JP2004019061A - ポリエステル系複合不織布およびフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性が高く、濾過操作時の流体抵抗による変形が小さく、かつダストの剥離性がよく長寿命で、フィルター性能に優れたフィルター用不織布およびそれを用いたフィルターを提供する。
【解決手段】繊維径7〜15μmの繊維がシートの長手方向中心線に沿ってプラスマイナス15度の角度の範囲に主に配列した目付が10〜50g/mの長繊維不織布Aと、融点110〜250℃の低融点ポリエステルが鞘成分で、融点180〜300℃のポリエステルが芯成分で、繊維径が7〜50μmである芯鞘型複合繊維よりなる目付15〜270g/mの不織布Bと、目付30〜200g/mのポリエステル不織布Cとが長繊維不織布Aが表層材となるように積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル系複合不織布である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性が高く表面が平滑な複合不織布及びフィルターに関する。特に濾過操作時の流体抵抗による変形が小さくフィルターとして好適な複合不織布に関する。さらに、表面が平滑でダスト払い落とし性の良いフィルターに関する。そして、プリーツ加工されてのちインアウト方式のカートリッジに使用されるフィルター関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートよりなる不織布は、機械的特性及び化学的特性に優れており、それぞれのポリエステルの特性に応じて、例えば土木・建築資材用や産業資材用の繊維に使用されている。
特に、代表的なポリエステルであるポリエチレンテレフタレートは、耐熱性、優れた強伸度特性、比較的安価な原料価格などの優位性から工業的に広く利用されている。
また、ポリエチレンテレフタレートと低密度ポリエチレンの2成分よりなる複合繊維を用いた長繊維不織布が特公平8−14069号公報に開示されるごとく熱接着性不織布として用いられている。たとえば、ポリエステル系複合繊維不織布は、微多孔分離膜材などと貼り合わせて分離膜の支持体として用いられることも多い。膜材は、ポリプロピレンやポリテトラフルオロエチレンなどで構成される場合も多いが、これらの構成樹脂は非常に薄く剛性が低いために単独で用いることが困難であるため、補強材として積層されている。
これらの複合繊維不織布は、目付を大きく設定すると接点での接着強度が高くなり、その結果として剛性にすぐれるため構造材など高い剛性の必要な用途に用いられている。
【0003】
通常、不織布の繊維径を太くするほど、または目付を大きくするほど不織布の剛性を高くすることが可能となるが、複合繊維でない不織布を熱接着により一体化をはかった場合には目付がおおよそ150〜180g/mくらいより高い場合に熱伝導差の問題で層間剥離の問題を生じやすい。その対策として、繊維径が大きく目付も大きいポリエステル系の芯鞘型複合繊維が使用されているが、それでも部分的にエンボス加工された部分がフィルムに近い状態に変化しており、フィルターとして用いた際に流体透過抵抗が大きくなり、送液ポンプやブロアなどの動力費が高くなるという問題があった。また、剛性を高めるためにエンボス押さえ部面積が大きくなることが多く、場合によっては溝状の長いエンボスパターンをつけることもあるが、表面に凹凸があるためにフィルターを逆洗やパルス払い落としなどの手段によりフィルターを再生する際に、ダストなどのケーキ剥離性が低下するという問題点があった。また、不織布の剛性が高くなるとシートの巻き出しが不安定になりやすいが、表面の凹部があることによりプリーターなどの加工機供給部との接触面積が小さくなりすぎるためか供給時にシートが滑って供給が不安定になるという問題が顕著となる場合も少なくなかった。また、太い繊維を用いた場合には濾過精度が高く設定できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題点を鑑みて、剛性が高く、しかもフィルターとして用いた場合のフィルター性能が高く、かつダストの剥離性が良い長繊維複合不織布およびそれを用いた長寿命のフィルターを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる問題点を解決するために本発明は以下の手段をとる。
すなわち、本発明は、
