JP4139141B2 - 筒状フィルター及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は水、油、塗料、界面活性剤、食品などの液体濾過用の円筒状の筒状フィルター及びその製造方法に関する。更に詳しくは、耐圧強度が大きく、濾過精度が高く、濾過ライフの永い筒状フィルター及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
濾過層の構成成分として繊維を用いた筒状タイプのフィルターは、通常、繊維で構成された濾過層が中空円筒状に形成され、目的とする濾過対象物が中空円筒の最外周部から中心部に集められて濾過するのに用いられるもので、特に液体の濾過に有用である。
【0003】
筒状フィルターは、液体が濾過層を通過する間にこの濾過層が液体中の微粒子を捕捉する構造になっている。そしてこの筒状フィルターは、製薬工業、電子工業等における精製水の濾過、或いは食品工業における飲料水製造工程内での液体濾過、自動車工業における塗装剤の濾過など、各種産業界において広く利用されている。
【0004】
従来、上記のような分野に使用されてきた筒状フィルターとしては、例えば特公昭53−43709号公報にあるように熱接着性複合繊維ウエブを円筒状多孔体に巻きつけて成型された筒状フィルターが教示されており、熱接着性複合繊維が使用されているために濾過圧の上昇によっても熱接着された繊維間の剥離が起こりにくく、その結果安定した濾過精度が得られるといった利点がある。
【0005】
また、特開平5−96110号公報には、メルトブロー紡糸をしながら繊維径を変化させて堆積して得られた極細複合繊維ウエブを熱処理して巻芯に巻き取り、その後巻芯を抜き取ることにより筒型フィルターを得る旨の記載がなされている。更に特開平1−297113号公報には、繊維径や見かけ密度の異なる数種のメルトブロー不織布を、筒の外側になる程、平均繊維径、平均孔径の大きくなるように複数層巻き返してなる筒状フィルターが開示されている。一般的に、メルトブロー不織布を濾過層に使用した筒状フィルターは濾過精度がよく、製造工程も簡素化されるといった利点がある。
【0006】
さらには、特公昭56−49605号公報には、熱融着性複合繊維を含む繊維集合層を熱融着温度に加熱し、巻芯に巻き付け、引き続き所望の穴径を有するシート(例えば、濾紙、メンブレンフィルター等)を繊維集合層とともに巻き込んで精密濾過層を形成せしめ、引き続いて繊維集合層のみを巻き取って前濾過層を形成せしめ、冷却後巻芯を抜き取って、精密濾過用筒状フィルターを製造する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような従来の技術には以下のような問題点があった。すなわち特公昭53−43709号公報では構成繊維同士が強固に熱接着されているために、高い濾過圧に対しての変形抵抗力はあるものの、繊維間に形成される空隙径分布範囲が狭いため、目詰まりが早く濾過ライフが比較的短いという問題がある。
【0008】
一方、特開平5−96110号公報に記載のメルトブローン不織布は1dtex以下の極細繊維で構成することができるために繊維間空隙が小さくなり、濾過材として汎用されているが、その反面、濾過流量が小さくなり目詰まりが生じやすく濾過ライフが短くなるといった問題があった。
【0009】
特公昭56−49605号公報に開示されている精密濾過用筒状フィルターは、熱融着繊維集合層の中に同一幅の精密濾過層を介在せしめてあり、その使用に当たっては、前濾過層である熱融着繊維集合層から精密濾過層に向かって濾過を行うのであるが、前濾過層は熱融着繊維で形成される空隙径の分布範囲が狭く、また精密濾過層が熱融着繊維層の中に強圧された状態で存在するため、濾過による目詰まりが比較的早く、濾過ライフが短いという問題点があった。
【0010】
本発明はメルトブローン不織布などの細繊度の不織布で1μm程度の微粒子を濾過する筒状フィルターであって、細繊度の不織布と太い繊度の繊維で構成する不織布とを積層することによって目詰まりを生じにくくし、濾過流量を大きくすることに成功した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、細繊度不織布と、該細繊度不織布の構成繊維より太い繊度の熱接着性繊維を含む構成繊維からなり且つ該構成繊維が相互に交絡し少なくともその一部が熱接着している太繊度スパンレース不織布とが互いに実質的に熱接着されていない状態で積層されて筒状に巻き付けられた濾過層を第2層に含み、かつ、以下の第1層〜第3層を含み、外周部分から中空部に向けて被濾過流体を流すことを特徴とする筒状フィルターである。
