JP3767502B2 - フィルター基材およびフィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部分的に熱接着された不織布からなるフィルター基材およびそのフィルター基材を支持体としてなるフィルターに関するものである。本発明により供される不織布は、通気性が高いため、特にポリテトラフルオロエチレン、またはポリフッ化ビニリデンのような通気性の低いフィルター材料の支持体として好適であり、また剛軟度が高いため、特にプリーツ形状のフィルターとする場合、プリーツ加工性や形態保持性に優れ好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルター基材として種々の不織布が提案されている。一般にフィルター基材として使用される不織布は、プリーツ加工を施し、フィルターユニット中での表面積を大きくし、濾過性能を高めたものが使用される。よって、フィルター基材として使用される不織布には、プリーツ加工性やプリーツ形態保持性を高めるため、剛性や強度が要求される。特に長繊維不織布は、生産コストや縦方向の剛性、強度に優れるため使用される分野も急速に拡大している。
【0003】
さらに近年では、フィルター基材である不織布に、微多孔を有するポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどをフィルター材として貼合せることにより捕集性能を向上させ、かつ表面に付着した粉塵の離脱性を高めたものが。高性能フィルターとして使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンは、一般に膜厚が数十〜数百μmであるため、エアーフィルターなどのフィルター材として使用する場合、ある程度の硬さ、強度を有する支持体と貼り合わせることが不可欠である。さらに、プリーツ型フィルター材として使用する場合、これら支持体には、プリーツ加工やプリーツの形態を保持するのに必要な程度の剛性などが必要とされる。
【0005】
また、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフィルター膜は、孔径0.01〜10μm程度の微細孔を有しているため、通気性が非常に低いという特徴がある。このため、これらフィルター膜の支持体は、より通気性の高いものが求められる。
【0006】
従来、これら支持体として種々の不織布が提案されているが、いずれもプリーツ材として使用するに十分な剛性と、フィルター材として使用するに十分な通気性を兼ね備えたものでは無かった。特にポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどの支持体として使用される場合には、著しく通気性を損なうものであった。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、熱可塑性連続フィラメントからなる熱圧着型不織布であり、かつフィルター基材として十分な剛性と通気性を兼ね備えたフィルター基材、および該フィルター基材を骨材として使用したフィルターを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
【0009】
すなわち、本発明のフィルター基材は、熱可塑性連続フィラメントからなる不織布で、該熱可塑性連続フィラメントが高融点成分と低融点成分とからなり、該不織布は部分的に熱圧着されたものであって、目付が100〜300g/m2 で、目付と通気量の関係が次式を満たし、かつ剛軟度が500mgf以上であることを特徴とするフィルター基材である。
【0010】
0.25X+Y>80
X:目付(g/m2
Y:通気量(cm3 /cm2 /sec)
また、本発明のフィルターは、好ましくは上記フィルター基材を支持体とし、少なくともその片面にフィルター層を有することを特徴とするフィルターである。さらに好ましくは、フィルター層はポリテトラフルオロエチレン、またはポリフッ化ビニリデンであることを特徴とするフィルターである。さらにまた、好ましくは、フィルターがプリーツ形状であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、長繊維不織布を構成するフィラメントとして、高融点成分と低融点成分を使用し、高融点成分と低融点成分の種類、重量比率、フィラメントの繊度、さらには熱圧着面積を適正化することにより、高い剛性と高い通気性という相反する性能を兼ね備えたフィルター基材を提供できるという事実を究明したものである。