1.繊維径7〜15μmの繊維がシートの長手方向中心線に沿ってプラスマイナス15度の角度の範囲に主に配列した目付が10〜50g/mの長繊維不織布Aと、融点110〜250℃の低融点ポリエステルが鞘成分で、融点180〜300℃のポリエステルが芯成分で、繊維径が7〜50μmである芯鞘型複合繊維よりなる目付15〜270g/mの不織布Bと、目付30〜200g/mのポリエステル不織布Cとが長繊維不織布Aが表層材となるように積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル系複合不織布である。
【0006】
2.不織布Bが、芯成分がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリ乳酸のうちの一種の重合体又はこれらのいずれかの重合体を一部に含む共重合体であり、繊維径が20〜50μmである複合繊維を含有することを特徴とする第1に記載のポリエステル系複合不織布である。
【0007】
3.積層一体化が熱接着によりなされていることを特徴とする第1又は2に記載の複合不織布である。
【0008】
4.不織布Aが濾過操作時に被濾過流体の流入側に設置されてなることを特徴とする第1〜3のいずれかに記載の複合不織布よりなるフィルターである。
【0009】
5.不織布Aが平面熱カレンダープレスにより平滑化されてなり、ダスト剥離性に優れることを特徴とする第4に記載のフィルターである。
【0010】
6.第1〜5のいずれかの複合不織布又はフィルターがプリーツ加工されてインアウト方式のカートリッジにされてなることを特徴とするフィルターである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の用件について詳細に説明する。
本発明で用いられる複合不織布の構成要素である不織布Aは、表層材として繊維径が7〜15μmの繊維がシートの長手方向中心線に沿ってプラス15度からマイナス15度の角度の範囲に主に配列した目付が10〜50g/mの長繊維不織布であることが必要である。
本発明において繊維径が7〜15μmであることで、充填密度をあまり高く設定しないでも高い濾過精度を達成することが可能となる。繊維径が細すぎると摩耗などにより毛羽だちやすいという問題点が発現する。また、剛性を高くするために繊維径を太くするとフィルターとして用いた場合に充填率を高くしないと濾過精度が高く設定できなくなり、その結果、流体透過抵抗が増加するという問題を生じる。本発明の複合不織布をフィルターとして用いる場合は、不織布Aを濾過面とするサーフェース濾過材として用いられると、細い繊維径であるほど濾過精度が高くなり、かつ表面が平滑化されやすく、その結果、ケーキ剥離性が良くなって濾過ライフも長くすることが可能となる。本発明のように複合構造をとらない場合は、濾過精度と濾過ライフの性能バランスを良くして、かつ剛性の高い不織布を得ることは極めて困難である。
【0012】
また、本発明において不織布Aの繊維がシートの長手方向中心線に沿ってプラス15度からマイナス15度の角度の範囲に主に配列していること、すなわち、繊維が長手方向に配列していることで不織布の剛性を高めることが可能となる。この範囲に配列する繊維本数の割合が25%以上であれば(均一な繊維配列で有れば約17%)主に配列していると見なすことができるが、好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上である。不織布剛性を高めるためには、繊維径が細いほど長手方向に繊維配向の割合が高いことが好ましい。繊維径が15μm以下である場合には、該方向への繊維配列が70%以上、特に好ましくは80%以上である。特に、横手方向に平行な折れ目をジグザグ状にいれてプリーツ折りして用いる場合に、その曲げ剛性を高くする事が可能となり、水などの流体が透過するときの抵抗で不織布が折れ曲がって隣接するシートが重なるために有効濾過面積が低下するという問題を防止することが可能となる。
【0013】
本不織布の構成繊維の融点は不織布Cの融点と同じであってもよいが、好ましくはそれより10〜50℃程度低くして、不織布張り合わせの過程で繊維の一部を融解させることで毛羽立ち防止をすることが可能である。
【0014】
本発明で用いられる複合不織布の構成要素である不織布Bは、鞘成分が融点110〜250℃の低融点ポリエステルであり、芯成分が融点180〜300℃のポリエステルである芯鞘型複合繊維であることが必要である。この構成により、本発明の目的である剛性の高い不織布およびそれを用いたフィルターを提供することが可能となる。不織布の形態は、長繊維不織布であればプロセス油剤を付与する必要がないため異物を無くすることが可能である。また、長繊維不織布はリントフリー性にもすぐれ、繊維の脱落が無いのでフィルターなどの用途に特に好適である。発明者らの検討の範囲では、各ポリマーの融点が高いほど良好な剛性を得ることが可能であった。
