の長さや巾などは適当に選択される。
【0030】
図2は本発明のクリーニング部材1のウェブ2の断面図であるが、ウェブ2は不織布11と補強フィルム12との積層体からなる。本発明のクリーニング部材を構成するウェブに不織布を用いる理由は下記にある。即ち、クリーニング材料としては、表面ないし材料内部に汚染物を捕着できるスペースがあることが必要条件であるが、不織布はこの要求を満たす。汚染物を補着するには、汚染物の大きさや性状、クリーニング部材の当接条件などにもよるが、物理的に汚染物を捕着する場合、被クリーニング部との当接面の表面積が広い物が有利であり、捕着スペースの隙間が狭い方が捕着力が大きいが、不織布はこの点で好適な構造である。また、不織布は、表面に凹凸形状があり、当接面への貼り付きが起こり難く、当接物の回転負荷が小さい点でもクリーニング部材として好ましい。ウェブは被クリーニング体へ当接して使う物なので、ウェブに用いられる不織布の風合いは一般的にソフトな物が好ましい。
【0031】
ここで不織布は、JIS L 0222の『不織布用語』に記載の定義に準拠して、「繊維シート、ウェブまたはバットで、繊維が一方向またはランダムに配向しており、交絡、および/または融着、および/または接着によって繊維間が結合されたもの。ただし、紙、織物、編物、タフトおよび縮絨フェルトを除く。」と定義することができる。
【0032】
不織布の素材としては、パルプ、蛋白、セルロースなどの天然繊維、各種の合成繊維、ガラス、金属、炭素、アルミナ、セラミックなどの無機系繊維がある。対象となる汚染物にもよるが、汚染物を捕集できる不織布であれば制限はない。不織布の単位体積当たりの空孔率は、汚染物の捕集性能という観点から、30〜95%の範囲が好ましい。空孔率が前記範囲を超えると、繊維間の隙間が大きくなるため、汚染物の捕集が困難になる。また、空孔率が前記範囲を下回ると空孔部が少なくなるため、汚染物の捕集が困難になる。
【0033】
なお、上記空孔率は、JIS K 6885に準じて測定される不織布の見掛け密度ρ(g/cm)と、該不織布を構成する樹脂の密度ρ(g/cm)から、下式
空孔率(%)=100×(ρ−ρ)/ρ
を用いて求められる値である。
【0034】
なお、上記空孔率を測定する際の不織布の厚みは、JIS K 6885記載の条件で、JIS B 7503に準拠したダイヤルシックネスゲージで測定した値である。例えば、テクノロック社製0.01mm目盛のダイヤルシックネスゲージ(SM−112−80g)を用いることができる。(以下、不織布の厚みは上記測定方法による。)
不織布の厚みは、機械強度の観点や、巻物形状にしたときの周差によるシワの発生防止の観点などから、0.03mm〜1mmが好ましく、特に0.1〜0.5mmが好ましい。不織布の厚みが前記範囲を超えると、巻物形状にした際に、周差によるシワが起こりやすく、また巻物外径が大きくなるという問題がある。また、厚みが前記範囲を下回ると機械強度が不十分で、製造時の取り扱いが困難になる。
【0035】
また、複写機のトナー定着部用途など加熱環境下で用いる場合には、不織布の構成材料は耐熱性繊維が好ましい。用途によるが、複写機のトナー定着部に用いる場合は、不織布には一般的なトナー定着温度である100〜200℃の耐熱性が要求される。耐熱性繊維の素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、並びに全芳香族ポリエステルやポリ乳酸などのポリエステル系繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、パルプ繊維、コットン繊維、炭素繊維、ガラス繊維などや、これらを組み合せた繊維が挙げられる。
【0036】
中でも、耐熱性能、入手のしやすさ、被クリーニング体への攻撃性が少ない点、クリーニング性能などにより、アラミド繊維またはポリエチレンテレフタレート繊維より構成されるのが好ましい。
【0037】
不織布の製造方法は、切り込み線にて容易に切断できるものであれば特に制限はないが、適用できる製造法としてはレジンボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、エアレイド、スパンレース、スパンボンド、メルトブロン、フラッシュスピン、スティッチボンド、湿式などの製造法がある。
【0038】
本発明で用いられる不織布は、稼動時ないし切断時に構成繊維のケバ立ちや抜け落ちが起こりにくいような物が好ましい。具体例として、繊維間が融着ないし接着されている不織布などが挙げられる。好ましい不織布の種類としては、スパンボンド不織布、レジンボンド不織布、サーマルボンド不織布などがある。
【0039】
また、静電気や粘着剤を用いるなど、物理的に汚染物を補着する方法以外の方法で汚染物を捕着しても、また汚染物の補着を介助してもよい。その場合、導電材料や粘着剤などを不織布表面にコーティングしたものや、繊維に練り込んだものなどが適宜用いられる。
