JP3662708B2 - クリーニング素材及びこれを用いたクリーニング材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真複写機などの定着ロール表面に残留したトナーの除去や、熱カレンダーロールなどの清掃に使用できるクリーニング素材、及びこれを用いたクリーニング材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真複写機などの定着装置における、定着ロール表面に残留したトナーを除去するクリーニングウエブとして、芳香族ポリアミド樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有する不織布に、シリコーンオイルを含浸したものが知られている(特開昭58−199371号)。しかしながら、このようなクリーニングウエブの払拭性は、離型剤であるシリコーンオイルの物性に依存する所が大きいが、シリコーンオイルは高温において粘度が低く、定着ロール表面との抵抗が小さいため、払拭性が悪いという問題があった。また、クリーニングウエブを交換する際に、シリコーンオイルが手などに付着して、作業性が悪いという問題もあった。
【0003】
そのため、本願出願人は特願平5−210895号において、加熱時の被クリーニング物の表面温度で、溶融しない耐熱性繊維と、軟化又は溶融する熱粘着性繊維とを主体とする、繊維シート面を有するクリーニング材を提案した。このクリーニング材はある程度トナーを払拭できるものの、実用に耐えるだけの十分な払拭性、つまり十分なクリーニング性を有するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、クリーニング性及び交換作業性に優れるクリーニング素材、及びこれを用いたクリーニング材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のクリーニング素材は、被クリーニング物の不使用時における表面温度よりも高く、被クリーニング物の使用時における表面温度以下の温度で、軟化又は溶融する熱粘着性繊維のみからなる表面領域と、定着ロールの使用時における表面温度以下の温度で、軟化しない耐熱性繊維を含む領域を有する繊維シートからなる。このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域を、被クリーニング物に接触させることによって、優れたクリーニング性を発揮することを見い出したのである。この優れるクリーニング性は、熱粘着性繊維の粘着力によると考えられる。また、本発明のクリーニング素材を構成する熱粘着性繊維は、被クリーニング物の不使用時には軟化又は溶融していないため、交換作業性も優れている。
【0006】
本発明のクリーニング材は、ロール状物の表面が、上記のクリーニング素材から構成され、このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域が露出したものである。そのため、この熱粘着性繊維のみからなる表面領域を被クリーニング物に接触させれば、被クリーニング物をクリーニングすることができる。なお、本発明のクリーニング材は上記のクリーニング性に優れたクリーニング素材を使用しており、被クリーニング物が回転体である場合には、被クリーニング物の回転によってクリーニング材を回転させるだけでクリーニングできるため、電子写真複写機などの構造が簡単になり、装置のコンパクト化が可能であるばかりでなく、被クリーニング物表面を傷つけないというメリットも生じる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のクリーニング素材について、電子写真複写機などの定着装置における、定着ロール表面に残留したトナーを除去するためのクリーニング素材をもとに説明する。
【0008】
本発明のクリーニング素材は、定着ロールの不使用時における表面温度よりも高く、定着ロールの使用時における表面温度以下の温度で、軟化又は溶融する熱粘着性繊維のみからなる表面領域を有する繊維シートからなる。この本発明のクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域を定着ロールに接触させると、熱粘着性繊維が軟化又は溶融して、定着ロールとの密着性が向上すると共に粘着力を発揮するため、クリーニング性に優れると考えられる。また、熱粘着性繊維が軟化又は溶融して生じる流動性を有する樹脂が、離型剤と同様の働きをするためか、従来必要とされてきた離型剤を使用しなくてもクリーニング性に優れているため、離型剤を使用したことによる、定着ロール表面(例えば、シリコーンゴム)を膨潤させたり、離型剤のコピー紙への転移などの弊害が生じないという効果も発揮する。
【0009】