(第1層) 熱接着性繊維を50質量%以上含み、各構成繊維が相互に交絡し少なくともその一部が熱接着しているスパンレース不織布が筒状に巻き付けられ、該不織布層間が熱接着している内部層。
(第2層) 前記内部層の構成繊維と同等の繊度又はそれより太繊度の構成繊維から成り、その50質量%以上が熱接着性繊維であり、各構成繊維が相互に交絡し少なくともその一部が熱接着している太繊度スパンレース不織布が、前記内部層の上に1周以上巻き付けられており、さらにこれに前記内部層の構成繊維より細い繊度の構成繊維からなる細繊度不織布と前記太繊度スパンレース不織布とが、前記細繊度不織布を内側とし、互いに実質的に熱接着されていない状態で重ねて積層され、かつ前記太繊度スパンレース不織布を前記細繊度不織布よりも長くなるように筒状に巻き付けられた濾過層とで形成された中間層。
(第3層) 前記中間層と同じ太繊度スパンレース不織布を前記中間層の上に巻き付けた外部層。
【0012】
本発明の好ましい態様は、熱接着性繊維は高密度ポリエチレンを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型複合繊維である上記の筒状フィルターである。
【0013】
本発明の好ましい態様は、細繊度不織布はメルトブローン不織布である上記の筒状フィルターである。
【0014】
本発明の好ましい態様は、全構成繊維に対して付着している油剤の量は0.10質量%以下である上記の筒状フィルターである。
【0015】
また本発明の筒状フィルターは以下のようにして製造することができる。すなわち、熱接着性繊維を50質量%以上含有する第1繊維ウェブを高圧水流噴射処理により各構成繊維間を繊維交絡させスパンレース不織布を形成し、これを乾燥後加熱して熱接着する熱接着温度に保ったまま巻芯に巻き取ることにより、各構成繊維間の少なくとも一部及び巻き付けられた不織布間を熱接着し、冷却後巻芯を抜き取って筒型の内部層を形成し、次いで、内部層の構成繊維と同等の繊度又はそれより太繊度の構成繊維から成り、その50質量%以上が熱接着性繊維である第2繊維ウェブを高圧水流噴射処理により各構成繊維間を繊維交絡し、これを乾燥後熱接着温度に加熱して各構成繊維間の少なくとも一部を熱接着し冷却して形成した太繊度不織布を前記内部層外面へ1周以上巻き付けて、続いて該太繊度不織布と前記内部層の構成繊維より細い繊度の構成繊維からなる細繊度不織布が、細繊度不織布を巻き込み部の内側となるようにして積層され、かつ前記太繊度スパンレース不織布が細繊度不織布よりも長くなるように内部層の上に巻き付け中間層とし、引き続いて太繊度不織布をこの中間層の上に巻き付けて外部層を形成した後、該太繊度不織布の末端部分に外方より熱接着温度以上の温度を有する加熱体を押し当てて熱圧着することを特徴とする筒状フィルターの製造方法、である。
【0016】
上記熱接着性繊維として低融点を有する熱可塑性樹脂を鞘成分、高融点を有する熱可塑性樹脂を芯成分とした芯鞘型複合繊維を用いることによって、濾過材に高い機械的強度をもたらし、かつ適切な空隙径を有し、濾過ライフの永い筒状フィルターとすることができる。
【0017】
芯鞘成分のそれぞれをポリオレフィン系樹脂成分とすることで、生産効率を上げ、低コストで生産できかつ、耐薬品性、強力に優れた筒状フィルターとすることができる。
【0018】
更に上記細繊度不織布としてメルトブローン不織布によって層を形成させることにより、生産効率を高め、かつ濾過精度の高い筒状フィルターとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される熱接着性繊維の原料としては溶融紡糸性を有する熱可塑性樹脂であれば特に限定はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系重合体もしくは共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド系重合体もしくは共重合体などを使用することができる。また繊維の断面形状は円型、楕円型、三角型など特に限定はなく、繊維の構成についても単一繊維、複合繊維であってよい。特に複合繊維の場合であればその繊維断面形状は芯鞘型、偏心芯鞘型、分割型、並列型など特に限定はされない。本発明の場合、特に、ポリオレフィン系使用することが好ましく、また繊維の構成についても芯成分と鞘成分とからなる芯鞘型複合繊維を使用することが好ましい。
【0020】