【0040】
また、不織布のウェブ製造時の方向性に特に制限はないが、不織布製造時のMD方向(機械進行方向)を、ウェブ長さ方向(巻回方向)に用いる方が、無接続で十分長尺なウェブが取れるので、製造プロセスや製品の寿命などの経済性を考慮すると好ましい。逆にMD方向をウェブ巾方向に取った場合は、比較的短尺なものしか取れないため、ウェブの長さ方向の端部を重ね合わせて粘接着したり、縫い合わせたりするなどの接続処理を施す必要があり、経済的な観点や品質の観点からあまり好ましくない。
【0041】
また、不織布はその固有の製造方法に依存して、不織布を構成する繊維の配向方向が異なる。例えば、パラレル式と呼ばれる、構成繊維がほぼMD方向に配向するように製造された不織布の場合、不織布を切断した時に不織布が破断されて形成される両端部において不織布構成繊維の破断状態、即ち、ケバ立ちの程度が実質的に異なるものが多い。このような不織布を用い、不織布のMD方向をウェブの長さ方向とし、かつ前記不織布を破断時の構成繊維のケバ立ちが大きい方の破断端部がロール状ウェブの外周側にあるように巻回して、破断面のケバ立ちが大きい方向を切除側にし、破断面のケバ立ちが小さい方向を本体側端部になるように方向性を規定することにより、巻回されて残るクリーニング部材本体側最外端の切断面にケバ立ちが少なく、使用に際し好ましい状態にすることが可能となる。本体最外端の切断面にケバ立ちが多いと、この部分から繊維が抜け落ちて被クリーニング部に付着するため、複写機のトナー定着部に用いた場合には、画像不良の原因となる。
【0042】
図3を参照すると、不織布21をMD方向22に切り出した長尺状のウェブを巾方向に手で破り裂いたときの様子を模式的に示す。不織布21はその製造過程の履歴のために、MD方向に対して垂直方向に破り裂いた場合、一方のウェブ21aの切断端面23ではケバ立ちが小さく、もう一方のウェブ21bの切断端面24ではケバ立ちが大きいという性質があることが多い。従って、ケバ立ちの大きくなる側をロールの外周側に配置することで、図1を参照すると、ウェブ2のうちの外側の端部であるウェブ切片2aを切除するとすると、このウェブ切片2aの切断端面はケバ立ちが大きいが、反対の残る側のウェブ2bの切断端面のケバ立ちは小さくすることができる。図3は切り込み線なしで破り裂いた様子であるが、切り込み線を設けておくことでウェブ21a側の切断端面のケバ立ちをさらに小さくできる。
【0043】
次に、本発明のクリーニング部材のウェブを構成する補強フィルムは、編布、織布、不織布などを含まず、薄膜状の物を指し、具体的には高分子フィルム、金属箔などのフィルム状物を指す。
【0044】
本発明に用いられる補強フィルムは、クリーニング機能を担当する不織布に積層して、切り込み線を敷設した後、該切り込み線に沿って、容易に、かつウェブに寸法変化や、歪み、たるみ、シワなど無く離切できるように不織布を補強できるものであれば、特に制限はない。
【0045】
複写機のトナー定着部用途など加熱環境下で用いる場合には、補強フィルムの構成材料は耐熱性のフィルムが好ましい。用途によるが、複写機のトナー定着部に用いる場合は、補強フィルムには一般的なトナー定着温度である100〜200℃の耐熱性が要求される。補強フィルムの素材としては、PET、PTT、PBT、並びに全芳香族ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、アラミド、ナイロン、フッ素樹脂、ポリイミドなどの高分子が挙げられる。
【0046】
補強フィルムの厚みは、機械強度の観点や、巻物形状にしたときの巻物外径などを考慮すると、0.005mm〜0.5mmが好ましく、特に0.01〜0.1mmが好ましい。補強フィルムの厚みが前記範囲を超えると、巻物形状にした際の巻物外径が大きくなるという問題がある。また、厚みが前記範囲を下回ると機械強度が不十分で、製造時の取り扱いが困難になる。
【0047】
なお、補強フィルムの厚みは、JIS B 7503に準拠したダイヤルシックネスゲージで測定した値である。ゲージの種類は、フィルムの厚みに応じて適宜選択する。例えば、フィルムの厚みが0.005〜0.05mmの場合は、テクノロック社製0.001mm目盛のダイヤルシックネスゲージ(SM−1201)を用いることができる。また、フィルムの厚みが0.02〜0.5mmの場合は、テクノロック社製0.01mm目盛のダイヤルシックネスゲージ(SM−112−80g)を用いることができる。
【0048】
また、切り込み線に沿って容易に切除可能にするために、該フィルムの巻回方向の引き裂き強度は10gf以上(98.1mN以上)が好ましい。この値より低いと、切り込み線敷設箇所から離切作業を実施する際に、作業途中で該切り込み線から逸脱して該フィルムの巻回方向に裂ける不具合が生じる恐れが高くなる。
【0049】