この定着ロール不使用時における表面温度、及び定着ロール使用時における表面温度は、例えば、熱電対、測温抵抗体、赤外放射温度計、赤外線熱画像装置などにより測定することができる。
【0010】
また、軟化又は溶融とは、ディファレンシャル・スキャニング・カロリーメーター(DSC)により得られる融解吸収曲線において、吸熱ピークを示すことをいう。そのため、熱粘着性繊維の軟化又は溶融を示す吸熱ピーク温度が、定着ロール不使用時における表面温度より高く、定着ロール使用時における表面温度以下であれば良く、交換作業時に全く粘着性がないように、不使用時の表面温度より20℃以上高い温度で軟化する熱粘着性繊維であるのが好ましく、また、良好な粘着性を発揮してクリーニング性に優れるように、使用時の表面温度より20℃以上低い温度で溶融する熱粘着性繊維であるのが好ましく、使用時の表面温度より40℃以上低い温度で溶融する熱粘着性繊維であるのがより好ましい。
【0011】
このような熱粘着性繊維としては、定着ロール不使用時における表面温度より高く、定着ロールの使用時における表面温度以下の温度で、軟化又は溶融する樹脂成分のみからなる、つまり全溶融型のものであっても良いし、定着ロールの使用時における表面温度以下の温度で、軟化しない樹脂成分を含む一部溶融型のものであっても良いが、クリーニング性により優れる全溶融型の熱粘着性繊維を使用するのが好ましい。
【0012】
このような熱粘着性繊維としては、一般的に、定着ロール不使用時における表面温度が約25℃であり、定着ロール使用時における表面温度が約200℃であるため、例えば、ポリプロピレン、変性ポリエステル、6ナイロン、共重合ナイロン、ポリエチレンなどの樹脂成分1種類以上からなる、全溶融型の熱粘着性繊維や、ポリプロピレン、変性ポリエステル、6ナイロン、共重合ナイロン、ポリエチレンなどの樹脂成分1種類以上と、ポリエステル、66ナイロンなどの樹脂成分1種類以上とを適宜組み合わせた一部溶融型の熱粘着性繊維を、1種類以上使用できる。これら熱粘着性繊維の中でも、変性ポリエステルからなる全溶融型の熱粘着性繊維はクリーニング性に優れ、しかも安価であるため、好適に使用できる。これら熱粘着性繊維の線密度や繊維長は特に限定するものではないが、線密度50μg/m〜2.5mg/m、繊維長5〜150mmであるのが好ましい。
【0013】
本発明のクリーニング素材は、上述のような熱粘着性繊維のみからなる表面領域を有する繊維シートからなる。この本発明における「表面領域」とは、繊維シートの厚さが1mm以上の場合は、表面から0.1mmまでの厚さの領域をいい、厚さが1mm未満の場合は、表面から繊維シート厚さの10%までの厚さの領域をいう。なお、厚さは20g/cmの板で荷重した時の厚さをいい、表面とは20g/cmの板で荷重した時の板と接する疑似的平面をいう。
【0014】
本発明の繊維シートとしては、例えば、織物(パイル織物を含む)、編物、不織布などの形態のものを使用できるが、これらの中でも不織布は繊維の分散状態がランダムで、被クリーニング物とムラなく接触させることができるため、トナーなどの汚れを良好に除去することができ、クリーニング性に優れているので、好適に使用できる。
【0015】
この繊維シートの中でも、特に面密度100〜1200g/mのものが好適に使用できる。面密度が100g/m未満では熱粘着性繊維の絶対量が少ないため、クリーニング性が悪い場合があり、1200g/mを越えると、柔軟性が悪く、被クリーニング物と密着しにくいため、クリーニング性が悪くなる傾向があるためで、より好ましい面密度は500〜800g/mである。また、繊維シートの厚さは0.1〜7mm程度であるのが好ましい。
【0016】
本発明のクリーニング素材は上述のような熱粘着性繊維のみからなる繊維シートであっても良いが、定着ロールの使用時における表面温度以下の温度で、軟化しない耐熱性繊維を含んでいると、この耐熱性繊維によって形態安定性が付与されるので好適な実施態様である。勿論、この耐熱性繊維は熱粘着性繊維のみからなる表面領域以外の領域に存在する。
【0017】
この定着ロールの使用時における表面温度以下の温度で軟化しないとは、ディファレンシャル・スキャニング・カロリーメーター(DSC)により得られる融解吸収曲線において、定着ロール使用時における表面温度以下において、吸熱ピークを示さないことをいう。本発明の耐熱性繊維の軟化温度は、形態安定性により優れるように、定着ロールの使用時における表面温度より20℃以上高いのがより好ましい。
【0018】
この耐熱性繊維としては、一般的に、定着ロール表面が約200℃の高温になるため、例えば、メタ系又はパラ系芳香族ポリアミド繊維、ポリアミドイミド繊維、芳香族ポリエーテルアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリベンツイミダゾール繊維、ポリエステル繊維、66ナイロン繊維などを1種類以上使用できる。これらの中でも、ポリエステル繊維やメタ系芳香族ポリアミド繊維は耐熱性に優れ、しかもポリエステル繊維やメタ系芳香族ポリアミド繊維を含むクリーニング素材のクリーニング材への加工性にも優れているため、好適に使用できる。なお、これら耐熱性繊維の繊度や繊維長は特に限定するものではないが、線密度50μg/m〜2.5mg/m、繊維長5〜150mmであるのが好ましい。