【0012】
すなわち、本発明のフィルター基材としては、剛軟度が500mgf以上であり、かつ目付が100〜300g/m2 であり、さらに目付(X:g/m2 )と通気量(Y:g/m2 )の関係が次式(1)を満たす不織布が使用される。
【0013】
0.25X+Y>80 ………(1)
また、より好ましくは次式(2)を満たす不織布である。
【0014】
0.25X+Y>95 ………(2)
本発明の不織布における通気性は、JIS L1096のフラジール型試験に基づいて測定した通気量の値により表した。
【0015】
目付と通気量の関係が上記式(1)を満たさない場合、不織布は通気性が低く、フィルター基材として使用した場合に圧損が高くなり、フィルター性能が低いものとなる。また、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフィルター膜と貼り合わせた場合、通気性が著しく低下して圧損が高くなり、フィルター性能が著しく低いものとなる。
【0016】
また、不織布の目付は上記の通り100〜300g/m2 であることが好ましく、さらに好ましくは150〜280g/m2 である。目付が100g/m2 未満の場合は、不織布の剛性が低くなるため好ましくなく、目付が300g/m2 を超える場合、不織布の剛性は十分であるが、通気性が低くなるため好ましくない。
【0017】
さらに、本発明における不織布の剛軟度は、JIS L1096のガーレ法試験に基づいて測定される剛軟度で表したとき、500mgf以上であるものが好ましく、800mgf以上であるものがさらに好ましい。剛軟度が500mgfより低い場合、不織布の剛性不足のため、プリーツ加工性が著しく低下し、シートが蛇行したり、不均一なピッチが発生しやすいため好ましくない。さらに、プリーツフィルターとしてフィルターに組み込んだ場合、剛性が弱いため、プリーツ山部が風圧により湾曲、変形し、濾過面積が少なくなるため好ましくない。ただし、本発明者らの各種知見によれば、フィルターの一構成部材としての性能なども踏まえれば、剛軟度値の上限は4500mgf程度までである。
【0018】
本発明において使用される不織布は、熱可塑性長繊維からなる不織布が好ましい。さらに該熱可塑性長繊維が高融点成分と低融点成分からなることが好ましい。該高融点成分としては、不織布の強度、さらには耐熱性の点からポリエチレンテレフタレートが好ましく、該低融点成分としては、不織布を熱圧着させ適度な剛性を得るために、共重合ポリエステルまたはポリブチレンテレフタレートが好ましい。該共重合ポリエステルの共重合成分としては特に限定されるものではないが、イソフタル酸、アジピン酸などが特に好ましい。該低融点成分として最も好ましいものは、イソフタル酸を共重合成分とした共重合ポリエステルである。
【0019】
また、該低融点成分と該高融点成分の融点差は15℃以上であることが、熱圧着の点から好ましい。該融点差が15℃未満の場合、低融点成分だけでなく、高融点成分も熱圧着により変形、ダメージを受け、不織布の剛性、強度が低下するため好ましくない。低融点成分と高融点成分の融点差は、より好ましくは20℃以上である。
【0020】
さらに、該低融点成分の重量割合は不織布全体の5〜40%であることが好ましく、より好ましくは10〜30%である。該低融点成分の重量割合が5%未満の場合、熱接着力が低下し、不織布の層間が剥離、さらには不織布の剛性が不足し、プリーツ加工時にシートが蛇行したり、折り曲げピッチが不均一となるため好ましくない。また該低融点成分の重量割合が40%を超える場合、熱圧着力が著しく向上し、不織布の通気性が低下するため好ましくない。
【0021】
本発明の不織布を構成する熱可塑性長繊維は、高融点成分からなるフィラメントと、低融点成分からなるフィラメントの混繊であっても良いが、適度な熱圧着により、剛性と通気性を調整しやすい点から、高融点成分の周りを低融点成分が被覆してなる芯鞘型のフィラメントが好ましい。
【0022】