また、切り込み線に沿って容易に切除するために、該フィルムの巻回方向と直交する方向の引き裂き強度は200N以下であることが好ましい。この値より大きいと、人が容易に切除することが困難となり、ウェブの寸法変化や、歪み、たるみ、シワなどを誘発する危険が大きくなってしまう。
【0050】
上記引き裂き強度はJIS K 7128−1に記載されているトラウザー引裂法に準拠して測定した引き裂き力の値とする。その際の試験速度は200mm/min ±10%とする。
【0051】
補強フィルムは、不織布との密着性を考えると多孔質フィルムが好ましい。多孔質だと不織布との密着性が良好で、しかも構造が微細であるため、液状汚染物や微小汚染物の補着性能に優れる。また、不織布側を被クリーニング部に当接した場合、被クリーニング部と当接する不織布層は補着スペースが大きく、多孔質フィルム層の補着スペースが小さくなるため、特に液状汚染物が付着した場合に、不織布側から多孔質フィルム側に向かって毛管現象が起こり、汚染物が多孔質フィルム側に吸い取られ、クリーニング性能が向上する場合がある。
【0052】
さらに複写機などのトナー定着部のクリーニング用途の場合、耐熱性に優れた多孔質フッ素樹脂フィルムが好ましく、延伸多孔質PTFEフィルムが孔径や空孔率の制御が容易であるため、特に好ましい。
【0053】
上記延伸多孔質PTFEフィルムとしては、例えば、特開昭46−7284号公報、特開昭50−22881号公報、特表平03−504876号公報などに開示のものが挙げられる。すなわち、PTFEのファインパウダー(結晶化度90%以上)を成形助剤と混合して得られるペーストを成形し、該成形体から成形助剤を除去した後、高温[PTFEの融点(約327℃)未満の温度、例えば300℃程度]高速度で延伸、さらに必要に応じて焼成することにより得られるものである。
【0054】
上記ペーストには、必要に応じて、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、石綿、シリカ、ガラス、雲母、酸化クロム、酸化チタン、顔料などの充填剤を添加してもよい。
【0055】
延伸の際、MD方向(多孔質PTFEフィルム製造時の機械進行方向)またはTD方向(MD方向に直交する方向)の一軸方向のみに延伸すれば、一軸延伸多孔質PTFEフィルムが得られ、MD方向およびTD方向の二軸方向に延伸すれば二軸延伸多孔質PTFEフィルムが得られる。
【0056】
一軸延伸多孔質PTFEフィルムでは、ノード(折り畳み結晶)が延伸方向に直角に細い島状となっており、このノード間を繋ぐようにすだれ状にフィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引き出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している。そして、フィブリル間、またはフィブリルとノードとで画される空間が空孔となった繊維質構造となっている。また、 二軸延伸多孔質PTFEフィルムでは、フィブリルが放射状に広がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在していて、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。
【0057】
本発明においては、一軸延伸多孔質PTFEフィルム、二軸延伸多孔質PTFEフィルムのいずれを用いることもできるが、二軸延伸多孔質PTFEフィルムの方が望ましい。二軸延伸多孔質PTFEフィルムでは、二軸方向(MD方向およびTD方向)に延伸されているため、一軸延伸フィルムよりも機械的特性の異方性が小さく、またTD方向に広巾のフィルムを製造しやすいため、コスト面で有利である。
【0058】
補強フィルムとして多孔質フィルムを用いる場合、多孔質フィルムの空孔率は5%以上98%以下であることが好ましい。より好ましくは40%以上95%以下である。空孔率が前記範囲を超えると、多孔質フィルムの機械的強度が低下してしまい、製造時の取り扱いが困難になる。また、空孔率が上記範囲を下回ると、空孔部が少なくなるため、汚染物の捕集が困難になる。もちろん、補強フィルムに汚染物の捕集機能を持たせる必要がない場合は、補強フィルムの空孔率は上記範囲を下回っても構わない。
【0059】
なお、上記空孔率は、前記不織布の空孔率測定方法と同様の方法により求められる値である。
【0060】
本発明のクリーニング部材は上記の不織布と補強フィルムを積層して成るウェブを2回以上巻回することにより、ロール状部材にして使用されるものである。
【0061】
上記のウェブを2回を越える巻き数で巻回させた巻物(ロール状部材)は、通常、芯材に該ウェブを巻き付けて巻回させるが、芯材に代わる物を用いてもよいし、ウェブだけでロール形状が保持できれば芯材を用いなくても構わない。
【0062】