芯鞘型複合繊維では鞘成分は芯成分よりもその融点が少なくとも20℃低い樹脂を選ぶと熱接着加工上都合がよい。それらの組み合わせとしては、例えば、ポリエチレンとポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体とポリプロピレン、低融点ポリエステルと高融点ポリエステル、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンとナイロン6などが挙げられる。本発明では繊維強力、生産性、耐薬品性の面から少なくともその一成分にポリオレフィン系成分を有する組み合わせからなるものが好ましく、中でも特に好ましくはポリエチレンとポリプロピレンである。
【0021】
各層を形成する不織布は熱接着性繊維を少なくとも50質量%含有することが必要である。熱接着性繊維の含有量が50質量%未満では筒状フィルターとして耐圧強度が低く、また使用中に繊維の脱落のおそれがある。より好ましくは80質量%以上である。また熱接着性繊維以外の他の繊維としては特に限定はなく、例えば、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維或いはポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系などの合成繊維などを使用することができる。
【0022】
本発明でいう細繊度不織布とは、他の熱接着性繊維より細い繊度の繊維構成されている不織布である。繊度は好ましくは0.5dtex以下、より好ましくは0.2dtex以下の繊維で構成されている繊維層である。使用される素材としては熱可塑性特性を有することが必要である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系重合体もしくは共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド系重合体もしくは共重合体などを使用することができる。また繊維の断面形状も円型、楕円型、三角型など特に限定はない。繊維の構成についても単一繊維、複合繊維いずれでもよい。複合繊維の場合であればその繊維断面形状は芯鞘型、偏心芯鞘型、分割型、並列型など特に限定はされない。
【0023】
また細繊度不織布を形成する繊維集合物としては通常のカード機を使用した乾式カードウエブからなる不織布、抄紙機を使用して形成される湿式抄造ウエブからなる不織布、メルトブローン不織布などを使用することができるが、製造工程性、濾過精度性などを考慮するとメルトブローン不織布を使用することが最も好ましい。
【0024】
本発明においては、少なくとも50質量%の熱接着性繊維を含有する短繊維層を形成する繊維ウエブの形態は特には限定されず、ステープル繊維を使用して作成するパラレルウエブ、セミランダムウエブ、ランダムウエブ、クロスウエブなどを任意に使用することができる。この場合使用する繊維はカード通過性などを考慮すると繊度1〜10dtex、繊維長30〜100mmが好ましく使用される。また繊維長が30mm未満の繊維を使用する湿式抄造法やエアレイ法などによってウエブを形成することも可能であるが、この場合繊維長が短く、繊維一本あたりの繊維交絡点数が少なくなるために、繊維の脱落、毛羽立ちなどが生じたり、また要求される耐圧性能に耐え得るのに必要十分なウエブ強度を有することができなくなる可能性が生じるので、好ましくは前者のステープル繊維を使用したカードウェブ法によってウエブを得ることが望まれる。
【0025】
次に上記で得られたカードウエブは高圧水流噴射処理される。このとき噴射される水は不純物を含有しない、純水またはそれに準じた水を使用するのが望ましい。噴射水流の形状は柱状流、放射状流のいずれも採用可能であるが、カードウエブを洗浄すると同時に繊維間を三次元交絡させ、それによってウェブ強度を高めることのできる柱状流状は、筒状フィルター製造工程の高速化を計れるため、特に好ましい。高圧水流噴射処理は搬送体上に該カードウエブを載置させ、孔径0.06〜2mmのオリフィスが間隔0.5〜5mmで設けられたノズルから水圧1〜10MPaで噴射するとよい。
【0026】
上記で交絡され形成されたスパンレース不織布は乾燥され、該不織布に含有されている熱接着性繊維が単一成分からなる場合にはその成分が溶融する温度、或いは高融点成分と低融点成分を有する複合成分からなる場合にはその高融点成分が溶融せず、低融点成分が溶融する温度で公知の熱処理機を用いることにより熱処理を行うことで構成繊維の繊維交絡点の少なくとも一部を熱接着させ、熱接着しているスパンレース不織布を得る。
【0027】
また上記のような高圧水流噴射処理により前記不織布の各構成繊維はその表面に付着している油剤はその多くを洗浄されて残存付着量は0.10質量%以下になる。この効果は本発明の筒状フィルターを食品、医薬品、半導体など電子機器部材の洗浄液の濾過用に適したものにしている。