また、該熱可塑性長繊維の繊度は4〜13デシテックスであることが好ましく、5〜11デシテックスがより好ましく、7〜10デシテックスがさらに好ましい。繊度が4デシテックス未満の場合、熱接着した不織布の通気性が低くなってしまう場合があるので好ましくなく、また繊度が13デシテックスを超える場合、繊維を紡糸するときに十分に冷却することが困難になる場合があり、生産性の点から好ましくない。また、上記の繊度範囲4〜13デシテックスを満たすフィラメントの重量割合が、全フィラメントの50%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上、最も好ましいのは90%以上である。該フィラメントの重量割合が50%未満の場合は、得られる不織布の通気性が低くなる方向であり、特にポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフィルター膜と貼り合わせた場合に、通気性が著しく低下してフィルターの圧損が高くなってしまう場合があり、フィルター性能として高いものを得ることが難しくなり好ましくないものである。
【0023】
また、本発明における熱可塑性長繊維の高融点成分、低融点成分のいずれにおいても、酸化チタンやカーボンブラック等の添加剤を含んでもよいことはいうまでもない。
【0024】
不織布の熱圧着面積は5〜40%が好ましく、より好ましくは10〜30%である。該熱圧着面積が5%未満の場合、接着力が低下し、不織布の層間が剥離し、さらに不織布に十分な剛性、強度が得られず、プリーツ加工性も低下する。また、該熱圧着面積が40%を超える場合、熱圧着力が著しく向上し、不織布の通気性が低下するため好ましくない。
【0025】
本発明にかかるフィルター基材を得るには、必ずしも限定されるものではないが、特に、熱可塑性連続フィラメントを細孔より溶融紡出し、これをエアーサッカー装置等により引き取り、5000m/min程度で牽引した後、高圧印加や衝突帯電により熱可塑性フィラメントを開繊させ、引き続き移動面上に噴射、捕集して不織布ウェブを形成し、これを連続して熱圧着して不織布を製造することが重要である。特に、剛軟度が500mgf以上、かつ目付が100〜300g/m2 、さらに目付(X:g/m2 )と通気量(Y:g/m2 )の関係が上述の(1)式を満たす不織布を製造するためには、該熱可塑性連続フィラメントは、高融点成分と低融点成分とからなることが重要であり、さらに該不織布の熱圧着が部分的に施されることが重要である。また、該高融点成分としてポリエチレンテレフタレートを使用し、該低融点成分として共重合ポリエステルまたはポリブチレンテレフタレートを使用し、かつ該低融点成分の重量割合が、熱可塑性連続フィラメント中5〜40%とすることが肝要である。さらに該熱可塑性連続フィラメントとして、高融点成分の周りを低融点成分が被覆してなる芯鞘型フィラメントを用いることが肝要である。
【0026】
特に、従来における当該不織布分野のフィルター基材の製造にあっては、一般に、ポリエステルやポリプロピレンを溶融紡糸して、熱圧着や機械的絡合、あるいはこれらの組合せにより一体化するものが通常であったが、繊維の原料や、原料の複合比率、さらには繊維の繊度(太さ)、また熱圧着の面積などが不適当であったため、フィルター基材として使用する場合に、十分な剛軟度と通気性を併せ持つものは得られず、例えば剛軟度が500mgf以上のものでは、上述(1)式の値は60〜70程度のものが一般的であった。
【0027】
特に、0.25X+Y>95 である(2)式を満たす不織布を製造するには、本発明者らの各種知見によれば、更に、該熱可塑性連続フィラメントとして、全フィラメントの50重量%以上が繊度4〜13デシテックスのものを用い、さらには該不織布の熱圧着面積を5〜40%程度とすることが肝要である。
【0028】
いずれにしても、複合繊維の複合比率、繊維の繊度(太さ)、圧着面積の存在比率、個々の圧着部の大きさや、不織布の圧着程度などを組合せることにより、所望とする特性の不織布を得ることができる。
【0029】
また、本発明の不織布の特性を損なわない範囲で、不織布に薬剤を付与することにより、抗菌性や防カビ性を付与してもよい。
【0030】
さらに、高性能のフィルター基材として本発明にかかるフィルター基材用不織布を使用する場合、該フィルター基材はフィルター層の支持体として用いるのがより好ましい使用方法である。特に、本発明にかかるフィルター基材を山谷折り(プリーツ加工)して支持体として成形賦型し、該支持体におけるその少なくとも片面にフィルター層(濾過層としての機能を第一の機能として有する層)を配置してフィルターを構成して使用することがより高性能を発揮し得て好ましいものである。該山谷折り(プリーツ加工)して支持体としての成形賦型を良好に行わしめる上で、剛軟度は一定値以上はあることが重要なものなのである。