【0019】
なお、熱粘着性繊維のみからなる表面領域以外の領域における耐熱性繊維以外の繊維としては、前述の熱粘着性繊維、炭素繊維、導電加工した繊維などを混入できる。炭素繊維、導電加工した繊維などを混合し、クリーニング素材を電気的に接続してアースすると、クリーニング素材と定着ロールとの摩擦によって生じる静電気を除去でき、使用中にトラブルが発生しないので、好適な実施態様である。
【0020】
以上のような本発明のクリーニング素材は、従来必要とされてきた離型剤を使用しなくてもクリーニング性に優れているため、離型剤を使用したことによる弊害が生じないという特長がある。
【0021】
本発明のクリーニング材5は、上述のようなクリーニング素材1を使用したものであり、例えば、図1に示すように、クリーニング素材1のみからブレード状に形成したもの(ブレード型)であっても良いし、図2に示すように、ウレタンゴムやシリコーンゴムなどのブレード状弾性体2の、少なくとも定着ロール6と接触する部分にクリーニング素材1を設置したもの(ブレード型)であっても良いし、シャフトに直接クリーニング素材1を巻回してロール状物としたもの(ロール型、図示せず)であっても良いし、図3に示すように、ウレタンゴムやシリコーンゴムなどのロール状弾性体2の表面に、クリーニング素材1を螺旋状又は平巻きして設置したもの(ロール型)であっても良いし、或いは、図4に示すように、 クリーニング素材1を巻き出しシャフト3に巻きつけ、他端を巻き取りシャフト4に固定したもの(ウエブ型)であっても良い。なお、いずれの場合も、クリーニング性に優れるように、クリーニング素材1の熱粘着性繊維のみからなる表面領域が露出するように設置して、定着ロール6と接触できるようにする。
【0022】
これらの中でも、シャフトに直接クリーニング素材を巻回して、又は弾性体を併用して形成したロール型のクリーニング材は、定着ロールの回転によって回転するだけで優れたクリーニング性を発揮する。このように、クリーニング材の構造自体が単純であり、しかも従来のように定着ロールの回転と周速差を設けるための動力手段も必要がないため、装置のコンパクト化が可能である。更には、定着ロールの回転によって回転するだけで良く、定着ロール表面に傷をつけにくいため、クリーニング性が持続するという効果も生じる。なお、ロール型のクリーニング材は、被クリーニング物とより密着しやすいように、クリーニング素材を螺旋状に巻いて設置するのが好ましい。
【0023】
本発明のクリーニング素材の製造方法について、好適である不織布からなるクリーニング素材の製造方法を例に説明する。
【0024】
まず、熱粘着性繊維からなる繊維ウエブをカード法やエアレイ法などの乾式法、湿式法、或いはスパンボンド法やメルトブロー法などの直接法により繊維ウエブを形成する。なお、耐熱性繊維を含む不織布を形成する場合には、耐熱性繊維を含む繊維ウエブを別に形成する。また、これら繊維ウエブは、熱粘着性繊維のみからなる表面領域を形成しやすいように、また製造上取り扱いやすいように、ニードルや水流により絡合するのが好ましい。
【0025】
次いで、熱粘着性繊維からなる繊維ウエブ(好適には絡合繊維ウエブ)を1枚以上、又は熱粘着性繊維からなる繊維ウエブ(好適には絡合繊維ウエブ)を1枚以上と耐熱性繊維を含む繊維ウエブ(好適には絡合繊維ウエブ)とを、熱粘着性繊維からなる繊維ウエブが少なくとも片表面を構成するように積層した後、ニードルや水流などによる絡合処理や、全面的又は部分的に熱粘着性繊維を粘着させる熱処理や、或いはこれら処理を併用することにより不織布、つまりクリーニング素材を形成できる。なお、絡合処理を行うことによって、熱粘着性繊維以外の繊維が表面領域に侵入すると、それだけでクリーニング性が低下してしまうため、熱粘着性繊維以外の繊維が表面領域に侵入しないように、例えば、熱粘着性繊維からなる繊維ウエブ側のみからニードルや水流を作用させて、絡合する必要がある。
【0026】
本発明のクリーニング材の製造方法について、好適であるシャフトに直接クリーニング素材を巻回したロール型クリーニング材について説明する。まず、シャフトを用意する。次いで、シャフト表面に、クリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域が露出するように、耐熱性接着剤を介して螺旋状に、又は平巻きして設置することにより、クリーニング材を形成できる。なお、螺旋状に設置すると、被クリーニング物と密着しやすいクリーニング材を形成できるため、より好適な実施態様である。
【0027】