【0028】
中間層は細繊度不織布と太繊度不織布を積層して、細繊度不織布が巻き込み部の内側となるようにして積層し巻き付けることが好ましい。このとき中間層の末端部は細繊度不織布よりも太繊度不織布の方を長くすることが好ましい。こうすることによって、太繊度不織布層間が熱圧着されることになる。また、外部層の末端部分である最外周部は、外部層を構成する太繊度不織布の熱接着性繊維の熱接着温度以上の温度を有する加熱体を、円周方向に部分的に、すなわち線状または点状に熱圧着することによって前記外層部の末端部分のはがれを防ぐ。
【0029】
中間層は、このとき太繊度不織布と細繊度不織布とは実質的には接着させることなく積層状態を形成していることが必要である。二つの不織布層が接着させて積層状態を形成すると、その積層された不織布を巻き付けるときに、内側に巻き付ける細繊度不織布に皺が生じ、濾過性能に悪影響を及ぼすことがあるため好ましくないからである。
【0030】
以上のような本発明の筒状フィルターは特に製薬工業、電子工業で使用される精製水の濾過や、食品工業におけるアルコール飲料の製造工程における濾過、更には自動車工業における塗装剤の濾過など様々な用途に使用することが可能となる。
【0031】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に詳しく説明する。なおここで各評価方法は次ぎの方法による。
[界面活性剤付着率]
JIS L 1015−7.22(6)のメタノール抽出分による。
[濾過ライフ]
濃度200ppmに調製された試験用ダスト(JIS8種と11種を1:1の重量割合混合したもの、関東ローム、平均粒径2μm)の試験用懸濁液を均一に攪拌しながら筒状フィルターの外側から中空部に向かって15リットル/分の流量で流し、この流量を維持するための通水圧力が0.2MPaになったときの総通水量(リットル)で表す。
[濾過精度]
試験用懸濁液の所定量に含まれるダストの粒子径別の個数(M)とこれを濾過した後の液に残るダストの粒子径別の個数(N)を粒度分布測定機(商品名:コールターカウンターZM型:コールターエレクトロニクス社製)を用いて測定した。各粒子径別に次ぎの式から遮断率を算出した。遮断率はある粒子径以上は100%になる。
その直前の遮断率が99%になる粒子径(r)を濾過精度とした。
遮断率(%)=[{M−N}×100]/M
濾過精度はrが小さいほど微小な粒子をフィルターが補足できることを示す。
【0032】
[実施例1]
芯成分がポリプロピレン樹脂(融点166℃)、鞘成分が高密度ポリエチレン樹脂(融点132℃)である繊度2.2dtex、繊維長51mmの熱接着性芯鞘型複合繊維(商品名:NBF(H)、大和紡績(株)製、界面活性剤の付着率0.21質量%)を100質量%用い、これをパラレルカードに掛けてカードウエブ(目付21g/m2 )を得た。通水性支持体上に載置したカードウエブの上面に水圧(1.96MPa)で1回、水圧(2.94MPa)で1回、高圧水流を噴射した。次いで120℃の熱風で加熱して乾燥後、140℃の熱風で加熱して、複合繊維の鞘成分を溶融しながら長さ1.5m、直径25mmの鉄芯に、巻径55mmに達するまで連続的に巻き取った後に冷却し、鉄芯を抜き取り内部層を作成した。
【0033】
なお、鉄芯巻き付け直前のウェブにおける界面活性剤付着率は0.02質量%であった。
【0034】
次に上記で使用した同様の芯鞘型複合繊維を100質量%用いてパラレルカードにてカードウエブを得、得られたカードウエブの表面に水圧(1.96MPa)で1回、水圧(2.94MPa)1回、柱状の高圧水流を噴射してウェブ中の繊維を三次元交絡させ、その後110℃の熱風で乾燥し、140℃の熱風で加熱して鞘成分を溶融させて繊維間を熱接着させ、目付22g/m2 の太繊度不織布とした。
【0035】
上記で得られた筒型の内部層外面に向かって前記太繊度不織布の先端部を金属こて(表面温度138℃)を押し当てて熱圧着し、次いで内部濾過層を回転させながら太繊度不織布を巻き付け開始直後、平均繊度0.016dtex、目付75g/m2 のポリプロピレン・メルトブロー不織布を太繊度不織布の下側に供給しながら一緒に3周巻き付けて中間層を形成し、続いて再び太繊度不織布のみを外径65mmとなるまで巻き付けて外部層とした。そして筒状体を回転させながら最外周の太繊度不織布外周面に、金属棒面に幅1mmの金属フランジが10mm間隔で植設された加熱体(表面温度138℃)を押し当てることにより、金属フランジに当接させた熱接着性繊維の低融点成分である鞘成分を溶融させることにより接着し剥離しないように成形した。