【0031】
該フィルター層としては、捕集性能が向上し、捕集した粉塵の離脱性に優れるものであれば特に限定されるものではないが、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンが好ましい。該ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンを該フィルター基材に貼り合わせる方法としては特に限定されるものではないが、生産性や簡便さの点から、接着剤によりフィルター膜を不織布表面に接着させる方法や、フィルター膜、あるいは不織布の表面を溶融させ、お互いを接着させる方法が好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明をさらに実施例により詳細に説明する。実施例における各特性値は以下の方法で測定したものである。
(1)目付(g/m2 ):
JIS L1096に基づき不織布の1m2 当たりの質量を測定した。
(2)通気性(cm3 /cm2 /sec):
JIS L1096のフラジール型試験に基づき、不織布試験片を通過する空気量を測定した。
(3)剛軟度(mgf):
JIS L1096のガーレ法に基づき、不織布の縦方向2.5インチ×横方向1インチの試験片の剛軟度を測定した。
(4)シート剥離:
幅20cm×長さ80cmの試料を長さ方向全体にわたって、半径10cmの円弧状に折り曲げ、剥離の状況を以下の基準で評価した。
【0033】
○:剥離は全く認められないもの
△:1cm未満の剥離があるもの
×:1cm以上の剥離があるもの
(5)プリーツ加工性:
幅50cm×長さ1mの試料を、ロータリー式プリーツ加工機で、ピッチが3cmとなるようプリーツ加工し、以下の基準で評価した。
【0034】
○:プリーツが鋭角で均一であり、シートに蛇行の見られないもの
△:プリーツがやや不均一であり、シートに僅かな蛇行が見られるもの
×:プリーツが不均一で、シートに蛇行が見られるもの
実施例1
高融点成分を固有粘度が0.66、融点が260℃であるポリエチレンテレフタレートとし、低融点成分を固有粘度が0.68、融点が230℃であるイソフタル酸共重合ポリエステルとして、該低融点成分の重量を全体の20%とし、該高融点成分の周りを該低融点成分が被覆してなる芯鞘型のフィラメントを単糸繊度9デシテックス(dtex)となるように吐出量を設定して溶融紡出し、連続して空気圧にて約5000m/minの高速牽引を実施した。
【0035】
引き続き、フィラメントを空気圧にて噴射、開繊し、移動するネット上に堆積させ不織布ウェブとし、これを一対の加熱エンボスロールにより線圧60kg/cm、ロール表面温度200℃、接着面積23%の条件で圧着し、目付が150、200、250g/m2 の不織布をそれぞれ得た。
実施例2
芯鞘型フィラメントの単糸繊度を6デシテックスとなるよう吐出量を設定し、加熱エンボスロールの接着条件を、線圧50kg/cm、ロール表面温度190℃、接着面積20%とし、その他の条件は全て実施例1と同じ条件で、目付150、200、250g/m2 の不織布をそれぞれ得た。
実施例3
高融点成分を固有粘度が0.66、融点が260℃であるポリエチレンテレフタレートとして単糸繊度が9デシテックスとなるよう吐出量を設定し、低融点成分を固有粘度が0.68、融点が230℃であるイソフタル酸共重合ポリエステルとして単糸繊度9デシテックスとなるよう吐出量を設定、それぞれ溶融紡出して紡糸混繊し、連続して空気圧にて約5000m/minの高速牽引を実施した。なお低融点成分の重量は全体の23%とした。引き続きフィラメントを空気圧にて噴射、開繊し、移動するネット上に堆積させ不織布ウェブとし、これを一対の加熱エンボスロールにより線圧70kg/cm、ロール表面温度205℃、接着面積23%の条件で圧着し、目付が150g/m2 、200g/m2 、250g/m2 の不織布をそれぞれ得た。
【0036】