巻数としては、2を越える巻数であれば特に制限はないが、後述する表面再生の効率を考えると、5を越える巻数が好ましく、20を越える巻数が特に好ましい。ただし、ウェブの厚みにもよるが、あまり巻数を多くすると巻物外径が大きくなり、設置スペースが増大してしまう。また、クリーニング部材の当接圧力などの安定性を考慮すると好ましくない。
【0063】
上記と同じ観点から、ロール状部材の積層総厚みとしては、100mm以下が好ましく、特に30mm以下がより好ましい。
【0064】
ウェブを巻回して作製した上記ロール状部材を被クリーニング部に当接して用いる際、ウェブの巻回方向に特に制限はないが、被クリーニング部が回転するロール(例えば、定着装置の加熱ロール)の場合は、ウェブは、該ロールの回転方向と同一方向に巻回された状態で用いるのが好ましい。ウェブの巻回方向が、ロールの回転方向と逆方向の場合、ウェブがロールに付着して、ロールに巻き取られるおそれがある。
【0065】
不織布と補強フィルムの積層方法は、不織布と補強フィルムが密に接着できる手段なら特に制限はないが、不織布と補強フィルムの融点差を利用した熱融着(バインダー樹脂を介在させるものを含む)や、粘着剤、接着剤による粘着または接着などの方法が好ましく、密着性、接着安定性、耐久性の観点から熱融着による積層方法が特に好ましい。
【0066】
不織布と補強フィルムが十分密着していないと、ウェブ切断時に不織布と補強フィルムが剥離したり、ウェブが裂けやすくなるなど、不具合の原因となる。
【0067】
上記の好ましい厚み、空孔率の不織布を用いたウェブの場合、その不織布の適度な表面粗度と厚みにより、特に層間固定しなくとも巻締め力によりロール形状の保持は可能である。ウェブまたはロール状部材に加熱処理などを施し“巻クセ”をつけるのも好ましい方法である。毎切断部本体側端部の巾の一部ないし全域に、両面テープないしは粘着材、接着剤などを設けて層間を固定することも可能である。
【0068】
ロール状部材の巾は、用途によって適宜決められればよく特に制限はないが、トナー定着部用途の場合、被クリーニング部と同程度の巾が一般的で、A4サイズ(291×210mm)若しくはレターサイズ(約280×216mm)の縦または横に対応させた巾が多く用いられる。
【0069】
本発明のクリーニング部材はロール状に巻回積層したウェブに切り込みを付設したことを特徴とし、この切り込みを利用して、被クリーニング部と当接しているロール状ウェブの最表層が、ある使用期間を経て、該最表層の汚染物の蓄積によりクリーニング性能が低下した時点で、その最表層を切除し、直下下層を最表層として用いる。つまり最表層の再生が可能となる。
【0070】
ウェブの巻回方向と平行しない斜めまたは直角の方向に切り込みを付設することにより、ウェブを手などで容易に離切することが可能となる。
【0071】
最表層の再生を可能にするために、該切り込みの付設の間隔は、少なくとも該ロール状ウェブのイニシャル外径(ウェブを1周巻回した時点での外径)の外周よりも長くすることが好ましく、ロール状ウェブの最外径の外周よりも長くすることがより好ましい。また、切り込み線の付設間隔は、ロール状ウェブの外周に同期させて、1層巻回毎に+2π×(ウェブの厚み)分長くしてもよい。
【0072】
付設する切り込み線の付設角度は、ウェブの巻方向に対し、離切する距離が短いことや離切しやすさの観点より、直交する方向(芯材軸方向)ないし、該直交方向に対し30度以下の少し斜めに付設することが好ましい。
【0073】
付設する切り込み線の形状としては、容易に離切できれば特に制限はないが、付設された切り込み線が被クリーニング物との当接状態へ影響することを避けるために、ミシン目状の切り込み線が最適である。また、ウェブが容易に切除しにくい場合には、不織布または補強フィルムの何れか一方を予め全巾にわたって切断した後、反対側の不織布または補強フィルムの該切断部と同線上の位置にミシン目状切り込み線を敷設してもよい。
【0074】
付設するミシン目状切り込み線のミシン目間隔としては、自重などで自壊せずまた容易に離切できる観点から、ミシン目状切り込み線の切り込み要素の長さで1mm以上20mm以下が好ましく、2mm以上10mm以下がより好ましい。また、ミシン目切り込み率(ウェブ巾(X)に対するミシン目の切り込み要素の合計長さ(Y)の割合(Y/X))は、50%以上100%未満が好ましく、80%以上95%未満がより好ましい。
【0075】
上記の如く、捕集した汚染物が不織布面に蓄積し、クリーニング性能が低下した時点で表面一層を切り込み線に沿って切除する。
【0076】
ウェブを巻回する際のウェブの向きは、特に制限されないが、パラレル式不織布のように、使用する不織布に破り裂かれた時にケバ立ちやすい側がある場合は、ケバ立ちやすい側が巻物の内側方向になるように該ウェブを巻き付けるのが好ましい。連続生産された不織布の多くはMD方向でケバ立ちやすい向きが認められ、不織布をMD方向と直角に切除した場合、切除部断面のどちらかがケバ立ちやすくなる傾向がある。これは、不織布が連続生産される際の繊維の配置され具合(折りたたまれ具合)が、不織布生産方向と関係しているためと思われる。