【0015】
芯鞘型複合繊維の鞘成分に用いるポリマーは、融点が110〜250℃の低融点ポリエステルであることが必要である。融点が110℃未満であると、室温に於いても接着力が低下してしまったり、粘着性がでてブロッキングなどの問題が出るおそれがあるためあまり好ましくない。一方、融点が250℃より高くなると、接着加工温度が高くなり過ぎて接着対象物の表面温度が低いとすぐに固化が始まり接着性が低下したり操業性が悪くなる可能性がある。ポリエステル系樹脂は、一般に異物の発生が少ないためフィルター関連用途への市場に特に好適である。用いる樹脂としては、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステルあるいはブロック共重合ポリエステルおよびそれらのいずれかを基本骨格の一部とする共重合ポリマーなどが好適に利用できる。
【0016】
また、芯成分のポリマーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸のうちのいずれかの重合体又はそれらのいずれかを一部に含む共重合体であることが必要である。これらのポリエステル系樹脂は、融点が180〜300℃であれば高温時の寸法安定性や機械的強度特性に優れるため好ましい。最近、自然成分由来やバイオテクノロジーで原料を得ることが可能となってきており、環境保全の観点からも特に好ましい。特に、液体フィルターなどとして形態安定性を樹脂されるときには、ポリエステル繊維のもつ高い剛性が有効になる。芯成分のポリマーは、鞘成分のポリマーの融点あるいは軟化点より少なくとも20℃以上高い温度であることが、接着加工の操業性を考えると好ましい。融点の差が小さいと、加工温度のコントロールを厳密にする必要があるため高度な温度制御設備が必要になったり、加工速度が低速にせざるをえなくなりあまり好ましくない。
【0017】
複合繊維の芯成分と鞘成分の重量比は20:80〜70:30程度であることが好ましく、さらに好ましくは30:70〜60:40の間であり、特に好ましくは40:60〜55:45の間である。接着成分である鞘成分が30%より少ないと十分な接着力を得ることが難しくなる。一方、70%を超えると、接着加工時の温度コントロールが難しくなったり、機械的強度特性が低くなりやすいなど問題を生じやすいので余り好ましくない。
【0018】
また、該不織布Bを構成する主な繊維の繊維径は7〜50μmであり、好ましくは25〜45μmである。繊維径が7μmより小さいと接着部面積が小さくなり、接着力が低下しやすくなる傾向がある。一方、繊維径が50μmより大きくなると、紡糸時に繊維が融着しやすく、繊維が束状になって不織布の地合斑が大きくなり、また、スパンボンド法紡糸過程では糸切れが生じたり、繊維牽引のエジェクターに繊維が付着したり詰まったりするなどの問題を生じやすく操業性に問題を生じることも少なくない。繊維が太すぎると、不織布は繊維量が少なくなって地合の斑が目立ちやすく、物性のバラツキにつながるとともに、繊維の少ないところは、不織布の剛性不足や3枚の不織布の接着強度の低下を招き好ましくない。
【0019】
さらに、不織布Bの目付は15〜270g/mである。目付が270g/mより大きいと、熱エンボス加工を行うときに、エンボスロールでの伝熱性の問題から接着強度が低くなると言う問題を生じやすい。本発明の不織布を、分離膜支持体として利用した場合には、目付が15〜70g/mであることが好ましい。目付が15g/mより小さいと先述の理由から適切な接着力を得ることが困難になったり、形態保持性が低下する傾向がある。一方、目付が70g/mより大きくても接着力が高くなることはあまり期待できず、分離膜の支持体として用いる際に、厚みや重量が大きくなって取り扱い性が低下したり、圧力損失が大きくなるという問題も生じやすくなる傾向がある。また、厚みが厚いとプリーツ型フィルターに用いる場合に織り込み襞折り数が少なくなり結果として有効濾過面積が少なくなることがある。
【0020】
本発明で用いる不織布Cは、目付が30〜200g/mのポリエステル不織布Cであり、好ましくは40〜180g/m、特に好ましくは100〜180g/mである。不織布の製造方法は特に限定されないが、耐熱性が高くコストパフォーマンスにすぐれたポリエステル長繊維不織布を用いることができる。不織布Cは他の不織布に比べて厚みや目付が高い場合が多いので、熱カレンダー処理などで不織布相互を貼り合わせる際に伝熱不良を生じる恐れがある。その防止のためには、不織布Cをあらかじめ赤外線ヒータなどで予熱することも好ましい。電熱性を高くするために金属を表面に蒸着したり、カーボンなどを練り込んだりするのも好ましい形態の一つで有る。表裏の色を変えておくと使用時の間違い防止の効果も期待できて好ましい。また、不織布A〜C以外の不織布を、これらの間あるいは片面に貼り合わせて用いても良い。