実施例1〜3に記載した不織布の通気性、剛軟度、シート剥離、さらにプリーツ加工性の評価結果を表1に示した。表1から明らかなように、実施例1〜3の不織布はいずれも0.25X+Yの値が80以上であり、さらに剛軟度が500mgf以上で、シート剥離もなく、プリーツ加工性も良好で、フィルター基材として満足できる特性を有するものであった。
比較例1
芯鞘型フィラメントの単糸繊度が2.8デシテックスとなるよう吐出量を設定し、加熱エンボスロールの接着条件を、線圧60kg/cm、ロール表面温度200℃、接着面積23%とし、その他の条件は全て実施例1と同じ条件で、目付150、200、250g/m2 の不織布をそれぞれ得た。この不織布の各種特性の評価結果を表1に示した。
【0037】
表1から明らかなように、この不織布は、シート剥離はなく、プリーツ加工性も優れていたが、通気性が非常に低く、0.25X+Yの値がいずれも80以下であり、特にポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフィルター膜の支持体とした場合、通気性が著しく低くなるため好ましくないものであった。
比較例2
高融点成分の単糸繊度が3.5デシテックス、低融点成分の単糸繊度が3.5デシテックス、低融点成分の重量が全体の4%となるよう吐出量を設定し、その他の条件は全て実施例3と同じ条件で、目付150、200、250g/m2 の不織布をそれぞれ得た。この不織布の各種特性の評価結果を表1に示した。表1から明らかなように、この不織布は、通気性が低く、0.25X+Yの値が80以下であった。また接着も不十分であり、シート剥離があり、プリーツ加工性にも劣るものであった。
【0038】
【表1】
Figure 0003767502
【0039】
【発明の効果】
本発明のフィルター基材は、目付(X)と通気量(Y)が0.25X+Y>80となり、かつ剛軟度を500mgf以上とすることにより、シートの剥離もなく、プリーツ加工性も良好であり、さらに通気性が高いことからフィルターユニットとした場合、圧損が低く良好な性能を示すものであり、特にポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフィルター膜の支持体とした場合、その効果は顕著である。

Claims (8)

  1. 熱可塑性連続フィラメントからなる不織布からなり、該熱可塑性連続フィラメントが高融点成分と低融点成分とからなり、該不織布は部分的に熱圧着されたものであって、目付が100〜300g/m2 で、また目付と通気量の関係が次式(1)を満たし、かつ剛軟度が500mgf以上であることを特徴とするフィルター基材。
    0.25X+Y>80 ………(1)式
    X:目付(g/m2
    Y:通気量(cm3 /cm2 /sec)
  2. 熱可塑性連続フィラメントとして、該高融点成分がポリエチレンテレフタレートであり、該低融点成分が共重合ポリエステルまたはポリブチレンテレフタレートであり、かつ該低融点成分の重量割合が、該熱可塑性連続フィラメント中5〜40%のものを用いてなることを特徴とする請求項1記載のフィルター基材。
  3. 該熱可塑性連続フィラメントとして、高融点成分の周りを低融点成分が被覆してなる芯鞘型フィラメントを用いてなることを特徴とする請求項1または2記載のフィルター基材。
  4. 該熱可塑性連続フィラメントとして、全フィラメントの50重量%以上が、繊度4〜13デシテックスのものを用いてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター基材。
  5. 該不織布として、熱圧着面積が5〜40%のものを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルター基材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のフィルター基材を支持体とし、少なくともその支持体の片面にフィルター層を配してなることを特徴とするフィルター。
  7. 該フィルター層として、ポリテトラフルオロエチレン、またはポリフッ化ビニリデンからなるものを用いてなることを特徴とする請求項6記載のフィルター
  8. 該フィルターが、プリーツ形状を呈しているものであることを特徴とする請求項7記載のフィルター。
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