【0077】
上記不織布を用いた場合で、かつケバ立ちやすい側が巻の内側方向となるように巻き付けた場合は、ウェブ切断部で、切除される側のウェブの端部のケバが長くなり、逆に最外層表層として再生された直下積層ウェブの端部のケバは短くなるため、クリーニング部材の最表層として被クリーニング部と当接する場合には、ウェブからのケバの離脱を最小限に抑えられる。
【0078】
本発明のクリーニング部材の被クリーニング部への当接面は、基本的にはウェブの不織布側とする。この場合、汚染物は不織布の構成繊維間に捕集されるか、または不織布を構成する繊維自体への付着または溶け込みなどにより捕集される。
【0079】
しかしながら、クリーニング対象の汚染物が、補強フィルムに捕集されやすい場合には、補強フィルム側が被クリーニング部に当接してもよい。これは、補強フィルムが多孔質フィルムであった場合で、対象汚染物が該多孔質フィルムに浸透する液体や該多孔質フィルムの多孔部に入り込めるほど微小な粉体などである場合が該当する。また、クリーンルームなど非常に発塵が好まれない環境で用いられる用途では、補強フィルム側の発塵が少ない場合に、該フィルム側を当接することが好ましい場合もある。
【0080】
図4は本発明のクリーニング部材を複写機の定着装置に適用した例を示す模式図である。トナーが画像状に付着されているが未だ定着されていない紙31が、定着ロール32と加熱ロール33の間に供給され、加熱されてトナー画像が紙31の表面に定着される。この定着を繰返す過程でトナー(図示せず)の一部が加熱ロール33に付着して画像の汚れの原因になる。そこで、加熱ロール33に接して本発明のロール状クリーニング部材34を当接させることで加熱ロール33の表面をクリーニングすることができる。そして、クリーニングを続けて、クリーニング部材34の表層が汚れてクリーニング性能が低下した時点で、ロール外周の約一周分のウェブを切り込み線を利用して破断して切除することで、簡単に新鮮なクリーニング部材をロール最外層に再生することができる。定着装置の構成は限定的ではなく、例えばクリーニング部材は加熱ロールとともに定着ロール側にも使用できる。
【0081】
【実施例】
実施例1
[ウェブ作製]
サーマルボンド法により製造された、パラレル式(構成繊維がほぼMD方向に配向している)のPET製不織布(PET樹脂100%、目付35g/m2、厚み70μm、空孔率64%)にPTFEを延伸によって多孔質化したフィルム(ジャパンゴアテックス社製「ゴアテックス」、目付1.5g/m2、厚み13μm、空孔率85%)を270℃で熱融着によって積層一体化し、目付36.5g/m2、厚み60μmのPET製不織布/多孔質PTFEフィルム積層ウェブを得た。
【0082】
なお、上記多孔質PTFEフィルムのMD方向の引き裂き強度を求めたところ、100gf(981mN)であった。
【0083】
なお、上記引き裂き強度は、東洋精機製作所製、ストログラフPH−R3を用いて、JIS K 7128−1に記載のトラウザー引裂法(試験速度は200mm/min)に準拠した引き裂き力を測定した値である。(以下、引き裂き強度は上記測定方法による。)
このウェブを、そのMD方向が長さ方向となるように、カッターナイフで巾441mm、長さ4mのサイズにカットした。
【0084】
次いで、このウェブに、ミシン目ロータリーカッター(オルファ社製、173B)を用いて、巻回方向と直交する方向(ウェブ巾方向)に切り込み要素の長さ6mm、非切り込み要素の長さ1mmのミシン目状の切り込み線(切り込み率:86%)を、ウェブの長さ方向に100mmの間隔で敷設し、巾441mm、長さ4mのミシン目状切り込み線を敷設したPET製不織布/多孔質PTFEフィルム積層ウェブを得た。
【0085】
[クリーニング部材作製]
内径18mm、外径22mm、長さ450mmのアルミパイプを用意し、両面テープ(大日本インキ化学工業社製、#8180、10mm巾)にて上記ウェブの巾方向の端部の片側をアルミパイプに固定した。この際、ウェブ不織布の破断されてケバ立つ側が内側となるように配置した。
【0086】
次いでこのウェブを不織布が外側に来るように、0.98のテンション(クリーニング部材の外径が、ウェブ厚みとウェブの巻回数から計算した外径理論値の0.98倍になる張力)を掛けながら軸に50回巻き付け、巾441mm、長さ4mのミシン目状切り込み線を敷設したPET製不織布/多孔質PTFEフィルム積層ウェブを巻回した外径28mmのロール状クリーニング部材を得た。
【0087】
[切除性評価]
作成したクリーニング部材のウェブ切り込み線に沿った切除を、手により3回実施し、良好な切除性を確認した。
【0088】
その結果を以下に示す。
【0089】
【表1】
Figure 0003919677
【0090】
[実装評価]