【0021】
本発明の複合不織布を重ねて貼り合わせる方法は特に限定されないが、好ましい実施形態のひとつとして、熱により不織布Bの鞘成分のみ、又はこれに不織布Aの一部の繊維を溶融させて接着して、分離膜として用いることも好ましい形態のひとつである。このとき、熱により不織布表面積の15%以上の部分が鞘成分のみを溶融させて変形接着していることが好ましい。接着部分の面積が15%未満であると、接着力が弱く剥離しやすくなる傾向がある。また、圧力をかけすぎてフィルム化するとフィルターとして用いた場合の濾過対象流体による透過抵抗が上昇するためあまり好ましくない。
【0022】
本発明の不織布と多孔膜の接着性を良くするためには、不織布が熱エンボス処理不織布で有る場合には、平滑面(プレーンロール)により積層することが、不織布A面の表面平滑性を向上させるために特に好ましい。フィルターとして用いる場合に、ケーキ剥離性を向上することが可能となり、工業用集塵フィルターや放電加工などのクーラントフィルターとして用いる場合に特に好適である。
【0023】
本発明の複合不織布あるいはそれを一部に用いたフィルターは、剛性が高いためにプリーツ加工されてのちインアウト方式のカートリッジにされることが好ましい。積層加工していることで曲げ剛性を高く設定することが可能である。また、不織布Bが低融点成分を持つことで、プリーツ加工の成形性が良好となり、レシプロ加工はもとより、従来のスパンボンド不織布では加工が難しいといわれていた高速ロータリー方式の襞折り加工が可能となる。この際、不織布Aは加工機で滑りを生じやすいので、シート下方に位置するようにセットして加工することが好ましい。
【0024】
また、本発明の複合不織布は、不織布Aが上流になるようにセットすることがケーキ剥離性の観点から好ましく、剥離したケーキの脱落が阻害されないように、濾過される流体がカートリッジの外部から内部にはいる、通称インアウト方式を採用することが特に好ましい。
【0025】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
なお、本発明における測定方法、評価方法は以下に記載の方法を採用した。
【0026】
(繊維配列)
画像処理プログラム(東洋紡績株式会社より発売のImage32)によりフーリエ変換法により測定した。繊維の配列を長手方向に対してプラスマイナス90度の範囲で30度刻みで測定し、長手方向プラスマイナス15度の範囲にある繊維の割合を測定した。画像処理装置がない場合は、−90度から+60度の範囲で30度刻みの角度で不織布を、20cm長、5cm幅に切り出してのち引っ張り強度を測定して、それらの値の合計が100になるように規格化したときの長手方向の値を採用しても大きな誤りがないと推定される。
【0027】
(エアーフィルター性能)
大気塵を用いて5cm/sで濾過操作を行った時の直径50mmのサンプルの前後の粒子濃度をパーティクルカウンターにより測定して1〜2μmの間の粒子径の捕集効率を求めた。また、通気抵抗を、精度測定時にマノメータによりフィルター前後の差圧を測定することにより求めた。
【0028】
(実施例1)
繊維径約10μm、目付20g/mのポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布(日石プラスト株式会社製T20)を不織布Aとした。繊維は95%以上がシートの長手方向中心線に沿ってプラスマイナス15度の角度の範囲に配列していた。イソフタル酸を導入した共重合ポリエステル(融点約130℃)を芯成分に、融点が約270℃のポリエチレンテレフタレートである繊維径が約15μmの芯鞘型複合繊維よりなるスパンボンド不織布B(目付40g/m)を作成した。芯鞘比は重量ベースで50:50であった。不織布Cとして繊維径14μm、目付180g/mのポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布(東洋紡績株式会社製6A81AD)を不織布Cとして、3枚の不織布をプレーンカレンダーにより150℃、設定線圧約50kg/cm、速度18m/分で貼り合わせた。不織布Aが上面になるようにしてロータリー方式の襞折り加工機で処理したところ問題なく処理することが可能であった。エアーフィルタ性能は、捕集効率が60%、通気抵抗が6.0mmAqとフィルター性能がすぐれていた。