以下に、本発明のクリーニング素材の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
芯成分が軟化点240℃のポリエステルからなり、鞘成分が融点110℃のポリエステル共重合体からなる、芯鞘一部溶融型の熱粘着性繊維(体積比1:1、線密度0.33mg/m、繊維長51mm)100mass%をカーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。次いで、針密度50本/cmでニードルパンチして、面密度650g/mのプレパンチフエルトAを形成した。
【0029】
他方、軟化点240℃のポリエステル原着繊維(線密度0.33mg/m、繊維長51mm)100mass%をカーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。次いで、針密度50本/cmでニードルパンチして、面密度150g/mのプレパンチフエルトBを形成した。
【0030】
次いで、プレパンチフエルトAとプレパンチフエルトBとを1枚づつ積層した後、プレパンチフエルトA側から針密度150本/cmでニードルパンチすることにより一体化して、面密度800g/m、厚さ8mmの不織布を形成した。
【0031】
そして、この不織布を温度85℃、スリット幅1mmのローラープレス間を通すことにより熱粘着性繊維を粘着させて、面密度800g/m、厚さ5mmのクリーニング素材を形成した。なお、このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域に、原着ポリエステル繊維は混入していなかった。
【0032】
(実施例2)
実施例1と同じ熱粘着性繊維を100mass%使用して一方向性繊維ウエブを形成し、次いで、針密度50本/cmでニードルパンチして、面密度300g/mのプレパンチフエルトAを形成した。このこと以外は、実施例1と全く同様にして、プレパンチフエルトBと積層、ニードルパンチ処理、ローラープレス処理を行って、面密度450g/m、厚さ3.5mmのクリーニング素材を形成した。なお、このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域に、原着ポリエステル繊維は混入していなかった。
【0033】
(実施例3)
融点110℃のポリエステル共重合体のみからなる全溶融型の熱粘着性繊維(線密度0.33mg/m、繊維長51mm)100mass%をカーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。次いで、針密度50本/cmでニードルパンチして、面密度650g/mのプレパンチフエルトAを形成した。このこと以外は、実施例1と全く同様にして、プレパンチフエルトBと積層、ニードルパンチ処理、ローラープレス処理を行って、面密度800g/m、厚さ5mmのクリーニング素材を形成した。なお、このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域に、原着ポリエステル繊維は混入していなかった。
【0034】
(比較例1)
実施例1と同じ熱粘着性繊維95mass%と、実施例1と同じ原着ポリエステル繊維5mass%とを混綿し、カーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。次いで、針密度50本/cmでニードルパンチして、面密度650g/mのプレパンチフエルトAを形成した。このこと以外は、実施例1と全く同様にして、プレパンチフエルトBと積層、ニードルパンチ処理、ローラープレス処理を行って、面密度800g/m、厚さ5mmのクリーニング素材を形成した。
【0035】
(比較例2)
実施例1と同じ熱粘着性繊維90mass%と、実施例1と同じ原着ポリエステル繊維10mass%とを混綿し、カーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。次いで、針密度50本/cmでニードルパンチして、面密度650g/mのプレパンチフエルトAを形成した。このこと以外は、実施例1と全く同様にして、プレパンチフエルトBと積層、ニードルパンチ処理、ローラープレス処理を行って、面密度800g/m、厚さ5mmのクリーニング素材を形成した。
【0036】
(比較例3)
実施例1と同様にして形成したプレパンチフェルトAとプレパンチフェルトBとを1枚づつ積層した後、プレパンチフエルトB側から針密度150本/cmでニードルパンチを施すことにより一体化して、面密度800g/m、厚さ8mmの不織布を形成した。次いで、実施例1と同様にローラープレス処理を行い、面密度800g/m、厚さ5mmのクリーニング素材を形成した。なお、このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域に、原着ポリエステル繊維が混入していた。
【0037】