作成したクリーニング部材を、富士ゼロックス社製複写機(Vivace800)の定着部の加熱ロールに、左右のバネにより片側500gのバネ荷重(押圧荷重)にて、クリーニング部材外側の不織布面が当接できるように設置した。この際、加熱ロールに対して、クリーニング部材のウェブが巻き取られないように、ウェブの巻回方向が定着ロールの回転方向と同じ方向になるようにクリーニング部材を配置して当接するようにした。
【0091】
この状態で、該複写機により、市販再生紙を使用し、5%文字印字チャートを100枚毎の表裏印刷で100,000枚の通紙テストを実施した。また、10,000枚通紙毎にウェブ切り込み線に沿った最表層切除を行い、クリーニング部材の表面再生を行った。
【0092】
その際、印字品質、クリーニング部材、加熱ロールの外観観察を行い、以下の良好な結果を得た。
【0093】
【表2】
Figure 0003919677
【0094】
比較例1
[ウェブおよびクリーニング部材の作製]
ウェブに切り込み線を敷設しないこと以外は、実施例1と同様なウェブを作製した。
【0095】
[実装評価]
実施例1と同様の複写機を用いた通紙テストを行った。但し、クリーニング部材の表面再生は行わない。
【0096】
そして以下の結果を得た。
【0097】
【表3】
Figure 0003919677
【0098】
参考例1
[ウェブおよびクリーニング部材の作製]
実施例1と同様なウェブを作製した。
【0099】
次いで、実施例1とは逆にウェブ不織布の破断されてケバ立つ側が外側となるように配置した以外は、実施例1と同様のウェブを巻回したクリーニング部材を得た。
【0100】
[切除性評価]
作成したクリーニング部材の切り込み線に沿った切除を、手により3回実施し、良好な切除性を確認した。
【0101】
その結果を以下に示す。
【0102】
【表4】
Figure 0003919677
【0103】
[実装評価]
実施例1と同様の複写機を用いた通紙テストを行った。
【0104】
そして以下の結果を得た。
【0105】
【表5】
Figure 0003919677
【0106】
実施例2
[ウェブ作製]
サーマルボンド法により製造された、パラレル式のアラミド製不織布(m−アラミド樹脂100%、目付35g/m2、厚み70μm、空孔率64%)にPET製フィルム(ガルワレ・ポリエステル・リミテッド社製、タイプER、厚み12μm)を170℃で熱融着によって積層一体化し、目付51g/m2、厚み76μmのアラミド製不織布/PET製フィルム積層ウェブを得た。
【0107】
上記PET製フィルムのMD方向の、引き裂き強度は250gf(2.45N)であった。
【0108】
このウェブを、そのMD方向が長さ方向となるように、カッターナイフで巾441mm、長さ4mのサイズにカットした。
【0109】
次いでこのウェブに、ミシン目ロータリーカッター(オルファ社製、173B)を用いて、巻回方向と直交する方向(ウェブ巾方向)に切り込み要素の長さ6mm、非切り込み要素の長さ1mmのミシン目状の切り込み線(切り込み率:86%)を、ウェブの長さ方向に100mmの間隔で敷設し、巾441mm、長さ4mのミシン目状切り込み線を敷設したアラミド製不織布/PET製フィルム積層ウェブを得た。
【0110】
[クリーニング部材作製]
内径18mm、外径22mm、長さ450mmのアルミパイプを用意し、両面テープ(大日本インキ化学工業社製、#8180、10mm巾)にて上記ウェブの巾方向の端部の片側をアルミパイプに固定した。この際、ウェブ不織布の破断されてケバ立つ側を内側となるように配置した。
【0111】
次いでこのウェブを不織布が外側に来るように、0.98のテンションを掛けながら軸に49回巻き付け、巾441mm、長さ4mのミシン目状切り込み線を敷設したアラミド製不織布/PET製フィルム積層ウェブを巻回した外径29mmのクリーニング部材を得た。
【0112】
[切除性評価]
作成したクリーニング部材のウェブ切り込み線に沿った切除を、手により3回実施し、良好な切除性を確認した。
【0113】
その結果を以下に示す。
【0114】
【表6】
Figure 0003919677
【0115】
比較例2
[ウェブ作製]
サーマルボンド法により製造された、パラレル式のアラミド製不織布(m−アラミド樹脂100%、目付35g/m2、厚み70μm、空孔率64%)に、湿式法で製造されたパルプ製不織布(目付20g/m2、40μm)をアクリル系粘着材(住友スリーエム社製、#9458)を用いて積層一体化し、目付84g/m2、厚み100μmのアラミド製不織布/パルプ製不織布積層ウェブを得た。
【0116】
なお、上記パルプ製不織布のMD方向の引き裂き強度は6gf(58.9mN)であった。
【0117】
このウェブを、そのMD方向が長さ方向となるように、カッターナイフで巾441mm、長さ4mのサイズにカットした。
【0118】