【0036】
[実施例2]
実施例1において、極細繊維不織布として、平均繊度0.045dtexのポリプロピレン・メルトブロー不織布(目付85g/m2 )を用いた。その他については実施例1と同様にして筒状の筒状フィルターを作成した。
【0037】
[実施例3]
実施例1において、極細繊維不織布として、平均繊度0.18dtexのポリプロピレン・メルトブロー不織布(目付60g/m2 )を用いた。その他については実施例1と同様にして筒状の筒状フィルターを作成した。
【0038】
[比較例1]
実施例1においてメルトブロー不織布を使用しない濾過層を使用した以外は、実施例1と同様にして筒状の筒状フィルターを得た。
【0039】
実施例1〜3、比較例1の物性を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明の筒状フィルターは、細繊度の不織布と太繊度の不織布とを重ねて筒状体に巻き付けることにより、細繊度不織布が精密濾過に働き、太繊度不織布がスペーサーとして働くので、細繊度不織布の目詰まりを防ぎ濾過ライフを高めることに成功した。かくして得られた筒状フィルターは、特に製薬工業、電子工業で使用される精製水の濾過や、食品工業におけるアルコール飲料の製造工程における濾過、更には自動車工業における塗装剤の濾過など様々な用途に使用することが可能となる。
Claims (5)
- 細繊度不織布と、該細繊度不織布の構成繊維より太い繊度の熱接着性繊維を含む構成繊維からなり且つ該構成繊維が相互に交絡し少なくともその一部が熱接着している太繊度スパンレース不織布とが互いに実質的に熱接着されていない状態で積層されて筒状に巻き付けられた濾過層を第2層に含み、かつ、以下の第1層〜第3層を含み、外周部分から中空部に向けて被濾過流体を流すことを特徴とする筒状フィルター。
(第1層) 熱接着性繊維を50質量%以上含み、各構成繊維が相互に交絡し少なくともその一部が熱接着しているスパンレース不織布が筒状に巻き付けられ、該不織布層間が熱接着している内部層。
(第2層) 前記内部層の構成繊維と同等の繊度又はそれより太繊度の構成繊維から成り、その50質量%以上が熱接着性繊維であり、各構成繊維が相互に交絡し少なくともその一部が熱接着している太繊度スパンレース不織布が、前記内部層の上に1周以上巻き付けられており、さらにこれに前記内部層の構成繊維より細い繊度の構成繊維からなる細繊度不織布と前記太繊度スパンレース不織布とが、前記細繊度不織布を内側とし、互いに実質的に熱接着されていない状態で重ねて積層され、かつ前記太繊度スパンレース不織布を前記細繊度不織布よりも長くなるように筒状に巻き付けられた濾過層とで形成された中間層。
(第3層) 前記中間層と同じ太繊度スパンレース不織布を前記中間層の上に巻き付けた外部層。 - 熱接着性繊維は、高密度ポリエチレンを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型複合繊維である請求項1に記載の筒状フィルター。
- 細繊度不織布はメルトブローン不織布である請求項1又は2記載の筒状フィルター。
- 全構成繊維に対して付着している油剤の量は0.10質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の筒状フィルター。
- 熱接着性繊維を50質量%以上含有する第1繊維ウェブを高圧水流噴射処理により各構成繊維間を繊維交絡させ、乾燥後加熱して熱接着温度に保ったまま巻芯に巻き取り、各構成繊維間及び巻き付けられた繊維不織布間を熱接着し、冷却後巻芯を抜き取って筒型の内部層を形成し、次いで内部層の構成繊維と同等の繊度又はそれより太繊度の構成繊維から成りその50質量%以上が熱接着性繊維である第2繊維ウェブを高圧水流噴射処理により各構成繊維間を繊維交絡し、乾燥後熱接着温度に加熱して各構成繊維間を熱接着し冷却して形成した太繊度不織布を内部層外面へ1周以上巻き付けて、続いて該太繊度不織布と内部層の構成繊維より細い繊度の構成繊維からなる細繊度不織布とを細繊度不織布を巻き込み部の内側となるように重ねて、かつ前記太繊度スパンレース不織布が細繊度不織布よりも長くなるように前記内部層の上に巻き付け中間層とし、引き続いて太繊度不織布をこの中間層の上に巻き付けて外部層を形成した後、該太繊度不織布の末端部分に外方より熱接着温度以上の温度を有する加熱体を押し当てて熱圧着することを特徴とする筒状フィルターの製造方法。
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