(クリーニング素材の評価方法)
実施例1〜3及び比較例1〜3のクリーニング素材を、3cm×3cm角に裁断した後、次のような評価を行った。
【0038】
まず、ホットプレートをシリコーンゴムで被覆し、このシリコーンゴム上に、市販の複写機用トナーを3cm×3cm当たり3mg量、均一に載せた後、ホットプレートを190℃に加熱した。次いで、複写機用トナー上に、各クリーニング素材、500gの錘の順に載せて、5秒後にクリーニング素材及び錘を剥がして、シリコーンゴム上に残ったトナー量を目視により、下記基準により判定した。この操作を5回繰り返して、クリーニング素材のクリーニング性を評価した。この結果は表1に示すとおりであった。
【0039】

評価;A:トナーが全く残っていない
B:トナーが3cm×3cm角の一部に薄く残っている
C:トナーが3cm×3cm角の全面に薄く残っている
D:トナーが3cm×3cm角の全面に濃く残っている
【0040】
【表1】
Figure 0003662708
【0041】
【発明の効果】
本発明のクリーニング素材は、被クリーニング物の不使用時における表面温度よりも高く、被クリーニング物の使用時における表面温度以下の温度で、軟化又は溶融する熱粘着性繊維のみからなる表面領域と、定着ロールの使用時における表面温度以下の温度で、軟化しない耐熱性繊維を含む領域を有する繊維シートからなる。このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域を、被クリーニング物に接触させることによって、優れたクリーニング性を発揮することを見い出したのである。この優れるクリーニング性は、熱粘着性繊維の粘着力によると考えられる。また、本発明のクリーニング素材を構成する熱粘着性繊維は、被クリーニング物の不使用時には軟化又は溶融していないため、交換作業性も優れている。
【0042】
本発明のクリーニング材は、ロール状物の表面が、上記のクリーニング素材から構成され、このクリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域が露出したものである。そのため、この熱粘着性繊維のみからなる表面領域を被クリーニング物に接触させれば、被クリーニング物をクリーニングすることができる。なお、本発明のクリーニング材は上記のクリーニング性に優れたクリーニング素材を使用しており、被クリーニング物が回転体である場合には、被クリーニング物の回転によってクリーニング材を回転させるだけでクリーニングできるため、電子写真複写機などの構造が簡単になり、装置のコンパクト化が可能であるばかりでなく、被クリーニング物表面を傷つけないというメリットも生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクリーニング材がブレード型の態様を示す断面図
【図2】 本発明のクリーニング材が他のブレード型の態様を示す断面図
【図3】 本発明のクリーニング材がロール型の態様を示す断面図
【図4】 本発明のクリーニング材がウエブ型の態様を示す断面図
【符号の説明】
1 クリーニング素材
2 弾性体
3 巻き出しシャフト
4 巻き取りシャフト
5 クリーニング材
6 定着ロール

Claims (6)

  1. 被クリーニング物の不使用時における表面温度よりも高く、被クリーニング物の使用時における表面温度以下の温度で、軟化又は溶融する熱粘着性繊維のみからなる表面領域と、被クリーニング物の使用時における表面温度以下の温度で、軟化しない耐熱性繊維を含む領域を有する繊維シートからなることを特徴とする、クリーニング素材。
  2. 耐熱性繊維を含む領域に炭素繊維又は導電加工した繊維が混合されていることを特徴とする、請求項1に記載のクリーニング素材。
  3. 熱粘着性繊維が、被クリーニング物の不使用時における表面温度よりも高く、被クリーニング物の使用時における表面温度以下の温度で、軟化又は溶融する樹脂成分のみからなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のクリーニング素材。
  4. 繊維シートの面密度が100〜1200g/mであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のクリーニング素材。
  5. 離型剤を含まないことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のクリーニング素材。
  6. ロール状物の表面が、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のクリーニング素材から構成され、該クリーニング素材の熱粘着性繊維のみからなる表面領域が露出していることを特徴とする、クリーニング材。
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