次いでこのウェブに、ミシン目ロータリーカッター(オルファ社製、173B)を用いて、巻回方向と直交する方向(ウェブ巾方向)に切り込み要素の長さ6mm、非切り込み要素の長さ1mmのミシン目状の切り込み線(切り込み率:86%)を、ウェブ長さ方向に100mmの間隔で敷設し、巾441mm、長さ4mのミシン目状切り込み線を敷設したアラミド製不織布/パルプ製不織布積層ウェブを得た。
【0119】
[クリーニング部材作製]
内径18mm、外径22mm、長さ450mmのアルミパイプを用意し、両面テープ(大日本インキ化学工業社製、#8180、10mm巾)にて上記ウェブの巾方向の端部の片側をアルミパイプに固定した。この際、ウェブ不織布のケバ立つ向きを内側となるように配置した。
【0120】
次いでこのウェブをアラミド製不織布が外側に来るように、0.98のテンションを掛けながら軸に47回巻き付け、巾441mm、長さ4mのミシン目状切り込み線を敷設したアラミド製不織布/パルプ製不織布積層ウェブを巻回した外径31mmのクリーニング部材を得た。
【0121】
[切除性評価]
作成したクリーニング部材のウェブ切り込み線に沿った切除を、手により3回実施し、切り込み線に沿った切除ができないことを確認した。
【0122】
その結果を以下に示す。
【0123】
【表7】
Figure 0003919677
【0124】
実施例3
[ウェブ作製]
ウェブのMD方向が、巾方向になるようにして、巾100mm、長さ1mになるようにカッターナイフにて切り出したこと以外は、実施例1と同様なPET製不織布/多孔質PTFEフィルム積層ウェブを作製した。
[クリーニング部材作製]
内径18mm、外径22mm、長さ150mmのアルミパイプを用意し、両面テープ(大日本インキ化学工業社製、#8180、10mm巾)にて上記ウェブの巾方向の端部の片側をアルミパイプに固定した。
【0125】
次いでこのウェブを多孔質PTFEフィルムが外側に(不織布が内側)に来るように、0.98のテンションを掛けながら軸に14回巻き付け、巾100mm、長さ1mのミシン目状切り込み線を敷設したPET製不織布/多孔質PTFEフィルムウェブを巻回した外径24mmのクリーニング部材を得た。
【0126】
[切除性評価]
作成したクリーニング部材のウェブ切り込み線に沿った切除を、手によりで3回実施し、良好な切除性を確認した。
【0127】
その結果を以下に示す。
【0128】
【表8】
Figure 0003919677
【0129】
[実装評価]
図5に示すようなヒーターを内蔵した外径40mm、長さ110mmの表面鏡面仕上げしたステンレス製金属ロール41と、それを回転させる駆動装置(図示せず)を用意した。このヒーター内臓ステンレス製ロール(以下、加熱ロールという)41に対して、ジメチルシリコーンオイル(信越化学製KF96、粘度100cs)を入れたオイルタンク42、厚さ2mm、長さ95mm、巾20mmのアラミド製ウィックフェルト(フジコー社製、フジロン6000)43、直径10mm、長さ100mmのステンレス製金属ロールの2つのドナーロール44と、厚さ0.5mm、長さ100mm、巾10mmのステンレス製ドクターブレード45よりなるオイル供給装置46を設置した。また、加熱ロール41を挟んでオイル供給装置46と反対側に、作成したクリーニング部材47を外側の多孔質PTFEフィルムが当接できるように設置した。この際、クリーニング部材47には加熱ロール41に左右のバネにより片側200gのバネ荷重がかかるようにするととも、加熱ロール41に対して、クリーニング部材47のウェブが巻き取られないように、ウェブ巻回方向が加熱ロール41の回転方向Aと同じ方向になるようにクリーニング部材47を配置して当接するようにした。
【0130】
この状態でオイル塗布装置46のドクターブレード45を制御して、シリコーンオイル42を2mg/m2の割合で加熱ロール41表面に塗布できるように調整した(95mm巾)。
【0131】
そして加熱ロール41の表面温度を120℃とし、加熱ロール41の表面速度100mm/secで96時間、連続運転を行った。
【0132】
この連続運転後にクリーニング部材47および加熱ロール41表面の外観観察と、加熱ロール41表面の残留オイル量の測定を行った。残留オイル量の測定は、加熱ロール表面を厚さ50μm、空孔率90%の多孔質PFTEフィルムで表面をふき取り、多孔質PTFEフィルムの重量増加量をもって残留オイル量とした。
【0133】
評価の際、クリーニング部材は、24時間毎に、敷設切り込み線に沿って最外層を切除し表面再生を行った。
【0134】
その結果、以下の良好な結果を得た。
【0135】
【表9】
Figure 0003919677
【0136】
参考例2
[膜材およびクリーニング部材の作製]
実施例3と同様なウェブを作製した。
【0137】
ついで、実施例3とは逆に、積層膜材をPET製不織布が外側に(多孔質PTFEフィルムが内側)に来るようにした以外は、実施例3と同様の切り込み線を敷設したPET製不織布/多孔質PTFEフィルム積層ウェブを巻回したクリーニング部材を得た。