【0029】
(実施例2)
不織布Bが、繊維径約35μmの芯鞘型短繊維(日本エステル株式会社製メルティー2080、芯部融点約200℃)よりなる目付40g/mの不織布に変更した以外は実施例1と同じ方法にて積層不織布を作成した。不織布Aが上面になるようにしてロータリー方式の襞折り加工機で処理したところ問題なく処理することが可能であった。エアーフィルタ性能は、捕集効率が62%、通気抵抗が6.1mmAqとフィルター性能がすぐれていた。
【0030】
(比較例1)
繊維径が17μm、目付250g/mのポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布をプレーンカレンダーにより210℃、設定線圧約80kg/cm、速度3m/分で貼り合わせた。繊維は約38%がシートの長手方向中心線に沿ってプラスマイナス15度の角度の範囲に配列していた。不織布を折り曲げたところ、簡単に層間剥離を生じて問題であり、襞折り加工機での処理ができなかった。エアーフィルタ性能は、捕集効率が52%、通気抵抗が13.0mmAqと圧力損失が高い割に捕集効率が低く問題であった。
【0031】
(比較例2)
実施例1で用いた不織布Bと同じ構成の複合繊維で繊維径が17μm、目付250g/mのスパンボンド不織布をプレーンカレンダーにより180℃、設定線圧約50kg/cm、速度10m/分で貼り合わせた。繊維は約23%がシートの長手方向中心線に沿ってプラスマイナス15度の角度の範囲に配列していた。ロータリー方式の襞折り加工機で処理したところ問題なく処理することが可能であった。エアーフィルタ性能は、捕集効率が58%、通気抵抗が10.6mmAqと圧力損失が高い割に捕集効率が低く問題であった。
【0032】
(比較例3)
比較例2で用いた目付250g/mのスパンボンド不織布を熱エンボスカレンダー(押さえ部面積約50%)により180℃、設定線圧約50kg/cm、速度15m/分で貼り合わせた。ロータリー方式の襞折り加工機で処理したところ、不織布が機械機のシート供給部で滑って襞折りの間隔がそろわないため問題であった。エアーフィルタ性能は、捕集効率が49%、通気抵抗が9.7mmAqと実施例1及び2より性能が劣り問題であった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、剛性が高く表面が平滑な複合不織布を得ることができ、濾過操作時の流体抵抗による変形が小さく、フィルターとして好適である。さらに、表面が平滑で光沢をも有するため、ダスト払い落とし性が良く、表層に好適である。また、プリーツ加工されてのちインアウト方式のカートリッジフィルターに好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 繊維径7〜15μmの繊維がシートの長手方向中心線に沿ってプラスマイナス15度の角度の範囲に主に配列した目付が10〜50g/mの長繊維不織布Aと、融点110〜250℃の低融点ポリエステルが鞘成分で、融点180〜300℃のポリエステルが芯成分で、繊維径が7〜50μmである芯鞘型複合繊維よりなる目付15〜270g/mの不織布Bと、目付30〜200g/mのポリエステル不織布Cとが長繊維不織布Aが表層材となるように積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル系複合不織布。
  2. 不織布Bが、芯成分がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリ乳酸のうちの一種の重合体又はこれらのいずれかの重合体を一部に含む共重合体であり、繊維径が20〜50μmである複合繊維を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系複合不織布。
  3. 積層一体化が熱接着によりなされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合不織布。
  4. 不織布Aが濾過操作時に被濾過流体の流入側に設置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合不織布よりなるフィルター。
  5. 不織布Aが平面熱カレンダープレスにより平滑化されてなり、ダスト剥離性に優れることを特徴とする請求項4に記載のフィルター。
  6. 請求項1〜5のいずれかの複合不織布又はフィルターがプリーツ加工されてインアウト方式のカートリッジにされてなることを特徴とするフィルター。
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