【0138】
[切除性評価]
作成したクリーニング部材の敷設切り込み線に沿った切除を、手によりで3回実施し、実施例3同様良好な切除性を確認した。
【0139】
その結果を以下に示す。
【0140】
【表10】
Figure 0003919677
【0141】
[実装評価]
外側のPET製不織布が当接できるように設置した以外は、実施例3と同様の装置を用いて、同じく実施例3と同様の実装評価を行った。
【0142】
そして、以下の結果を得た。
【0143】
【表11】
Figure 0003919677
【0144】
【発明の効果】
本発明により、安定したクリーニング性能を保持しながらも、省スペースに対応し、また表層切除による表面再生により、昨今のトナー細粒径化、再生紙および使用済みコピー紙の裏面使用などの汚染物が多く発生する環境下でも十分なクリーニング性能を維持する一つの方策を提起することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニング部材の模式斜視図である。
【図2】本発明のクリーニング部材を構成するウェブの模式断面図である。
【図3】不織布を破いたときの切断面のケバ立ちの様子を説明する図である。
【図4】電子写真の定着装置に本発明のクリーニング部材を適用した例を示す図である。
【図5】実施例3におけるクリーニング部材の実装評価の様子を示す図である。
【符号の説明】
1…クリーニング部材
2…ウェブ
3…ロール
4…切り込み線
11…不織布
12…補強フィルム
21…不織布
22…MD方向
23、24…破断端面
31…定着紙
32…定着ロール
33…加熱ロール
34…クリーニング部材
41…加熱ロール
42…オイルタンク
43…ウィックフェルト
44…ドナーロール
45…ドクターブレード
46…オイル供給装置
47…クリーニング部材

Claims (13)

  1. ウェブを2回以上巻回してなるロール状ウェブであって、該ウェブが不織布と多孔質フィルムとの積層体からなり、かつウェブの部分の切り離しを容易にするために切り込み線を有し、その切り込み線がウェブの長さ方向に間隔をあけて配置され、かつウェブ巾方向に伸びる切り込み線であり、且つ、前記不織布の製造時の機械進行方向(MD方向)をウェブの巻回方向(ウェブ長さ方向)とし、かつ不織布を破り裂いた時に不織布が破断されて形成される両端部において、不織布構成繊維の破断状態、即ち、ケバ立ちの程度が実質的に異なる不織布を用い、かつ前記不織布を破断時の構成繊維のケバ立ちが大きい方の破断端部が前記ロール状ウェブから切り離される切片側にあるように巻回したことを特徴とするクリーニング部材。
  2. 前記積層体の厚みが0.03〜1mmである請求項に記載のクリーニング部材。
  3. 前記不織布が耐熱性繊維からなるものである請求項1または2に記載のクリーニング部材。
  4. 前記耐熱性繊維がアラミド繊維またはポリエチレンテレフタレート繊維を含むものである請求項に記載のクリーニング部材。
  5. 前記多孔質フィルムの巻回方向の引き裂き強度が10gf以上(98.1mN以上)である請求項1〜のいずれかに記載のクリーニング部材。
  6. 前記切り込み線がミシン目状であり、該ミシン目の切り込み要素の長さが1〜20mmである請求項1〜のいずれかに記載のクリーニング部材。
  7. 前記切り込み線がミシン目状であり、ウェブ巾(X)に対するミシン目の切り込み要素の合計長さ(Y)の割合(Y/X)が0.5〜0.95である請求項1〜のいずれかに記載のクリーニング部材。
  8. 前記ウェブの不織布側が被クリーニング部との当接面である請求項1〜いずれかに記載のクリーニング部材。
  9. 前記ウェブの多孔質フィルム側が被クリーニング部との当接面である請求項1〜のいずれかに記載のクリーニング部材。
  10. 前記多孔質フィルムがフッ素樹脂多孔質フィルムである請求項1〜9のいずれかに記載のクリーニング部材。
  11. 前記フッ素樹脂多孔質フィルムが延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムである請求項10に記載のクリーニング部材。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のクリーニング部材をトナー画像定着用ロールのクリーニングに用いることを特徴とするトナー画像定着装置。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のクリーニング部材をトナー画像定着用ロールの被クリーニング部に当接するとともに、該クリーニング部材の最外周面の少なくとも一部を前記切り込み線により切除して該クリーニング部材の新鮮な表面をクリーニングに用いる工程を含むことを特徴とするトナー画像定着装置のクリーニング方法。
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